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Specification :(In Japanese)末梢神経障害誘発感覚異常を改善する外用剤

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6440240
Publication number P2015-172029A
Date of registration Nov 30, 2018
Date of issue Dec 19, 2018
Date of publication of application Oct 1, 2015
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)末梢神経障害誘発感覚異常を改善する外用剤
IPC (International Patent Classification) A61K  36/65        (2006.01)
A61P  25/02        (2006.01)
FI (File Index) A61K 36/65
A61P 25/02
Number of claims or invention 1
Total pages 6
Application Number P2014-107362
Date of filing May 23, 2014
Application number of the priority 2014029424
Priority date Feb 19, 2014
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Apr 27, 2017
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】安東 嗣修
【氏名】小林 奈央
【氏名】倉石 泰
Representative (In Japanese)【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
Examiner (In Japanese)【審査官】高橋 樹理
Document or reference (In Japanese)国際公開第2012/120082(WO,A1)
特開平07-138279(JP,A)
特表平09-512545(JP,A)
特表2006-519823(JP,A)
European Journal of Pain,2009年,Vol.13,p.22-27
日本緩和医療薬学雑誌,2011年,Vol.4,p.1-13
Pharmacology, Biochemistry and Behavior,2009年,Vol.94,p.88-97
Field of search A61K 36/65
A61K 45/00
A61P 25/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
タキサン系抗がん剤による末梢神経障害で誘発される感覚異常を改善するのに使用するための、芍薬のエキスを含有する外用剤。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物の末梢神経障害で誘発される感覚異常の改善するためのアデノシンA1受容体アゴニストの外用剤、詳しくは、アデノシンA1受容体活性化作用を有する生薬または生薬成分を含有する外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品の成分である薬物より生じる副作用の1つに神経障害がある。神経障害には中枢神経系、自律神経系、末梢神経系及び感覚器等の障害がある。これらの神経障害を引き起こす恐れがある医薬品として高脂血症治療薬、抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)、抗ウィルス薬及び抗結核薬等が知られている。
このうち、末梢神経障害で誘発される感覚異常は、薬物を使用してしばらく経過した後に手・足先の痺れ感、ほてり、感覚が鈍くなる等の症状を呈する。症状は、次第に上方の腕や脚に広がる。感覚異常の多くは両足・両手で起こるが、片足・片手だけのこともある。
【0003】
抗がん剤の末梢神経障害による感覚異常は、がん化学療法において問題となっている。抗がん剤の末梢神経障害の原因として、微小管の障害や血流の障害(非特許文献1)などが挙げられている。血流の障害に関しては血流改善が末梢神経障害を緩和することが知られている(非特許文献2)。
【0004】
一方、アデノシン受容体のサブタイプであるA1受容体のアゴニストは、血流を促進することに加え、疼痛抑制作用を有することが知られている(非特許文献3)。また、生薬として多用される芍薬の主要成分であるぺオニフロリンが、アデノシンA1受容体アゴニストとして機能することが知られている(非特許文献4)。
【0005】
抗がん剤のパクタキセル誘発疼痛マウスモデルでの異痛、痛覚過敏に芍薬の経口投与が有効であることが報告されている (非特許文献5)。しかし、生薬を処方成分とする和漢薬は、通常、経口投与されるが、紫雲膏など一部を除き、外用されることは少なく、芍薬(シャクヤク)、牡丹皮(ボタンピ)などは単味で外用には用いられていない。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】Gauchan P et al, J. Pharmacol. Sci. 109: 469-472 (2009).
【非特許文献2】Proctor KG et al, Circ. Res. 68: 683-688 (1991).
【非特許文献3】Korboukh I et al, J. Med. Chem. 55: 6467-6477 (2012).
【非特許文献4】Chih-Wei L et al, Life Sciences, 62(17/18):1591-1595 (1998).
【非特許文献5】Hidaka, Science of Kampo Medicine, 34(1):24-25 (2010).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
抗がん薬投与患者などで誘発される四肢末端の末梢神経障害による感覚異常の改善方法や予防方法は確立されてない。また、芍薬は単味で漢方薬として使用されておらず、また、芍薬を処方成分とする芍薬甘草湯など漢方薬は、経口投与が基本であり、感覚異常を生じている局所での治療に用いる外用剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、マウスにおいて、アデノシンA1受容体アゴニストを皮膚に塗布することで、抗がん薬投与による末梢神経障害から生じる感覚異常が改善されることを見出した。さらに、アデノシンA1受容体アゴニストを含有する生薬エキスを皮膚に塗布した場合においても、四肢末端の末梢神経障害を誘発する抗がん薬投与による末梢神経障害から生じる感覚異常が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】
末梢神経障害による感覚異常が問題となる薬物としては、例えば、微小管重合阻害薬(ビンカアルカロイド系薬剤、ハリコンドリンB類縁体)、微小管脱重合阻害薬(タキサン系薬剤)、白金製剤、プロテアソーム阻害剤、抗結核薬、抗原虫薬、逆転写酵素阻害薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬、痛風治療薬、抗不整脈薬、インターフェロン製剤などが挙げられる。
【0010】
末梢神経障害で誘発される感覚異常としては、手先・足先の痺れ感、ほてり、痛み、痛覚過敏、異痛(アロディニア)、感覚が鈍くなるなどが挙げられる。
【0011】
アデノシンA1受容体アゴニストとして、N6-シクロプロピルアデノシン(N6-Cyclopentyladnosine)など合成アデノシン誘導体;ペオニフロリンおよびペオニフロリン関連化合物(アルビフロリン、オキシペオニフロリンなどの生薬成分が挙げられる。
【0012】
本発明の外用剤は、有効成分として、アデノシンA1受容体アゴニスト作用を有する生薬また前記した生薬成分を用いるものである。
生薬として芍薬(シャクヤク)および/または牡丹皮(ボタンピ)、それらのエキスが挙げられるが、芍薬または芍薬エキスが好ましい。
【0013】
生薬エキスは、上記生薬から水もしくはメタノール、エタノールなどのアルコール類またはそれらの混合液を使用して煎じ、加熱還流など公知の方法またはそれに準じて製造されたものであればよい。
【0014】
本発明の外用剤は、通常外用剤に用いられる剤型を使用することができるが、好ましいものとして液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、貼付剤、エアゾール剤などが挙げられ、常法により製造することができる。
【0015】
また、本発明の外用剤には必要に応じ水、低級アルコール、溶解補助剤、界面活性剤、乳化安定剤、ゲル化剤、粘着剤、その他、所望する剤型を得るための通常使用される基剤成分などを配合でき、必要に応じて血管拡張剤、副腎皮質ホルモン、角質溶解剤、保湿剤、殺菌剤、抗酸化剤、清涼化剤、香料、色素などを本発明の効果が損なわれない範囲で配合することができる。
【発明の効果】
【0016】
合成アデノシンA1受容体作用薬やアデノシンA1受容体への作用を持つペオニフロリンなどの生薬成分およびそれを含有する生薬エキスを外用することで末梢神経障害による感覚異常を改善することができる。外用により経口投与より薬物の副作用などのリスクを減らすことができ、臨床への応用が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】パクリタキセル誘発機械的アロディニアにおけるA1アデノシン受容体作動薬繰り返し塗布の効果を示す図である。図の値は、平均±標準誤差(n = 6)。* p<0.05 vs. PTX+VH2 (Holm-Sidak テスト)。VH1: PTXの溶媒(Chremophore:ethanol:saline=1:1:8)、VH2:エタノール【0018】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、感覚異常の指標としてvon Freyフィラメントを用いた感覚の過過敏症(アロディニア)の評価を用い、また、一部の実験では、電気生理学的に、末梢神経の神経活動評価を用いた。

【0019】
製造例1
<芍薬エキス1>
芍薬50g と純水400mLを煎じ器加え,とろ火で50分間煎じる。煎じ液を濾紙で濾過し、濾液を凍結乾燥する。得られた粉末状のエキス(13.4g、収率:26.8%)はサンプル瓶に入れ、冷蔵保管する。

【0020】
製造例2
<芍薬エキス2>
芍薬1kgと99.5%エタノール2Lをガラス容器(ナス型フラスコの上部に摺合ジムロート冷器を装着したガラス容器)に投入し、90分間加熱還流する。冷却後、上清を分取する。残渣に99.5%エタノール2Lを加え、90分間加熱還流する。冷却後、上清を分取する。この抽出操作を再度繰り返す。分取した上清を合わせ、減圧下に濃縮する。残渣を凍結乾燥し、得られた粉末状のエキス(112.4g)はサンプル瓶に入れ、冷蔵保管する。

【0021】
実施例1
マウス(ICR,5~7週齢, 雄性)に、パクリタキセル(PTX、5mg/kg)単回腹腔内注射し、翌日よりA1アデノシン受容体作動薬(CPA:N6-Cyclopentyladenosine)およびその溶媒(VH2:エタノール)を20μLの容量で1日2回両足(足首から指先まで全体的に)に塗布した。アロディニアは、von Freyフィラメント(0.69 mN)を用いてスコア化(0 : 反応なし又は後肢を横にずらす行動、1 : 後肢の引き上げ行動 (lifting)、2 : 後肢の振り行動 (flinching) 又は刺激部位への舐め行動 (licking))して評価した。

【0022】
実施例2
マウス(ICR,5~7週齢, 雄性)に、パクリタキセル(PTX、5mg/kg)単回腹腔内注射し、翌日よりペオニフロリンまたはその溶媒(VH2:エタノール)を20μLの容量で1日2回両足(足首から指先まで全体的に)に塗布した。アロディニアは、von Freyフィラメント(0.69 mN)を用いてスコア化(0 : 反応なし又は後肢を横にずらす行動、1 : 後肢の引き上げ行動 (lifting)、2 : 後肢の振り行動 (flinching) 又は刺激部位への舐め行動 (licking))して評価した。

【0023】
実施例3
マウス(ICR,5~7週齢, 雄性)に、パクリタキセル(PTX、5mg/kg)単回腹腔内注射し、翌日より芍薬エキス1またはその溶媒(VH2:エタノール)を20μLの容量で1日2回両足(足首から指先まで全体的に)に塗布した。アロディニアは、von Freyフィラメント(0.69 mN)を用いてスコア化(0 : 反応なし又は後肢を横にずらす行動、1 : 後肢の引き上げ行動 (lifting)、2 : 後肢の振り行動 (flinching) 又は刺激部位への舐め行動 (licking))して評価した。

【0024】
実施例4
マウス(ICR,5~7週齢, 雄性)に、パクリタキセル(PTX、5mg/kg)単回腹腔内注射し、翌日より芍薬エキス2またはその溶媒(VH2:エタノール)を20μLの容量で1日2回両足(足首から指先まで全体的に)に塗布した。アロディニアは、von Freyフィラメント(0.69 mN)を用いてスコア化(0 : 反応なし又は後肢を横にずらす行動、1 : 後肢の引き上げ行動 (lifting)、2 : 後肢の振り行動 (flinching) 又は刺激部位への舐め行動 (licking))して評価した。図の値は、平均±標準誤差示した(n = 6)。* p<0.05 vs. PTX+VH2 (Holm-Sidak テスト)。【0025】
実施例5
マウス(ICR,5~7週齢, 雄性)に、パクリタキセル(PTX、5mg/kg)単回腹腔内注射し、翌日よりペオニフロリン(PNF、1%)またはその溶媒(VH2:エタノール)を20μLの容量で1日2回両足(足首から指先まで全体的に)に塗布した。PTX投与後14日目に伏在神経における神経活動を電気生理学的に評価した。自発的発火及びvon Freyフィラメント(0.69 mN)による刺激による発火を記録した。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の外用剤は、薬物の末梢神経障害による感覚異常を改善することができる。外用により経口投与より薬物の副作用などのリスクを減らすことができ、臨床への応用が容易となる。また、本発明の外用剤は、肌荒れなど環境要因による末梢神経障害による感覚異常にも有用である。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
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(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
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