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明細書 :胸骨変形防止装具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6302752号 (P6302752)
公開番号 特開2015-228938 (P2015-228938A)
登録日 平成30年3月9日(2018.3.9)
発行日 平成30年3月28日(2018.3.28)
公開日 平成27年12月21日(2015.12.21)
発明の名称または考案の名称 胸骨変形防止装具
国際特許分類 A61F   5/02        (2006.01)
A61F   5/03        (2006.01)
FI A61F 5/02 Z
A61F 5/03 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2014-115596 (P2014-115596)
出願日 平成26年6月4日(2014.6.4)
審査請求日 平成29年3月17日(2017.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】502437894
【氏名又は名称】学校法人大阪医科薬科大学
発明者または考案者 【氏名】藤原 憲太
【氏名】根本 慎太郎
【氏名】永野 徹
個別代理人の代理人 【識別番号】100074273、【弁理士】、【氏名又は名称】藤本 英夫
審査官 【審査官】大谷 謙仁
参考文献・文献 特開2012-061027(JP,A)
特開2013-215246(JP,A)
実公昭06-003473(JP,Y1)
特表2009-513191(JP,A)
米国特許出願公開第2009/0131841(US,A1)
特開2011-036558(JP,A)
特開2010-075628(JP,A)
調査した分野 A61F 5/02 - 5/03
特許請求の範囲 【請求項1】
体幹の輪郭に合せて胸部支持体と両側部支持体と背部支持体とが一体形成されてなる後
開き自在な胸骨変形防止装具であって、該胸骨変形防止装具はその内周面に沿ってシ-ト
状の緩衝材が内設されると共に、胸部支持体には所要幅の開口部が形成され、該開口部内
には胸骨創部に対応すべく矯正パッドが取付けバンドを介して着脱自在に取付けられてい
ることを特徴とする、胸骨変形防止装具。
【請求項2】
上記矯正パッドに感圧センサ-が装着されてなることを特徴とする、請求項1記載の胸
骨変形防止装具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は胸骨変形防止装具に関し、更に詳細には、特に小児心臓手術後に装着して胸
骨の変形を防止せしめ、創部を有効に保護せしめる、胸骨変形防止装具に関する。
【背景技術】
【0002】
新生児、乳児、あるいは幼児などの小児が胸骨を上下方向に切開することにより心臓な
どの手術を受けたさいには、縫合後に切開部位の胸骨創部が膨隆する症状を生起するおそ
れがあるものである。このため、かかる胸骨変形を防止せしめるべく手術後に胸骨変形防
止装具を装着せしめ、胸骨の変形を防止せしめつつ創部を保護せしめる、保存的療法が提
案されている。
【0003】
ところで、かかる胸骨変形防止装具として特開2002-345868号(特許文献1
)には、体幹に合せて胸部支持体と背部支持体とが装着バンドを介して装着自在とされる
と共に、該胸部支持体内面には胸部支持体とほぼ同形の矯正パッドが取着されたものが開
示されている。
そして、かかる胸骨変形防止装具は、矯正パッドを切開部位の胸骨創部のみならず胸部
全面に当てがいつつ装着バンドでもって常時押圧状に装着せしめ、胸骨の変形を防止せし
めつつ創部を保護せしめるものである。
【0004】
また、特開2012-61027号公報(特許文献2)には、帯状小片の胸部支持体と
背部支持体とが装着バンドを介して装着自在とされると共に、胸部支持体内面には胸骨創
部に対応する大きさの矯正パッドが取着されたもの、さらに、実用新案登録第31658
17号公報(特許文献3)には、小片状の胸部支持体が装着バンドを介して装着自在とさ
れると共に、該胸部支持体の内面には胸骨創部に対応する大きさの矯正パッドが取着され
たものが各々開示されている。
そして、上述の如く構成された胸部変形防止装具は、矯正パッドを切開部位の胸骨創部
に当てがいつつ重点的に装着バンドでもって常時押圧状に装着せしめ、胸骨の変形を防止
せしめつつ創部を保護せしめるものである。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2002-345868号公報
【特許文献2】特開2012-61027号公報
【特許文献3】実用新案登録第3165817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1記載の胸骨変形防止装具は、体幹に合せて胸部支持体と背部
支持体を装着バンドでもってしっかりと装着して保形せしめることが出来る反面、矯正パ
ッドは胸部支持体とほぼ同形状に形成されているから、切開部位の胸骨創部のみならず、
胸骨全面を押圧せしめるものとなり、ひいては、押圧力が分散して胸骨創部に対する重点
的な矯正を行うことが出来ないものであって、極めて矯正効率の悪いものとなっていた。
また、胸部支持体はともかく、背部支持体や装着バンドを体幹に直接的に当てがうもので
あるから、全体として不快な装着感を生起せしめやすいものである。
【0007】
また、特許文献2・3記載の胸骨変形防止装具は、胸骨創部に対応する大きさの矯正パ
ッドが胸部支持体に取着されているから、かかる矯正パッドを切開部位の胸骨創部に当て
がいつつ押圧せしめることが出来るものであって、常に胸骨創部の重点的な矯正を有効に
行なうことが出来る反面、胸部支持体や背部支持体は帯状小片に形成されているから、体
幹に当てがう面積が小となり、ひいては、装着バンドでもって体幹に装着せしめたさいに
は装着が不十分となり、場合によってはガタ付きなどを生起せしめ、保形性のみならず矯
正効果において問題があるものである。
【0008】
本発明は従来の課題を解決し、常に緩衝材でもって体幹にフィットせしめつつ外部から
の衝撃や応力を緩衝せしめ、安全かつ確実に保形せしめることが出来るのみならず、良好
な装着感を呈し、しかも矯正パッドを切開部位の胸骨創部に当てがいつつ重点的に押圧せ
しめ、胸骨の変形を防止せしめつつ胸骨創部を有効に保護せしめることが出来る、胸骨変
形防止装具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の発明は、体幹の輪郭に合せて胸部
支持体と両側部支持体と背部支持体とが一体形成されてなる後開き自在な胸骨変形防止装
具であって、該胸骨変形防止装具はその内周面に沿ってシ-ト状の緩衝材が内設されると
共に、胸部支持体には所要幅の開口部が形成され、該開口部内には胸骨創部に対応すべく
矯正パッドが取付けバンドを介して着脱自在に取付けられていることを特徴とする、胸骨
変形防止装具を要旨とするものである。
【0010】
本発明の請求項2記載の発明は、上記矯正パッドに感圧センサ-が装着されてなること
を特徴とする、請求項1記載の胸骨変形防止装具を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明は、上述のように構成されているから、常に緩衝材でもっ
て体幹にフィットせしめつつ、胸部支持体と両側部支持体と背部支持体とでもって外部か
らの衝撃や応力を緩衝せしめて安全かつ確実に保形せしめることが出来るのみならず、良
好な装着感を呈する。しかも、胸部支持体の開口部には胸骨創部に対応する矯正パッドが
取着されているから、矯正パッドを胸骨創部に適確に当てがいつつ重点的に押圧せしめる
ことが出来るものであって、常に胸骨の変形を効果的に防止することが出来るのみならず
、胸骨創部を有効に保護せしめることが出来るものである。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明は、上述のように構成されているから、感圧センサ-でも
って矯正パッドによる押圧力を計測せしめ、常に適正な押圧力でもって胸骨創部を押圧せ
しめつつその変形を有効に防止せしめることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す背面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図4】図3のA-A線に沿う断面図である。
【図5】本発明の一実施例の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態を図面に示す一実施例に基づいて説明する。

【0017】
図1~図5は本発明の一実施例を示すもので、同図中、1は体幹の輪郭に合せて形成さ
れた後開き状の胸骨変形防止装具で、該胸骨変形防止装具1はサブオルソレンや軟質ポリ
エチレンなどの熱可塑性樹脂により一体に成型されている。2は上記胸骨変形防止装具1
を構成する略逆U字形状の胸部支持体、3は該胸部支持体2の中央部に区画形成された広
幅状の開口部、4は切開部位の胸骨創部に対応すべく該開口部3内に取付けバンド5を介
して着脱自在に取付けられた矯正パッド、6は胸骨創部に対する押圧力を計測せしめるべ
く該矯正パッド4に内臓された感圧センサ-で、該感圧センサ-6としては例えば市販品
である株式会社朝日ラバ-製の「超薄型感圧ラバ-センサ-」を好適に用いることが出来
る。そして、該感圧センサ-6による押圧力の計測を公知の回路により取付けバンド5上
などに表示すべく設定され、また、取付けバンド5は雄雌面ファスナ-7・8でもって胸
部支持体2に緊締係着せしめるものとされている(図1、図3、及び図4参照)。

【0018】
9は上記胸部支持体2の両側に各々一体に連結された両側部支持体、10は該両側部支
持体9に各々一体に連結された開閉自在な2つ割状の背部支持体、11は該背部支持体1
0を開閉作動せしめるべく付設された装着バンドで、該装着バンド11は雄雌面ファスナ
-12・13でもって背部支持体10を開閉自在に緊締係着せしめるものとされている
(図2~図4参照)。14は体幹にフィットせしめると共に外部からの衝撃や応力を緩衝
せしめるべく胸骨変形防止装具1の内周面に内張り状に内設されたシ-ト状の緩衝材で、
該緩衝材14はαGEL(登録商標)によりシ-ト状に形成されている。その他、15は胸部支持体2より背部支持体10に向けて架設状に取付けられた両側一対の肩紐、16は人体の体幹を示す。

【0019】
上述の如く構成された実施例は、図5に示すように、特に小児心臓手術後に体幹16に
装着して胸骨の変形を防止せしめ、創部を有効に保護せしめる。即ち、先ず、胸骨変形防
止装具1を構成する背部支持体10を拡開作動せしめ、緩衝材14を体幹16の外周に当
接せしめつつ、開口部3を切開部位の胸骨創部に対応せしめるべく胸部支持体2を胸部に
当てがうと共に、両側部支持体9および背部支持体10を各々対応する体幹16部位に当
てがったのち、装着バンド11でもって背部支持体10を閉作動せしめ、体幹16に胸骨
変形防止装具1を装着せしめる。このさい、αGELにより形成された緩衝材14は衝撃吸収性が高く、衝撃を緩和せしめる性能に優れているから、体幹16にフィットして装着感が良好であるのみならず、胸部支持体2・両側部支持体9・背部支持体10とも相まって外部からの衝撃や応力を安全、かつ確実に緩衝せしめることが出来る。

【0020】
体幹16に対する胸骨変形防止装具1の装着が完了すると、矯正パッド4を胸骨創部に当てがいつつ、取付けバンド5により所要の押圧力でもって胸部支持体2に取付け、胸骨
の変形を防止せしめる。このさい、矯正パッド4を胸骨創部に当てがうものとされている
から、胸骨創部を重点的に押圧せしめることが出来るものであって、常に胸骨の変形を効
果的に防止せしめつつ保護せしめることが出来る。また、取付けバンド5による矯正パッ
ド4の押圧力は感圧センサ-6により検出表示するものとされているから、常に取付けバ
ンド5による矯正パッド4の押圧力を計測せしめつつ適正に調整せしめることが出来るも
のであって、常に適正な押圧力でもって胸骨の変形を効果的に防止せしめることが出来る
ものである。
【符号の説明】
【0021】
1 胸骨変形防止装具
2 胸部支持体
3 開口部
4 矯正パッド
5 取付けバンド
6 感圧センサ-
9 両側部支持体
10 背部支持体
14 緩衝材
16 体幹
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4