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明細書 :てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-136407 (P2019-136407A)
公開日 令和元年8月22日(2019.8.22)
発明の名称または考案の名称 てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラム
国際特許分類 A61B  10/00        (2006.01)
A61B   5/11        (2006.01)
FI A61B 10/00 H
A61B 5/11 120
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2018-024355 (P2018-024355)
出願日 平成30年2月14日(2018.2.14)
発明者または考案者 【氏名】田中 雄一
【氏名】矢崎 義直
【氏名】渡邊 さつき
出願人 【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
【識別番号】510147776
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
個別代理人の代理人 【識別番号】110000925、【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C038
Fターム 4C038VA04
4C038VB31
4C038VB35
4C038VC05
要約 【課題】少ない演算量で高速かつ高い精度でてんかん発作を検出することができる、てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラムを提供する。
【解決手段】
てんかん発作検出装置は、動画像データを白黒変換、ブロック平均演算、そしてブロック差分演算を経て、情報量を削減する。そしてブロック単位でFFTを実行し、てんかん患者の発作に基づくけいれんの発生を、FFTの実行結果に含まれる最大振幅の周波数成分から判別する。更に、けいれんの中心周波数が時間経過に連れて低下する現象も取得して、てんかん患者の発作に基づくけいれんを判別する。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
輝度情報のみで構成される白黒の動画像データを予め定められたブロック数に分割して、その平均値を算出するブロック平均演算処理部と、
前記ブロック平均演算処理部が出力した平均値データと、1フレーム直前の平均値データとの差分を出力することで、前記平均値データに含まれるDC成分を除去するブロック差分演算処理部と、
前記ブロック差分演算処理部が出力した平均値差分データのブロック単位でFFTを実行するFFT処理部と
を具備し、
前記FFT処理部が出力したFFT変換データに含まれる周波数成分の最大値が1Hzより大きく6Hz以下の範囲にあることを以て、前記動画像データに写る被写体にてんかん発作に基づくけいれんが発生したと判断する、てんかん発作検出装置。
【請求項2】
前記FFT処理部が出力したFFT変換データに含まれる周波数成分の最大値が1Hzより大きく6Hz以下の範囲にあることに加え、前記周波数成分の最大値の周波数が時間経過と共に低下することを以て、前記動画像データに写る被写体にてんかん発作に基づくけいれんが発生したと判断する、請求項1に記載のてんかん発作検出装置。
【請求項3】
前記FFT処理部が出力したFFT変換データに含まれる周波数成分の最大値が1Hzより大きく6Hz以下の範囲にあることに加え、前記周波数成分の最大値の周波数が時間経過と共に低下するブロックが全ブロック数のうち所定の数以上存在することを以て、前記動画像データに写る被写体にてんかん発作に基づくけいれんが発生したと判断する、請求項2に記載のてんかん発作検出装置。
【請求項4】
更に、
カラーの動画像データを前記白黒の動画像データに変換して前記ブロック平均演算処理部に供給する白黒変換処理部と
を具備する、請求項3に記載のてんかん発作検出装置。
【請求項5】
輝度情報のみで構成される白黒の動画像データを予め定められたブロック数に分割して、その平均値を算出するブロック平均演算処理部の機能と、
前記ブロック平均演算処理部が出力した平均値データと、1フレーム直前の平均値データとの差分を出力することで、前記平均値データに含まれるDC成分を除去するブロック差分演算処理部の機能と、
前記ブロック差分演算処理部が出力した平均値差分データのブロック単位でFFTを実行するFFT処理部の機能と、
前記FFT処理部が出力したFFT変換データに含まれる周波数成分の最大値が1Hzより大きく6Hz以下の範囲にあることを以て、前記動画像データに写る被写体にてんかん発作に基づくけいれんが発生したと判断する機能を、コンピュータに実現させるためのてんかん発作検出プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、てんかん患者の発作を高精度かつ高速にて検出できる、てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
てんかんは脳の神経細胞の過剰な興奮によって生じる神経疾患であり、過剰興奮の生じる部位や範囲により様々な発作を呈する。てんかんは世界的に最も一般的な神経疾患の一つであり、人口の約1%がてんかんを患っていると言われている。てんかんに起因する発作の症状は様々であるが、てんかん発作の問題点として、以下の3点が挙げられる。
第一に、発作に起因する外傷や呼吸の悪化、循環動態の悪化等が起こり得る。
第二に、意識を失う可能性が高く、また意識を失っても倒れない場合や就寝中の場合には、患者の傍に目撃者が居ないと発作の発生を把握できない。
第三に、いつ何処で発作が起こるのか予測が不能である。
【0003】
本発明の先行技術文献を特許文献1~3及び非特許文献1~3に示す。
特許文献1には、てんかん性発作の兆候を心電信号から検知する、てんかん性発作兆候検知装置に関する技術が開示されている。
特許文献2には、てんかん性発作を三軸加速度計から検出する、てんかん発作のモニタリングシステムに関する技術が開示されている。
特許文献3には、てんかん性発作を心電信号から検出する、てんかん発作検出装置に関する技術が開示されている。
非特許文献1には、てんかん性発作をEEG(脳波)から検知する、てんかん性発作検知装置に関する技術が開示されている。
非特許文献2及び3には、てんかん性発作を動画像データから検知する、てんかん性発作検知装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2015-112423号公報
【特許文献2】特開2014-217649号公報
【特許文献3】特開2013-198562号公報
【0005】

【非特許文献1】H. Adeli, S. Ghosh-Dastidar, and N. Dadmehr, “A wavelet-chaos methodology for analysis of EEGs and EEG subbands to detect seizure and epilepsy,” IEEE Transactions on Biomedical Engineering, vol. 54, no. 2, pp. 205-211, 2007.
【非特許文献2】H. Lu, Y. Pan, B. Mandal, H.-L. Eng, C. Guan, and D. W. Chan, “Quantifying limb movements in epileptic seizures through color-based video analysis,” IEEE Transactions on Biomedical Engineering, vol. 60, no. 2, pp. 461-469, 2013.
【非特許文献3】S. Kalitzin, G. Petkov, D. Velis, B. Vledder, and F. L. da Silva, “Automatic segmentation of episodes containing epileptic clonic seizures in video sequences,” IEEE Transactions on Biomedical Engineering, vol. 59, no. 12, pp. 3379-3385, 2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
てんかん発作の重篤な例として、強直間代発作、いわゆる全身けいれんが挙げられる。強直間代発作は、一過性の無呼吸や、酷い場合には心静止が生じ得ることがあり、てんかんにおける予期せぬ突然死の最も重要な危険因子でもある。強直間代発作が生じたら、体位変換、酸素投与、気道吸引等の早期介入を行い、突然死や二次的傷病の発生を防ぐ必要がある。これらの措置は、患者の呼吸不全や脳機能抑制の時間を短縮し、患者の身体生命における危険を早期に除去することに繋がる。
つまり、てんかん患者の安全のためには、いつ何時起こるかわからないてんかん発作の発生を迅速に把握して、適切なアフターケアを施すために、理想的には24時間の監視が必要である。
しかしながら、医療機関であっても医師や看護師の人的リソースは圧倒的に不足している。また、家庭においても、単身者はもちろん同居者による常時観察は困難であり、てんかん患者を人手にて24時間365日監視し続けることは凡そ不可能である。
【0007】
そこで、人手に頼らず機械的にてんかん発作を検出する仕組みが必要になる。前述の特許文献1、2及び3は、何れもてんかん患者の体表面に心拍を検出するための電極や発作を検出するための加速度計等を取り付ける必要があり、QoL(Quality of Life)の面で好ましいとは言い難い。
また、非特許文献1に示すように、脳波からてんかん性発作を検出することも可能ではあるが、てんかん患者の頭部に電極を取り付ける必要が有るため、QoLの面で好ましいとは言い難い。
非特許文献2では、てんかん患者を撮影した動画像データから検出する。しかし、非特許文献2の技術は、患者に手足の部分が単色で染め上げられた特殊なパジャマを着用させ、患者の手足を動画像データから検出するため、演算処理が膨大である。また、てんかん発作の検出精度に課題が認められる。
【0008】
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、少ない演算量で高速かつ高い精度でてんかん発作を検出することができる、てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のてんかん発作検出装置は、白黒の動画像データを予め定められたブロック数に分割して、その平均値を算出するブロック平均演算処理部と、ブロック平均演算処理部が出力した平均値データと、1フレーム直前の平均値データとの差分を出力することで、平均値データに含まれるDC成分を除去するブロック差分演算処理部と、ブロック差分演算処理部が出力した平均値差分データのブロック単位でFFTを実行するFFT処理部とを具備する。そして、FFT処理部が出力したFFT変換データに含まれる周波数成分の最大値が1Hzより大きく6Hz以下の範囲にあることを以て、動画像データに写る被写体にてんかん発作に基づくけいれんが発生したと判断する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少ない演算量で高速かつ高い精度でてんかん発作を検出することができる、てんかん発作検出装置及びてんかん発作検出プログラムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るてんかん発作検出装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】てんかん発作検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】てんかん発作検出装置のソフトウェア機能を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るてんかん発作検出装置の、ソフトウェア機能の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】平均差分メモリ、FFT処理部、FFTバッファの関係と、周波数帯別最大値割合演算処理部における、FFT変換データを用いたデータ処理の動作を説明するための図である。
【図6】FFT変換データを用いた、最大値成分周波数メモリ、第一最高最大値周波数取得部及び第二最高最大値周波数取得部における、データ処理の動作を説明するための図である。
【図7】第二の特徴である周波数の変化を検出する処理を含めたものと、含めないものとで、ブロック分割形状及び分割数を変化させつつ、サンプル動画データを読み込ませた際の検出率を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
てんかん患者のてんかん発作、特に強直間代発作に代表される全身けいれん症状には、他の疾病に起因するけいれん症状とは異なる、以下の特徴がある。
第一の特徴として、けいれんの周波数が1Hz以上6Hz以下の周波数範囲であること。
第二の特徴として、てんかん発作発生直後から時間が経過するに連れて、けいれんの周波数が徐々に低くなること。
本発明の実施形態に係るてんかん発作検出装置は、以上の二種類の特徴を動画像データから高速に抽出して、てんかん発作の検出を高精度に実現する。

【0013】
[てんかん発作検出装置101:全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るてんかん発作検出装置101の全体構成を示す概略図である。
カメラ102はてんかん患者103が寝ているベッド104を撮影し、動画像データストリームを生成する。カメラ102が出力する動画像データストリームは、パソコンよりなるてんかん発作検出装置101に入力される。てんかん発作検出装置101は、動画像データストリームからてんかん患者103のてんかん発作を検出して、アラーム信号をその他の機器へ出力する。

【0014】
例えば、てんかん発作検出装置101が出力するアラーム信号をそのままナースコールのシステムに供給することが可能である。また、監視用動画記録装置が周知のドライブレコーダのように動画像データをリングバッファに記録し続け、てんかん発作検出装置101が出力するアラーム信号に基づいてその動画像データを別途保存する、という使い方も可能である。
カメラ102の焦点距離は、撮影される画像の範囲内にベッド104あるいはてんかん患者103の全身が満遍なく写るように設定されることが好ましい。

【0015】
[てんかん発作検出装置101:ハードウェア構成]
図2は、てんかん発作検出装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
一般的なパソコンよりなるてんかん発作検出装置101は、バス201に接続された、CPU202、ROM203、RAM204、表示部205、操作部206、不揮発性ストレージ207、NIC(Network Interface Card)208を備える。したがって、図1及び図2に示すてんかん発作検出装置101は、カメラ102とLANで接続される。
不揮発性ストレージ207には、パソコンをてんかん発作検出装置101として動作させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。

【0016】
なお、カメラ102とてんかん発作検出装置101との間のインターフェースは、USB等のシリアルインターフェースでもよい。また、英国ラズベリーパイ財団(http://www.raspberrypi.org/)が開発する「Raspberry Pi」等を始めとする、近年普及している安価なシングルボードコンピュータを用いて、カメラ102にてんかん発作検出装置101を内蔵させることも可能である。この場合、表示部205及び操作部206は不要となる。

【0017】
また、てんかん発作検出装置101の入力データは、カメラ102から供給される動画像データストリームだけに限定されない。録画済みの動画像データファイルであってもよい。図7で後述するてんかん発作検出装置101の性能検証においては、録画済みの動画像データファイルを使用している。

【0018】
[てんかん発作検出装置101:ソフトウェア機能]
図3は、てんかん発作検出装置101のソフトウェア機能を示すブロック図である。なお、これ以降の説明において、てんかん発作検出装置101に入力される動画像データは一例として毎秒30フレームであるものとする。当然、てんかん発作検出装置101に入力される動画像データのフレームレートは毎秒30フレームに限定されるものではなく、てんかん患者103の発作に基づくけいれんの周波数を識別できる程度のフレームレートであればよい。また、圧縮された動画像データのデコード処理は当然にあるものとして記載を省略している。

【0019】
カメラ102から出力されるカラーの動画ストリームデータ、または動画像ファイル301は、白黒変換処理部302にて色情報が削減され、例えば256階調の輝度情報のみで構成される白黒(モノクローム)の動画像データに変換される。なお、カメラ102が出力する動画ストリームデータ、または動画像ファイル301が最初から白黒動画像データである場合、白黒変換処理部302は不要である。
ブロック平均演算処理部303は、白黒変換処理部302が出力する白黒の動画像データを予め定められたブロック数に分割して、それらブロックに対し、輝度の平均値を算出する。
ブロック差分演算処理部304は、ブロック平均演算処理部303が出力した平均値データと、1フレーム直前の平均値データとの差分を出力することで、平均値データに含まれるDC成分を除去する。
こうしてDC成分が除去された平均値差分データは、平均差分メモリ305に格納される。

【0020】
平均差分メモリ305は、平均値差分データを300フレーム分(10秒分)記憶する。
FFT処理部306(Fast Fourier Transform)は平均差分メモリ305のブロックに注目して、ブロック毎のFFT変換データを出力する。
FFT変換データは、一旦FFTバッファ307に保持される。
最大値成分周波数取得処理部308は、FFTバッファ307に保持されたFFT変換データを読み込み、最大値を示す周波数成分の周波数を取得して、最大値成分周波数メモリ309に出力する。
最大値成分周波数メモリ309は、ブロック毎の最大値成分周波数を30フレーム分(1秒分)記憶する。

【0021】
第一最高最大値周波数取得部310は、指定されたブロックについて、最大値成分周波数メモリ309の後半15フレーム分(0.5秒分)の最高最大値周波数を出力する。
第二最高最大値周波数取得部311は、指定されたブロックについて、最大値成分周波数メモリ309の前半15フレーム分(0.5秒分)の最高最大値周波数を出力する。
最高最大値周波数とは、最大値を示す周波数成分のうち最も高い周波数を意味する。最高最大値周波数の詳細については、図6にて後述する。
後半15フレーム分の最高最大値周波数と前半15フレーム分の最高最大値周波数は、第二コンパレータ312にて評価される。第二コンパレータ312は、後半15フレーム分の最高最大値周波数が前半15フレーム分の最高最大値周波数より大きい場合には、論理の真を出力する。

【0022】
周波数帯別最大値割合演算処理部313は、FFTバッファ307に保持されたFFT変換データを読み込み、周波数帯毎に最大値を示す周波数成分の大きさ(L1、L2、L3)の割合(C)を演算し、周波数帯別最大値割合メモリ314に出力する。
周波数帯別最大値割合メモリ314に保持された周波数帯別最大値割合は、第一閾値315と共に第一コンパレータ316にて評価される。第一コンパレータ316は、第一閾値315より周波数帯別最大値割合が大きい場合には論理の真を出力する。
第二コンパレータ312の出力論理値と第一コンパレータ316の出力論理値は、ANDゲート317によって論理積が出力される。ANDゲート317の論理積出力はフラグメモリ318に格納される。フラグメモリ318はブロックに対応するフラグを1フレーム分有する。

【0023】
第一カウンタとも言えるフラグカウンタ319はフラグメモリ318中の論理の真の数を計数する。
フラグカウンタ319が出力する論理の真の数は、第二閾値320と共に第三コンパレータ321にて評価される。第三コンパレータ321は、第二閾値320より論理の真の数が多い場合には論理の真を出力する。
第三コンパレータ321の出力は第二カウンタ322に入力される。第二カウンタ322は入力の論理が偽の時にはリセットされ、入力の論理が真の時に入出力制御部323から出力されるトリガを計数する。

【0024】
第二カウンタ322の出力データは第四コンパレータ324に入力される。第四コンパレータ324は第二カウンタ322の出力データを第三閾値325と比較して、第三閾値325以上の値であれば論理の真を出力する。第三閾値325には1秒を示すフレーム数が設定される。本実施形態の場合、入力される動画像データが毎秒30フレームなので、第三閾値325は「30」という数になる。
この、第四コンパレータ324の論理値出力がアラーム出力となり、表示処理部326を通じて表示部205にて表示される他、種々のその他機器へ出力される。

【0025】
入出力制御部323は、
・平均差分メモリ305からFFT処理部306に読み込む際のアドレス制御、
・最大値成分周波数メモリ309から第一最高最大値周波数取得部310及び第二最高最大値周波数取得部311に読み込む際のアドレス制御、
・ANDゲート317の論理積出力値をフラグメモリ318に書き込む際のアドレス制御、
・フラグカウンタ319を起動するタイミング制御、
・第二カウンタ322に与える計数用パルスの出力、
・データ処理の実行制御
等を行う。

【0026】
図4は、本発明の実施形態に係るてんかん発作検出装置101の、ソフトウェア機能の動作の流れを示すフローチャートである。
なお、図4のフローチャートでは、動画像データストリームの1フレームにおけるa行b列の処理を、要素数iの処理に見立てている。
処理を開始すると(S401)、先ず、入出力制御部323はカウンタ変数jを1に初期化する(S402)。次に、カウンタ変数iを1に初期化する(S403)。

【0027】
次にFFT処理部306は、カウンタ変数iに該当するブロックについて、直前10秒のサンプルに対しFFTを実行する。そして、周波数帯別最大値割合演算処理部313は、周波数範囲毎の最大値を示す周波数成分の大きさL1(i,t)、L2(i,t)、L3(i,t)を取得する。更に、最大値成分周波数取得処理部308は、最大値を示す周波数成分の周波数Fmxを取得する(S404)。
ここで、L2(i,t)は、周波数fが1Hz<f≦6Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさである。
同様に、L1(i,t)は、周波数fが0Hz<f≦1Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさである。
L3(i,t)は、周波数fが6Hz<f≦10Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさである。

【0028】
次に、周波数帯別最大値割合演算処理部313は、L1(i,t)、L2(i,t)、L3(i,t)から1Hz以上6Hz未満の周波数帯のピーク値周波数のレベルの割合C(i,t)を算出する。そして第一コンパレータ316は、C(i,t)が第一閾値Zcより大きいか否かを確認する(S405)。

【0029】
C(i,t)が第一閾値Zcより大きいならば(S405のYES)、第一最高最大値周波数取得部310は最大値成分周波数メモリ309を読み込み、後半15フレームのFmxのうち最も高い周波数(Fmm(i,t-16,t-30))を出力する。第二最高最大値周波数取得部311は最大値成分周波数メモリ309を読み込み、前半15フレームのFmxのうち最も高い周波数(Fmm(i,t,t-15))を出力する。そして第二コンパレータ312は、Fmm(i,t-16,t-30)とFmm(i,t,t-15)とを比較して、Fmm(i,t,t-15)がFmm(i,t-16,t-30)より下がっているか否かを確認する(S406)。
なお、Fmm(i,t,t-15)は、時点tからt-15(t~0.5秒)の間における、最大値を示す周波数成分の周波数であるFmxのうち最も高い周波数を指す。
同様に、Fmm(i,t-16,t-30)は、時点t-16からt-30((t-0.5)秒~(t-1)秒)の間における、最大値を示す周波数成分の周波数であるFmxのうち最も高い周波数を指す。

【0030】
Fmm(i,t-16,t-30)>Fmm(i,t,t-15)であるならば(S406のYES)、入出力制御部323はi番目のフラグ配列変数Flg(i)を論理の真(図4中、「.t.」と表記)に設定する(S407)。
ステップS405でC(i,t)が第一閾値Zc以下か(S405のNO)、またはステップS406でFmm(i,t-16,t-30)≦Fmm(i,t,t-15)であるならば(S406のNO)、i番目のフラグ配列変数Flg(i)を論理の偽(図4中、「.f.」と表記)に設定する(S408)。

【0031】
ステップS407、S408の何れの場合でも、入出力制御部323は処理を実行した後、カウンタ変数iを1インクリメントする(S409)。
そして入出力制御部323は、カウンタ変数iがiの最大値imaxより大きいか否かを確認する(S410)。
i≦imaxなら(S410のNO)、入出力制御部323は再びステップS404から処理を繰り返す。

【0032】
i>imaxなら(S410のYES)、次にフラグカウンタ319はフラグ配列変数Flgの、論理の真の要素数を数える。そして第三コンパレータ321は、その総数(ΣFlg)が第二閾値Zbより大きいか否かを確認する(S411)。
ΣFlg>Zbなら(S411のYES)、入出力制御部323はカウンタ変数jを1インクリメントする(S412)。
ΣFlg≦Zbなら(S411のNO)、入出力制御部323はカウンタ変数jを1に初期化する(S413)。

【0033】
ステップS412、S413の何れの場合でも、第四コンパレータ324はカウンタ変数jが第三閾値325の「30」以上であるか否かを確認する(S414)。
カウンタ変数jが30以上である、すなわち第三コンパレータ321の出力論理値が真の状態が1秒以上継続していれば(S414のYES)、入出力制御部323はてんかん患者にてんかん発作が生じたと判断し、アラームを出力する(S415)。
カウンタ変数jが30未満である、すなわち第三コンパレータ321の出力論理値が真の状態が1秒以上継続していなければ(S414のNO)、入出力制御部323はてんかん患者にてんかん発作が生じていないと判断し、アラームを出力しない(S416)。
ステップS415、S416の何れの場合でも、入出力制御部323はステップS403から処理を繰り返す。

【0034】
図5は、平均差分メモリ305、FFT処理部306、FFTバッファ307の関係と、周波数帯別最大値割合演算処理部313において、FFTバッファ307に格納されるFFT変換データ307を用いたデータ処理の例を示す。
平均差分メモリ305は、1フレームにおけるブロック毎の平均差分値の集合体を、300フレーム分保持している。
FFT処理部306は、ステップS403におけるカウンタ変数iに該当するブロックについて、直前10秒のサンプルに対しFFTを実行する。FFTの実行結果であるFFT変換データは300サンプルのFFTバッファ307に保持される。

【0035】
FFTバッファ307に格納されたFFT変換データはグラフP501に示すように、周波数毎のレベルが格納されている。周波数帯別最大値割合演算処理部313は、このFFT変換データを3つの周波数帯に分けて、その最大値をL1(i,t)、L2(i,t)、L3(i,t)として取得し、その割合を演算する。
演算の結果得られた周波数帯別最大値割合は、第一閾値Zcと比較されて、論理値として出力される。

【0036】
前述の通り、てんかん患者103の全身けいれん症状における第一の特徴として、けいれんの周波数が1Hz以上6Hz以下の周波数範囲である、と記した。てんかん患者103が発作を起こしてけいれんすると、患者の手足を含む全身がけいれんで震える。この震えを、動画像データから抽出することができれば、てんかん患者103の全身けいれん症状における第一の特徴を捉えることが可能になる。
そこで、先ずは動画像データを白黒に変換した後、例えば縦10×横10等の大雑把な複数のブロックに分割する。そして、ブロック毎に輝度の平均値を算出する。すると、動画像データの解像度が著しく低下された、周知のモザイク状の画像に変換される。てんかん患者103がけいれんした動画像データに周知のモザイク処理を施すと、けいれんはモザイクの明滅となって現れる。このモザイクの明滅の周期をフーリエ変換によって特定すれば、てんかん患者103の発作に基づくけいれんの周波数範囲であるか否かを判定することが可能になる。

【0037】
例えば、元の動画像データが1024×768ピクセルの256色カラー動画像であった場合、画面データのデータ量は、1フレーム当たり1バイト×3色×1024×768ピクセル=2359296バイト、凡そ2.4Mバイトである。この画面データに対し、縦768ピクセルを76~77ピクセル毎に10等分、横1024ピクセルを102~103ピクセル毎に10等分する。そして、(102~103)×(76~77)ピクセルの範囲について、白黒変換とブロック平均演算、そしてDC成分を除去するための差分演算を行う。すると、白黒変換処理部302による白黒変換処理と、ブロック平均演算処理部303によるブロック平均演算処理によって、1フレーム当たり1バイト×10×10=100バイトと、演算の要素数は大幅に減少する。

【0038】
次に、画面を分割したブロック毎に、FFTを実行する。例えば10×10のブロックの、縦3番目、横5番目のブロックであれば、現時点のフレームの縦3番目、横5番目のブロック、1フレーム前のフレームの同じ位置のブロック、2フレーム前のフレームの同じ位置のブロック、…、300フレーム前のフレームの同じ位置のブロックを抽出する。そして、抽出した要素に対し、FFTを実行する。FFT処理部306によって抽出する周波数成分が約0.1~14Hz程度の低周波であるため、より正確なFFT実行結果を得るために、このFFT処理部306が対象とする元データのサンプル数は、ある程度長い時間間隔のサンプル数が必要である。本発明の実施形態では、この時間間隔を10秒とした。
図5において模式的に説明した平均差分メモリ305は、フレーム毎の画面をブロックで分割した平均差分値の2次元配列が10秒分設けられている。動画像データが毎秒30フレームであれば、300フレームとなる。

【0039】
300フレーム分(10秒分)のサンプルに対してFFTを実行すると、300サンプルの実行結果が得られる。この実行結果は、周波数毎のレベルである。例えば、図5のグラフP501のような実行結果が得られる。この実行結果を、3個の周波数帯域に分割して、それらの周波数帯域における、最大値を示す周波数成分の大きさを取得する。

【0040】
先ず、てんかん患者103の発作に基づくけいれんの周波数範囲として、1Hz<f≦6Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさL2(i,t)を得る。
次に、L2より低い周波数成分として、0Hz<f≦1Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさL1(i,t)を得る。
そして、L2より高い周波数成分として、6Hz<f≦10Hzの範囲における、最大値を示す周波数成分の大きさL3(i,t)を得る。
以上、L2(i,t)、L1(i,t)、L3(i,t)を得た後、L2の割合C(i,t)=(L2(i,t)-L1(i,t)-L3(i,t))/(L2(i,t)+L1(i,t)+L3(i,t))を算出する。これが周波数帯別最大値割合演算処理部313の処理内容である。

【0041】
周波数帯別最大値割合演算処理部313で算出された割合C(i,t)は、一旦、周波数帯別最大値割合メモリ314に格納された後、第一コンパレータ316によって第一閾値と比較される。割合C(i,t)が一定の値以上であれば、1Hz<f≦6Hzの周波数範囲の最大値を示す周波数成分が、FFT処理部306で処理を行った10秒間における、主たる周波数成分であると推測できる。つまり、てんかん患者103の発作に基づくけいれんの周波数の可能性が高い。
割合C(i,t)を第一閾値と比較する理由は、てんかん患者103が安静状態である時はノイズしか検出できないからであり、このため割合C(i,t)の第一閾値との比較は、誤検出を防ぐために行われる。

【0042】
図6は、FFTバッファ307に格納されるFFT変換データに基づいて行われる、最大値成分周波数メモリ309と、第一最高最大値周波数取得部310及び第二最高最大値周波数取得部311におけるデータ処理の動作を説明するための図である。
FFT変換データから抜き出された最大値成分周波数は、最大値成分周波数メモリ309に記憶される。
最大値成分周波数メモリ309は、1フレームにおけるブロック毎の最大値成分周波数の集合体を、30フレーム分(1秒分)保持している。
第一最高最大値周波数取得部310は、ステップS405において、後半15フレームの最大値を示す周波数成分の周波数であるFmxのうち最も高い周波数(Fmm(i,t-16,t-30))を取得する。すなわち第一最高最大値周波数取得部310は、後半15フレームの最高最大値周波数を取得する。
第二最高最大値周波数取得部311は、ステップS405において、前半15フレームの最大値を示す周波数成分の周波数であるFmxのうち最も高い周波数(Fmm(i,t,t-15))を取得する。すなわち第二最高最大値周波数取得部311は、前半15フレームの最高最大値周波数を取得する。

【0043】
フレーム毎の最も高い周波数は、図6の右下のグラフP601のようになる。
第二コンパレータ312は、後半15フレーム分の最高最大値周波数と前半15フレーム分の最高最大値周波数を比較して、後半15フレーム分の最高最大値周波数が前半15フレーム分の最高最大値周波数より大きい場合に、論理の真を出力する。

【0044】
前述の通り、てんかん患者103の全身けいれん症状における第二の特徴として、てんかん発作発生直後から時間が経過するに連れて、けいれんの周波数が徐々に低くなる、と記した。例えば、図6のグラフP601に示すような傾向を示すものと思われる。ところで、図5の説明において、ブロック毎に10秒間のサンプルに対してFFTを実行した。このFFT処理部306の実行結果を用いて、時間の経過と共にけいれんの周波数が低下しているか否かを検証する。

【0045】
図5の説明において、FFT処理部306の実行結果として、300フレーム分(10秒分)のサンプルに対してFFTを実行すると、300サンプルの実行結果が得られることは説明した。この実行結果の最大値を示す周波数成分の周波数を取得する。
図5では3つの周波数帯域に分割したが、この図6における処理では周波数帯域を分けることはせず、FFT処理部306の実行結果全体を評価の対象とする。また、図5では最大値を示す周波数成分の大きさを取得したが、この図6における処理では、最大値を示す周波数成分の周波数を取得する。

【0046】
取得したブロック毎の最も高い周波数は、最大値成分周波数メモリ309に格納される。最大値成分周波数メモリ309は平均差分メモリ305と似た、ブロック毎の値を格納する構成であるが、平均差分メモリ305が300フレーム(10秒分)の値を格納するのとは異なり、最大値成分周波数メモリ309は30フレーム(1秒分)の値を格納する。
次に、最大値成分周波数メモリ309を前半15フレーム分と後半15フレーム分に分割して、それぞれのブロックの最高最大値周波数を取得する。

【0047】
後半15フレームについては第一最高最大値周波数取得部310が、最高最大値周波数を取得する。前半15フレームについては第二最高最大値周波数取得部311が、最高最大値周波数を取得する。
てんかん患者103が発作を発生した時、あるブロックにおける最も高い周波数の推移は、例えば図6のグラフP601に示すように変化する。図6のグラフP601に示されるように、最も高い周波数が時間の経過と共に低下していれば、てんかん患者103の発作に基づくけいれんが発生している可能性が高い。

【0048】
第一最高最大値周波数取得部310が出力する後半15フレームの最高最大値周波数と、第二最高最大値周波数取得部311が出力する前半15フレームの最高最大値周波数とを、第一コンパレータ316で比較する。後半15フレームの最高最大値周波数より前半15フレームの最高最大値周波数が低い値であれば、第二コンパレータ312は論理の真を出力する。

【0049】
図5で説明した第一コンパレータ316が出力する論理値と、図6で説明した第二コンパレータ312が出力する論理値とをANDゲート317で論理積を採る。つまり、あるブロックについて、てんかん発作に起因するけいれんの、第一の特徴と第二の特徴とを満たすか否かを評価する。第一の特徴及び第二の特徴を同時に満たすブロックについては、フラグメモリ318に論理の真を書き込む。

【0050】
例えば、10×10個のブロックについて、第一の特徴及び第二の特徴を同時に満たすブロックに論理の真を、そうでないブロックには論理の偽をフラグメモリ318に書き込む。フラグメモリ318の全ての要素の値が決定したら、フラグカウンタ319で論理の真の数を数えて、その数を第三コンパレータ321で第二閾値320と比較する。第一の特徴及び第二の特徴を同時に満たすブロックの数が一定の数以上であれば、動画像データに写っているてんかん患者103が発作を発生し、けいれんを起こしているものと、高い確率で推定することができる。

【0051】
なお、平均差分メモリ305の300フレーム(10秒分)、最大値成分周波数メモリ309の30フレーム(1秒分)、第三閾値325に設定される30フレーム数(1秒分)の値は、カメラ102のフレームレートや、CPU202の演算処理能力に応じて、適宜変更される。したがって、各々の数値は必ずしも上記数値に固定されるものではない。
また、周波数帯別最大値割合演算処理部313における、L2(i,t)の周波数範囲は、1Hz以上であってもよい。すなわち、L2(i,t)の周波数範囲に1Hzを含むか否かは設計的事項である。

【0052】
[てんかん発作検出装置101:検証結果]
図7Aは、第二の特徴である周波数の変化を検出する処理を含めて、ブロック分割形状及び分割数を変化させつつ、サンプル動画データを読み込ませた際の検出率を示す表である。サンプル動画データは、19人のてんかん患者103の発作を含む動画データである。
図7Bは、第二の特徴である周波数の変化を検出する処理を含めずに、ブロック分割形状及び分割数を変化させつつ、サンプル動画データを読み込ませた際の検出率を示す表である。
図7A中の「*」を付した、ブロック分割数が5×10、10×10、20×20、20×40、40×40、40×80の場合において、特異度が1を示し、そして誤検出が0秒となった。すなわち、これらのブロック分割数における誤検出の確率が「0」である。したがって、ブロック分割数及びブロック分割形状は、最適な範囲が存在することが明確になった。
また、図7Aと図7Bを比較して判るように、第二の特徴である周波数の変化を検出する処理は、てんかん発作の検出精度向上に極めて有効である。

【0053】
誤検出の確率が0となるブロック分割数のうち、最もブロックの数が少ないブロック分割数を用いることで、てんかん発作検出装置101は最小の演算量で最大のてんかん発作検出率を得ることが可能になる。
但し、最適なブロック分割数は、カメラ102に写るてんかん患者103の、画像内における面積に応じて変動する。必要以上にカメラ102の画角が大きく設定されてしまうと、画像内に写るてんかん患者103の、画像内における占有面積が小さくなる。すると、大きなブロック分割数ではてんかん発作を正しく検出することが困難になってしまう虞が生じる。このため、できるだけ画像内に写るてんかん患者103の、画像内における占有面積を大きくするべく、カメラ102の画角を調整することが望ましい。

【0054】
本発明の実施形態では、てんかん発作検出装置101を開示した。
てんかん発作検出装置101は、動画像データを白黒変換処理部302による白黒変換、ブロック平均演算処理部303によるブロック平均演算、そしてブロック差分演算処理部304によるブロック差分演算を経て、情報量を削減する。そしてブロック単位でFFT処理部306を実行し、てんかん患者103の発作に基づくけいれんの発生を、FFT処理部306の実行結果に含まれる最大振幅の周波数成分から判別する。更に、けいれんの中心周波数が時間経過に連れて低下する現象も取得して、てんかん患者の発作に基づくけいれんを判別する。

【0055】
てんかん発作検出装置101は、てんかん患者103を一般的なデジタルカメラにて撮影し、動画像データを得るだけで、てんかん患者の発作に基づくけいれんの発生を、極めて高精度に検出することができる。したがって、病院やてんかん患者103の自宅における監視に要する労力を省力化することができる。てんかん発作検出装置101が出力するアラーム信号をそのままナースコールのシステムに供給することで、病院における看護師の負担を大幅に軽減することが可能になる。

【0056】
てんかん発作検出装置101の、てんかん発作に基づくけいれんの発生の検出に必要な演算処理の負荷は、従来の類似する先行技術と比べて圧倒的に低い。したがって、安価なシングルボードコンピュータで実現することが可能である。あるいは、カメラを内蔵する中古のスマートフォンにてんかん発作検出装置101のプログラムをインストールして、てんかん患者103の監視カメラとして流用することも可能である。周知のドライブレコーダのように動画像データをリングバッファに記録し続け、発作を検出したらその動画像データを別途保存する。
更に、てんかん発作検出装置101のデータ処理は、動画像データの情報量を削減するモザイク処理を含む。このため、てんかん発作検出装置101に動画像データストリームを与えるデジタルカメラの解像度は低いもので十分実用可能である。したがって、デジタルカメラに要するコストを削減することができる。

【0057】
また、てんかん発作検出装置101のデータ処理は、カラー動画像データを白黒変換する処理を含む。すなわち、動画像データにおいて色を再現する必要がない。このため、夜間のてんかん患者103の監視に近赤外線LEDを用いた照明を利用することが可能である。
そして、前述のようにてんかん発作検出装置101は、動画像データにおいて色を再現する必要はない。必要であることは、ベッド104とてんかん患者103との、輝度を明確に異ならせることだけである。例えば、ベッド104に用いているシーツや布団が白色であれば、てんかん患者103が着用するパジャマはある程度輝度が低ければ、どのような色で着色されていても構わない。また、パジャマに輝度の低い色で着色された模様が付されていればなおよい。このため、てんかん患者103のQoLの面で好ましい。

【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0059】
101…てんかん発作検出装置、102…カメラ、103…てんかん患者、104…ベッド、201…バス、202…CPU、203…ROM、204…RAM、205…表示部、206…操作部、207…不揮発性ストレージ、208…NIC、301…動画像ファイル、302…白黒変換処理部、303…ブロック平均演算処理部、304…ブロック差分演算処理部、305…平均差分メモリ、306…FFT処理部、307…FFTバッファ、308…値成分周波数取得処理部、309…最大値成分周波数メモリ、310…第一最高最大値周波数取得部、311…第二最高最大値周波数取得部、312…第二コンパレータ、313…周波数帯別最大値割合演算処理部、314…周波数帯別最大値割合メモリ、315…第一閾値、316…第一コンパレータ、317…ANDゲート、318…フラグメモリ、319…フラグカウンタ、320…第二閾値、321…第三コンパレータ、322…第二カウンタ、323…入出力制御部、324…第四コンパレータ、325…第三閾値、326…表示処理部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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