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明細書 :廃水浄化装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4831580号 (P4831580)
公開番号 特開2008-264622 (P2008-264622A)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
発行日 平成23年12月7日(2011.12.7)
公開日 平成20年11月6日(2008.11.6)
発明の名称または考案の名称 廃水浄化装置
国際特許分類 C02F   1/28        (2006.01)
C02F   1/62        (2006.01)
FI C02F 1/28 F
C02F 1/62 Z
C02F 1/28 E
C02F 1/28 B
請求項の数または発明の数 1
全頁数 9
出願番号 特願2007-108032 (P2007-108032)
出願日 平成19年4月17日(2007.4.17)
審査請求日 平成22年2月15日(2010.2.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591100563
【氏名又は名称】栃木県
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
【識別番号】505328085
【氏名又は名称】古河産機システムズ株式会社
発明者または考案者 【氏名】磯 文夫
【氏名】吉葉 光雄
【氏名】興野 雄亮
【氏名】伏木 徹
【氏名】依田 眞
【氏名】虎谷 健司
【氏名】名塚 龍己
【氏名】小川 貴志
【氏名】杉並 和啓
個別代理人の代理人 【識別番号】100066980、【弁理士】、【氏名又は名称】森 哲也
【識別番号】100075579、【弁理士】、【氏名又は名称】内藤 嘉昭
【識別番号】100103850、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
審査官 【審査官】山本 吾一
参考文献・文献 特開平04-193387(JP,A)
特開2003-286741(JP,A)
特開2007-083164(JP,A)
特開昭57-081880(JP,A)
特開昭50-138650(JP,A)
特開昭61-245885(JP,A)
特開2004-261730(JP,A)
実開昭57-076893(JP,U)
調査した分野 C02F 1/28
C02F 1/62
特許請求の範囲 【請求項1】
廃水を処理槽内のゼオライトによって浄化する廃水浄化装置であって、
前室及び後室と、ゼオライトが充填されて前室と後室との間を隔てる垂直な隔壁と、廃水が前記前室に流入する入水口と、入水口よりも低い位置にあって廃水が前記後室から流出する出水口と、前記隔壁に外力を伝達してゼオライトから付着物を落とす外力伝達機構と、を有する処理槽を備え、
前記隔壁は、上方のゼオライト充填部と、該ゼオライト充填部の下部に連接されるとともに前記処理槽下方を前室側と後室側とに仕切る仕切部とを有し、前記処理槽内に上方のフレームから前記外力伝達機構として設置されている坐を介して出し入れ可能に吊下されており、
前記坐は、槌打可能に構成され、当該坐を槌打するとその衝撃力が外力として前記ゼオライト充填部に伝達されてゼオライトの付着物が衝撃を受けて剥がれ落ち、前記処理槽下方へ沈殿するようになっていることを特徴とする廃水浄化装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属類を含有する廃水の浄化処理を行う廃水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山や工場から出る廃水は重金属類の有害物質を含有している。廃水の性状は鉱山や工場毎に異なっており、それぞれ異なるpH値や重金属類の濃度を示す。これらの廃水を河川等に放流するときは、予め適切な浄化処理を廃水に施し、廃水中の重金属類の濃度等を規制値以下に下げておく必要がある。
廃水の浄化処理方法として、廃水を中和剤によって中和し、廃水中の重金属類を沈殿物として分離する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。この浄化処理方法に用いる廃水浄化装置の一例を図2に示す。廃水浄化装置50は中和剤槽51と沈殿槽52とを有する。中和剤槽51で水に石灰石を加えて中和剤をつくり、浄化前の廃水に中和剤を添加して中和する。中和剤で中和した廃水を沈殿槽52に溜めておくと、重金属類が沈殿物となって沈殿し、廃水中の重金属類が分離される。中和されて重金属類を分離された廃水は浄化されており、そのまま河川等に放流可能な状態となっている。沈殿槽52から回収される重金属類の沈殿物は廃棄物として埋立処分場に搬送されて埋設される。
【0003】
また、別の廃水処理方法として、図3に示す廃水浄化装置60を使用し、廃水中の重金属類を分離する方法がある。廃水浄化装置60は、上流側から下流側に向って受水槽61と3基の処理槽63a、63b、63cが直列に配置されている。受水槽61は浄化前の廃水を溜め、溜まった排水が受水槽61の上部の出水口62から処理槽63aへ流出する構成となっている。
【0004】
処理槽63aは、処理室64a、入水口66a、出水口67aを有する。入水口66aが受水槽61の出水口62の下方に形成されており、出水口62から流出した廃水が入水口66aに流入可能となっている。入水口66aが処理室64aの下部に通路を介して接続されている。処理室64aにはゼオライト65が充填されており、出水口67aが処理室64aの上部に形成されている。出水口67aは入水口66aよりも低い位置にある。受水槽61の出水口62から入水口66aに流入した廃水が、処理室64aのゼオライト65の間を上昇し、出水口67aから処理槽63bへ流出する構成となっている。
【0005】
処理槽63bは、処理槽63aと同じ構成を有し、処理室64b、入水口66b、出水口67bを有する。ただし、入水口66bが処理槽63aの出水口67aの下方に位置し、出水口67bが入水口66bよりも低い位置にある。出水口67aから入水口66bに流入した廃水が、処理室64bのゼオライト65の間を上昇し、出水口67bから処理槽63cへ流出する構成となっている。
【0006】
処理槽63cは、処理槽63aと同じ構成を有し、処理室64c、入水口66c、出水口67cを有する。ただし、入水口66cが処理槽63bの出水口67bの下方に位置し、出水口67cが入水口66cよりも低い位置にある。出水口67bから入水口66cに流入した廃水が、処理室64cのゼオライト65の間を上昇し、出水口67cから廃水浄化装置60外へ流出し、そのまま河川等に放流される構成となっている。
【0007】
受水槽61に溜められた廃水は、処理槽63a、63b、63cを順番に通って廃水浄化装置60外に流出する。廃水は、処理槽63a、63b、63cの処理室64a、64b、64c内でそれぞれゼオライト65と接触する。ゼオライト65が廃水中の重金属類を吸着し、また、廃水中の重金属類がゼオライト65と反応し反応生成物となって析出するので、廃水中の重金属類が分離される。
処理槽63cから廃水浄化装置60外に流出した廃水は、重金属類を分離されて浄化されており、そのまま河川等に放流可能な状態となっている。
【0008】

【非特許文献1】独立行政法人 石油天然ガス・金属・鉱物資源機構、‘環境を保全する’、[online]、[平成16年12月16日検索]、インターネット<URL:http://www.jogmec.go.jp/japan/preserve/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
廃水浄化装置50を用いて廃水の浄化処理を行う場合、沈殿物の埋立処分場を確保する必要がある。しかし、中和処理に伴って発生する沈殿物は量が多く、充分な広さの埋立処分場を確保することが近年困難になっている。
また、沈殿物を廃水浄化装置50から埋立処分場まで搬送するために、ポンプ等の搬送設備が必要となる。しかし、廃水浄化装置50が設置される場所は人里から離れた場所であることが多く、電力等の動力源が制限され、動力源を確保するために設備投資が大きくなりやすい。
【0010】
さらに、廃水浄化装置50が設置される場所の地理的条件によって、廃水浄化装置50のメンテナンスを数ヶ月に一度しか実施できない場合が少なくない。このような条件下では、廃水浄化装置50の構成自体を単純化し、必要なメンテナンス頻度を小さくすることが好ましい。したがって、ポンプ等の搬送設備を導入することによって廃水浄化装置50が複雑なシステムとなることは好ましくない。
【0011】
また、廃水浄化装置60を用いて廃水の浄化処理を行う場合、各処理室64a、64b、64cにおいて、ゼオライト65に析出物等が付着し、ゼオライト65同士間で目詰まりしやすい。このような目詰まりを防止する手段として、逆洗が考えられる。しかし、逆洗用のシステムや動力源が必要となり、動力源が制限される場所やメンテナンス頻度が制限される場所において、逆洗を採用することは困難である。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、簡素化された構造を有し、動力源を必要とせず、廃棄物の発生量が少なく、小さなメンテナンス頻度で稼動できる廃水浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。第一の発明に係る廃水浄化装置は、廃水を処理槽内のゼオライトによって浄化する廃水浄化装置であって、前室及び後室と、ゼオライトが充填されて前室と後室との間を隔てる垂直な隔壁と、廃水が前記前室に流入する入水口と、入水口よりも低い位置にあって廃水が前記後室から流出する出水口と、前記隔壁に外力を伝達してゼオライトから付着物を落とす外力伝達機構と、を有する処理槽を備え、前記隔壁は、上方のゼオライト充填部と、該ゼオライト充填部の下部に連接されるとともに前記処理槽下方を前室側と後室側とに仕切る仕切部とを有し、前記処理槽内に上方のフレームから前記外力伝達機構として設置されている坐を介して出し入れ可能に吊下されており、前記坐は、槌打可能に構成され、当該坐を槌打するとその衝撃力が外力として前記ゼオライト充填部に伝達されてゼオライトの付着物が衝撃を受けて剥がれ落ち、前記処理槽下方へ沈殿するようになっている
【0013】
廃水が、廃水浄化装置の処理槽の入水口から前室に流入し、隔壁を横方向に通過して後室に流れる。廃水が隔壁を通過する際、廃水が隔壁に充填されたゼオライトと接触し、廃水中の重金属類がゼオライトに吸着され付着する。また、廃水中の重金属類がゼオライトと反応し、反応生成物がゼオライトに付着する。したがって、廃水が隔壁を通過して後室に入ると、廃水中の重金属類の濃度が低下し、廃水が浄化される。重金属類の濃度が低下し浄化された廃水は、出水口から処理槽外に流出する。
【0014】
隔壁は垂直になっているので、反応生成物等はゼオライトの表面から自然に剥がれ落ちて処理槽の底に沈殿し、ゼオライトの浄化能力が維持される。
隔壁に充填されたゼオライトは浄化能力が低下すると廃棄処分される。廃棄処分されるまでの間に所定量のゼオライトが浄化処理する廃水を、石灰中和によって浄化処理することとした場合、石灰中和によって生じる廃棄物の総量は、ゼオライトによる浄化処理で生じる廃棄物の総量よりも多い。したがって、ゼオライトを用いることにより、廃棄物の発生量が少なくなる。また、浄化能力が低下したゼオライトを再処理して繰り返し使用すれば、廃棄物の発生量が一層少なくなる。
【0015】
出水口が入水口よりも低い位置にあるので、廃水を入水口から処理槽に連続供給すると、廃水が前室から隔壁を通過して後室に流れ、後室の廃水は出水口から溢れ出して処理槽外に流出する。廃水浄化装置を稼動するための動力源は特に必要ではなく、廃水浄化装置の構造が簡素化され、メンテナンス頻度を小さくでき、長期間メンテナンスなしで稼動可能となる。
なお、隔壁に充填されたゼオライトの層厚は、前室から後室への廃水の流れを維持可能な厚さとする。
【0016】
さらに、この第一の発明に係る廃水浄化装置は隔壁に外力を伝達してゼオライトから付着物を落とす外力伝達機構を、処理槽が有する。
廃水浄化装置が連続稼動して廃水の浄化処理を行うと、廃水中の重金属類がゼオライトに吸着され付着し、また、廃水中の重金属類とゼオライトとの反応生成物がゼオライトに付着する。ゼオライトが付着物によって覆われるとその浄化能力が低下する。ゼオライトの浄化能力が低下してきたら、外力伝達機構によって隔壁に外力を伝達して、ゼオライトから付着物を剥がし落とす。ゼオライトから剥がれ落ちた付着物は前室及び後室の底に沈殿する。ゼオライトからは付着物が取り除かれて、ゼオライトの浄化能力が回復する。
外力伝達機構の構成が、例えば、人が槌打によって発生させた衝撃力を外力として隔壁に伝達するものであれば、外力伝達機構は簡単な構成のもので足り、廃水浄化装置のメンテナンスも簡単な作業となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記のような廃水浄化装置であるので、簡素化された構造を有し、動力源を必要とせず、廃棄物の発生量が少なく、小さなメンテナンス頻度で稼動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を図1を参照しつつ説明する。
廃水浄化装置1は4基の処理槽2a、2b、2c、2dからなり、処理槽2a、2b、2c、2dが上流側(図1の右側)から順番に直列に配置されている。
処理槽2aは漏斗状底部を有する縦長の容器であり、処理槽2a内は垂直な隔壁3aによって前室8aと後室9aとに分割されている。前室8aが隔壁3aの上流側に位置し、後室9aが隔壁3aの下流側に位置している。
【0022】
隔壁3aは上方のゼオライト充填部4と下方の仕切部6とからなり、処理槽2a内に上方のフレーム15から後述する坐14aを介して出し入れ可能に吊下されている。ゼオライト充填部4は網籠状体であり、この網籠状体内にゼオライト5が充填されており、廃水が前室8aからゼオライト充填部4を横方向に通過して後室9aへ流れる構成となっている。ゼオライト充填部4の層厚は前室8aから後室9aへの廃水の流れを維持可能な厚さとなっている。仕切部6は処理槽2aの漏斗状底部を左右に仕切る板状体であり、処理槽2aの底部において廃水がゼオライト充填部4を通らずに前室8aから後室9aへ流れることを防止している。
【0023】
入水口10aが前室8aの上方に形成されており、廃水浄化装置1に供給される廃水が入水口10aから前室8aに流入する構成となっている。
出水口11aが後室9aの上方に形成され、出水口11aが入水口10aのよりも低い位置にあり、後室9aから溢れ出る廃水がそのまま出水口11aから処理槽2a外に流出する構成となっている。
【0024】
処理槽2aの底部にゲート弁12aが沈殿物排出機構として設置されている。このゲート弁12aを介して前室8a及び後室9aが沈殿物貯留槽13に接続されており、前室8aと後室9aの底に沈殿した沈殿物を沈殿物貯留槽13に排出可能に構成されている。
隔壁3aの上端部に坐14aが外力伝達機構として設置されている。坐14aは、槌打可能に構成されており、坐14aを槌打すると槌打による衝撃力が外力として隔壁3aのゼオライト充填部4に伝達される構成となっている。
【0025】
処理槽2bは処理槽2aと同様の構成となっており、隔壁3b、前室8b、後室9b、入水口10b、出水口11b、ゲート弁12b、坐14bを有し、隔壁3bはゼオライト充填部4と仕切部6とからなる。なお、処理槽2bの入水口10bが、同時に処理槽2aの出水口11aとなっている。
処理槽2cも処理槽2aと同様の構成となっており、隔壁3c、前室8c、後室9c、入水口10c、出水口11c、ゲート弁12c、坐14cを有し、隔壁3cはゼオライト充填部4と仕切部6とからなる。なお、処理槽2cの入水口10cが、同時に処理槽2bの出水口11bとなっている。
【0026】
処理槽2dも処理槽2aと同様の構成となっており、隔壁3d、前室8d、後室9d、入水口10d、出水口11d、ゲート弁12d、坐14dを有し、隔壁3dはゼオライト充填部4と仕切部6とからなる。なお、処理槽2dの入水口10dが、同時に処理槽2cの出水口11cとなっている。処理槽2dの出水口11dは廃水浄化装置1外の河川等につながっている。
【0027】
次に作用について説明する。
重金属類を含有する未処理の廃水が処理槽2aに供給される。処理槽2aに供給された廃水は、入水口10aから前室8aに流入し、隔壁3aのゼオライト充填部4を横方向に通過して後室9aへ流れる。廃水がゼオライト充填部4を通過すると、廃水中の重金属類がゼオライト5に吸着され付着する。また、廃水中の重金属類がゼオライト5と反応し、反応生成物が析出してゼオライト5に付着する。したがって、後室9aの排水中の重金属類の濃度は、前室8aの排水中の重金属類の濃度よりも低くなる。前室8aへ廃水を連続供給すると、廃水が後室9aから出水口11aに溢れ出し、出水口11aから処理槽2a外に流出する。
【0028】
処理槽2aの出水口11aは処理槽2bの入水口10bでもあるので、処理槽2a外に流出した廃水は処理槽2bの前室8bにそのまま流入する。処理槽2aと同様に、廃水は隔壁3bのゼオライト充填部4を横方向に通過して後室9bへ流れる。廃水中の重金属類が隔壁3bのゼオライト充填部4のゼオライト5と接触し、重金属類がゼオライト5に吸着されて付着し、また、ゼオライト5と重金属類の反応生成物がゼオライト5に付着する。したがって、後室9bの排水中の重金属類の濃度は、前室8bの排水中の重金属類の濃度よりも低くなる。前室8bへ廃水が連続して流入すると、廃水が後室9bから出水口11bに溢れ出し、出水口11bから処理槽2b外に流出する。
【0029】
処理槽2bの出水口11bから流出した廃水はそのまま処理槽2cの入水口10cから前室8cに流入する。処理槽2aと同様に、前室8cに流入した廃水は、隔壁3cのゼオライト充填部4を通過して後室9cへ流れ、隔壁3cのゼオライト充填部4のゼオライト5によって排水中の重金属類の濃度が低下する。前室8cへ廃水が連続して流入すると、廃水が後室9cから出水口11cに溢れ出し、出水口11cから処理槽2c外に流出する。
【0030】
処理槽2cの出水口11cから流出した廃水はそのまま処理槽2dの入水口10dから前室8dに流入する。処理槽2aと同様に、前室8dに流入した廃水は、隔壁3dのゼオライト充填部4を通過して後室9dへ流れ、隔壁3dのゼオライト充填部4のゼオライト5によって排水中の重金属類の濃度が低下する。前室8dへ廃水が連続して流入すると、廃水が後室9dから出水口11dに溢れ出し、出水口11dから廃水浄化装置1外に流出する。
【0031】
廃水中の重金属濃度は処理槽2a、2b、2c、2dを順番に通ることによって次第に低下し、処理槽2dから廃水浄化装置1外に流出するときには、重金属濃度が所定の基準値以下となって、廃水は浄化されて河川に放流可能な状態となっている。
また、処理槽2a、2b、2c、2dにおける廃水の水位は上流側から順番に低くなっているので、処理槽2aに廃水を連続供給すれば、処理槽2dの出水口11dから廃水が流出する。廃水浄化装置1は廃水を浄化処理するための動力源を特に必要とせず、廃水浄化装置1の構造は簡単なもので足りるので、メンテナンス頻度を小さくでき、長期間メンテナンスなしで稼動できる。
【0032】
廃水浄化装置1によって廃水を長期間連続して浄化処理すると、隔壁3a、3b、3c、3dの各ゼオライト充填部4のゼオライト5に重金属類や反応生成物が付着する。坐14a、14b、14c、14dをオペレータが槌打すると、その衝撃力が外力として隔壁3a、3b、3c、3dの各ゼオライト充填部4のゼオライト5に伝達され、ゼオライト5の付着物が衝撃を受けて剥がれ落ち、前室8a、8b、8c、8d、後室9a、9b、9c、9dの底へ沈殿する。付着物がゼオライト5から剥がれ落ちると、ゼオライト5の浄化能力が回復するので、ゼオライト5を交換せずに長期間使用できる。また、ゼオライト5を再処理すれば、その使用期間が一層長くなる。ゼオライト5を長期間にわたって交換することなく使用できるので、廃棄物となるゼオライト5の量が少なくなる。
【0033】
前室8a、8b、8c、8d、後室9a、9b、9c、9dの底に沈殿物が溜まったら、ゲート弁12a、12b、12c、12dを開き、沈殿物を沈殿物貯留槽13に排出する。ゲート弁12a、12b、12c、12dを開閉すれば沈殿物を排出できるので、メンテナンスが簡単である。沈殿物貯留槽13にある程度沈殿物が排出されて溜まったら、溜まった沈殿物を近傍の埋立処分場に搬送して埋設する。沈殿物貯留槽13に排出される沈殿物は、主にゼオライト5に吸着された重金属類や付着した反応生成物であるので、廃棄物となる沈殿物の量は少ない。
【0034】
隔壁3a、3b、3c、3dの各ゼオライト充填部4のゼオライト5の浄化能力がなくなって回復もしなくなったら、隔壁3a、3b、3c、3dをそれぞれ処理槽2a、2b、2c、2dから引き出し、ゼオライト5を交換する。新しいゼオライト5をゼオライト充填部4に充填したら、再び、隔壁3a、3b、3c、3dをフレーム15から処理槽2a、2b、2c、2d内に吊下する。隔壁3a、3b、3c、3dの出し入れを容易に行えるので、ゼオライト5の交換も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る廃水浄化装置の構成図である。
【図2】従来ある廃水浄化装置の構成図である。
【図3】従来ある他の廃水浄化装置の構成図である。
【符号の説明】
【0036】
1 廃水浄化装置
2a、2b、2c、2d 処理槽
3a、3b、3c、3d 隔壁
4 ゼオライト充填部
5 ゼオライト
6 仕切部
8a、8b、8c、8d 前室
9a、9b、9c、9d 後室
10a、10b、10c、10d 入水口
11a、11b、11c、11d 出水口
12a、12b、12c、12d ゲート弁
13 沈殿物貯留槽
14a、14b、14c、14d 坐
15 フレーム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2