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明細書 :リチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5002299号 (P5002299)
公開番号 特開2008-247640 (P2008-247640A)
登録日 平成24年5月25日(2012.5.25)
発行日 平成24年8月15日(2012.8.15)
公開日 平成20年10月16日(2008.10.16)
発明の名称または考案の名称 リチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法
国際特許分類 C01B  39/46        (2006.01)
FI C01B 39/46
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2007-088450 (P2007-088450)
出願日 平成19年3月29日(2007.3.29)
審査請求日 平成22年3月16日(2010.3.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000003296
【氏名又は名称】電気化学工業株式会社
【識別番号】591100563
【氏名又は名称】栃木県
発明者または考案者 【氏名】盛岡 実
【氏名】山岸 隆典
【氏名】荒木 昭俊
【氏名】磯 文夫
【氏名】吉葉 光雄
【氏名】興野 雄亮
【氏名】星 佳宏
【氏名】渡辺 雄二郎
【氏名】小松 優
【氏名】守吉 佑介
個別代理人の代理人 【識別番号】100127513、【弁理士】、【氏名又は名称】松本 悟
審査官 【審査官】佐藤 哲
参考文献・文献 特開2006-256876(JP,A)
特開平03-267145(JP,A)
特公昭46-033216(JP,B1)
特公昭46-031129(JP,B1)
特表2006-521986(JP,A)
特開2000-143234(JP,A)
特開2003-112918(JP,A)
特開昭62-132724(JP,A)
調査した分野 C01B 33/20 - 39/54
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させるリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法において、前記アロフェンの仕込み量を、バッチあたり1kg以上とし、原料のLiO/Alモル比を1.0~5.0とし、反応温度を30~80℃、反応時間を3~72時間とし、攪拌しながら反応させ、平均結晶径を1μm以上とすることを特徴とする、リチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法。
【請求項2】
前記平均結晶径を1.3μm以上とすることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法。
【請求項3】
前記リチウム含有EDI型ゼオライトが、LiO換算で3質量%以上のリチウムを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法。
【請求項4】
NaOとKOの含有量の合計が0.5質量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、リチウムを含有するEDI型ゼオライトの合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトは、アルミノシリケート系の結晶性化合物であり、その種類は多く、その工業的な利用方法も多岐に亘る。例えば、触媒、調湿材、分子ふるい、吸着材、イオン交換体などの利用方法が挙げられ、ゼオライトの組成や結晶構造が異なれば、用途も異なってくる。
【0003】
ゼオライトの一種に、EDI型ゼオライトがある。EDI型ゼオライトとは、エジントン沸石(エディングトナイトEdingtonite)と呼ばれる化合物と類似の構造を持つゼオライトを総称するものである。エジントン沸石は、一般に、BaAlSi20・8HOで示される。本発明のリチウムを含有するEDI型ゼオライトは、上記エジントン沸石のBaがLiに置き換わった化合物に相当する。したがって、一般式LiAlSi20・nHOで示される。式中のnは6~10である。
【0004】
リチウムを含有するEDI型ゼオライトの合成方法としては、これまでに、シリカゾルとアルミナゾルとを出発原料とする方法(非特許文献1)が知られている。また、A型ゼオライトにリチウムを担持する合成方法も知られている(非特許文献2)。そして、アロフェンやイモゴライトを原料としてアルカリ溶液で加熱処理してゼオライトを合成する方法も提案されている(特許文献1)。さらに、アロフェンと水酸化リチウムを原料とする合成も行われている(非特許文献3)。
【0005】
非特許文献1の方法では、高価なシリカゾルやアルミナゾルとを出発原料とするため、経済性の観点から実用性の乏しいものであった。また、この方法で得られるリチウムを含有するEDI型ゼオライトは、非常に微細な結晶である。具体的には、1μm未満の結晶として得られる。このため、比表面積が大きく、嵩高く、用途によっては使い勝手が悪く不都合な場合もあり、リチウムを含有するEDI型ゼオライトの結晶サイズをもう少し大きく制御できる合成方法も望まれている。
非特許文献2の方法は、A型のゼオライトを得る方法であり、リチウムを含有するものの、EDI型のゼオライトは得られない。
特許文献1には、アロフェンやイモゴライトを原料として、アルカリ溶液で熱処理してゼオライトを合成することが記載されているものの、アルカリ性溶液が水酸化ナトリウムや水酸化カリウムであるため、リチウムを含有するゼオライトは得られないものである。さらに、この方法では、加熱処理温度が80℃以上であるため、純度の高いEDI型ゼオライトが得られないものであった。
非特許文献3には、アロフェンを、原料のLiO/Alモル比が1.54,3.08,4.62となるように、水酸化リチウム水溶液とともにテフロン(登録商標)製の密閉容器に入れよく振り混ぜた後、所定温度(60,80及び90℃)で所定時間(8h,16h,24h及び48h)、水熱処理を行うことが記載され、各処理温度におけるすべての系でLi-EDIが生成し、60℃ではLi-EDIのみが生成したこと、処理温度が高くなり、処理時間が長くなるとLi-ABWが生成する傾向が認められたことが記載され、処理温度90℃、処理時間8hでは、結晶径1μm程度のLi-EDIの立方体が生成したことが示されているが、アロフェンの仕込み量は、1.00gであり、アロフェンの仕込み量を大きくして、純度の高い結晶径の大きいEDI型ゼオライトを効率良く得る方法については記載がなく、また、EDI型ゼオライトのLi含有量についても記載がない。
【0006】

【非特許文献1】T.Matsumoto et al., Journal of the European Ceramic Society,26,pp.455-458,2006
【非特許文献2】上原元樹、無機マテリアル学会第113回学術講演会講演要旨集、pp.18-19、2006
【非特許文献3】興野ら、無機マテリアル学会第112回学術講演会講演要旨集、pp.8-9、2006
【特許文献1】特開2000-143234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、経済的に、効率良く、不純物の生成を抑制しつつ、結晶の大きさが制御されたリチウム含有EDI型ゼオライトを合成する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、(1)アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させるリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法において、前記アロフェンの仕込み量を、バッチあたり1kg以上とし、原料のLiO/Alモル比を1.0~5.0とし、反応温度を30~80℃、反応時間を3~72時間とし、攪拌しながら反応させ、平均結晶径を1μm以上とすることを特徴とする、リチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法、(2)前記平均結晶径を1.3μm以上とすることを特徴とする、前記(1)のリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法、(3)リチウム含有EDI型ゼオライトが、LiO換算で3質量%以上のリチウムを含有することを特徴とする前記(1)又は(2)のリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法、(4)NaOとKOの含有量の合計が0.5質量%未満であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれかのリチウム含有EDI型ゼオライトの合成方法、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、経済的に、効率良く、不純物の生成を抑制しつつ、結晶径が制御されたリチウム含有EDI型ゼオライトが得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
なお、本発明における%は特に規定しない限り質量基準で示す。
【0011】
本発明のアロフェンとは、含水の非晶質アルミノシリケート系化合物である。アロフェンは天然に産出する。
【0012】
アロフェンの日本国内の産地としては、栃木県、新潟県、大分県などが知られている。特に鹿沼土として有名である。アロフェンは、一般組成式:(Al)(SiO1.3・2.5HOで表され、モース硬度3程度、比重2.78程度の含水非晶質アルミノシリケート鉱物である。類似の鉱物としては、イモゴライトなどが挙げられ、アロフェンと共成することが多い。このため、本発明では、アロフェンとともにイモゴライトが共存していても何ら差し支えない。
【0013】
アロフェンとイモゴライトは、層状ケイ酸鉱物とは異なる構造、形態、特性を示す。アロフェンの形態は中空球状、イモゴライトの形態は中空管状で、カオリナイトよりもさらにSiの少ない鉱物である。アロフェンのAl/Si原子比は1~2で、土壌中では多くの場合アロフェンのAl/Si原子比はイモゴライトと同じ2に近い値を示す。このようにアロフェン、イモゴライトはAlに富む鉱物であるが、その源である火山ガラスは玄武岩質火山放出物に含まれる有色火山ガラスであってもSiO含量55%、Al含量20%で、安山岩質~流紋岩質火山灰に含まれる無色火山ガラスのSiO含量は74-78%、Al含量は13-15%とSiO含量の方が多くなっている。したがって、火山ガラスからアロフェン、イモゴライトが生成するためには多量のSiとさらにNa、Ca2+などが溶脱することになる。実際に火山灰地帯を流下する河川水のSi含量はそれ以外の河川水より高い傾向である。そして、このような溶脱が起こるためには湿潤気候と排水良好な条件が必要である。アロフェン、イモゴライトは主に台地、丘陵地に堆積した火山放出物中に生成し、排水不良な低地や沼沢地では生成しにくい傾向がある。
【0014】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、LiO/Alモル比は1.0~5.0が好ましい。LiO/Alモル比が1.0未満では、EDI型ゼオライトの生成量が少なくなる場合があり、5.0を超えても更なる効果の向上が期待できないので、経済性の観点から好ましくない。
【0015】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、SiO/Alモル比は、使用するアロフェン原料に依存するため、特に限定するものではないが、通常、1.5~2.0の範囲にある。
【0016】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、系の反応温度は、30~80℃が好ましく、40~70℃がより好ましい。反応温度が30℃未満では、EDI型ゼオライトの生成反応が緩慢なため、長い時間を費やす必要があり、効率の面から好ましくない。逆に、80℃を超えると、EDI型ゼオライトに混じって、ABW型のゼオライトが副生する傾向にある。
【0017】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、反応時間は3~72時間が好ましく、6~48時間がより好ましい。反応時間が3時間未満では、EDI型ゼオライトの生成反応が十分に進行せず、未反応のアロフェンが残存する場合があり、逆に、72時間を超えると、EDI型ゼオライトに混じって、ABW型のゼオライトが副生する傾向にある。
【0018】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、攪拌操作を行いながら反応させることが必要である。攪拌操作を行わないと、EDI型ゼオライトに混じって、ABW型のゼオライトが副生する。特に、工業的に多量のリチウムを含有するEDI型ゼオライトを得るために、アロフェンの仕込み量を1kg以上にすると、攪拌操作の影響が顕著となることを、数々の実験を通して知見した。
撹拌操作は、特に限定されるものではないが、攪拌機を用いて撹拌してもよいし、振動機を用いて振とうしてもよいし、超音波などにより分散させる方法を採用してもよい。中でも、攪拌機を用いる方法を採用することが、撹拌条件の設定を様々に変化することができることや、操業条件が安定して一定品質のゼオライトを得やすい点で好ましい。なお、撹拌操作は連続して行ってもよいし、ある間隔で一定時間だけ撹拌操作を行ってもよい。30分から3時間おきに撹拌操作を行うだけで十分な効果を得ることができる。つまり、それ以外は静置していてもよい。撹拌の時間も30秒間から3分間で十分な効果を得ることができる。また、本発明では、攪拌機とともに加温窯やウォーターバスもしくはヒーターを併用することが好ましい。加温窯やウォーターバスもしくはヒーターを採用することにより、反応温度を制御することができる。
【0019】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成するにあたり、得られた合成物を固液分離後、水で洗浄することが好ましい。水の温度は特に限定されるものではないが、30~80℃の温水を使うと効率的である。
【0020】
洗浄後、乾燥操作を行うが、その温度も特に限定されるものではないが、通常、40~100℃が好ましく、50~90℃がより好ましい。乾燥温度が40℃未満では乾燥効率が悪く、100℃を超えると、リチウムを含有するEDI型ゼオライトが変質する可能性がある。
【0021】
水酸化リチウムは、水に溶解させて(0.5~5モル/リットル程度)アロフェンと反応させることが好ましい。水酸化リチウムの溶液は、アロフェンの質量1に対して、3~20倍の質量で混ぜることが好ましく、5~15倍の質量比で混合することがより好ましい。水酸化リチウムの溶液が、アロフェンの質量1に対して、前記範囲にないと、効率良くリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成できない場合がある。
【0022】
本発明においては、種々の用途に適合させる場合の使い勝手を良くするために、合成されるリチウム含有EDI型ゼオライトの平均結晶径を1μm以上とすることが好ましく、平均結晶径を1.3μm以上とすることがより好ましい。アロフェンの仕込み量を、バッチあたり1kg以上とし、原料のLiO/Alモル比を1.0~5.0とし、反応温度を40~70℃、反応時間を6~48時間とし、攪拌しながら反応させることにより、不純物の生成を抑制しつつ、平均結晶径1.3μm以上のリチウム含有EDI型ゼオライトを合成することができる。
【実施例1】
【0023】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成した。この際、表1に示すように、LiO/Alモル比を変化させた。なお、SiO/Alモル比は1.73とし、反応温度を60℃とし、反応時間を24時間とし、攪拌を行いながら反応させた。撹拌は、アロフェンの仕込み量が100g以下の場合にはマグネチックスターラーを用いて行った。アロフェンの仕込み量が1kg以上の場合は攪拌機を用いて行った。なお、攪拌操作は1時間毎に1分間行い、それ以外は静置した。得られた合成物を固液分離後、60℃の温水で洗浄し、70℃で乾燥した。アロフェンの仕込み量は10kgとし、水酸化リチウムは水に溶解させて使用した。水酸化リチウムの溶液は100kgとした。合成物を粉末X線回折法にて同定した。結果を表1に併記した。
【0024】
<使用材料>
アロフェン:栃木県産のものを水ひ精製したもの、市販品、SiO含有量33.6%、Al含有量33.1%、Fe含有量2.3%、CaO含有量0.4%、MgO含有量0.1%、NaO含有量0.03%、KO含有量0.02%、強熱減量30.1%。
水酸化リチウム:市販品。
水:水道水
【0025】
<測定方法>
粉末X線回折法:合成物の回折ピークの内、回折強度が大きいものを「Strong」、中間のものを「Middle」、小さいものを「Weak」とした。
平均結晶径:粒子のSEM画像から計測(粒子の長さ)
【0026】
【表1】
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【0027】
表1より、LiO/Alモル比が1~5の範囲では、不純物であるABW型ゼオライトが生成することなく、効率良く、平均結晶径が1.3μm以上、リチウム含有量がLiO換算で3%以上、NaOとKOの含有量の合計が0.03%(0.5%未満)であるリチウム含有EDI型ゼオライトが合成されていることが分かる。
【実施例2】
【0028】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成した。この際、表2に示すように、アロフェンの仕込み量を変化させ攪拌の影響を調べ、LiO/Alモル比は3.0とし、SiO/Alモル比は1.73としたこと以外は実施例1と同様に行った。水酸化リチウムの溶液はアロフェンの質量1に対して10倍質量とした。結果を表2に併記する。
【0029】
【表2】
JP0005002299B2_000003t.gif

【0030】
表2より、アロフェンの仕込み量が1kgより少ない場合には、撹拌の有無にかかわらず、ABW型ゼオライトはほとんど生成しない(実験No.2-1~No.2-4参照)のに対して、仕込み量が1kg以上になると、撹拌を行わない場合には、EDI型ゼオライトと共にABW型ゼオライトがかなり生成することが分かる(実験No.2-5、No.2-7、No.2-9参照)から、アロフェンの仕込み量が1kg以上では、攪拌操作を行う必要があることが確認された。攪拌操作を行うことにより、効率良く、不純物の生成を抑制しつつ、大量のリチウム含有EDI型ゼオライトが合成できる(実験No.1-3、No.2-6、No.2-8参照)。また、アロフェンの仕込み量を1kg以上として、撹拌を行うことにより、仕込み量が1kgより少ない場合や、撹拌を行わない場合と比較して、平均結晶径の大きいEDI型ゼオライトが得られることが分かる。
さらに、EDI型ゼオライトのLiO含有量について、アロフェンの仕込み量が1kgより少ない場合には、撹拌の有無にかかわらず、3.0%以上であるのに対して、仕込み量が1kg以上の場合には、撹拌を行わないと、3.0%以上にはならないから、リチウム含有量の点からみても、アロフェンの仕込み量が1kg以上では、撹拌操作を行う必要があることが確認された。
【実施例3】
【0031】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成した。この際、表3に示すように、反応温度を変化させ、LiO/Alモル比は3.0、SiO/Alモル比は1.73としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0032】
【表3】
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【0033】
表3から、反応温度が30~80℃の範囲では、効率良く、不純物の生成を抑制しつつ、平均結晶径が1μm以上、リチウム含有量がLiO換算で3%以上、NaOとKOの含有量の合計が0.03%(0.5%未満)であるリチウム含有EDI型ゼオライトが合成できることが分かる。また、反応温度を40~70℃とすることにより、ABW型ゼオライトを生成せずに、平均結晶径が1.3μm以上のEDI型ゼオライトが得られることが分かる。
【実施例4】
【0034】
アロフェンと水酸化リチウムを原料として水中で反応させてリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成した。この際、表4に示すように、反応温度を60℃とし、反応時間を変化させたこと以外は実施例3と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0035】
【表4】
JP0005002299B2_000005t.gif

【0036】
表4から、反応時間が3~72時間の範囲では、効率良く、不純物の生成を抑制しつつ、平均結晶径が1μm以上、リチウム含有量がLiO換算で3%以上、NaOとKOの含有量の合計が0.03%(0.5%未満)であるリチウム含有EDI型ゼオライトが合成できることが分かる。また、反応時間を6~48時間とすることにより、ABW型ゼオライトを生成せずに、平均結晶径が1.4μm以上のEDI型ゼオライトが得られることが分かる。
【実施例5】
【0037】
従来の技術との比較を行った。非特許文献1に記載されている方法でリチウムを含有するEDI型ゼオライトを合成した。また、非特許文献2に記載されている市販のNaを含有するA型ゼオライトを水酸化リチウム水溶液に浸漬し、イオン交換反応によって、リチウムを導入したA型ゼオライト(以下、「リチウム含有LTA型ゼオライト」という)を調製した。LiO含有量、NaO含有量、KO含有量を比較した。
【0038】
<使用材料>
シリカゾル:市販品、日産化学工業社製。
アルミナゾル:市販品、日産化学工業社製。
A型ゼオライト:市販品、日本化学工業社製。
【0039】
【表5】
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【0040】
表5から、非特許文献1の方法では、平均結晶サイズが1μm未満と非常に細かいものしか合成できなく、非特許文献2の方法では、リチウム含有EDI型ゼオライトは得られず、リチウム含有LTA型ゼオライトであることが分かる。また、非特許文献1の方法では、原料が高価なため、不経済である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の合成方法により、経済性に富み、効率的に、結晶の大きさが制御されたリチウム含有EDI型ゼオライトを提供することが可能となり、例えば、触媒、調湿材、分子ふるい、吸着材、イオン交換体などに利用することができる。