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明細書 :ゼオライトXに分散する金属ナノ粒子、金属ナノ粒子分散ゼオライトXおよび金属ナノ粒子分散ゼオライトXの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5428018号 (P5428018)
公開番号 特開2009-046372 (P2009-046372A)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発行日 平成26年2月26日(2014.2.26)
公開日 平成21年3月5日(2009.3.5)
発明の名称または考案の名称 ゼオライトXに分散する金属ナノ粒子、金属ナノ粒子分散ゼオライトXおよび金属ナノ粒子分散ゼオライトXの製造方法
国際特許分類 C01B  39/22        (2006.01)
B22F   9/22        (2006.01)
FI C01B 39/22 ZNM
B22F 9/22
請求項の数または発明の数 3
全頁数 13
出願番号 特願2007-216744 (P2007-216744)
出願日 平成19年8月23日(2007.8.23)
審査請求日 平成22年8月23日(2010.8.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591100563
【氏名又は名称】栃木県
【識別番号】597065329
【氏名又は名称】学校法人 龍谷大学
発明者または考案者 【氏名】松本 泰治
【氏名】大森 和宏
【氏名】後藤 義昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100085394、【弁理士】、【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
審査官 【審査官】佐藤 哲
参考文献・文献 特開平04-074139(JP,A)
特開平01-096011(JP,A)
特開平01-108114(JP,A)
特開平05-139724(JP,A)
特開平05-208138(JP,A)
特開平05-139723(JP,A)
特開昭50-157300(JP,A)
特開2004-269276(JP,A)
特開2004-099386(JP,A)
特開平09-313950(JP,A)
特開平06-086935(JP,A)
特開平09-075743(JP,A)
調査した分野 C01B 33/20 - 39/54
B22F 9/22
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとにそれぞれ交換して金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持された前駆物質としての金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンが保持されるゼオライトを調製する工程と、該調製した両イオンを保持するゼオライトを加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンを還元してゼロ価の金属粒子を保持するゼオライトXにする工程とを備えており、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とする金属ナノ粒子分散ゼオライトの製造方法。
【請求項2】
ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持されるようにイオン交換して前駆物質として得た前記金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンを含むゼオライトに、加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンをゼロ価の金属に還元して得たものであり、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とする金属ナノ粒子分散ゼオライト
【請求項3】
ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持されるようにイオン交換して前駆物質として得た前記金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンを含むゼオライトに、加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンをゼロ価の金属に還元して得られたものであり、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とするゼオライトに分散する金属ナノ粒子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペースト、抗菌剤、触媒、磁性材料等に使用可能なゼオライトXに分散する金属ナノ粒子、金属ナノ粒子分散ゼオライトおよび金属ナノ粒子分散ゼオライトの製造方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、金属のナノサイズ微粒子(金属ナノ粒子)は、表面積が極めて大きいことに加え、バルク金属には無い電気的、光学的、触媒等の各種の有用な特性を発現することが知られている。このような特性の一つとしてプラズモン吸収が知られているが、これは例えば、金は赤、銀は黄色に発色し、この特性は古くからステンドグラスの着色に利用されている。また、金のナノ粒子は融点の低下と触媒機能の発現が知られている。さらには磁気粒子である鉄-白金合金(FePt)をシングルナノサイズまで微細化すると、テラビットクラスの超高密度磁気記録媒体となる可能性が期待されている。
ところで、従来の金属ナノ粒子の作製方法としては、乾式法と湿式法が知られている。乾式法には気相反応である金属蒸発法やスパッタリング法及び金属錯体や有機金属塩の熱分解法がある。これら乾式法は、粒径の均一化が困難である欠点がある。湿式法には液相中において金属イオン及び金属錯体に還元剤を作用させ金属粒子化する方法がある。この液相反応では、粒子のナノサイズ化(コロイド粒子化)を実現するためには金属濃度に限界があり、低濃度の分散液しか得られない欠点がある。また、乾式法、湿式法ともに、得られた金属ナノ粒子の凝集性が強いという問題がある。また、金属ナノ粒子は、表面積が膨大に増加することで、酸化が容易に進む欠点もある。
そこでこの凝集性と高酸化性の解決策として、金属ナノ粒子とポリマーの複合化、シリカゲルやゼオライトなどの多孔質物質中への金属ナノ粒子の分散担持などの方法が開発されている。
【0003】
ゼオライトは、その細孔内にイオン交換法により金属イオンを容易に均一分散できることから、ゼオライト中の交換性陽イオンを、目的の金属イオンと交換後、水素等の還元ガス雰囲気熱処理、電子ビーム照射、光還元処理、電気化学還元処理などによる還元方法が次のとおり数多く報告されている。例えば、ゼオライト中の銀イオンを水素雰囲気加熱により還元する銀ナノ粒子の作製方法(非特許文献1参照)、ゼオライト中の銀イオンを水素雰囲気加熱により還元する銀ナノ粒子の作製方法(非特許文献2参照)、銀イオン交換ゼ才ライトを真空中で電子ビーム照射し銀を還元する方法(非特許文献3参照)、銀イオン交換したゼオライトに水中で可視光を照射して銀を還元し、ゼオライト表面に析出させる方法(非特許文献4参照)、白金上にゼオライト膜を形成したものに銀イオン交換した後、電流を通すことにより銀に還元し、銀ナノ粒子を作製する方法(非特許文献5参照)、メソポーラスシリカ中に含浸したニッケルを一酸化炭素ガスで還元するニッケルナノ粒子の作製方法(非特許文献6参照)、ゼオライトをコバルトイオン交換後、一酸化炭素ガス雰囲気で加熱することによりコバルトイオンを還元し、コバルトナノ粒子を作製する方法(非特許文献7参照)、アンモニウムイオン交換されたゼオライトにコバルト水溶液を含浸させ、乾燥後、水素還元処理することにより金属コバルト含有ゼオライトの作製方法(特許文献1参照)が知られている。

【非特許文献1】C.N.Tan,F.R.Trouw,and L.E.Iton:J.Phys.Chem.A,108,4737-4743,(2004)
【非特許文献2】T.Baba,N.Akinaka,M.Nomura,and Y.Ono:J.Chem.Soc.Commun,4,339-340,(1992)
【非特許文献3】M.J.Edmonson,S.A.Siebar,L.P.jones,L.Gameson,P.A.Andersen,P.P.Edwards,and W.Zhou:Adv.Mater.,13,1608-1611,(2001)
【非特許文献4】S.Leutwyler,and E.Schumacher:Chimia,31,475-478,(1977)
【非特許文献5】Y.Zhang,F.Chen,J.Zhuang,Y.Tang,D.Wang,Y.Wang,A.Dong,and N.Ren:Chem.Commun.,23,2814-2815,(2002)
【非特許文献6】E.R.Leite,N.L.V.Carreno,E.Longo,A.Va1entini,and L.F.D.Probst:J.nanosci.Nonotech.,2,89-94(2002)
【非特許文献7】Q.Tang,Y.Wang,P.Wang,Q.Zhang,and H.Wan:Studies Sur.Sci.Catal.,147,325-330(2004):
【特許文献1】特開平9-75743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記各ゼオライト細孔内への金属ナノ粒子の分散方法は、いずれもゼオライト外部からの還元処理であるため、ゼオライト結晶表面の金属イオンが優先的に還元されて金属が析出するため、ゼオライト細孔内の金属イオンの還元が阻害されてゼオライト内まで均一に金属ナノ粒子を分散させることが難しいだけでなく、ゼオライト表面に析出した金属粒子同士が凝集(凝結)しやすく、このようになった場合には、ゼオライト表面に均一に金属ナノ粒子を分散させることすら難しいという問題があり、斯かる問題を解決することに本発明の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、叙述のごとき実情に鑑み、発明者等が鋭意研究をした結果、完成したものであって、請求項1の発明は、ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとにそれぞれ交換して金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持された前駆物質としての金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンが保持されるゼオライトを調製する工程と、該調製した両イオンを保持するゼオライトを加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンを還元してゼロ価の金属粒子を保持するゼオライトXにする工程とを備えており、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とする金属ナノ粒子分散ゼオライトの製造方法である。
請求項2の発明は、ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持されるようにイオン交換して前駆物質として得た前記金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンを含むゼオライトに、加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンをゼロ価の金属に還元して得たものであり、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とする金属ナノ粒子分散ゼオライトである。
請求項3の発明は、ナノサイズの細孔を持つゼオライト内に存在する交換性陽イオンを、金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンがそれぞれ保持されるようにイオン交換して前駆物質として得た前記金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンを含むゼオライトに、加熱処理してゼオライトXに保持されるアンモニウムイオンを分解することによって発生するアンモニアによりゼオライトXに保持される金属イオンをゼロ価の金属に還元して得られたものであり、前記金属イオンは、銀、ニッケル、コバルト、金、白金、銅、鉄から選択される1種類以上の金属イオンであることを特徴とするゼオライトに分散する金属ナノ粒子である。
【発明の効果】
【0006】
このように本発明によれば、ゼオライトの細孔容積によって、還元生成する金属粒子の成長が抑制されて凝集することなくナノサイズのものになってゼオライト細孔内に均一に取り込まれた状態で生成することになる。しかもこの還元反応は、ゼオライトに取り込まれたアンモニウムイオンが加熱によって還元性の強いアンモニアになることを利用するものであるため、大気中(あるいは不活性ガス雰囲気)での還元反応が可能になって、室内での反応も可能になる。そのうえ、ゼオライト細孔内に金属粒子が存在することで、金属粒子自体の酸化も抑制され、安定したナノサイズの金属粒子にすることができる。
そしてこのようにして生成したナノサイズの金属粒子は、例えばこれが銀ナノ粒子であれば導電性ぺ一スト、抗菌剤として、ニッケルナノ粒であれば触媒として、コバルトナノ粒子であれば磁性塗料としての利用可能性が上げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
つまり本発明は、大気中での加熱によって分解し、還元力の極めて強いアンモニア(NH)を生じるアンモニウムイオン(NH)に着目したものであって、該NHを還元剤の前駆物質としてイオン交換によってゼオライト中に保持(担持)させておき、該ゼオライトを加熱することでゼオライト内にNHが均一に発生してゼオライト内で強い還元作用を発揮するのではないか、ということを発想した。斯かる発想に基づき、イオン交換によって、ゼオライト中に金属イオンとNHの両方が保持された前駆物質としてのゼオライトを調製し、この前駆物質のゼオライトを大気中にて加熱処理することによってゼオライト内にナノサイズの金属粒子が均一に分散しているものが製造できたことを確認し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
さらに詳しくは、本発明の発明者らは、還元剤の前駆物質として、イオン交換によってゼオライト中に保持されたアンモニウムイオン(NH)を用いた。NHは大気中での加熱によって容易に分解し、還元力の極めて強いアンモニア(NH)を生じることが知られている。そこでイオン交換によって、ゼオライト中に金属イオンとNHとの両方が存在したゼオライトを調製してこれを前駆物質とし、このものを大気中(または不活性気体中)、加熱によってゼオライト細孔内にNHを発生させることで前記イオン交換された金属イオンが金属に還元されるのではないか、という還元法を発想し、その実証実験を試みた。
この還元法は、イオン交換されたNHは、ゼオライト細孔内に均一に分散していることから、これを加熱するとNHがゼオライト細孔内で均一に生じることになり、これによって前記イオン交換された金属イオンの還元反応も均一に起こると共に、ゼオライトのもつ均一でナノサイズの細孔によって、生成する金属粒子の成長が該細孔サイズまでに抑制され、これによって均一な金属ナノ粒子が得られることを見出した。
この反応は、大気中加熱による還元反応であることから、可燃性ガスである水素や毒性ガスである一酸化炭素やアンモニアガス等の還元雰囲気を必要としないという優位性もある。
【0009】
この還元法は、アンモニアがゼオライト細孔内で均一に発生することから、金属イオンの還元反応がゼオライト内において均一に起こり、かつゼオライトのもつ均一でナノサイズの細孔に金属イオンが保持されていることによって、生成する金属粒子の成長が抑制され、これによって均一な金属ナノ粒子が得られることになる。しかも大気中での加熱による還元反応であることから、可燃ガスである水素や毒性ガスである一酸化炭素やアンモニアガス等の還元雰囲気を必要としないという優位性もある。
【0010】
ゼオライトとしては、細孔容積がナノサイズのものが適しており、フォージャサイト型ゼオライトであるゼオライトXが好適である。特にゼオライトXは、イオン交換容量が大きく金属イオン及びアンモニウムイオンを大量に含有出来る優位性もあって好ましい。
【0011】
本発明を実施するにあたり、ゼオライト中にあらかじめ存在するナトリウム等の交換性陽イオンを還元剤の前駆物質であるアンモニウムイオンに交換する必要があり、それには、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩の水溶液中にゼオライトを分散させ、100℃以下の温度でイオン交換させることで容易にアンモニウムイオンにイオン交換されたゼオライトを製造することができる。
一方、ゼオライト中にあらかじめ存在するナトリウム等の交換性陽イオンを金属ナノ粒子に還元するための金属イオンにイオン交換する必要があり、それには金属の硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩等の金属塩の水溶液中にゼオライトを分散させ、100℃以下の温度でイオン交換させることで容易に目的とする金属イオンにイオン交換されたゼオライトを製造することができる。
【0012】
このとき、アンモニウム塩溶液や金属塩溶液の濃度を変えたり、分散時間を変えたりすることで、ゼオライト中の金属含有量及び金属とアンモニウムの存在比を変えることができ、それによって金属ナノ粒子の量及びサイズをコントロールすることが可能である。
因みに、イオン交換の順序としては、ゼオライトをアンモニウムイオンにイオン交換した後、金属イオンにイオン交換してもよく、また逆に、金属イオンにイオン交換した後、アンモニウムイオンにイオン交換しても良く、さらには、金属イオンとアンモニウムイオンの混合溶液により、同時的なイオン交換処理を行っても差し支えない。また、金属イオンは1種類に限る物ではなく、複数の金属イオンを共存させることも可能であり、それによって合金ナノ粒子の作製も可能となる。
【0013】
また金属ナノ粒子となる金属としては、後述する実施例のように、銀、ニッケル、コバルトに限定されないものであることは勿論であって、金、白金、銅、鉄等、ゼオライト内にイオン交換によって保持できる金属であれば何れでもよく、これら金属としては、1種類でなく2種類以上の複数種類を保持させることもできる。
【0014】
そして上記の方法でイオン交換して調整した、金属イオンとアンモニウムイオンとの両イオンを含むゼオライトを、大気中50℃~800℃、好ましくはアンモニアが燃焼することのない50℃~300℃で加熱することにより、アンモニウムイオンを熱分解させることで極めて還元力の強い発生期のアンモニアをゼオライト細孔内に発生させ、該発生したアンモニアが近傍に存在する金属イオンをゼロ価の金属に還元することになる。
この場合に、アンモニウムイオン及び金属イオンはゼオライト細孔内に均一に分散していることから、金属イオンのゼロ価の金属への還元反応もゼオライト内において均一に起こり、かつ該還元される金属粒子はゼオライトの細孔容積という制限を受けることになって金属粒子の成長が抑制され、細孔容積に対応した金属ナノ粒子が得られる。なお、加熱処理としては窒素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行っても差し支えない。
【実施例1】
【0015】
<銀ナノ粒子分散ゼオライトの製造>
ゼオライトXのNH交換処理を次のように行った。細孔容積がナノサイズの市販されるゼオライトX100gに対して、1Mの酢酸アンモニウム(CHCOONH)水溶液1000mlを加え、室温で24時間のあいだイオン交換処理を行った。イオン交換処理後の試料はメンブランフィルターを用いてろ過、水洗浄を行った後、再び水に浸漬し、ろ過、水洗浄する操作を合計5回行った後、風乾することでNH交換ゼオライトX(以後、NH-X)を得た。
Ag交換処理は、前記得たNH-X 10gに0.01M、0.03M、0.05Mの各硝酸銀(AgNO)水溶液をそれぞれ1000ml加え、室温で24時間のあいだイオン交換処理を行った。イオン交換処理後の試料は、NOイオンが検出されなくなるまで水洗後、遮光し風乾した。
還元処理は、Ag,NH交換ゼオライトX試料の0.35gを磁性るつぼに入れ、電気炉を用いて大気中で加熱した。加熱条件は、昇温速度10℃/minにて200℃まで昇温後、200℃に4時間維持し、その後、炉内放冷し、銀ナノ粒子分散ゼオライトを得た。
各濃度で得た銀ナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図を図1~3に示すが、これら写真図の観察から、銀ナノ粒子はゼオライトXの細孔内に均一に分散生成しており、その大きさは何れの濃度の硝酸銀溶液を用いたものも1~5nmであった。
【実施例2】
【0016】
<ニッケルナノ粒子分散ゼオライトの製造>
実施例1と同様にしてNH-Xを得た。Ni2+交換は、NH-Xの10gに0.01Mの塩化ニッケル(NiCl)水溶液を1000m1加え、室温で24h処理した。交換処理試料は、Clイオンが検出されなくなるまで水洗後、遮光し風乾した。
還元処理は、Ni2+,NH交換ゼオライトX試料の0.35gを磁性るつぼに入れ、電気炉を用いて大気中で加熟した。加熱条件は、昇温速度10℃/minにて200℃まで昇温後、200℃に4時間維持し、その後、炉内放冷し、ニッケルナノ粒子分散ゼオライトを得た。
図4に示す透過型電子顕微鏡写真図の観察から、ニッケルナノ粒子はゼオライトXの細孔内に均一に分散生成しており、その大きさは1~5nmであった。
【実施例3】
【0017】
<コバルトナノ粒子分散ゼオライトの製造>
実施例1と同様にしてNH-Xを得た。Co2+交換は、NH-X10gに0.05Mの塩化コバルト(CoCl)溶液を1000m1加え、室温で24h処理した。交換処理試料は、Clイオンが検出されなくなるまで水洗後、遮光し風乾した。
還元処理は、Co2+、NH交換ゼオライトX試料0.35gを磁性るつぼに入れ、電気炉を用いて大気中で加熱した。加熱条件は、昇温速度10℃/minにて200℃まで昇温後、200℃に4時間維持し、その後、炉内放冷し、コバルトナノ粒子分散ゼオライトを得た。
図5に示す透過型電子顕微鏡写真図の観察から、コバルトナノ粒子はゼオライトXの細孔内に均一に分散生成しており、その大きさは1~5nmであった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1で0.01M硝酸銀溶液を用いて得た銀ナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図である。
【図2】実施例1で0.03M硝酸銀溶液を用いて得た銀ナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図である。
【図3】実施例1で0.05M硝酸銀溶液を用いて得た銀ナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図である。
【図4】実施例2で得たニッケルナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図である。
【図5】実施例3で得たコバルトナノ粒子分散ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4