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明細書 :抗がん剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-064976 (P2019-064976A)
公開日 平成31年4月25日(2019.4.25)
発明の名称または考案の名称 抗がん剤
国際特許分類 A61K  31/41        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P   1/00        (2006.01)
A61P  35/02        (2006.01)
A61K  31/53        (2006.01)
A61K  31/5377      (2006.01)
A61K  31/4184      (2006.01)
A61K  31/505       (2006.01)
A61K  31/4439      (2006.01)
A61K  31/506       (2006.01)
A61K  31/433       (2006.01)
A61K  31/427       (2006.01)
A61K  31/426       (2006.01)
A61K  31/423       (2006.01)
FI A61K 31/41
A61P 35/00
A61P 1/00
A61P 35/02
A61K 31/53
A61K 31/5377
A61K 31/4184
A61K 31/505
A61K 31/4439
A61K 31/506
A61K 31/433
A61K 31/427
A61K 31/426
A61K 31/423
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 34
出願番号 特願2017-193597 (P2017-193597)
出願日 平成29年10月3日(2017.10.3)
発明者または考案者 【氏名】土屋 創健
【氏名】村山 裕海
【氏名】杉本 幸彦
出願人 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100126664、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 慎吾
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100189337、【弁理士】、【氏名又は名称】宮本 龍
審査請求 未請求
テーマコード 4C086
Fターム 4C086AA01
4C086AA02
4C086BC39
4C086BC42
4C086BC50
4C086BC62
4C086BC64
4C086BC70
4C086BC73
4C086BC82
4C086BC85
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZB26
4C086ZB27
要約 【課題】がん細胞に対する増殖抑制作用に優れているが、正常細胞に対する毒性が低い新規な抗がん剤の提供。
【解決手段】一般式(B-0)で表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。
JP2019064976A_000019t.gif
[式中、X51は窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子;A51は5員環、6員環、又は5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環;X52は-NR51-又は硫黄原子を表し、R51は水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基;Z52は単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-NH-、-N=C-、-N=C(CH)-、-O-又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせ;R52は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、又はピラゾリル基を表す。]
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(B-0)
【化1】
JP2019064976A_000014t.gif
[式(B-0)中、
51は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、
51は、5員環、6員環、又は5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環を表し、
52は、-NR51-又は硫黄原子を表し、R51は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
52は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-NH-、-N=C-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。]
で表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。
【請求項2】
下記一般式(B-1)~(B-5)
【化2】
JP2019064976A_000015t.gif
[式(B-1)及び(B-2)中、
は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいピペリジニル基、置換基を有していてもよいモルホリノ基、又は置換基を有していてもよいチオモルホリノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。
式(B-3)中、
11は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表し、
12及びZ13は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-NH-、炭素数1~3のアルキレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ピペラジン-1,4-ジイル基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
14は、単結合、-NH-、-O-、-CO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
14は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表し、
21は、硫黄原子、-NH-、又は-NR25-を表し、R25は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
式(B-4)中、
21は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
21は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジチニル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表し、
22は、硫黄原子、酸素原子、又は-NR22-を表し、R22は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、
23は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23-R23を表し、Z23は、単結合、-NH-、-N=C(CH)-、-N(CH)-、-S-、-SO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、R23は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表し、
24は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z24-R24を表し、Z24は、単結合、-N-、-N-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表し、R24は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表す。
式(B-5)中、
31は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノスルホニル基を表し、
31は、-NH-、-NR34-、硫黄原子、又は酸素原子を表し、R34は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
32及びZ33は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。]
のいずれかで表される化合物を有効成分とする、請求項1に記載の抗がん剤。
【請求項3】
前記Aが、無置換のピラゾリル基、1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピラゾリル基、又は無置換のモルホリノ基であり、
前記R及びRが、それぞれ独立して、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基、アルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記R11が、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はn-プロピル基であり、
前記R12及びR13が、それぞれ独立して、水素原子、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記Z12及びZ13が、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-NH-CH-、又はピペリジン-1,4-ジイルカルボニル基であり、
前記Z14が、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
前記R14が、水素原子、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記X21が、硫黄原子、-NH-、又は-NR25’-であり、R25’は無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
前記Z21が、単結合、-CO-、-CO-CH-、-CH-、-C-、-CH-CO-、-N=C(CH)-、又は-C-O-であり、
前記R21が、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のピロリル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基で置換されたピロリル基、無置換のピリジル基、無置換のジヒドロベンゾジオキシニル基、無置換のベンゾイミダゾリル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたベンゾイミダゾリル基であり、
前記X22が、硫黄原子、又は-NR22’-であり、R22’は無置換のフェニル基、又は、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、及びジメチルアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記X23が、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23’-R23’であり、Z23’は、単結合、-NH-、-NH-CH-、-NH-CH-CH-、-NH-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表し、R23’は、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のピリジル基、又は1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基で置換されたベンゾイミダゾリル基であり、
前記X24が、窒素原子、-CH-、又は-C-R24’であり、R24’が、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記R31が、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基であり、
前記X31が、-NH-、-NR34’-、硫黄原子、又は酸素原子であり、R34’が無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
前記Z32及びZ33が、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、又は-CO-O-であり、
32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である、請求項2に記載の抗がん剤。
【請求項4】
下記の化合物b000、化合物b003、化合物b002、化合物b005、化合物b006、化合物b013、化合物b014、化合物C001、化合物C003、化合物C004、化合物C005、化合物C007、化合物C008、化合物C011、化合物C014、化合物b017、及び化合物b020からなる群より選択される1種以上を有効成分とする、請求項1に記載の抗がん剤。
【化3】
JP2019064976A_000016t.gif
【化4】
JP2019064976A_000017t.gif
【化5】
JP2019064976A_000018t.gif

【請求項5】
食道扁平上皮がんに対する治療に用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗がん剤。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の抗がん剤を有効成分とし、がんの治療又は再発予防に用いられる、医薬用組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、正常細胞に対する毒性が低く、がん細胞、特に食道扁平上皮がん細胞に対する増殖抑制作用に優れた抗がん剤に関する。
【背景技術】
【0002】
食道癌は男性に多く、世界中のがん死亡者数で6番目に多い癌であり、国内ではその9割以上が食道扁平上皮癌である。日本国内における5年生存率は約4割、10年生存率は3割以下で、極めて予後が不良の癌であり、国内で年間1万人以上が、世界で年間約40万人が食道癌で亡くなっており、治療を必要とする食道癌患者数はさらに多い。臨床レベルで有効な食道扁平上皮癌の腫瘍マーカーは見いだされておらず、食道癌初期症状が不定愁訴であることから、食道造影、(超音波)内視鏡検査、CTなどの検診率も極めて低い。さらに、食道は漿膜に覆われておらず、早期に周囲浸潤・リンパ節転移し、進行が早く、大部分が進行癌として発見される。そのため、食道切除術とリンパ節郭清の同時処置といった非常に侵襲性の高い手術的治療とともに、全身性作用を有する抗がん剤治療(化学療法)が、術前・術後のみならず、手術をしない場合にも、食道癌治療の中心となっている。
【0003】
食道癌で使用される抗がん剤は、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ドセタキセルなどの従来型の細胞増殖そのものを標的とした抗がん剤であり、分子標的薬は未だ開発されていない。細胞増殖そのものを標的とした抗がん剤には、正常細胞の増殖が盛んな骨髄や、消化管や腎臓などの上皮組織などにおける重篤な副作用がある。さらに、抗がん剤に対する耐性の獲得や、再発が充分に抑制できないなどの問題から、副作用が少なく、効果の高い薬物の開発が切望されている。
【0004】
抗がん剤の副作用を抑えるためには、分子標的薬のように、生体内の特定の分子に特異的に作用する分子を有効成分とすることが好ましい。特定の分子に作用する抗がん剤としては、例えば、特許文献1には、特定の構造のキナゾリン系化合物により特定の経路のセリン/トレオニン蛋白質キナーゼの機能を調節できること、当該キナゾリン系化合物ががん細胞の増殖を抑制する抗がん作用を有すること、が開示されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特表2001-524128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、がん細胞、特に食道扁平上皮がん細胞に対する増殖抑制作用に優れているが、ヒト正常細胞に対する毒性が充分に低い新規な抗がん剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、化合物ライブラリーから、食道扁平上皮癌細胞に阻害作用を有し、かつヒト正常細胞の細胞増殖への影響が極めて低い化合物を探索し、選抜された化合物ががん細胞に対する抗がん作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の抗がん剤及び医薬用組成物を提供するものである。
[1] 下記一般式(B-0)
【0009】
【化1】
JP2019064976A_000002t.gif

【0010】
[式(B-0)中、
51は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、
51は、5員環、6員環、又は5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環を表し、
52は、-NR51-又は硫黄原子を表し、R51は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
52は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-NH-、-N=C-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。]
で表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。
[2] 下記一般式(B-1)~(B-5)
【0011】
【化2】
JP2019064976A_000003t.gif

【0012】
[式(B-1)及び(B-2)中、
は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいピペリジニル基、置換基を有していてもよいモルホリノ基、又は置換基を有していてもよいチオモルホリノ基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。
式(B-3)中、
11は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表し、
12及びZ13は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-NH-、炭素数1~3のアルキレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ピペラジン-1,4-ジイル基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
14は、単結合、-NH-、-O-、-CO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
14は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表し、
21は、硫黄原子、-NH-、又は-NR25-を表し、R25は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
式(B-4)中、
21は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
21は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジチニル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表し、
22は、硫黄原子、酸素原子、又は-NR22-を表し、R22は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、
23は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23-R23を表し、Z23は、単結合、-NH-、-N=C(CH)-、-N(CH)-、-S-、-SO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、R23は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表し、
24は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z24-R24を表し、Z24は、単結合、-N-、-N-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表し、R24は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表す。
式(B-5)中、
31は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノスルホニル基を表し、
31は、-NH-、-NR34-、硫黄原子、又は酸素原子を表し、R34は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、
32及びZ33は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表し、
32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。]
のいずれかで表される化合物を有効成分とする、前記[1]の抗がん剤。
[3] 前記Aが、無置換のピラゾリル基、1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピラゾリル基、又は無置換のモルホリノ基であり、
前記R及びRが、それぞれ独立して、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基、アルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記R11が、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はn-プロピル基であり、
前記R12及びR13が、それぞれ独立して、水素原子、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記Z12及びZ13が、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-NH-CH-、又はピペリジン-1,4-ジイルカルボニル基であり、
前記Z14が、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
前記R14が、水素原子、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記X21が、硫黄原子、-NH-、又は-NR25’-であり、R25’は無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
前記Z21が、単結合、-CO-、-CO-CH-、-CH-、-C-、-CH-CO-、-N=C(CH)-、又は-C-O-であり、
前記R21が、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のピロリル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基で置換されたピロリル基、無置換のピリジル基、無置換のジヒドロベンゾジオキシニル基、無置換のベンゾイミダゾリル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたベンゾイミダゾリル基であり、
前記X22が、硫黄原子、又は-NR22’-であり、R22’は無置換のフェニル基、又は、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、及びジメチルアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記X23が、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23’-R23’であり、Z23’は、単結合、-NH-、-NH-CH-、-NH-CH-CH-、-NH-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表し、R23’は、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のピリジル基、又は1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基で置換されたベンゾイミダゾリル基であり、
前記X24が、窒素原子、-CH-、又は-C-R24’であり、R24’が、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及びアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基であり、
前記R31が、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基であり、
前記X31が、-NH-、-NR34’-、硫黄原子、又は酸素原子であり、R34’が無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
前記Z32及びZ33が、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、又は-CO-O-であり、
32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である、前記[2]の抗がん剤。
[4] 下記の化合物b000、化合物b003、化合物b002、化合物b005、化合物b006、化合物b013、化合物b014、化合物C001、化合物C003、化合物C004、化合物C005、化合物C007、化合物C008、化合物C011、化合物C014、化合物b017、及び化合物b020からなる群より選択される1種以上を有効成分とする、前記[1]の抗がん剤。
【0013】
【化3】
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【0014】
【化4】
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【0015】
【化5】
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【0016】
[5] 食道扁平上皮がんに対する治療に用いられる、前記[1]~[4]のいずれかの抗がん剤。
[6] 前記[1]~[5]のいずれかの抗がん剤を有効成分とし、がんの治療又は再発予防に用いられる、医薬用組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る抗がん剤は、がん、特に食道扁平上皮がんに対する抗がん作用に優れている上に、ヒト正常細胞への影響が小さいため、がん、特に食道扁平上皮がんに対する治療又は再発防止のための医薬用組成物として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る抗がん剤は、下記一般式(B-0)で表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される。

【0019】
【化6】
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【0020】
一般式(B-0)中、X51は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。
一般式(B-0)中、A51は、5員環、6員環、又は5員環と6員環の縮合環である芳香族複素環を表す。A51としては、例えば、X51が窒素原子の場合、トリアジン環、ジヒドロトリアジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、テトラゾール環が挙げられ、X51が酸素原子の場合、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサジアゾール環が挙げられ、X51が硫黄原子の場合、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環が挙げられる。

【0021】
一般式(B-0)中、X52は、-NR51-又は硫黄原子を表し、R51は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。

【0022】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基」は、無置換の炭素数1~6のアルキル基と、炭素数1~6のアルキル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。炭素数1~6のアルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。無置換の炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基が挙げられる。

【0023】
一のアルキル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、炭素数1~6のアルキル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。アルキル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0024】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキルオキシ基(アルコキシ基)、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、又はアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。

【0025】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。

【0026】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルオキシ基としては、アルキル基の部分が炭素数1~6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルオキシ基が挙げられる。当該アルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。

【0027】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基等が挙げられる。

【0028】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、インデニルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。

【0029】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルカルボニル基としては、例えば、アルキル基の部分が炭素数1~6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルカルボニル基が挙げられる。当該アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。

【0030】
炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1~6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。当該アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n-プロピルオキシカルボニルメチル基、イソプロピルオキシカルボニルメチル基、n-ブチルオキシカルボニルメチル基、イソブチルオキシカルボニルメチル基、tert-ブチルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、n-プロピルオキシカルボニルエチル基、イソプロピルオキシカルボニルエチル基、n-ブチルオキシカルボニルエチル基、イソブチルオキシカルボニルエチル基、tert-ブチルオキシカルボニルエチル基等が挙げられる。

【0031】
一般式(B-0)中、Z52は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-NH-、-N=C-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。

【0032】
一般式(B-0)中、R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。

【0033】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいフェニル基」は、無置換のフェニル基と、フェニル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のフェニル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、フェニル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。フェニル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0034】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいピリジル基」は、無置換のピリジル基と、ピリジル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のピリジル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ピリジル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ピリジル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0035】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいピロリル基」は、無置換のピロリル基と、ピロリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のピロリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ピロリル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ピロリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0036】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいイミダゾリル基」は、無置換のイミダゾリル基と、イミダゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のイミダゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、イミダゾリル基のうちの1~2個の水素原子を置換基に置換することができる。イミダゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0037】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいピラゾリル基」は、無置換のピラゾリル基と、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のピラゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ピラゾリル基のうちの1~2個の水素原子を置換基に置換することができる。ピラゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0038】
一般式(B-0)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物が挙げられる。

【0039】
【化7】
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【0040】
一般式(B-1)中、Aは、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいピペリジニル基、置換基を有していてもよいモルホリノ基、又は置換基を有していてもよいチオモルホリノ基を表す。

【0041】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいピペリジニル基」は、無置換のピペリジニル基と、ピペリジニル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のピペリジニル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ピペリジニル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ピペリジニル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0042】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいモルホリノ基」は、無置換のモルホリノ基と、モルホリノ基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のモルホリノ基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、モルホリノ基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。モルホリノ基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0043】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいチオモルホリノ基」は、無置換のチオモルホリノ基と、チオモルホリノ基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のチオモルホリノ基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、チオモルホリノ基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。チオモルホリノ基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0044】
ピラゾリル基、ピペリジニル基、モルホリノ基、及びチオモルホリノ基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、又はアリールアルキル基(アラルキル基)が挙げられる。

【0045】
炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、R51の炭素数1~6のアルキル基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基としては、具体的には、それぞれ、R51の炭素数1~6のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0046】
炭素数1~6のハロゲン化アルキル基とは、炭素数1~6のアルキル基中の1個以上の水素原子、好ましくは1~3個の水素原子がハロゲン原子に置換された基をいう。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。炭素数1~6のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロジフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、ペンタフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、3-クロロプロピル基等が挙げられる。

【0047】
アルキルチオ基としては、例えば、アルキル基の部分が炭素数1~6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルチオ基が挙げられる。当該アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソアミルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロへキシルチオ基が挙げられる。

【0048】
アリールアルキル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状であり、アリール基部分がフェニル基、ナフチル基、インデニル基、又はビフェニル基である基が挙げられる。当該アリールアルキル基としては、具体的には、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルイソプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。

【0049】
一般式(B-1)及び(B-2)中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、及び置換基を有していてもよいピラゾリル基としては、具体的には、それぞれ、前記R51又はAの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0050】
フェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、又はアリールアルキル基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、それぞれ、ピラゾリル基等が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0051】
一般式(B-1)で表される化合物としては、Aが、置換基を有していてもよいピラゾリル基又は置換基を有していてもよいモルホリノ基であり、R及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(B-1)で表される化合物としては、Aが、無置換のピラゾリル基、1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基で置換されたピラゾリル基、又は無置換のモルホリノ基であり、R及びRが、それぞれ独立して、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~6のアルキル基、アルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物が挙げられる。さらに好ましい一般式(B-1)で表される化合物としては、Aが、無置換のピラゾリル基であり、R及びRが、それぞれ独立して、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、又は1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物;Aが、1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基で置換されたピラゾリル基であり、R及びRが、それぞれ独立して、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、又は1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物;Aが、無置換のモルホリノ基であり、R及びRが、それぞれ独立して、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、又は1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物が挙げられる。

【0052】
一般式(B-2)で表される化合物としては、R及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である化合物が好ましく、R及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数4~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である化合物がより好ましい。より好ましい一般式(B-2)で表される化合物としては、R及びRが、それぞれ独立して、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、又は1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物が挙げられる。さらに好ましい一般式(B-2)で表される化合物としては、R及びRが、それぞれ独立して、フェニル基、又は1~3個の水素原子がメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基である化合物が挙げられる。

【0053】
一般式(B-3)中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。当該基としては、具体的には、R51の置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0054】
一般式(B-3)中、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基としては、具体的には、それぞれ、前記Rの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0055】
一般式(B-3)で表される化合物としては、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましい。当該置換基を有していてもよいフェニル基のうちの置換基を有するフェニル基としては、フェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましく、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基がより好ましい。

【0056】
一般式(B-3)中、Z12及びZ13は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-NH-、炭素数1~3のアルキレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ピペラジン-1,4-ジイル基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。一般式(B-3)で表される化合物としては、Z12及びZ13は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-NH-、炭素数1~3のアルキレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせが好ましく、Z12及びZ13は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-NH-CH-、又は-CO-とピペリジン-1,4-ジイル基の組み合わせ(ピペリジン-1,4-ジイルカルボニル基)がより好ましい。

【0057】
一般式(B-3)中、Z14は、単結合、-NH-、-O-、-CO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。一般式(B-3)で表される化合物としては、Z14は、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基が好ましく、単結合、-CH-、又は-CH-CH-がより好ましい。

【0058】
一般式(B-3)中、R14は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいピラゾリル基を表す。これらの基としては、具体的には、それぞれ、前記Rの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0059】
一般式(B-3)で表される化合物としては、R14は、水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。当該置換基を有していてもよいフェニル基のうちの置換基を有するフェニル基としては、フェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましく、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基がより好ましく、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基からなる群より選択される1種以上で置換された基がさらに好ましい。

【0060】
一般式(B-3)で表される化合物としては、R11が、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、R12及びR13が、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、Z12及びZ13が、それぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-NH-、炭素数1~3のアルキレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせであり、Z14が、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、R14が、水素原子又は置換基を有していてもよいフェニル基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(B-3)で表される化合物としては、R11が、無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、R12及びR13が、それぞれ独立して、水素原子、無置換のフェニル基、又はフェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基であり、Z12及びZ13が、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-NH-CH-、又はピペリジン-1,4-ジイルカルボニル基であり、Z14が、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、R14が、水素原子、無置換のフェニル基、又はフェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が挙げられる。さらに好ましい一般式(B-3)で表される化合物としては、R11が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基であり、R12及びR13が、それぞれ独立して、水素原子、無置換のフェニル基、又はフェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、及びフッ素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基であり、Z12及びZ13が、それぞれ独立して、単結合、-O-、-NH-、-NH-CH-、又はピペリジン-1,4-ジイルカルボニル基であり、Z14が、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、R14が、水素原子、無置換のフェニル基、又はフェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が挙げられる。

【0061】
一般式(B-4)中、X21は、硫黄原子、-NH-、又は-NR25-を表す。ここで、R25は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。R25の置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、R51の置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。一般式(B-4)で表される化合物としては、X21は、硫黄原子、-NH-、又は-NR25’-が好ましい。ここで、R25’は無置換の炭素数1~6のアルキル基を表す。

【0062】
一般式(B-4)中、Z21は、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C(CH)-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。一般式(B-4)で表される化合物としては、Z21は、単結合、-CO-、-CO-CH-、-CH-、-CH-CH-、-CH-CO-、又は-N=C(CH)-が好ましい。

【0063】
一般式(B-4)中、R21は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジチニル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、及び置換基を有していてもよいピラゾリル基としては、具体的には、それぞれ、前記R51又はAの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0064】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基」は、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基と、炭素数1~6のアルキルオキシ基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のアルキルオキシ基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、アルキルオキシ基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。アルキルオキシ基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0065】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基」は、無置換のジヒドロベンゾジオキシニル基と、ジヒドロベンゾジオキシニル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のジヒドロベンゾジオキシニル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ジヒドロベンゾジオキシニル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ジヒドロベンゾジオキシニル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0066】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジチニル基」は、無置換のジヒドロベンゾジチニル基と、ジヒドロベンゾジチニル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のジヒドロベンゾジチニル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ジヒドロベンゾジチニル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ジヒドロベンゾジチニル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0067】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基」は、無置換のベンゾイミダゾリル基と、ベンゾイミダゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のベンゾイミダゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾイミダゾリル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ベンゾイミダゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0068】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基」は、無置換のベンゾチアゾリル基と、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のベンゾチアゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾチアゾリル基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。ベンゾチアゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0069】
ジヒドロベンゾジオキシニル基、ジヒドロベンゾジチニル基、ベンゾイミダゾリル基、及びベンゾチアゾリル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、又はアリールアルキル基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、それぞれ、ピラゾリル基等が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0070】
アルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアリールオキシ基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、それぞれ、ピラゾリル基等が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0071】
一般式(B-4)で表される化合物としては、R21が、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、又は置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、又は置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基がより好ましい。R21が置換基を有していてもよいフェニル基の場合、置換基を有するフェニル基としては、フェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましい。R21が置換基を有していてもよいピロリル基の場合、置換基を有するピロリル基としては、ピロリル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましい。R21が置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基の場合、置換基を有するベンゾイミダゾリル基としては、ベンゾイミダゾリル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましい。

【0072】
より好ましい一般式(B-4)で表される化合物としては、R21が、無置換の炭素数1~3のアルキル基、無置換の炭素数1~3のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、フェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基、無置換のピロリル基、ピロリル基の1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基で置換された基、無置換のピリジル基、無置換のジヒドロベンゾジオキシニル基、無置換のベンゾイミダゾリル基、又はベンゾイミダゾリル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が挙げられる。さらに好ましい一般式(B-4)で表される化合物としては、R21が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基;フェニル基;フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フッ素原子、及び塩素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基;ピロリル基;ピロリル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びシクロプロピル基からなる群より選択される1種以上で置換された基;ピリジル基、ジヒドロベンゾジオキシニル基、ベンゾイミダゾリル基;ベンゾイミダゾリル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換された基、である化合物が挙げられる。

【0073】
一般式(B-4)中、X22は、硫黄原子、酸素原子、又は-NR22-を表す。ここで、R22は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。R22としては、具体的には、前記Rの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0074】
一般式(B-4)で表される化合物としては、X22は、硫黄原子、又は-NR22’-であることが好ましい。ここで、R22’は、無置換のフェニル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びジメチルアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換された基である。R22’としては、無置換のフェニル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びジメチルアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換された基がより好ましい。

【0075】
一般式(B-4)中、X23は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23-R23を表す。ここで、Z23は、単結合、-NH-、-N=C(CH)-、-N(CH)-、-S-、-SO-、炭素数1~3のアルキレン基、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。

【0076】
23は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表す。これらの基は、具体的には、前記Rの基又はR21の基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0077】
一般式(B-4)で表される化合物としては、X23は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23’-R23’が好ましい。ここで、Z23’は、単結合、-NH-、-NH-CH-、-NH-CH-CH-、-NH-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表す。R23’は、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及び炭素数1~3個のアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のピリジル基、又は1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基で置換されたベンゾイミダゾリル基を表す。

【0078】
一般式(B-4)中、X24は、窒素原子、-CH-、又は-C-Z24-R24を表す。ここで、Z24は、単結合、-N-、-N-N=C(CH)-、-SO-、-SO-N(CH)-CH-、又は-S-CH-を表し、R24は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基、又は置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基を表す。

【0079】
一般式(B-4)で表される化合物としては、X24は、窒素原子、-CH-、又は-C-R24’が好ましい。ここで、R24’は、無置換のフェニル基、又は1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基及び炭素数1~3個のアルキルオキシ基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基を表す。

【0080】
一般式(B-4)で表される化合物としては、X21が硫黄原子、-NH-、又は-NR25’-であり、Z21が単結合、-CO-、-CO-CH-、-CH-、-CH-CH-、-CH-CO-、又は-N=C(CH)-であり、R21が、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいジヒドロベンゾジオキシニル基、又は置換基を有していてもよいベンゾイミダゾリル基であり、X22が、硫黄原子、又は-NR22’-であり、X23が、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23’-R23’であり、X24が、窒素原子、-CH-、又は-C-R24’である化合物が好ましい。より好ましい一般式(B-4)で表される化合物としては、X21が硫黄原子、-NH-、又は-NR25”-(R25”は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、又はt-ブチル基を表す。)であり、Z21が単結合、-CO-、-CO-CH-、-CH-、-CH-CH-、-CH-CO-、又は-N=C(CH)-であり、R21が、無置換の炭素数1~3のアルキル基、無置換の炭素数1~3のアルキルオキシ基、無置換のフェニル基、フェニル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基、炭素数1~3個のアルキルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基、無置換のピロリル基、ピロリル基の1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基で置換された基、無置換のピリジル基、無置換のジヒドロベンゾジオキシニル基、無置換のベンゾイミダゾリル基、又はベンゾイミダゾリル基の1~3個の水素原子が、炭素数1~3個のアルキル基及びジメチルアミノスルホニル基からなる群より選択される1種以上で置換された基であり、X22が、硫黄原子、又は-NR22”-(R22”は、無置換のフェニル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びジメチルアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換された基である。)であり、X23が、窒素原子、-CH-、又は-C-Z23’-R23’であり、X24が、窒素原子、-CH-、又は-C-R24’ である化合物が挙げられる。

【0081】
一般式(B-5)中、R31は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノスルホニル基を表す。R31における置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基及び置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルオキシ基としては、具体的には、前記Rの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0082】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基」は、無置換の炭素数1~6のアルキルチオ基と、炭素数1~6のアルキルチオ基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。一のアルキルチオ基が有する置換基の数は特に限定されるものではなく、例えば、アルキルチオ基のうちの1~3個の水素原子を置換基に置換することができる。アルキルチオ基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。

【0083】
アルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、又はアリールアルキル基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、それぞれ、ピラゾリル基等が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0084】
本発明及び本願明細書において、「置換基を有していてもよいアミノスルホニル基」は、無置換のアミノスルホニル基と、アミノスルホニル基中の1又は2個の水素原子が置換基に置換されている基の両方を含む。アルキルチオ基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。アミノスルホニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、又はプロピル基が好ましい。

【0085】
一般式(B-5)で表される化合物としては、R31は、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基が好ましく、水素原子又は無置換の炭素数1~6のアルキルチオ基がより好ましく、水素原子、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、又はイソプロピル基がさらに好ましい。

【0086】
一般式(B-5)中、X31は、-NH-、-NR34-、硫黄原子、又は酸素原子を表す。ここで、R34は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。一般式(B-5)で表される化合物としては、X31は、-NH-、-NR34’-、硫黄原子、又は酸素原子が好ましい。ここで、R34’は無置換の炭素数1~6のアルキル基を表す。より好ましい一般式(B-5)で表される化合物としては、X31が、-NH-、-N(CH)-、硫黄原子、又は酸素原子である化合物である。

【0087】
一般式(B-5)中、Z32及びZ33は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、-O-、又はこれらの群より選択される2種以上の組み合わせを表す。一般式(B-5)で表される化合物としては、Z32及びZ33は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、又は-CO-O-が好ましい。

【0088】
一般式(B-5)中、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。R32及びR33における置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基及び置換基を有していてもよいフェニル基としては、具体的には、前記Rの基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。

【0089】
一般式(B-5)で表される化合物としては、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基が好ましい。より好ましい一般式(B-5)で表される化合物としては、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、及び塩素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が挙げられる。

【0090】
一般式(B-5)で表される化合物としては、R31が、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキルチオ基であり、X31が-NH-、-NR34’-、硫黄原子、又は酸素原子であり、Z32及びZ33が、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、又は-CO-O-であり、R32及びR33が、それぞれ独立して、水素原子、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が炭素数1~3個のアルキル基、アルキルオキシ基、ヒドロキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(B-5)で表される化合物としては、R31が、水素原子、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、又はイソプロピル基であり、X31が-NH-、-N(CH)-、硫黄原子、又は酸素原子であり、Z32及びZ33が、それぞれ独立して、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、-CO-、-N=C-、又は-CO-O-であり、R32及びR33が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、又は、フェニル基の1~3個の水素原子が、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、及び塩素原子からなる群より選択される1種以上で置換された基である化合物が挙げられる。

【0091】
本発明に係る抗がん剤の有効成分としては、特に、下記の化合物b000、化合物b003、化合物b002、化合物b005、化合物b006、化合物b013、化合物b014、化合物C001、化合物C003、化合物C004、化合物C005、化合物C007、化合物C008、化合物C011、化合物C014、化合物b017、又は化合物b020が好ましい。

【0092】
【化8】
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【0093】
【化9】
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【0094】
【化10】
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【0095】
本発明に係る抗がん剤は、一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物の薬理学的に許容される塩として含有していてもよい。当該塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。

【0096】
本発明に係る抗がん剤が含有する有効成分は、一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物の1種類のみであってもよく、一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物を2種類以上の組み合わせであってもよい。

【0097】
一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物、特に、化合物b000、化合物b003、化合物b002、化合物b005、化合物b006、化合物b013、化合物b014、化合物C001、化合物C003、化合物C004、化合物C005、化合物C007、化合物C008、化合物C011、化合物C014、化合物b017、及び化合物b020は、がん細胞の増殖を抑制するが、ヒト正常細胞の増殖にはあまり影響しない。このため、これらの化合物は、がんの治療又は再発予防に用いられる抗がん剤の有効成分として非常に好適である。

【0098】
一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物は、様々な組織のがんに対して抗がん活性を示し得るが、各化合物が抗がん作用を示すがん種は化合物ごとに異なる。例えば、化合物b000(1,3,5-Triazine-2,4-diamine, N2,N4-bis(1,1-dimethylethyl)-6-(3,5-dimethyl-1H-pyrazol-1-yl)-)(CAS番号:351346-22-0)は、食道扁平上皮がん、子宮頸がん、胃がん、前立腺がん、結腸がん、肝がん、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病に対して、抗がん作用を有する。本発明に係る抗がん剤は、含有する有効成分の抗がん作用に応じて、食道扁平上皮がん、胃がん、大腸がん、胆管がん、膵臓がん、肝臓がん、喉頭がん、舌がん、肺がん、小細胞肺がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がん、悪性リンパ腫、白血病、歯肉がん等の治療又は再発予防に用いられる。

【0099】
本発明に係る抗がん剤は、有効成分である一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物のみからなるものであってもよく、他の成分を含有するものであってもよい。当該他の成分としては、一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物による抗がん作用を損なわないものであればよく、例えば、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)、安定剤、保存剤、pH調整剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、着色剤等として用いられている各種物質を、所望の製品品質に応じて適宜含有させてもよい。

【0100】
本発明に係る抗がん剤の剤型は、特に限定されるものではなく、各種の剤型を適用できる。当該剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等が挙げられる。服用が容易であることから、本発明に係る抗がん剤の剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口投与に適したものが好ましい。

【0101】
本発明に係る抗がん剤は、そのまま使用してもよく、その他の成分も含む医薬用組成物として使用することもできる。当該医薬用組成物に含まれるその他の成分としては、例えば、前記の賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)、安定剤、保存剤、pH調整剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、着色剤等が挙げられる。また、当該医薬用組成物は、本発明に係る抗がん剤以外の他の有効成分を含有していてもよい。当該他の有効成分としては、例えば、一般式(B-1)~(B-5)のいずれかで表される化合物以外の抗がん剤が挙げられる。本発明に係る抗がん剤を含有する医薬用組成物としては、がんの治療又は再発予防に用いられるものが好ましい。

【0102】
本発明に係る抗がん剤は、哺乳動物に投与されるものであることが好ましく、ヒトや、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、サル、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、ロバ、イヌ、ネコ等の家畜や実験動物に投与されるものであることがより好ましく、ヒトに投与されるものであることがさらに好ましい。
【実施例】
【0103】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0104】
[実施例1]
WST-1法により、9,600個の低分子化合物から、食道扁平上皮癌に由来する細胞株KYSE170に対する抗がん作用を有する化合物をスクリーニングした。また、比較対象として、正常ヒト食道上皮細胞、正常ヒト腎上皮細胞、正常ヒト心筋細胞、及び正常ヒト肝細胞に対しても同様にWST-1法を行い、被験化合物の正常細胞の生存及び増殖に対する影響も調べた。WST試薬は、WST-1(和光純薬社製)を終濃度が3.67mg/mLとなるようにPBSに溶解したWST溶液と、1-メトキシPMS(和光純薬社製)を終濃度が0.7mg/mLとなるようにPBSに溶解した1-メトキシPMS溶液を、9:1の容量比となるように混合した混合液(WST-1は3.3mg/mL、1-メトキシPMSは70μg/mL)を用いた。
【実施例】
【0105】
具体的には、96ウェルプレートに、細胞を5×10個/ウェルとなるように播いて24時間培養した後、培地にDMSOに溶解させた被験化合物を終濃度が13μMとなるように添加して培養した。被験化合物添加後48時間目に、各ウェルの細胞培養培地の1/10容量のWST試薬を添加して混合し、37℃で1時間、5%CO下で静置した。その後、各ウェル中の溶液の450nmの吸光度(A450)及び650nmの吸光度(A650)を測定し、下記の式に基づいてWST1値を求めた。なお、式中、「A(0)450」及び「A(0)650」は、それぞれ、細胞を播種していないウェルの450nmの吸光度及び650nmの吸光度である。
【実施例】
【0106】
[WST1値]=[A450]-[A650]-([A(0)450]-[A(0)650])
【実施例】
【0107】
被験化合物を添加しなかったウェル(対照)の培養上清のWST1値を1とし、各ウェルの培養上清の相対WST1値を算出した。この培養上清のWST1値は各ウェルの生存細胞数に相関するため、相対WST1値を各ウェルの細胞増殖率とし、KYSE170細胞の細胞増殖率が低いものを、食道扁平上皮癌細胞に対する抗がん作用を有する化合物として選抜した。
【実施例】
【0108】
WST-1試験は、KYSE170細胞に対しては2回(1回目はn=1、2回目はn=3)、各正常ヒト細胞に対しては1回(各n=2)実施した。この結果、4級炭素を有する20個の化合物(化合物b000、化合物b003、化合物b002、化合物b005、化合物b006、化合物b013、化合物b014、化合物C001、化合物C003、化合物C004、化合物C005、化合物C007、化合物C008、化合物C011、化合物C014、化合物b017、及び化合物b020)が、食道扁平上皮癌細胞に対する抗がん作用を有する化合物として選抜された。
【実施例】
【0109】
4級炭素を有する17個の化合物を、KYSE170細胞、正常ヒト食道上皮細胞、正常ヒト腎上皮細胞、正常ヒト心筋細胞、及び正常ヒト肝細胞にそれぞれ添加した場合の細胞増殖率(相対吸光度値)の結果(平均値及びSE)を表1~2に示す。この結果、これらの17個の化合物は、いずれも細胞増殖率が0.85以下であり、KYSE170細胞の細胞増殖を抑制しており、抗がん作用を有していることがわかった。なかでも、化合物b000(1,3,5-Triazine-2,4-diamine, N2,N4-bis(1,1-dimethylethyl)-6-(3,5-dimethyl-1H-pyrazol-1-yl)-)(CAS番号:351346-22-0)は、いずれの正常細胞に対する細胞増殖率もほぼ1であり、正常ヒト細胞の生存や増殖にはあまり影響しないことから、抗がん剤の有効成分として非常に優れていることがわかった。
【実施例】
【0110】
【表1】
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【実施例】
【0111】
【表2】
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