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明細書 :新規徐波睡眠誘導剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-089712 (P2019-089712A)
公開日 令和元年6月13日(2019.6.13)
発明の名称または考案の名称 新規徐波睡眠誘導剤
国際特許分類 A61K  31/196       (2006.01)
A61P  25/20        (2006.01)
C07C 229/58        (2006.01)
FI A61K 31/196
A61P 25/20
C07C 229/58 CSP
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
外国語出願 外国語出願
全頁数 32
出願番号 特願2017-202225 (P2017-202225)
出願日 平成29年10月18日(2017.10.18)
公序良俗違反の表示 1.テフロン
発明者または考案者 【氏名】ラザルス ミハエル
【氏名】斉藤 毅
【氏名】長瀬 博
【氏名】コルクタタ ムスタファ
【氏名】井岡 秀二
出願人 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100163658、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 順造
【識別番号】100174296、【弁理士】、【氏名又は名称】當麻 博文
【識別番号】100137729、【弁理士】、【氏名又は名称】赤井 厚子
【識別番号】100151301、【弁理士】、【氏名又は名称】戸崎 富哉
審査請求 未請求
テーマコード 4C206
4H006
Fターム 4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206FA33
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA06
4C206NA14
4C206ZA05
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB21
4H006BJ50
4H006BM30
4H006BM71
4H006BM72
4H006BM73
4H006BM74
4H006BS30
4H006BU46
要約 【課題】心血管作用等の副作用を引き起こすことなく、徐波睡眠(SWS)を誘導する睡眠誘導剤の提供。
【解決手段】式(I):
JP2019089712A_000036t.gif
(Rはカルボキシル基であり;m個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;n個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;mは0、1又は2であり;nは1又は2である)で表される化合物又はその薬学上許容され得る塩を含む徐波睡眠誘導剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】
JP2019089712A_000031t.gif

(式中、
環A及び環Bは同一又は異なって5又は6員芳香環であり;
はカルボキシル基であり;
m個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
n個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
mは0、1又は2であり;
nは1又は2である)
で表される化合物またはその医薬上許容される塩を含む、徐波睡眠誘導剤。
【請求項2】
環A及び環Bがベンゼンである、請求項1記載の剤。
【請求項3】
mが2である、請求項1又は2記載の剤。
【請求項4】
がハロゲン原子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の剤。
【請求項5】
下記部分構造:
【化2】
JP2019089712A_000032t.gif

が、下記式:
【化3】
JP2019089712A_000033t.gif

で表される、請求項1~4のいずれか1項に記載の剤。
【請求項6】
式(I)で表される化合物が下記化合物群から選択される、請求項1記載の剤。
【化4】
JP2019089712A_000034t.gif

【請求項7】
心血管系の副作用が低減された、請求項1~6のいずれか1項に記載の剤。
【請求項8】
下記化合物群から選択される化合物及びその医薬上許容される塩。
【化5】
JP2019089712A_000035t.gif





発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠誘導剤に関する。本発明は、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤に関する。
【背景技術】
【0002】
不眠症は最も一般的な睡眠障害の一つであり、推定有病率が一般の集団で10~15%、高齢者集団で30~60%である。不眠症の治療のための最も広く処方されている薬剤は、ベンゾジアゼピン(BDZ)および非BDZとして知られている、抑制性神経伝達物質γ-アミノ酪酸のシグナル伝達を増強する中枢神経系抗うつ薬である。しかしながら、これらの薬物療法は、筋肉弛緩、リバウンド不眠症、食欲の変化、翌日の鎮静、認知機能障害、健忘症効果、ならびに薬物耐性および依存性の発生を含む広範囲の副作用に悩まされている。また、オレキシン受容体アンタゴニストは、最近、不眠症治療薬として開発され承認された(非特許文献1)。しかしながら、これらの薬物の主な問題点は、筋力低下、奇妙な夢、夢遊病、他の夜間行動または自殺願望の起こり得る兆候を伴う翌朝の眠気である(非特許文献2)。さらに、オレキシン受容体アンタゴニストは、ほとんどの場合、睡眠から覚醒することを妨げることによって作用するので、寝付きに問題がある人にはあまり効果がない。
【0003】
極めて選択的なアデノシンA2A受容体(A2AR)アゴニストであるCGS21680は、ラットの前脳基底部吻側腹側部のくも膜下腔またはマウスの側脳室への注入後に睡眠を著しく増加させる(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。しかしながら、A2ARアゴニストの投与は、低血圧や頻脈等の心血管作用のために睡眠障害を治療する臨床的可能性はないと一般に考えられている(非特許文献6)。A2ARアロステリック調節剤の作用は、オルソステリックA2ARアゴニストとは対照的に、アデノシンが放出され脳内のアデノシンレベルが覚醒時に上昇する場合に限定されるため、アロステリックA2AR調節は不眠症治療の代替的戦略であり得る(非特許文献7)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Cox et al, 2010, J Med Chem 53: 5320-5332
【非特許文献2】Jacobson et al, 2014, Expert Rev Clin Pharmacol 7: 711-730
【非特許文献3】Satoh et al, 1999, Eur J Neurosci 11: 1587-1597
【非特許文献4】Scammell et al, 2001, Neuroscience 107: 653-663
【非特許文献5】Urade et al, 2003, Neurology 61: S94-96
【非特許文献6】Lera Ruiz et al, 2014, J Med Chem 57: 3623-3650
【非特許文献7】Porkka-Heiskanen et al, 1997, Science 276: 1265-1268
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、筋肉弛緩、リバウンド不眠症、食欲の変化、翌日の鎮静、認知機能障害、健忘症効果、ならびに薬物耐性および依存性の発生等の副作用がない睡眠誘導剤、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供することが可能な睡眠誘導剤として有用な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、アデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)を探索研究し、その過程でA2AR PAM活性を有する一連の化合物(以下、A2AR PAMと総称する場合がある)を見出し、当該化合物を投与することにより、心血管作用等の副作用を引き起こすことなく、徐波睡眠(SWS)を誘導することに成功して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)式(I):
【0007】
【化1】
JP2019089712A_000002t.gif

【0008】
(式中、
環A及び環Bは同一又は異なって5又は6員芳香環であり;
はカルボキシル基であり;
m個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
n個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
mは0、1又は2であり;
nは1又は2である)
で表される化合物またはその医薬上許容される塩を含む、徐波睡眠誘導剤。
(2)環A及び環Bがベンゼンである、上記(1)記載の剤。
(3)mが2である、上記(1)又は(2)記載の剤。
(4)Rがハロゲン原子である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の剤。
(5)下記部分構造:
【0009】
【化2】
JP2019089712A_000003t.gif

【0010】
が、下記式:
【0011】
【化3】
JP2019089712A_000004t.gif

【0012】
で表される、上記(1)~(4)のいずれかに記載の剤。
(6)式(I)で表される化合物が下記化合物群から選択される、上記(1)記載の剤。
【0013】
【化4】
JP2019089712A_000005t.gif

【0014】
(7)心血管系の副作用が低減された、上記(1)~(6)のいずれかに記載の剤。
(8)下記化合物群から選択される化合物及びその医薬上許容される塩。
【0015】
【化5】
JP2019089712A_000006t.gif

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、心血管作用等の副作用を引き起こすことなく、徐波睡眠(SWS)を誘導することが可能となる。従って本発明は、睡眠誘導剤、特に熟睡感が与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】マウスA2AR発現CHO細胞の特徴づけ。(a)FRETアッセイのための細胞数の最適化。(b)異なる濃度のアデノシンに対するmA2AR-CHO細胞株の応答。
【図2】mA2AR-CHO細胞におけるA2AR PAM及びアデノシンの共処理は、アロステリック調節作用を示した。(a)化合物のハイスループットスクリーニング。(b,c)化合物番号371(A2AR PAM-1)のアロステリック効果とその構造。(d)mA2AR-CHO及びネイティブ-CHO細胞を用いたA2AR PAM-1のアロステリック効果の妥当性確認。(e,f)異なる濃度のアデノシン存在下での異なる濃度のA2AR PAM-1のアロステリック効果。データは、平均値±SEMで示した。*: p<0.05, **: p<0.01 vs. アデノシン、Student’s t-検定による。CMP: 化合物2AR-CHO細胞において、A2AR PAMは、選択的なA2ARアゴニストであるCGS21680の活性を増強しなかった。A2AR PAM-1(100μM)及び異なる濃度での選択的A2ARアゴニストであるCGS21680とで共処理されたmA2AR-CHO細胞。**: p<0.01、CGS21680及びAR PAM-1間で。
【図4】A2AR PAM-1のIP投与はマウスにおいてSWSを誘導した。(a)生理食塩水及びA2AR PAM-1のIP注射後のポリグラフ記録及び対応するヒプノグラムの典型例。(b)A2AR PAM-1を75mg/kgで投与したマウスにおける、SWS、REM睡眠及び覚醒のタイムコース。(c)A2AR PAM-1(75mg/kg,IP)注射して8時間後のSWS、レム睡眠及び覚醒の総量。(d)異なる用量でのA2AR PAM-1のSWS誘導効果。(e)A2AR PAM-1(75mg/kg,IP)注射して8時間の間のEEGパワー密度。データは、平均値±SEMで示した。*: p<0.05; **: p<0.01 vs. 生理食塩水、ANOVA Tukey Test又はstudent’s t-検定。(n=5)2AR PAM-1のIP投与後のマウスの睡眠構造。マウスにおける、A2AR PAM-1のIP投与後の各段階のエピソード数(a)、平均持続時間(b)及び睡眠遷移段階(c)。
【図6】A2AR PAM-4のIP投与はマウスにおいてSWSを誘導した。A2AR PAM-4を75mg/kg又は90mg/kgで投与したマウスにおける、SWSのタイムコース。A2AR PAM-4(75mg/kg,IP)投与後のSWSの総量、及びA2AR PAM-4(90mg/kg,IP)注射して8時間の間のSWSのEEGパワー密度をもまた示した。データは、平均値±SEMで示した。*: p<0.05, **: p<0.01 vs. 生理食塩水、Student’s t-検定。2ARに依存したA2AR PAM-1の睡眠誘導効果。マウスにおいて、A2AR PAM-1の睡眠誘導効果はA2ARアンタゴニストであるZM241385によって抑制された(a,b)。A2AR PAM-1の睡眠誘導効果はA2AR-KOマウスでは見られなかった(c,d)。データは、平均値±SEMで示した。*: p<0.05; **: p<0.01; ***: p<0.001 vs. 生理食塩水、ANOVA Tukey Test又はstudent’s t-検定。(n=4-5又は8)2AR PAM-1のICV注入はSWSを誘導した。A2AR PAM-1を200nmol/hで投与したマウスにおける、SWS、REM睡眠及び覚醒の(a)タイムコース及び(b)総量。(c)A2AR PAM-1(200nmol/h,ICV)注入の間のSWSのEEGパワー密度。データは、平均値±SEMで示した。*: p<0.05; **: p<0.01; ***: p<0.001 vs. 生理食塩水、ANOVA Tukey Test又はstudent’s t-検定。(n=5)2AR PAM-1のIP投与後のマウスの睡眠構築。マウスにおける、A2AR PAM-1のIP投与後の各段階のエピソード数(a)、平均持続時間(b)及び睡眠遷移段階(c)。
【図10】A2AR PAM-1は心血管系に対しては有意な影響はなかった。(a)マウスにおける、A2AR PAM-1又はCGS21680投与の前後でのECG(Lead I)及び心臓内心電図(ICE)シグナル。(b)マウスにおける、A2AR PAM-1又はCGS21680注射後の血圧。(c)マウスにおける、A2AR PAM-1又はCGS21680投与後の心拍数。データは、平均値±SEMで示した。**: p<0.01 vs. 生理食塩水、Student’s t-検定。(n=5-6)。SBP:収縮期血圧;DBP:拡張期血圧;MBP:平均血圧;CGS21680:選択的アデノシンA受容体アゴニスト。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味を有する。

【0019】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。

【0020】
「アルキル基」とは、1~10、好ましくは1~6の炭素原子を有する直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、その具体例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等が挙げられる。該アルキル基は置換基を有していてもよい。

【0021】
「アリール基」とは、6~10の炭素原子を有するアリール基を意味し、その具体例は、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよい。

【0022】
「アルコキシ基」とは、1~10、好ましくは1~6の炭素原子を有する直鎖または分岐状のアルコキシ基を意味し、その具体例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ等が挙げられる。該アルコキシ基は置換基を有していてもよい。

【0023】
「5又は6員芳香環」としては、例えば、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環(1,2,3-aトリアゾール環、1,2,4-aトリアゾール環、1,3,4-aトリアゾール環)、テトラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。

【0024】
「アルキル基」、「アリール基」及び「アルコキシ基」が有してもよい置換基としては、
(1)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素;好ましくはフッ素)、
(2)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等)、
(3)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等)、
(4)低級アルキニル基(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等のC2-6アルキニル基等)、
(5)低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等のC2-6アルケニル基等)、
(6)C1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ)で置換されていてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC7-12アラルキル基等)、
(7)アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等、好ましくはフェニル基)、
(8)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基、トリフルオロメトキシ等)、
(9)アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、
(10)ハロゲン原子で置換されていてもよい、ホルミル基又は低級アルカノイル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル-カルボニル基等、シクロヘキシルカルボニル等のC3-6シクロアルキル-カルボニル基等)、
(11)アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール-カルボニル基等)、
(12)ホルミルオキシ基又は低級アルカノイルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル-カルボニルオキシ基等)、
(13)アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール-カルボニルオキシ基等)、
(14)カルボキシル基、
(15)低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ-カルボニル基等)、
(16)アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7-12アラルキルオキシ-カルボニル基等)、
(17)カルバモイル基、
(18)モノ-、ジ-又はトリ-ハロゲノ低級アルキル基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル等のモノ-、ジ-又はトリ-ハロゲノC1-6アルキル基等)、
(19)オキソ基、
(20)アミジノ基、
(21)イミノ基、
(22)アミノ基、
(23)モノ-低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ-C1-6アルキルアミノ基等)、
(24)ジ-低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ等のジ-C1-6アルキルアミノ基等)、
(25)置換基を有していてもよい、炭素原子と1個の窒素原子に加えて窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1~3個含んでいてもよい3~8員の含窒素複素環基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、アミノ基、モノ-C1-6アルキルアミノ基、ジ-C1-6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、カルバモイル基、モノ-C1-6アルキル-カルバモイル基、ジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、C6-10アリール-カルバモイル基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、及びハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニルアミノ基、オキソ基等から選ばれる1~5個の置換基を有していてもよい、炭素原子と1個の窒素原子に加えて窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1~3個含んでいてもよい3~8員の含窒素複素環基;例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピリジル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペラジニル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル等)、
(26)アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシ基等)、
(27)ヒドロキシ基、
(28)ニトロ基、
(29)シアノ基、
(30)メルカプト基、
(31)スルホ基、
(32)スルフィノ基、
(33)ホスホノ基、
(34)スルファモイル基、
(35)モノ-低級アルキルスルファモイル基(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等のモノ-C1-6アルキルスルファモイル基等)、
(36)ジ-低級アルキルスルファモイル基(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル等のジ-C1-6アルキルスルファモイル基等)、
(37)低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、
(38)アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、
(39)低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニル基等)、
(40)アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、
(41)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基等)、
(42)アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニル基等)、
(43)低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、メチルカルボニルアミノ等のC1-6アルキルカルボニルアミノ基等)等からなる群(本明細書中、置換基群Aという)、
(44)アラルキルアミノ(例えば、ベンジルアミノ等のC7-12アラルキルアミノなど)、及び
(45)置換基(例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基)を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基(例えば、フェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ等のC6-10アリールスルホニルアミノ基等)(本明細書中、置換基群Aという)から選択される置換基が用いられる。

【0025】
以下に、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称する場合もある)について説明する。尚、特に記載のない限り、各基の定義は上述したものと同義である。

【0026】
【化6】
JP2019089712A_000007t.gif

【0027】
(式中、
環A及び環Bは同一又は異なって5又は6員芳香環であり;
はカルボキシル基であり;
m個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
n個のRは独立してハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基又はアリール基であり;
mは0、1又は2であり;
nは1又は2である)。
環Aは、m個のRに加えて置換可能な位置で置換基を有していてもよい。環Bは、n個のRに加えて置換可能な位置で置換基を有していてもよい。環A及び環Bがさらに有していてもよい置換基としては、上記[置換基群A]として例示されたものが挙げられる。
環A及び環Bの「5又は6員芳香環」としては、好ましくは6員芳香環(例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン、トリアジン)が挙げられる。中でも、ベンゼンが好ましい。
のハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
のアルキル基としては、メチルが好ましい。
のアルコキシ基としては、メトキシが好ましい。
のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
は、好ましくはハロゲン原子及びアルキル基であり、より好ましくはフッ素原子である。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、ヨウ素原子及び臭素原子が好ましい。
のアルキル基としては、プロピルが好ましい。
のアルコキシ基としては、メトキシが好ましい。
のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
は、好ましくはハロゲン原子及びアルキル基であり、より好ましくはフッ素原子及びヨウ素原子である。
mは好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
nは好ましくは2である。
式(I)で表される化合物のうち、下記部分構造:

【0028】
【化7】
JP2019089712A_000008t.gif

【0029】
が、下記式:

【0030】
【化8】
JP2019089712A_000009t.gif

【0031】
で表される化合物。

【0032】
式(I)で表される化合物のうち、下記化合物群から選択される化合物が特に好ましい。

【0033】
【化9】
JP2019089712A_000010t.gif

【0034】
特に、下記化合物は新規化合物である。

【0035】
【化10】
JP2019089712A_000011t.gif

【0036】
化合物(I)の塩としては、医薬上許容され得る塩等が挙げられる。含まれる例は、トリフルオロ酢酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ホスホン酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、硫酸等の酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン等の有機塩基との塩等が挙げられる。

【0037】
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も、異性体の混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。また、化合物(I)には、互変異性体等の構造異性体及び幾何異性体が存在し、かかる異性体も本発明の範囲内である。

【0038】
化合物(I)は、結晶であっても無晶形であってもよい。化合物(I)が結晶である場合、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。

【0039】
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。

【0040】
化合物(I)は、同位元素(例、H,14C,35S,125I等)等で標識されていてもよい。

【0041】
化合物(I)は、アデノシンA2A受容体を活性化する作用を有する。アデノシンA2A受容体は睡眠/覚醒サイクルに密接に関与し、アデノシンA2A受容体を活性化することによって睡眠を誘導することができる。アデノシンA2A受容体を活性化する作用は、当分野で通常実施されている方法に準じて、あるいは当該方法を必要に応じて改変することによって測定することができる。例えば、実施例で示されるように、A2ARを発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞を用い、A2AR活性化によって産生されるcAMPの量を蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)イムノアッセイにより測定することによって評価され得る。

【0042】
アデノシンA2A受容体は、睡眠/覚醒サイクルに密接に関与する一方で、大脳皮質、海馬、線条体、冠血管、肺、白血球、血小板などに分布しており、睡眠調節以外の、血管拡張、痛み、内臓平滑筋の弛緩など、様々な生理機能に関与している。従って、アデノシンA2A受容体活性化剤は、心血管系の副作用が懸念される。しかしながら、化合物(I)は、内在性リガンドの作用するオルソステリック部位とは異なる部位に作用することで、上記副作用が生じることがない。すなわち、化合物(I)はアデノシンA2A受容体のポジティブアロステリックモジュレーターとして作用する。

【0043】
優れたアデノシンA2A受容体活性化作用を有する化合物(I)は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサギ等)に対し、睡眠誘導剤、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供することができる睡眠誘導剤として有用である。

【0044】
本発明化合物を有効成分として含有する医薬(例えば睡眠誘導剤等)中における化合物(I)の含有量は製剤全体に対して通常、約0.01~約99.9重量%、好ましくは約0.1~約50重量%である。

【0045】
化合物(I)の用量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行なっている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
用量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法等によって異なるが、例えば、本発明化合物を化合物(I)の量として、約0.1~100mg/kg(体重)、好ましくは約1~10mg/kg(体重)、更に好ましくは約1~3mg/kg(体重)を1日あたり、1回又は2ないし3回に分けて投与するのが好ましい。

【0046】
化合物(I)は、例えば睡眠誘導剤として用いる場合、対象となる睡眠障害の程度に応じて、他の薬剤と組み合せて用いることができる。これらの併用薬剤は低分子量の化合物であってもよく、また高分子量のタンパク、ポリペプチド、抗体あるいはワクチンなどでもよい。この場合、化合物(I)と併用薬剤の投与時期は限定されず、投与時に化合物(I)と併用薬剤とが組み合わされていればよい。

【0047】
化合物(I)は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤;シロップ剤、注射剤等の液状製剤;貼付剤、軟膏剤、硬膏剤等の経皮吸収剤;吸入剤;坐剤として、適宜製剤化することができる。
化合物(I)を含有する医薬は、経口又は非経口投与され、上記した化合物を1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用して用いてもよい。

【0048】
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用されている各種有機あるいは無機担体物質を用いることができる。具体的には、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合することができる。又、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。

【0049】
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。

【0050】
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。

【0051】
結合剤の例としては、結晶セルロース、白糖、マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。

【0052】
崩壊剤の例としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。

【0053】
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。

【0054】
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。

【0055】
懸濁化剤の例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。

【0056】
等張化剤の好適な例として、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール等が挙げられる。

【0057】
緩衝剤の好適な例として、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びクエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤の好適な例として、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。

【0058】
防腐剤の好適な例として、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤の好適な例として、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙げられる。
着色剤の好適な例として、例えばタール色素、カラメル、三二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類等が挙げられる。
甘味剤の好適な例として、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。

【0059】
製造法
本発明の式(I)で表される化合物、その異性体、溶媒和物及びそれらの医薬上許容され得る塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。例えば以下の合成法に従って製造することができるが、これらに限定されるものではなく、所望に応じて適宜修飾できる。かかる修飾としては、アルキル化、アシル化、アミノ化、イミノ化、ハロゲン化、還元、酸化等が挙げられ、通常当分野で用いられる反応又は方法が利用される。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料もしくは中間体の段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。保護基の化学的特性、その導入の手法、及びその除去は例えばT. Greene and P. Wuts “Protective Groups in Organic Synthesis” (3rded.), John Wiley & Sons NY (1999)に詳述されている。

【0060】
原料化合物は、特に述べない限り、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法又はこれらに準ずる方法に従って製造することができる。

【0061】
各反応および原料化合物合成の各反応において、反応中に一般的に知られる溶媒を用いる場合がある。
一般的に知られる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキエタン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ピリジン、ルチジン等の芳香族へテロ環化合物、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化物、メタノール、エタノール、2-プロパノール、2,2-ジメチルエタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の炭化水素化合物、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、あるいは、水等が挙げられる。
反応において用いられる溶媒は、単一の溶媒を用いる場合も、2種類から6種類の溶媒を混合して用いる場合もある。
又、反応において、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン等のアミン類、又は塩基を共存させて行なう場合がある。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、りん酸一水素二カリウム、りん酸三ナトリウム等のリン酸塩類、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、n-ブチルリチウム等の有機リチウム類、エチルマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬類、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を例示すことができる。
又、反応において、例えば、塩酸、硫酸、酢酸等の酸を共存させて行なう場合がある。

【0062】
本発明化合物の合成スキームを以下に示す(詳細な反応は実施例に準じる)。尚、スキーム中、具体的な基、化合物で記載されている場合があるが、代替可能な基、化合物が用いられ得ることは当業者には明らかである。

【0063】
【化11】
JP2019089712A_000012t.gif

【0064】
式中、Lはハロゲン原子(例、塩素原子)等の脱離基を意味し、それ以外の各記号の定義は上述の通りである。
適当な溶媒中、適当な塩基の存在下で、等モル量の化合物(1)及び化合物(2)を反応させて式(I)で表される化合物を得る工程である。
溶媒は、特に限定されないが、通常、化合物(1)に対して1~10倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
塩基は、特に限定されないが、通常、化合物(1)に対して0.01から5倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
反応温度は、通常、約-80~約150℃、好ましくは約0~約100℃である。
反応時間は、通常、約0.5~約20時間である。
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は何ら限定されるものではない。使用する試薬及び材料は特に限定されない限り商業的に入手可能である。
【実施例】
【0065】
2AR PAM-13を除く全ての化合物は一般的方法に基づいて合成される。
[フェナム酸誘導体の合成についての一般的方法]
5mLのマイクロ波バイアルに安息香酸、アニリン、LiNH及びTHFを充填した。容器を200℃で3分間マイクロ波加熱した。その後、反応チューブを室温まで冷却し、混合物を1M HCl aq.(20mL)で希釈しCHCl(20mL×3)で抽出した。有機層をあわせ、食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/10%AcOH-MeOH溶液=100/0→90/10)で精製して標題化合物を得た。
【実施例】
【0066】
実施例1:A2AR PAM-1の合成
【実施例】
【0067】
【化12】
JP2019089712A_000013t.gif
【実施例】
【0068】
2,3,4-フルオロ安息香酸(126.1 mg, 0.716 mmol)、2-フルオロ-4-ヨードアニリン(171.4 mg, 0.723 mmol)及びLiNH(82.2 mg, 3.58 mmol)のTHF(3 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-1(155.2 mg, 55%)を褐色固体として得た; 1H NMR (CD3OD) δ 7.89 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.48 (1 H, dd, J = 1.8, 10.5 Hz), 7.41 (1 H, td, J =1.8, 8.7 Hz), 6.91 (1 H, td, J = 7.3, 9.6 Hz), 6.75 (1 H, td, J = 5.9, 8.2 Hz).
実施例2:A2AR PAM-2の合成
【実施例】
【0069】
【化13】
JP2019089712A_000014t.gif
【実施例】
【0070】
2-フルオロ安息香酸(116.5 mg, 0.651 mmol)、2-フルオロ-4-ヨードアニリン(164.5 mg, 0.694 mmol)及びLiNH(19.3 mg, 0.845 mmol)のTHF(3 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-2(168.2 mg, 72%)を褐色固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.75 (1 H, br), 8.06 (1 H, dd, J = 1.4, 8.2 Hz), 7.60 (1 H, dd, J = 1.8, 10.1 Hz), 7.53 (1 H, d, J = 8.2 Hz), 7.46 (1 H, ddd, J = 1.4, 7.6, 8.7 Hz), 7.37 (1 H, t, J = 8.7 Hz), 7.24 (1 H, d, J = 8.7 Hz), 6.90 (1 H, t, J = 7.6 Hz).
実施例3:A2AR PAM-3の合成
【実施例】
【0071】
【化14】
JP2019089712A_000015t.gif
【実施例】
【0072】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(43.1 mg, 0.241 mmol)、2-フルオロアニリン(25.3 μL, 0.264 mmol)及びLiNH(28.1 mg, 1.22 mmol)のTHF(1 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-3(29.1 mg, 45%)を褐色の結晶として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.37 (1 H, br), 7.96 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.21-7.04 (4 H, m), 6.97 (1 H, td, J = 7.3, 9.2 Hz).
実施例4:A2AR PAM-4の合成
【実施例】
【0073】
【化15】
JP2019089712A_000016t.gif
【実施例】
【0074】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(86.7 mg, 0.484 mmol)、4-プロピルアニリン(70 μL, 0.492 mmol)及びLiNH(55.5 mg, 2.42 mmol)のTHF(1 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-4(68.2 mg, 48%)を白色固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.37 (1 H, br), 7.93 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.13 (1 H, td, J = 2.3, 8.7 Hz), 6.97 (2 H, m), 6.97 (1 H, td, J = 7.3, 9.2 Hz), 2.55 (2 H, t, J = 7.6 Hz), 1.61 (2 H, tq, J = 7.3, 7.6 Hz) 0.92 (3 H, t, J = 7.3 Hz).
実施例5:A2AR PAM-5の合成
【実施例】
【0075】
【化16】
JP2019089712A_000017t.gif
【実施例】
【0076】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(94.1 mg, 0.526 mmol)、3-ヨードアニリン(63.3 μL, 0.526 mmol)及びLiNH(59.9 mg, 2.61 mmol)のTHF(1 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-5(149.0 mg, 76%)を褐色の結晶として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.37 (1 H, br), 7.94 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.42 (1 H, s), 7.37 (1 H, td, J = 1.4, 7.3 Hz), 7.09-6.95 (3 H, m).
実施例6:A2AR PAM-6の合成
【実施例】
【0077】
【化17】
JP2019089712A_000018t.gif
【実施例】
【0078】
2-フルオロ-3-メチル安息香酸(30.8 mg, 0.200 mmol)、2-フルオロ-4-ヨードアニリン(53.2 mg, 0.225 mmol)及びLiNH(23.0 mg, 1.00 mmol)のTHF(1 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-6(35.0 mg, 47%)を褐色の結晶として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 7.97 (1 H, dd, J = 1.4, 7.8 Hz), 7.53-7.48 (2 H, m), 7.33 (1 H, qd, J = 0.9, 8.2 Hz), 7.21 (1 H, t, J = 7.5 Hz), 6.25 (1 H, t, J = 8.7 Hz), 2.14 (3 H, s).
実施例7:A2AR PAM-7の合成
【実施例】
【0079】
【化18】
JP2019089712A_000019t.gif
【実施例】
【0080】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(138.0 mg, 0.771 mmol)、2-ブロモアニリン(88.0 μL, 0.778 mmol)及びLiNH(89.0 mg, 3.88 mmol)のTHF(5 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-7(194.6 mg, 77%)を白みがかった赤色の固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.40 (1 H, br), 7.98 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 8.8 Hz), 7.62 (1 H, dd, J = 1.4, 8.0 Hz), 7.31 (1 H, dd, J = 1.4, 7.3 Hz), 7.08-6.95 (3 H, m).
実施例8:A2AR PAM-8の合成
【実施例】
【0081】
【化19】
JP2019089712A_000020t.gif
【実施例】
【0082】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(100.0 mg, 0.568 mmol)、2-メトキシ-5-ブロモアニリン(126.2 mg, 0.625 mmol)及びLiNH(65.3 mg, 2.85 mmol)のTHF(2.8 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-8(151.9 mg, 75%)を褐色の固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.21 (1 H, br), 7.95 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.4, 8.7 Hz), 7.01 (1 H, dd, J = 2.3, 8.7 Hz), 7.04-6.46 (3 H, m), 3.92 (3 H, s).
実施例9:A2AR PAM-9の合成
【実施例】
【0083】
【化20】
JP2019089712A_000021t.gif
【実施例】
【0084】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(100.0 mg, 0.568 mmol)、2-クロロ-5-ブロモアニリン(133.5 mg, 0.647 mmol)及びLiNH(65.1 mg, 2.84 mmol)のTHF(2.8 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-9(171.1 mg, 83%)を褐色固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.45 (1 H, br), 7.99 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.4, 8.7 Hz), 7.40 (1 H, d, J = 8.7 Hz), 7.19-7.08 (3 H, m).
実施例10:A2AR PAM-10の合成
【実施例】
【0085】
【化21】
JP2019089712A_000022t.gif
【実施例】
【0086】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(100.0 mg, 0.568 mmol)、4-ヨードアニリン(141.7 mg, 0.647 mmol)及びLiNH(65.2 mg, 2.84 mmol)のTHF(2.8 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-10(195.8 mg, 92%)を白みがかった褐色の固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 7.95 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.63 (1 H, td, J = 2.3, 8.7 Hz), 7.00 (1 H, td, J = 7.3, 9.2 Hz), 6.90 (2 H, m).
実施例11:A2AR PAM-11の合成
【実施例】
【0087】
【化22】
JP2019089712A_000023t.gif
【実施例】
【0088】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(100.0 mg, 0.568 mmol)、2-クロロアニリン(68.0 μL, 0.647 mmol)及びLiNH(65.3 mg, 2.84 mmol)のTHF(2.8 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-11(129.1 mg, 92%)を褐色固体として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.45 (1 H, br), 7.98 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.44 (1 H, dd, J = 1.4, 8.5 Hz), 7.25 (1 H, dt, J = 1.4, 8.5 Hz), 7.06-6.99 (3 H, m).
実施例12:A2AR PAM-12の合成
【実施例】
【0089】
【化23】
JP2019089712A_000024t.gif
【実施例】
【0090】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(100.0 mg, 0.568 mmol)、3-エチニルアニリン(72.9 μL, 0.647 mmol)及びLiNH(65.3 mg, 2.84 mmol)のTHF(2.8 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-12(63.0 mg, 41%)を褐色の結晶として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 9.31 (1 H, br), 7.95 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.31 (1 H, d, J = 8.2 Hz), 7.09-6.95 (3 H, m), 7.37 (1 H, dt, J = 7.3, 9.2 Hz), 3.61(1 H, s).
実施例13:A2AR PAM-14の合成
【実施例】
【0091】
【化24】
JP2019089712A_000025t.gif
【実施例】
【0092】
2,3,4-トリフルオロ安息香酸(489.3 mg, 2.78 mmol)、2-フルオロ-4-ニトロアニリン(455.7 mg, 2.92 mmol)及びLiNH(318.7 mg, 13.9 mmol)のTHF(15 mL)溶液を一般的方法に従って反応させA2AR PAM-14(63.0 mg, 41%)をオレンジ色の固体として得た;(CD3OD) δ 8.08-8.01 (2 H, m), 7.94 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 8.5 Hz), 7.13 (1 H, td, J = 7.3, 9.6 Hz), 6.95 (1 H, dt, J = 6.5, 8.52 Hz).
実施例14:A2AR PAM-13の合成
【実施例】
【0093】
【化25】
JP2019089712A_000026t.gif
【実施例】
【0094】
(1)A2AR PAM-1からの化合物Aの合成
【実施例】
【0095】
【化26】
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【実施例】
【0096】
2AR PAM-1(105.7 mg, 0.269 mmol)のMeOH(5 mL)中の撹拌溶液にSOCl(0.13 mL, 1.6 mmol)を室温で添加した。得られた混合物を90℃で9時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン,1/10→1/5)で精製して化合物A(86.0 mg, 79%)を白色粉末として得た; 1H NMR (CDCl3) δ 9.05 (1 H, br), 8.06 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.42 (1 H, dd, J = 1.8, 10.1 Hz), 7.35 (1 H, td, J =1.4, 8.2 Hz), 6.77 (1 H, td, J = 7.3, 9.2 Hz), 6.68 (1 H, td, J = 5.5, 8.2 Hz), 3.91 (3 H, s).
(2)化合物Aからの化合物Bの合成
【実施例】
【0097】
【化27】
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【実施例】
【0098】
化合物A(54.5 mg, 0.134 mmol)及びフェニルボロン酸(32.6 mg, 0.267 mmol)の1,4-ジオキサン(4 mL)中の撹拌溶液にPdCl・dppf・CHCl(10 mg, 0.0122 mmol)、KCO(92.6 mg, 0.670 mmol)及びHO(1 mL)を室温で添加した。得られた混合物を120℃で1時間撹拌し、セライト濾過した。濾液をCHCl(20 mL)及びHO(20 mL)で希釈し、CHClで抽出した。有機層をあわせ、食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン,1/10)で精製し、化合物B(39.4 mg, 82%)を黄色固体として得た; 1H NMR (CDCl3) δ 9.14 (1 H, br), 7.81 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.0, 9.2 Hz), 7.57-7.54 (2 H, m), 7.43 (2 H, tt, J = 1.4, 7.4 Hz), 7.34-7.28 (3 H, m), 7.02 (1 H, td, J = 5.5, 8.2 Hz), 6.76 (1 H, td, J = 7.3, 9.2 Hz), 3.92 (3 H, s).
(3)化合物BからのA2AR PAM-13の合成
【実施例】
【0099】
【化28】
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【実施例】
【0100】
化合物B(20.5 mg, 0.0574 mmol)のMeOH(2 mL)中の撹拌溶液に5M NaOH aq.(0.6 mL)を室温で添加し、2時間撹拌した。反応混合物を1M HCl aq.(20 mL)で希釈しCHCl(20mL×3)で抽出した。有機層をあわせ、食塩水で洗浄し無水NaSOで乾燥し減圧濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl/MeOH/AcOH,20/1/0.1)で精製しPAM-13(13.2 mg, 67%)を褐色の結晶として得た; 1H NMR (Acetone - d6) δ 7.94 (1 H, ddd, J = 2.3, 6.2, 8.6 Hz), 7.66-7.64 (2 H, m), 7.49-7.90 (4 H, m), 7.32 (1 H, tt, J = 1.4, 7.3 Hz), 7.14 (1 H, td, J = 5.5, 8.6 Hz), 6.97 (1 H, td, J = 7.3, 9.4 Hz).
実施例15:A2AR PAM-1のナトリウム塩の合成
【実施例】
【0101】
【化29】
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【実施例】
【0102】
2AR PAM-1(265.5 mg, 0.6754 mmol)のEtOH(20 mL)中の撹拌溶液に100μM NaOH aq.(828 μL)を0℃で添加し室温で45分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、凍結乾燥した。残渣を水に溶解し濾過した。濾液を凍結乾燥してA2AR PAM-1(265.3 mg, 89%)のナトリウム塩を灰色の固体として得た; M.p. 290-291°C, Anal. Calcd for C13H6NO2・Na・1.5H2O: C, 35.32; H, 2.05; N, 3.17. Found: C, 35.34; H, 1.91; N, 3.14.
【実施例】
【0103】
実験例
[材料と方法]
(1)動物
体重21~27g(10~15週齢)の雄性C57BL/6J近交系マウスを動物資源センター(つくば、日本)から入手しこれらの実験に用いた。動物は、室温23±0.5°C、相対湿度50±5%の、12時間明/12時間暗のサイクル(8時ちょうどに点灯、照度およそ100 lux)に自動制御された断熱や防音を施した記録室で飼育した。全ての動物は自由飲水・摂餌とした。実験プロトコルは、関連する日本及び機関の法令及びガイドラインに準拠するものであり、筑波大学動物実験委員会によって許可されたものである(14-322)。使用する動物の数、被検体が経験する任意の痛みや不快感を最小限にするあらゆる努力を行った。
【実施例】
【0104】
(2)EEG/EMG電極と注入カニューレを設置するための定位固定手術
腹腔内(IP)ペントバルビタール(ソムノペンチル、50mg/kg;共立製薬、東京、日本)によりマウスを麻酔し、次いで定位固定装置に置いた。睡眠ポリグラフの記録の為の脳波計(EEG)及び筋電図(EMG)の電極を慢性的にマウスに埋め込んだ。フランクリンとパキノスのアトラス(Paxinos and Franklin, 2004)に従って、皮質の頭蓋骨を通って2つのステンレス鋼ネジ(直径1mm)からなるインプラントを挿入し(ブレグマ又はラムダから、前後,+1.0mm;左右,-1.5mm)EEG電極として用いた。2つの絶縁されたステンレス鋼のテフロンコートされたワイヤーを両方の僧帽筋の筋肉内に両側性に配置しEMG電極として用いた。全ての電極にはマイクロコネクターをつけ、歯科用セメントで頭蓋骨に固定した。A2AR PAM-1の脳室内(ICV)注入のために、マウスの手術中に、ブレグマの前方0.5mmおよび外側1.6mmの位置に、硬膜下1.6mmの深さまで20度の角度でステンレス鋼カニューレを挿入した。この方法でカニューレを側脳室に挿入した。実験の間、マウスには、輸液ポンプを用いて、脳の側脳室領域に人工脳脊髄液(ACSF)を1μl/hの速度で持続注入した。各化合物注入に対して、36時間の期間、睡眠-覚醒状態をモニターした。各動物において、36時間(20時ちょうどに開始)の生理食塩水注入の記録をとり同じ動物に対するコントロールとして用いた。次の実験の際には、A2AR PAM-1(200nmol/h)を12時間(20時ちょうど-8時ちょうど)の間マウスの側脳室領域に注入した。
【実施例】
【0105】
(3)EEG/EMGポリグラフ記録を用いたビジランス状態評価
手術後10日目に、マウスを断熱及び防音が施された記録室の透明バレルに個々に収容し、ポリグラフ記録を開始する前の順化の3-5日間の記録が可能なEEG-EMG記録ケーブルにつないだ。自発的な睡眠-覚醒サイクルを調べる為に、各動物について24時間(20時ちょうどに開始、暗期のはじまり)の記録をとった。次いで動物は、睡眠-覚醒のパラメーターが36時間記録される、検査の薬理学的フェーズに入った。最初の24時間の間に集積したデータもまた実験日に対するベースラインとなる比較データとして用いた。皮質EEG/EMGを増幅し、フィルタリングし(EEG 0.5-30Hz;EMG 20-200Hz)、次いでサンプリング速度128Hzでデジタル化し、データ収集プログラムSleepSing(登録商標)レコーダーソフトウェア(キッセイコムテック、長野、日本)を用いて記録した。ビジランス状態は、SleepSign(ver3.4)ソフトウェア(キッセイコムテック、長野、日本)によって、標準的な基準に従って(Mizoguchi et al、2001)、覚醒、急速眼球運動(REM)睡眠、および徐波睡眠(SWS)の3段階に10秒エポックでオフライン記録された。最終工程として、定義づけられたビジランス状態を視覚的に調べ、必要な場合には補正した。
【実施例】
【0106】
(4)化合物と試薬
種々のA2AR PAMを上記した実施例に従って合成した。アデノシンはナカライテスク株式会社から購入した。ZM241385はTocris Bioscienceから購入した。CGS21680及びCremophor(登録商標)ELはSigma-Aldrichから購入した。DMSOはナカライテスク株式会社から購入した。PerkinElmer Ultrance cAMP-kitはPerkinElmer, Incから購入した。
【実施例】
【0107】
(5)薬理治療
ベースラインとなるデータの為に、22時ちょうどに生理食塩水のみ(10ml/kg体重)をマウスにIP注射した。使用直前にA2AR PAM-1を生理食塩水に溶解し、実験日の22時ちょうどに、30、60、75mg/kgの用量でIP投与した。ZM241385(15 mg/kg, IP; Tocris Bioscience)を生理食塩水(5%DMSO,5%Cremophor(登録商標)EL)に溶解し22時ちょうどにC57BL/6Jマウスに注射した。
【実施例】
【0108】
(6)データ解析と統計
全ての結果は平均値±平均の標準誤差(SEM)で表した。2群間の統計的比較の為には、両側Student’s t-検定を用いた。SWS、REM睡眠及び覚醒の量における用量-応答効果の為には二元配置反復測定ANOVAとそれに続くTukey’s検定を使用した。全ケースにおいて、有意水準としてp<0.05を用いた。【0109】
(7)細胞培養
マウスA2AR発現チャイニーズハムスター卵巣細胞(mA2AR-CHO)を5%FBS、1%NEAA、1%P/S、0.5% 50mg/ml Hygromycin Bを添加したDMEMで増殖させた。細胞は全て、5%COインキュベーター内で、37℃で維持した。
【実施例】
【0110】
(8)cAMPアッセイ
アデノシンA2A受容体の活性化は、マウスアデノシンA2A受容体を発現しているCHO細胞における環状アデノシン一リン酸(cAMP)の蓄積によって定量した。CHO細胞を、384-ウェルマイクロプレート(1ウェルあたり2×103細胞)中、1M HEPES、0.25M IBMXを含むHanks’平衡塩溶液(HBSS)に懸濁し、アデノシン、CGS21680、所定の濃度のA2AR PAM-1で30分間、25°Cでインキュベートした。Eu-cAMPトレーサー及びULight-抗-cAMP抗体を含む検出混合液を添加し1時間25℃でインキュベートした。マイクロプレートリーダー(ARVOX5;励起:340nm;発光:665nm)を用いてForster共鳴エネルギー移動(FRET)シグナルを測定した。全ての実験は、製造元の指示のガイドラインのもとに実施した。(LANCE Ultra cAMP Kit, PerkinElmer)
【実施例】
【0111】
(9)血圧及び心拍数測定
マウスの血圧をBP-98A血圧計(ソフトロン、東京、日本)を用い、テールカフ法により測定した。マウス(9~12週齢)の血圧および心拍数を試験するために、血圧の正常な日々の変動を避けるために、同じ時間枠(1~4pm)を選択した。装置へのマウスの訓練の為に5日間連続して使用した。心血管循環を最適化するために、尾部を除いてマウスをシリンダーヒーター内で37℃に保ち、さらに綿シートの内側カバーで覆った。テール(または膨張式バルーン)カフに取り付けられたプログラム可能なセンサーを使用して、テールパルス波をモニターし、パルス波が安定して周期的であるときの血圧および心拍数を測定する。血圧及び心拍を測定しソフトウェアにより記録した。連続した5日間の訓練の後、マウスにA2AR PAM-1(75mg/kg,IP)を注射した。注射後、30分、1時間30分及び2時間30分で血圧及び心拍数を測定した(各マウスについて20測定値を収集した)。次いで、マウスに、CGS21680(1mg/kg,IP)注射前の連続2日間、訓練を続けさせた。CGS21680(1mg/kg,IP)注射後、30分、1時間30分及び2時間30分で血圧及び心拍数を測定した(各マウスについて20測定値を収集した)。試験後、マウスを尾からそっと持ち上げて静かにケージに戻した。全ての実験は、マウスにとって最もストレスのかからない条件下で実施された。
【実施例】
【0112】
[結果]
(1)アロステリックA2AR調節に対する1174の低分子化合物のスクリーニング
我々は、マウスA2ARを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を確立し(図1)、続いて、それを用いてA2ARにおけるアロステリック効果について1174の低分子化合物をスクリーニングした。化合物は筑波大学の長瀬博博士の研究室で合成された。CHO細胞におけるA2AR活性は、アデノシンと低分子化合物とを添加した後に産生される環状アデノシン一リン酸(cAMP)を、蛍光共鳴エネルギー移動イムノアッセイキットを用いて測定することによって評価した。まず、我々は、一次スクリーニングで3つの化合物の混合物を調べ、8つの混合物がA2ARにおけるアデノシン効果を増幅することを見つけた(図2a)。さらに、個々の化合物370、371及び372について調べたところ、アデノシンによるA2AR活性化の増強に化合物371が寄与していることがわかった(図2b)。アデノシンの非存在下でのA2ARを発現している、あるいはネイティブなCHO細胞の化合物371による処理、あるいはネイティブなCHOのアデノシン及び化合物371での処理は、細胞培養バイオアッセイにおいてcAMPレベルを変化させなかった(図2d)。このことは、化合物371がおそらくA2ARに対するポジティブアロステリックモジュレーターであることを示唆している。そして我々はこの化合物をA2AR PAM-1と命名した(図2c)。A2AR発現CHO細胞を150μMアデノシンと種々の濃度でのA2AR PAM-1(即ち、25、50、及び100μM)とで共処理することにより、アデノシンA2AR-誘発性のcAMPの蓄積が、それぞれ、42%±1.4,46%±1.1,及び50%±1.0と、用量依存的に増幅された(図2e)。同様に、100μMのA2AR PAM-1および50、100、または150μMのアデノシンによるA2AR発現CHO細胞の共処理は、用量依存的に55%±0.4、66%±1.5及び72%±1.7でCHO細胞におけるA2AR活性を増加させた。一方、100μMのA2AR PAM-1は250μMのアデノシンで処理したA2AR発現CHO細胞の細胞活性を有意に増強しなかった(図2f)。驚くべきことに、100μMのA2AR PAM-1および異なる濃度の高い選択性を有するA2ARアゴニストであるCGS21680とのA2AR発現CHO細胞の共処理は、cAMP産生の増強を全くもたらさなかった(図3)。
【実施例】
【0113】
(2)A2AR PAM-1の腹腔内投与はマウスにおいてSWSを誘導する
次に、我々は、野生型マウスの睡眠/覚醒行動におけるA2AR PAM-1の腹腔内(IP)投与の効果について調べた。従って、我々は、暗期の間、22時にベヒクル又はA2AR PAM-1を注射した後、脳波図(EEG)と筋電図(EMG)を記録した。マウスは通常、この時間の大半を起きて過ごしている。A2AR PAM-1は用量依存的に8時間までの間、SWS(低速で高振幅の脳波を特徴とする睡眠の大部分である非急速眼球運動(non-REM)睡眠としても知られている)を増加させた(図4a、b、d)。SWSの合計量は、最も高用量のA2AR PAM-1(即ち、75mg/kg)で、8時間の間に、ベヒクル処理と比較して、60.8±11.4分増加した。一方、覚醒は59.2±12.8分減少した(図4c)。A2AR PAM-1のIP注射は、ベヒクル注射と比べて、暗期におけるREM睡眠時間には何ら有意な変化を与えなかった。
暗期中の8時間の間、マウスにA2AR PAM-1(75mg/kg,IP)を投与してもSWS及びREM睡眠エピソード数に有意な影響を与えることはなかった(図5a)。一方、生理食塩水での測定に比べ、暗期中の8時間の間の120~239秒続く覚醒エピソードの数が75%(p=0.006)増加し、暗期中の8時間の間の480~959秒あるいは960~1909秒続く覚醒エピソードの数はそれぞれ47%(p=0.02)、88%(p=0.02)減少した。覚醒エピソードの平均持続時間は生理食塩水での測定に比べ38%(p=0.01)減少したが、SWS及びREM睡眠には、A2AR PAM-1(75mg/kg,IP)投与の後に有意な違いはなかった(図5b)。A2AR PAM-1(75mg/kg,IP)はまた、SWS、覚醒及びREM睡眠間の遷移の数にも有意な影響は与えなかった(図5c)。
EEG活性がA2AR PAM-1投与によって変化したかどうかを評価するために、ベヒクル又はA2AR PAM-1で処理した後のマウスにおけるSWSの正規化EEGパワースペクトルを比較した(図4e)。SWS中の0.5~25Hzの周波数範囲でのEEG活性は、A2AR PAM-1誘発性の睡眠と自然(ベヒクル治療)な睡眠との間で区別がつかなかった。これらのデータは、A2AR PAM-1は正常でない睡眠ではなく、生理学的な睡眠を誘導しているということを示唆している。
同様の結果がA2AR PAM-4を投与した場合でも得られた(図6)。
【実施例】
【0114】
(3)A2AR PAM-1の睡眠誘導効果はA2ARを阻害することによって抑制される
我々は、さらにA2ARがA2AR PAM-1の睡眠誘導効果を仲介するのかどうかを調べた。まず、我々は、野生型のマウスを、22時にA2AR PAM-1を注射する前に、選択的A2ARアンタゴニストであるZM241385(15mg/kg,IP)又はベヒクルで30分間前処理した。ZM241385の用量は、以前の研究(El Yacoubi et al, 2000; Nakamura et al, 2016)に基づいて選択された。A2AR PAM-1の注射は、ZM241385存在下では、SWSに有意な変化を与えなかった(図7a、7b)。このことは、ZM241385が、A2AR PAM-1により誘導されるSWSを完全に阻害していることを示している。我々が、IP注射後4時間でのSWSの合計量を算出したところ(図7a)、A2AR PAM-1は、ZM241385で前処理した後ではSWSの合計量に有意な変化を与えなかった。ベヒクル前処理に比べてZM241385前処理のみではSWSに対し有意な効果はなかった(図7b)。
次いで、我々は、A2ARノックアウトマウスとその野生型の同腹仔に、75mg/kgのA2AR PAM-1を22時に腹腔内投与した。A2ARノックアウトマウスにおいて、ベヒクル処理に比べてSWSに有意な変化は観察されなかった(図7c)。一方、A2ARノックアウトマウスの野生型同腹仔では、6時間の間でSWSが74.3±12.0分増加した(図7d)。
これらの知見は、A2AR PAM-1がSWSを誘導するにはA2ARが必要であることを示唆している。
【実施例】
【0115】
(4)A2AR PAM-1の脳室内投与はマウスにおいてSWSを誘発する
2AR PAM-1の睡眠誘導効果が脳で発現されるA2ARにより仲介されているかどうかを明らかにするために、我々は、暗期(20:00~8:00)の間に200nmol/hで野生型マウスの側脳室にA2AR PAM-1を注入した。そしてそれらのEEGおよびEMGを記録した。注入後3時間で、12時間のA2AR PAM-1注入によるSWSに費やす時間が増加した。結果、SWSの合計量は、暗期の間、ベヒクル処理に比べて141.6±12.5分増加した。付随的に、覚醒の合計量は、A2AR PAM-1の12時間脳室内(ICV)注入の間に145.5±15.8分減少したが、REM睡眠はA2AR PAM-1注入の影響を受けなかった(図8a、8b)。
2AR PAM-1(200nmol/h)のマウスへのICV注入は、暗期の間のSWS及び覚醒エピソードの数に影響を与えた(図9a)。SWS及び覚醒エピソードの数は暗期中の注入の間増加し、0~29秒、30~59秒、60~120秒続くものは、それぞれ生理食塩水での測定に比べて、73%(p<0.0001)、66%(p=0.008)、61%(p=0.02)であり、67%(p=0.04)、64%(p=0.007)、58%(p=0.02)であった。REM睡眠エピソードの数はA2AR PAM-1(200nmol/h,ICV)により有意な影響は受けなかった。覚醒エピソードの平均持続時間は、生理食塩水での測定に比べて72%(p=0.01)にまで減少したが、SWS及びREM睡眠にはA2AR PAM-1(200nmol/h,ICV)投与後も有意な違いは見られなかった(図9b)。A2AR PAM-1(200nmol/h,ICV)は、SWS及び覚醒間遷移の数を60%(p=0.001)増加させ、生理食塩水での測定に比べて覚醒からSWSの遷移の数を56%(p=0.002)増加させた(図9c)。
さらに、SWSエピソード中の0.5~25Hzの周波数範囲でのEEG活性は、ベヒクル又はA2AR AM-1で処理した後のマウスで区別がつかなかった(図8c)。これらのデータは、A2AR PAM-1は正常でない睡眠ではなく、生理学的な睡眠を脳で発現しているであろうA2ARを介して誘導しているということを示唆している。
【実施例】
【0116】
(5)A2AR PAM-1の腹腔内投与は血圧及び心拍リズムに影響しない
2ARアゴニストは、低血圧と頻脈等の心血管系の作用を誘発することが知られている(Hutchison et al, 1989; Kirkup et al, 1998; Nekooeian and Tabrizchi, 1996)。従って、我々は、野生型マウスの血圧及び心拍リズムに対するA2AR PAM-1のIP投与の影響を調べた。まず、我々は、電気血圧計を用いて75mg/kgのA2AR PAM-1あるいは1mg/kgのA2ARアゴニストであるCGS21680をマウスにIP投与した後、30、90、及び15分後に血圧を測定した。A2ARアゴニストであるCGS21680の用量は以前の研究(Ledent et al, 1997)に基づいて選択された。ベヒクル処理したものと比べて、A2ARアゴニストCGS21680注射後90分までは収縮期、拡張期及び平均血圧が有意に低下したが、A2ARアゴニストCGS21680での処理後150分では通常のレベルに戻った。対照的に、血圧は、75mg/kgのA2AR PAM-1をIP投与しても、処理後30、90、及び150分で測定した際には変化はなかった(図10b)。さらに、我々は、75mg/kgのA2AR PAM-1又は1mg/kgのA2ARアゴニストCGS21680をIP注射した後の麻酔をかけたマウスについて、心房内心電図を用いて心拍数及びリズムをモニタリングした。マウスの心拍数は、A2ARアゴニストCGS21680のIP投与後に、わずかに上昇した。一方、75mg/kgのA2AR PAM-1で処理したマウスでは心拍数は影響を受けなかった(図10c)。A2AR PAM-1投与とは対照的に、A2ARアゴニストCGS21680のIP投与はマウスにおいて心房期外収縮を伴う洞性不整脈を引き起こした(図10a)。
【実施例】
【0117】
リファレンス:
(1) El Yacoubi M, Ledent C, Parmentier M, Costentin J, Vaugeois J (2000). SCH 58261 and ZM 241385 differentially prevent the motor effects of CGS 21680 in mice: evidence for a functional “atypical” adenosine A(2A) receptor. Eur J Pharmacol 401: 63-77.
(2) Hutchison AJ, Webb RL, Oei HH, Ghai GR, Zimmerman MB, Williams M (1989). CGS 21680C, an A2 selective adenosine receptor agonist with preferential hypotensive activity. J Pharmacol Exp Ther 251: 47-55.
(3) Kirkup AJ, Eastwood C, Grundy D, Chessell IP, Humphrey PP (1998). Characterization of adenosine receptors evoking excitation of mesenteric afferents in the rat. Br J Pharmacol 125: 1352-1360.
(4) Ledent C, Vaugeois JM, Schiffmann SN, Pedrazzini T, El Yacoubi M, Vanderhaeghen JJ, et al (1997). Aggressiveness, hypoalgesia and high blood pressure in mice lacking the adenosine A2a receptor. Nature 388: 674-678.
(5) Nakamura Y, Midorikawa T, Monoi N, Kimura E, Murata-Matsuno A, Sano T, et al (2016). Oral administration of Japanese sake yeast (Saccharomyces cerevisiae sake) promotes non-rapid eye movement sleep in mice via adenosine A2Areceptors. J Sleep Res 25: 746-753.
(6) Nekooeian AA, Tabrizchi R (1996). Effects of adenosine A2A receptor agonist, CGS 21680, on blood pressure, cardiac index and arterial conductance in anaesthetized rats. Eur J Pharmacol 307: 163-169.
(7) Paxinos G, Franklin KBJ (Gulf Professional Publishing: 2004). The Mouse Brain in Stereotaxic Coordinates.
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明によれば、心血管系作用等の副作用を引き起こすことなく、徐波睡眠(SWS)を誘導することができる。従って、本発明は睡眠導入剤、特に熟睡感を与える徐波睡眠の提供が可能な睡眠導入剤の提供が可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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