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明細書 :オリゴヌクレオチド誘導体及びそれを用いたオリゴヌクレオチド構築物並びにそれらの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成30年1月25日(2018.1.25)
発明の名称または考案の名称 オリゴヌクレオチド誘導体及びそれを用いたオリゴヌクレオチド構築物並びにそれらの製造方法
国際特許分類 C07H  21/02        (2006.01)
C07H  21/04        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  48/00        (2006.01)
A61K  31/713       (2006.01)
A61K  31/7105      (2006.01)
A61K  31/711       (2006.01)
A61K  31/7125      (2006.01)
A61K  47/54        (2017.01)
A61K  47/59        (2017.01)
C12N  15/113       (2010.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12N  15/115       (2010.01)
A61K  49/00        (2006.01)
FI C07H 21/02
C07H 21/04 CSPZ
A61P 43/00 111
A61K 48/00
A61K 31/713
A61K 31/7105
A61K 31/711
A61K 31/7125
A61K 47/54
A61K 47/59
C07H 21/04 B
C12N 15/00 ZNAG
C12N 15/00 A
C12N 15/00 H
A61K 49/00
国際予備審査の請求
全頁数 75
出願番号 特願2017-508427 (P2017-508427)
国際出願番号 PCT/JP2016/059398
国際公開番号 WO2016/152980
国際出願日 平成28年3月24日(2016.3.24)
国際公開日 平成28年9月29日(2016.9.29)
優先権出願番号 2015060689
優先日 平成27年3月24日(2015.3.24)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】北出 幸夫
【氏名】柴田 綾
出願人 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100118706、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 陽
審査請求 未請求
テーマコード 4C057
4C076
4C084
4C085
4C086
Fターム 4C057BB04
4C057BB05
4C057DD03
4C057MM01
4C057MM02
4C057MM04
4C057MM05
4C057MM09
4C076AA95
4C076CC29
4C076CC41
4C076DD66
4C076DD66N
4C076DD69
4C076DD69N
4C076EE25
4C076EE25A
4C076EE59
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4C076FF34
4C084AA13
4C084NA05
4C084NA11
4C084NA13
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4C084ZC411
4C084ZC781
4C085HH20
4C085KB92
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA01
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4C086NA05
4C086NA11
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZC41
4C086ZC78
要約 【課題】合成が容易であり、リポフェクション試薬を用いることなく細胞内に導入することができる、新たなオリゴヌクレオチド誘導体を提供する。
【解決手段】本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、例えば(1)で示される。この誘導体は細胞表面のリガンドにアミノ糖鎖部分が結合し、細胞内に導入されると考えられ、選択的なドラッグデリバリー機能が期待できる。
JP2016152980A1_000087t.gif
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
次式(1)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体。
【化1】
JP2016152980A1_000079t.gif

【請求項2】
次式(2)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体。
【化2】
JP2016152980A1_000080t.gif

【請求項3】
前記Sは下記化学構造式(3)又は(3´)で示される請求項1又は2に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【化3】
JP2016152980A1_000081t.gif

【請求項4】
次式で表されるオリゴヌクレオチド誘導体。
【化4】
JP2016152980A1_000082t.gif

【請求項5】
及びRはHであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項6】
bは0であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項7】
a及びbはともに0であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項8】
cは1以上5以下であることを特徴とする請求項7に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項9】
A及びBは、所定の遺伝子mRNAの部分配列又はその相補配列を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項10】
A及びBを合わせた鎖長は、10以上35以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項11】
A及びBはオリゴリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項12】
遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体を有する構築物。
【請求項13】
1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択される遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって請求項12に記載の構築物。
【請求項14】
アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリポザイムから選択される請求項12又は13に記載の構築物。
【請求項15】
ダングリングエンド部分に以下の式(4)又は(5)で表されるユニットを有する請求項12乃至14のいずれか1項記載の構築物。
【化5】
JP2016152980A1_000083t.gif

【請求項16】
siRNAであって、前記オリゴヌクレオチド誘導体において、a及びbは0であり、cは1又は2であり、3’末端ダングリングエンド部分に以下の式(4)又は(5)で表されるユニットを含む請求項15記載の構築物。

【化6】
JP2016152980A1_000084t.gif

【請求項17】
遺伝子診断用オリゴヌクレオチド構築物であって、請求項1乃至11のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド誘導体を有する構築物。
【請求項18】
プローブであることを特徴とする請求項17に記載の構築物。

【請求項19】
以下の式(6)又は(7)で表される化合物。
【化7】
JP2016152980A1_000085t.gif

【請求項20】
siRNAのダングリングエンドユニット用である請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
請求項19に記載の化合物から選択される1種又は2種以上を用いることを特徴とするオリゴヌクレオチドの修飾方法。

【請求項22】
オリゴヌクレオチドに、少なくとも1個の以下の式(4)又は(5)で表されるユニットを付加、置換及び挿入のいずれか又はこれらを組み合わせて導入することを特徴とするオリゴヌクレオチドの修飾方法。
【化8】
JP2016152980A1_000086t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴヌクレオチド誘導体及びそれを用いたオリゴヌクレオチド構築物並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DNAやRNAなど各種のオリゴヌクレオチドが治療、診断等の用途に用いられるようになってきている。例えば、注目されている核酸技術として、RNA干渉(RNAi)を利用した、特定遺伝子のノックダウン法が挙げられる。RNAiとは、二本鎖RNA(dsRNA)の働きによって、それと配列の相同な遺伝子の働きが抑制される現象をいう。このRNAiを利用した核酸医薬は、次世代の治療薬として、大きな期待が寄せられている。
【0003】
一方、オリゴヌクレオチドを化学修飾して、天然型には無い、新たな機能を付与する研究も行われている。本発明者らも、オリゴヌクレオチドの末端にエチニル基を導入し、さらに、このエチニル基に対し、クリック反応を利用してベンゼン環等の新たな置換基を修飾する技術を開発している(特許文献1)。また、この技術で得られた人工のオリゴヌクレオチドが、天然型オリゴヌクレオチドと比べて高いヌクレアーゼ耐性を有しており、細胞内で分解され難いという結果を得ている。
【0004】
しかし核酸自体はマイナス電荷を帯びており、細胞膜を透過することができない。このため、核酸医薬においては、ヌクレオチドが細胞膜を通過できるようなdrug delivery system (DDS)が必要となる。現在、ヌクレオチドを細胞内に導入する方法として、リポソームを利用したリボフェクション法が開発されている。この方法は、負の電荷を持つDNAの周りに、正の電荷を持つ陽イオン性リポソームが結合した複合体を形成させて、エンドサイトーシス現象により細胞表面から細胞内にDNA等を取り込ませる方法である。
【0005】
しかし、上記リポフェクション法に用いられるリポフェクション試薬は、肝臓や腎臓に対する毒性があり、問題となっていた。また、リポフェクション法は、単なるエンドサイトーシスを利用したDDSであり、細胞に対する選択性に欠けていた。
【0006】
こうした問題を解決するため、オリゴヌクレオチドの3´末端にアシアロ糖-ペプチド鎖を導入し、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)を通して細胞内に導入するという、化学修飾オリゴヌクレオチドが開発されている(特許文献2、3)。しかし、この方法では、図4に示されているような、三本のアシアロ糖-ペプチド鎖を有する複雑な化学構造を有しており、合成するためには煩雑な操作が必要となる。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2010-195698号公報
【特許文献2】WO2012-037254
【特許文献3】特表2013-541334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、合成が容易であり、リポフェクション試薬を用いることなく細胞内に導入することができる、新たなオリゴヌクレオチド誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述したように、本発明者らは、オリゴヌクレオチドにエチニル基を導入することに成功している(特許文献1)。そこで、さらにこのエチニル基にクリック反応で糖類やペプチド鎖や天然物化合物を結合させることを考えた。なぜならば、細胞膜表面には特定の糖類を認識するレセプターが多数存在することが知られており(例えば、肝細胞などの表面に存在するデスミン,ビメンチンはN-アセチルグルコサミンを選択的に認識することが知られている)、糖鎖を認識するレセプターを介したドラッグデリバリーが期待できるからである。また、同様のことがペプチド鎖や天然物化合物に対しても期待できる。そして、鋭意研究を行った結果、エチニル基で修飾されたオリゴヌクレオチドに対して、クリック反応で糖類やペプチド鎖や天然物化合物を結合させれば、高収率かつ合成が容易な糖修飾オリゴヌクレオチド誘導体とすることができることを見出した。さらには、このオリゴヌクレオチド誘導体によって修飾されたsiRNAが、リポフェクション試薬を用いることなく、細胞内に導入することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の局面のオリゴヌクレオチド誘導体は、次式(1)で表される。ここで、式中Sで示される糖置換基には、単糖類糖置換基の他2糖類や多糖類の置換基も含まれる。また、糖置換基にはアミノ糖やアミノ基がアシル化されたアミノ糖誘導体も含まれる。
【化1】
JP2016152980A1_000003t.gif

【0011】
また、本発明の第2の局面のオリゴヌクレオチド誘導体は、次式(2)で表される。ここで、式中Sは糖置換基、ペプチド鎖又はトコフェロール結合基であり、糖置換基には、単糖類糖置換基の他2糖類や多糖類の置換基も含まれる。また、糖置換基にはアミノ糖やアミノ基がアシル化されたアミノ糖誘導体も含まれる。
【化2】
JP2016152980A1_000004t.gif

【0012】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体におけるSが糖置換基である場合、糖置換基は下記化学構造式(3)又は(3´)で示されるものであってもよい。
【化3】
JP2016152980A1_000005t.gif

【0013】
また、糖置換基Sにアシル基がある場合、アシル基にフッ素原子で修飾されていてもよい(例えば、トリフルオロアセチル基等)。フッ素原子が糖置換基に導入されると、疎水性を上げることができる。このため、細胞膜表面の受容体が疎水性官能基を受け入れやすい場合には、透過性が増加すると考えられる。
【0014】
本発明の第3の局面のオリゴヌクレオチド誘導体は、次式で表される。
【化4】
JP2016152980A1_000006t.gif

【0015】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体におけるR及びRはHであってもよい。さらに、bは0であってもよい。また、a及びbはともに0であってもよい。さらに、cは1以上5以下であってもよい。
さらに、A及びBは、所定の遺伝子mRNAの部分配列又はその相補配列を有していてもよい。こうであれば、mRNAに対してRNA干渉を奏し得るため、標的となるmRNAによるタンパクの合成を阻害することができる。
また、A及びBを合わせた鎖長は、10以上35以下であるとすることができる。通常、siRNAやmiRNAの長さはこの範囲内にあり、標的となるこれらのRNAによるタンパクの合成を阻害することができる。
さらに、A及びBはオリゴリボヌクレオチドとすることができる。
【0016】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、遺伝子発現を調節するために利用することができる。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を有する。このような、遺伝子発現調節の具体的な用途として、1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドが挙げられる。さらには、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリポザイムが挙げられる。
【0017】
また、本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ダングリングエンド部分に以下の式(4)又は(5)で表されるユニットを有するものであってもよい。

【化5】
JP2016152980A1_000007t.gif

【0018】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、siRNAであって、オリゴヌクレオチド誘導体において、a及びbは0であり、cは1又は2であり、3’末端ダングリングエンド部分に上記の式(4)又は(5)で表されるユニットを含むこととすることができる。
【0019】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、遺伝子診断用オリゴヌクレオチド構築物とすることができる。さらに、本構築物はプローブとすることができる。
【0020】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、下記式(6)又は(7)で表される本発明の化合物とエチニル基を有するオリゴヌクレオチドを用い、いわゆるクリック反応を用いて合成することができる。
【化6】
JP2016152980A1_000008t.gif

【0021】
この化合物は、siRNAのダングリングエンドの化学修飾用のユニットとして用いることができる。
【0022】
本発明の上記化合物から選択される1種又は2種以上を用いて、オリゴヌクレオチドを修飾することができる。また、オリゴヌクレオチドに、少なくとも1個の前述した式(4)又は式(5)で表されるユニットを付加、置換及び挿入のいずれか又はこれらを組み合わせて導入することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】部分構造(4)を3’末端に有するsiRNAの一例を示す図である。
【図2】Dual-Luciferase reporter assayによる遺伝子発現抑制能の評価結果を示すグラフである。
【図3】siRNAがリガンドに対して選択的に結合し、細胞内へ選択的にデリバリーされることを示す模式図である。
【図4】オリゴヌクレオチドの3´末端にアシアロ糖-ペプチド鎖を導入した、特許文献2に記載の化学修飾オリゴヌクレオチドの分子式である。
【図5】糖もしくはRGDペプチド修飾RNAと5’末端フルオレセイン修飾RNAからなる二本鎖及び未修飾フルオレセインラベルRNA二本鎖の、共焦点顕微鏡によるHeLa細胞内への修飾RNA二本鎖の取り込みの観察結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(オリゴヌクレオチド誘導体)
本発明の第1の局面のオリゴヌクレオチド誘導体は、次式(1)で示され、本発明の第2の局面のオリゴヌクレオチド誘導体は、次式(2)で示される。
【化7】
JP2016152980A1_000009t.gif
【化8】
JP2016152980A1_000010t.gif

【0025】
本発明の第1の局面のオリゴヌクレオチド誘導体では、オリゴヌクレオチド誘導体の両末端又は途中の少なくとも1箇所に下記式(4)で示される部分構造を有している。また、本発明の第2の局面のオリゴヌクレオチド誘導体では、オリゴヌクレオチド誘導体の両末端又は途中の少なくとも1箇所に下記式(5)で示される部分構造を有している。これらの部分構造には、糖置換基を有する場合、ビメンチンやアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)などの細胞膜表面のリガンドを通しての細胞内への導入が可能となる。また、Sがペプチド鎖やトコフェロール結合基の場合にも、同様の細胞膜透過性が期待できる。また、このような人工的な部分構造が存在しているため、耐ヌクレアーゼ性の向上が期待できる。このような部分構造は、配列既知又は配列未知のオリゴヌクレオチドに対して、付加、置換又は挿入のいずれか、あるいは、これらを組み合わせて導入することができる。なお、ここでいうオリゴヌクレオチドとは、改変されたオリゴヌクレオチドも含む概念である。

【化9】
JP2016152980A1_000011t.gif

【0026】
上記(4)及び(5)における糖置換基は特に限定はなく、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、フコース、グルコサミン、フルクトサミン、ガラクトサミン、マンノサミン等の単糖類の他、スクロース、ラクトース、マルトース等の二量体以上のオリゴ糖であってもよい。また、アミノ糖や、アミノ糖のアミノ基にアシル基が結合したものでも良い。この場合においてアシル基にフッ素元素が結合していてもよい。
また、(5)におけるリンカーとしては、糖置換基やペプチド鎖やトコフェロールの水酸基に適応可能なリンカーであれば、特に限定はない。例えば、以下のようなものが挙げられる(式中nは自然数を示す)。リンカーは糖置換基やペプチド鎖の移動の自由度を増加させるため、リンカーを導入することにより、細胞膜のリガンド(受容体)に結合しやすくなると考えられる。
【化10】
JP2016152980A1_000012t.gif

【0027】
上記式(4)及び(5)で示される部分構造において、ベンゼン環に結合している2つの「-CHO-」基及びトリアゾール環は、ベンゼン環のいずれの位置に結合していてもよい。また、ベンゼン環に直接結合する水素に替えて、アルキル基が結合していてもよい。例えば、炭素数1~4のアルキル基が挙げられる。すなわち、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。

【0028】
またこの部分構造(4)又は(5)がオリゴヌクレオチドの5’末端に配置されれば、5’末端に作用するエキソヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効である。一方、この部分構造(4)又は(5)がオリゴヌクレオチドの3’末端に配置されれば、3’末端に作用するエキソヌクレアーゼに有効であり、RNAiによるサイレンシング効果の向上に有効である。したがって、例えば3’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を向上させたい場合には、a及びbは0であってもよい。逆に、5’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を高める壌合には、b及びcは0であってもよい。また、ヌクレアーゼ抵抗性を得る場合には、a、b及びcはいずれも少なくとも1つ有していればよいが、それぞれあるいは組み合わせて2個以上有することもできる。

【0029】
また、この部分構造(4)又は(5)がオリゴヌクレオチドの両端以外の部分に配置されれば、オリゴヌクレオチドの非3’末端非5’末端においてエンドヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効である。

【0030】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体における部分構造(4)及び(5)の数や部位は、ヌクレアーゼ抵抗性と、部分構造(4)又は(5)を導入することによるオリゴヌクレオチド誘導体への影響を考慮して決定される。例えば、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を利用してsiRNA又はshRNAを構築する場合、a及びbは0とし、これらの構築物の3’末端のダングリングエンド部位に対応するヌクレオチド(例えば、dT(デオキシチミジン))の3’末端に1個~3個(c=1~3)、好ましくは1個又は2個(c=1、2)の部分構造(U)を付加してもよいし、siRNAの例えば2つのdTのうち1個又は2個を部分構造(4)あるいは(5)で置換してもよい(c=1、2)。さらには、3’末端ダングリングエンドに部分構造(4)又は(5)を挿入してもよい。既存ヌクレオチドを部分構造(4)又は(5)で置換する形態は、siRNAの鎖長を延長することがないというメリットがある。

【0031】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を利用してアンチジーン、アンチセンス、アプタマー、miRNA及びリボザイムを構築するときには必要に応じて適宜、部分構造(4)又は(5)を備えるようにすればよい。例えば、アンチセンスRNAには、3’末端側及び5’末端側に部分構造(4)又は(5)を形成することができる。また、アプタマーやリボザイムにあっては、非5’末端非3’未端における部分構造(4)又は(5)が有効な場合もありえる。また、プローブにおいては、3’末端側及び/又は5’末端側に部分構造(4)又は(5)を備えることもできる。

【0032】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体においては、A及びBは、それぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよいが、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドを表す。ここで、本明細書においてオリゴヌクレオチドとは、一般にオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドを構成するモノマーであるヌクレオチドをモノマー単位として該モノマー単位を複数有するポリマーを意味するものとする。また、オリゴヌクレオチドとは、モノマー単位として、デオキシリボヌクレオチド及び/又はリボヌクレオチドを意味するものである。一般に、ヌクレオチドとしてデオキシリボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをDNAと称し、リボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをRNAと称するが、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、-般に挿されるDNA及びRNAのほか、これらのモノマー単位のオリゴマーを含むものとする。また、オリゴヌクレオチドは、RNA/DNAキメラも包含している。また、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドとは、プリン及びピリミジンであるグアニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシルまたはメチルシトシンなどの天然塩基を含むヌクレオチドのみからなるオリゴヌクレオチドのほか、オリゴヌクレオチドの各種部分、すなわち、塩基、糖部分及びリン酸エステル部分において何らかの化学修飾が施された1又は2以上のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを包含している。

【0033】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、Aのオリゴヌクレオチドの塩基配列及びBのオリゴヌクレオチドの塩基配列は、それぞれ又はこれらを合わせて所定の遺伝子のDNAのセンス鎖、そのアンチセンス鎖又はmRNAの部分配列若しくはその相補配列を有することができる。こうした相補性を有することにより各種の標的核酸にハイブリダイズさせ、それによりオリゴヌクレオチド誘導体に意図した機能を発現させることができる。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、A及びBの長さは特に限定しないで、用途に応じた長さとすることができるが、オリゴヌクレオチドの合成の容易性及び期待する効果の発揮を考慮すると、10以上35以下とすることが好ましい。また、アンチセンスの場合には、10以上30以下程度にすることができ、siRNAの場合には、A及びBの合計の鎖長は、好ましくは15以上35以下、より好ましくは30以下である。また、プライマーの場合には、10以上30以下であり、ブローブの場合には10以上30以下であることが好ましい。

【0034】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を、例えば、siRNA、shRNA、アンチセンス、リボザイム及びアプタマーに用いる場合には、A及びBのモノマー単位は改変されていてもよいオリゴリボヌクレオチドとすることができる。

【0035】
(オリゴヌクレオチド構築物)
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を1種又は2種以上有している。本オリゴヌクレオチド構築物における本オリゴヌクレオチド誘導体の種類や組み合わせにより、本構築物は、1本鎖DNA、2本鎖DNA、1本鎖RNA、2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ及びDNA/RNAハイブリツド等の形態をそれぞれあるいは組み合わせた形態とすることができる。なお、既に説明したように、本オリゴヌクレオチド誘導体を構成するオリゴヌクレオチド部分は、改変されたオリゴヌクレオチドを含んでいるため、本オリゴヌクレオチド構築物においても改変形態をオリゴヌクレオチドが含まれることがある。

【0036】
こうした各種形態を採るオリゴヌクレオチド構築物は、ヌクレアーゼのターゲットとなる可能性のある部位に部分構造(4)又は(5)を備えることが好ましい。これらの部分構造は、ターミナルミスマッチやダングリングエンドに備えることができる。エキソヌクレオチド抵抗性を考慮すると、ダングリングエンドに部分構造(4)又は(5)を備えることが好ましい。また、部分構造(4)又は(5)は、バルジ、ミスマッチインターナルループ、ヘアピンループなどに備えることができる。

【0037】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ヌクレアーゼ抵抗性が向上されているため、遺伝子発現調節用、又は研究用、診断用の各種用途に用いることができる。遺伝子発現調節用途としては、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイム等が挙げられる。特に、siRNA及びshRNAにおいて3’末端オーバーハング部位のdTに対し部分構造(4)又は(5)を置換的又は付加的に導入することでヌクレアーゼ耐性とサイレンシング活性の双方を向上させることができる。

【0038】
図1に、部分構造(4)を3’末端に有するsiRNAの-例を示す。また、診断用途又は研究用途としては、プローブが挙げられる。プローブは、設計または選択により、ターゲット核酸に特異的に規定された配列を有しており、所定のストリンジェンシーの下で、それらがハイブリダイズするようにするに取得されたオリゴヌクレオチドである。プローブに本オリゴヌクレオチド誘導体を用いることでヌクレアーゼ耐性が向上されるため、ターゲット核酸を含有するサンプル中に混在するヌクレアーゼの影響を抑制又は回避して、ヌクレアーゼの除去程度が低くてもあるいはヌクレアーゼ除去処理を省略したサンプル調製が可能になる。これにより簡易に遺伝子診断や検査をすることができるようになる。

【0039】
(オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法)
式(6)又は(7)で表される化合物は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を製造のための使用に好ましい化合物である。
【化11】
JP2016152980A1_000013t.gif

【0040】
(オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法)
エチニル基を有するオリゴヌクレオチドは従来公知の核酸合成法によって得ることができる。その後、適宜本発明の化合物(6)又は(7)とクリック反応を行うことにより、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を製造することができる。

【0041】
例えば、5’末端に部分構造(4)又は(5)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、従来の核酸合成法により取得した5’末端にエチニル基を有するオリゴヌクレオチドと上記化合物(6)又は(7)をクリック反応することにより、部分構造((4)又は(5)を導入することができる。さらに、5’末端に連続してエチニル基を有するオリゴヌクレオチドとクリック反応を行うことにより、複数個の部分構造(4)又は(5)を連続して導入することもできる。こうして5’末端側に1又は2個以上の部分構造(4)又は(5)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。

【0042】
また、3’末端側に部分構造(4)又は(5)のユニットを有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、従来の核酸合成法により取得した5’末端にエチニル基を有するオリゴヌクレオチドと上記化合物(6)又は(7)をクリック反応させればよい。また、非3’末端非5’末端に部分構造(4)又は(5)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、非3’末端非5’末端にエチニル基を有するオリゴヌクレオチドと本発明の化合物(6)又は(7)をクリック反応させればよい。

【0043】
(オリゴヌクレオチドの修飾方法)
オリゴヌクレオチドの修飾方法は、配列既知又は配列未知のオリゴヌクレオチドに少なくとも1個の部分構造(4)又は(5)を付加、置換及び挿入のいずれかあるいはこれらを組み合わせて導入することができる。こうした修飾により、ヌクレアーゼ耐性の他、サイレンシング効果の高いRNA構築物を得ることができる。部分構造(4)又は(5)の導入は、オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法に準じて実施すればよい。

【0044】
(オリゴヌクレオチド誘導体の利用)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、siRNAやアンチセンス等として機能するように構築することで、遺伝子発現抑制剤として利用できる。また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、ヒト及び非ヒト動物における疾患の予防・治療用医薬組成物の有効成分として用いることができる。例えば、遺伝子発現に伴う疾患に対して、遺伝子発現抑制剤として構築した本発明のオリゴヌクレオチド誘導体はこうした疾患の予防や治療に有効である。

【0045】
さらに、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、そのハイブリダイゼーション機能を発揮させるように構築することで、ブローブ等の検査試薬や診断試薬として用いることができる。さらに、これらオリゴヌクレオチド構築物をチップやビ-ズ等の固体担体等に保持したものは、検査装置や診断装置又はこれらの一部として利用することができる。さらには、こうした検査試薬や診断薬は、他の試薬や診断薬あるいは装置等と組み合わせた検査用又は診断用キットとしても用いることができる。

【0046】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチド構築物の遺伝子発現抑制作用を利用した、遺伝子発現抑制方法にも利用できる。さらには、本発明のオリゴヌクレオチド構築物のハイブリダイゼーション機能を利用した遺伝子検出方法にも利用できる。

【0047】
<実施例>
以下、本発明を具体化した実施例について具体的に詳述する。

【0048】
(アミダイト化GPC樹脂の調製)
以下のスキームI及びスキームIIに示す合成経路により、アミダイト化されたヌクレオチド誘導体である化合物6及びCPG樹脂である化合物8を合成した。すなわち、5-アミノイソフタル酸ジメチル1のアミノ基をヨウ素化して、化合物2を収率55%で得、続いてヨウ素基をトリメチルシリルアセチレンへと変換して、化合物3を収率95%で得た。さらに、還元及び脱トリメチルシリル化をおこなって化合物4を収率70%で得た。

【0049】
【化12】
JP2016152980A1_000014t.gif

【0050】
こうして得られた化合物4を、スキームIIに示すように、4,4'-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl)で修飾して化合物5を収率49%で得、さらに化合物5をアミダイト化して化合物6を収率38%で得た。また、化合物5をスクシニル化した後、CPG樹脂に修飾して化合物8を48.9μmol/gの活性で得た。

【0051】
【化13】
JP2016152980A1_000015t.gif

【0052】
以下、スキームI及びスキームIIにおける各工程について、詳細に説明する。
Dimethyl 5-iodoisophthalate (2)の合成
Ar 雰囲気下, Dimethyl 5-aminoisophthalate(1)(6.27 g, 30.0 mmol)を氷で冷却したhydrochloric acid (2M)39mLに加えた。0℃以下で数分攪拌した後、氷で冷却した 21.6 mL のNaNO2 (2.52 g, 36.5 mmol, 1.2 eq.) 水溶液を滴下した。さらに 30 mL の dichloromethane を加え室温に達した後5時間攪拌した。氷冷下 KI (7.47 g, 45.0 mmol, 1.5 eq.) の水溶液70 mLを滴下させ室温で 12 時間攪拌した。撹拌終了後、水層を EtOAc にて抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、シリカゲルクロマトグラフィー (SiO2, hexane) にて化合物 2 (5.285 g 16.5 mmol 55%) を単離した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ;8.62 (t, 1H, J = 1.4 Hz), 8.53 (s, 2H, J = 1.4 Hz), 3.94 (s,6H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) d 165.2(2C), 142.9 (2C), 132.6 (2C), 130.2, 93.8, 53.1 (2C), MS (EI) m/z 320 (M+), HRMS Calcd for C10H9IO4: 319.9546. Found: 319.9553. Anal. Calcd for C10H9IO4: C, 37.52; H, 2.83. Found: C, 37.44; H, 2.86.

【0053】
Dimethyl 5-trimethylsilylisophthalate (3)の合成
アルゴン雰囲気下において、化合物2(96.0mg、0.3mmol), bis(triphenylphosphine)palladium dichloride (16.8 mg, 4 mol %)、cuprous iodide(4.6 mg, 8 mol %)及びtriphenylphosphine (11.8 mg, 15 mol %), を三回凍結脱気した。また、trimethylsilyl acetylene (83.9 μL, 2.0 eq) , piperidine (0.5 mL 16.8 eq) を THF (5 mL) に溶解し、三回凍結脱気したあと、凍結脱気した化合物2(96.0mg、0.3mmol), bis(triphenylphosphine)palladium dichloride (16.8 mg, 4 mol %)、cuprous iodide(4.6 mg, 8 mol %)及びtriphenylphosphineと混合し、室温で12時間攪拌した。その後、溶媒を減圧留去した後、クロロホルムで抽出し、飽和塩化アンモニウム溶液にて洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥後シリカゲルクロマトグラフィー (SiO2, hexane / EtOAc = 100:1 ) にて化合物3 (82.7 mg, 95 %) を単離した。
H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ;8.60 (t, 1H, J = 1.7 Hz), 8.29 (d, 2H, J = 1.7 Hz), 3.95 (s,6H). 0.26 (s, 9H) 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) d 165.8(2C), 137.1 (2C), 131.0 (2C), 130.5, 124.4, 102.9, 96.9, 52.7 (2C), 0.0 (2C), MS (EI) m/z 290 (M+), HRMS Calcd for C15H18O4Si: 290.0974 Found: 290.0979. Anal. Calcd for C15H18O4Si: C, 62.04; H, 6.25. Found: C, 62.86; H, 6.23.

【0054】
5-Ethynyl-1,3-benzendimethanol (4). の合成
Ar雰囲気下 3 (6.64 g, 22.9 mmol) を THF (100 mL) に溶解しlithium aluminium hydride (2.60 g, 68.5.mmol 3.0 eq) を室温にて加え、60℃ に昇温し12時間攪拌した。NaHCO3溶液にて反応を停止させ EtOAc にて抽出し飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー(中性SiO2, hexane / EtOAc = 2:1) にて化合物4 (2.26 g, 69%, 13.9 mmol) を単離した。
H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ;7.43 (s, 2H,), 7.38 (s, 1H), 4.70 (d, 4H, J = 6.0 Hz), 3.08 (s, 1H), 1.68 (t, 2H, J = 6.0 Hz) 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) d 1601(2C), 129.6 (2C), 125.7 (2C), 122.5, 83.3, 77.2, 64.6(2C), MS (EI) m/z 162 (M+), HRMS Calcd for C10H10O2: 162.0681 Found: 162.0685. Anal. Calcd for C10H10O2: C, 74.06; H, 6.21;. Found: C, 73.83; H, 6.19.

【0055】
1-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)-5-ethnyl-3-benzenemethanol (5) の合成
Ar雰囲気下 4 (649.0 mg, 2.45 mmol) と DMTrCl (1.6 g, 4.72 mmol 1.92 mmol) を pyridine (20 mL) 中で室温12 時間攪拌した。NaHCO3溶液を加え反応を停止させた。EtOAc にて抽出し飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー (中性SiO2, hexane / EtOAc = 2:1) にて化合物5 (941.4 mg, 50%, 1.25 mmol) を単離した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ;7.54-7.22 (m, 12H,), 6.84 (d, 4H, J = 9.0 Hz), 4.65 (s, 2H,), 4.18 (s, 2H), 3.79 (s, 6H) 3.09 (s, 1H), 1.82 (s, 1H) 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) d 160.1(2C), 146.5, 143.3, 141.1, 137.3 (2C), 131.2 (4C), 130.3, 130.1, 129.2 (2C), 128.8 (2C), 127.8 , 127.0, 123.7, 114.1 (4C), 87.9, 84.5, 78.5, 66.3, 64.6, 55.7 (2C), MS (FAB+) m/z 646 (M+), HRMS Calcd for C31H28O4: 464.5516 Found: no date. Anal. Calcd for C31H28O4: C, 80.15; H, 6.08. Found: C, 79.16; H, 6.35.

【0056】
1-[[(2-Cyanoethoxy)(N,N-diisopropylamino)phosphinyloxymethyl]-3-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-5-ethnylbenzene (6)の合成
Ar雰囲気下のグローブバッグ中にて 5 (646 mg, 1.0 mmol) をTHF (5.0 mL) 煮溶解し N,N-diisopropylethylamine (0.86 mL, 5.0 mmol, 5.0 eq.) を加え、さらにchloro(2-cyanoethoxy)(N,N-diisopropylamino)phosphine (0.44 mL, 2.0 mmol, 2.0 eq.) を滴下させた。室温にて1時間攪拌後、NaHCO3 溶液にて反応を停止させクロロホルムで抽出しNaHCO3 溶液にて洗浄、硫酸ナトリウムにて乾燥後シリカゲルクロマトグラフィー (中性 SiO2, hexane / EtOAc = 1:1) にて化合物6 (252.7 mg, 37%)を与えた。
31P NMR (162 MHz, CDCl3) δ 149.3.

【0057】
5-Ethynyl-1,3-benzendimethanol誘導体のCPG樹脂樹脂 (8) の製造例
化合物5 (674.9 mg, 1.45 mmol)と、無水コハク酸 (580.8 mg, 5.80 mmol)と、DMAP (1.91 mg, 0.017 mmol)とを pyridine (3.9 mL) に溶解し、Ar 雰囲気下 72 時間室温で攪拌、CHCl3 と H2O を加え 有機層を H2O 飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し真空乾燥した。こうして得られた化合物7と、Aminopropyl controlled pore glass (837.5 mg, 77 μmol)と、1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochloride (720 mg, 3.76 mmol)とをDMF (15 mL), 中に加え 72 時間室温で攪拌した。 pyridine でCPG樹脂を洗浄後、capping solution (8 mL, 0.1 MDMAP in pyridine:Ac2O ) 9:1, v/v) を加え 16 時間室温攪拌後に pyridine, EtOH, MeCN, にてCPG樹脂を洗浄後真空乾燥させ、化学修飾されたCPG樹脂である化合物8 を48.9 μmol/g の活性で得た。活性は、このCPG樹脂 6 mg をガラスフィルターにのせて、HClO4:EtOH (3:2, v/v) の溶液を流し込み、そのろ液の UV 498 nm の波長を (DMTr基の波長)の吸光度を求め計算した。

【0058】
1,3,4-tri-O-acetyl-2-acetamido-6-azido-β-D-glucopyranose (9) の合成
【化14】
JP2016152980A1_000016t.gif

【0059】
本発明のオリゴニクレオチド誘導体における、アミノ基がアシル化されたアミノ糖部分を構築するための化合物として、上記式で示される化合物9を合成した。以下に、その詳細を述べる。
2-amino-1,3,4-O-acetyl-6-azido-β-D-glucopyranose hydrochloride (134 mg, 0.4 mmol) をジクロロメタン (脱水) (4 mL) に溶かし氷浴中でトリエチルアミン (224 μL, 1.6 mmol), 無水酢酸 (454 μL) を加え氷浴を外し撹拌した。なお、原料のアジド化合物は、J. Morel, Helv. Chim. Acta, 1958, 41, 1501-1504; S. Ogawa, H. Fujimori, T. Suami, Bull. Soc. Chim. Jpn., 1976, 49, 2585-2586.の方法によって調製した。18時間後TLCにて原料の消失を確認した。メタノールを加えクエンチし溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルに溶かし1 N塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。その後ろ過し減圧蒸留し、白色結晶 (134 mg, 0.4 mmol, 97%) として化合物9を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.68 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.56 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.43 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 5.04 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.26 (q, 1H, J = 9.6 Hz), 3.75 (m, 1H), 3.39-3.34 (m, 2H), 2.10 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.91 (s, 3H).

【0060】
<Huisgen反応(クリック反応)>
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を合成する前に、モデル反応として、上述の化合物9と化合物4とのHuisgen反応(クリック反応)を行った。その結果、1,2,3-triazole環を有する化合物10が得られることを確認した。一方、化合物9の原料となったアシル化されていないアミノ糖誘導体塩酸塩についても同様の反応を行ったが、Huisgen反応(クリック反応)は起こらなかった。
【化15】
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【0061】
1-[1,3,4-tri-O-acetyl-2-N-acetyl-β-D-glucopyranose]-4-[3,5-bis(hydroxymethyl)phenyl]-1H-1,2,3-triazole (10) の合成
エッペンドルフチューブに5-エチニル-1,3-ベンゼンジメタノール(4) (100 mM solution in DMSO, 2 μL, 0.2 μmol), 1 (100 mM solution in DMSO, 2 μL, 0.2 μmol), 硫酸銅5水和物 (1 M solution in Milli-Q水, 2 μL, 2 μmol), アスコルビン酸ナトリウム (1 M solution in Milli-Q水, 2 μL, 2 μmol), アセトニトリル (4 μL), 1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (4 μL), Milli-Q水 (24μL) を加え、1秒ほどボルテックスミキサーにより撹拌し、そのまま室温で15分静置した。凍結乾燥しMALDI-TOF/Msにて10の構造を確認した。
MALDI-TOF/Ms ([M+H]+) ; Calculated For C24H30N4NaO10 : 557.2, Found : 557.0.

【0062】
<アミダイト体の調製>
以下の合成経路に従い、化合物11からトリチル体12を経由してアミダイト体13を調製した。
【化16】
JP2016152980A1_000018t.gif

【0063】
(トリチル体12の合成)
上記合成経路に示す化合物11を出発原料とし、DMTrClにて片方の水酸基のトリチル保護を行い、トリチル体12を得た。以下に、その詳細を説明する。

【0064】
良く乾燥したDMTrCl 1.00gにdry pyridine 30mLを加えて溶かし、そこに各々3当量分のブタンジオール(化合物11、0.79mL)を加え、室温で3時間攪拌した。その後、酢酸エチルと蒸留水で分液し、有機層を飽和NaHCO3 aq.、飽和NaCl aq.で洗浄し、無水Na2SO4を加え乾燥した。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=3:1)にて単離精製し、目的化合物12(0.90g、77%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ [ppm] ;
7.44~7.20 ( 9H, m ), 6.82 ( 4H, d, J = 7.6 Hz ) , 3.79 ( 6H, s ) , 3.64 ( 2H, s ) , 3.11 ( 2H, s ) , 1.68 ( 4H, s )

【0065】
(化合物13の合成)
トリチル体12の水酸基を亜リン酸化しアミダイト体13を得た。操作はグローブバック中、完全無水条件下で操作を行った。
一晩真空乾燥した化合物12(0.172g)をdry THFに溶解させ、各々DIPEA(3当量分)と亜リン酸化試薬(1.5当量分)を加えた。その後、グローブバックから取り出し、室温で0.5~1時間攪拌した。TLC(Hex:EtOAc=2:1)により原料の消失を確認した。その後CHCl3と飽和NaHCO3 aqで抽出し、有機層を飽和NaCl aqで洗浄し、無水Na2SO4を加え乾燥した。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=3:1)にて単離精製し、アミダイト体13(1.09g、88%)を得た。
31P NMR(160MHz、CDCl3)[ppm] : 147.92

【0066】
<siRNAの合成>
以下の手順により、表1に示した各種のsiRNAを合成した。(この配列はRenilla Luciferaseをターゲットにするものである)。表中ASは共通するアンチセンス鎖であり、S1,S2,S3,及びS3.-GlcNAcはセンス鎖である。また、表中のシーケンスにおいてアルファベット大文字はDNAであり、アルファベット小文字 はRNAである。シーケンス中の3´末端部分の構造を以下に示す。
【表1】
JP2016152980A1_000019t.gif
【化17】
JP2016152980A1_000020t.gif

【0067】
(ASの合成)
核酸自動合成機(ABI 3400 DNA Synthesizer; Applied Biosystems)を用いて、dT修飾固相担体(Glen Research) 1 μmol スケールで合成を行った。dT-CE Phosphoramidite (Glen Research)および RNA Phosphoramidite (Sigma-Aldrich)は0.1 Mアセトニトリル溶液に調製した。ホスホロアミダイト体のカップリング時間は20分にした。DMTr基を除去した状態で合成を終了した。固相担体からのASの切り出しおよび脱保護は定法に基づいて行った。減圧乾固後の残渣を20%変性 PAGEにより精製した。ASのバンドを切り出し、ゲル溶出液(0.1 N TEAA (pH 7.0), 1 mM EDTA)中で一晩振盪した。Sep-Pak(登録商標) tC18逆相カラムを用いゲル溶出液からASを回収した。精製したASは、MALDI-TOF/Ms (AXIMA-CFR plus; 島津製作所)で構造確認を行った。

【0068】
(S1の合成)
1 μmol の固相担体化合物8を用いてスケールでS1の合成を行った。その他の条件及び構造確認方法については、ASの場合と同様である。

【0069】
(S2の合成)
1 μmol の固相担体化合物8を用いてS2の合成を行った。化合物13は0.15 M アセトニトリル溶液に調製して用いた。その他の条件及び構造確認方法については、ASの場合と同様である。

【0070】
(S3の合成)
1 μmol の固相担体化合物8を用いてS3の合成を行った。化合物13は0.15 M アセトニトリル溶液に調製して用いたた。その他の条件及び構造確認方法については、ASの場合と同様である。

【0071】
(S3-GlcNAcの合成)
エッペンドルフチューブに、S3 (2 mM solution in H2O, 1 μL, 2 nmol),1,3,4-tri-O-acetyl-2-acetamido-6-azido-β-D-glucopyranose (9) (10 mM solution in DMSO, 3 μL, 30 nmol),アセトニトリル (2.2 μL) を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (2.2 μL) 、滅菌水 (9.6 μL) 加え、1分ほどボルテックスミキサーにより撹拌した。その後、アスコルビン酸ナトリウム (100 mM solution in H2O, 2 μL, 200 nmol)、硫酸銅5水和物 (100 mM solution in H2O, 2 μL, 200 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスミキサーにより撹拌し、室温下15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-GlcNAc)を得た。

【0072】
<Dual-Luciferase reporter assayによる遺伝子発現抑制能の評価>
上記のようにして合成したアンチセンス鎖ASとセンス鎖S3-GlcNAcを、それぞれ210 pmol分エッペドルフチューブに移し乾固させ、 siRNA buffer (GE Dharmacon) (100μl) に溶解し、100 oCで5分間加熱後、1時間以上静置し2本鎖の形成を行い、この2.1 μMの各サンプルから10倍希釈、100倍希釈したものを作製しassay用のサンプルを調整した。
また、同様の方法により、アンチセンス鎖ASと、アンチセンス鎖ASに対応するセンス鎖とからsiRNA(ダングリングエンドは共にTT)を合成し、コントロールとした。
siRNA導入前日にHeLa細胞(NIHより供与)を4000 cell/45 μL になるようにOPTI-MEMに懸濁させた後、0.1 μg/μL psi-CHECK(登録商標)-2 vector (Promega) (18 μL)、TransFast(登録商標)Transfection Reagent (Promega) (27 μL)、Opti-MEM(登録商標) (Life Technologies) (315 μL) を加えた。96 well plateの各well に50 μlずつ入れ、37 oCで1時間インキュベートした。15% BS in DMEM (100 μL) を加え24時間培養した。
siRNAの導入に際しては、トランスフェクション試薬を用いる場合と、用いない場合の2方法により、行った。すなわち、トランスフェクション試薬ありの場合は、OPTI-MEMとTransFastを用いて各量のsiRNAを細胞内にトランスフェクションした。また、トランスフェクション試薬なしの場合は、各量のsiRNAをDMEMと混合し細胞に添加した。4時間後に10% BS in DMEM (100 μL) を加え48時間培養した。
48時間培養後、培地を吸引し-80℃で細胞を凍結させた。翌日、Dual-Glo(登録商標) Luciferase Assay System (Promega)を用いて遺伝子発現抑制能の評価を行った。評価はプロメガ社のプロットコールに従って行った。

【0073】
結果を図2に示す。
リポフェクション試薬を用いなかった場合において、S3-GlcNAcをセンス鎖としたsiRNAでは、添加量が10nMから50nM、100nMと増加するにしたがって、Luciferaseの活性度が低下しており、ルシフェラーゼに関する遺伝子抑制の機能が発揮されたことが分かった。これに対して、コントロールであるS1をセンス鎖としたsiRNAは、添加量を10nMから50nM、100nMと増加しても、Luciferaseの活性度が低下せず、ルシフェラーゼに関する遺伝子抑制の機能が発揮されなかった。
一方、リポフェクション試薬を用いた場合には、どちらのsiRNAにおいても、ルシフェラーゼに関する遺伝子抑制の機能が発揮された。
以上の結果は、次のように解釈される。すなわち、S3-GlcNAcをセンス鎖としたsiRNAでは、図3に示すように、HeLa細胞の細胞膜表面に存在する、アミノ糖鎖を認識する特定のリガンドに結合し、このリガンドを介したエンドサイトーシスによって、細胞内へsiRNAが導入されたのである。このことは、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を用いたsiRNAが、リガンドに対して選択的に結合し、細胞内への選択的なデリバリーの可能性を示している。また、このようなデリバリーシステムは、siRNAのみならず、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、miRNA、shRNA等にも適用できると考えられる。

【0074】
<トリフルオロアセチル基を導入したオリゴヌクレオチド誘導体>
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体における、アミノ基がアセチル化されたアミノ糖置換基S(下記部分構造a参照)に替えて、トリフルオロアセチル化したオリゴヌクレオチド誘導体(下記部分構造b参照)を用いることもできる。
【化18】
JP2016152980A1_000021t.gif

【0075】
以下の合成経路に従って、トリフルオロアセチルグルコサミン誘導体17を合成した。
【化19】
JP2016152980A1_000022t.gif

【0076】
1,3,4-tri-O-acetyl-2-[p-methoxybenzylidene(amino)]-6-tert-butyldimethylsilyl-β-D-glucopyranose (15) の合成
2-[p-methoxybenzylidene(amino)]-β-D-glucopyranose(14) (5.03 g, 16.9 mmol) をピリジン (53 mL) に溶かし氷浴にした。TBDMSCl (1.61 g, 10.6 mmol) を加え攪拌した。なお、(14)は、J. Morel, Helv. Chim. Acta, 1958, 41, 1501-1504; b) S. Ogawa, H. Fujimori, T. Suami, Bull. Soc. Chim. Jpn., 1976, 49, 2585-2586.の方法により合成した。8時間後TLCにて原料の消失を確認した。無水酢酸 (7.6 mL) 加え室温まで昇温し攪拌した。20時間後TLCにて中間生成物の消失を確認した。酢酸エチルと蒸留水で抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し減圧留去した。その後シリカゲルカラムクマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 5/1,1%トリエチルアミン) にて精製し、黄色結晶 (4.73 g, 7.7 mmol, 48%)として化合物15を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.13 (s, 1H), 7.63 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 6.89 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 5.90 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 5.38 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 3.76 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 3.71 (q, 1H, J = 7.2 Hz), 3.38 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 2.02 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.85 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.01 (d, 6H, J = 8.0 Hz). HRMS (ESI, m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C26H39NNaO9Si : 560.22918, Found : 560.22084.

【0077】
1,3,4-tri-O-acetyl-β-D-glucopyranose hydrochloride (16) の合成
化合物15 (260 mg, 0.56 mmol) をアセトン (0.95 mL) に溶かし40℃のウォーターバスで加温し、5 N塩酸(149.00 μL)を入れ攪拌した。45分後TLCにて15の消失を確認した。吸引ろ過し、析出物を1,4-ジオキサンで洗浄し、白色結晶 (123 mg, 0.36 mmol, 65%)として化合物16を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.68 (s, 2H), 5.88 (d, 1H, J = 8 Hz), 5.30 (t, 1H, J = 10 Hz), 4.85 (t, 1H, J = 10 Hz), 3.97-3.93 (m, 1H), 3.55-3.44 (m, 2H), 3.40 (d, 1H, J = 8Hz), 2.13 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.95 (s, 3H). HRMS (ESI, m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C12H19NNaO8 : 328.10084, Found : 328.09630.

【0078】
1,3,4-tri-O-acetyl-2-N-trifuoroacetyl-β-D-glucopyranose (17) の合成
化合物16 (686 mg, 2.24 mmol) をピリジン(6.8 mL) に溶かし氷浴にして撹拌した。その後トリフルオロ酢酸無水物を加え氷浴を外し撹拌した。6時間後TLCにて16の消失を確認した。クロロホルムと蒸留水にて抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後減圧留去した。その後シリカゲルカラムクマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 5/1-1/1) にて精製し、白色結晶の化合物17 (739 mg, 1.84 mmol, 82%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.12 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 7.66 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 5.87 (t, 1H, J = 4.0 Hz), 5.32 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 4.93 (t, 1H), 4.08 (q, 1H, J = 5.4Hz), 3.92 (s, 1H), 3.55-3.47 (m, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.93 (s, 3H). HRMS (ESI, m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C14H18F3NNaO9 : 424.08313, Found : 424.08165.

【0079】
また、下記合成経路に従って、アジ基及びチオフェノール基を有するトリフルオロアセチルグルコサミン誘導体19を合成した。
【化20】
JP2016152980A1_000023t.gif

【0080】
1,3,4-tri-O-acetyl-2-N-trifluoroacetyl-6-azido-β-D-glucopyranose (18) の合成
2-amino-1,3,4-O-acetyl-6-azido-β-D-glucopyranose hydrochloride (250 mg, 0.8 mmol),ジクロロメタン(脱水)(7.5 mL),ピリジン(1.2 mL, 7.6 mmol),トリフルオロ酢酸無水物 (175.0 μL, 0.9 mmol) を加え撹拌した。 4時間後TLCにて原料の消失を確認した。蒸留水を加え反応を止め、クロロホルムと蒸留水で抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後減圧留去した。その後シリカゲルカラムクマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 2/1) にて精製し、白色結晶 (294 mg, 0.7 mmol, 87%)として化合物18 を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.12 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.77 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.35 (t, 1H, J = 10 Hz), 5.07 (t, 1H, J = 10 Hz), 4.36 (q, 1H, J = 9.6 Hz), 3.88 (m, 1H), 3.45-3.36 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.07 (s, 3H). HRMS (ESI, m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C14H17F3N4NaO8 : 499.08962, Found : 449.08529.

【0081】
1-thiophenyl-2-N-trifluoroacetyl-3,4-di-O-acetyl-6-azido-β-D-glucopyranose (19) の合成
化合物18 (500 mg, 1.3 mmol) をジクロロメタン(脱水) (4.50 mL) に溶かした。その後チオフェノール (0.18 mL, 1.8 mmol), 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 (0.47 mL, 3.8 mmol) を加え撹拌した。18時間後TLCにて原料の消失を確認した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液:飽和炭酸ナトリウム水溶液:飽和食塩水=1:1:0.5の水溶液10 mLを加え撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液:飽和炭酸ナトリウム水溶液=1:1の水溶液で抽出し、有機層に無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させたあと減圧留去した。その後シリカゲルカラムクマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 70/1) にて精製し、白色結晶 (580 mg, 1.24 mmol, 95%)の化合物19を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.54-7.51 (m, 2H), 7.38-7.32 (m, 3H), 6.54 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 5.25 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.99 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.84 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.99 (q, 1H, J = 8.5 Hz), 3.70-3.66 (m, 1H), 3.41-3.33 (m, 2H), 2.01 (s, 6H). HRMS (ESI, m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C18H18F3N4NaO6S1 : 500.07548, Found : 500.08002.

【0082】
2-N-trifluoroacetyl-3,4-O-trifluoroacetyl-6-azido-β-D-glucopyranosyl-(1→6)-1,3,4,-O-acetyl-2-N-trifluoroacetyl-β-D-glucopyranose (20) の合成
以上のようにして合成した化合物19及び化合物17を結合させてトリフルオロアセチルグルコサミン誘導体20を合成した。
【化21】
JP2016152980A1_000024t.gif

【0083】
化合物19 (200.2 mg, 0.50 mmol)、化合物17 (170.0 mg, 0.36 mmol)をジクロロメタン(脱水) (16.8 mL)に溶解し, モレキュラーシーブス4A (1.6 g) を加え撹拌した。その後-25 ℃まで冷やしN-ヨードスクシンイミド (87.6 mg, 0.40 mmol) を加え30 分後にトリフルオロメタンスルホン酸 (28.0 μL)を加え0 ℃で撹拌した。30分後TLCにて化合物17の消失を確認した。吸引ろ過でモレキュラーシーブス4Aを取り除いた後、酢酸エチル (50 mL) 加え希釈した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液 (40 mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で有機層を洗った。無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させろ過し減圧蒸留した。シリカゲルカラムクマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30/1-10/1) にて精製し、白色結晶 (251 mg, 0.46 mmol, 91%)として化合物20を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.64 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 9.40 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.74 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.20 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 5.11 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.93 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.85 (t, 1H, J = 9.8 Hz), 4.77 (t, 1H, J = 8.8 Hz), 3.86-3.77 (m, 3H), 3.53-3.43 (m, 2H), 3.29-3.25 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.91 (s, 3H), 1.87 (s, 3H), 1.84 (s, 3H). MALDI-TOF/Ms (m/z, [M+Na]+) ; Calculated For C26H31F6N5NaO15 : 790.5, Found : 792.4.

【0084】
さらに、リンカー部分を導入するための様々な化合物を合成した。以下にそれらの詳細を示す。
Undecanoic acid, 11-[(4-(azidomethyl)benzoyl) amino]- (23) の合成
【化22】
JP2016152980A1_000025t.gif

【0085】
11-アミノウンデカン酸22(2.64 g, 13.1 mmol, 1.2 eq.)、トリエチルアミン(3.80 mL, 27.3 mmol, 2.5 eq.)をDMF(54.5 mL)で溶解し、Succinimidyl 4-(azidomethyl)benzoate 21 (2.99 g, 10.9 mmol)を加え、撹拌した。なお、化合物21はA. Gopin, S. Ebner, B. Attali and D. Shabat, Bioconjugate Chem., 2006, 17, 1432-1440.の方法によって合成した。48時間後、TLCにて原料の消失を確認した。反応溶液に5 %クエン酸を加えpH < 2に調整し、酢酸エチルで抽出後、蒸留水で3回分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥・ろ過し減圧留去した。その後、シリカゲルカラムクマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1→25:1)で精製し、白色結晶(3.65 g, 10.1 mmol, 93 %)として化合物23を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.79-7.76 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.39-7.26 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.14 (s, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.46-3.43 (m, 2H, J = 6.4 Hz), 2.34-2.32 (q, 2H, J = 7.2 Hz), 1.65-1.58 (m, 4H, J = 8.6 Hz), 1.33-1.25 (q, 12H, J = 15.4 Hz).

【0086】
4-(Azidomethyl)-N-[2-[2-(2-aminoethoxyl)ethoxy]ethyl]benzamide (25) の合成
【化23】
JP2016152980A1_000026t.gif

【0087】
Succinimidyl 4-(azidomethyl)benzoate 21(1.25 g, 4.56 mmol) をジクロロメタン (30 mL) で溶解し、滴下ロートでジクロロメタン (16 mL) で溶解した1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン24 (3.35 g, 22.8 mmol, 5.0 eq.) 溶液を滴下・撹拌した。18時間後、TLCにて原料の消失を確認し、減圧留去した。その後、シリカゲルカラムクマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=10:1 + 0.05 % NH3 aq.→5:1 + 0.05 % NH3 aq.→3:1 + 0.05 % NH3 aq.) で精製し、化合物25 (0.97 g, 2.39 mmol, 52 %) をオイル状で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.88-7.86 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.39-7.37 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.17 (s, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.69-3.65 (m, 8H), 3.51 (t, 2H, J = 5.2 Hz), 2.86 (s, 2H), 2.28 (s, 2H).

【0088】
1-[3,4-O-acetyl-6-azido-2-N-trifluoroacetyl-β-D-glucopyranosyl-(1→6)-1,3,4,-O-acetyl-2-N-trifluoroacetyl-β-D-glucopyranose]-4-[3,5-bis(hydroxymethyl)phenyl]-1H-1,2,3-triazole (26) の合成
【化24】
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【0089】
エッペンドルフチューブに5-エチニル-1,3-ベンゼンジメタノール(BE)4 (100 mM solution in DMSO, 2 μL, 0.2 μmol), 化合物20 (100 mM solution in DMSO, 2μL, 0.2 μmol), 硫酸銅5水和物(1 M solution in Milli-Q水, 2 μL, 2 μmol), アスコルビン酸ナトリウム (1 M solution in Milli-Q水, 2 μL, 2 μmol), アセトニトリル (4μL), 1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (4 μL), Milli-Q水 (24 μL) を加え、1秒ほどボルテックスミキサーで混合し、そのまま室温で15分静置した。凍結乾燥しMALDI-TOF/Msにて化合物26の構造を確認した。
MALDI-TOF/Ms ([M+Na]+) ; Calculated For C36H41N5NaO15 : 953.2, Found : 952.5.
【化25】
JP2016152980A1_000028t.gif

【0090】
化合物(27)の合成
化合物17 (100 mg, 249 μmol), 化合物23 (135 mg, 375μmol, 1.51 eq.), DMAP (3 mg, 25 μmol, 0.1 eq.) をピリジン (1 mL) に溶解し、氷冷下でEDC HCl (72 mg, 376 μmol, 1.51 eq.) を加えた。1日後、TLCにて原料が消失していたため、酢酸エチル (10 mL) で希釈し、蒸留水で2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で分液した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後、減圧留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー (ヘキサン / 酢酸エチル = 4 / 1 → 3 / 1 → 1 / 1 → 酢酸エチル) を行い、白色色結晶 (196 mg, 264 μmol, 106 %) として化合物27を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ; 7.79-7.77 (d, 2H), 7.40-7.38 (d, 2H), 7.31-7.29 (d, 1H), 6.19 (s, 1H), 5.81-5.79 (d, 1H), 5.32-5.28 (t, 1H), 5.14-5.10 (t, 1H), 4.40 (s, 1H), 4.36-4.14 (m, 2H), 3.85-3.81 (m, 1H), 3.48-3.43 (dd, 2H), 2.36-2.33 (t, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.054 (s, 3H), 2.046 (s, 3H), 1.35-1.30 (m, 13H).

【0091】
以上のようにして得られた、トリフルオロアセチルグルコサミン誘導体20及び27は、それらの分子に存在するアジ基を足掛かりにクリック反応によって容易にオリゴヌクレオチドを修飾することができる。こうして修飾されたオリゴヌクレオチド誘導体は、細胞膜表面にはアミノ糖を認識するレセプターによって認識され、エンドサイトーシスによって細胞の核内に取り込みやすくなる。このため、リポフェクション試薬を用いることなく、細胞内に導入することが期待できる。また、フッ素原子の導入によって疎水性が増すことで、細胞膜表面の受容体が疎水性官能基を受け入れやすい場合には、透過性が増加すると考えられる。
【化26】
JP2016152980A1_000029t.gif

【0092】
化合物28の合成
Succinimidyl 4-(azidomethyl)benzoate [1] (793 mg, 2.89 mmol)と6-アミノヘキサノール (538 mg, 4.59 mmol, 1.6 eq. )をMeOH (30 ml) に溶解し、室温で撹拌した。1時間後、TLC (EtOAc, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認した。酢酸エチルで希釈し、1 N HCl、蒸留水と分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去を行った。その後、フッラシュカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=100:0→100:1) を行った。化合物28 (422 mg, 1.53 mmol, 53%) を白色粉末で得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 - 8.43 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 7.86 - 7.84 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.45 - 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.51 (s, 2H), 4.34 - 4.31 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.40 - 3.35 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.26 - 3.21 (q, J= 8.0 Hz, 2H), 1.53 - 1.29 (m, 8H).
【化27】
JP2016152980A1_000030t.gif

【0093】
化合物29の合成
アルゴン置換下でsuccinimidyl 4-(azidomethyl)benzoate [1] ( 823 mg, 3.00 mmol) とε-アミノカプロン酸( 472 mg, 3.60 mmol, 1.2 eq) に DMF( 15 mL) と TEA( 1.00 mL) を加えた。3 日後、TLC で反応を確認 ( クロロホルム:メタノール=5:1, UV で検出) し原料の消失を確認した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、1 N HCl水溶液で抽出した。有機層を飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( クロロホルム:メタノール=100:1→100:2→100:4) で精製した。溶媒を減圧留去し、化合物29 ( 888 mg, 2.99 mmol, 99 %) の白色の結晶を得た。
1H-NMR ( 400 MHz, CDCl3) δ 7.79-7.77 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.39-7.37 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.21 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.50-3.49 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.41-2.37 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.74-1.62 (m, 4H ), 1.50-1.42 (m, 2H )
【化28】
JP2016152980A1_000031t.gif

【0094】
化合物30の合成
アルゴン置換下で化合物 29 ( 581 mg, 2.00 mmol) と NHS( 279 mg, 2.40mmol, 1.2 eq) を DMF( 10 mL) で溶解させた。WSC( 581 mg, 3.00 mmol, 1.5 eq) を加え、攪拌した。 18時間後、TLC( 酢酸エチル, UV で検出) で原料の消失を確認した。反応溶液を酢酸エチルで希釈後、蒸留水で 3 回分液し、飽和食塩水で 1 回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー( ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル) で単離精製した。化合物 30 ( 650 mg, 1.68 mmol, 84 %) の白色の結晶を得た。
1H-NMR ( 400 MHz, CDCl3) δ 7.81-7.79 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39-7.37 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.33 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.50-3.46 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.83 (s, 4H), 2.66-2.62 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.87-1.79 (m, 2H), 1.72-1.65 (m, 2H), 1.58-1.26 (m, 2H).
【化29】
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【0095】
化合物31の合成
CH2Cl2 (10 mL) に1,3-ジアミノプロパン (73.7 mg, 1.0 mmol) を溶解させ、CH2Cl2 (10 mL) にsuccinimidyl 4-(azidomethyl)benzoate [1] (274.2 mg, 1.0 mmol) を溶解させたものをゆっくりと滴下した (滴下時間25分) 。18時間後TLC (クロロホルム : メタノール = 3 : 1 + 1% NH3 aq., UVとニンヒドリン試薬) で反応液に原料が残っていないことを確認した。クロロホルム : メタノール = 10 : 1 + 1% NH3 aq.の溶出溶媒でカラムクロマトグラフィーを行った。化合物31 (197.1 mg, 0.8 mmol, 84%) の黄色液体が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.85-7.82 (2H, t, J = 4.0 Hz), 7.39-7.37 (2H, d, J = 8.0 Hz), 4.40 (2H, s), 3.63-3.59 (2H, m), 2.97-2.94 (2H, t, J = 6.0 Hz), 1.79-1.75 (2H, t, J = 8.0 Hz).
【化30】
JP2016152980A1_000033t.gif

【0096】
化合物32の合成
アルゴン置換下で化合物15 (108.1 mg, 0.5 mmol)にDMF (6 mL) を加え溶解させ、Succinimido 4-maleimidohexanoate [2] (183.7 mg, 0.7 mmol, 1.5 eq) を加え撹拌した。6時間後、TLC (ジクロロメタン : アセトン = 1 : 1, UVとニンヒドリン試薬) で原料が残っていないことを確認し、減圧留去した。ジクロロメタン : アセトン = 1 : 1の溶出溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、化合物32 (23.8 mg, 0.1 mmol, 13%) の薄黄色固体を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO_d6) : δ 8.46 (1H, s), 7.98 (1H, s), 7.87-7.85 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.47-7.45 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.02 (2H, s), 4.53 (2H, s), 3.63-3.61 (2H, d, J = 8.0 Hz), 3.25-3.23 (2H, d, J = 8.0 Hz), 3.07-3.05 (2H, d, J = 8.0 Hz), 2.36-2.32 (2H, t, J = 8.0 Hz), 1.63-1.62 (2H, d, J = 4.0 Hz).
【化31】
JP2016152980A1_000034t.gif

【0097】
化合物33の合成
D-glucose penta acetate (1.5 g, 3.84 mmol) をDCM 19mLに溶解し、氷浴下でhydrogen bromide (2.26 mL, 5.0 eq.)を加えた。滴下後、氷浴を取り除き室温で4時間撹拌した。反応終了後、H2Oを加えCHCl3で抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー( Hexane:EtOAc= 1:1 )で単離精製し化合物33の白色結晶を得た(収量 0.70g、収率 44%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 6.60 (d, J = 4.12 Hz, 1H), 5.55 (dd, J = 10.08, 9.60 Hz, 1H), 5.15 (dd, J = 10.52, 9.64 Hz, 1H), 4.83 (dd, J = 10.52, 4.12 Hz, 1H), 4.33-4.27 (m, 2H), 4.13-4.10 (m, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.02 (s, 3H).
【化32】
JP2016152980A1_000035t.gif

【0098】
化合物34の合成
化合物33 (0.58 g, 1.4 mmol) をDMF 14 mLに溶解し、NaN3 (0.46 g, 5.0 eq.) を加えて50℃の油浴で24時間撹拌した。反応終了後、H2Oを加えEtOAcで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー ( Hexan:EtOAc=1:1 ) で単離精製し化合物34の白色結晶を得た(収量 0.48g、収率 91%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 5.21 (t, J = 10.08, 9.60 Hz, 1H), 5.09 (t, J = 10.08 Hz, 1H), 4.94 (dd, J = 9.60, 9.16 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 8.72 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 12.84, 4.60 Hz, 1H), 4.16 (dd, J = 12.84, 2.28 Hz, 1H) 3.78 (dddd, J = 2.28, 4.60, 10.08 Hz, 1H), 2.09 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.02 (s, 3H).
【化33】
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【0099】
化合物35の合成
化合物2 (0.36 g, 0.96 mmol) に16% NH3/MEOHを10 mL加えて室温で8時間撹拌した。TLCで反応終了を確認後、減圧留去し透明なオイルとして化合物35を定量的に得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 5.46 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 6.00 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.66-3.61 (m, 1H) 3.43-3.37 (m, 1H), 3.22-3.16 (m, 1H), 3.14-3.11 (m, 1H), 3.02 (ddd, J = 9.20, 5.60 Hz, 1H), 2.94 (ddd, J = 5.60, 9.00 Hz, 1H).
13C NMR (100.5 MHz, DMSO-d6) δ= 90.6, 79.7, 77.1, 73.8, 70.1, 61.3.
【化34】
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【0100】
化合物36の合成
化合物35 (0.44 g, 1.4 mmol) をMeOH 11.8 mLに溶解し、Pd/C (44 mg, 10wt%) を加えて水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応終了後、EtOAcでセライトろ過し有機層を減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー ( Hexane:EtOAc=1:1 ) で単離精製し、白色結晶からなる化合物36を得た(収量 0.30 g、収率 73%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 5.23 (dd, J = 10.08, 9.64 Hz, 1H), 5.03 (dd, J = 10.08, 9.64 Hz, 1H), 4.82 (dd, J = 9.60, 9.16 Hz, 1H), 4.24-4.17 (m, 2H), 4.11-4.07 (m, 1H), 3.68 (dddd, J = 2.28, 4.60, 10.08 Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.99 (s, 3H).
13C NMR (98.5 MHz, CDCl3) δ= 170.8, 170.3, 169.7, 85.1, 73.2, 72.8, 72.1, 68.8, 62.4, 20.9, 20.7.
【化35】
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【0101】
化合物37の合成
化合物34 (1.13 g, 2.0 eq.) と化合物28 (0.40 g, 1.38 mmol) をPyridine 5 mLに溶解し、Ag2CO3 (1.52 g, 4.0 eq.) 加え19h撹拌した。反応終了後、5% HClを加え、EtOAcで抽出し有機層をH2O、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィー ( Hexane: EtOAc = 1:1 )で単離精製し、化合物37を白色結晶として得た(収量 0.49 g、収率 64%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 7.77 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 6.19-6.16 (m, 1H), 5.67 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 5.23 (t, J = 9.20 Hz, 1H), 5.16-5.10 (m, 2H) 4.39 (s, 2H), 4.27 (dd, J = 12.40, 4.40 Hz, 1H), 4.21-4.09 (m, 3H), 3.82 (dddd, J = 2.40, 4.40, 10.00 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 6.60, 11.80 Hz, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.70-1.60 (m, 4H), 1.42-1.39 (m, 4H).
13C NMR (100.5 MHz, CDCl3) δ= 170.7, 170.2, 169.2, 153.5, 138.8, 134.8, 128.3, 127.5, 95.0, 72.8, 70.2, 69.1、67.7, 61.4, 54.3, 40.0, 29.6, 28.4, 26.6, 25.4, 20.8, 20.7, 20.7.
【化36】
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【0102】
化合物38の合成
化合物37 (0.72 g)をdry MeOHに溶解し、28% Sodium Methoxide Methanol Solutionを適量加えて振とうした。5分後、TLCにて反応終了を確認し、DOWEX 50WX8-100 ion-exchange resinを加え振とう、綿栓ろ過し減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 5 : 1)で単離精製し、化合物38を白色結晶として得た(収量 0.19 g)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 8.43 (t, J = 5.60 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 4.91 (d, J = 4.80 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 4.80 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 4.4 Hz, 1H) 4.48 (s, 2H), 4.43 (t, J = 6.00 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 3.75-3.69 (m, 1H), 3.64-3.59 (m, 1H), 3.42-3.34 (m, 2H), 3.23-3.18 (m, 2H), 3.10-2.98 (m, 3H), 2.89 (ddd, J = 5.20, 8.20 Hz, 1H).
13C NMR (100.5 MHz, DMSO-d6) δ= 166.2, 139.0, 135.0, 128.7, 128.1, 103.4, 77.3, 74.0, 70.6, 69.0, 61.6, 53.6, 29.8, 29.6, 26.9, 25.8.
【化37】
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【0103】
化合物39の合成
化合物36 (0.1 g, 0.29 mmol)に化合物30 (0.25 g, 2.2 eq.)を加えて、THF 1mL中にて一晩撹拌した。その後、減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 50 : 1)で単離精製し、化合物39を白色結晶として得た(収量 17.9 mg、収率 11 %)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 8.59 (d, J = 9.64, 1H), 8.43 (t, J = 5.50 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.72 Hz, 1H), 5.37-5.27 (m, 2H), 4.86-4.77 (m, 2H) 4.48 (s, 2H), 4.13-4.03 (m, 2H), 3.93-3.90 (m, 2H), 3.21-3.16 (m, 2H), 2.08-2.03 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.96 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.47-1.44 (m, 4H), 1.24-1.19 (m, 2H).
【化38】
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【0104】
化合物40の合成
1,2,3,4-tetra-O-acetyl-a-L-fucopyranose (1.5 g, 4.50 mmol) をDCM 22.5 mLに溶解し、氷浴下でHydrogen bromide (2.26 mL, 5.0 eq.)を加えた。滴下後、氷浴を取り除き室温で3.5時間撹拌した。反応終了後、H2Oを加えCHCl3で抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー( Hexane:EtOAc= 4:1 )で単離精製し、化合物40を白色結晶として得た(収量 1.33 g、収率 84%)。
【化39】
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【0105】
化合物41の合成
化合物40 (1.23 g, 3.48 mmol) をDMF 17 mLに溶解し、NaN3 (1.13 g, 5.0 eq.) を加えて50℃の油浴で24時間撹拌する。反応終了後、H2Oを加えEtOAcで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー ( Hexane:EtOAc=1:1 ) で単離精製し化合物41を白色結晶として得た(収量 0.74g、収率 52%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 5.26-5.25 (m, 1H), 5.13 (dd, J = 10.0, 8.80 Hz, 1H), 5.02 (dd, J = 10.0, 3.60 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 3.89 (ddd, J = 6.40, 0.80 Hz, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.24 (d, J = 6.40 Hz, 3H).
13C NMR (100.5 MHz, CDCl3) δ= 170.6, 170.2, 169.6, 88.3, 71.6, 71.2, 70.0, 68.3, 20.8, 20.7, 20.7, 16.1.
【化40】
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【0106】
化合物42の合成
化合物41(0.51 g, 1.62 mmol) に16% NH3/MEOHを15 mL加えて室温で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認後、減圧濃留去し透明なオイルとして化合物42を定量的に得た(収量 0.39 g)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 5.23 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 4.81 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 4.40 Hz, 1H), 4.31-4.29 (m, 1H), 3.61 (dd, J = 12.80, 6.40 Hz, 1H), 3.40-3.39 (m, 1H), 3.30-3.26 (m, 2H), 3.13 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 1.10 (d, J = 6.40 Hz, 3H).
13C NMR (100.5 MHz, DMSO-d6) δ= 91.0, 73.9, 73.0, 71.4, 70.4, 17.1.
【化41】
JP2016152980A1_000044t.gif

【0107】
化合物43の合成
化合物40 (0.60 g, 1.5 eq.) と化合物28 (0.33 g, 1.14 mmol) をPyridine 5 mLに溶解し、Ag2CO3 (1.25 g, 4.0 eq.) 加え24h撹拌した。反応終了後、5% HClを加え、EtOAcで抽出し有機層をH2O、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。その後、カラムクロマトグラフィー ( Hexane: EtOAc = 1:1 )で精製した。
【化42】
JP2016152980A1_000045t.gif

【0108】
化合物44の合成
化合物42 (0.20 g, mixture)をdry MeOH 3 mLに溶解し、28% Sodium Methoxide Methanol Solutionを適量加えて振とうした。5分後、TLCにて反応終了を確認し、DOWEX 50WX8-100 ion-exchange resinを加え振とう、綿栓ろ過し減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 5 : 1)で単離精製し化合物44を白色結晶として得た(収量 10 mg, 収率7% (2 steps))。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ= 8.43 (t, J = 6.00 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 4.73 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.32 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 3.99 (d, J = 6.80 Hz, 1H), 3.68-3.62 (m, 1H), 3.46-3.41 (m, 1H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.26-3.15 (m, 4H), 1.51-1.46 (m, 4H), 1.28 (m, 4H), 1.06 (d, J = 6.40 Hz, 3H).
【化43】
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【0109】
化合物45の合成
Methyl-1,2,3,4-tetra-O-acetyl-β- D - glucuronate (1.5 g, 4.50 mmol) をDCM 20 mLに溶解し、氷浴下でHydrogen bromide (2.34 mL, 3.0 eq.)を加えた。滴下後、氷浴を取り除き室温で4時間撹拌した。反応終了後、H2Oを加えCHCl3で抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー( Hexane:EtOAc= 4:1 )で単離精製し、化合物45を白色結晶として得た(収量 0.22 g、収率 14%)。
【化44】
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【0110】
化合物46の合成
化合物45 (0.22 g, 0.55 mmol) をDMF 5.5 mLに溶解し、NaN3 (0.18 g, 5.0 eq.) を加えて50℃の油浴で24時間撹拌した。反応終了後、H2Oを加えEtOAcで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた後に減圧留去した。そして、カラムクロマトグラフィー ( Hexane:EtOAc=1:1 ) で単離精製し、化合物46を白色結晶として得た(収量 0.12g、収率 61%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 5.26-5.22 (m, 2H), 4.95 (dd, J = 9.60, 9.16 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 9.16 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 9.64 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.07-2.00 (m, 9H).
13C NMR (98.5 MHz, CDCl3) δ= 170.1, 169.2, 88.2, 74.3, 71.9, 70.5, 69.1, 53.2, 20.7, 20.7, 20.6.
【化45】
JP2016152980A1_000048t.gif

【0111】
化合物47の合成
D-Mannose (0.18 g, 1.80 mmol) をH2O/1,4-dioxane (=1:1, 4 mL) に溶解し、-10℃に冷却した。2-chloro-1.3-dimethylimidazolium chloride (0.50 g, 2.96 mmol, 1.6 eq.), NaN3 (0.59 g, 9.08 mmol, 5.0 eq.), TEA (1.3 ml, 9.33 mmol, 5.2 eq.) を加え撹拌した。23時間後、TLC (CHCl3:MeOH=3:1 , 5%硫酸 in MeOH) で原料の消失を確認した。溶媒を減圧留去した。フッラシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 10: 1 )を行った。化合物47 [3] (0.16 g, 0.76 mmol, 75%) を白色固体で得た。
【化46】
JP2016152980A1_000049t.gif

【0112】
化合物48の合成
D-Mannose penta acetate (0.70 g, 1.80 mmol) をCH2Cl2 (40 mL) に溶解し、Ar雰囲気下、氷冷下で0.69 M HBr in AcOH (7 mL) をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻し撹拌した。23時間後、TLC (Hexane : EtOAc=2:1 , 5%硫酸 in MeOH) で原料の消失を確認した。反応液を氷冷し飽和食塩水を加え、撹拌した。30分後、水層を除去し飽和重曹水を加え、撹拌した。反応液をCH2Cl2で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水と分液した。飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去した。化合物48 (0.63 g, 1.53 mmol, 85%) をオイル状で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ6.29 (s, 1H), 5.74-5.70 (dd, J = 13.7, 7.6 Hz, 1H), 5.45 (s, 1H), 5.40 - 5.35 (t, J = 10.2 Hz, 1H), 4.36-4.31 (dd, J = 17.6, 4.9 Hz, 1H), 4.24 - 4.20 (m, 1H), 4.16 - 4.12 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.01 (s, 3H).
【化47】
JP2016152980A1_000050t.gif

【0113】
化合物49の合成
Ar置換下で化合物48 (0.21 g, 0.50 mmol) をCH2Cl2 (3 mL)で溶解し、化合物28 (0.22 g, 0.81 mmol, 1.6 eq.)とNa2SO3 (30 mg) を加え撹拌した。30分後、Ag2CO3 (0.15 g, 0.53 mmol, 1.1 eq.)とDIPEA (0.1 ml, 0.57 mmol, 1.1 eq.) を加え撹拌した。9時間後、TLC (Hexane : EtOAc = 1:1, UV, 5 %硫酸in MeOH) で原料の消失を確認した。反応液を濾過し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー (Hexane : EtOAc=2:1→1:1) で精製した。化合物49 (0.10 g, 0.17 mmol, 33 %) を白色粉末で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:6.69-6.68 (d, J= 6.4 Hz, 1H), 6.29-6.27 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 5.50-5.47 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.37-4.36 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.14-4.04 (m, 2H), 3.48-3.46 (t, J= 3.0 Hz, 1H), 3.31 (s, 2H), 3.11-3.01 (m, 2H), 2.61-2.57 (m, 1H), 2.42-2.27 (m, 4H), 0.97 (s, 3H), 0.94 (s, 3H), 0.93 (s, 3H), 0.58 (s, 3H), 0.51 (m, 4H), 0.31-0.21 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ165.93, 165.62, 165.04, 162.13, 134.27, 130.37, 123.64, 122.87, 119.70, 92.85, 90.43, 72.17, 66.61, 66.07, 61.01, 57.71, 57.55, 49.70, 49.54, 49.28, 49.00, 48.73, 48.47, 35.42, 25.02, 24.84, 22.15, 21.26, 20.33, 16.03, 16.00.
【化48】
JP2016152980A1_000051t.gif

【0114】
化合物50の合成
化合物49 (92.5 mg, 0.15 mmol)をdry MeOH 3 mLに溶解し、Sodium Methoxide (9.9 mg, 0.18 mmol, 1.2eq.)を加え撹拌した。翌日、TLC(CHCl3:MeOH=5:1 , UV, 5% H2SO4 in EtOH)で反応終了を確認後、DOWEX 50WX8-100 ion-exchange resinを加えて反応液を中和した。綿栓ろ過し減圧濃縮した。白色固体の化合物50を定量的に得た。
13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ172.48, 169.67, 140.72, 135.60, 129.31, 128.68, 93.02, 74.92, 73.97, 72.94, 72.25, 70.38, 68.96, 68.69, 62.83, 62.76, 54.94, 40.96, 33.52, 30.45, 27.87, 26.62, 20.92.
【化49】
JP2016152980A1_000052t.gif

【0115】
化合物51の合成
β-D-Glucopyranose, 2-deoxy-2-[(2,2,2-trifluoroacetyl)amino]-, 1,3,4,6-tetraacetate (0.57 g, 1.28 mmol) をCH2Cl2 (30 mL) に溶解し、Ar雰囲気下、氷冷下で0.69 M HBr in AcOH (6 mL) をゆっくり滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻し撹拌した。16時間後、TLC (Hexane : EtOAc=1:2 , 5%硫酸 in MeOH) で原料の消失を確認した。反応液を氷冷し飽和食塩水を加え、撹拌した。30分後、水層を除去し飽和重曹水を加え、撹拌した。反応液をCH2Cl2で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水と分液した。飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去した。化合物51 (0.51 g, 1.09 mmol, 85%) をオイル状で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ6.7-6.68 (d, J= 9.8 Hz, 1H), 6.55-6.54 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 5.42-5.36 (t, J = 10.2 Hz, 1H), 5.31 - 5.26 (t, J = 9.8 Hz, 1H), 4.36-4.32 (m, 2H), 4.28 - 4.25 (m, 1H), 4.16 - 4.13 (d, J= 12.7 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.07 (s, 3H).
【化50】
JP2016152980A1_000053t.gif

【0116】
化合物52の合成
Ar置換下で化合物51 (0.23 g, 0.50 mmol) をCH2Cl2 (3 mL)で溶解し、化合物28 (0.21 g, 0.75 mmol, 1.5 eq.)とNa2SO3 (30 mg) を加え撹拌した。30分後、Ag2CO3 (0.15 g, 0.54 mmol, 1.1 eq.)とDIPEA (0.1 ml, 0.57 mmol, 1.1 eq.) を加え撹拌した。9時間後、TLC (Hexane : EtOAc = 1:1, UV, 5 %硫酸in MeOH) で原料の消失を確認した。反応液を濾過し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー (Hexane : EtOAc=2:1→1:1) で精製した。化合物52 (0.17 g, 0.26 mmol, 53 %) を白色粉末で得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ:7.50-7.47 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.06-7.04 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 6.63-6.61 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 6.04-6.01 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 4.67-4.53 (m, 1H), 4.27-4.23 (t, J= 9.9 Hz, 1H), 3.90-3.88 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 3.64 (s, 2H), 3.48-3.42 (m, 1H), 3.36-3.18 (m, 2H), 3.08-3.02 (m, 1H), 2.84-2.48 (m, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 0.83-0.76 (m, 4H), 0.66-0.52 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ166.11, 166.04, 165.03, 162.79, 134.68, 129.97, 123.75, 123.04, 95.40, 67.56, 67.23, 64.95, 64.22, 57.55, 50.26, 49.54, 34.81, 24.72, 24.36, 21.41, 20.33, 16.01, 15.96, 15.78.
【化51】
JP2016152980A1_000054t.gif

【0117】
化合物53の合成
化合物52 (108 mg, 0.16 mmol) を16% NH3/MeOH (6 mL) に溶解し撹拌した。16時間後、TLC (CHCl3 : CH3OH=5:1, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認した。その後、溶媒を減圧留去した。化合物53 ( 70.1 mg, 0.16 mmol, 98%) を黄色油状で得た。
13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ169.66, 140.73, 135.62, 129.33, 128.70, 103.68, 78.19, 76.88, 71.79, 70.65, 62.62, 58.17, 54.96, 40.91, 30.59, 30.38, 27.80, 26.81, 22.07.
【化52】
JP2016152980A1_000055t.gif

【0118】
化合物55の合成
Ar置換下でoxazoline 54 (0.38 g, 1.14 mmol) をCH2Cl2 (10 mL)で溶解し、化合物28 (0.42 g, 1.53 mmol, 1.3 eq.) と(+)-10-camphorsulfonic acid (0.07 g, 0.31 mmol, 0.3 eq.)を加え、撹拌した。19時間後、TLC (EtOAc, UV, 5 %硫酸in MeOH) で原料の消失を確認した。TEACHを加え、30分撹拌した。反応液をCH2Cl2で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム、水と分液した。有機層を蒸留水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー (Hexane : EtOAc=1:2→1:3→1:5→0:10) で精製した。
化合物55 (0.45 g, 0.73 mmol, 64 %) を白色固体で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:7.84-7.82 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.36-7.34 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 6.99-6.96 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.70-6.68 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 5.28-5.23 (t, J= 9.9 Hz, 1H), 5.00-4.96 (t, J= 8.2 Hz, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.21-4.17 (dd, J= 17.0, 9.6 Hz, 1H), 4.07-4.04 (dd, J= 15.6, 6.9 Hz, 1H), 3.86-3.78 (m, 1H), 3.60-3.56 (m, 1H), 3.49-3.30 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.88 (s, 3H), 1.58-1.49 (m, 4H), 1.37-1.31 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ170.79, 170.68, 169.51, 167.20, 138.84, 134.48, 128.23, 127.67, 100.67, 72.55, 71.62, 69.42, 68.89, 62.24, 60.43, 54.60, 54.21, 39.60, 29.27, 28.92, 26.13, 25.21, 23.23, 20.78, 20.72, 20.67, 14.19.
【化53】
JP2016152980A1_000056t.gif

【0119】
化合物56の合成
化合物55 (345 mg, 0.57 mmol) を16% NH3/MeOH (8 mL) に溶解し撹拌した。19時間後、TLC (CHCl3 : CH3OH=5:1, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認した。その後、溶媒を減圧留去した。化合物56を定量的に白色固体で得た。
【化54】
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【0120】
化合物57の合成
化合物23 (1.21 g, 3.61 mmol)、HOBt (0.59 g, 4.40 mmol, 1.2 eq. )、DCC (1.21 g, 5.88 mmol, 1.6 eq.)をCH2Cl2 (18 ml) に溶解し、室温で撹拌した。10時間後、TLC (EtOAc, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認し、tris[(carboxyethoxy)ethyl]aminomethane trimethyl ester3 (1.35 g, 3.55 mmol, 1.0 eq.)とTEA (1 ml) を加えた。3日後、TLC (CHCl3:MeOH=10:1 , UV, ニンヒドリン)で原料の消失を確認した。反応液に水を加え反応を停止後、CH2Cl2で希釈し、飽和重曹水で3回分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去を行った。その後、フッラシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2 )を行った。化合物57 (2.36 g, 3.26 mmol, 90%)を白色油状で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.79-7.77 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.40 - 7.37 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.16 (br, 1H), 5.90 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.70-3.67 (m, 20H), 3.47 - 3.42 (q, J = 6.7 Hz, 2H), 2.56-2.53 (t, J = 6.2 Hz, 6H), 2.15-2.11 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.63 - 1.57 (m, 7H), 1.37-1.24 (m, 20H).
【化55】
JP2016152980A1_000058t.gif

【0121】
化合物58の合成
化合物57 (2.25 g, 3.12 mmol)をacetone (78 ml) に溶解し、氷冷下、0.4 M NaOH aq. (78ml)を加えた。反応液を室温に戻し、撹拌した。1日後、TLC (CHCl3:MeOH=10:1 , UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認し、acetoneを減圧留去した。水層をCH2Cl2で洗浄した後に、氷冷下pH < 2になるまでHClを加えた。CH2Cl2で抽出し、目的化合物58 (1.85 g, 2.72 mmol, 87%)を白色油状で得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.21 (br, 1H), 8.53 - 8.50 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.92 - 7.90 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.51 - 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.98 (s, 1H), 4.58 (s, 2H), 3.39 - 3.23 (m, 16H), 2.60-2.56 (m, 24H), 2.11 - 2.07 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 1.57 - 1.47 (m, 4H), 1.33- 1.29 (m, 14H).
【化56】
JP2016152980A1_000059t.gif

【0122】
化合物59の合成
化合物58 (1.76 g, 2.59 mmol)、HOBt (1.41 g, 10.45 mmol, 4.0 eq.)、DCC (2.79 g, 13.53 mmol, 5.2 eq.)をDMF (13 ml) に溶解し、室温で撹拌した。10時間後、TLC (CHCl3:MeOH = 5.1, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認し、CH2Cl2 (2 ml)に溶解した(3-aminopropyl) carbamic acid tert-butyl ester3 (1.80 g, 10.31 mmol, 4.0 eq.)を加えた。2日後、TLC (CHCl3:MeOH=10:1 , UV, ニンヒドリン)で反応の進行を確認した。反応液に水を加え反応を停止後、析出物を除去した。EtOAcで希釈し、飽和重曹水で3回分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去を行った。その後、フッラシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 10: 1 )を行った。化合物59 (2.07 g, 1.80 mmol, 69%)を白色油状で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.83 - 7.81 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.39 - 7.37 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.98 (br, 3H), 6.68 (br, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.38-5.35 (t, J= 6.1 Hz, 3H), 4.40 (s, 2H), 3.46 - 3.41 (q, J= 6.7 Hz, 2H), 3.32-3.27 (q, J= 6.2 Hz, 6H), 3.17-3.12 (q, J= 5.9 Hz, 6H), 2.44 - 2.41 (t, J= 5.7 Hz, 6H), 2.19 - 2.16 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 1.64 - 1.57 (m, 12H), 1.43-1.35 (m, 35H), 1.27- 1.07 (m, 16H).
【化57】
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【0123】
化合物60の合成
化合物59 (1.99 g, 1.73 mmol)をCH2Cl2 (10 ml) に溶解し、TFA (2 ml)を加え室温で撹拌した。4時間後、TLC (CHCl3:MeOH = 5:1, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認した。溶媒を減圧留去し、目的化合物60を白色油状で定量的に得た。
【化58】
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【0124】
化合物61の合成
Ar置換下でoxazoline 54 (0.96 g, 2.91 mmol) をCH2Cl2 (7 mL)で溶解し、5-ヘキセン-1-オール (0.4 mL, 3.39 mmol, 1.2 eq.)とモレキュラーシーブ4Å (1.04 g) を加え撹拌した。30分後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル (0.3 mL, 1.64 mmol, 0.6 eq.) を滴下し、撹拌した。15時間後、TLC (EtOAc, 5 %硫酸in MeOH) で原料の消失を確認した。CH2Cl2で吸引濾過をし、CH2Cl2で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウムで分液した。有機層を蒸留水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィー (Hexane : EtOAc=1:1→1:2) で精製し、化合物61 (0.98 g, 79 %) を白色粉末で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:5.81-5.74 (m, 1H), 5.45-5.43 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 5.33-5.28 (t, 1H, J = 10.0 Hz), 5.09-4.93 (m, 3H), 4.69-4.67 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.28-4.21 (m, 1H), 4.14-4.11 (m, 1H), 3.99-3.77 (m, 2H), 3.71-3.67 (m, 1H), 3.48-3.46 (m, 1H), 2.08-1.90 (m, 14H), 1.64-1.52 (m, 2H), 1.47-1.35 (m, 2H).
【化59】
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【0125】
化合物62の合成
化合物61 (2.58 g, 6.00 mmol) をMeCN : CH2Cl2 =1:1 (15 mL) で溶解し、10℃でNaIO4/H2O (5.13 g, 24.0 mmol, 4.0 eq.)/(12 mL) を加え、撹拌した。15分後、RuCl3 (55.5 mg, 0.12 mmol, 0.02 eq.) を加えた。1時間後、NaIO4 (1.30 g, 6.00 mmol, 1.0 eq.) を加えた。1時間半後、TLC (CHCl3 : CH3OH=5:1, 5%硫酸in MeOH) で原料の消失を確認した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、pH > 7.0にした。その後、CH2Cl2で希釈し、抽出した。水層を5%クエン酸でpH<7.0にした。その後、CHCl2で希釈し、抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、化合物62 (1.73 g, 65%) を白色結晶で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:5.80-5.78 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 5.29-5.25 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 5.08-5.04 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 4.239-4.228 (m, 1H), 4.14-4.10 (m, 1H), 3.91-3.83 (m, 2H), 3.70-3.66 (m, 1H), 3.52-3.47 (m, 1H), 2.42-2.32 (m, 2H), 2.08-1.71 (t, 12H, J = 14.0 Hz), 1.71-1.62 (m, 4H).
【化60】
JP2016152980A1_000063t.gif

【0126】
化合物63の合成
化合物62 (0.86 g, 1.93 mmol)、HOBt (0.34 g, 2.51 mmol, 1.3 eq.)、DCC (0.64 g, 3.11 mmol, 1.6 eq.)をCH2Cl2 (10 ml) に溶解し、室温で撹拌した。17時間後、TLC (CHCl3 : CH3OH = 10: 1, UV, アニスアルデヒド) で原料の消失を確認し、pyridine (10 ml)に溶解した化合物60 (0.93 g, 0.78 mmol, 0.4 eq.)とTEA (1 ml) を加えた。3日後、TLC (CHCl3:MeOH=5:1 , UV, ニンヒドリン)で中間体の消失を確認した。反応液に水を加え反応を停止後、析出物を除去した。CH2Cl2で希釈し、飽和重曹水で3回分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧留去を行った。その後、フッラシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3 : CH3OH = 5: 1)を行った。化合物63 (1.14 g, 0.53 mmol, 83%)を白色泡状で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δH = 7.86 - 7.84 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.41 - 7.38 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 7.32-7.29 (t, J= 6.6 Hz, 3H), 7.10-7.06 (t, J= 8.0 Hz, 3H), 6.98-6.91 (m, 4H), 6.61 (s, 1H), 5.31 (s, 1H) 5.29-5.24 (t, J= 9.9 Hz, 3H), 5.08-5.03 (t, J= 9.6 Hz, 3H), 4.66-4.64 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 4.41 (s, 2H), 4.30 - 4.25 (dd, J = 17.0, 5.0 Hz, 3H), 4.14-4.10 (d, 14.7 Hz, 3H), 3.95-3.88 (m, 5H), 3.72-3.68 (m, 15H), 3.53 - 3.42 (m, 4H), 3.27 - 3.21 (m, 12H), 2.48-2.43 (t, J= 8.8 Hz, 6H), 2.26-2.15 (m, 8H), 2.09 (s, 9H, 2.02 (s, 18H), 1.94 (s, 9H), 1.76-1.58 (m, 22H), 1.35 - 1.27 (m, 12H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ173.98, 173.61, 171.94, 170.88, 170.67, 170.49, 169.43, 167.16, 138.66, 134.60, 128.11, 127.58, 100.59, 72.59, 71.54, 69.59, 69.41, 68.83, 67.40, 62.16, 59.50, 54.33, 54.11, 53.48, 40.14, 37.04, 36.66, 36.02, 35.89, 29.52, 29.45, 29.26, 29.15, 29.03, 28.27, 26.88, 25.70, 23.10, 22.53, 20.72, 20.64, 20.59.
【化61】
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【0127】
化合物64の合成
化合物63 (0.21 g, 0.10 mmol)をdry MeOH 2 mLに溶解し、Sodium Methoxide (6.4 mg, 0.12 mmol)を加え撹拌した。翌日、TLC(CHCl3:MeOH=5:1 , UV, 5% H2SO4 in EtOH)にて反応終了を確認後、DOWEX 50WX8-100 ion-exchange resinを加えて反応液を中和した。綿栓ろ過し減圧濃縮した。化合物64 (0.17 g, 0.10 mmol, 96%)を白色泡状で得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δH = 8.47 - 8.44 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.85 - 7.83 (m, 5H), 7.75-7.72 (t, J= 5.5 Hz, 3H), 7.68-7.66 (d, J= 9.2 Hz, 3H) 7.44- 7.43 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.26 (br, 1H), 6.99 (s, 1H), 4.96-4.95 (d, J= 4.1 Hz, 3H), 4.89-4.88 (d, J= 5.0 Hz, 3H), 4.54-4.50 (m, 5H), 4.24-4.22 (d, J= 8.4 Hz, 3H), 4.10-4.08 (m, 1H), 3.72 - 3.64 (m, 6H), 3.54-3.51 (m, 12H), 3.45 - 3.15 (m, 30H), 3.07 - 3.00 (m, 19H), 2.28-2.25 (t, J= 6.8 Hz, 6H), 2.05-2.01 (t, J= 7.1 Hz, 8H), 1.78 (s, 9H), 1.51-1.40 (m, 24H), 1.26 - 1.22 (m, 12H).
13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ176.41, 176.09, 173.98, 173.71, 129.37, 128.74, 102.65, 77.98, 76.11, 72.11, 70.10, 68.66, 62.80, 57.35, 54.97, 41.08, 37.90, 37.82, 37.65, 36.73, 30.66, 30.47, 30.37, 30.27, 29.97, 28.11, 27.08, 23.76, 23.11, 22.06.
【化62】
JP2016152980A1_000065t.gif

【0128】
化合物65の合成
トコフェロール(864 mL, 2.01 mmol)をアセトン(20 mL) で溶解させた。そこに6-ブロモ-1-へキサノール(816 μL 6.03 mmol)と炭酸カリウム(829 mg, 6.03 mmol)を加え、76 °Cでrefluxした。48時間後、TLCにて反応の終結を確認した後、アセトンを減圧留去した。得られた残渣を、蒸留水と酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させた。その後、エバポレーターにて減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane : EtOAc = 8:1)にて精製した。化合物65 (855 mg, 1.61 mmol, 80%)を黄色オイルで得た。
【化63】
JP2016152980A1_000066t.gif

【0129】
化合物66の合成
化合物65 (367 mg、0.69 mmol)をアルゴン雰囲気下、DMF(7 mL)で溶解させた。そこにトリフェニルホスフィン(239 mg、0.91 mmol)、アジ化ナトリウム(228 mg, 3.51 mmol)、 四臭化炭素 (348 mg, 1.05 mmol)を加え、よく携挫した。48時間後、TLC にて反応の終結を確認した後、蒸留水と酢酸エチルで抽出を行い、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させた。その後、エバポレーターにて減圧留去し、得られた残澄を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane : EtOAc = 200:1→100:1→50:1→20:1)にて精製した。化合物66 [4] (257mg, 0.46 mmol, 67%)を白色粉末で得た。

【化64】
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【0130】
Azide-KPFVYLIの合成
バイアル瓶にペプチドKPFVYLI (2.1 mg, 3 μmol) を入れ、HEPES buffer (250 μL, pH 8.5) に溶解させた。DMSO (25 μL) に溶解させた化合物30 (1.3 mg, 3 μmol) を加え、室温下撹拌を行った。析出した化合物30が溶解するまでMeCN (約100 μL) を加え、引き続き室温下で4時間撹拌を行った。TLC (展開溶媒CHCl3:MeOH = 1 : 1, 1% NH4OH, 検出UV及びニンヒドリン) にて反応の完結を確認後、溶媒を減圧溜去した。得られた残渣をMeCN/H2O=1:1混液(10 mL) にて洗浄した。遠心分離 (4300 rpm×15 min, 4℃) によって得られた沈殿より、azide-KPFVYLIを白色粉末として定量的に得た。
MALDI-TOF/MS calcd for C60H86N12O11 [M+H]+ 1151.7, found 1151.9.
【化65】
JP2016152980A1_000068t.gif

【0131】
Azide-CDGRの合成
ペプチドCDGR (13 mg, 30 μmol) 、化合物32 (17 mg, 45 μmol) を5 mLナスフラスコに入れ、MeCN (1 mL) 及びH2O (0.5 mL) にて溶解させた。TEA (6 μL) 及びTCEP・HCl (0.4 mg) を加えて8時間撹拌を行った。次に、HPLCにて精製を行った。
分取した溶液の溶媒を減圧溜去した。得られた残渣にMeCN を加えた後、超音波処理を行い、結晶を析出させた。遠心分離(4300 rpm×15 min, 4℃) によって得られた沈殿物より、azide-CDGR (3 mg, 4 μmol, 12%) を白色粉末として得た。
MALDI-TOF/MS calcd for C33H47N13O11S [M+H]+ 834.3, foundv 834.2
【化66】
JP2016152980A1_000069t.gif

【0132】
化合物19とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物19 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-GlcNCF3)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 6846.0, found 6843.5.
【化67】
JP2016152980A1_000070t.gif

【0133】
化合物38とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物38 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-Glc)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 6858.1, found 6857.9.
【化68】
JP2016152980A1_000071t.gif

【0134】
化合物50とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物50 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-G6Man)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 7026.1, found 7027.5.
【化69】
JP2016152980A1_000072t.gif

【0135】
化合物52とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物52 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-G6GlcCF3)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 7079.1, found 7075.2.
【化70】
JP2016152980A1_000073t.gif

【0136】
化合物53とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物53 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-G6GlcNH2)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 6857.1, found 6861.5.
【化71】
JP2016152980A1_000074t.gif

【0137】
化合物55とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物55 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-G6GlcNAc)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 7025.1, found 7031.0.
【化72】
JP2016152980A1_000075t.gif

【0138】
化合物56とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物56 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S3-G6GlcNAc_deAc)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 6899.1, found 6901.1.
【化73】
JP2016152980A1_000076t.gif

【0139】
化合物63とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S1 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物63 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S1-trisGlcNAc)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 8554.9, found 8551.4.
【化74】
JP2016152980A1_000077t.gif

【0140】
化合物64とRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S1 (0.5 mM solution in H2O, 1 μL, 0.5 nmol),化合物64 (5 mM solution in DMSO, 3 μL, 15 nmol)を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol)、硫酸銅5水和物 (25 mM solution in H2O, 1 μL, 25 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、37℃、15分間静置した。HPLCにて精製を行い、目的物(S1-trisGlcNAc_deAc)を得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 8176.8, found 8173.4.

【化75】
JP2016152980A1_000078t.gif

【0141】
Azide-RGDとRNAとのクリック反応
エッペンドルフチューブに、S3 (0.5 mM solution in H2O, 2 μL, 1 nmol),Azide-CRGD (15 mM solution in DMSO, 1 μL, 15 nmol),アセトニトリル (1.0 μL) を滅菌した1 M リン酸緩衝液 (pH 7.0) (1.0 μL) 、滅菌水 (3 μL) 加え、1分ほどボルテックスした。その後、アスコルビン酸ナトリウム (50 mM solution in H2O, 1 μL, 50 nmol)、硫酸銅5水和物 (50 mM solution in H2O, 1 μL, 50 nmol) を順次加え、1分ほどボルテックスし、室温下15分間静置した。反応液をAmicon Ultra (3K) を用いて遠心濾過 (15000 × g, 15 min, 4℃) し、目的のRGD-RNAを得た。
MALDI-TOF/MS calcd for 7277.2, found 7277.5.

【0142】
修飾RNA二本鎖の細胞への取り込み
糖もしくはRGDペプチド修飾RNAと5’末端フルオレセイン修飾RNAをPBSバッファー中でアニーリングを行い、二本鎖を形成させた。
修飾RNA二本鎖を終濃度400 nMになるようにOPTI-MEMに溶解し、HeLa細胞に添加した。ポジティブコントロールとして未修飾フルオレセインラベルRNA二本鎖(終濃度100 nM)をTransFast (Promega)を用いて導入したものを合わせて準備した。ネガティブコントロールとして未修飾フルオレセインラベルRNA二本鎖を終濃度400 nMになるようにOPTI-MEMに溶解し、HeLa細胞に添加したものを合わせて準備した。4時間後、共焦点顕微鏡(LSM 710, Carl Zeiss)を用いてHeLa細胞内への修飾RNA二本鎖の取り込みを観察した。

【0143】
結果を図5に示す。
ポジティブコントロールであるリポフェクション試薬を用いたフルオレセインラベルRNA二本鎖(X=dTdT)では細胞内にフルオレセインの緑色の蛍光が観察された。それに対し、ネガティブコントロールであるリポフェクション試薬を用いないフルオレセインラベルRNA二本鎖(X=dTdT)では細胞外にのみ緑色の蛍光が観察された。一方、糖もしくはペプチド修飾したRNA二本鎖を用いた場合には、ポジティブコントロールと同様に細胞内にも緑色の蛍光が観察された。このことから、糖もしくはペプチド修飾したRNA二本鎖はリポフェクション試薬なしでも細胞内に取り込まれることが分かった。

【0144】
参考文献
[1] a) J. Morel, Helv. Chim. Acta, 1958, 41, 1501-1504; b) S. Ogawa, H. Fujimori, T. Suami, Bull. Soc. Chim. Jpn., 1976, 49, 2585-2586.
[2] H. Y. Song, M. H. Ngai, Z. Y. Song, P. A. MacAry, J. Hobley and M. J. Lear, Org. Biomol. Chem., 2009, 7, 3400-3406.
[3] T. Machida, K. Lang, L. Xue, J. W. Chin and N. Winssinger, Bioconjugate Chem. 2015, 26, 802-806.
[4] L.-A. Jouanno, A. Chevalier, N. Sekkat, N. Perzo, H. Castel, A. Romieu, N. Lange, C. Sabot and P.-Y. Renard, J. Org. Chem., 2014, 79, 10353-10366.

【0145】
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、個別化医療への展開が期待されているRNA創薬等、核酸オリゴマーを用いた医療分野において有用な手段を提供することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4