TOP > 国内特許検索 > 蛋白質吸着抑制方法 > 明細書

明細書 :蛋白質吸着抑制方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成30年2月8日(2018.2.8)
発明の名称または考案の名称 蛋白質吸着抑制方法
国際特許分類 G01N  33/48        (2006.01)
FI G01N 33/48 A
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 18
出願番号 特願2017-500726 (P2017-500726)
国際出願番号 PCT/JP2016/054677
国際公開番号 WO2016/133152
国際出願日 平成28年2月18日(2016.2.18)
国際公開日 平成28年8月25日(2016.8.25)
優先権出願番号 2015031155
優先日 平成27年2月19日(2015.2.19)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】熊田 陽一
【氏名】川口 恭昂
【氏名】根本 あらんな
【氏名】中島 史雄
【氏名】坂元 伸行
出願人 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
Fターム 2G045AA13
2G045AA16
2G045AA22
2G045AA25
2G045BA11
2G045BA13
2G045BB42
2G045FA29
2G045FB01
2G045FB02
2G045FB03
2G045FB08
2G045FB12
2G045FB13
2G045FB15
2G045GC10
要約 新たな蛋白質の非特異的吸着抑制方法を提供する。
ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理し、ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理し、次に、処理した検体を処理した固相に添加することで、上記課題を解決できることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を含む蛋白質非特異的吸着抑制方法、
(i)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理する工程、及び
(ii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理し、さらに、該処理した検体を(i)で処理した固相に添加する工程、
又は、
(iii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理する工程、及び
(iv)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理し、さらに、(iii)で処理した検体を該処理した固相に添加する工程。

【請求項2】
前記ホスホリルコリン基含有ポリマーと前記ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せは、以下のいずれか1以上である請求項1に記載の蛋白質非特異的吸着抑制方法、
(1)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(2)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(3)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(4)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(5)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
並びに、
(6)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質の非特異的な吸着の抑制方法に関する。詳しくは、ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液及びホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液を使用する蛋白質吸着抑制方法に関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本特願2015-031155号優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査、診断薬の分野において、免疫反応を利用した測定方法が広く行われている。その中で、検査の高感度化が求められており、臨床検査、診断薬の感度向上は大きな課題になっている。高感度化のため、検出方式はペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼといった酵素反応を用いる方法から、蛍光や化学発光を用いる方法へと切り替わりつつある。検出方式を蛍光や化学発光とすることで、理論的には検査対象物質1分子の存在を確認できるといわれているが、実際には目的とする感度を得ることができていない。
【0003】
免疫反応を利用して測定する際の検出感度を左右する要因の一つとして、測定対象となる抗体、抗原もしくは測定に利用するこれらの標識体の免疫反応容器や固相表面への非特異的吸着が挙げられる。また、検体として血清、血漿、細胞抽出物および尿といった複数種の生体分子が共存する物質を用いた場合、各種蛋白質のような不特定多数の共存物質が免疫反応容器や固相表面へ非特異的に吸着することによるノイズの発生も、高感度化を妨げる要因となっている。
【0004】
これらの非特異的吸着を防止するために、従来から免疫反応に関与しないウシ血清アルブミン、カゼイン、ゼラチンといった生物由来の蛋白質を免疫反応容器や固相表面に吸着させることにより蛋白質の非特異的吸着を抑制する方法が用いられている。しかし、ウシ血清アルブミンのような生物由来の蛋白質を用いる場合、BSEに代表される生物汚染の問題、ロット間差、保管温度および使用期限などの制限があることから、これらの問題を解決できる化学合成品を主成分とする蛋白質非特異的吸着抑制剤の開発が望まれている。
【0005】
化学合成品を主成分とする蛋白質非特異的吸着抑制剤として、以下が開示されている。
特許文献1は、「ポリビニルアルコールを含むブロッキング剤」を開示している。特許文献2は、「2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体を含むタンパク質吸着防止剤」を開示している。
これらの方法は、固相表面へ蛋白質非特異的吸着抑制剤として化学合成品を物理吸着させることのみにより効果を発現させている。これらの手法は、ある程度、固相表面への非特異的吸着を回避することは可能だが、まだ十分ではなかった。さらに、本発明の検体処理液を開示又は示唆をしていない。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平4-19561号公報
【特許文献2】特開平7-83923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の通り、本発明の目的は、新たな蛋白質の非特異的吸着抑制方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理し、ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理し、次に、処理した検体を処理した固相に添加することで、上記課題を解決できることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.以下の工程を含む蛋白質非特異的吸着抑制方法、
(i)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理する工程、及び
(ii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理し、さらに、該処理した検体を(i)で処理した固相に添加する工程、
又は、
(iii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理する工程、及び
(iv)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理し、さらに、(iii)で処理した検体を該処理した固相に添加する工程。
2.前記ホスホリルコリン基含有ポリマーと前記ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せは、以下のいずれか1以上である前項1に記載の蛋白質非特異的吸着抑制方法、
(1)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(2)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(3)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(4)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
(5)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ、
並びに、
(6)構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組合せ。
【発明の効果】
【0009】
本発明の蛋白質非特異的吸着抑制方法は、使用した固相処理液及び検体処理液に含まれるポリマーが化学合成品でありながら高い蛋白質非特異的吸着抑制能を有する。したがって、ロット間差や生物汚染などといった問題を抱えながら使用され続けている生物由来の蛋白質非特異的吸着抑制剤の代替品として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の蛋白質非特異的吸着抑制方法(以後、「本発明の方法」と称する場合がある)は、以下の工程を含む。
(i)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理する工程、及び(ii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理し、さらに、該処理した検体を(i)で処理した固相に添加する工程、又は、
(iii)ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を処理する工程、及び(iv)ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液で固相を処理し、さらに、(iii)で処理した検体を該処理した固相に添加する工程。
以下、本発明の方法をさらに詳細に説明する。

【0011】
本発明の方法は、例えば、蛋白質、ポリペプチド、ステロイド、脂質、ホルモン等、更に具体的には、各種抗原、抗体、レセプター、酵素等を利用した酵素反応、又は、免疫グロブリンの抗原抗体反応を利用して測定する免疫学的測定法等において使用可能である。
具体的には、公知の放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、化学発光免疫法(CLIA)、ラテックス比濁法等、特に好ましくは酵素免疫測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、化学発光免疫法(CLIA)、ラテックス比濁法、ウェスタンブロッティング等に適用することができる。
これらの公知の免疫学的測定法において、固相表面に抗体あるいは抗原を結合させた後、抗体あるいは抗原が結合していない固相表面を、固相処理液で処理し、一方、検体処理液で検体を処理することにより、蛋白質の非特異的吸着を抑制する。

【0012】
本発明の「固相」とは、免疫反応を行う場所(反応容器)を意味する。特に、固相表面には、免疫反応に関与する酵素、抗体、抗原、ペプチド等が物理的吸着、化学結合、生物学的結合等により固定することができる。
固相の材質は特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ガラス、金属、セラミック、シリコンラバー、ポリフッ化ビニリデン膜(以下PVDF膜)、ナイロン膜、ニトロセルロース膜等を挙げることができる。それらの中でも、ポリスチレンとポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートが好ましく、特にポリスチレンが好ましい。また、これら材質の形状は、特に限定されるものではないが、試験管、タイタープレート、ラテックス、磁性微粒子等を挙げることができる。
本発明の「検体」とは、全血、血清、血漿、細胞抽出物、涙液、唾液、尿、糞便等といった複数種の生体分子が共存する試料を意味するが、特に限定されない。

【0013】
本発明の「固相処理液」とは、少なくとも、ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分として、固相を処理するため(特に、固相処理液を固相表面に接触させるため)の溶液である。本発明の固相処理液は、ホスホリルコリン基含有ポリマーを有すれば、特に、限定されないが、例えば以下のようなポリマーを1以上含有する。
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC:ホスホリルコリン基含有
ポリマー)
MPCとブチルメタクリレート(BMA:疎水基を持つポリマー)とグリセロールメタクリレート(Gr:水酸基を持つポリマー)の共重合体(MPC-BMA-Gr)
MPCとBMAとヒドロキシエチルメタクリレート(HMA:水酸基を持つポリマー)の共重合体(MPC-BMA-HMA)
MPCとGrの共重合体(MPC-Gr)
MPCとHMAの共重合体(MPC-HMA)
MPCとBMAの共重合体(MPC-BMA)
MPCとステアリルメタクリレート(SMA:疎水基を持つポリマー)の共重合体(MPC-SMA)
MPCとラウリルメタクリレート(LMA:疎水基を持つポリマー)の共重合体(MPC-LMA)
上記のホスホリルコリン基含有ポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~100%、好ましくは5~100%、より好ましくは20~80%である。
本発明の固相処理液の溶媒としては、免疫学的測定方法に使用することができる緩衝液や純水であれば全て用いることができる。例えばリン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、生理食塩水等を用いることができるが、特に限定されない。
加えて、本発明の固相処理液の濃度は、0.0125~5.0重量%(全ポリマーの重量で換算)であるのが好ましく、より好ましくは0.1~0.5重量%である。

【0014】
本発明の「検体処理液」とは、少なくとも、ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分として、検体を処理するための溶液である。検体を処理するとは、検体処理液で検体を希釈する、検体を検体処理液に添加する、検体処理液を検体に添加する等を意味する。
本発明の検体処理液は、ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを有すれば、特に、限定されないが、例えば以下のようなポリマーを1以上含有する。
MPCとBMAとGrの共重合体(MPC-BMA-Gr)
MPCとBMAとHMAの共重合体(MPC-BMA-HMA)
MPCとBMAとヒドロキシプロピルメタクリレート(HPM:水酸基を持つポリマー)の共重合体(MPC-BMA-HPM)
MPCとSMAとGrの共重合体(MPC-SMA-Gr)
MPCとSMAとHMAの共重合体(MPC-SMA-HMA)
MPCとSMAとHPMの共重合体(MPC-SMA-HPM)
MPCとLMAとGrの共重合体(MPC-LMA-Gr)
MPCとLMAとHMAの共重合体(MPC-LMA-HMA)
MPCとLMAとHPMの共重合体(MPC-LMA-HPM)
上記のホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~95%、好ましくは5~80%、より好ましくは10~60%である。
本発明の検体処理液の溶媒としては、免疫学的測定方法に使用することができる緩衝液や純水であれば全て用いることができる。例えばリン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、生理食塩水等を用いることができるが、特に限定されない。
加えて、本発明の検体処理液の濃度は、0.0125~5.0重量%(全ポリマーの重量で換算)であるのが好ましく、より好ましくは0.1~0.5重量%である。

【0015】
本発明の方法は、初めに、ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液を固相表面{免疫測定法用樹脂容器(タイタープレート等)}に添加する。より詳細には、固相処理液は、固相表面に抗体又は抗原を結合させた後に、該固相に添加する。一方、ホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液で検体を希釈し、該検体を処理した固相表面に添加する。より詳細には、検体処理液は、測定中に添加する試薬又は検体に添加しても良い。具体的には、検体処理液は、検出物質が含まれる血清、又は標識抗体若しくは標識抗原を含む試薬、又は、これら全てに添加して、混合する。さらに、検体である血清中の検出物質の固相への吸着が問題とならない場合においても、標識抗体又は標識抗原を添加する際に、検体処理液を混合しても良い。これらの操作により、検体中に含まれる目的以外の蛋白質(検出物質以外の蛋白質)の非特異的吸着を抑制できる

【0016】
固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマーと検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーの組み合わせとしては、具体的に以下のものを挙げることができるが、特に限定されない(左側のポリマーはホスホリルコリン基含有ポリマーであり、右側のポリマーはホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを示す)。
MPCとMPC-BMA-Gr
MPCとMPC-BMA-HMA
MPCとMPC-BMA-HPM
MPCとMPC-SMA-Gr
MPCとMPC-SMA-HMA
MPCとMPC-SMA-HPM
MPCとMPC-LMA-Gr
MPCとMPC-LMA-HMA
MPCとMPC-LMA-HPM
MPC-BMA-GrとMPC-BMA-Gr
MPC-BMA-GrとMPC-BMA-HMA
MPC-BMA-GrとMPC-BMA-HPM
MPC-BMA-GrとMPC-SMA-Gr
MPC-BMA-GrとMPC-SMA-HMA
MPC-BMA-GrとMPC-SMA-HPM
MPC-BMA-GrとMPC-LMA-Gr
MPC-BMA-GrとMPC-LMA-HMA
MPC-BMA-GrとMPC-LMA-HPM
MPC-BMA-HMAとMPC-BMA-Gr
MPC-BMA-HMAとMPC-BMA-HMA
MPC-BMA-HMAとMPC-BMA-HPM
MPC-BMA-HMAとMPC-SMA-Gr
MPC-BMA-HMAとMPC-SMA-HMA
MPC-BMA-HMAとMPC-SMA-HPM
MPC-BMA-HMAとMPC-LMA-Gr
MPC-BMA-HMAとMPC-LMA-HMA
MPC-BMA-HMAとMPC-LMA-HPM
MPC-GrとMPC-BMA-Gr
MPC-GrとMPC-BMA-HMA
MPC-GrとMPC-BMA-HPM
MPC-GrとMPC-SMA-Gr
MPC-GrとMPC-SMA-HMA
MPC-GrとMPC-SMA-HPM
MPC-GrとMPC-LMA-Gr
MPC-GrとMPC-LMA-HMA
MPC-GrとMPC-LMA-HPM
MPC-HMAとMPC-BMA-Gr
MPC-HMAとMPC-BMA-HMA
MPC-HMAとMPC-BMA-HPM
MPC-HMAとMPC-SMA-Gr
MPC-HMAとMPC-SMA-HMA
MPC-HMAとMPC-SMA-HPM
MPC-HMAとMPC-LMA-Gr
MPC-HMAとMPC-LMA-HMA
MPC-HMAとMPC-LMA-HPM
MPC-BMAとMPC-BMA-Gr
MPC-BMAとMPC-BMA-HMA
MPC-BMAとMPC-BMA-HPM
MPC-BMAとMPC-SMA-Gr
MPC-BMAとMPC-SMA-HMA
MPC-BMAとMPC-SMA-HPM
MPC-BMAとMPC-LMA-Gr
MPC-BMAとMPC-LMA-HMA
MPC-BMAとMPC-LMA-HPM
MPC-SMAとMPC-BMA-Gr
MPC-SMAとMPC-BMA-HMA
MPC-SMAとMPC-BMA-HPM
MPC-SMAとMPC-SMA-Gr
MPC-SMAとMPC-SMA-HMA
MPC-SMAとMPC-SMA-HPM
MPC-SMAとMPC-LMA-Gr
MPC-SMAとMPC-LMA-HMA
MPC-SMAとMPC-LMA-HPM
MPC-LMAとMPC-BMA-Gr
MPC-LMAとMPC-BMA-HMA
MPC-LMAとMPC-BMA-HPM
MPC-LMAとMPC-SMA-Gr
MPC-LMAとMPC-SMA-HMA
MPC-LMAとMPC-SMA-HPM
MPC-LMAとMPC-LMA-Gr
MPC-LMAとMPC-LMA-HMA
MPC-LMAとMPC-LMA-HPM
上記の固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~100%、好ましくは5~100%、より好ましくは20~80%である。MPC以外の共重合成分の組成比は、特に限定されないが、99~0%、好ましくは95~0%、より好ましくは80~20%である。
また、上記の検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~95%、好ましくは5~80%、より好ましくは10~60%である。MPC以外の共重合成分の組成比は、特に限定されないが、99~5%、好ましくは95~20%、より好ましくは90~40%である。

【0017】
固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマーと検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーのより好ましい組み合わせとしては、具体的に以下のものを挙げることができるが、特に限定されない。
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー、
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー、
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー、
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びブチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー、
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びグリセロールメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー、
構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基含有ポリマーと構成単位が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ブチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートであるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー

【0018】
上記の固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマーと検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーのより好ましい組み合わせにおいて、固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~99%、好ましくは5~99%、より好ましくは20~80%である。MPC以外の共重合成分の組成比は、特に限定されないが、99~1%、好ましくは95~1%、より好ましくは80~20%である。
また、上記の固相処理液の主成分であるホスホリルコリン基含有ポリマーと検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーのより好ましい組み合わせにおいて、検体処理液の主成分であるホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマー中のMPCの組成比(モル比)は、特に限定されないが、1~95%、好ましくは5~80%、より好ましくは10~60%である。MPC以外の共重合成分の組成比は、特に限定されないが、99~5%、好ましくは95~20%、より好ましくは90~40%である。

【0019】
本発明の方法は、より具体的には、例えば、各種免疫学的測定法で使用する固相表面に、酵素や抗体といった蛋白質あるいは抗原を結合させた後に、固相処理液で該固相表面を処理すれば良い。固相処理液で処理される固相表面として、例えば、ポリスチレン製プレートを使用する場合には、該プレートに蛋白質を物理吸着または化学結合させ、洗浄した後に、固相処理液を該固相に添加することによって、蛋白質非特異的吸着抑制効果を持つ固相表面を得ることができる。
さらに、蛋白質非特異的吸着抑制効果を持つ固相表面を用いて測定をおこなう際に、検体処理液での処理は、目的物質(検出物質)の含まれる血清、標識抗体または標識抗原、又はこれら全てと混合すれば良い。混合方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、検体処理液を、目的物質の含まれる血清、あるいは標識抗体または標識抗原を含む溶液に添加して、撹拌すれば良い。なお、検体処理液は、添加前に、自体公知の溶媒で希釈しても良い。
【実施例】
【0020】
以下の実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例の範囲に限定されない。
【実施例】
【0021】
(共重合体の合成)
本実施例で使用する高分子化合物及び比較例で使用する高分子化合物を合成した。具体的には、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とグリセロールメタクリレート(Gr)の共重合体(MPC-Gr)、MPCとGrとブチルメタクリレート(BMA)の共重合(MPC-BMA-Gr)、MPCとBMAとヒドロキシエチルメタクリレート(HMA)の共重合体(MPC-BMA-HMA)、MPCとHMAの共重合体(MPC-HMA)、及びMPCとBMAの共重合体(MPC-BMA)を合成した。
【実施例】
【0022】
詳しくは、以下の7種類の重合体1~6を合成した。
重合体1:MPC-BMA-Gr共重合体A(MPC/BMA/Gr=40/20/40=ホスホリルコリン基含有ポリマー/疎水基を持つポリマー/水酸基を持つポリマー)重量平均分子量100kDa
重合体2:MPC-BMA-Gr共重合体B(MPC/BMA/Gr=40/40/20=ホスホリルコリン基含有ポリマー/疎水基を持つポリマー/水酸基を持つポリマー)重量平均分子量100kDa
重合体3:MPC-BMA-HMA共重合体
(MPC/BMA/HMA=20/20/60=ホスホリルコリン基含有ポリマー/疎水基を持つポリマー/水酸基を持つポリマー)重量平均分子量1000kDa
重合体4:MPC-Gr共重合体(MPC/Gr=50/50=ホスホリルコリン基含有ポリマー/水酸基を持つポリマー)重量平均分子量300kDa
重合体5:MPC-HMA共重合体(MPC/HMA=70/30=ホスホリルコリン基含有ポリマー/水酸基を持つポリマー)重量平均分子量500kDa
重合体6:MPC-BMA共重合体(MPC/BMA=80/20=ホスホリルコリン基含有ポリマー/疎水基を持つポリマー)重量平均分子量600kDa
重合体7:MPC-BMA共重合体(MPC/BMA=30/70=ホスホリルコリン基含有ポリマー/疎水基を持つポリマー)重量平均分子量100kDa
(括弧内には各重合体の仕込み組成におけるモル比、及び、各基を持つポリマーが示されている。)
【実施例】
【0023】
各重合体のモノマーを重合容器に秤量した。反応溶媒としては、エタノールと水との混合溶媒を用い、総モノマー濃度が1.0mol/Lとなるように調整した。そして、秤量したモノマーに、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加した。重合開始剤の濃度は1mol%とした。
次に、重合容器内を十分に窒素置換した後に、重合容器を60℃で24時間保持することにより重合反応を行った。そして、得られた反応混合物を氷冷した後、ジエチルエーテルに滴下することによりポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、ジエチルエーテルで洗浄した後に、減圧乾燥させた。これにより、白色粉末状の各重合体が得られた。得られた各重合体は、純水に溶解させ、5重量%の水溶液として保存した。
得られた各重合体の元素分析を行ったところ、仕込み組成どおりの共重合体が得られていることを確認した。
【実施例】
【0024】
(蛋白質非特異的吸着抑制能測定方法)
合成した重合体1~7および部分けん化ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製)、牛血清アルブミン(BSA)をそれぞれダルベッコリン酸緩衝液(Sigma Aldrich社製、以下D-PBSとする)に1重量%となるように溶解して、各重合体を含む固相処理液及びコントロールであるBSA溶液、D-PBS溶液を作成した。
次に、1重量%に調製した各重合体を含む固相処理液、BSA溶液又はD-PBS溶液を、ポリカーボネート製96ウェルプレートに分注(300μL/well)し、25℃で3時間インキュベートした。さらに、インキュベート3時間後にアスピレーターで溶液を完全に除去し、D-PBSを 300μL/wellでの分注、除去を繰り返し、5回洗浄した。
擬似血清溶液として、ヒト血清アルブミン50mg/mL、Human IgG(ヒト免疫グロブリンG)を10mg/mLを含むD-PBS擬似血清溶液を調製した。
合成した重合体1~7および部分けん化ポリビニルアルコール、BSAの溶液もしくはD-PBSをそれぞれ終濃度1%含む、10%擬似血清溶液(検体処理液、コントロールである重合体4、重合体5、BSA溶液、又はD-PBS溶液を含む)を調製した。
各検体処理液を含む10%擬似血清溶液、コントロールである重合体4を含む10%擬似血清溶液、コントロールである重合体5を含む10%擬似血清溶液、コントロールであるBSA溶液を含む10%擬似血清溶液、又は、コントロールであるD-PBS溶液を含む10%擬似血清溶液をポリカーボネート製96ウェルプレートに分注(300μL/well)し、25℃で1時間インキュベートした。1時間後に、アスピレーターで溶液を完全に除去し、D-PBSを分注(300μL/well)、除去を繰り返し、5回洗浄した。
5000倍希釈したPOD-抗ヒトIgG抗体(ペルオキシターゼ標識抗ヒト免疫グロブリンG抗体、Rockland社製)を分注(100μL/well)し、25℃で1時間インキュベートした。1時間後にアスピレーターで溶液を完全に除去し、D-PBSを300μL/wellで分注、除去を繰り返し、5回洗浄した。洗浄後に、TMB Microwell Peroxidase Substrate(MOSS社製)を100μL/wellで加え、25℃で15分間反応させた。発色反応は0.3mol/Lの硫酸溶液を分注(100μL/well)することで停止させ、450nmの吸光度を測定し、吸着した蛋白質を検出した。
なお、使用した固相、固相処理液及び検体処理液の組合せは、以下の通りであった。
〔実施例1-1〕
固相に未処理のポリカーボネートを使用し、表1に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔実施例1-2〕
固相に未処理のポリスチレンを使用し、表2に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔実施例1-3〕
固相に未処理のポリメチルメタクリレートを使用し、表3に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔実施例1-4〕
固相にMaxisorp(Thermo Fishersientific社製)を使用し、表4に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔比較例1-1〕
固相に未処理のポリカーボネートを使用し、表1に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔比較例1-2〕
固相に未処理のポリスチレンを使用し、表2に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔比較例1-3〕
固相に未処理のポリメチルメタクリレートを使用し、表3に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
〔比較例1-4〕
固相にMaxisorp(Thermo Fishersientific社製)を使用し、表4に示す組み合わせで蛋白質吸着抑制能を測定した。
【実施例】
【0025】
実施例1-1、1-2、1-3、1-4及び比較例1-1、1-2、1-3、1-4の蛋白質非特異的吸着抑制能の測定結果を下記表1~表4に示す。
【実施例】
【0026】
【表1】
JP2016133152A1_000002t.gif
【実施例】
【0027】
【表2】
JP2016133152A1_000003t.gif
【実施例】
【0028】
【表3】
JP2016133152A1_000004t.gif
【実施例】
【0029】
【表4】
JP2016133152A1_000005t.gif
【実施例】
【0030】
上記表1~表4の蛋白質非特異的吸着抑制能の測定結果より、ホスホリルコリン基含有ポリマーを主成分とする固相処理液及びホスホリルコリン基と水酸基と疎水性基を合わせ持つポリマーを主成分とする検体処理液を使用する本発明の蛋白質非特異的吸着抑制方法は、使用した固相処理液及び検体処理液に含まれるポリマーが化学合成品でありながら高い蛋白質非特異的吸着抑制能を有することを確認した。
なお、比較例1-1-3、1-2-3、1-3-2、1-3-3、1-4-2及び1-4-3の蛋白質非特異的吸着抑制能が低いのは、検体処理液に疎水基を持つポリマーが含有していないからである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、新規な蛋白質非特異的吸着抑制方法を提供することができる。