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明細書 :白内障の予防剤および治療剤、ならびに、これらを製造するためのHIF経路阻害剤の使用

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-055925 (P2019-055925A)
公開日 平成31年4月11日(2019.4.11)
発明の名称または考案の名称 白内障の予防剤および治療剤、ならびに、これらを製造するためのHIF経路阻害剤の使用
国際特許分類 A61K  45/00        (2006.01)
A61P  27/12        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K   9/08        (2006.01)
A61P   3/10        (2006.01)
A61K  31/565       (2006.01)
A61K  31/416       (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI A61K 45/00 ZNA
A61P 27/12
A61P 43/00 111
A61K 9/08
A61P 3/10
A61K 31/565
A61K 31/416
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2017-181717 (P2017-181717)
出願日 平成29年9月21日(2017.9.21)
発明者または考案者 【氏名】沖 昌也
【氏名】金田 文人
【氏名】釜田 和馬
【氏名】▲高▼村 佳弘
【氏名】三宅 誠司
【氏名】稲谷 大
【氏名】内田 博之
出願人 【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査請求 未請求
テーマコード 4C076
4C084
4C086
Fターム 4C076AA12
4C076BB24
4C076CC10
4C076CC21
4C076CC29
4C084AA17
4C084MA17
4C084MA58
4C084NA14
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZC021
4C084ZC022
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC411
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC37
4C086DA09
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA58
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZC02
4C086ZC35
4C086ZC41
要約 【課題】新規な白内障の予防剤および治療剤、ならびに、これらを製造するためのHIF経路阻害剤の使用を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る白内障の予防剤または治療剤は、HIF経路阻害剤を有効成分として含んでいる。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
HIF経路阻害剤を有効成分として含んでいる、白内障の予防剤または治療剤。
【請求項2】
上記HIF経路阻害剤は、HIF-1α経路阻害剤である、請求項1に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【請求項3】
上記HIF経路阻害剤は、HIF-1α阻害剤である、請求項1または2に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【請求項4】
剤型が点眼剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【請求項5】
上記白内障は、糖尿病白内障である、請求項1~4のいずれか1項に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【請求項6】
白内障の予防剤または治療剤を製造するための、HIF経路阻害剤の使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、白内障の予防剤および治療剤、ならびに、これらを製造するためのHIF経路阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
白内障は、水晶体が混濁することによって、視力の低下が引き起こされる疾患である。白内障に罹患した水晶体は、一般的に、核、皮質または後嚢に白濁を生じる。白内障の種類には、加齢白内障、糖尿病白内障などが存在する。このうち罹患者数が最も多い加齢白内障は、加齢と共に有所見率が増加し、初期の混濁も含めると、日本国における60歳代の有所見率は66~85%、70歳代の有所見率は84~97%、80歳以上では100%に達する。これに対し、糖尿病白内障は60歳以下の罹患者が多く、若年層でも発症しうる疾患である。
【0003】
白内障への処置は、混濁の発生後における外科手術による治療が主であるが、予防剤または治療剤の投与も行われている。予防剤または治療剤の一例として、非特許文献1はグルタチオン、非特許文献2はピレノキシンを報告している。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Matensson.J et.al. (1989) Glutathione ester prevents buthionine sulfoximine-induced cataracts and lens epithelial cell damage, Proc Natl Acad Sci U S A, vol.86, pp.8727-8731.
【非特許文献2】Ciuffi.M et.al. (1999) Protective Effect of Pirenoxine and U74389F on Induced Lipid Peroxidation in Mammalian Lenses. An in vitro, ex vivo and in vivo study, EXPERIMENTAL EYE RESEARCH, vol.68, pp.347-359.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、白内障の予防または治療効果において、改善の余地を残していた。
【0006】
本発明の一態様は上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、新規な白内障の予防剤および治療剤、ならびに、これらを製造するためのHIF-1α経路阻害剤の使用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、HIF経路が白内障の予防または治療と密接に関わっていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成を包含している。
【0008】
<1>HIF経路阻害剤を有効成分として含んでいる、白内障の予防剤または治療剤。
【0009】
<2>上記HIF経路阻害剤は、HIF-1α経路阻害剤である、<1>に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【0010】
<3>上記HIF経路阻害剤は、HIF-1α阻害剤である、<1>または<2>に記載の白内障の予防剤または治療剤。
【0011】
<4>剤型が点眼剤である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の白内障の予防剤または治療剤。
【0012】
<5>上記白内障は、糖尿病白内障である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の白内障の予防剤または治療剤。
【0013】
<6>白内障の予防剤または治療剤を製造するための、HIF経路阻害剤の使用。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、新規な白内障の予防剤または治療剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、作用機序の例を表すモデル図である。活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している。
【図2】本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、他の作用機序の例を表すモデル図である。活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している。
【図3】本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、さらに他の作用機序の例を表すモデル図である。活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している。
【図4】本発明の実施例に係る白内障の予防剤または治療剤の、白内障に対する効果を示す顕微鏡像である。
【図5】本発明の他の実施例に係る白内障の予防剤または治療剤の、白内障に対する効果を示す顕微鏡像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。しかし本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示されている技術的手段を、適宜組み合わせて得られる実施形態および実施例も、本発明の技術的範囲に包含される。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。

【0017】
本明細書中、数値範囲に関して「A~B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。

【0018】
〔1.用語の定義〕
[白内障]
本明細書において「白内障」とは、水晶体に混濁を生じる疾患一般を意図する。白内障によって水晶体に生じる混濁には、例えば、皮質混濁、核混濁、後嚢下混濁、皮質スポーク状混濁、前嚢下混濁、線維ひだ、水隙、核周囲の徹照下点状混濁、水疱、点状混濁、冠状混濁などの類型がある。また、本明細書において「白内障」とは、加齢白内障の他に、併発白内障(糖尿病白内障、先天白内障、外傷性白内障、アトピー白内障、放射線白内障、ステロイド白内障など)などの病型を総称した疾患を意図する。

【0019】
本明細書において「糖尿病白内障」とは、血液中または血漿中のグルコース濃度が持続的に上昇している状態によって特徴づけられる疾患の罹患者において発症している、水晶体の混濁を意図する。一例において、上記疾患は、高血糖症または糖尿病である。一例において、上記糖尿病は、一型糖尿病または二型糖尿病である。糖尿病白内障においては、水晶体の皮質または後嚢下に混濁が生じることが多いことが大規模疫学調査で知られているが、混濁の生じる箇所はこれらに限定されない。

【0020】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、糖尿病白内障の予防または治療を目的として用いられることが好ましい。

【0021】
[予防剤]
本明細書において「予防剤」とは、予防効果をもたらす薬剤を意図する。予防効果とは、以下に例示される効果を意図するが、これらに限定されるものではない。
(1)予防剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の発症を防止する、またはリスクを低減する。
(2)予防剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の再発を防止する、またはリスクを低減する。
(3)予防剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の徴候が生じることを防止する、またはリスクを低減する。

【0022】
なお、上記疾患に係る1つ以上の症状は、全身的なものであってもよいし、局所的なものであってもよい。

【0023】
[治療剤]
本明細書において「治療剤」とは、治療効果をもたらす薬剤を意図する。治療効果とは、以下に例示される効果を意図するが、これらに限定されるものではない。
(1)治療剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の重症度を低減する。
(2)治療剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の重症度の増加、または進行を防止する。
(3)治療剤を投与しなかった場合と比較して、疾患に係る1つ以上の症状の重症度の増加速度、または進行速度を低減する。

【0024】
なお、上記疾患に係る1つ以上の症状は、全身的なものであってもよいし、局所的なものであってもよい。

【0025】
〔2.HIF経路阻害剤〕
[2-1.HIF経路阻害剤]
本明細書において、HIF経路とは、HIF(Hypoxia Inducible Factor;低酸素誘導因子)またはHIFを構成するサブユニットが関与している、シグナル伝達経路一般を意味する。ここで、HIFのファミリーには、HIF-1、HIF-2およびHIF-3が含まれる。また、HIFのサブユニットのファミリーには、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3αおよびHIF-3βが含まれる。したがって、一実施形態において、上記HIF経路は、上述したHIFおよびHIFのサブユニットのうち、1種以上が関与しているシグナル伝達経路である。

【0026】
本明細書において「HIF経路阻害剤」とは、HIF経路に関与する物質のうち1種以上に作用することによって、HIF経路を阻害する薬剤を意味する。したがって、HIF経路阻害剤が作用するのは、HIF(またはHIFのサブユニット)であっても、HIF経路においてHIFの上流にある物質であっても、HIF経路においてHIFの下流にある物質であってもよい。HIF経路阻害剤がHIF(またはHIFのサブユニット)以外の物質に作用する場合、当該物質は、活性化(促進)されることも、不活性化(抑制)されることもある。

【0027】
ある実施形態において、HIF経路阻害剤は、標的物質(HIF、HIFのサブユニット、またはHIF経路上の他の物質)と結合するなどして、「直接的に」HIFなどの機能を阻害する。他の実施形態において、HIF経路阻害剤は、標的物質(HIF、HIFのサブユニット、またはHIF経路上の他の物質)の機能に必要な物質を捕捉するなどして、「間接的に」HIFなどの機能を阻害する。

【0028】
好ましい実施形態において、上記HIF経路阻害剤は、HIF-1αが関与する経路を阻害する、HIF-1α経路阻害剤である。「HIF-1α経路」および「HIF-1α経路阻害剤」に関する説明は、上述のHIF経路およびHIF経路阻害剤に関する説明が援用される。

【0029】
より好ましい実施形態において、上記HIF経路阻害剤は、HIF-1αを阻害する、HIF-1α阻害剤である。HIF-1α阻害剤に関しては、〔3〕で詳述する。

【0030】
[2-2.HIFと白内障との関係]
次に、本発明が開示しようとする技術思想について、簡単に説明する。本発明者らは、従前、ガラクトース添加培地を用いたex vivo糖尿病白内障モデルを利用して、白内障を予防および/または治療する薬剤について、探求していた。そして、白内障の発症および/または進行に、HIF経路が関わっていることを、今回新たに見出した。

【0031】
そこで、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の推定作用機序について、図1~3に基づいて説明する。ただし、これらの推定作用機序は、あくまで例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。

【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、作用機序の例を表すモデル図である(活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している)。同図において、HIF経路阻害剤は、HIF-1αを阻害している。その結果、HIF-1αの下流において、c-Mycが活性化され、さらにTfrcが活性化され、最終的に細胞増殖に至る。この増殖した細胞が、アポトーシスによって発生した空隙を埋めることにより、水晶体の白濁が減少する(つまり、白内障が予防および/または治療される)。

【0033】
図2は、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、他の作用機序の例を表すモデル図である(活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している)。一般に、活性酸素種(ROS)は、HIF-1αを活性化させ、細胞増殖は抑制する(黒矢印)。しかし、HIF経路阻害剤がHIF-1αを阻害することにより、NF-κBの抑制が解除され、各種サイトカイン(Ndp、Ccl2、TGFβ、Timp1、Cnft1、Csf1、Cx3cl1、Tnfrsf12aなど)および成長因子(Efemp1、Hbegf、Pgfなど)が誘導される。結果として、細胞が増殖し、水晶体の白濁が減少する。

【0034】
図3は、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の、さらに他の作用機序の例を表すモデル図である(活性化を下線、不活性化を囲み文字で表している)。同図において、HIF経路阻害剤は、HIF-1αを阻害している。その結果、HIF-1αの下流において、ABHD5およびSirt1が活性化される。結果として、水晶体内におけるトリグリセリドの蓄積が緩和され、水晶体の白濁が減少する。

【0035】
以上に説明した推定作用機序では、いずれも、HIF-1αを抑制することにより、白内障が予防および/または治療されている。しかし[2-1]で説明した通り、上記推定作用機序において、HIF-1αの上流または下流の物質に作用する薬剤を、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の有効成分としてもよい。

【0036】
したがって、一実施形態において、上記白内障の予防剤または治療剤は、図1~3の推定作用機序に登場するタンパク質(c-Myc、Tfrc、NF-κB、ABHD5およびSirt1)、サイトカイン(Ndp、Ccl2、TGFβ、Timp1、Cntf1、Csf1、Cx3cl1およびTnfrsf12a)、ならびに成長因子(Efemp1、HbegfおよびPgf)のうち、1種以上を活性化する薬剤を有効成分として含んでいてよい。このような薬剤の例としては、Sirt1を活性化するレスベラトロール(resveratrol)が挙げられる。

【0037】
また、フィブラート薬、スタチン、ニコチン酸誘導体、多価不飽和脂肪酸などは、トリグリセリドの蓄積を抑制することが知られている。したがって、図3に表されている推定作用機序に基づけば、上記の物質も、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤の有効成分として用いることができる。

【0038】
〔3.HIF-1α阻害剤〕
本発明の好ましい実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、HIF-1α経路阻害剤を有効成分とする。より好ましくは、上記HIF-1α経路阻害剤は、HIF-1α阻害剤である。これは、HIFに関連するタンパク質の中では、HIF-1αが最も研究が進んでおり、主に癌治療の分野において、臨床段階にある、または、医薬品として承認を受けているHIF-1α阻害剤が多数存在するためである。

【0039】
本明細書において「HIF-1α阻害剤」とは、HIF-1αの機能を阻害する物質を意味する。上記HIF-1αは、ヒト由来のものであってもよいし、ヒト以外の生物(例えば、非ヒトである哺乳動物)由来のものであってもよい。上記HIF-1αは、ヒト由来のHIF-1αと比較して、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上、アミノ酸レベルでの同一性を有していてよい。

【0040】
ある実施形態において、HIF-1α阻害剤は、HIF-1αと結合するなどして、「直接的に」HIF-1αの機能を阻害する。他の実施形態において、HIF-1α阻害剤は、HIF-1αの機能に必要な物質を捕捉するなどして、「間接的に」HIF-1αの機能を阻害する。

【0041】
HIF-1α阻害剤の具体例としては、以下の物質が挙げられる。なお、特記のない限り、括弧内は物質のIUPAC名である。
・YC-1([5-(1-benzylindazol-3-yl)furan-2-yl]methanol)
・2-Methoxyestradiol((17β)-2-Methoxyestra-1,3,5(10)-triene-3,17-diol)
・Chrysin(5,7-Dihydroxyflavone)
・CAY10585(Methyl 3-({[4-(adamantan-1-yl)phenoxy]acetyl}amino)-4-hydroxybenzoate)
・Dimethyl-bisphenol A(4,4'-(2,2-Propanediyl)diphenol)
・BAY87-2243(1-cyclopropyl-4-[4-[[5-methyl-3-[3-[4-(trifluoromethoxy)phenyl]-1,2,4-oxadiazol-5-yl]-1H-pyrazol-1-yl]methyl]-2-pyridinyl]-piperazine)
・KC7F2(3,3'-(Disulfanediyldi-2,1-ethanediyl)bis(2,5-dichlorobenzenesulfonamide))
・Echinomycin(N-[(1R,4S,7R,11S,14R,17S,20R,24S)-2,4,12,15,17,25-hexamethyl-29-methylsulfanyl-3,6,10,13,16,19,23,26-octaoxo-11,24-di(propan-2-yl)-7-(quinoxaline-2-carbonylamino)-9,22-dioxa-28-thia-2,5,12,15,18,25-hexazabicyclo[12.12.3]nonacosan-20-yl]quinoxaline-2-carboxamide)
・gn44028(N-(2,3-Dihydro-1,4-benzodioxin-6-yl)-1,4-dihydroindeno[1,2-c]pyrazol-3-amine)
・TAT-cyclo-CLLFVY(ペプチド;CAS番号:1446322-66-2;配列番号1、2)
・PX12(2-(sec-Butyldisulfanyl)-1H-imidazole)
・VH-298((2S,4R)-1-((S)-2-(1-cyanocyclopropanecarboxamido)-3,3-dimethylbutanoyl)-4-hydroxy-N-(4-(4-methylthiazol-5-yl)benzyl)pyrrolidine-2-carboxamide)
・GL331((5S,5aS,8aR,9R)-9-(4-hydroxy-3,5-dimethoxyphenyl)-5-(4-nitroanilino)-5a,6,8a,9-tetrahydro-5H-[2]benzofuro[5,6-f][1,3]benzodioxol-8-one)
・FK228((1S,4S,7Z,10S,16E,21R)-7-ethylidene-4,21-di(propan-2-yl)-2-oxa-12,13-dithia-5,8,20,23-tetrazabicyclo[8.7.6]tricos-16-ene-3,6,9,19,22-pentone)
・Topotecan((S)-10-[(dimethylamino)methyl]-4-ethyl-4,9-dihydroxy-1H-pyrano[3',4':6,7]indolizino[1,2-b]quinoline-3,14(4H,12H)-dione monohydrochloride)
・Taxol((-)-(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)-4,10-Diacetoxy-2-benzoyloxy-5,20-epoxy-1,7-dihydroxy-9-oxotax-11-en-13-yl(2R,3S)-3-benzoylamino-2-hydroxy-3-phenylpropionate)
・Vincristine((3aR,3a1R,4R,5S,5aR,10bR)-methyl 4-acetoxy-3a-ethyl-9-((5S,7S,9S)-5-ethyl-5-hydroxy-9-(methoxycarbonyl)-2,4,5,6,7,8,9,10-octahydro-1H-3,7-methano[1]azacycloundecino[5,4-b]indol-9-yl)-6-formyl-5-hydroxy-8-methoxy-3a,3a1,4,5,5a,6,11,12-octahydro-1H-indolizino[8,1-cd]carbazole-5-carboxylate)
・CCI-779((1R,2R,4S)-4-{(2R)-2-[(3S,6R,7E,9R,10R,12R,14S,15E,17E,19E,21S,23S,26R,27R,34aS)-9,27-dihydroxy-10,21-dimethoxy-6,8,12,14,20,26-hexamethyl-1,5,11,28,29-pentaoxo-1,4,5,6,9,10,11,12,13,14,21,22,23,24,25,26,27,28,29,31,32,33,34,34a-tetracosahydro-3H-23,27-epoxypyrido[2,1-c][1,4]oxazacyclohentriacontin-3-yl]propyl}-2-methoxycyclohexyl 3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)-2-methylpropanoate)
・RAD001(dihydroxy-12-[(2R)-1-[(1S,3R,4R)-4-(2-hydroxyethoxy)-3-methoxycyclohexyl]propan-2-yl]-19,30-dimethoxy-15,17,21,23,29,35-hexamethyl-11,36-dioxa-4-azatricyclo[30.3.1.04,9]hexatriaconta-16,24,26,28-tetraene-2,3,10,14,20-pentone)
・Imatinib(4-(4-Methylpiperazin-1-ylmethyl)-N-[4-methyl-3-(4-pyridin-3-ylpyrimidin-2-ylamino)phenyl]benzamide monomethanesulfonate)
・Erlotinib(N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)quinazolin-4-amine)
・Gefinitib(N-(3-chloro-4-fluoro-phenyl)-7-methoxy-6-(3-morpholin-4-ylpropoxy)quinazolin-4-amine)
・Cetuximab(抗体;CAS番号205923-56-4;重鎖は配列番号3、軽鎖は配列番号4(いずれの配列も、出典:https://www.ebi.ac.uk/chembl/compound/inspect/CHEMBL1201577(2017年9月4日閲覧)))
・103D5R(PubChem CID:11267663)
・Radicicol((1aR,2E,4E,14R,15aR)-8-chloro-9,11-dihydroxy-14-methyl-1a,14,15,15a-tetrahydro-6H-oxireno[e][2]benzoxacyclotetradecine-6,12(7H)-dione)
・17AAG([(3S,5S,6R,7S,8E,10R,11S,12E,14E)-21-(allylamino)-6-hydroxy-5,11-dimethoxy-3,7,9,15-tetramethyl-16,20,22-trioxo-17-azabicyclo[16.3.1]docosa-8,12,14,18,21-pentaen-10-yl]carbamate)
・KF58333(PubChem CID:9690135)
・SCH66336(4-(2-{4-[(11R)-3,10-dibromo-8-chloro-6,11-dihydro-5H-benzo[5,6]cyclohepta[1,2-b]pyridin-11-yl]piperidin-1-yl}-2-oxoethyl)piperidine-1-carboxamide)
・Novobiocin([(3R,4S,5R,6R)-5-hydroxy-6-[4-hydroxy-3-[[4-hydroxy-3-(3-methylbut-2-enyl)benzoyl]amino]-8-methyl-2-oxochromen-7-yl]oxy-3-methoxy-2,2-dimethyloxan-4-yl] carbamate)
・PX-478(4-[Bis(2-chloroethyl)nitroryl]phenylalanine dihydrochloride)
・Pleurotin(PubChem CID:13994131)
・Actinomycin D(2-amino-N,N'-bis[(6S,9R,10S,13R,18aS)-6,13-diisopropyl-2,5,9-trimethyl-1,4,7,11,14-pentaoxohexadecahydro-1H-pyrrolo[2,1-i][1,4,7,10,13]oxatetraazacyclohexadecin-10-yl]-4,6-dimethyl-3-oxo-3H-phenoxazine-1,9-dicarboxamide)
・Glucosylceramide(N-[(2S,3R,4E)-1-(β-D-Glucopyranosyloxy)-3-hydroxy-4-octadecen-2-yl]icosanamide)
・cycloheximide(4-[(2R)-2-[(1S,3S,5S)-3,5-Dimethyl-2-oxocyclohexyl]-2-hydroxyethyl]piperidine-2,6-dione)
・nsc-606985(PubChem CID:3246702)
・nsc-639174(PubChem CID:3246719)
・DX 52-1(CAS番号:96251-59-1)
・Vitexin((1S)-1,5-Anhydro-1-[5,7-dihydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)-4-oxo-4H-chromen-8-yl]-D-glucitol)
・Daprodustat(N-[(1,3-Dicyclohexyl-2,4,6-trioxohexahydro-5-pyrimidinyl)carbonyl]glycine)
・Apigenin(5,7-Dihydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)-4H-chromen-4-one)
・DMOG(2-(carboxymethylamino)-2-oxoacetic acid)
・Molidustat(2-[6-(4-Morpholinyl)-4-pyrimidinyl]-4-(1H-1,2,3-triazol-1-yl)-1,2-dihydro-3H-pyrazol-3-one)
・FG-2216(2-[(1-chloro-4-hydroxyisoquinoline-3-carbonyl)amino]acetic acid)
・MK-8617(N-[Bis(4-methoxyphenyl)methyl]-4-hydroxy-2-(pyridazin-3-yl)pyrimidine-5-carboxamide)
・IOX2(2-[(1-benzyl-4-hydroxy-2-oxoquinoline-3-carbonyl)amino]acetic acid)
・PX-12(2-(butan-2-yldisulfanyl)-1H-imidazole)
・Roxadustat(N-[(4-Hydroxy-1-methyl-7-phenoxy-3-isoquinolinyl)carbonyl]glycine)
・TC-S 7009(N-(3-Chloro-5-fluorophenyl)-4-nitro-2,1,3-benzoxadiazol-5-amine)
・17-AG([(3R,5R,6R,7S,8E,10S,11R,12Z,14E)-21-amino-6-hydroxy-5,11-dimethoxy-3,7,9,15-tetramethyl-16,20,22-trioxo-17-azabicyclo[16.3.1]docosa-1(21),8,12,14,18-pentaen-10-yl] carbamate)
・17-DMAG([(3R,5S,6R,7S,8E,10S,11S,12Z,14E)-21-[2-(dimethylamino)ethylamino]-6-hydroxy-5,11-dimethoxy-3,7,9,15-tetramethyl-16,20,22-trioxo-17-azabicyclo[16.3.1]docosa-1(21),8,12,14,18-pentaen-10-yl] carbamate)
・Acriflavine(acridine-3,6-diamine;10-methylacridin-10-ium-3,6-diamine;chloride)
・Aminoflavone(5-Amino-2-(4-amino-3-fluorophenyl)-6,8-difluoro-7-methyl-4H-1-benzopyran-4-one)
・Temozolomide(3-methyl-4-oxoimidazo[5,1-d][1,2,3,5]tetrazine-8-carboxamide)
・Bortezomib([(1R)-3-methyl-1-[[(2S)-3-phenyl-2-(pyrazine-2-carbonylamino)propanoyl]amino]butyl]boronic acid)
・Camptothecin((S)-4-ethyl-4-hydroxy-1H-Pyrano(3',4':6,7)indolizino(1,2-b)quinoline-3,14(4H,12H)-dione)
・CLT003([2,6-Diisopropylphenyl])-5-amino-1 H-isoindole1 ,3- dione)
・Cucurbitacin-B([(E,6R)-6-[(2S,8S,9R,10R,13R,14S,16R,17R)-2,16-dihydroxy-4,4,9,13,14-pentamethyl-3,11-dioxo-2,7,8,10,12,15,16,17-octahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]-6-hydroxy-2-methyl-5-oxohept-3-en-2-yl] acetate)
・Cyclo-CLLFVY(配列番号5;[Miranda E et al. (2013) "A Cyclic Peptide Inhibitor of HIF-1 Heterodimerization That Inhibits Hypoxia Signaling in Cancer Cells", Jounal of the American Chemical Society, Vol.135(Issue 28) pp.10418-10425]を参照)
・Cyclo-CLLRMY(配列番号6;[Miranda E et al., Op. cit.]を参照)
・Cyclo-CRLMVL(配列番号7;[Miranda E et al., Op. cit.]を参照)
・Daunorubicin((7S,9S)-9-acetyl-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-amino-5-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-6,9,11-trihydroxy-4-methoxy-8,10-dihydro-7H-tetracene-5,12-dione)
・Digoxin (3-[(3S,5R,8R,9S,10S,12R,13S,14S,17R)-3-[(2R,4S,5S,6R)-5-[(2S,4S,5S,6R)-5-[(2S,4S,5S,6R)-4,5-dihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-4-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-4-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-12,14-dihydroxy-10,13-dimethyl-1,2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,15,16,17-tetradecahydrocyclopenta[a]phenanthren-17-yl]-2H-furan-5-one)
・Doxorubicin ((7S,9S)-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-amino-5-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-6,9,11-trihydroxy-9-(2-hydroxyacetyl)-4-methoxy-8,10-dihydro-7H-tetracene-5,12-dione)
・ENMD-1198((13R)-2-methoxy-13-methyl-7,8,9,11,12,13,14,15-octahydro-6H-cyclopenta[a]phenanthrene-3-carboxamide)
・ENMD-1200([Georgina N et al. (2015) "HIF-1α pathway: role, regulation and intervention for cancer therapy", Acta Pharmaceutica Sinica B, Vol.5(Issue 5), p.378-389]を参照)
・ENMD-1237([Georgina N et al., Op. cit.]を参照)
・Epirubicin((7S,9S)-7-[(2R,4S,5R,6S)-4-amino-5-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-6,9,11-trihydroxy-9-(2-hydroxyacetyl)-4-methoxy-8,10-dihydro-7H-tetracene-5,12-dione)
・EZN-2208([Georgina N et al., Op. cit.]を参照)
・FM19G11([2-(4-methylphenyl)-2-oxoethyl] 3-[(2,4-dinitrobenzoyl)amino]benzoate)
・Geldanamycin([(3R,5S,6R,7S,8E,10S,11S,12Z,14E)-6-hydroxy-5,11,21-trimethoxy-3,7,9,15-tetramethyl-16,20,22-trioxo-17-azabicyclo[16.3.1]docosa-1(21),8,12,14,18-pentaen-10-yl] carbamate)
・Idarubicin((7S,9S)-9-acetyl-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-amino-5-hydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-6,9,11-trihydroxy-8,10-dihydro-7H-tetracene-5,12-dione)
・Irinotecan([1,4’-bipiperidine]-1’-carboxylicacid, (4S)-4,11-diethyl-3,4,12,14- tetrahydro-4-hydroxy-3,14-dioxo- 1H-pyrano[3’,4’:6,7]indolizino[1,2-b] quinolin-9-yl ester, monohydrochloride)
・Laurenditerpenol((1S)-3-methyl-6-[4-[(2R,3R,4S)-1,2,4-trimethyl-7-oxabicyclo[2.2.1]heptan-3-yl]butan-2-yl]cyclohex-2-en-1-ol)
・LW6(3-(2-(4-Adamantan-1-yl-phenoxy)-acetylamino)-4-hydroxybenzoic acid methyl ester)
・NSC-134754(3-ethyl-9,10-dimethoxy-2-(1,2,3,4-tetrahydroisoquinolin-1-ylmethyl)-4,6,7,11b-tetrahydro-1H-benzo[a]quinolizine;hydrobromide)
・Ouabain(3-[(1R,3S,5S,8R,9S,10R,11R,13R,14S,17R)-1,5,11,14-tetrahydroxy-10-(hydroxymethyl)-13-methyl-3-[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-2,3,4,6,7,8,9,11,12,15,16,17-dodecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-17-yl]-2H-furan-5-one)
・PD-184161(5-bromo-2-(2-chloro-4-iodoanilino)-N-(cyclopropylmethoxy)-3,4-difluorobenzamide)
・Proscillaridin(5-[(3S,8R,9S,10R,13R,14S,17R)-14-hydroxy-10,13-dimethyl-3-[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy-1,2,3,6,7,8,9,11,12,15,16,17-dodecahydrocyclopenta[a]phenanthren-17-yl]pyran-2-one)
・EZN-2968(HIF1a anti-sense oligonucleotide)([Greenberger LM (2008) "A RNA antagonist of hypoxia-inducible factor-1α, EZN-2968, inhibits tumor cell growth", Molecular Cancer Therapeutics, Vol.7(Issue 11), pp.3598-3608];配列番号8)
・Q6(2-[(2E,6E,10E,14E,18E)-3,7,11,15,19,23-hexamethyltetracosa-2,6,10,14,18,22-hexaenyl]-5,6-dimethoxy-3-methylcyclohexa-2,5-diene-1,4-dione)
・Q39((3-(4-bromophenyl)-2-(ethylsulfonyl)-6-methylquinoxaline 1,4-dioxide)
・SN-38(4,11-Diethyl-4,9-dihydroxy-1H-pyrano[3',4':6,7]indolizino[1,2-b]quinoline-3,14(4H,12H)-dione)
・SR16388(3-(carboxymethyl)-3-hydroxypentanedioic acid;(7R,8S,9S,13S,14S,17E)-17-[2-[2-(dimethylamino)ethoxy]ethylidene]-7,13-dimethyl-7,8,9,11,12,14,15,16-octahydro-6H-cyclopenta[a]phenanthren-3-ol)
・Vorinostat(N'-hydroxy-N-phenyloctanediamide)
・Perifosine((1,1-dimethylpiperidin-1-ium-4-yl) octadecyl phosphate)
・NSC644221(N-[2-(dimethylamino)ethyl]-9-nitrodibenzo-p-dioxin-1-carboxamide;hydrochloride)
・PD98059(2-(2-amino-3-methoxyphenyl)chromen-4-one)
・Miltefosine(hexadecyl 2-(trimethylazaniumyl)ethyl phosphate)
・Romidepsin((1S,4S,7Z,10S,16E,21R)-7-ethylidene-4,21-di(propan-2-yl)-2-oxa-12,13-dithia-5,8,20,23-tetrazabicyclo[8.7.6]tricos-16-ene-3,6,9,19,22-pentone)
・LY294002(2-Morpholin-4-yl-8-phenylchromen-4-one)
・Wortmannin((1R,3R,5S,9R,18S)-18-(Methoxymethyl)-1,5-dimethyl-6,11,16-trioxo-13,17-dioxapentacyclo[10.6.1.02,10.05,9015,19]-nonadeca-2(10),12(19),14-trien-3-yl-aceta)
・NSC686288(5-Amino-2-(4-amino-3-fluorophenyl)-6,8-difluoro-7-methyl-4H-chromen-4-one)
・Temsirolimus((1R,2R,4S)-4-{(2R)-2-[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,35R)-1,18-Dihydroxy-19,30-dimethoxy-15,17,21,23,29,35-hexamethyl-2,3,10,14,20-pentaoxo-11,36-dioxa-4-azatricyclo[30.3.1.04,9] hexatriaconta-16,24,26,28-tetraen-12-yl]propyl}-2-methoxycyclohexyl 3-hydroxy-2-(hydroxymethyl)-2-methylpropanoate)
・Everolimus((1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-Dihydroxy-12-{(2R)-1-[(1S,3R,4R)-4-(2-hydroxyethoxy)-3-methoxycyclohexyl]propan-2-yl}-19,30-dimethoxy-15,17,21,23,29,35-hexamethyl-11,36-dioxa-4-azatricyclo[30.3.1.04,9]hexatriaconta-16,24,26,28-tetraene-2,3,10,14,20-pentone)
・Rapamycin((3S,6R,7E,9R,10R,12R,14S,15E,17E,19E,21S,23S,26R,27R,34aS)-9,10,12,13,14,21,22,23,24,25,26,27,32,33,34,34a-hexadecahydro-9,27-dihydroxy-3-[(1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethyl]-10,21-dimethoxy-6,8,12,14,20,26-hexamethyl-23,27-epoxy-3H-pyrido[2,1-c][1,4]-oxaazacyclohentriacontine-1,5,11,28,29(4H,6H,31H)-pentone))
・Cyclosporine A((3S,6S,9S,12R,15S,18S,21S,24S,30S,33S)-30-ethyl-33-[(E,1R,2R)-1-hydroxy-2-methylhex-4-enyl]-1,4,7,10,12,15,19,25,28-nonamethyl-6,9,18,24-tetrakis(2-methylpropyl)-3,21-di(propan-2-yl)-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-undecazacyclotritriacontane-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-undecone)
・pseudolaric acid B((2E,4E)-5-[(1R,7S,8R,9R)-4,7-Bis(methoxycarbonyl)-9-methyl-11-oxo-10-oxatricyclo[6.3.2.01,7]tridec-3-en-9-yl]-2-methyl-2,4-pentadienoic acid)
・Genistein(5,7-dihydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)chromen-4-one)
・Fludarabine((2R,3S,4S,5R)-2-(6-amino-2-fluoropurin-9-yl)-5-(hydroxymethyl)oxolane-3,4-diol)。

【0042】
上記に例示したHIF-1α阻害剤のうち、2-Methoxyestradiol、BAY87-2243、PX-478、Daprodustat、Molidustat、FG-2216およびRoxadustatは、医薬品として臨床段階にある。したがって、人体への悪影響の少なさからは、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、上記の物質のうち1種以上を有効成分として含むことが好ましい。

【0043】
一実施形態において、上記HIF-1α阻害剤は、上述した物質の誘導体または塩であってもよい。上述した物質の誘導体または塩を用いることにより、(1)白内障の予防効果および/または治療効果を増大させられる、(2)被験体に対する安全性を向上させられる、(3)扱いやすい物質を用いて製剤できる、などの効果を得ることができる。

【0044】
本明細書において、「誘導体」とは、特定の化合物に関して、当該化合物の分子内の一部を、他の官能基または他の原子と置換することにより生じる化合物群を意図する。

【0045】
他の官能基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、ニトロ基などが挙げられる。他の原子の例としては、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ハロゲン原子などが挙げられる。

【0046】
本明細書において、「塩」とは、被験体に投与することが生理学的に許容されうる塩を意図する。塩の例としては、アルカリ金属塩(カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、有機塩基塩(トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩など)、有機酸塩(酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、蟻酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩など)、無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)が挙げられる。

【0047】
上述した阻害剤は、公知の手法にしたがって製造することができる。また、上述した阻害剤として、市販のものを用いてもよい。

【0048】
〔4.白内障の予防剤または治療剤〕
[4-1.投与形態および剤型]
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、被験体に対して投与される。一実施形態において、上記被験体は、ヒトである。他の実施形態において、上記被験体は、ヒト以外の動物である。ヒト以外の動物の例としては、ヒト以外の哺乳類(ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラットなど)が挙げられる。

【0049】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、任意の投与経路によって被験体に投与され得る。投与経路の例としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、経粘膜投与、経静脈投与が挙げられる。

【0050】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、上述の投与経路に応じた剤型を取ってよい。したがって、上記白内障の予防剤または治療剤の剤型は、内服薬、外用薬、注射剤、坐剤、吸入剤、点眼剤などでありうる。

【0051】
上述した投与経路の中でも、非経口投与が好ましく、点眼投与、結膜嚢内投与、硝子体内投与、結膜下投与、および、テノン嚢下投与がより好ましく、点眼投与がさらに好ましい。したがって、上述した剤型の中でも、点眼剤または注射剤が好ましく、点眼剤がより好ましい。点眼剤が好ましい理由としては、例えば、以下の事項が挙げられる。(1)有効成分を水晶体に送達するまでの経路が短い。(2)他の器官を刺激しにくい。(3)侵襲がほとんどない。(4)全身への影響が小さい(点眼後の涙点圧迫により、さらに全身への影響を抑えることができる)。(5)投与が簡便である。(6)反復投与が可能である。(7)患者が自己管理できる。

【0052】
上記の投与経路および剤型であれば、白内障の予防効果または治療効果を、より迅速に得ること、より増大させることなどが期待できる。

【0053】
[4-2.含有成分]
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、有効成分としてHIF経路阻害剤を含んでいる。本明細書において、「有効成分」とは、1つ以上の症状に対して予防効果または治療効果をもたらすことのできる物質を意図する。上記白内障の予防剤または治療剤に含まれる有効成分は、1種類であっても、2種類以上であってもよい。

【0054】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤に含まれるHIF経路阻害剤の濃度は、当該HIF阻害剤の種類、予防剤または治療剤の投与経路、予防剤または治療剤の剤型などに応じて適宜設定される。

【0055】
一例において、予防剤または治療剤におけるHIF経路阻害剤の濃度の下限は、0.001μM以上、0.002μM以上、0.005μM以上、0.01μM以上、0.02μM以上、0.05μM以上、0.1μM以上、0.2μM以上、0.5μM以上、1μM以上、2μM以上、3μM以上、4μM以上、5μM以上、6μM以上、7μM以上、8μM以上、9μM以上、10μM以上、20μM以上、30μM以上、40μM以上、50μM以上、60μM以上、70μM以上、80μM以上、90μM以上、100μM以上、200μM以上、300μM以上、400μM以上、500μM以上、または、1000μM以上である。

【0056】
一例において、予防剤または治療剤におけるHIF経路阻害剤の濃度の上限は、0.01μM以下、0.02μM以下、0.05μM以下、0.1μM以下、0.2μM以下、0.5μM以下、1μM以下、2μM以下、3μM以下、4μM以下、5μM以下、6μM以下、7μM以下、8μM以下、9μM以下、10μM以下、20μM以下、30μM以下、40μM以下、50μM以下、60μM以下、70μM以下、80μM以下、90μM以下、100μM以下、200μM以下、300μM以下、400μM以下、500μM以下、1000μM以下、2000μM以下、または、5000μM以下である。

【0057】
一例において、上記阻害剤の濃度は、0.001μM~5000μM、0.001~0.01μM、0.002~0.02μM、0.005~0.05μM、0.01~0.1μM、0.02~0.2μM、0.05~0.5μM、0.1~1μM、0.2~2μM、0.3~3μM、0.4~4μM、0.5~5μM、0.6~6μM、0.7~7μM、0.8~8μM、0.9~9μM、1~10μM、2~20μM、3~30μM、4~40μM、5~50μM、6~60μM、7~70μM、8~80μM、9~90μM、10~100μM、20~200μM、30~300μM、40~400μM、50~500μM、60~600μM、70~700μM、80~800μM、90~900μM、100~1000μM、200~2000μM、または、500~5000μMである。

【0058】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、有効成分以外の成分を含有していてもよい。

【0059】
上記阻害剤以外の成分としては、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、防腐剤、抗酸化剤、高分子量重合体、賦形剤、担体、希釈剤、溶媒、可溶化剤、安定剤、充填剤、結合剤、界面活性剤などを挙げることができる。

【0060】
緩衝剤の例としては、リン酸、リン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酢酸、酢酸塩、炭酸、炭酸塩、酒石酸、酒石酸塩、ε-アミノカプロン酸、トロメタモールなどが挙げられる。リン酸塩の例としては、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなどが挙げられる。ホウ酸塩の例としては、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、および、ホウ酸カリウムなどが挙げられる。クエン酸塩の例としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウムなどが挙げられる。酢酸塩の例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが挙げられる。炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。酒石酸塩の例としては、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムなどが挙げられる。

【0061】
pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。

【0062】
等張化剤の例としては、イオン性等張化剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)、および、非イオン性等張化剤(グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトールなど)が挙げられる。

【0063】
防腐剤の例としては、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム臭化物、ベンゼトニウム塩化物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノールなどが挙げられる。

【0064】
抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、トコフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。

【0065】
高分子量重合体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、アテロコラーゲンなどが挙げられる。

【0066】
HIF阻害剤の吸収率を上げるため、本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、アテロコラーゲンを含んでいることが好ましい。

【0067】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤に含まれる有効成分以外の成分の濃度は、特に限定されない。一例において、上記阻害剤以外の成分の濃度は、0μM、0.001μM~5000μM、0.001~0.01μM、0.002~0.02μM、0.005~0.05μM、0.01~0.1μM、0.02~0.2μM、0.05~0.5μM、0.1~1μM、0.2~2μM、0.3~3μM、0.4~4μM、0.5~5μM、0.6~6μM、0.7~7μM、0.8~8μM、0.9~9μM、1~10μM、2~20μM、3~30μM、4~40μM、5~50μM、6~60μM、7~70μM、8~80μM、9~90μM、10~100μM、20~200μM、30~300μM、40~400μM、50~500μM、60~600μM、70~700μM、80~800μM、90~900μM、100~1000μM、200~2000μM、または、500~5000μMであってもよい。

【0068】
[4-3.製剤および処方]
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤は、上述した有効成分、および、上述した有効成分以外の成分を原料として、公知の手法により製剤することができる。

【0069】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤を投与する場合(例えば、点眼投与する場合)、所望の効果が得られるならば、投与間隔に制限はない。上記投与間隔は、例えば、1時間~6箇月間に1回であり、好ましくは1時間に1回、2時間に1回、3時間に1回、6時間に1回、12時間に1回、1日間に1回、2日間に1回、3日間に1回、4日間に1回、5日間に1回、6日間に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1箇月間に1回、2箇月間に1回、3箇月間に1回、4箇月間に1回、5箇月間に1回、6箇月間に1回であり、より好ましくは少なくとも1日に1回、少なくとも2日間に1回、少なくとも3日間に1回、少なくとも4日間に1回、少なくとも5日間に1回、少なくとも6日間に1回、少なくとも1週間に1回である。

【0070】
本発明の一実施形態に係る白内障の予防剤または治療剤を、白内障および/または他の疾患を予防または治療するための薬剤と併用して処方してもよい。

【0071】
本発明の一態様は、HIF経路阻害剤を有効成分として含んでいる白内障の予防剤または治療剤を用いる、白内障の予防方法または治療方法である。また、本発明の他の態様は、HIF経路阻害剤を有効成分として含んでいる白内障の予防剤または治療剤を、被験体に投与する工程を有する、白内障の予防方法または治療方法である。
【実施例】
【0072】
ガラクトース添加培地での培養によってex vivo糖尿病白内障モデルを作製し、HIF経路阻害剤の白内障に対する効果を検討した。
【実施例】
【0073】
[実施例1]
6週齢のSDラット(三協ラボサービス製)の左右の眼球から、水晶体を摘出した。左右両眼から摘出した水晶体を、M199培地(SIGMA Aldrich製)に30mMのガラクトースを添加した培地にて3日間培養し、糖尿病白内障を発症させたモデルとした。その後、左眼の水晶体を、30mMのガラクトースおよび40μMの2-Methoxyeatradiol(HIF-1α阻害剤)を添加した培地に移した。一方、右眼の水晶体は培地を変更しなかった。
【実施例】
【0074】
各水晶体の培養にはインキュベーターを使用し、当該インキュベーター内の温度を37℃に保った。培地変更時(培養開始から3日目)、および培地変更から3日目(培養開始から6日目)に、上記水晶体をそれぞれ培地から取り出し、SZX12(Olympas製)により20倍に拡大した顕微鏡写真を撮影した。それぞれの写真を図4に示す。
【実施例】
【0075】
(結果)
図4から明らかなように、2-Methoxyeatradiolを添加していない培地で培養した水晶体では、皮質部の白濁化が進行している。一方、2-Methoxyeatradiolを添加した培地で培養した水晶体では、皮質部の白濁が軽減されていた。このことから、2-Methoxyeatradiolには、白内障の治療効果があることが示唆される。
【実施例】
【0076】
[実施例2]
HIF経路阻害剤を25μMのYC-1(HIF-1α阻害剤)に変更した以外は、実施例1と同様の条件により、水晶体を培養した。培地変更時(培養開始から3日目)、および培地変更から3日目(培養開始から6日目)に、上記水晶体をそれぞれ培地から取り出し、SZX12(Olympas製)により20倍に拡大した顕微鏡写真を撮影した。それぞれの写真を図5に示す。
【実施例】
【0077】
(結果)
図5から明らかなように、YC-1を添加していない培地で培養した水晶体では、皮質部の白濁化が進行している。一方、YC-1を添加した培地で培養した水晶体では、皮質部の白濁が軽減されていた。このことから、YC-1には、白内障の治療効果があることが示唆される。
【実施例】
【0078】
(考察)
実施例1で培地に添加した2-Methoxyeatradiolと、実施例2で培地に添加したYC-1とは、HIF経路を阻害する(HIF-1αを阻害する)という機能上の共通点を有している。一方、これらの化学構造は、互いに大きく異なっている(下記化学式を参照)。このことから、HIF経路阻害剤に、白内障の治療効果があることが示唆される。
【実施例】
【0079】
【化1】
JP2019055925A_000002t.gif

【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、白内障の予防または治療に利用することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
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【図5】
4