TOP > 国内特許検索 > 新規な単糖類及びそれを用いた単糖類取り込み細胞検出剤 > 明細書

明細書 :新規な単糖類及びそれを用いた単糖類取り込み細胞検出剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-076270 (P2018-076270A)
公開日 平成30年5月17日(2018.5.17)
発明の名称または考案の名称 新規な単糖類及びそれを用いた単糖類取り込み細胞検出剤
国際特許分類 C07H  15/04        (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
G01N  21/65        (2006.01)
FI C07H 15/04 CSPA
C12Q 1/02
G01N 21/65
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2016-220908 (P2016-220908)
出願日 平成28年11月11日(2016.11.11)
発明者または考案者 【氏名】岡本 晃充
【氏名】山口 哲志
【氏名】堅田 淑伽
出願人 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
個別代理人の代理人 【識別番号】100105315、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 温
審査請求 未請求
テーマコード 2G043
4B063
4C057
Fターム 2G043AA01
2G043DA02
2G043EA03
4B063QA18
4B063QQ05
4B063QQ08
4B063QR44
4B063QS36
4B063QX02
4C057BB02
4C057CC01
4C057DD03
4C057JJ03
要約 【課題】細胞内で多糖類を重合する種を含め、どのような細胞にも適合した、ラマン分光にて標的細胞を分析するに際して有用な、新規なアルキニル修飾単糖類の提供。
【解決手段】式(1)で示される単糖類。
JP2018076270A_000014t.gif
(Mはアルキニル含有基;R~Rは夫々独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル又はシリル;但し、R~Rの少なくともいずれか一つは、H)
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
式(1):
【化1】
JP2018076270A_000011t.gif
(式中、Mは、アルキニル含有基であり;R~Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルであり、但し、R~Rの少なくともいずれか一つは、水素原子である)で示される単糖類。
【請求項2】
式(1-1)又は(1-2):
【化2】
JP2018076270A_000012t.gif
【化3】
JP2018076270A_000013t.gif
(式中、Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルである;nは0~100であり、mは1~100である)で示される、請求項1記載の単糖類。
【請求項3】
~Rのすべてが、水素原子である、請求項1又は2記載の単糖類。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項記載の単糖類を有する、ラマン分光イメージングによる、単糖類取り込み細胞検出剤。
【請求項5】
前記単糖類取り込み細胞が、細胞表層もしくは内部に多糖を生産する細胞である、請求項4記載の単糖類取り込み細胞検出剤。
【請求項6】
前記多糖を生産する細胞が、ミドリムシ、がん細胞、小胞体機能異常細胞である、請求項5記載の単糖類取り込み細胞検出剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な単糖類及びそれを用いた単糖類取り込み細胞検出剤に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでも、アルキニル基で修飾された単糖類は、幾つかの技術文献にて報告されている(非特許文献1~4及び特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Organic Letters (2013), 15(20), 5190-5193
【非特許文献2】Tetrahedron Letters (2011), 52(8), 894-898
【非特許文献3】Carbohydrate Research (2012), 363, 38-42
【非特許文献4】Angewandte Chemie, International Edition (2015), 54(34), 9821-9825.
【0004】

【特許文献1】WO 2014205074 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述のような公知のアルキニル修飾単糖類を用いてラマン分光にて標的細胞の同定等を行う場合、当該標的細胞の種類によっては、不適なことがある。特に、単糖類を取り込んで、生体内にて、当該単糖類を重合して多糖類を形成させる種の細胞に対し、前述のような公知のアルキニル修飾単糖類を使用することは不適である。多糖類を重合する際の手となる位置がアルケニルにより修飾されているからである。
【0006】
そこで、本発明は、例えば、細胞内で多糖類を重合する種を含め、どのような細胞にも適合した、ラマン分光にて標的細胞を分析するに際して有用な、新規なアルキニル修飾単糖類を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、式(1):
【化4】
JP2018076270A_000002t.gif
(式中、Mは、アルキニル含有基であり;R~Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルであり、但し、R~Rの少なくともいずれか一つは、水素原子である)で示される単糖類である。
本発明(2)は、式(1-1)又は(1-2):
【化5】
JP2018076270A_000003t.gif
【化6】
JP2018076270A_000004t.gif
(式中、Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルである;nは0~100であり、mは1~100である)で示される、上記発明(1)の単糖類である。
本発明(3)は、R~Rのすべてが、水素原子である、前記発明(1)又は(2)の単糖類である。
本発明(4)は、前記発明(1)~(3)の単糖類を有する、ラマン分光イメージングによる、単糖類取り込み細胞検出剤である。
本発明(5)は、前記単糖類取り込み細胞が、細胞表層もしくは内部に多糖を生産する細胞である、前記発明(4)の単糖類取り込み細胞検出剤である。
本発明(6)は、前記多糖を生産する細胞が、ミドリムシ、がん細胞、小胞体機能異常細胞である、前記発明(5)の単糖類取り込み細胞検出剤である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単糖類の1位に加え、3位、4位及び/又は6位がOHであるため、1位→3位、1位→4位、1位→6位の結合が可能となる結果、例えば、細胞内で多糖類を重合する種を含め、どのような細胞にも適合した、ラマン分光にて標的細胞を分析するに際して有用な、新規なアルキニル修飾単糖類を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、製造例1に係る中間体の1H NMRスペクトルである。
【図2】図2は、製造例1に係る中間体の1H NMRスペクトルである。
【図3】図3は、製造例1に係る最終産物の1H NMRスペクトルである。
【図4】図4は、ラマン分光イメージングに係るスペクトルである。
【図5】図5は、ラマン分光イメージング時におけるユーグレナの写真である。
【図6】図6は、ラマン分光イメージングに係るスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪新規アルキニル修飾単糖類≫
本発明に係る新規アルキニル修飾単糖類は、式(1):
【化7】
JP2018076270A_000005t.gif
(式中、Mは、アルキニル含有基であり;R~Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルであり、但し、R~Rの少なくともいずれか一つは、水素原子である)で示される単糖類である。

【0011】
ここで、「単糖類」とは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースを挙げることができる(α、βいずれも含む)。

【0012】
また、「アルキニル含有基」とは、アルキニル残基を有する限り特に限定されず、具体例としては、以下のアルキン、例えば、アセチレン、プロピン、1-ブチン、2-ブチン、イソブチン、sec-ブチン、1-ペンチン、2-ペンチン、イソペンチン、1-ヘキシン、2-ヘキシン、3-ヘキシン、イソヘキシン、ヘプチン、オクチン、ノニン、デシンなどのアルキン、の二価基が挙げられる。

【0013】
また、「アルキル」及び「アシル基のアルキル」とは、一般的に特定の数の炭素原子を有する、直鎖及び分枝飽和炭化水素基を指す(例えばC1-3アルキルは、1~3つの炭素原子を有するアルキル基、C1-6アルキルは1~6つの炭素原子を有するアルキル基を指す、等)。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル,i-ブチル、t-ブチル、ペンタ-1-イル、ペンタ-2-イル、ペンタ-3-イル、3-メチルブタ-1-イル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル,2,2,2-トリメチルエタ-1-イル、n-ヘキシルなどが挙げられる。

【0014】
また、「シクロアルキル」とは、飽和単環式及び二環式炭化水素基を指し、前記環を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する(例えば、C3-8シクロアルキルは環員として、3~8つの炭素原子を有するシクロアルキル基を指す)。また、「アルケニル」とは、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有し、及び一般的に特定の数の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭化水素基を指す。アルケニル基としては、例えば、エテニル、1-プロペン-1-イル、1-プロペン-2-イル、2-プロペン-1-イル、1-ブテン-1-イル、1-ブテン-2-イル、3-ブテン-1-イル、3-ブテン-2-イル、2-ブテン-1-イル、2-ブテン-2-イル、2-メチル-1-プロペン-1-イル、2-メチル-2-プロペン-1-イル、1,3-ブタジエン-1-イル、1,3-ブタジエン-2-イルなどが挙げられる。

【0015】
また、「アリール」とは、環員(例えば、C6-14アリールは、環員として、6~14個の炭素原子を有するアリール基を指す)を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する、少なくとも1つの芳香族環で、単環式及び二環式の双方のアリール基を有する、十分に不飽和の単環式の芳香族の炭化水素、及び多環式炭化水素を指す。アリール基としては、例えば、フェニル、ビフェニル、シクロブタベンゼニル、インデニル、ナフタレニル、ベンゾシクロヘプタニル、ビフェニレニル、フルオレニル、シクロヘプタトリエンカチオンから由来する基等が挙げられる。

【0016】
また、「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの芳香族基を有する不飽和単環式芳香族基及び多環式基を指し、前記基は各々、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される炭素原子及び1~4つのヘテロ原子を含む環原子を有する。単環式及び多環式基の双方とも、環員(例えば、C1-9ヘテロアリールは、環員として1~9つの炭素原子及び1~4つのヘテロ原子を有するヘテロアリール基を指す)として、一般的に特定の数の炭素原子を有し、及び、上に挙げた単環式複素環のいずれもがベンゼン環に縮合される、二環式基のいずれも含み得る。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル(例えば、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、及びピロール-3-イル)、フラニル、チオフェンイル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、1-オキサ-2,3-ジアゾリル、1-オキサ-2,4-ジアゾリル、1-オキサ-2,5-ジアゾリル、1-オキサ-3,4-ジアゾリル、1-チア-2,3-ジアゾリル、1-チア-2,4-ジアゾリル、1-チア-2,5-ジアゾリル、1-チア-3,4-ジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルのような単環式基が挙げられる。

【0017】
ここで、式(1)に係る新規アルキニル修飾単糖類の内、式(1-1)又は(1-2):
【化8】
JP2018076270A_000006t.gif
【化9】
JP2018076270A_000007t.gif
{式中、R~Rは、相互に独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリルであり、但し、R~Rの少なくともいずれか一つは、水素原子である;nは0~100、mは1~100(n及びmは、それぞれ、好適には1~20、より好適には1~5)である}で示される単糖類が好適である。

【0018】
ここで、式(1)、式(1-2)及び式(1-2)において、MやR~Rの基(上記のアルキルやアリール等)は、他の置換基で置換されていてもよい。ここで、当該置換基としては、例えば、ヒドロキシ;カルボキシ;アルコキシ部が炭素数1から4個のアルコキシカルボニル;炭素数1~4個のヒドロキシアルキル;アルコキシ部が炭素数1~4個のアルコキシアルコキシ(メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、プロポキシメトキシ、ブトキシメトキシ、2-メトキシエトキシ、3-メトキシプロポキシ、4-メトキシブトキシなど);アルキル部が炭素数1から4個のカルボキシアルキルカルボニルオキシ(カルボキシメチルカルボニルオキシ、2-カルボキシエチルカルボニルオキシなど);炭素数1から4個のアシルオキシ;ベンゾイルオキシ;フェニル;炭素数1から4個のアルキレンジオキシ(メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど);オキソ;炭素数1から4個のアルキル、アルコキシ部ならびにアルキル部がそれぞれ炭素数1~4個のアルコキシアルキル(メトキシメチル、エトキシメチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチルなど)または炭素数1から4個のヒドロキシアルキルでモノまたはジ置換していてもよいアミノ;置換基(ヒドロキシ、炭素数1~4個のアルコキシ、オキソなど)を有していてもよいピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、置換基(炭素数1~4個のアルキル、炭素数1~4個のアシルなど)を有していてもよいピペラジンなどから選ばれる環状アミン(当該環状アミンはN-オキサイドであってもよい);モルホリノメチル等が挙げられる。

【0019】
ここで、R~Rのすべてが水素原子であることが好適である。1位→3位、1位→4位、1位→6位のいずれの結合にも対応可能であるからである。

【0020】
≪新規アルキニル修飾単糖類の製造方法≫
本発明に係る式(1)の化合物は、例えば、下記方法により製造し得る。まず、単糖の1位をメチル基などのアルキル基で保護したのち、3位と4位と6位の水酸基を保護する(このような水酸基の保護方法に関しては、「日本化学会編 実験化学講座」等に詳しい)。末端にハロゲンなどの求核置換を引き起こす脱離基を有する、アルキル(1-1)またはエチレングリコール(1-2)リンカーが結合したアルキンを塩基性条件下で2位の水酸基に付加する。その後、1位、3位、4位、6位を脱保護して、目的化合物を得る。

【0021】
≪新規アルキニル修飾単糖類の用途≫
本発明に係る新規アルキニル修飾単糖類は、ラマン分光イメージングによる、単糖類取り込み細胞検出剤として有用である。特に、アルキンは細胞内でも破壊されにくく、細胞内にアルキンを付した単糖類を入れて多糖類に変化しても、ラマン分光で検出できる点を特徴とする。例えば、細胞表層もしくは内部に特徴的な多糖を生産する細胞、例として、がん細胞や、アルツハイマー病をもたらす小胞体機能異常細胞、ミドリムシ等の細胞検出に有用である。

【0022】
≪実施例≫
(製造例1)
【化10】
JP2018076270A_000008t.gif
2.01 g の(0.0071 mol, 1 eq)のmethyl - 4,6-O-Benzylidene -α-D-glucopyranosideに、1.41 mL(0.0163 mol, 2.3 eq)の臭化プロパルギルと43 mLのベンゼンを加えた。そこに0.6 g(0.0149 mol, 2.1 eq)の水素化ナトリウム(60% in mineral oil)を2回に分けて添加し、80 ℃で64時間反応させた。室温に戻した反応溶液を濃縮し、クロロホルム100 mLで溶解させ、これをろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムで精製した。(展開溶媒:クロロホルム100%)751.8 mgの白色個体を得た(収率33%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3 )
δ2.51 ( s, 1 H ), 3.46 ( s, 3 H ), 3.55 ( t, J = 9.4 Hz, 1 H ), 3.69 ( dd, J = 3.4, 9.1 Hz, 1 H ), 3.76 ( t, J = 10.2 Hz, 1 H ), 3.82 - 3.86 ( m, 1 H ), 4.14 ( t, J = 9.3 Hz, 1 H ), 4.29 - 4.32 ( m, 1 H ), 4.38 - 4.45 ( m, 2 H ), 4.95 ( d, J = 3.2 Hz, 1 H ), 5.55 (s, 1 H), 7.38 ( d, J = 6.2 Hz, 3 H ), 7.51 ( d, J = 5.9 Hz, 2 H )
MS( ESI ) m/z: 343.2 ( M + Na )(図1)

【0023】
【化11】
JP2018076270A_000009t.gif
751.8 mg (2.35 mmol)のmethyl -2-O-propargyl 4,6-O-Benzylidene-α-D-glucopyranosideに、3.54 mLの酢酸を添加し、100 ℃まで加熱した。そこに、2.35 mlの水をゆっくり少量添加し、15分攪拌した。濃縮し、トルエンで共沸させ水を除去し、シリカカラムで精製した。(chloroform : methanol = 9 :1)468.4 mgの白色個体を得た(収率86%)。
1H NMR ( 600 MHz, CDCl3 )
δ3.34 - 3.35 ( m, 2 H ), 3.43 ( s, 3 H ), 3.44 - 3.46 ( dd, J = 4.3, 10.0 Hz 1 H ), 3.51 - 3.54 ( m, 1 H ), 3.68 - 3.73 ( m, 2 H ), 3.84 ( d, J = 11.7 Hz, 1 H ), 4.33 - 4.41 ( m, 2 H ), 4.95 (s, 1 H)
MS( ESI ) m/z: 255.1 ( M + Na )(図2)

【0024】
【化12】
JP2018076270A_000010t.gif
468.4 mg ( 2.02 mmol )の -2-O-propargyl -α-D-glucopyranosideに、1 Mの硫酸を7.65 mL加え、100 ℃で16時間、攪拌した。溶液が室温に戻し、炭酸バリウムを中和するまで添加した。そのあと、ろ過し(メタノール洗浄)、ろ液を濃縮して、シリカカラムで精製した。(chloroform : methanol = 5 :1)
254.3 mgの白色個体を得た(収率58%)
1H NMR ( 600 MHz, CD3OD )
δ2.81 ( s, 1 H ), 2.88 ( s, 1 H ), 3.08 ( t, J = 8.4 Hz, 1 H ), 3.26 -3.29 ( m, 1H ), 3.34 - 3.38 ( m, 2 H ), 3.41 ( dd, J = 4.1, 9.7 Hz, 1 H ), 3.62 - 3.65 ( m, 1 H ), 3.69 ( dd, J = 4.9, 11.7 Hz, 1 H ), 3.74 - 3.79 ( m, 4 H ), 3.84 ( d, J = 11.7 Hz, 1 H ), 4.36 ( s, 2 H ), 4.47 (dq, J = 2.9, 12.6 Hz, 2 H ), 4.54 ( d, J = 7.6 Hz, 1H ), 5.33 ( d, J = 3.6 Hz, 1H )
MS( ESI ) m/z: 241.1 ( M + Na )(図3)

【0025】
≪ラマン分光イメージング≫
(試験方法)
上記にて得られたアルキン化グルコース(AGluc)6mg/mLを含む、pH5.5のKH培地を作り、遮光条件下にて1週間培養する。次に、培養したユーグレナを遠心により分離し、PBSで洗浄することでPBSに置換して、ラマン観察を行う。ユーグレナを石英ガラスボトムディッシュに100μL置き、2.5%グルタルデヒドで固定し、短時間静置した後に、水浸型レンズ63倍倍率のレンズでラマン観察を行う。観察条件として、532nm励起で、StreamLineモード(一定範囲をスキャニングするモード)を使用し、レーザー強度50%、照射時間0.1/sでレーザー照射を行い、1100-2600cm-1の範囲のラマンスペクトルを取得した(図4参照)。

【0026】
(結果)
解析ソフト(Wire4.0)を用いて、得られたスペクトルを解析した。写真(図5)において、2250-2350nmにベースラインに対してピークが認められるであろう場所に色をつける(本試験では、赤→紫、赤が最もシグナルが強いと考えられる箇所とした)。ピークとしての閾値(コントラスト、と表現される)は2000-2200である。色のついた点(赤いスポット)にカーソルを合わせると、その点におけるラマンスペクトルが得られる(図6参照)。なお、ラマン顕微鏡は、RENISHAW社製のものを用いた。

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5