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明細書 :姿勢伝達制御装置、姿勢伝達装置、姿勢伝達方法およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-214283 (P2016-214283A)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明の名称または考案の名称 姿勢伝達制御装置、姿勢伝達装置、姿勢伝達方法およびプログラム
国際特許分類 A61H   1/02        (2006.01)
A61B   5/0488      (2006.01)
FI A61H 1/02 G
A61B 5/04 330
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2015-099038 (P2015-099038)
出願日 平成27年5月14日(2015.5.14)
発明者または考案者 【氏名】島 圭介
【氏名】島谷 康司
【氏名】今野 和樹
出願人 【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
【識別番号】507234438
【氏名又は名称】公立大学法人県立広島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100196058、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 彰雄
審査請求 未請求
テーマコード 4C027
4C046
4C127
Fターム 4C027AA04
4C046AA11
4C046AA29
4C046AA33
4C046BB02
4C046BB07
4C046EE09
4C046FF13
4C046FF32
4C127AA04
要約 【課題】一方の生体と同じ姿勢を他方の生体にとらせる。
【解決手段】姿勢伝達制御装置は、第1生体に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付ける信号入力部と、入力された前記電気信号に基づいて前記第1生体の姿勢パターンを推定する推定部と、前記推定部が推定した前記姿勢パターンに基づいて、第2生体に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定する決定部と、前記決定部が決定した前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極に出力させる信号出力部とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
第1生体に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付ける信号入力部と、
入力された前記電気信号に基づいて前記第1生体の姿勢パターンを推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記姿勢パターンに基づいて、第2生体に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極に出力させる信号出力部と
を備える姿勢伝達制御装置。
【請求項2】
前記推定部が、前記姿勢パターンと、前記第1電極が取り付けられた生体が当該姿勢パターンの姿勢をとったときに前記第1電極から検出される電気信号とに基づく機械学習によって得られた推定モデルを用いて、前記第1生体の姿勢パターンを推定する
請求項1に記載の姿勢伝達制御装置。
【請求項3】
前記決定部が、前記姿勢パターンと、前記第2電極に流すことで前記第2生体を当該姿勢パターンの姿勢をとらせる電気信号のパラメータとを関連付けた出力モデルを用いて、前記パラメータを決定する
請求項1または請求項2に記載の姿勢伝達制御装置。
【請求項4】
前記推定部が、前記第1生体の姿勢パターンに加え、前記第1生体の関節の屈曲角度または前記第1生体の筋の収縮の強さのうち少なくとも1つを推定し、
前記決定部が、前記推定部が推定した前記屈曲角度または前記収縮の強さのうち少なくとも1つ、および前記姿勢パターンに基づいて、前記パラメータを決定する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の姿勢伝達制御装置。
【請求項5】
第1生体に取り付けられる第1電極と、
第2生体に取り付けられ、前記第1電極から検出される電気信号が表す姿勢パターンに応じた電気信号を出力する第2電極と
を備える姿勢伝達装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の姿勢伝達制御装置
をさらに備える請求項5に記載の姿勢伝達装置。
【請求項7】
育成者に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付けるステップと、
入力された前記電気信号に基づいて前記育成者の姿勢パターンを推定するステップと、
前記姿勢パターンに基づいて、被育成者に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定するステップと、
前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極から出力するステップと
を備える姿勢伝達方法。
【請求項8】
コンピュータを、
第1生体に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付ける信号入力部、
入力された前記電気信号に基づいて前記第1生体の姿勢パターンを推定する推定部、
前記推定部が推定した前記姿勢パターンに基づいて、第2生体に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定する決定部、
前記決定部が決定した前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極に出力させる信号出力部
として機能させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢伝達制御装置、姿勢伝達装置、姿勢伝達方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中や脊髄損傷等による麻痺を伴う患者は、運動機能を回復するために日常的なリハビリテーションを実施する必要がある。リハビリテーションを支援する方法として、筋へ与える電気刺激により筋収縮を誘発し、関節の屈曲、伸展動作を行う方法が考案されている(例えば、非特許文献1を参照)。また、非特許文献2には、複数チャネルの電気刺激を用いて人体の五指の屈曲および伸展などの複雑な動作を制御する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】村岡慶裕、鈴木里砂、島岡秀奉、藤原俊之、石原勉、内田成男、「運動介助型電気刺激装置の開発と脳卒中片麻痺患者への使用経験」、理学療法学、2004年、第31巻、第1号、29-25頁
【非特許文献2】Emi Tamaki, Takashi Miyaki, Jun Rekimoto,「PossessedHand: techniques for controlling human hands using electrical muscles stimuli」、CHI'11 Proceedings of the SIGCHI Comference on Human Factors in Computing Systems、2011年、543-552頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1、2に記載の技術によれば、電気刺激により人体に所定の姿勢を取らせることができる。しかしながら、リハビリテーションまたはその他の目的のために、電気刺激を用いて生体に所定の姿勢をとらせるには、関節運動時の動作と筋収縮パターンの関連性を正確に評価する必要がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する姿勢伝達制御装置、姿勢伝達装置、姿勢伝達方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、姿勢伝達制御装置は、第1生体に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付ける信号入力部と、入力された前記電気信号に基づいて前記第1生体の姿勢パターンを推定する推定部と、前記推定部が推定した前記姿勢パターンに基づいて、第2生体に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定する決定部と、前記決定部が決定した前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極に出力させる信号出力部とを備える。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る姿勢伝達制御装置は、前記推定部が、前記姿勢パターンと、前記第1電極が取り付けられた生体が当該姿勢パターンの姿勢をとったときに前記第1電極から検出される電気信号とに基づく機械学習によって得られた推定モデルを用いて、前記第1生体の姿勢パターンを推定する。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る姿勢伝達制御装置は、前記決定部が、前記姿勢パターンと、前記第2電極に流すことで前記第2生体を当該姿勢パターンの姿勢をとらせる電気信号のパラメータとを関連付けた出力モデルを用いて、前記パラメータを決定する。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の何れかの態様に係る姿勢伝達制御装置は、前記推定部が、前記第1生体の姿勢パターンに加え、前記第1生体の関節の屈曲角度または前記第1生体の筋の収縮の強さのうち少なくとも1つを推定し、前記決定部が、前記推定部が推定した前記屈曲角度または前記収縮の強さのうち少なくとも1つ、および前記姿勢パターンに基づいて、前記パラメータを決定する。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、姿勢伝達装置は、第1生体に取り付けられる第1電極と、第2生体に取り付けられ、前記第1電極から検出される電気信号が表す姿勢パターンに応じた電気信号を出力する第2電極とを備える。
【0010】
本発明の第6の態様によれば、第5の態様に係る姿勢伝達装置は、第1から第4の何れかの態様に係る姿勢伝達制御装置をさらに備える。
【0011】
本発明の第7の態様によれば、姿勢伝達方法は、育成者に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付けるステップと、入力された前記電気信号に基づいて前記育成者の姿勢パターンを推定するステップと、前記姿勢パターンに基づいて、被育成者に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定するステップと、前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極から出力するステップとを備える。
【0012】
本発明の第8の態様によれば、プログラムは、コンピュータを、第1生体に取り付けられた第1電極から検出される電気信号の入力を受け付ける信号入力部、入力された前記電気信号に基づいて前記第1生体の姿勢パターンを推定する推定部、前記推定部が推定した前記姿勢パターンに基づいて、第2生体に取り付けられた第2電極に出力すべき電気信号のパラメータを決定する決定部、前記決定部が決定した前記パラメータを有する電気信号を前記第2電極に出力させる信号出力部として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、姿勢伝達制御装置は、第1生体の姿勢に応じた電気信号を、第2生体に取り付けられた第2電極に出力する。これにより、姿勢伝達制御装置は、第2生体に所定の姿勢をとらせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係る姿勢伝達装置の構成を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態に係る姿勢伝達制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】入力導子および出力導子の取り付け位置の例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る推定モデルの生成方法を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係る出力モデルの生成方法を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る姿勢伝達方法を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態に係る推定モデルの生成方法を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る出力モデルの生成方法を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態に係る姿勢伝達方法を示すフローチャートである。
【図10】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る姿勢伝達装置の構成を示す概略図である。
第1の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、理学療法士等の医療従事者の姿勢を、麻痺(痙性麻痺または弛緩性麻痺)を伴う患者に伝達させる装置である。なお、本明細書において姿勢とは、筋の収縮によって表れる生体の形状をいい、姿勢パターン、関節の角度および筋の収縮状態を含む。姿勢伝達装置1は、複数の入力導子11と、姿勢伝達制御装置12と、信号発生装置13と、複数の出力導子14と、入力装置15と、提示装置16とを備える。
入力導子11は、医療従事者のうち、伝達すべき姿勢をとる際に動作する主動作筋の表皮に取り付けられる電極である。医療従事者は第1生体の一例である。入力導子11は、第1電極の一例である。
姿勢伝達制御装置12は、入力導子11から検出される電気信号に基づいて、信号発生装置13を制御する。
信号発生装置13は、姿勢伝達制御装置12の制御に従って、出力導子14に電気信号を出力する。
出力導子14は、患者のうち、伝達されるべき姿勢をとる際に動作する主動作筋の表皮に取り付けられる電極である。患者は第2生体の一例である。出力導子14は、第2電極の一例である。
入力装置15は、理学療法士による操作を受け付ける。入力装置15の例としては、キーボードやポインティングデバイスが挙げられる。
提示装置16は、理学療法士に情報を提示する。提示装置16の例としては、ディスプレイやスピーカが挙げられる。
なお、図1に示す例では、入力導子11および出力導子14の数が何れも6つであるが、入力導子11および出力導子14の数はこれに限られない。例えば、入力導子11および出力導子14の数は、5つ以下であっても良いし、7つ以上であっても良い。また、入力導子11および出力導子14の数は異なっていても良い。

【0016】
図2は、第1の実施形態に係る姿勢伝達制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
姿勢伝達制御装置12は、操作入力部101、提示部102、信号入力部103、信号処理部104、推定モデル生成部105、推定モデル記憶部106、推定部107、出力モデル生成部108、出力モデル記憶部109、決定部110、信号出力部111を備える。
操作入力部101は、入力装置15を介して理学療法士および患者による操作の入力を受け付ける。
提示部102は、提示装置16に情報を提示させる。
信号入力部103は、入力導子11から検出される電気信号の入力を受け付け、電気信号をデジタル信号に変換する。
信号処理部104は、信号入力部103に入力された電気信号に基づいて、筋収縮の状態の評価に用いる筋収縮データを生成する。具体的には、信号処理部104は、信号入力部103に入力された電気信号の整流、平滑化および正規化を行うことで、筋収縮データを生成する。また信号処理部104は、信号入力部103に入力された電気信号の電流量を測定する。

【0017】
推定モデル生成部105は、生体の姿勢パターンと筋収縮データと電流量とに基づいて、姿勢パターンおよび関節の屈曲角度の推定モデルを生成する。姿勢パターンとは、生体がとる姿勢の型をいう。例えば、手首の姿勢パターンとして、掌屈、背屈、尺屈の3パターンが挙げられる。姿勢パターンの推定モデル(以下、姿勢推定モデルという)とは、筋収縮データを入力とし、生体の姿勢パターンの識別情報を出力とする推定モデルである。姿勢推定モデルは、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシンまたはその他の教師あり学習により生成される。なお姿勢推定モデルの学習に、ニューラルネットワークの一種であるLLGMN(Log-Linearized Gaussian Mixture Network)を適用することで、生体信号を高精度に識別することができる。関節の屈曲角度の推定モデル(以下、角度推定モデルという)とは、電気信号の電流量と関節の屈曲角度との関係を示す関数である。角度推定モデルは、関節の屈曲角度と電流量とを用いて最小二乗法により関数を推定することで求められる。
推定モデル記憶部106は、推定モデル生成部105が生成した姿勢推定モデルおよび角度推定モデルを記憶する。
推定部107は、筋収縮データと推定モデル記憶部106が記憶する姿勢推定モデルとに基づいて、医療従事者の姿勢パターンを推定する。また推定部107は、電気信号の電流量と推定モデル記憶部106が記憶する角度推定モデルとに基づいて、医療従事者の関節の屈曲角度を推定する。

【0018】
出力モデル生成部108は、生体の姿勢パターンと、出力導子14から出力する電気信号とに基づいて、姿勢パターンおよび関節の屈曲角度と出力導子14から出力する電気信号のパラメータとの関係を示す出力モデルを生成する。本実施形態に係る出力モデルは、姿勢パターンごとに、当該姿勢パターンの姿勢をとらせるための電気信号のパラメータと、関節の屈曲角度とパラメータの大きさとの関係を示す関数と、を関連付けて格納する情報である。出力モデル生成部108は、出力導子14に複数パターンの電気信号を出力させ、患者が所定の姿勢パターンの姿勢をとるときの電気信号のパラメータと、当該姿勢パターンとを関連付け、電気信号のパラメータと関節の屈曲角度との関係を特定することで、出力モデルを生成する。なお、電気信号のパラメータの例としては、電流量、電位および周波数などが挙げられる。
出力モデル記憶部109は、出力モデル生成部108が生成した出力モデルを記憶する。
決定部110は、推定部107が推定した姿勢パターンと出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルとに基づいて、出力導子14に出力すべき電気信号のパラメータを決定する。
信号出力部111は、決定部110が決定したパラメータを有する電気信号を出力導子14から出力させるように、信号発生装置13を制御する。

【0019】
次に、姿勢伝達装置1を用いた姿勢伝達方法について説明する。
図3は、入力導子および出力導子の取り付け位置の例を示す図である。
まず、医療従事者は、入力導子11を自身の所定の部位に取り付ける。また医療従事者は、出力導子14を患者の所定の部位に取り付ける。このとき、入力導子11および出力導子14は、伝達すべき姿勢をとる際に動作する主動作筋の表皮に取り付けられる。伝達すべき姿勢が手根の掌屈、背屈および尺屈である場合、入力導子11および出力導子14は、例えば図3に示されるように、短橈側手根伸筋、尺側手根屈筋および尺側手根伸筋の手首側の部分および肘側の部分を覆う表皮に取り付けられる。なお、短橈側手根伸筋は、手根の背屈姿勢の主動作筋の一つである。また、尺側手根屈筋は、手根の掌屈姿勢および尺屈姿勢の主動作筋の一つである。また、尺側手根伸筋は、手根の背屈姿勢および尺屈姿勢の主動作筋の一つである。手根の背屈姿勢の主動作筋としては、他に長橈側手根伸筋が挙げられる。また手根の掌屈姿勢の主動作筋としては、他に橈側手根屈筋および長掌筋が挙げられる。また、入力導子11および出力導子14の取り付け位置は、主動作筋を覆う表皮に限られない。
次に、姿勢伝達制御装置12は、推定モデルおよび出力モデルの生成を行う。推定モデルおよび出力モデルの生成の順序は問わない。

【0020】
図4は、第1の実施形態に係る推定モデルの生成方法を示すフローチャートである。
医療従事者は、入力導子11を自身に取り付けると、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に推定モデルの生成開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が推定モデルの生成開始指示を受け付けると、提示部102は、伝達すべき姿勢パターンの1つを提示する(ステップS11)。提示される姿勢パターンは、複数の姿勢パターンの中から無作為に抽出されたものでも良いし、所定の順序に基づいて選択されたものでも良い。
次に、姿勢伝達装置1の信号入力部103は、入力導子11から電気信号の入力を受け付ける(ステップS12)。また信号処理部104は、入力された電気信号に基づいて筋収縮データを生成し、電気信号の電流量を計測する(ステップS13)。例えば信号処理部104は、以下の手順で筋収縮データを生成する。まず信号処理部104は、入力導子11それぞれから得られる電気信号を全波整流する。次に信号処理部104は、全波整流後の各電気信号を二次のローパスフィルタにより平滑化する。次に信号処理部104は、各電気信号を当該電気信号の最大値により正規化する。次に信号処理部104は、正規化された各値を要素とする特徴ベクトルを、筋収縮データとして生成する。
次に、操作入力部101は、医療従事者から当該姿勢パターンに係る姿勢をとった旨の入力を受け付ける(ステップS14)。

【0021】
このとき、医療従事者は、提示装置16に提示された姿勢パターンに係る姿勢をとる。医療従事者は、当該姿勢を保持したまま、入力装置15を介して提示された姿勢パターンの姿勢をとった旨を入力する。

【0022】
操作入力部101が姿勢パターンに係る姿勢をとった旨の入力を受け付けると、推定モデル生成部105は、入力された姿勢パターンの種別と当該入力を受け付けたときに信号処理部104が生成した筋収縮データとを、姿勢推定モデルの学習に用いる教師データとして、主記憶装置または補助記憶装置に蓄積する(ステップS15)。また推定モデル生成部105は、当該姿勢パターンにおける関節の屈曲角度と当該入力を受け付けたときに信号入力部103に入力された信号の電流量とを、角度推定モデルの導出に用いるサンプリングデータとして、主記憶装置または補助記憶装置に蓄積する(ステップS16)。関節の屈曲角度は、例えばモーションキャプチャにより特定される。

【0023】
次に、推定モデル生成部105は、教師データおよびサンプリングデータの蓄積数が所定数(例えば、100)に達したか否かを判定する(ステップS17)。教師データおよびサンプリングデータの蓄積数が所定数に達していない場合(ステップS17:NO)、推定モデル生成部105は、ステップS11に処理を戻し、教師データおよびサンプリングデータの蓄積を継続する。他方、教師データおよびサンプリングデータの蓄積数が所定数に達した場合(ステップS17:YES)、推定モデル生成部105は、蓄積した教師データに基づいて姿勢推定モデルを生成し、推定モデル記憶部106に記録する(ステップS18)。また推定モデル生成部105は、蓄積したサンプリングデータに基づいて角度推定モデルを導出し、推定モデル記憶部106に記録する(ステップS19)。なお、角度推定モデルは、「θ(t)=acb(I(t)-c)+d」で示される指数関数となる。ここで、θ(t)は、時刻tにおける関節の屈曲角度を示し、I(t)は、時刻tにおける電気信号の電流量を示す。また、係数a、b、c、dは、ステップS19においてサンプリングデータから導出される係数である。なお、本実施形態に係る角度推定モデルが指数関数によって表されるが、これに限られず、他の実施形態に係る角度推定モデルは、他の関数によって表されても良い。
上述した処理により、姿勢伝達装置1は、推定モデルを生成することができる。

【0024】
図5は、第1の実施形態に係る出力モデルの生成方法を示すフローチャートである。
医療従事者は、入力導子11を患者に取り付けると、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に出力モデルの生成開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が出力モデルの生成開始指示を受け付けると、姿勢伝達制御装置12は、出力モデル記憶部109が記憶する姿勢パターンを1つずつ選択し、以下に示すステップS22からステップS28の処理を実行する(ステップS21)。

【0025】
提示部102は、ステップS21で選択された姿勢パターンを提示する(ステップS22)。次に、出力モデル生成部108は、出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルから、ステップS21で選択された姿勢パターンに関連付けられた電気信号のパラメータを読み出す(ステップS23)。なお、出力モデル記憶部109は、姿勢パターンと当該姿勢パターンの姿勢をとらせるための電気信号の標準的なパラメータとを示す標準出力モデルを予め記憶している。

【0026】
次に、信号出力部111は、出力モデル生成部108が読み出したパラメータを有する電気信号の出力指示を、信号発生装置13に出力する(ステップS24)。これにより信号発生装置13は、出力導子14から電気信号を出力する。これにより、患者は何らかの姿勢をとる。

【0027】
次に、操作入力部101は、患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨の入力、または電気信号のパラメータの変更指示の入力を受け付ける(ステップS25)。医療従事者は、現在の患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になっていると判断した場合、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨を入力する。他方、医療従事者は、現在の患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になっていないと判断した場合、入力装置15を介して電気信号のパラメータの変更指示を入力する。

【0028】
操作入力部101が、電気信号のパラメータの変更指示の入力を受け付けた場合(ステップS25:YES)、出力モデル生成部108は、出力モデルにおいてステップS21で選択された姿勢パターンに関連付けられたパラメータを、変更指示が示すパラメータに書き換える(ステップS26)。そして、姿勢伝達制御装置12は、処理をステップS23に戻し、変更後のパラメータの電気信号を出力させる。他方、操作入力部101が、患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨の入力を受け付けた場合(ステップS25:NO)、信号出力部111は、各出力導子14から出力する電気信号のパラメータの比率を保ちながら、パラメータの値を変更する(ステップS27)。これにより、患者は、提示された姿勢パターンの姿勢を保ちつつ、関節の屈曲角度を変化させる。次に、出力モデル生成部108は、患者の関節の屈曲角度を特定し、関節の屈曲角度とパラメータの大きさとの関係を示す関数を導出し(ステップS28)、出力モデルを更新する。
上記処理を全ての動作パターンについて実行することで、姿勢伝達制御装置12は、出力モデルを生成する。

【0029】
図6は、第1の実施形態に係る姿勢伝達方法を示すフローチャートである。
姿勢伝達制御装置12が推定モデルおよび出力モデルを生成すると、医療従事者は、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に伝達開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が伝達開始指示を受け付けると、信号入力部103は、入力導子11から電気信号の入力を受け付ける(ステップS31)。次に、信号処理部104は、入力された電気信号の整流、平滑化および正規化を行うことで、筋収縮データを生成する(ステップS32)。このとき、医療従事者は、任意の姿勢パターンに係る姿勢をとる。

【0030】
次に、推定部107は、推定モデル記憶部106が記憶する姿勢推定モデルと筋収縮データとに基づいて、医療従事者の姿勢パターンを推定する(ステップS33)。また推定部107は、推定モデル記憶部106が記憶する角度推定モデルと電気信号の電流量とに基づいて、医療従事者の関節の屈曲角度を推定する(ステップS34)。

【0031】
次に、決定部110は、出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルにおいて、推定部107が推定した姿勢パターンに関連付けられた電気信号のパラメータを読み出す(ステップS35)。次に、決定部110は、出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルにおいて、推定部107が推定した姿勢パターンに関連付けられた関数に、推定部107が推定した角度を代入することで、パラメータの増幅係数を算出する(ステップS36)。次に、決定部110は、ステップS35で読み出したパラメータに、ステップS36で算出した増幅係数を乗算することで、出力導子14に出力すべき電気信号のパラメータを決定する(ステップS37)。これにより、医療従事者と同じ姿勢パターンかつ医療従事者と同じ関節の屈曲角度になるように患者を制御する電気信号を生成することができる。
信号出力部111は、決定部が決定したパラメータを有する電気信号を出力導子14から出力させる出力指示を、信号発生装置13に出力する(ステップS38)。これにより、出力導子14から医療従事者がとった姿勢パターンの姿勢をとらせる電気信号が出力される。そのため、姿勢伝達装置1は、患者に医療従事者がとった姿勢と同じ姿勢をとらせることができる。

【0032】
次に、操作入力部101は、医療従事者より姿勢伝達処理の終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS39)。操作入力部101が姿勢伝達処理の終了指示を受け付けていない場合(ステップS39:NO)、姿勢伝達制御装置12は、ステップS31に戻り、姿勢伝達処理を継続する。他方、操作入力部101が姿勢伝達処理の終了指示を受け付けた場合(ステップS39:YES)、姿勢伝達処理を終了する。

【0033】
このように、本実施形態によれば、出力導子14から出力される電気信号により患者の筋の収縮を誘発し、患者に医療従事者と同じ姿勢をとらせることができる。つまり、本実施形態に係る姿勢伝達装置1を用いることで、医療従事者は、麻痺を伴う患者に、所定の姿勢をとるための適切な力の入れ具合等を細かに伝えることができる。これにより、医療従事者は、患者に対し効果的なリハビリテーションを提供することができる。

【0034】
また、本実施形態に係る姿勢伝達装置1は、医療従事者から出力される電気信号に基づいて姿勢パターンを推定し、当該姿勢パターンに基づいて患者へ出力する電気信号を生成する。これは、医療従事者と患者との体格の違いによって所定の姿勢をとるときに流れる電気信号のパラメータの相違、および入力導子11と出力導子14とが取り付けられる位置の相違によって、入力される電気信号と出力される電気信号とに差が生じるためである。つまり、本実施形態に係る姿勢伝達装置1によれば、医療従事者と患者との体格が異なる場合、および入力導子11と出力導子14とが取り付けられる位置にずれがある場合にも、医療従事者の姿勢を患者に伝達することができる。

【0035】
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、麻痺を伴う患者の麻痺を伴わない部位(例えば、右腕)の姿勢を、麻痺を伴う部位(例えば、左腕)に伝達させる装置である。患者は、第1生体および第2生体の一例である。第2の実施形態に係る姿勢伝達装置1の装置構成および姿勢伝達制御装置12のソフトウェア構成は、第1の実施形態と同じである。

【0036】
医療従事者は、入力導子11を患者の麻痺を伴わない部位に取り付ける。また医療従事者は、出力導子14を患者の麻痺を伴う部位に取り付ける。このとき、入力導子11および出力導子14は、伝達すべき姿勢をとる際に動作する主動作筋の表皮に取り付けられる。次に、姿勢伝達制御装置12は、第1の実施形態と同様の手順により、推定モデルおよび出力モデルの生成を行う。そして、姿勢伝達制御装置12は、第1の実施形態と同様の手順により、姿勢伝達処理を行う。

【0037】
このように、本実施形態に係る姿勢伝達装置1を用いることで、麻痺を伴わない部位の動作に連動させて麻痺を伴う部位を動作させ、患者に麻痺を伴う部位の運動イメージを知覚させることができる。これにより、患者の皮質脊髄路の興奮性を効率的に刺激することができ、麻痺を伴う部位の随意性を獲得することが期待される。

【0038】
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、不全麻痺を伴う患者の微弱な動きを増幅させる装置である。患者は、第1生体および第2生体の一例である。第3の実施形態に係る姿勢伝達装置1の装置構成および姿勢伝達制御装置12のソフトウェア構成は、第1の実施形態と同じである。

【0039】
医療従事者は、入力導子11および出力導子14を患者の不全麻痺を伴う部位に取り付ける。次に、姿勢伝達制御装置12は、推定モデルおよび出力モデルの生成を行う。
図7は、第3の実施形態に係る推定モデルの生成方法を示すフローチャートである。
医療従事者は、入力導子11を患者に取り付けると、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に推定モデルの生成開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が推定モデルの生成開始指示を受け付けると、提示部102は、伝達すべき姿勢パターンの1つを提示する(ステップS111)。次に、信号入力部103は、入力導子11から電気信号の入力を受け付ける(ステップS112)。また信号処理部104は、入力された電気信号を整流、平滑化および正規化を行うことで、筋収縮データを生成する(ステップS113)。次に、操作入力部101は、医療従事者から患者が当該姿勢パターンに係る姿勢をとった旨の入力を受け付ける(ステップS114)。

【0040】
このとき、患者は、提示装置16に提示された姿勢パターンに係る姿勢をとることを試みる。患者は、不全麻痺のために提示された姿勢パターンに係る姿勢を完全にはとることができない可能性があるが、医療従事者は、患者が当該姿勢をとることを試みたときに、入力装置15を介して、患者が提示された姿勢パターンの姿勢をとった旨を入力する。

【0041】
操作入力部101が姿勢パターンに係る姿勢をとった旨の入力を受け付けると、推定モデル生成部105は、入力された姿勢パターンの種別と当該入力を受け付けたときに信号処理部104が生成した筋収縮データとを、姿勢推定モデルの学習に用いる教師データとして、主記憶装置または補助記憶装置に蓄積する(ステップS115)。
次に、推定モデル生成部105は、教師データの蓄積数が所定数(例えば、100)に達したか否かを判定する(ステップS116)。教師データの蓄積数が所定数に達していない場合(ステップS116:NO)、推定モデル生成部105は、ステップS111に処理を戻し、教師データの蓄積を継続する。他方、教師データの蓄積数が所定数に達した場合(ステップS116:YES)、推定モデル生成部105は、蓄積した教師データに基づいて姿勢推定モデルを生成し、推定モデル記憶部106に記録する(ステップS118)。上述した処理により、姿勢伝達装置1は、姿勢推定モデルを生成することができる。

【0042】
図8は、第3の実施形態に係る出力モデルの生成方法を示すフローチャートである。
医療従事者は、入力導子11を患者に取り付けると、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に出力モデルの生成開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が出力モデルの生成開始指示を受け付けると、姿勢伝達制御装置12は、出力モデル記憶部109が記憶する姿勢パターンを1つずつ選択し、以下に示すステップS122からステップS126の処理を実行する(ステップS121)。

【0043】
提示部102は、ステップS121で選択された姿勢パターンを提示する(ステップS122)。次に、出力モデル生成部108は、出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルから、ステップS121で選択された姿勢パターンに関連付けられた電気信号のパラメータを読み出す(ステップS123)。

【0044】
次に、信号出力部111は、出力モデル生成部108が読み出したパラメータを有する電気信号の出力指示を、信号発生装置13に出力する(ステップS124)。これにより信号発生装置13は、出力導子14から電気信号を出力する。これにより、患者は何らかの姿勢をとる。

【0045】
次に、操作入力部101は、患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨の入力、または電気信号のパラメータの変更指示の入力を受け付ける(ステップS125)。医療従事者は、現在の患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になっており、かつ関節の角度が適切な角度になっていると判断した場合、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨を入力する。他方、医療従事者は、現在の患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になっていないと判断した場合、または関節の角度が適切な角度になっていないと判断した場合、入力装置15を介して電気信号のパラメータの変更指示を入力する。

【0046】
操作入力部101が、電気信号のパラメータの変更指示の入力を受け付けた場合(ステップS125:YES)、出力モデル生成部108は、出力モデルにおいてステップS121で選択された姿勢パターンに関連付けられたパラメータを、変更指示が示すパラメータに書き換える(ステップS126)。そして、姿勢伝達制御装置12は、処理をステップS123に戻し、変更後のパラメータの電気信号を出力させる。他方、操作入力部101が、患者の姿勢が提示された姿勢パターンに係る姿勢になった旨の入力を受け付けた場合(ステップS125:NO)、姿勢伝達制御装置12は、ステップS121で提示した姿勢パターンについてのパラメータの更新を完了する。
上記処理を全ての動作パターンについて実行することで、姿勢伝達制御装置12は、出力モデルを生成する。

【0047】
図9は、第3の実施形態に係る姿勢伝達方法を示すフローチャートである。
姿勢伝達制御装置12が推定モデルおよび出力モデルを生成すると、医療従事者は、入力装置15を介して姿勢伝達制御装置12に伝達開始指示を入力する。
姿勢伝達制御装置12の操作入力部101が伝達開始指示を受け付けると、信号入力部103は、入力導子11から電気信号の入力を受け付ける(ステップS131)。次に、信号処理部104は、入力された電気信号の整流、平滑化および正規化を行うことで、筋収縮データを生成する(ステップS132)。このとき、患者は、任意の姿勢パターンに係る姿勢をとることを試みる。

【0048】
次に、推定部107は、推定モデル記憶部106が記憶する姿勢推定モデルと筋収縮データとに基づいて、患者が試みている姿勢パターンを推定する(ステップS133)。次に、決定部110は、出力モデル記憶部109が記憶する出力モデルにおいて、推定部107が推定した姿勢パターンに関連付けられた電気信号のパラメータを読み出し(ステップS134)、当該パラメータを出力導子14に出力すべき電気信号のパラメータを決定する。これにより、姿勢伝達制御装置12は、患者が所定の姿勢パターンの姿勢をとることを試みることで生じる微弱な電気信号に基づいて、当該姿勢パターンの姿勢かつ適切な関節の屈曲角度になるように患者を制御する電気信号を生成することができる。
信号出力部111は、決定部110が決定したパラメータを有する電気信号を出力導子14から出力させる出力指示を、信号発生装置13に出力する(ステップS135)。これにより、出力導子14から患者が試みた姿勢パターンの姿勢を、適切な関節の屈曲角度によりとらせる電気信号が出力される。そのため、姿勢伝達装置1は、患者に想定した姿勢をとらせることができる。

【0049】
次に、操作入力部101は、医療従事者より姿勢伝達処理の終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS136)。操作入力部101が姿勢伝達処理の終了指示を受け付けていない場合(ステップS136:NO)、姿勢伝達制御装置12は、ステップS131に戻り、姿勢伝達処理を継続する。他方、操作入力部101が姿勢伝達処理の終了指示を受け付けた場合(ステップS136:YES)、姿勢伝達処理を終了する。

【0050】
このように、本実施形態によれば、出力導子14から出力される電気信号により患者の筋の収縮を誘発し、患者に想定した姿勢をとらせることができる。つまり、本実施形態に係る姿勢伝達装置1を用いることで、不全麻痺を伴う部位の微弱な筋収縮に基づいて当該部位を適切に動作させ、患者に当該部位の運動イメージを知覚させることができる。これにより、患者の皮質脊髄路の興奮性を効率的に刺激することができ、不全麻痺を伴う部位の随意性を獲得することが期待される。

【0051】
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、脳波に基づいて、患者が試みている姿勢を当該患者の麻痺を伴う部位に伝達させる装置である。第4の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、出力導子14の構成が第3の実施形態と異なる。第3の実施形態に係る出力導子14は、患者の頭皮に取り付けられる電極である。患者は第1生体および第2生体の一例である。出力導子14は、第2電極の一例である。
また第4の実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、筋収縮データに代えて脳波データを生成し、脳波データに基づいて姿勢推定モデルを生成する。

【0052】
医療従事者は、入力導子11を患者の頭皮に取り付ける。また医療従事者は、出力導子14を患者の麻痺を伴う部位に取り付ける。次に、姿勢伝達制御装置12は、第3の実施形態と同様の手順により、推定モデルおよび出力モデルの生成を行う。そして、姿勢伝達制御装置12は、第3の実施形態と同様の手順により、姿勢伝達処理を行う。

【0053】
このように、本実施形態に係る姿勢伝達装置1を用いることで、患者の脳波に基づいて麻痺を伴う部位を動作させ、患者に麻痺を伴う部位の運動イメージを知覚させることができる。これにより、患者の皮質脊髄路の興奮性を効率的に刺激することができ、麻痺を伴う部位の随意性を獲得することが期待される。

【0054】
《第5の実施形態》
第1から第4の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、麻痺を伴う患者のリハビリテーションに用いられるが、これに限られない。第5の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、育成者が有する技能を被育成者へ伝承するために用いられる。育成者および被育成者の例としては、エンジニア、職人、医師、手品師などが挙げられる。つまり、第5の実施形態に係る姿勢伝達方法は、医療行為を目的とするものではない。

【0055】
第5の実施形態に係る姿勢伝達装置1は、育成者の姿勢を被育成者に伝達させる装置である。育成者は、第1生体の一例であり、被育成者は、第2生体の一例である。第5の実施形態に係る姿勢伝達装置1の装置構成および姿勢伝達制御装置12のソフトウェア構成は、第1の実施形態と同じである。

【0056】
育成者は、入力導子11を自身に取り付ける。また被育成者は、出力導子14を自身に取り付ける。次に、姿勢伝達制御装置12は、第1の実施形態と同様の手順により、推定モデルおよび出力モデルの生成を行う。そして、姿勢伝達制御装置12は、第1の実施形態と同様の手順により、姿勢伝達処理を行う。

【0057】
このように、本実施形態に係る姿勢伝達装置1を用いることで、育成者の動作に連動させて被育成者を動作させ、被育成者に技能を要する作業の運動イメージを知覚させることができる。これにより、育成者は、文章および図によって伝達することが困難な技能を被育成者に容易に伝達することができる。

【0058】
以上、図面を参照していくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
上述した実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、電気信号を筋収縮データまたは脳波データに変換し、当該変換されたデータに基づいて姿勢推定モデルを生成するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、入力した電気信号そのものに基づいて姿勢推定モデルを生成しても良い。

【0059】
また上述した実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、入力導子11および出力導子14を取り付けたときに推定モデルおよび出力モデルを生成するが、これに限られない。例えば、他の実施形態において、入力導子11および出力導子14の取り付け位置が変わらない場合、姿勢伝達制御装置12は、予め生成しておいた推定モデルおよび出力モデルを用いて姿勢伝達制御を行っても良い。この場合、姿勢伝達制御装置12は、推定モデル生成部105および出力モデル生成部108を備えず、推定モデル記憶部106および出力モデル記憶部109が他の装置によって学習された推定モデルおよび出力モデルを記憶しても良い。

【0060】
また上述した実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、医療従事者または育成者の姿勢パターンおよび関節の角度を患者または被育成者に伝達するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、医療従事者または育成者の関節の角度に加え、当該角度を保持しているときの筋の収縮の強さを患者または被育成者に伝達しても良い。この場合、姿勢伝達制御装置12は、筋収縮データに基づいて、筋の収縮の強さの推定に用いる強度推定モデルを生成する必要がある。姿勢伝達制御装置12は、例えば図3に示すステップS16において、筋の収縮の強さと電流量の関係を記録しておくことで、学習により強度推定モデルを生成することができる。

【0061】
また上述した実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、医療従事者または育成者の動作をリアルタイムに患者または被育成者に伝達するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る姿勢伝達制御装置12は、予め入力導子11から入力される電気信号の推移を記録しておき、当該記録された電気信号の推移に基づいて、異なるタイミングで患者または被育成者に姿勢を伝達させても良い。

【0062】
また上述した実施形態に係る姿勢伝達装置1は、生体の電気信号を計測する電極として、非侵襲の入力導子11および出力導子14を備えるが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、医療従事者、患者、育成者または被育成者の体内に埋め込まれた電極を介して、電気信号を入力し、または出力してもよい。

【0063】
図10は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の姿勢伝達制御装置12は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の姿勢は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保する。

【0064】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置に展開し、上記処理を実行しても良い。

【0065】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 姿勢伝達装置
11 入力導子
12 姿勢伝達制御装置
13 信号発生装置
14 出力導子
15 入力装置
16 提示装置
101 操作入力部
102 提示部
103 信号入力部
104 信号処理部
105 推定モデル生成部
106 推定モデル記憶部
107 推定部
108 出力モデル生成部
109 出力モデル記憶部
110 決定部
111 信号出力部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9