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明細書 :家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第6253125号 (P6253125)
登録日 平成29年12月8日(2017.12.8)
発行日 平成29年12月27日(2017.12.27)
発明の名称または考案の名称 家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法
国際特許分類 A01K   5/00        (2006.01)
A01K  39/01        (2006.01)
FI A01K 5/00 Z
A01K 39/01 A
請求項の数または発明の数 11
全頁数 24
出願番号 特願2016-229380 (P2016-229380)
出願日 平成28年11月25日(2016.11.25)
審査請求日 平成29年3月29日(2017.3.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591079487
【氏名又は名称】広島県
発明者または考案者 【氏名】大 坂 隆 志
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100091982、【弁理士】、【氏名又は名称】永井 浩之
【識別番号】100091487、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 行孝
【識別番号】100082991、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 泰和
【識別番号】100105153、【弁理士】、【氏名又は名称】朝倉 悟
【識別番号】100150717、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 和也
審査官 【審査官】田辺 義拓
参考文献・文献 特開2005-137238(JP,A)
特開平11-056148(JP,A)
特開2004-275124(JP,A)
特開2008-228687(JP,A)
調査した分野 A01K 1/00-5/02
A01K 39/00-39/014
要約 【課題】家畜が受けるストレスを軽減しつつ、生産性を向上させることができる家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法を提供する。
【解決手段】本発明による家畜用飼料給与設備1は、飼料Fが載置される飼料載置部2と、飼料載置部2における家畜の頭部の存在の有無を検出する家畜検出部3と、飼料載置部2に存在する場合の家畜の頭部を照明可能な照明部4と、を備えている。照明部4は、家畜検出部3により家畜の頭部の存在が検出された場合に点灯する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
家畜が飼料を採食するための家畜用飼料給与設備であって、
前記飼料が載置される飼料載置部と、
前記飼料載置部における前記家畜の頭部の存在の有無を検出する家畜検出部と、
前記飼料載置部に存在する場合の前記家畜の前記頭部を照明可能な照明部と、を備え、
前記照明部は、前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に点灯する、家畜用飼料給与設備。
【請求項2】
前記飼料載置部は、複数並列して設けられており、
前記照明部は、光源と、少なくとも隣の前記飼料載置部の側から前記光源を覆う光源覆い部材と、を有している、請求項1に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項3】
前記家畜が飼育される家畜床が複数並列に設けられており、
前記家畜床の各々に対して前記飼料載置部が設けられており、
互いに隣り合う前記家畜床の間に、前記照明部の照明を遮蔽する遮蔽部材が設けられている、請求項1または2に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項4】
前記照明部は、前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出されない場合に、消灯する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項5】
前記飼料載置部の照度を計測する照度計を更に備え、
前記照明部は、前記照度計により計測された照度が所定のしきい値よりも低く、かつ前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記家畜の頭部を照明する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項6】
前記照明部が点灯可能な時間帯を設定したタイマーを更に備え、
前記照明部は、現在時刻が前記タイマーにより設定された時間帯内であり、かつ前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記家畜の頭部を照明する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項7】
前記家畜検出部は、赤外線センサにより構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項8】
前記家畜検出部は、前記家畜が起立するとともに前記頭部が前記飼料載置部に存在する場合に前記家畜の前脚が載るが後脚は載らないステージと、前記ステージに前記家畜の前記前脚が載せられたか否かを検出する荷重センサと、を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項9】
前記家畜用飼料給与設備は、畜舎に設置されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項10】
前記家畜用飼料給与設備は、搾乳ロボットに設置されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の家畜用飼料給与設備。
【請求項11】
家畜に飼料を採食させる家畜用飼料給与方法であって、
飼料載置部に前記飼料を載置するステップと、
前記飼料載置部における前記家畜の頭部の存在の有無を検出するステップと、
前記飼料載置部における前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記飼料載置部に存在する前記家畜の頭部を照明するステップと、を備えた、家畜用飼料給与方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜が飼料を採食するために畜舎に設置された家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、畜産の分野においては、生産性向上のために、家畜に光を照射することが試みられている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、長日区(16L(明期が16時間))は、自然日長区(11.6L以下)と比較すると、飼料摂取量が増加、体重が増加、生産効率が向上することが記載されている。
【0004】
また、非特許文献2には、長日区(18L)は自然日長区(13L以下)と比較すると、血中ホルモンIGF-1(インスリン様成長因子1)が増加すること、乳量が増加することが記載されている。
【0005】
非特許文献3には、IGF-1がマウスの体重増加や成長を促進することが記載されている。
【0006】
非特許文献4には、羊において、短日条件下で夜間(暗期)に1時間強制的に光を照射すると、飼料の摂取量が増加し、体重が増加したことが記載されている。
【0007】
一方、昼間の採食を制限することで生産性が向上し得るという報告もある。例えば、非特許文献5には、夏期において、昼間に採食制限して夜間に飼料供与すると、牛の暑熱負荷(暑熱ストレス)が低下し、エネルギー消費量が低下し、乳生産のためのエネルギー効率が向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【0008】

【非特許文献1】R.R.Peters et al.,1980.Growth and hormonal response of heifers to various photoperiods.Journal of animal science.51-5,1148-1153.
【非特許文献2】G.E.Dahl,et al.,1997.Effects of a long daily photoperiod on milk yield and circulating concentrations of Insulin-like growth factor-1. Journal of Dairy Science. 80:2784-2789.
【非特許文献3】Floria Lupu,et al,.2001.Roles of growth hormone and insulin-like growth factor 1 in mouse postnatal growth.Developmental biology 229,141-162.
【非特許文献4】B.D.Schanbacher et al.,1981.Photoperiodic regulation of growth : a photosensitive phase during light-dark cycle. American Journal of Physiology : Endocrinology and Metabolism.241:E1-5.
【非特許文献5】Y.Aharoni et al.,.2005.Night feeding for high-yielding dairy cows in hot weather: effects on intake,milk yield and energy expenditure. Livestock Production Science. 92:207-219.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記非特許文献1~4では、家畜への光の照射時間を長くすることにより、飼料摂取量を増加させること、体重を増加させること、および生産性を向上させることを図っている。生産性が向上すると肉量が増加し、乳用牛の場合には乳量も増加し得る。
【0010】
しかしながら、家畜に強制的に光を照射する場合、休息睡眠中である家畜にも光が照射される。このため、家畜にストレスを与える。また、非特許文献5に示すように、昼間に採食制限することも、家畜にストレスを与えることにつながる。家畜がストレスを受けると、生産性が低下する可能性がある。
【0011】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、家畜が受けるストレスを軽減しつつ、生産性を向上させることができる家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、家畜が飼料を採食するための家畜用飼料給与設備であって、前記飼料が載置される飼料載置部と、前記飼料載置部における前記家畜の頭部の存在の有無を検出する家畜検出部と、前記飼料載置部に存在する場合の前記家畜の前記頭部を照明可能な照明部と、を備え、前記照明部は、前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に点灯する、家畜用飼料給与設備、を提供する。
【0013】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記飼料載置部は、複数並列して設けられており、前記照明部は、光源と、少なくとも隣の前記飼料載置部の側から前記光源を覆う光源覆い部材と、を有している、ようにしてもよい。
【0014】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記家畜が飼育される家畜床が複数並列に設けられており、前記家畜床の各々に対して前記飼料載置部が設けられており、互いに隣り合う前記家畜床の間に、前記照明部の照明を遮蔽する遮蔽部材が設けられている、ようにしてもよい。
【0015】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記照明部は、前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出されない場合に、消灯する、ようにしてもよい。
【0016】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記飼料載置部の照度を計測する照度計を更に備え、前記照明部は、前記照度計により計測された照度が所定のしきい値よりも低く、かつ前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記家畜の頭部を照明する、ようにしてもよい。
【0017】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記照明部が点灯可能な時間帯を設定したタイマーを更に備え、前記照明部は、現在時刻が前記タイマーにより設定された時間帯内であり、かつ前記家畜検出部により前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記家畜の頭部を照明する、ようにしてもよい。
【0018】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記家畜検出部は、赤外線センサにより構成されている、ようにしてもよい。
【0019】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記家畜検出部は、前記家畜が起立するとともに前記頭部が前記飼料載置部に存在する場合に前記家畜の前脚が載るが後脚は載らないステージと、前記ステージに前記家畜の前記前脚が載せられたか否かを検出する荷重センサと、を含む、ようにしてもよい。
【0020】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記家畜用飼料給与設備は、畜舎に設置されている、ようにしてもよい。
【0021】
上述した家畜用飼料給与設備において、前記家畜用飼料給与設備は、搾乳ロボットに設置されている、ようにしてもよい。
【0022】
また、本発明は、搾乳ロボットに設置され、搾乳時の家畜が飼料を採食するための家畜用飼料給与設備であって、起立した前記家畜が載るステージと、前記飼料が載置される飼料載置部であって、前記ステージに起立した前記家畜が前記飼料を採食可能な飼料載置部と、前記ステージにおける前記家畜の存在の有無を検出する荷重センサと、前記飼料載置部に存在する場合の前記家畜の頭部を照明可能な照明部と、を備え、前記照明部は、前記荷重センサにより前記家畜の存在が検出された場合に点灯する、家畜用飼料給与設備、を提供する。
【0023】
また、本発明は、家畜に飼料を採食させる家畜用飼料給与方法であって、飼料載置部に前記飼料を載置するステップと、前記飼料載置部における前記家畜の頭部の存在の有無を検出するステップと、前記飼料載置部における前記家畜の前記頭部の存在が検出された場合に、前記飼料載置部に存在する前記家畜の頭部を照明するステップと、を備えた、家畜用飼料給与方法、を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、家畜が受けるストレスを軽減しつつ、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における家畜用飼料給与設備を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の照明部を示す下面図である。
【図3】図3は、図2の照明部を示す横断面図である。
【図4】図4は、図1の家畜用飼料給与設備の電気系統図である。
【図5】図5は、図1の家畜用飼料給与設備の変形例を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1の家畜用飼料給与設備の他の変形例を示す斜視図である。
【図7】図7は、図1の家畜用飼料給与設備の他の変形例を示す斜視図である。
【図8】図8は、図1の家畜用飼料給与設備の他の変形例を示す斜視図である。
【図9】図9は、図1の家畜用飼料給与設備の他の変形例を示す斜視図である。
【図10】図10は、図1の家畜用飼料給与設備の他の変形例を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態における家畜用飼料給与設備の電気系統図である。
【図12】図12は、本発明の第3の実施の形態における家畜用飼料給与設備を示す平面図である。
【図13】図13は、図12の家畜用飼料給与設備を示す側面図である。
【図14】図14は、図12の家畜用飼料給与設備の電気系統図である。
【図15】図15は、図12の家畜用飼料給与設備を示す変形例の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第4の実施の形態における家畜用飼料給与設備を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例1における夜間飼料摂取率を示すグラフである。
【図18】図18は、本発明の実施例1における血中IGF-1濃度を示すグラフである。
【図19】図19は、本発明の実施例2における夜間飼料摂取率を示すグラフである。
【図20】図20は、本発明の実施例2における血中IGF-1濃度を示すグラフである。
【図21】図21は、本発明の実施例2における飼料乾物摂取量を示すグラフである。
【図22】図22は、本発明の実施例2における乳量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。

【0027】
(第1の実施の形態)
図1乃至図10を参照して、本発明の第1の実施の形態における家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法について説明する。本実施の形態による家畜用飼料給与設備1は、図示しない畜舎に設置され、家畜が飼料を採食するための設備である。本実施の形態では、家畜の一例として牛を例にとり、牛舎(畜舎)の一例としてつなぎ牛舎を例にとって説明する。つなぎ牛舎とは、牛をつなぎ止めて飼育するように構成された牛舎を言う。

【0028】
図1に示すように、本実施の形態における家畜用飼料給与設備1は、飼料Fが載置される飼料載置部2と、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無を検出する赤外線センサ3(家畜検出部)と、飼料載置部2に存在する場合の牛Cの頭部Ch(好適には牛Cの目)を照明可能な照明部4と、を備えている。

【0029】
つなぎ牛舎においては、図1に示すように、つなぎ止められた牛Cが寝起きして飼育される牛床5(ストール、家畜床)が設けられている。この牛床5は、複数並列して設けられており、つなぎ牛舎では複数の牛Cを飼育可能になっている。上述した飼料載置部2は、牛舎の床面の一部の領域によって構成されており、牛Cが採食する飼料Fを載置する場所である。飼料載置部2は、各牛床5に対して隣接して配置されている。すなわち、飼料載置部2は、複数並列して設けられている。

【0030】
牛床5と飼料載置部2との間には、ません棒6が設けられている。ません棒6は、牛床5で起立している牛Cが、飼料載置部2に移動することを規制するためのものである。このません棒6は、水平方向に延びて、その両端部が、床面から直立した一対の支柱7に固定されている。ません棒6は、床面から離間して設けられており、ません棒6と支柱7と床面とによって、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食する牛Cの頭部Chが通過可能な開口部8が画定されている。

【0031】
各支柱7には、飼料載置部2の側に延びる第1仕切部材9が固定されている。この第1仕切部材9は、互いに隣り合う飼料載置部2の間に設けられて、互いに隣り合う飼料載置部2を区画しており、隣の牛床5の牛Cからの干渉を防止している。また、各支柱7には、牛床5の側に延びる第2仕切部材10が固定されている。この第2仕切部材10は、互いに隣り合う牛床5を区画しており、隣の牛床5の牛Cからの干渉を防止している。本実施の形態では、第1仕切部材9および第2仕切部材10は、パイプ材または丸棒材を折り曲げて形成された部材となっている。

【0032】
ません棒6の下方には、床面上に延びる下方横梁11が設けられている。ません棒6の上方には、水平方向に延びる上方横梁12が設けられている。これらの下方横梁11および上方横梁12の両端部は、上述した支柱7にそれぞれ固定されている。

【0033】
本実施の形態においては、図1に示すように、赤外線センサ3および照明部4は、上方横梁12に設けられている。

【0034】
より具体的には、照明部4は、図2および図3に示すように、光源13と、少なくとも隣の飼料載置部2の側から光源13を覆うかさ部14(光源覆い部材)と、を有している。このうち光源13は、牛Cの頭部Chに光を照射することができれば特に限られることはないが、光源13が、450nmの波長を含む光を照射可能な光源とすることが好適である。450nm波長の光(青色光)は、夜間に分泌されるメラトニンを抑制する効果を有しているため、この波長の光が照射されると、牛Cにとって夜間を中断する効果が発揮され得る。これに対して、450nmの波長を含まない光は、夜間を中断する効果が低く、450nmの波長から離れていくに従って、夜間を中断する効果が薄らいでいく。450nmの波長を含む光を照射する光源の一例としては、白色光を照射する白色LEDが挙げられる。また、光源13から照射される光の照度は、牛Cの夜間飼料摂取率を高くすることができれば特に限られることはないが、例えば、採食中の牛Cの目の位置に相当する位置での照度が、800(lx)以上であることが好適である。

【0035】
本実施の形態では、かさ部14は、隣の飼料載置部2の側から光源13を覆うだけでなく、光源13の上方、前方(牛床5の側とは反対側)および後方(牛床5の側)からも覆うように形成されている。かさ部14は、上方横梁12に取り付けられており、このかさ部14内に、光源13および赤外線センサ3が取り付けられている。光源13は上方横梁12に沿って細長状に延びるように形成されており、かさ部14は、光源13に沿って延びるような細長状に形成されている。図3に示すように、かさ部14は、光源13を上方から覆うように収容し、かさ部14の下端部14aが、光源13よりも下方に配置されていることが好適である。この場合、光源13から発せられた光を、光源13の下方に向かって照射させることができ、飼料載置部2に対応する牛床5の隣の牛床5で飼育されている牛Cに照射されることが抑制される。

【0036】
照明部4の光源13は、赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に点灯する。そして、本実施の形態では、照明部4の光源13は、赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出されない場合には消灯する。すなわち、赤外線センサ3が牛Cの頭部Chの存在を検出すると光源13は点灯し、その後に牛Cの頭部Chの存在が検出されなくなると、点灯していた光源13は消灯する。

【0037】
本実施の形態による赤外線センサ3は、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無を検出するように構成されている。赤外線センサ3の構成は、このような牛Cの頭部Chの存在の有無を検出することが可能であれば任意である。例えば、赤外線センサ3は、照射した赤外線ビームが反射して戻ってきたビームの受光量の変化によって牛Cの頭部Chの存在の有無を検出可能な構成でもよく、あるいは、牛Cの頭部Chから放出される赤外線を受光して牛Cの頭部Chの存在の有無を検出可能な構成でもよい。

【0038】
ところで、家畜用飼料給与設備1は、飼料載置部2の照度を計測する照度計15を更に備えていることが好適である。この照度計15は、飼料載置部2の照度を計測することができれば、任意の位置に取り付けることができる。例えば、照度計15は、上方横梁12や、牛舎の内壁などに配置されることが好適である。この場合、照度計15により計測される照度が、照明部4による照明の影響を受けることを防止できる。また、照度計15は、しきい値を設定可能に構成されており、計測された照度がしきい値よりも低いか否かに応じて、照度計15に内蔵された2つの内臓接点が導通状態と遮断状態とに切り替え可能になっている。このしきい値は、例えば、10(lx)~40(lx)の範囲内で設定されることが好適であり、特に10(lx)に設定されることが好適である。

【0039】
図4に示すように、照度計15、赤外線センサ3および照明部4の光源13は、電力コンセント16(電力供給部)に電気的に直列に接続されている。このうち電力コンセント16には、商用周波電源17が接続されている。照度計15は、計測された照度が所定のしきい値よりも低い場合に、電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを導通し、計測された照度が所定のしきい値以上である場合に、電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを遮断する。赤外線センサ3は、牛Cの頭部Chの存在を検出した場合に電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを導通し、牛Cの頭部Chの存在を検出しない場合に、電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを遮断するように構成されている。

【0040】
このような構成によって、照度計15により計測された照度が所定のしきい値よりも低く、かつ赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に、照度計15の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが導通するとともに、赤外線センサ3の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが導通する。このため、電力コンセント16から光源13に電力が供給されて光源13が点灯し、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chが照明される。

【0041】
一方、照度計15により計測された照度が所定のしきい値以上である場合には、照度計15の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが遮断される。このため、電力コンセント16から光源13に電力が供給されず、光源13は点灯しない。また、牛Cの頭部Chの存在が検出されない場合には、赤外線センサ3の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが遮断される。このため、電力コンセント16から光源13に電力が供給されず、光源13は点灯しない。

【0042】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、つなぎ牛舎において牛Cに飼料Fを採食させる家畜用飼料給与方法について説明する。

【0043】
まず、家畜用飼料給与設備1の飼料載置部2に、飼料Fが載置される。

【0044】
続いて、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無が検出される。より具体的には、牛床5内で休息している牛Cが飼料Fを採食しようとする場合、牛Cは飼料載置部2側に歩を進める。そして、牛Cの頭部Chがません棒6をくぐり抜けて(開口部8を通過して)、飼料載置部2に出現する。すると、赤外線センサ3により、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在することが検出される。

【0045】
次に、夜間のように飼料載置部2の照度が所定のしきい値よりも低い場合、照明部4が牛Cの頭部Chを照明する。この場合、電力コンセント16から照度計15および赤外線センサ3を介して光源13に電力が供給され、光源13が点灯する。照明部4の光源13はかさ部14により覆われているため、光源13から発せられた光は、光源13の下方に向かって照射される。このことにより、飼料載置部2に出現した牛Cの頭部Chが照明される。一方、このかさ部14によって、隣の牛床5で飼育されている牛Cに光が照射されることが抑制される。このため、隣の牛Cの周囲の照度を低く維持することができ、牛Cの休息や睡眠が妨げられることを防止できる。このようにして、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chが照明される。

【0046】
飼料載置部2に出現した牛Cは、頭部Chをさらに前進させて、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食する。採食中、赤外線センサ3によりこの牛Cの存在が検出され続け、光源13は点灯し続ける。このことにより、牛Cは、頭部Chを照明され続けながら、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食する。とりわけ、本実施の形態では、牛Cの目を効果的に照明することができ、牛Cの飼料摂取意欲を効果的に増大させることができる。

【0047】
飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chが夜間であるにもかかわらず照明されることにより、夜間に飼料を摂取する牛Cの飼料摂取意欲を増大させて、夜間の飼料摂取量を増加させることができる。このため、以下のように定義される夜間飼料摂取率を高めることができる。
夜間飼料摂取率=夜間の飼料摂取量/昼間の飼料摂取量
夜間飼料摂取率を高めると、以下のような利点が得られる。

【0048】
すなわち、飼料Fを採食すると牛Cの体温は上昇する。このため、気温が比較的高い昼間に飼料Fを採食すると、牛Cの体温が上昇し易くなる。一般的に牛Cは暑さに弱い動物であるため、体温の上昇をストレスに感じる。このことは、牛Cの生産性の低下の原因になり得る。

【0049】
これに対して、上述した夜間飼料摂取率が増加すると、昼間の飼料摂取量が低減し、気温が比較的低い夜間の飼料摂取量が増大することになる。このため、飼料採食時の牛Cの体温の上昇が抑えられ、牛Cが採食時に受けるストレスを軽減させることができ、牛Cの生産性の向上、すなわち、成長を促進して肉量を増加させることができるとともに、乳用牛の場合には乳量を増加させることができる。

【0050】
とりわけ、気温が比較的高い夏季には、生産性を低下させ得る暑熱ストレスが問題になるが、夏季の昼間に飼料Fを採食すると牛Cが受ける暑熱ストレスが増大し得る。これに対して、本実施の形態によれば、夜間の飼料摂取量を増大させることができるため、牛Cが飼料採食時に受ける暑熱ストレスを効果的に軽減することができる。このため、牛Cの生産性を向上させることができる。

【0051】
また、上述したように、飼料載置部2の照度が所定のしきい値よりも低い場合に照明部4が牛Cの頭部Chを照明することにより、牛Cの血中IGF-1(インスリン様成長因子1)が増加すること、牛Cの飼料摂取量が増大すること、および牛Cの生産性が向上することにつながる。

【0052】
ところで、昼間のように飼料載置部2の照度が所定のしきい値以上である場合には、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合であっても、光源13には電力が供給されず、光源13は点灯しない。このことにより、電力使用量を低減して電気代を節約することができる。

【0053】
飼料Fの採食が終了すると、牛Cは、飼料載置部2に出現していた頭部Chをません棒6から引き込む。この場合、赤外線センサ3により、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在しないことが検出されるため、照明部4の光源13は消灯する。このことにより、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在していない場合には、牛Cが照明されることを回避でき、牛Cの休息や睡眠が妨げられることを防止できる。すなわち、本実施の形態によれば、休息や睡眠中の牛Cが、休息や睡眠を中断して飼料Fを採食しようとして飼料載置部2に頭部Chを出現したときに初めて当該頭部Chを照明するようになっており、飼料載置部2に頭部Chを出現していない間は、牛Cは照明部4から照明されることがなく、自由意志による行動が阻害されることを防止できる。飼料載置部2に頭部Chを出現するという牛Cの行動は、飼料Fを採食したいという牛Cの自由意志によって行われる。このため、牛Cの自由意志を尊重することができ、この点においても牛Cがストレスを受けることを防止できる。また、動物福祉の観点からも優れた飼育を行うことが可能になる。

【0054】
このように本実施の形態によれば、赤外線センサ3により飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に、牛Cの頭部Chが照明される。このことにより、牛Cの飼料摂取意欲を増大させて、照明されている間の飼料摂取量を増加させることができる。また、牛Cが飼料Fを採食しようとして飼料載置部2に頭部Chを出現したときに初めて当該頭部Chが照明されるため、牛Cの自由意志を尊重することができる。このため、不必要に牛Cが照明されることを回避し、牛Cがストレスを受けることを軽減できる。また、夜間に飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chを照明する場合には、気温が比較的低い夜間の飼料摂取量を増加させることができる。このため、牛Cが飼料採食時に受けるストレスを軽減させることができ、生産性を向上させることができる。

【0055】
また、本実施の形態によれば、照明部4の光源13が、かさ部14によって覆われている。このことにより、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chを照明する間、隣の牛床5で飼育されている牛Cの周囲の照度を低く維持することができる。このため、隣の牛床5の牛Cが照明されることを抑制でき、牛Cの休息や睡眠が妨げられることを防止できる。この結果、牛Cが受けるストレスを軽減することができる。

【0056】
また、本実施の形態によれば、照明部4の光源13は、赤外線センサ3により牛Cの存在が検出されない場合には消灯する。このことにより、不必要に牛Cが照明されることを回避でき、牛Cの休息や睡眠が妨げられることを防止できる。このため、牛Cが受けるストレスを軽減することができる。

【0057】
また、本実施の形態によれば、照度計15により計測された照度が所定のしきい値よりも低く、かつ赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に、牛Cの頭部Chが照明される。このことにより、照度が高い(所定のしきい値以上である)場合には、牛Cの頭部Chの存在が検出された場合であっても、照明部4が点灯することを回避できる。このため、光源13の点灯を回避することができ、電力使用量を低減して電気代を節約することができる。一方、計測された照度が所定のしきい値よりも低い場合には牛Cの頭部Chを照明することができ、夜間のように気温が比較的低い場合の飼料摂取量を効果的に増加させることができる。また、飼料載置部2の照度が所定のしきい値よりも低い場合に照明部4が牛Cの頭部Chを照明することにより、血中IGF-1(インスリン様成長因子1)を増加させること、牛Cの飼料摂取量を増大させること、および牛Cの生産性を向上させることができる。

【0058】
さらに、本実施の形態によれば、家畜検出部は、赤外線センサ3により構成されている。このことにより、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無を検出するための構成を容易に実現することができる。また、赤外線センサ3は、入手性もよく、設備コストの増大を抑制することもできる。

【0059】
なお、上述した本実施の形態においては、赤外線センサ3および照明部4の光源13が、電力コンセント16に電気的に直列に接続されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、家畜用飼料給与設備1が、赤外線センサ3により検出された牛Cの頭部Chの存在の有無に基づいて、照明部4の光源13の点灯および消灯を制御する制御部(図示せず)を備えていてもよい。この場合においても、照明部4は、赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に点灯することができる。また、この制御部は、照度計15により計測された照度に基づいて光源13を制御するようにしてもよい。

【0060】
また、上述した本実施の形態においては、照明部4が、光源13と、かさ部14と、を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、照明部4がかさ部14を有していなくてもよい。この場合、第1仕切部材9および第2仕切部材10が、図5に示すように、照明部4から照射される光を遮蔽する遮蔽部材として構成されていることが好適である。例えば、図5に示すように、第1仕切部材9および第2仕切部材10が、遮蔽部材として板状にそれぞれ形成され、牛舎の床面から、少なくとも照明部4の高さ位置まで延びていることが好ましい。このことにより、隣の牛床5に横臥している牛Cが照明されることを防止できる。なお、仕切部材9、10は、少なくとも牛Cの頭部Chの最大到達位置(牛Cが首を上方に伸ばしたときに到達し得る最大高さ位置)まで延びていることが好ましい。このことにより、隣の牛床5で起立状態の牛Cが照明されることを防止できる。また、照明部4がかさ部14を有している場合であっても、第1仕切部材9および第2仕切部材10が遮蔽部材として構成されていてもよい。さらに、少なくとも第2仕切部材10が遮蔽部材として構成され、第1仕切部材9が遮蔽部材として構成されていなくてもよい。この場合であっても、隣の牛床5で飼育されている牛Cが照明されることを防止できる。

【0061】
また、上述した本実施の形態においては、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14が上方横梁12に取り付けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば図6に示すように、牛Cの頭部Chとの衝突によって破損を回避することが可能であれば、かさ部14は、ません棒6に取り付けられていてもよい。この場合、光源13の光が、隣の牛床5で飼育されている牛Cに照射されることをより一層抑制できる。

【0062】
また、上述した本実施の形態においては、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14は、例えば図7に示すように、飼料散乱防止部材18に取り付けられるようにしてもよい。すなわち、図7に示す変形例においては、飼料載置部2の前端部(牛床5の側とは反対側の端部)に、牛舎の床面から直立した飼料散乱防止部材18が設けられている。この飼料散乱防止部材18は、飼料載置部2に載置された飼料Fが散乱することを防止するためのものである。このため、飼料散乱防止部材18は、板状に形成されていることが好適である。飼料散乱防止部材18に照明部4のかさ部14が取り付けられている。図7に示す例においては、かさ部14は、隣の飼料載置部2の側から光源13を覆うだけでなく、光源13の上方および下方からも覆うように形成されている。このことにより、光源13の光が、隣の牛床5で飼育されている牛Cに照射されることをより一層抑制できる。なお、図7に示すように、照度計15は、ません棒6に取り付けられていてもよい。

【0063】
また、上述した本実施の形態においては、つなぎ牛舎に本発明による家畜用飼料給与設備1を適用する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、本発明による家畜用飼料給与設備1は、放し飼い牛舎(例えば、フリーストール牛舎)にも適用することができる。放し飼い牛舎とは、牛Cをつなぎ止めずに放し飼いで飼育するように構成された牛舎を言う。放し飼い牛舎においては、例えば図8に示すように、牛床5ではなく牛Cが自由に往来する通路19が設けられており、この通路19と飼料載置部2との間に、通路19を区画する規制柵20が設けられている。この規制柵20は、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食する際に牛Cの頭部Chが通過可能な開口部8を有している。図8においては、図1に示すような第1仕切部材9および第2仕切部材10は設けられていない例が示されているが、仕切部材9、10が設けられていてもよい。図8に示す変形例においては、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14が、この規制柵20の上端部に取り付けられている。この場合においても、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chを照明することができるとともに、光源13の光が、当該光源13の下方に位置する飼料載置部2に出現した牛C以外の牛Cに照射されることをより一層抑制できる。なお、図8に示すように、照度計15は、規制柵20に取り付けられていてもよい。

【0064】
また、上述した本実施の形態においては、つなぎ牛舎に本発明による家畜用飼料給与設備1を適用する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、本発明による家畜用飼料給与設備1は、牛舎内に設けられた単房にも適用することができる。単房は、図9に示すように、ケージ21内で牛Cを1頭ずつ個別に飼育するためのものである。ケージ21は、一対の支柱7を含んでおり、支柱7にません棒6が設けられている。ません棒6と支柱7と床面とによって、開口部8が画定されている。ません棒6の上方には、上方横梁12が設けられている。開口部8には、飼槽22が隣接して設けられている。飼料載置部2は、この飼槽22内に、窪み状に形成されており、この飼料載置部2に載置された飼料Fを採食する場合、牛Cの頭部Chがません棒6をくぐり抜けて(開口部8を通過して)、飼料載置部2に出現する。図9に示す変形例においては、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14が、この上方横梁12に取り付けられている。この場合においても、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chを照明することができるとともに、光源13の光が、当該光源13の下方に位置する飼料載置部2に出現した牛C以外の牛Cに照射されることをより一層抑制できる。なお、図9に示すように、照度計15は、上方横梁12に取り付けられていてもよい。また、図示しないが、照明部4の光源13は、上方横梁12ではなく、飼槽22に取り付けられていてもよい。この場合、光源13は、飼槽22から上方に向かって光を照射させることが好ましい。このことにより、牛Cの頭部Ch、とりわけ牛Cの目を効果的に照明することができ、牛Cの飼料摂取意欲を効果的に増大させることができる。

【0065】
また、上述した本実施の形態においては、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14が、上方横梁12に取り付けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、かさ部14は、飼料載置部2の上方に配置されるようにしてもよい。例えば、図10に示す例では、ません棒6よりも前方(飼料載置部2の側)に載置部上方梁23が設けられ、この載置部上方梁23が、サポート部材24を介して支柱7に固定されている。この載置部上方梁23に、かさ部14が取り付けられている。この場合、牛Cの頭部Ch、とりわけ牛Cの目を効率良く照明することができ、牛Cの飼料摂取意欲を効果的に増大させることができる。また、この場合、飼料載置部2に載置された飼料Fを効果的に照明することができ、この点においても、牛Cの飼料摂取意欲をより一層増大させることができる。

【0066】
さらに、上述した本実施の形態における家畜用飼料給与設備は、後述する図15に示す搾乳ロボット50に適用することもできる。すなわち、照明部4の光源13と赤外線センサ3とを収容したかさ部14を、飼槽53の飼料載置部2の上方に配置することで、搾乳中の牛Cの頭部Chが飼料載置部2に出現したときに、当該頭部Chを赤外線センサ3が検出することができる。この場合、照明部4の光源が点灯するため、牛Cは、頭部Chを照明され続けながら、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食することができる。

【0067】
(第2の実施の形態)
次に、図11を用いて、本発明の第2の実施の形態における家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法について説明する。

【0068】
図11に示す第2の実施の形態においては、現在時刻がタイマーにより設定された時間帯内であり、かつ家畜検出部により家畜の頭部の存在が検出された場合に、家畜の頭部を照明する点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図11において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。

【0069】
本実施の形態においては、図11に示すように、家畜用飼料給与設備1は、照明部4が点灯可能な時間帯を設定したタイマー30を更に備えている。このタイマー30には、任意の時間帯を設定可能に構成されている。例えば、照明部4が点灯可能な時間帯として、夜間の時間帯を設定すること、特に季節に応じて夜間の時間帯を設定することが好適である。また、夜間の時間帯としては、照度が10(lx)~40(lx)以下、特に10(lx)以下になる時間帯を設定することが好ましい。タイマー30の取付箇所は任意であるが、取扱性の観点で、例えば、上方横梁12や、牛舎の内壁などに配置されることが好適である。

【0070】
図11に示すように、タイマー30、赤外線センサ3および照明部4の光源13は、電力コンセント16に電気的に直列に接続されている。このうちタイマー30は、現在時刻が設定された時間帯内である場合に、電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを導通し、現在時刻が設定された時間帯外である場合に、電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とを遮断するように構成されている。

【0071】
このような構成によって、現在時刻がタイマー30により設定された時間帯内であり、かつ赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に、タイマー30の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが導通する。このため、電力コンセント16から光源13に電力が供給されて、光源13が点灯し、飼料載置部2に存在する牛Cの頭部Chが照明される。

【0072】
一方、現在時刻がタイマー30により設定された時間帯外である場合には、タイマー30の電力コンセント16の側の内臓接点と光源13の側の内臓接点とが遮断される。このことにより、電力コンセント16から光源13に電力が供給されず、光源13は点灯しない。この場合、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在した場合であっても、光源13は点灯しない。このため、電力使用量を低減して電気代を節約することができる。

【0073】
このように本実施の形態によれば、現在時刻がタイマー30により設定された時間帯内であり、かつ赤外線センサ3により牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に、牛Cの頭部Chが照明される。このことにより、照度が高い(現在時刻が時間帯外である)場合には、牛Cの頭部Chの存在が検出された場合であっても、照明部4が点灯することを回避できる。このため、光源13の点灯を回避することができ、電力使用量を低減して電気代を節約することができる。一方、現在時刻が設定された時間帯内である場合には牛Cの頭部Chを照明することができ、設定された時間帯を夜間のように気温が比較的低い時間帯にしていた場合には夜間の飼料摂取量を効果的に増加させることができる。

【0074】
(第3の実施の形態)
次に、図12乃至図14を用いて、本発明の第3の実施の形態における家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法について説明する。

【0075】
図12乃至図14に示す第3の実施の形態においては、家畜検出部が、ステージと荷重センサとを含んでいる点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図12乃至図14において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。

【0076】
本実施の形態においては、図12および図13に示すように、家畜検出部は、ステージ40と、荷重センサ41と、を含んでいる。このうち、ステージ40は、牛Cが起立するとともに頭部Chが飼料載置部2に存在する場合に牛Cの2本の前脚Cfが載るが、2本の後脚Crが載らないように構成されている。図12に示すように、ステージ40の長さ寸法X(牛床5の奥行き方向の寸法)は、起立している牛Cの頭部Chが飼料載置部2に存在する場合に、牛Cの前脚Cfが載るが後脚Crが載らないように構成できれば任意である。例えば、ステージ40は、下方横梁11(あるいは飼料載置部2の端部)から寸法Xで示される位置にわたって形成されていることが好適である。この場合、寸法Xは、例えば、70cm~80cmであることが好適である。このことにより、成牛である牛Cが飼料載置部2のうち牛床5の側の位置に載置された飼料Fを採食する場合であっても、牛Cの前脚Cfをステージ40に載せることができる。また、ステージ40の幅寸法は、牛床5の幅寸法と同等であることが好ましい。この場合、牛Cの前脚Cfが、第2仕切部材10に近接した位置にある場合であっても、前脚Cfをステージ40に載せることができる。

【0077】
荷重センサ41は、ステージ40に牛Cの前脚Cfが載せられたか否かを検出する。荷重センサ41は、ステージ40の荷重を計測することができれば、任意の位置に取り付けることができる。例えば、荷重センサ41は、図13に示すように、ステージ40の下面に取り付けられ、ステージ40とともに牛床5に埋設されることが好適である。なお、荷重センサ41は、圧電素子を用いて構成することができる。

【0078】
荷重センサ41は、しきい値を設定可能に構成されており、計測されたステージ40の荷重がしきい値よりも大きいか否かに応じて、荷重センサ41に内蔵された2つの内蔵接点が導通状態と遮断状態とに切り替え可能になっている。このしきい値は、前脚Cfが載せられていない状態で計測されるステージ40の荷重と、前脚Cfが載せられた状態で計測されるステージ40の荷重との間の任意の値に設定されることが好適である。

【0079】
より好ましくは、このしきい値は、横臥している牛Cの一部がステージ40に載せされた場合には、内蔵接点を遮断させることが可能な値に設定されることが好適である。すなわち、横臥している牛Cの一部がステージ40に載せられた場合には、起立している場合よりも牛Cの荷重は分散されるため、ステージ40にかかる荷重は小さくなる。このため、横臥している牛Cの一部がステージ40に載せられている場合のステージ40の荷重と、起立している牛Cの前脚Cfがステージ40に載せられている場合のステージ40の荷重との間の値をしきい値に設定することが好適である。このことにより、休息や睡眠中の牛Cが照明されることを回避でき、牛Cに与えるストレスを軽減できる。

【0080】
図14に示すように、本実施の形態では、荷重センサ41は、照度計15および照明部4の光源13とともに電力コンセント16に電気的に直列に接続されていることが好適である。この場合、荷重センサ41は、牛Cの前脚Cfがステージ40に載せられたことを検出した場合に、電力コンセント16の側の内蔵接点と光源13の側の内蔵接点とを導通させ、ステージ40上に牛Cの前脚Cfが載せられたことを検出しない場合に、電力コンセント16の側の内蔵接点と光源13の側の内蔵接点とを遮断するように構成されていてもよい。このことにより、照度計15により計測された照度が所定のしきい値よりも低く、かつステージ40に牛Cの前脚Cfが載せられたことが検出された場合に、照明部4の光源13(図2参照)を点灯する。

【0081】
このように本実施の形態によれば、荷重センサ41により、ステージ40に牛Cの前脚Cfが載せられたことが検出された場合に、牛Cの頭部Chが照明される。すなわち、飼料載置部2に頭部Chが存在する牛Cは、起立状態で前脚Cfをステージ40に載せる。このことにより、ステージ40に牛Cの前脚Cfが載せられた場合には、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在しているとみなすことができる。このため、牛Cの頭部Chを照明して、牛Cの飼料摂取意欲を増大し、照明されている間の飼料摂取量を増加させることができるとともに、休息や睡眠中の牛Cは照明されないことから牛Cがストレスを受けることを軽減できる。また、ステージ40と荷重センサ41とにより、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無を検出するための構成を容易に実現することができる。

【0082】
なお、上述した本実施の形態においては、家畜検出部がステージ40と荷重センサ41とを含む家畜用飼料給与設備1をつなぎ牛舎に適用する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図12乃至図14に示す家畜検出部を、放し飼い牛舎に適用してもよい。放し飼い牛舎の場合には、牛床5ではなく通路19に、図12および図13に示すようなステージ40が設けられていればよい。ステージ40の幅寸法は、牛Cの1頭あたりの幅寸法に相当する寸法にしてもよく、複数頭分の幅寸法に相当する寸法にしてもよい。また、放し飼い牛舎では、下方横梁11が床から上方に延びる板状に形成されている場合があるが、この場合には、牛Cは、つなぎ牛舎の場合よりも前方に前脚Cfを置くため、寸法Xは、つなぎ牛舎の場合よりも小さくてもよい。

【0083】
また、上述した本実施の形態においては、家畜検出部がステージ40と荷重センサ41とを含む家畜用飼料給与設備1をつなぎ牛舎に適用する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図15に示すような搾乳ロボット50に適用してもよい。

【0084】
図15に示す家畜用飼料給与設備1は、起立した牛Cが載置されるステージ51と、ステージ51の一方の側(図15に示す右側)に設けられた飼料載置部2と、ステージ51に設けられた荷重センサ52と、を備えている。このうち飼料載置部2は、飼料Fを載置するためのものであり、飼槽53内に窪み状に形成されている。ステージ51の他方の側には、搾乳機54が設けられている。すなわち、飼料載置部2と搾乳機54との間にステージ51が配置されている。

【0085】
荷重センサ52は、ステージ51に起立した牛Cの存在の有無を検出するようになっている。荷重センサ52は、ステージ51の荷重を計測することができれば、任意の位置に取り付けられることができる。例えば、荷重センサ52は、図15に示すように、上述した荷重センサ41と同様に、ステージ51の下面に取り付けられて、ステージ51とともに床に埋設されることが好適である。なお、荷重センサ52は、圧電素子を用いて構成することができる。

【0086】
荷重センサ52は、しきい値を設定可能に構成されており、計測されたステージ51の荷重がしきい値よりも大きいか否かに応じて、荷重センサ52に内蔵された2つの内蔵接点が導通状態と遮断状態とに切り替え可能になっている。このしきい値は、牛Cが載せられている状態で計測されるステージ51の荷重と、牛Cが載せられていない状態で計測されるステージ51の荷重との間の任意の値に設定されることが好適である。

【0087】
ステージ51上に牛Cが移動してきて、ステージ51上で起立すると、牛Cに、搾乳機54に連結された搾乳アタッチメント55が取り付けられて、搾乳が行われる。この間、荷重センサ52によりステージ51に起立した牛Cが存在することが検出される。このことにより、照明部4の光源13(図2参照)が点灯し、牛Cは、頭部Chを照明され続けながら、飼料載置部2に載置された飼料Fを採食することができる。

【0088】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。

【0089】
また、上述した各実施の形態においては、家畜の一例として牛を例にとって説明をした。しかしながら、家畜は、牛に限られることはなく、例えば、豚、羊、鶏等にも容易に適用することができる。

【0090】
豚については、以下の文献等によって、長日条件の方が豚の繁殖成績が改善されることが報告されている。
J.W.Mabry et al.,1983. A comparison of an 8-versus 16-hour photoperiod during lactation on suckling frequency of the baby pig and maternal performance of the sow. Journal of animal science. 57-2,292-295.

【0091】
また、以下の文献等によって、血中IGF-1濃度が増加することにより、成長が促進したという報告がある。
P A Schoknecht, et al., 1997. Exogenous insulin-like growth factor-1 increases weight gain in intrauterine growth-retarded neonatal pigs. Pediatric research 42,201-207.

【0092】
このことにより、豚にも本発明による家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法を適用することにより、本発明による効果を得ることができる。この場合、例えば、豚舎に、図8に示すような家畜用飼料給与設備1を好適に適用することができる。

【0093】
羊については、非特許文献4に示すように、夜間1時間にわたる一斉の暗期中断が、飼料摂取量を増加させ、体重を増加させると報告されている。

【0094】
また、以下の文献等によって、血中IGF-1濃度と体重に相関関係があったという報告がある。
M.Mirzaei et al.,2014.Blood insulin-like growth factor-1(IGF-1) concentrations and some reproductive and physical characteristics of fat-tailed ewes and their litters during the breeding and non-breeding seasons.Revue Med.Vet.165,5-6,144-149

【0095】
このことにより、羊にも本発明による家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法を適用することにより、本発明による効果を得ることができる。この場合、例えば、羊舎に、図8に示すような家畜用飼料給与設備を好適に適用することができる。

【0096】
鶏についても、JACCネットにわとり(JA全農の畜産総合情報サイト)によれば、長日条件は、発育促進や繁殖機能促進の効果があるとされている。このため、鶏に本発明による家畜用飼料給与設備および家畜用飼料給与方法を適用することにより、本発明による効果を得ることができる。単独飼育鶏舎の場合には、図1に示すような家畜用飼料給与設備を鶏のサイズに合わせて小形化して好適に適用することができる。一方、放し飼い鶏舎の場合、例えば、図16に示すような、家畜用飼料給与設備1を、鶏舎内に設置することが好適である。

【0097】
図16に示す家畜用飼料給与設備1は、飼料Fが載置される飼料載置部2と、飼料載置部2における鶏Bの頭部Bhの存在の有無を検出する赤外線センサ3(家畜検出部)と、飼料載置部2に存在する場合の鶏Bの頭部Bhを照明可能な照明部4と、を備えている。このうち照明部4の光源13は、赤外線センサ3により鶏Bの頭部Bhの存在が検出された場合に点灯する。このことにより、鶏Bの飼料摂取意欲を増大させて、照明されている間の飼料摂取量を増加させることができるとともに、休息や睡眠中の鶏Bは照明されないことから鶏Bが受けるストレスを軽減できる。なお、図16に示す家畜用飼料給与設備1の照明部4は、飼料載置部2が形成された円筒状の飼槽60から上方に延びる円錐状の支柱61の上部に取り付けられている。照明部4は、光源13(図2参照)とかさ部14とを有しており、赤外線センサ3は、かさ部14内に収容されている。赤外線センサ3は、かさ部14内に複数収容されていることが好適である。光源13は、飼料載置部2に均等に光を照射させるように構成されていることが好適である。
【実施例】
【0098】
(実施例1)
実施例1として、つなぎ牛舎に本発明を適用し、その効果を確認した。このつなぎ牛舎は、外光が入らないように光制御された建物になっている。
【実施例】
【0099】
具体的には、照明部4は、上方横梁12に取り付けた。照明部4の高さは、飼料載置部2の床面から2mであった。照明部4のかさ部14に、光源13と赤外線センサ3とを収容した。光源13には、白色LED照明を用いた。赤外線センサ3には、照射した赤外線ビームが反射して戻ってきたビームの受光量の変化によって牛Cの頭部Chの存在の有無を検出可能な構成のセンサを用いた。光源13は、赤外線センサ3により飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在が検出された場合に点灯するように設定した。この光源13による照度は、飼料載置部2の床面から0.9mの高さ位置(飼料を採食する牛Cの目の位置に相当)において、800(lx)程度であった。飼料載置部2には、飽食となるように十分な飼料Fを載置した。飼料Fは、牛舎の床面から0.4mの高さに設置した飼槽内の飼料載置部2に載置した。
【実施例】
【0100】
光源13は、夜間照明として、夜間に点灯可能なように設定した。ここでの夜間とは、牛舎内に設置されて昼間に点灯する昼間照明部が点灯しない時間帯をいう。本実施例では、昼間照明は、8時40分から15時40分までの時間帯に点灯するように設定し、この期間を昼間とする。夜間は、15時40分から8時40分までの時間帯になる。
【実施例】
【0101】
この飼料載置部2に対応する牛床5で飼育されている乳用牛(以下、単に牛Cと記す)について、夜間飼料摂取率と、血中IGF-1濃度とを測定した。このうち夜間飼料摂取率は、1日に牛Cが採食した飼料摂取量(より詳細には、飼料乾物摂取量)を夜間と昼間とに分けて求めた。
【実施例】
【0102】
比較例1として、夜間に照明されない牛Cの夜間飼料摂取率と、血中IGF-1の濃度とを測定した。比較例1では、昼間を8時00分~16時00分までの時間帯に設定し、夜間を16時00分~8時00分までの時間帯に設定した。
【実施例】
【0103】
また、比較例2として、飼料載置部2における牛Cの頭部Chの存在の有無に関わることなく、夜間に強制的に1時間照明を点灯した場合の、牛Cの夜間飼料摂取率と血中IGF-1濃度を測定した。比較例2では、昼間を8時40分から15時40分までの時間帯に設定し、夜間を15時40分から8時40分までの時間帯に設定した。夜間における照明部4の点灯時間帯は、0時40分から1時40分とした。
【実施例】
【0104】
測定結果を、図17および図18に示す。図17および図18に示す実施例1、比較例1および比較例2の各データは、3頭の牛Cを用いて、ラテン方格法で得られたデータになっている。すなわち、第1期(2週間)に、3頭の牛Cのうちの第1の牛Cを実施例1の条件で飼育し、第2の牛Cを比較例1の条件で飼育し、第3の牛Cを比較例2の条件で飼育した。第1期が終了した後の第2期(2週間)に、第1の牛Cを比較例1の条件で飼育し、第2の牛Cを比較例2の条件で飼育し、第3の牛Cを実施例1の条件で飼育した。そして、第2期が終了した後の第3期(2週間)に、第1の牛Cを比較例2の条件で飼育し、第2の牛Cを実施例1の条件で飼育し、第3の牛Cを比較例1の条件で飼育した。図17において実施例1で示すデータは、各牛Cが実施例1の条件で飼育された期間のうちの最後の6日間で毎日測定された夜間の飼料摂取量と昼間の飼料摂取量から得られた夜間飼料摂取率を平均化したデータである。図17において比較例1および比較例2で示すデータも、同様にして得られたデータである。図18において実施例1で示すデータは、各牛Cが実施例1の条件で飼育された期間のうちの最後の2日間で毎日測定された血中IGF-1濃度を平均化したデータである。
【実施例】
【0105】
図17には、実施例1、比較例1および比較例2における夜間飼料摂取率が示されている。このように、実施例1において得られた夜間飼料摂取率は、比較例1および比較例2よりも高くなった。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、夜間飼料摂取率が高くなり、牛Cが採食時に受けるストレスが軽減し得ることが確認できた。
【実施例】
【0106】
図18には、実施例1、比較例1および比較例2における血中IGF-1濃度が示されている。このように、実施例1において得られた血中IGF-1濃度は、比較例1および比較例2よりも高くなった。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、血中IGF-1濃度が高くなり、生産性が向上し得ることが確認できた。
【実施例】
【0107】
(実施例2)
実施例2として、放し飼い牛舎に本発明を適用し、その効果を確認した。
【実施例】
【0108】
具体的には、照明部4は、規制柵20の上端部に取り付けた。照明部4の高さは、飼料載置部2の床面から0.8mであった。この光源13による照度は、飼料載置部2の床面から0.5mの高さ位置(飼料を採食する牛Cの目の位置に相当)において、2000(lx)程度であった。なお、実施例2では、牛舎の床面に設置した飼槽内の飼料載置部2に飼料Fを載置した。
【実施例】
【0109】
光源13は、タイマー30を用いて、夜間とみなせる所定の時間帯に点灯可能なように設定した。ここでは、夏期(6月~10月)では、18時15分~9時15分を夜間とする時間帯に設定し、冬期(11月~12月)では、17時15分~9時15分を夜間とする時間帯に設定した。
【実施例】
【0110】
その他の点については、実施例1と同様にした。
【実施例】
【0111】
6月中旬から12月上旬にわたって、牛C(乳用牛)の夜間飼料摂取率と、飼料摂取量(より詳細には、飼料乾物摂取量)と、乳量と、を測定した。夜間飼料摂取率は、1日に牛Cが採食した飼料摂取量を夜間と昼間とに分けて求めた。この場合の夜間は、タイマー30で設定された時間帯とした。乳量は、飼料摂取量の測定と同じ日に測定した。
【実施例】
【0112】
比較例3として、実施例2と同時に、夜間に照明されない乳用牛の夜間飼料摂取率と、飼料摂取量と、乳量とを測定した。
【実施例】
【0113】
測定結果を、図19乃至図22に示す。図19乃至図22に示す実施例2および比較例3の各データは、各4頭の乳用牛を用いて、一元配置法で得られたデータになっている。すなわち、4頭の牛Cを実施例2の条件で飼育し、別の4頭の牛Cを比較例3の条件で飼育した。図19において実施例2で示すデータは、上記期間において実施例2の条件で飼育された牛Cから2~5週間毎に測定された夜間の飼料摂取量と昼間の飼料摂取量から得られた夜間飼料摂取率を平均化したデータである。図19において比較例3で示すデータも、同様にして得られたデータである。図20において実施例2で示すデータは、上記期間において実施例2の条件で飼育された牛Cから測定された血中IGF-1濃度である。より詳細には、上記期間のうち飼育開始日と、飼育開始してから8週間後と、12週間後と、22週間後に測定された血中IGF-1濃度を平均化したデータである。図20において比較例3で示すデータも、同様にして得られたデータである。図21において実施例2で示すデータは、上記期間において実施例2の条件で飼育された牛Cから2~5週間毎に測定された飼料摂取量を合算して1日当たり数値に平均化したデータである。図21において比較例3で示すデータも、同様にして得られたデータである。図22において実施例2で示すデータは、上記期間において実施例2の条件で飼育された牛Cから2~5週間毎に測定された乳量を合算して1日当たりの数値に平均化したデータである。図22において比較例3で示すデータも、同様にして得られたデータである。
【実施例】
【0114】
図19には、実施例2および比較例3における夜間飼料摂取率が示されている。このように、実施例2において得られた夜間飼料摂取率は、比較例3よりも高くなった。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、夜間飼料摂取率が高くなり、牛Cが採食時に受けるストレスが軽減し得ることが確認できた。
【実施例】
【0115】
図20には、実施例2および比較例3における血中IGF-1濃度が示されている。このように、実施例2において得られた血中IGF-1濃度は、比較例3よりも高くなった。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、血中IGF-1濃度が高くなり、生産性が向上し得ることが確認できた。
【実施例】
【0116】
図21には、実施例2および比較例3における1日当たりの飼料摂取量が示されている。このように、実施例2において得られた飼料摂取量は、比較例3よりも増加した。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、飼料摂取量が増加し、生産性が向上し得ることが確認できた。このため、牛Cが受けるストレスが軽減されたと考えられる。
【実施例】
【0117】
図22には、実施例2および比較例3における1日当たりの乳量が示されている。このように、実施例2において得られた乳量は、比較例3よりも増加した。このことから、飼料載置部2に牛Cの頭部Chが存在する場合に牛Cの頭部Chを照明することにより、乳量が増加し、生産性が向上し得ることが確認できた。このため、牛Cが受けるストレスが軽減されたと考えられる。
【符号の説明】
【0118】
1 家畜用飼料給与設備
2 飼料載置部
3 赤外線センサ
4 照明部
5 牛床
9 第1仕切部材
10 第2仕切部材
13 光源
14 かさ部
15 照度計
30 タイマー
40 ステージ
41 荷重センサ
50 搾乳ロボット
51 ステージ
52 荷重センサ
B 鶏
C 牛
Cf 前脚
Ch 頭部
F 飼料
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
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【図19】
18
【図20】
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【図21】
20
【図22】
21