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明細書 :結球野菜の搬送装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-165650 (P2019-165650A)
公開日 令和元年10月3日(2019.10.3)
発明の名称または考案の名称 結球野菜の搬送装置
国際特許分類 A23N  15/00        (2006.01)
A01D  45/26        (2006.01)
B65G  47/252       (2006.01)
B65G  15/14        (2006.01)
FI A23N 15/00 F
A01D 45/26
B65G 47/252
B65G 15/14
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2018-054845 (P2018-054845)
出願日 平成30年3月22日(2018.3.22)
発明者または考案者 【氏名】千田 有一
【氏名】田村 正好
【氏名】岡宮 裕
【氏名】西澤 武司
【氏名】高橋 良政
【氏名】上原 和彦
【氏名】平田 甲子巳
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001726、【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2B075
3F023
3F081
4B061
Fターム 2B075AA10
2B075GA06
3F023AA06
3F023AB10
3F023BA09
3F023BC02
3F023EA01
3F081AA46
3F081BE03
3F081BE09
3F081CA37
3F081CA42
3F081CC10
4B061AA01
4B061BA03
4B061BB12
4B061BB13
4B061CB05
4B061CB16
要約 【課題】レタス等の結球野菜の収穫を行う際に、商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済むとともに、作業効率を従来よりも高めることが可能な構成の結球野菜の搬送装置を提供する。
【解決手段】結球野菜の搬送装置1は、所定間隔で配設された第1部材11を有する第1無端ベルト21と、第1無端ベルト21の真下を中央位置にして、並列に配設された支持部3とを備え、支持部3は、上向きに突出した止め部材4が下流側の位置に配設されており、第1部材11は、各支持部3に跨った状態の結球野菜S1を下流側に押して搬送し、第1部材11と止め部材4とで結球野菜S1を反転させて、結球野菜S1の切断部を上向きにする構成である。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
所定間隔で配設された第1部材を有する第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの真下を中央位置にして、並列に配設された支持部と、を備え、
前記支持部は、上向きに突出した止め部材が下流側の位置に配設されており、
前記第1部材は、各前記支持部に跨った状態の結球野菜を下流側に押して搬送し、前記第1部材と前記止め部材とで前記結球野菜を反転させて、前記結球野菜の切断部を上向きにする構成であること
を特徴とする結球野菜の搬送装置。
【請求項2】
前記止め部は、それぞれ前記結球野菜に回転運動をさせる支点として、傾斜が設けられた当接部が上流側に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項3】
前記支持部は、それぞれ前記中央位置に向かって下向きとなる傾斜が設けられた板形状となっており、
前記傾斜の角度は5度以上10度以下に設定されていること
を特徴とする請求項1または2記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項4】
前記支持部は、それぞれ上流側の先端部が下向きに屈曲していること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項5】
前記第1部材は、エラストマーのスポンジからなること
を特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の結球野菜の搬送装置。
【請求項6】
所定間隔で配設された第1部材を有する第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの真下の位置に、前記第1無端ベルトと平行に配設された第2無端ベルトと、を備え、前記第2無端ベルトに、所定間隔で第2部材が配設されており、
前記第2無端ベルトの下流側の所定高さ位置に、作業台が配設されており、
前記第1部材と前記第2部材とで結球野菜を挟持して搬送し、前記作業台に移す構成であること
を特徴とする結球野菜の搬送装置。
【請求項7】
上流側の搬送コンベアに脱着可能に取付けられる取付け部を、さらに備え、
前記搬送コンベアから搬送される前記結球野菜を受け取って搬送する構成であること
を特徴とする請求項1~6のいずれか一項記載の結球野菜の搬送装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、レタスや白菜等の結球野菜の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャベツ、レタス、白菜等の結球野菜の出荷割合は増加傾向にある。しかし、例えばレタスに関しては収穫作業の機械化に様々な課題があり、手作業による収穫作業が一般的となっている。
【0003】
レタスの特性として、収穫作業の際、茎を切断した直後の切断面において篩部にある乳管から乳液状の液体が滲出する現象が起こる。乳液状の液体は、乳管で合成され且つ貯蔵され、乳管の中で常時ある程度の圧力がかけられている状態にあると考えられている。また、ラテックスの一種であるラクチュコピクリン等を含んでおり、微粒子が溶解している訳ではないが、懸濁した状態が持続するものである。そのため、滲出した時点では乳白色の乳液状であるが、時間経過と共に酸化されて褐色となり、粘度も増加する性質を有している。
【0004】
したがって、茎を切断した直後の切断面に滲出する乳液状の液体をそのまま放置すると、切断部が褐色に変化(以下、「褐変」と称する)してしまい、また、乳液状の液体が葉に付着すると、葉にも変色が残ってしまう。ちなみに、乳液状の液体の滲出現象は、レタスの品種や天候等により変化するものの、概ね、切断後の数秒から30秒程度経過した時点で滲出し始め、数分間程度継続する。なお、レタスの乳管の持つ圧力が大気圧と同じになった時点で乳液状の液体の滲出が停止する。
【0005】
一般市場においては、切断面の褐変の程度がレタスの鮮度指標として捉えられているため、褐変の程度が大きいレタスは商品価値が著しく低下してしまうこととなる。したがって、収穫後のレタスにおける褐変の発生を如何に防止するかが課題とされてきた。
【0006】
前述の通り、レタスは手作業による収穫が一般的である。そのため、従来は、作業者が茎切りを行ったレタスを、切断部を上向きにして地面に載置し、背負い式の噴霧器等で個々のレタスに水をかけることによって、切断部の乳液状の液体を洗い流す方法等が採用されてきた。
【0007】
機械化を試みた例としては、出荷用の包装を行う包装装置に搬送するコンベア上に切断部を上向きにしてレタスを載置して、切断部に上方から接触させる吸収材を備えて切断部の液体を吸収することによって除去する処理装置等が開示されている(特許文献1:特開平10-113156号公報)。特許文献1に例示される結球野菜の処理装置は、収穫時における茎切りの直後に処理を行うものではなく、収穫後のレタスを出荷するための包装を行う際に、あらためて傷んだ葉を取り去ると共に茎を切断して、当該茎の切断部に滲出する液体を吸収材により除去するものである。したがって、茎を切断する作業を二度行わなければならないため、作業の労力、および、収穫したレタスを出荷するまでのタクトタイムのいずれもが増大してしまう課題が生じ得る。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開平10-113156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のように、茎切りを行ったレタスを、切断部を上向きにして地面に載置する場合、作業者は腰を屈めた姿勢となるため、大変な重労働である。また、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済むように所定高さ位置に作業台を設ける方法も考えられるが、所定高さ位置に作業台を設ける場合、作業者は、茎切りを行ったレタスを腰を屈めた姿勢から持ち上げるため、やはり、大変な重労働である。そこで、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済むような構成の搬送装置の要望が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、圃場に植栽されているレタス等の結球野菜の収穫を行う際に、商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済むとともに、作業効率を従来よりも高めることが可能な構成の結球野菜の搬送装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0012】
本発明に係る結球野菜の搬送装置は、所定間隔で配設された第1部材を有する第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの真下を中央位置にして、並列に配設された支持部と、を備え、前記支持部は、上向きに突出した止め部材が下流側の位置に配設されており、前記第1部材は、各前記支持部に跨った状態の結球野菜を下流側に押して搬送し、前記第1部材と前記止め部材とで前記結球野菜を反転させて、前記結球野菜の切断部を上向きにする構成であることを特徴とする。
【0013】
本構成によれば、搬送装置によって結球野菜を傷付けることなく反転させて、地面または畝面に着地させることができる。そして、切断部を上向きにして地面または畝面に着地した結球野菜を、作業者は姿勢を崩すことなく、背負い式の噴霧器等で個々の結球野菜に水をかけることによって、切断部の乳液状の液体を洗い流すことができる。したがって、結球野菜の商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済み、作業効率を従来よりも高められる。
【0014】
本発明に係る結球野菜の搬送装置は、所定間隔で配設された第1部材を有する第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの真下の位置に、前記第1無端ベルトと平行に配設された第2無端ベルトと、を備え、前記第2無端ベルトに、所定間隔で第2部材が配設されており、前記第2無端ベルトの下流側の所定高さ位置に、作業台が配設されており、前記第1部材と前記第2部材とで結球野菜を挟持して搬送し、前記作業台に移す構成であることを特徴とする。
【0015】
本構成によれば、搬送装置によって結球野菜を傷付けることなく搬送して、所定高さ位置の作業台に載置することができる。そして、所定高さ位置の作業台に載置された結球野菜を、作業者は姿勢を崩すことなく、切断部を上向きにして、設置式の噴霧器等で個々の結球野菜に水をかけることによって、切断部の乳液状の液体を洗い流すことができる。したがって、結球野菜の商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済み、作業効率を従来よりも高められる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圃場に植栽されている状態のレタスや白菜等の結球野菜に対して茎切りを行った直後に、切断部の乳液状の液体を洗い流すことができるので、結球野菜の商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済み、作業効率を従来よりも高めることが可能な構成の結球野菜の搬送装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る結球野菜の搬送装置の例を示す概略の斜視図である。
【図2】図2は第1の実施形態に係る結球野菜の搬送装置の例を模式的に示す側面図である。
【図3】図3は第1の実施形態に係る結球野菜の搬送装置の例を模式的に示す正面図である。
【図4】図4Aは第1の実施形態における止め部材の例を模式的に示す側面図であり、図4Bは第1の実施形態における止め部材の他の例を模式的に示す側面図である。
【図5】図5Aは第1の実施形態における第1部材の例を模式的に示す側面図であり、図5Bは第1の実施形態における第1部材の他の例を模式的に示す側面図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施形態に係る結球野菜の搬送装置の例を示す概略の斜視図である。
【図7】図7は第2の実施形態に係る結球野菜の搬送装置の例を模式的に示す正面図である。
【図8】図8は上流側の搬送コンベアの例を示す概略の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。図1~図3は、第1の実施形態に係る結球野菜の搬送装置1(以下、単に「搬送装置1」と称する場合がある)の例を示す概略図である。図8は、上流側の搬送コンベア90の例を示す概略の平面図である。なお、説明の便宜上、図中において矢印により搬送装置1の前後、左右、および上下方向を示している。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。

【0019】
搬送装置1は、圃場に植栽されている状態のレタスや白菜等の結球野菜S1に対して茎切りを行った直後に搬送し、結球野菜S1を反転させる構成である。ここでは、結球野菜S1は後方(下流側)に搬送され、搬送装置1の前方(上流側)には、互いに一部が重なるようにして、搬送コンベア90が連結されている。搬送装置1は、上流側の搬送コンベア90に脱着可能に取付けられる取付け部6を備えており、搬送コンベア90から搬送される結球野菜S1を受け取って、搬送する。

【0020】
搬送装置1は、並列に配設された基部7にアーム71が回動可能に取付けられており、アーム71に駆動軸支持板9がそれぞれ連結されている。そして、駆動軸支持板9に駆動軸81と従動軸82とが取り付けられており、駆動軸81と従動軸82とに第1無端ベルト21が巻掛けられている。

【0021】
基部7とアーム71とは板形状であり、互いに付勢部材72で連結されている。付勢部材72は、例えば引っ張りばねからなる。付勢部材72は、アーム71の下端が回動する上方向に付勢する機能を有し、これにより、第1無端ベルト21が、地面(または畝面)E1に対して平行になるように吊り下げられる構成である。つまり、基部7とアーム71と駆動軸支持板9とによって平行リンク機構を構成しており、第1無端ベルト21が上下に浮き沈みできる構造となっている。これにより、結球野菜S1のサイズに応じて第1無端ベルト21が上下動して、結球野菜S1のサイズに追従できる。したがって、サイズの異なる結球野菜S1についても安定して搬送できる。

【0022】
駆動軸81は、モータ8によって回転駆動される構成であり、第1無端ベルト21はcw方向に回動する。第1無端ベルト2には、所定間隔で第1部材11が配設されている。第1部材11はエラストマーのスポンジからなる。これによって、結球野菜S1を傷付けることなく搬送できる。

【0023】
前記エラストマーは、ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、天然ゴム、ブチルゴム、ネオブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれか1種以上である。第1部材11は、例えばポリウレタン製で独立気泡のスポンジからなる。

【0024】
第1部材11は、例えば図5Aに示すように、側面視で台形状に形成されている。第1部材11は、例えば図5Bに示すように、側面視で半円形状、半楕円形状、または、かまぼこ形状に形成されている。つまり、第1部材11は、台形柱状や半円柱形状に形成されている。第1部材11によって押す構成によって、キャベツよりも葉が軟らかいレタス等の結球野菜S1を搬送する際の損傷を防止することができる。

【0025】
そして、本実施形態においては、第1無端ベルト21にリベット固定された金属製(例えばアルミニウム合金等)もしくは樹脂製の固定プレート13を設けて、この固定プレート13に第1部材11を接着して固定する構造としている。これによって、周回動時における第1無端ベルト21からの第1部材11の剥がれを防止している。

【0026】
第1無端ベルト2の真下の位置には、受け部84が配設される。受け部84は板形状であり、地面(または畝面)E1に設置される。受け部84には、2つの支持部3が並列に配設されている。ここで、駆動軸81の中心と従動軸82の中心とを通るP2-P2線の真下に、平行にP1-P1線があり、P1-P1線を中心にして、対称となる位置に支持部3と支持部3とが配設されている。

【0027】
支持部3は、下流側の位置に、上向きに突出した止め部材4が配設されている。止め部材4は例えばエラストマーからなる。
前記エラストマーは、ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、天然ゴム、ブチルゴム、ネオブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのいずれか1種以上である。止め部材4は、例えばポリウレタン製で独立気泡のスポンジからなる。ここで、止め部材4の硬度は、第1部材11の硬度よりも大きく設定される。これによって、結球野菜S1を傷付けずに安定して反転させることができる。

【0028】
止め部材4は、例えば図4Aに示すように、側面視で半円形状、半楕円形状、または、かまぼこ形状に形成されている。止め部材4は、例えば図4Bに示すように、側面視で台形状に形成されている。ここで、止め部材4における上流側は、結球野菜S1が当接する当接部41となっており、曲面が形成されることで結球野菜S1を傷付けないように当接させる構成となっている。つまり、止め部4は、結球野菜S1に回転運動をさせる支点として、それぞれ傾斜が設けられた当接部41,41が上流側に形成されている。換言すると、搬送装置1は、第1無端ベルト11のcw方向の回転によって結球野菜S1の下部が止め部材4の当接部41に当接し、当接部41を支点にして結球野菜S1に回転運動をさせる構成の反転機構を備える。

【0029】
支持部3は、上流側の後端部31が、それぞれ下向きに屈曲している。これによって、上流側の搬送コンベア90から搬送された結球野菜S1を円滑に受け取ることができる。支持部3は、例えばスキー板が裏返しになったような外観を呈している。

【0030】
図8は、上流側の搬送コンベア90の例を示す概略の平面図である。搬送コンベア90は左右2つの無端ベルト92,92を備え、それぞれを反対方向に周回動させることによって2つの無端ベルト結球野菜S1の間に、切断ユニットのカッター刃91,91で茎切りを行った結球野菜S1を挟持させながら後方に搬送させる構成となっている。なお、無端ベルト92を周回動させる機構として、モータ94、駆動ローラ95、および従動ローラ96を有している。無端ベルト92には、スポンジゴム等を用いて角柱(台形柱)状に形成された弾性体93が設けられている。この弾性体93により挟持する構成によって、キャベツよりも葉が軟らかいレタス等の結球野菜S1を搬送する際の損傷を防止することができる。ここで、弾性体93は、第1部材11や第2部材12と同じ部材が適用できる。第1部材11と第2部材12と弾性体93とを共通部材とすることで、組立の際の資材管理が容易となり、また、メンテナンスの際の資材管理が容易となる。

【0031】
図2および図3に示すように、上流側の搬送コンベア90から搬送された結球野菜S1は、各支持部3,3に跨った状態となる。そして、第1無端ベルト11のcw方向の回転によって、第1部材11は、各支持部3,3に跨った状態の結球野菜S1を下流側に押して搬送する。結球野菜S1は、第1部材11に押されて支持部3上で滑走しながら後方(下流側)に移動する。そして、出口付近まで移動した結球野菜S1は、結球野菜S1の下部が止め部材4の当接部41に当接し、第1部材11にて結球野菜S1の上部が下流側に押されることで、当接部41を支点にしてccw方向に回転運動をする。そして、結球野菜S1は反転して畝面E1上に着地する。反転して畝面E1上に着地した結球野菜S1は、切断部S2が上向きとなる。

【0032】
各支持部3,3は、それぞれ中央位置(P1-P1線)に向かって下向きとなる傾斜が設けられた板形状となっている。傾斜の角度K1は、例えば5[度]以上で10[度]以下である。これにより、結球野菜S1を後方(下流側)に移動させる際の直進性を維持できる。

【0033】
そして、各支持部3,3は、結球野菜S1の切断部S2に接しない所定の間隔W1で保たれている。間隔W1は、例えば30[mm]以上で70[mm]以下である。これにより、各支持部3,3と、切断部S2との接触がなくなり、切断部S2を汚染することなく、結球野菜S1を反転させて畝面E1上に着地させることができる。

【0034】
畝面E1から支持部3までの高さ位置H1は、例えば50[mm]以上で100[mm]以下である。これにより、サイズの異なる結球野菜S1についても安定して反転させるとともに、確実に畝面E1に着地させることができる。

【0035】
本実施形態によれば、結球野菜S1の商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済む。そして、切断部S2を上向きにして畝面E1に着地した結球野菜S1を、作業者は姿勢を崩すことなく、背負い式の噴霧器等で個々の結球野菜S1の切断部S2に水をかけることによって、切断部S2の乳液状の液体を洗い流すことができる。

【0036】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る結球野菜の搬送装置2について説明する。本実施形態に係る結球野菜の搬送装置2は、第1無端ベルト21および駆動部の基本的な構成については、前述の第1の実施形態と同様であり、搬送装置2の前方(上流側)には、互いに一部が重なるようにして、搬送コンベア90が連結されている。搬送装置2は、上流側の搬送コンベア90に脱着可能に取付けられる取付け部6を備えており、搬送コンベア90から搬送される結球野菜S1を受け取って、搬送する。

【0037】
第2の実施形態は、特に、第1無端ベルト21の真下の位置に、第1無端ベルト21と平行に配設された第2無端ベルト22を備えている点、第2無端ベルト22の下流側の所定高さ位置に、作業台5が地面または畝面E1と概ね平行に配設されている点が、前述の第1の実施形態と相違する。以下、当該相違点を中心に本実施形態について説明する。

【0038】
搬送装置2は、第1無端ベルト21と、第1無端ベルトの真下の位置に、第1無端ベルト21と平行に配設された第2無端ベルト22とを備える。第1無端ベルト21には、所定間隔で第1部材11が配設されている。第2無端ベルト22には、所定間隔で第2部材12が配設されている。第1無端ベルト21と第2無端ベルト22とは、アーム73によって連結されている。第2無端ベルト22の側には、高さ調節部74が配設されており、結球野菜S1のサイズに応じて第1無端ベルト21と第2無端ベルト22との上下方向の間隔を調節できる。これにより、圃場によってサイズの異なる結球野菜S1についても安定して搬送できる。

【0039】
図6の例では、第1無端ベルト21の側の駆動軸81にはギヤ34が取り付けられており、ギヤ34にギヤ35が歯合している。ギヤ35は所定の軸およびタイミングプーリ28を介してタイミングベルト29と連結している。タイミングプーリ28は第2無端ベルト22の側の駆動軸81と連結している。これによって、第1無端ベルト21がcw方向に回動すると同時に、第2無端ベルト22がccw方向に回動する。なお、この実施形態に限定されず、タイミングベルト29に代えて、プーリ28とクロスベルト29とを組み合わせて第2無端ベルト22を駆動する場合がある。その他、既知の伝動機構が適用可能である。

【0040】
図6の例では、第2無端ベルト22の側の駆動軸81に、ブラケット32が軸支されており、ブラケット32に受け板33が連結固定されている。そして、受け板33の上に、作業台5が配設されており、受け板33と作業台5とが、ボルトやネジ等の固定手段で連結固定されている。

【0041】
第1部材11と第2部材12とは同様な形状であり、また、同様な材質からなる。例えば、第1部材11と第2部材12とはエラストマーのスポンジからなる。これによって、結球野菜S1を上下方向で確実に挟持しつつ、結球野菜S1を傷付けることなく搬送できる。

【0042】
本実施形態は、図7に示すように、第1部材11と第2部材12とで、茎部が切断された結球野菜S1を上下方向に挟持して搬送し、斜め上方に搬送して、第2無端ベルト22の下流側の所定高さ位置H2に配設されている作業台5に移す構成である。ここで、畝面E1から作業台5までの高さ位置H2は、例えば600[mm]以上で1600[mm]以下である。これにより、作業者は立ったままの姿勢で、作業台5に載置された結球野菜S1を処理することができる。

【0043】
本実施形態によれば、搬送装置2によって結球野菜S1を傷付けることなく所定高さ位置H2まで搬送して、作業台5に載置することができる。したがって、結球野菜S1の商品価値の低下を防ぎ、作業者が腰を屈めた姿勢とならなくて済む。そして、所定高さ位置H2の作業台5に載置された結球野菜S1を、作業者は姿勢を崩すことなく、結球野菜S1を反転させ切断部S2を上向きにして、設置式の噴霧器等で個々の結球野菜S1の切断部S2に水をかけることによって、切断部の乳液状の液体を洗い流すことができる。

【0044】
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。例えば、第2無端ベルト22および周辺部を脱着可能とすることができる。これによって、圃場における農作業の状況に応じて、第1の実施形態の搬送装置1と、第2の実施形態の搬送装置2とを組み換えて使い分けることができる。

【0045】
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、結球野菜としてレタスを想定しているが、レタスと同様の課題が生じ得る白菜等にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、2 結球野菜の搬送装置
3 支持部
4 止め部材
5 作業台
6 取付け部
7 基部
8 モータ
9 駆動軸支持板
11 第1部材
12 第2部材
13 固定プレート
21 第1無端ベルト
22 第2無端ベルト
71 アーム部
72 付勢部材
81 駆動軸
82 従動軸
83 連結板
84 受け部
90 上流側の搬送コンベア
E1 地面(畝面)
K1 角度
S1 結球野菜
S2 切断部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
6
【図8】
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