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明細書 :三次元造形体及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-171605 (P2019-171605A)
公開日 令和元年10月10日(2019.10.10)
発明の名称または考案の名称 三次元造形体及びその製造方法
国際特許分類 B29C  67/02        (2017.01)
C12M   1/00        (2006.01)
C12M   3/00        (2006.01)
FI B29C 67/02
C12M 1/00 A
C12M 3/00 A
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2018-059892 (P2018-059892)
出願日 平成30年3月27日(2018.3.27)
発明者または考案者 【氏名】秋山 佳丈
【氏名】鈴木 大介
【氏名】湊 遥香
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
テーマコード 4B029
4F213
Fターム 4B029AA01
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC02
4B029GA08
4B029GB10
4F213AM26
4F213AM29
4F213AM30
4F213WA21
4F213WA52
4F213WA85
4F213WB01
要約 【課題】 ゲル微粒子等の人工材料から構成した粒子を利用して、任意の三次元形態として構成した三次元造形体を提供する。
【解決手段】 本発明は、磁性液体に非磁性体からなる粒子を分散させた分散液を調製する工程と、前記分散液を容器に供給する工程と、前記分散液中の粒子に磁力を作用させ前記分散液中で前記粒子からなる三次元造形体を構成する工程とを備える三次元造形体の製造方法であって、前記粒子として、相互に吸着性を備える粒子を使用することを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
吸着性を備える粒子が相互に吸着して集積することにより構成された三次元造形体であって、
前記粒子が、正に帯電した粒子と負に帯電した粒子とが静電的作用により相互に吸着する作用を備えるもの、または物理的作用あるいは化学的作用により相互に吸着する作用を備えるものであることを特徴とする三次元造形体。
【請求項2】
前記正に帯電した粒子と、負に帯電した粒子が、ゲル微粒子からなる荷電粒子であることを特徴とする請求項1記載の三次元造形体。
【請求項3】
前記ゲル微粒子からなる荷電粒子は、ゲルを構成するポリマーの反応基に荷電基が修飾されて正または負に帯電してなることを特徴とする請求項2記載の三次元造形体。
【請求項4】
前記ゲル微粒子からなる荷電粒子は、ゲルを構成するポリマーが荷電基を含むものから構成されて正または負に帯電してなることを特徴とする請求項2記載の三次元造形体。
【請求項4】
前記正に帯電した粒子と、負に帯電した粒子が、コア粒子の表面に帯電被膜が形成された荷電粒子であることを特徴とする請求項1記載の三次元造形体。
【請求項5】
前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーの反応基に荷電基が修飾されて正または負に帯電してなることを特徴とする請求項4記載の三次元造形体。
【請求項6】
前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーが荷電基を含むものから構成されて正または負に帯電してなることを特徴とする請求項4記載の三次元造形体。
【請求項7】
磁性液体に非磁性体からなる粒子を分散させた分散液を調製する工程と、
前記分散液を容器に供給する工程と、
前記分散液中の粒子に磁力を作用させ前記分散液中で前記粒子からなる三次元造形体を構成する工程と、を備える三次元造形体の製造方法であって、
前記粒子として、相互に吸着性を備える粒子を使用することを特徴とする三次元造形体の製造方法。
【請求項8】
前記分散液として、正に帯電した粒子と負に帯電した荷電粒子を分散させた分散液を使用することを特徴とする請求項7記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項9】
前記荷電粒子が、正または負に帯電したゲル微粒子であることを特徴とする請求項8記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項10】
前記荷電粒子が、ゲル微粒子を作製した後に改質処理を施すことにより、正または負に帯電させたものであることを特徴とする請求項9記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項11】
前記荷電粒子が、ゲル微粒子を作製する際に、荷電基モノマーを重合することにより、正または負に帯電させたものであることを特徴とする請求項9記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項12】
前記荷電粒子が、コア粒子の表面に帯電被膜を形成することにより、正または負に帯電させたものであることを特徴とする請求項8記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項13】
前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーの反応基に荷電基を修飾する改質処理を施して、正または負に帯電させたものであることを特徴とする請求項12記載の三次元造形体の製造方法。
【請求項14】
前記帯電被膜が、該帯電被膜を作成する際に、荷電基モノマーを重合することにより、、正または負に帯電させたものであることを特徴とする請求項12記載の三次元造形体の製造方法。



発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形体及びその製造方法に関し、より詳細には粒子の集合体として構成される三次元造形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、培養液中において細胞を特定のパターンのスフェロイドとして作製する方法を提案した(特許文献1、2、非特許文献1)。その方法は、磁性化合物を溶解して常磁性とした培養液に多数個の細胞を加え、培養液を収容した容器に外部から磁力を作用させることで特定のパターンにスフェロイドを作製するものである。この方法は、磁性を付与した培養液中では細胞が擬似的に反磁性体として作用することを利用している(磁気アルキメデス効果)。
溶媒中の粒子が受ける磁力は、溶媒と粒子との磁化率の差によって決まる。培養液に磁性を付与すると、培養液中の細胞の磁化率は溶媒の磁化率よりも小さくなり、細胞は外部磁界に対し反磁性体として作用し、磁気アルキメデス効果が作用する。この効果を利用すれば、外部から培養液に作用させる磁力のパターンを制御することにより、任意の三次元形態のスフェロイドを構成することができる。
【0003】
近年、生体内に近い培養環境を基板上で人工的に再現し、細胞から組織や器官を作り出すOrgan-on-chip関連の研究が注目されている。本発明者は微小な構造体上で生体組織や細胞を培養し、機械部品として活用する研究を行ってきた。たとえば、筋組織を利用したバイオロボット(非特許文献2、3)、細胞を磁場で操作する方法を利用して細胞を三次元アセンブリし、そのまま培養して分化誘導することにより、構造体上に筋組織を構築するもの(非特許文献4)等である。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2012-65555号公報
【特許文献2】特開2017-51138号公報
【0005】

【非特許文献1】Y. Akiyama & K. Morishima, “Label-free cell aggregate formation based on the magneto-Archimedes effect,” Appl.Phys.Lett., 98, 163702 (2011).
【非特許文献2】Y. Akiyama et al., “Rapidly-moving insect muscle-powered microrobot and its chemical acceleration,” Biomed. Microdevices, 14, 979-986, (2012).
【非特許文献3】Y. Akiyama et al., “Atmospheric-operable bioactuator powered by insect muscle packaged with medium,” Lab Chip, 13, 4870-4880 (2013).
【非特許文献4】J. Akiyama & Y. Akiyama, “DIRECT MUSCLE TISSUE FORMATION BETWEEN MICROPILLARS BY LABELFREE MAGNETIC CELL ASSEMBLY,” The 20th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (MicroTAS2016), M026b.
【非特許文献5】D. Suzuki et al., “The Deformation of Hydrogel Microspheres at the Air/Water Interface” Chemical Communications, 54, 932-935 (2018).
【非特許文献6】Z. Meng et al., “Temperature-programmed synthesis of micron-sized multi-responsive microgels” Colloid Polym. Sci. 2009, 287, 277-285.
【非特許文献7】D. Suzuki & H. Kawaguchi “Stimuli-Sensitive Core/Shell Template Particles for Immobilizing Inorganic Nanoparticles in the Core” Colloid and Polymer Science, 284, 1443-1451 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Organ-on-chipでは細胞を利用して種々の形態を構成するが、細胞を使わずにポリマー等の人工材料を使用して細胞から構成したものと同等の機能を備える造形体を作製することができれば、再生医療の研究ツールや創薬探索に有効に利用することが可能である。また、人工材料を用いた造形体をアクチュエータとして利用して、マイクロマシンを構築することも可能である。
本発明は、ゲル微粒子等の人工材料から構成した粒子を利用して、任意の三次元形態として構成した三次元造形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る三次元造形体は、吸着性を備える粒子が相互に吸着して集積することにより構成された三次元造形体であって、前記粒子が、正に帯電した粒子と負に帯電した粒子とが静電的作用により相互に吸着する作用を備えるもの、または物理的作用あるいは化学的作用により相互に吸着する作用を備えるものであることを特徴とする。
【0008】
なお、前記正に帯電した粒子と、負に帯電した粒子としては、ゲル微粒子からなる荷電粒子を使用することができ、前記ゲル微粒子からなる荷電粒子として、ゲルを構成するポリマーの反応基に荷電基が修飾されて正または負に帯電してなるもの、またゲルを構成するポリマーが荷電基を含むものから構成されて正または負に帯電してなるものが好適に使用される。
また、前記正に帯電した粒子と、負に帯電した粒子として、コア粒子の表面に帯電被膜が形成された荷電粒子を使用することができ、前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーの反応基に荷電基が修飾されて正または負に帯電してなるもの、前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーが荷電基を含むものから構成されて正または負に帯電してなるものが好適に使用される。
【0009】
また、本発明に係る三次元造形体の製造方法は、磁性液体に非磁性体からなる粒子を分散させた分散液を調製する工程と、前記分散液を容器に供給する工程と、前記分散液中の粒子に磁力を作用させ前記分散液中で前記粒子からなる三次元造形体を構成する工程と、を備える三次元造形体の製造方法であって、前記粒子として、相互に吸着性を備える粒子を使用することを特徴とする。
【0010】
前記分散液としては、正に帯電した粒子と負に帯電した荷電粒子を分散させた分散液を好適に使用することができ、前記荷電粒子が、正または負に帯電したゲル微粒子として構成されたもの、前記荷電粒子が、ゲル微粒子を作製した後に改質処理を施すことにより、正または負に帯電させたもの、前記荷電粒子が、ゲル微粒子を作製する際に、荷電基モノマーを重合することにより、正または負に帯電させたものが好適に使用される。
また、前記荷電粒子として、コア粒子の表面に帯電被膜を形成することにより、正または負に帯電させたものが好適に使用され、前記帯電被膜が、該帯電被膜を構成するポリマーの反応基に荷電基を修飾する改質処理を施して、正または負に帯電させたもの、前記帯電被膜が、該帯電被膜を作成する際に、荷電基モノマーを重合することにより、b正または負に帯電させたものが好適に使用される。
【0011】
本発明に係る三次元造形体の製造方法においては、磁性液体に非磁性体からなる粒子を分散させた分散液に外部から磁力を作用させることで粒子からなる三次元造形体を作製する。分散液中の粒子に磁力を作用させて三次元造形体を作製する原理は、磁性液体(常磁性液体)に非磁性体の粒子を分散させた分散液に磁力を作用させると、粒子が擬似的に反磁性体として作用すること(磁気アルキメデス効果)による。
【0012】
磁気アルキメデス効果は次式の溶媒中の粒子に作用する磁力Fm(ベクトル)によって説明される。
【数1】
JP2019171605A_000003t.gif
χpはゲル微粒子の磁化率、χmは磁性液体の磁化率、Vはゲル微粒子の体積、μ0は真空の透磁率、Bは磁束密度(ベクトル)である。
【0013】
上式で、非磁性の液体中に非磁性体の粒子が存在する場合を考えると、粒子と液体はともに磁化率はゼロに近く(χp≒0、χm≒0)、粒子に作用する磁力は無視することができる。しかし、非磁性の液体に磁性化合物を溶解してχm>0となるように磁性を付与すると、粒子の磁化率χpはほぼ0であるから、上式でχp-χm<0となり、係数がマイナスとなって、粒子は分散液中で擬似的に反磁性体として振る舞うことになる。
すなわち、磁化率がχm>0の磁性液体に非磁性体の粒子を分散させた分散液に磁場を作用させると、粒子は磁力の作用によって反発され、磁力が弱い領域に集まる。したがって、磁性液体に粒子を分散させた分散液に作用させる磁力を制御することで、粒子を特定の領域に集積させることができ、特定の三次元造形体として構成することができる。
【0014】
粒子の分散液に作用させる磁場は、任意に設定することができる。たとえば、分散液を収容した容器の底部の外側に、たとえば磁石や磁性材料等を配置し,磁場勾配を形成すると,磁場の弱い領域すなわち磁束密度の低い領域にゲル微粒子が集まるようになる。
分散液に作用させる磁場は空間的に静的な磁場を作用させる場合の他に、時間的及び空間的に作用させる磁力を変化させる動的な磁場を作用させることももちろん可能である。動的な磁場を作用させることでより複雑な形態に集めることが可能である。
【0015】
本発明に係る三次元造形体及び製造方法においては、相互に吸着性を有する粒子、たとえば正に帯電した粒子と負に帯電した粒子を混合して使用することにより、静電的な吸引作用により粒子が相互に吸着し、粒子の集積体を構成され、粒子からなる造形体(三次元造形体)を構成することができる。
単なる粒子を分散させた分散液に磁力を作用させるだけでは、磁力を作用させている祭には粒子を集めることができても、磁力の作用を止めて(切って)しまうと、粒子の集積体は保形性を失ってしまう。
これに対し、本発明のように、正に帯電した粒子と負に帯電した粒子のような、相互に吸着する作用を備える粒子を使用すると、磁力を作用させて粒子の集積体を構成すると、粒子同士が吸着し合うことにより、磁力を取り除いた後でも保形性を備える三次元造形体を得ることができる。
【0016】
本発明に係る三次元構造体は、それ自体で保形性を備えていることから、三次元造形体として種々の用途に利用することが可能である。
たとえば、N-isopropylacrylamide (NIPAm)を主骨格とするゲル微粒子を用いて三次元造形体を構成すれば、このゲル微粒子は32℃前後が転移温度(下限臨界共溶温度)であるから、ゲル微粒子からなる三次元造形体は室温(25℃)では親水性となって膨潤し、32℃以上になると疎水性となって収縮する。したがって、このゲル微粒子からなる三次元造形体を、熱応答性のアクチュエータとして利用するといったことが可能になる。
【0017】
磁気アルキメデス効果を利用して粒子の集積体を形成する方法は、分散液中で分散している粒子を三次元空間内で集積させて造形体を作製する方法であり、三次元空間で磁力(磁界)を制御することで直接的に三次元造形体を形成する方法である。したがって、分散液に作用させる磁力のパターンを適宜制御することにより、任意の形態の三次元造形体を造形することができる。
粒子の分散液に磁力を作用させる磁力の印加手段は、分散液を収容する容器の外部から作用させる場合に限らず、容器の内部から磁力を作用させるように構成することも可能であり、さまざまな磁力印加手段を複合して利用することも可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る三次元造形体及びその製造方法によれば、磁場によって間接的に粒子を操作することにより粒子が集積した任意の形態の三次元造形体を得ることができることから、マイクロ流路内での、壁やバルブなど流体制御素子などへの応用や、マイクロマシンのアクチュエータ等への応用利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】正に帯電したゲル微粒子と負に帯電したゲル微粒子の形態を示す説明図と、それぞれの構造式を示す。
【図2】ゲル微粒子のサンプルNG490についての改質前と改質後の顕微鏡像(a)と、サンプルNG2430についての改質前と改質後のゲル微粒子の顕微鏡像(b)である。
【図3】ゲル微粒子のサンプルNG1620についてのAETで改質した場合と、MPSAで改質した場合の顕微鏡像である。
【図4】ポリスチレンからなるコア粒子を用いた荷電粒子の構成を示す図及び構造式である。
【図5】分散液に磁力を作用させる装置例を示す斜視図(a)と、基台に配置する磁石及び磁力が作用した粒子の動きを示す説明図(b)である。
【図6】基台に埋設した磁石とステンレス板の配置を示す説明図である。
【図7】容器内の蛍光ビーズが集積する様子を撮影した写真である。
【図8】負に帯電したゲル微粒子の分散液についてゲル微粒子の分散状態を時間経過とともに観察した様子を示す写真(a)、及び正と負に帯電した粒子を分散させた分散液の分散状態を時間経過とともに観察した様子を示す写真(b)である。
【図9】正に帯電したゲル微粒子と負に帯電したゲル微粒子を分散させた分散液に磁力を作用させ、ゲル微粒子が集積する様子を撮影した写真である。
【図10】正と負に帯電した2種類の荷電粒子の分散液に磁力を作用させて粒子を集積させた実験状態を示す写真である。
【図11】粒子の集積体が形成された容器を磁力が作用しない環境に静置した状態での外観写真である。
【図12】容器から粒子の集積体をシャーレに移した状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(三次元造形体の構成原理)
本発明では磁性を付与した分散媒に非磁性体の粒子を分散させた分散液を容器に収容し、容器の外部から分散液中の粒子に磁力を作用させ、磁気アルキメデス効果により粒子を特定の三次元造形体として構成する。容器の外部から分散液に磁力を作用させることで分散液中の粒子に磁力が作用する理由は、磁性を付与した分散媒中においては、粒子が非磁性体であれば、反磁性体として作用することによる。分散液に対し作用させる磁力を特定の強弱パターニングに設定すると、非磁性体の粒子は反磁性体として作用するから、粒子は磁力が弱い領域に集まってくる。このように分散液に磁力を作用させて粒子を制御する方法を利用すれば、分散液に作用させる磁力の強弱のパターンを制御することで粒子を任意の三次元形態に集積させることができる。

【0021】
したがって、粒子に相互に吸着する機能を付与しておけば、磁力で集まってきた粒子は相互に吸着して粒子の集合体(三次元造形体)を構築することができる。この粒子の集合体すなわち三次元造形体が保形性を備えていれば、分散媒中で造形体の形態を維持することができ、分散媒から外部に取り出して使用することもできる。
磁気アルキメデス効果を利用して粒子を造形する方法によれば、粒子を分散させた分散液に作用させる磁力(磁界)のパターンを制御することで、適宜形態の三次元造形体を構成することができるという利点がある。

【0022】
本発明に係る三次元造形体で使用する粒子は、粒子同士が相互の吸着する作用を備えるものであり、このような粒子の例としては、正と負に帯電した粒子(荷電粒子)で静電的な吸着作用により集合する作用を備えるもの、物理的あるいは化学的な吸着力(接着力)により粒子が集積する作用を備えるものがある。

【0023】
(ゲル微粒子からなる荷電粒子)
正に帯電した粒子と負に帯電した粒子の2種類の荷電粒子の例として、ゲル微粒子として構成した例を挙げることができる。
図1は、正に帯電したゲル微粒子と、負に帯電したゲル微粒子の形態と構造式を示したものである。図1で粒子Aは正または負に帯電させる処理を施す前のゲル微粒子であり、粒子A1はゲル微粒子Aを正に帯電させたゲル微粒子、粒子A2はゲル微粒子Aを負に帯電させたゲル微粒子である。

【0024】
粒子Aは、水系沈殿重合法を利用して作製することができる。具体的には、水溶性モノマーとして水溶性アクリルアミド誘導体モノマーであるNIPAm : N-isopropylacrylamideと、共重合させるための水溶性モノマーとしてGMA : glycidyl methacrylateを使用し、水溶性架橋剤として、BIS:N, N-methylenebisacrylamideを使用して作製することができる。

【0025】
水系沈殿重合法を利用してゲル微粒子を作製するには、モノマーと架橋剤と水とを容器に入れ、これらの混合液を攪拌しながら昇温させ、沈殿重合させればよい。沈殿重合により、ゲル微粒子が水中に分散した状態で得られる。容器中で混合液を攪拌する際には窒素ガスをバブリングして溶液内の溶存酸素を取り除くようにし、窒素ガスのバブリングを行った後、開始剤を加えるようにするとよい。

【0026】
なお、ゲル微粒子の作成に使用する水溶性アクリルアミド誘導体モノマーには、前述したNIPAmの他に、NIPMAm : N-Isopropylmethacrylamide等の親水性モノマーを使用することができる。水溶性モノマーを使用してゲル微粒子を構成することにより、水を多く含むゲル微粒子を作成することができる。

【0027】
共重合に用いる水溶性モノマーにはGMAの他に、荷電基を有するAAc : Acrylic acid、MAc : Methacrylic acid、FAc : Fumaric acid等を用いることができる。図1に示す例でGMAを使用した理由は、GMAがエポキシ基のような反応性の高い反応基を含むからである。エポキシ基のような反応性の高い反応基を含むゲル微粒子であれば、ゲル微粒子を構成した後に、アミノ基やスルホン基のような荷電基を反応基とを反応させて、帯電したゲル微粒子を得ることができる。したがって、GMA以外の反応性の高い反応基を含むモノマーであれば、GMAと同様に利用することができる。

【0028】
ゲル微粒子の作成に使用したBISは水溶性架橋剤として使用したものである。水溶性架橋剤としてはBIS以外に、HMBA: N,N’-Hexamethylenebis(methacrylamide)、DHEA:N,N’-(1,2-Dihydroxyethylene)-bisacrylamide、PEG : Poly (ethylene glycol) dimethacrylate、DVB: Divinylbenzene、EBA : N, N’-Ethylenebis(acrylamide)等を使用することができる。

【0029】
図1に示すゲル微粒子A1は、ゲル微粒子AにAET:2-Aminoethanethiolを反応させて作製したものである。ゲル微粒子AにAETを反応させることにより、ゲル微粒子Aを構成するGMAのエポキシ基とAETの末端が求核置換反応を起こし、アミノ基由来の正に帯電するゲル微粒子A1が得られる。
ゲル微粒子Aの分散液とAETを混合し、攪拌しながら反応時間を十分に置くことで、ゲル微粒子AとAETを反応させる。このとき、反応効率を上げるために、水酸化ナトリウムなどを用いてpHの高い条件下で反応させるとよい。

【0030】
図1に示すゲル微粒子A2は、ゲル微粒子AにMPSA:3-mercapto-1-propane sulfonic acid sodium saltを反応させて得たものである。ゲル微粒子AにMPSAを反応させることにより、ゲル微粒子AのGMAのエポキシ基とMPSAの末端が求核置換反応を起こし、スルホン基由来の負に帯電するゲル微粒子A2が得られる。
ゲル微粒子Aの分散液とMPSAを混合し、攪拌しながら反応時間を十分に置くことで、ゲル微粒子AとMPSAを反応させる。このとき、反応効率を上げるために、水酸化ナトリウムなどを用いてpHの高い条件下で反応させるとよい。

【0031】
表1に、NIPAmとGMAとBISの組成を変えて複数種のゲル微粒子を作成し、このゲル微粒子をAETまたはMPSAで改質して得られた粒子の粒子径等の測定結果を示す。
【表1】
JP2019171605A_000004t.gif
表1で、AET改質とあるのはゲル微粒子をAETを用いて改質したもの、MPSA改質とあるのはゲル微粒子をMPSAを用いた改質したものである。また、表1でDLSとあるのは。動的光散乱法(DLS)によって粒子径を測定したもの、OM(Optical microscope)とあるのは顕微鏡の取り込み画像から手動で粒子径(N=50)を計測したものである。

【0032】
図2(a)は、ゲル微粒子のサンプルNG490についての改質前と改質後の顕微鏡像、図2(b)はサンプルNG2430の改質前と改質後のゲル微粒子の顕微鏡像を示す。
図3は、ゲル微粒子のサンプルNG1620について、AETで改質した場合と、MPSAで改質した場合の顕微鏡像を示す。
ゲル微粒子のサンプルによって改質前の粒子径が異なるが、AETで改質して正に帯電させたゲル粒子も、NPSAで改質して負に帯電させたゲル微粒子も、ともに改質前と比較して粒子径が大きくなることが分かる。これは、ゲル微粒子が帯電したことで、ゲル微粒子周囲の溶媒との浸透圧が生じ、ゲル微粒子が膨潤したためである。これは、ドナン効果と呼ばれている。

【0033】
なお、ゲル微粒子に荷電基を導入するために、ゲル微粒子を改質するための試薬(改質剤)として、AETやMPSAの他にも、末端にチオール基のようなエポキシ基と反応する官能基を有するものを用いることができる。例えば、Mercapto Acetic Acidを改質剤として使用することで、カルボキシ基由来の負に帯電するゲル微粒子が得られる。

【0034】
(ゲル微粒子からなる荷電粒子の他の例)
上述したゲル微粒子からなる帯電粒子は、まずゲル微粒子を作成した後、ゲル微粒子に改質処理を施して正もしくは負に帯電させて荷電粒子として形成したものである。ゲル微粒子を作製した後、改質処理により正または負に帯電させる方法とは別に、ゲル微粒子を作成する際に荷電基モノマーを使用することで正または負に帯電したゲル微粒子を作成することもできる。
荷電基モノマーとは、モノマー自体が正電荷もしくは負電荷を備えるものであり、ゲル微粒子を作成する際に、正電荷あるいは負電荷を持つ荷電基モノマーを重合させる方法を利用して正あるいは負に帯電する荷電粒子としてゲル微粒子を作製することができる。

【0035】
荷電基モノマーを用いてゲル微粒子を作製する場合も、前述した水系沈殿重合法を利用することができる。
たとえば、水溶性アクリルアミド誘導体モノマーであるNIPAmと、荷電基モノマーであるアクリル酸(AAc: acrylic acid)を使用し、架橋剤をBISとして、前述したと同様の水系沈殿重合法を利用して沈殿重合させることにより、荷電基モノマーが重合したゲル微粒子の分散液を得ることができる。

【0036】
水溶性アクリルアミド誘導体モノマーと荷電基モノマーとを用いてゲル微粒子を構成したことにより、得られたゲル微粒子は荷電基モノマーによって帯電したゲル微粒子として得られる。

【0037】
(固体粒子から構成される荷電粒子)
上述した正または負に帯電したゲル微粒子は粒子全体がゲル化した粒子として形成されたものである。粒子をゲル粒子として形成する方法のかわりに、ポリスチレン粒子のような固体粒子をコア粒子とし、このコア粒子の表面に帯電被膜を施すことによって、粒子全体として正または負に帯電した荷電粒子を作製することが可能である。

【0038】
図4は、ポリスチレンからなるコア粒子10の表面に帯電被膜12を設けた例である。この例では、ポリスチレン粒子の表面に乳化重合により、水溶性アクリルアミド誘導体モノマーとスチレンを修飾する処理を施し、水溶性アクリルアミド誘導体モノマーと荷電基モノマーを用いて水系シード沈殿重合法により、帯電被膜を形成した。具体的には、シード粒子としてポリスチレン粒子が分散した分散液に対し、水溶性モノマーとして水溶性アクリルアミド誘導体モノマーであるNIPAm : N-isopropylacrylamideと、荷電基モノマーとしてRu(bpy)3を使用し、水溶性架橋剤として、BIS:N, N-methylenebisacrylamideを使用して作製することができる。水系シード沈殿重合法を利用してコア粒子の表面に帯電被膜を設けた粒子を作製するには、モノマーと架橋剤と水とを容器に入れ、これらの混合液を攪拌しながら昇温させ、さらにコア粒子と水とを入れ、水沈殿重合させればよい。沈殿重合により、コア粒子の表面に帯電被膜を設けた粒子が水中に分散した状態で得られる。容器中で混合液を攪拌する際には窒素ガスをバブリングして溶液内の溶存酸素を取り除くようにし、窒素ガスのバブリングを行った後、コア粒子と水と開始剤を加えるようにするとよい。

【0039】
図4に示す荷電粒子は、水溶性アクリルアミド誘導体モノマーとしてNIPAm、荷電基モノマーとしてRu(bpy)3を使用し、架橋剤としてBISを使用して作製したものである。荷電基モノマーとして使用したRu(bpy)3は正に帯電するから、ポリスチレン粒子をコア粒子としてその表面に帯電被膜を設けたことにより、粒子は全体として正に帯電する。
なお、この手法は、一般的なポリスチレン粒子だけでなく、他のシリカのような固体粒子やゲル微粒子をコア粒子として使用することができる。

【0040】
(吸着性を備える粒子)
相互に吸着性を備える粒子として、正と負に帯電した粒子(荷電粒子)で静電的な吸着作用により集合する作用を備えるもののほかに、水素結合や疎水性相互作用といった物理的あるいは、カルボジイミド反応といった官能基同士の化学反応を利用した化学的な吸着力(接着力)により粒子が集積する作用を備えるものがある。

【0041】
(三次元造形体の製造方法)
相互に吸着性を備える粒子を利用し、磁気アルキメデス効果を利用して三次元造形体を形成するには、磁性を付与した分散媒に粒子(非磁性体)を分散させた分散液を容器に収容し、容器の外部から分散液中の粒子に磁力を作用させ、磁気アルキメデス効果により粒子を特定の三次元造形体として構成すればよい。

【0042】
図5は容器を平板の磁石21を並列させて埋設した基台20の上に容器30を配置し、容器に磁力を作用させるように構成した例を示す。
図5(a)は斜視図、図5(b)は基台20に埋設した磁石21の配置と、分散液を収容した容器30をセットしたときに、分散液中の粒子に作用する力を示す。

【0043】
図6に基台20に埋設した磁石21と磁性ステンレス板(SUS430等)22の配置例を示す。磁石21は平面の一方の面がN極、他方の面がS極となるように着磁されている。また、磁石21の並び方向の中央位置の磁石21aについては、長手方向の中央位置で所定範囲にわたって下方に若干沈下させ、凹部状の形態としている。これは容器30に収容した分散液に作用させる磁力のパターンを粒子を容器の中央部に集めるようにするためである。

【0044】
図5(b)は基台20に容器30をセットしたときに、容器30に収容した分散液に作用する磁力を示す。図6に示したように、並列に配置した磁石21のうち中央の磁石21aに凹部を設けたことで、中央の磁石21aの上方の磁力が他の領域に比べてやや弱くなる。この結果、分散液中の粒子は容器30の中央部近傍に集まるようになる。

【0045】
図7は、図5に示した容器30に蛍光ビーズの分散液を供給し、蛍光ビーズの集合状態を観察した結果を示す。蛍光ビーズの分散液を作製するため、水414.5μL、ガドテル酸メグルミン40.0μL、蛍光ビーズ(1.0×106個/mL)45.5μLを遠沈管に入れて遠心分離し、蛍光ビーズの磁性液体の分散液を調製した。この分散液を容器30に220μL供給し、時間経過とともに蛍光ビーズが集合する様子を観察した。

【0046】
図7(a)は容器に蛍光ビーズを供給した直後の状態を示すもので、蛍光ビーズは磁性液体中で均等に分散している。図7(b)、(c)は蛍光ビーズを供給して1時間経過後の状態を示す。図7(b)は容器を前面方向から見た状態、図7(c)は容器を上方から見た状態である。図7(b)、(c)から、基台20の中央に位置する磁石21aの位置に合わせて、細い円柱状に蛍光ビーズが集合している様子が分かる。
図7に示す実験結果は、非磁性体の粒子を分散させた磁性液体に磁力を作用させることにより磁力が弱い領域に粒子が集まることを示している。

【0047】
図5に示す例では、磁力を作用させる手段として平板状の磁石を使用した。磁力が作用するパターンを変更する方法として、磁石の強さ、形態、配置位置を適宜制御すること、永久磁石に限らず、電磁石等の磁力を可変とすることができる磁気印加手段を利用するといった方法を利用することができる。
【実施例】
【0048】
図8(a)は負に帯電したゲル微粒子の分散液について、ゲル微粒子の分散液中における分散状態を時間経過とともに観察した例を示す。図8(a)では、負に帯電したゲル微粒子として、図1に示すMPSAで改質処理したゲル微粒子A2(粒子径2.4μm)を使用した。
図8(a)は、透明容器に、0.05wt%の比率でゲル微粒子A2を分散させた分散液を供給し、1分後、10分後、2時間後、15時間後のゲル微粒子の分散状態を示す。ゲル微粒子A2は15時間経過後であってもほとんど沈殿は見られない。これは負に帯電したゲル微粒子が静電的に相互に反発することにより分散状態が維持されたものと考えられる。
【実施例】
【0049】
図8(b)は、図8(a)の実験で使用した負に帯電したゲル微粒子A2と、図4に示すコア粒子の表面に正の帯電被膜を形成して正に帯電した粒子を分散媒(水)に供給した分散液について分散液中における粒子の分散状態の時間経過を観察した結果を示す。ゲル微粒子A2とコア粒子を用いた粒子はそれぞれ0.0125wt%の比率で供給した。
図8(b)は、容器に分散液を供給した後、時間経過とともに粒子が沈降する傾向が見られ、19時間経過後の拡大写真は粒子が容器の底に沈殿したことを示す。
図8(b)に示す実験結果は、正に帯電した粒子と負に帯電した粒子を混合することにより、正に帯電した粒子と負に帯電した粒子が静電的な吸引作用によって相互に吸着したことを示すものである。
【実施例】
【0050】
図9は、図8で使用した負に帯電したゲル微粒子と、正に帯電した粒子をともに磁性溶媒に分散させた分散液に磁力を作用させたときに、粒子がどのように振る舞うかを調べた実験例を示す。
実験では図5に示した装置を使用した。磁性溶媒としてガドテル酸メグルミン(濃度500mM)80μL、ゲル微粒子A2(0.0125wt%)の分散液460μL、正の帯電被膜を設けた粒子(0.0125wt%)の分散液460μLを遠沈管に入れて遠心分離した分散液220μLを容器に入れ、基台に容器をセットして、粒子の分散状態が時間経過とともにどのように変化するかを観察した。
【実施例】
【0051】
図9(a)は容器に、遠心分離後の分散液を供給した状態を示す。容器に分散液を供給した直後は粒子は分散液中で均一に分散している。その後、粒子は時間経過とともに、容器の中央部に集積しはじめ、24時間経過後には図9(b)、(c)に示す状態になった。図9(b)は24時間経過後の容器を前方から見た状態、図9(c)は容器を上方から見た状態を示す。分散液中で分散していた粒子が容器の中央に集積し、集積体を構成している。この集積体は正に帯電した粒子と負に帯電した粒子とからなるものである。
【実施例】
【0052】
図10は、上述した正と負に帯電させた粒子を使用し、同様の磁力を作用させて粒子を集積させた他の実験例を示す。
図10は、磁石を埋設した基台の上に、図9に示した実験で使用した正と負にそれぞれ帯電した2種類の荷電粒子の分散液を供給した容器をセットし、24時間経過後の状態を示す外観写真である。この実験では、乾燥防止のため、容器上部の開口部をマイカ基板で遮蔽した。図10には、容器の上面に配置したマイカ基板と、マイカ基板を固定するため、容器の外壁面とマイカ基板の下面との間に貼着した支持用のシリコンが見えている。
図10(a)は容器の前側のやや上方から容器を撮影したもので、容器内で前後方向に細長く粒子の集積体(白く見える部分)が形成されていることが分かる。図10(b)は容器を上方から撮影したもので、容器内の左右方向に集積体が形成されていることが分かる。
【実施例】
【0053】
図11は、粒子の集積体が形成された容器を基台から取り外し、テーブル上に静置した状態、すなわち容器に磁力が作用しない状態で撮影したものである。図11(a)は容器を前方から撮影したもの、図11(b)は容器を上方から撮影したものである。
図11(a)、(b)は、磁場を取り去った状態でも、集積体は磁性液体中で浮いた状態で、細長い形状を維持している。図7に示した蛍光ビーズを用いて集積体を形成した実験では、容器を基台から外すと流体が動くことで集積体を構成していた蛍光ビーズがばらけてしまい、集積体の形状が維持されなくなったことと対照的である。

図12は、図11に示した粒子の集積体(三次元造形体)を容器から取り出し、水を入れたシャーレに移した状態を示す。シャーレに移した後の粒子の集積体も、円柱状の形態を保持しており、集積体の保形性が維持されている。
この実験結果は、正と負に帯電した粒子が相互に吸着することで保形性の良い集積体となることを示す。
【符号の説明】
【0054】
10 コア粒子
12 帯電被膜
20 基台
21 磁石
21a 磁石
22 ステンレス板
30 容器

図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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