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明細書 :エピガロカテキンを含むオリゴマーおよびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-151583 (P2019-151583A)
公開日 令和元年9月12日(2019.9.12)
発明の名称または考案の名称 エピガロカテキンを含むオリゴマーおよびその製造方法
国際特許分類 C07D 311/62        (2006.01)
B01J  27/12        (2006.01)
A61K  31/353       (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  39/06        (2006.01)
A61P  17/18        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K   8/49        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
FI C07D 311/62 CSP
B01J 27/12 Z
A61K 31/353
A61P 35/00
A61P 39/06
A61P 17/18
A61P 43/00 111
A61K 8/49
C07B 61/00 300
C07B 53/00 A
請求項の数または発明の数 22
出願形態 OL
全頁数 32
出願番号 特願2018-037661 (P2018-037661)
出願日 平成30年3月2日(2018.3.2)
発明者または考案者 【氏名】真壁 秀文
【氏名】藤井 博
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
テーマコード 4C062
4C083
4C086
4G169
4H006
4H039
Fターム 4C062FF56
4C062FF59
4C083AC841
4C083AC842
4C083CC01
4C083EE07
4C083FF01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BA08
4C086GA17
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC37
4G169AA02
4G169BA21A
4G169BA21B
4G169BA44A
4G169BC35B
4G169BC44A
4G169BC44B
4G169BE22A
4G169BE22B
4G169BE34A
4G169BE34B
4G169CB25
4G169CB46
4H006AA02
4H006AC81
4H006BA07
4H006BA08
4H006BA36
4H006BC10
4H039CA41
4H039CD10
4H039CD40
4H039CD90
要約 【課題】エピガロカテキンが2つ以上重合したオリゴマー及びその製造方法の提供。
【解決手段】オリゴマーは、下記一般式(VI)(式中、R1~R23はフェノ-ル性水酸基の保護基または水素、nは1以上10以下の整数)で表される化合物。その製造方法は、下記一般式(I)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2)で表される化合物と縮合させる工程を含む。
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【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(VI)(式中、R1~R23はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、nは1以上10以下の整数)で表される化合物。

【化17】
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【請求項2】
前記R1~R23が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリ-ルアルキル基又は置換アリ-ルアルキル基である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
下記一般式(VII)で表される、請求項1に記載の化合物。

【化18】
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【請求項5】
請求項1に記載の化合物を製造する製造方法であって、
下記一般式(I)(式中、R1~R10はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2) (式中、R11~R24はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、nは1以上9以下の整数)で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。
【化19】
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【化20】
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【請求項6】
前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリ-ルアルキルオキシ基である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記Yがエチレングリコ-ルである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記縮合をルイス酸の存在下で行う、請求項5~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラ-ト(Yb(OTf))である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記縮合を0℃以上23℃以下で行う、請求項5~9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記R1~R24及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、請求項5に記載の製造方法。
【請求項12】
下記一般式(III)(式中、R1~R14はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、波線で表される結合は実線または破線のくさび形結合)で表される化合物。

【化21】
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【請求項13】
前記R1~R14が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリ-ルアルキル基又は置換アリ-ルアルキル基である、請求項12または13に記載の化合物。
【請求項15】
前記Zが、水酸基、又は水素である、請求項12~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
下記一般式(IV)で表される、請求項12に記載の化合物。

【化22】
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【請求項17】
請求項12に記載の化合物を製造する方法であって、
下記一般式(I) (式中、R1~R10はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、単離・精製することなく、下記一般式(II) (式中、R11~R14はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Zは水酸基または水素、波線で表される結合は実線又は破線のくさび形結合) で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。

【化23】
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【化24】
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【請求項18】
前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリ-ルアルキルオキシ基である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記縮合をルイス酸の存在下で行う、請求項17または18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラ-ト(Yb(OTf))である、請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記縮合を0℃以上23℃以下で行う、請求項17~21のいずれか一項に記載に記載の製造方法。
【請求項22】
前記R1~R14及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、請求項17に記載の製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エピガロテキンを含む3量体以上のオリゴマーおよびその簡易な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エピガロカテキン等のフラボノイドが2つ以上重合した化合物はプロデルフィニジンと総称され、抗酸化作用や抗腫瘍作用、発ガン抑制作用、グルコシダーゼ阻害作用等の生理作用があり、健康食品や化粧品などの素材として広く利用されている。
【0003】
プロデルフィニジンとしては、エピガロカテキン-(β4→8)-ガロカテキンの構造を有するプロデルフィニジンB1、エピガロカテキン-(β4→8)-エピガロカテキンの構造を有するプロデルフィジンB2、ガロカテキン-(α4→8)-カテキンの構造を有するプロデルフィニジンB3、ガロカテキン-(α4→8)-エピガロカテキンの構造を有するプロデルフィニジンBなどが知られている。
【0004】
また、昨今の健康志向、自然派志向の高まりにより、天然由来の生理活性物質に対する各種の研究が進められており、例えば、オクラのフラボノイド類やポリフェノールにはグリコシダーゼ阻害作用を示すこと、およびビタミンCや抗酸化剤であるBHAと同程度の抗酸化作用を示すことが確認されている。また、オクラに含まれるポリフェノールの一種が、具体的な構造に関するデータが少ないものの、エピガロカテキンを主体とした重合体であるプロデルフィニジンである事が確認されている。
【0005】
しかしながら、これまでに製造が報告されているプロアントシアニジン類の重合体は、構成単位がカテキンまたはエピカテキンが中心であった。そのため、カテキンまたはエピカテキンに限定されず、例えばプロデルフィニジンのようなエピガロカテキンおよびガロカテキンのオリゴマーも効率的に製造できる製造方法が求められていた。
【0006】
プロデルフィニジンは、ガロカテキン又はエピガロカテキンの単量体には見られない生理活性があり、オリゴマーの重合度が高くなるほど、生理活性が強くなることが期待されている。そのため、エピガロカテキン等のフラボノイドからプロデルフィニジン類を製造する方法として幾つかの方法がこれまでに提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0007】
非特許文献1には、ガロカテキンを公知の方法により求電子体と求核体の2種の反応性誘導体に変換し、Yb(OTf)を触媒として、室温で(例えば23°C)それぞれ等量ずつ反応させて得られる生成物から光学選択的にプロシデルフィニジンB3誘導体を得る方法が開示されている。
【0008】
また、非特許文献2には、同様にガロカテキンやエピガロカテキンより変換された2種の反応性誘導体を、Yb(OTf)を触媒としてそれぞれ等量ずつ反応させることで、光学選択的に2量体の誘導体に導く方法が開示されている。
【0009】
さらに非特許文献3には、エピガロカテキンより変換された反応性誘導体を自己縮合により2量化し、この化合物をエピガロカテキンより変換された反応性誘導体とZn(OTf)を触媒として光学選択的に3量体誘導体に導く方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、非特許文献3に開示されたエピガロカテキン3量体の製造方法は、例えば、2量体の反応性誘導体の収率が中程度に留まっていることによる経済的な損失の問題、反応後の副生成物による精製操作の煩雑さの問題等により効率が良くないという問題があった。このような問題からこれらの合成反応は産業的にほとんど利用されていない。
【0011】
上述の通り、プロデルフィニジンは、植物中に多く含まれる成分ではあるが、構造が複雑でかつ化学的に不安定であることから、これまで高純度の化合物を得ることが難しかった。特に重合度が大きくなるほど、その製造が難しかった。
【0012】
よって、オクラには有用な生理活性を示す成分が含まれているが、加工食品には殆ど利用されていない。そのため、オクラに含まれる生理活性物質に着目した新たな用途の拡大が期待されている。しかしながら、生理活性を確認するための標品を製造することが困難で、生理活性の研究を進められなかった。
【0013】
そこで特許文献1は、反応触媒として、金属トリフラート、好ましくは、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))、インジウムトリフラート(In(OTf))、カッパートリフラート(Cu(OTf))、ランタントリフラート(La(OTf))又はスカンジウムトリフラート(Sc(OTf))若しくはホウ素化合物、好ましくは、四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)の存在下、求電子体と求核体のカテキン又はエピカテキン単量体の反応性誘導体を反応させて、カテキン又はエピカテキンの2量体を製造できることを示している。ここで、「金属トリフラート」とはトリフルオロメタンスルホン酸と金属との塩を意味する。
【0014】
また、求核体としてエピカテキン2量体を用い、求電子体としてエピカテキン2~4量体を用いて、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))の存在下に反応させることにより、エピカテキン4~6量体を製造できることが開示されている(特許文献2)。
【0015】
また、エピカテキン保護体を製造原料として用い、塩化メチレン中、反応触媒として亜鉛トリフラートを用いて反応させることにより2量体縮合物を得て、さらに他の2量体とを、反応触媒として亜鉛トリフラートを用いて反応することにより、4量体縮合物へと導く技術が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【0016】

【特許文献1】特開2007-84536号公報
【特許文献2】特開2016-23156号公報
【特許文献3】特開2017-01982号公報
【0017】

【非特許文献1】K. Krohn et al.、 Eur. J. Org. Chem.、 2010、 69、 2544-2554.
【非特許文献2】H. Makabe et al.、 Tetrahedron、 2013、 69、 3543-3550.
【非特許文献3】H. Makabe et al.、 Tetrahedron Lett.、 2013、 54、 7188-7192.
【非特許文献4】H. Makabe et al.、 Synthesis、 2014、 46、 3351-3355.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、特許文献1~3の記載の製造方法に準じ、金属トリフラート、四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)を用いてエピガロカテキンの3量体の製造を試みても、これまで詳細な構造や定量的な分析できる程度に十分な収率及び純度で製造することが出来なかった。
【0019】
そこで本発明は、3量体以上のエピガロカテキンオリゴマーと、これを簡易に製造できる合成方法を提供することを目的とする。また本製造方法によって得られるオリゴマーの生理活性解明により、オクラなどに含まれるプロデルフィニジンの生理活性に着目した新たな用途の拡大を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は以下の内容に関する。
(1)下記一般式(VI)(式中、R1~R23はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、nは1以上10以下の整数)で表される化合物。

【化1】
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(2)前記R1~R23が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、(1)に記載の化合物。
(3)前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリールアルキル基又は置換アリールアルキル基である、(1)または(2)に記載の化合物。
(4)下記一般式(VII)で表される、(1)に記載の化合物。

【化2】
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(5)(1)に記載の化合物を製造する製造方法であって、下記一般式(I)(式中、R1~R10はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2)(式中、R11~R24はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、nは1以上9以下の整数)で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。

【化3】
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【化4】
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(6)前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリールアルキルオキシ基である、(5)に記載の製造方法。
(7)前記Yがエチレングリコールである、(6)に記載の製造方法。
(8)前記縮合をルイス酸の存在下で行う、(5)~(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))である、(8)に記載の製造方法。
(10)前記縮合を0°C以上23°C以下で行う、(5)~(9)のいずれかに記載の製造方法。
(11)前記R1~R24及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、(5)に記載の製造方法。
(12)下記一般式(III)(式中、R1~R14はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、波線で表される結合は実線または破線のくさび形結合)で表される化合物。

【化5】
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(13)前記R1~R14が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、(12)に記載の化合物。
(14)前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリールアルキル基又は置換アリールアルキル基である、(12)または(13)に記載の化合物。
(15)前記Zが、水酸基、又は水素である、(12)~(14)のいずれかに記載の化合物。
(16)下記一般式(IV)で表される、(12)に記載の化合物。

【化6】
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(17)(12)に記載の化合物を製造する方法であって、下記一般式(I)(式中、R1~R10はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、単離・精製することなく、下記一般式(II)(式中、R11~R14はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Zは水酸基または水素、波線で表される結合は実線又は破線のくさび形結合)で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。

【化7】
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【化8】
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(18)前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリールアルキルオキシ基である、(17)に記載の化合物。
(19)前記縮合をルイス酸の存在下で行う、(17)または(18)に記載の製造方法。
(20)前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))である、(19)に記載の製造方法。
(21)前記縮合を0°C以上23°C以下で行う、(17)~(20)のいずれかに記載の製造方法。
(22)前記R1~R14及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、(17)に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、エピガロカテキンを含む3量体以上の純粋なオリゴマーを簡易に合成することができる。さらに、カテキンやエピカテキンを一部に含む、エピカテキン含有ヘテローガス3量体以上のオリゴマーも実現することができる。
【0022】
本発明を実施することで得られる、カテキンやエピカテキンを一部に含む、エピガロカテキン含有ヘテローガスオリゴマーは、従来のプロシアニジンと同様に、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、動脈硬化抑制作用、胃潰瘍抑制作用、発ガン抑制作用、育毛活性作用、美白作用等の生理作用を示すことが期待され、健康食品や化粧品などの素材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、エピガロカテキン2量体の縮合反応の機構を示す図である。
【図2】図2は、エピガロカテキン3量体、4量体および5量体の構造式である。
【図3】図3は、調製例4に係るエピガロカテキン4量体の反応式である。
【図4】図4は、調製例5に係るエピガロカテキン5量体の反応式である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

【0025】
[化合物]
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(VI)で表される。ここで、式(VI)中、R1~R23はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、nは1以上の整数、を表す。なお、本実施形態において、エピガロカテキン4、5量体に限定されることはない。

【化9】
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【0026】
[製造方法]
本実施形態に係る製造方法は、例えば、下記一般式(I)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2)で表される化合物と縮合させる工程を含む。ここで、式(I)中、R1~R10はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基、を表す。また、式(V-1)または(V-2)中、R11~R24はフェノール性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、nは1以上の整数、を表す。

【化10】
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【化11】
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【0027】
本実施形態に係る製造方法においては、一般式(I)で表されるエピガロカテキンの2量体を求電子体として用い、室温以下において高収率で目的物を製造することができる。これは本発明者らが初めて知見したものである。

【0028】
本実施例に係る製造方法においては、5量体以上のエピガロカテキンオリゴマーを製造する場合、上記一般式(V-2)で示される、原料として3量体のエピガロカテキンオリゴマーが必要となる場合があるが、エピガロカテキン3量体もしくはその製造方法については実施例として後述する。

【0029】
なお、式(VI)において、R1~R23は、互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、好ましくは芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である。

【0030】
また、R1~R23は、好ましくは、アルキル、ベンジル、置換ベンジル、アリールアルキル、置換アリールアルキルなどを挙げることができ、より好ましくはアルキル又はベンジルであり、さらに好ましくはベンジルである。

【0031】
「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。これらのアルキル置換基は、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。

【0032】
R1~R23のフェノール性水酸基の保護基は、それぞれ、互いに同一であっても異なってもよいが、同一であれば、その調製が容易になるという利点がある。

【0033】
X1及びX2は、互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基である。X1及びX2は、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリールアルキル基又は置換アリールアルキル基であることが好ましい。

【0034】
式(I)において、Yは、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基である。なお保護基Yは、後述のように、他の化合物との反応の際に脱離する基であり、以降、脱離基と表すことがある。

【0035】
アルコール性水酸基の保護基としては、好ましくは、アシル、置換アシル、ベンジル、置換ベンジル、アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルを挙げることができる。「アシル」としては、それぞれ、独立して、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸のアシルが挙げられる。「置換アシル」としては、芳香族カルボン酸のアシルのアリールが置換されたアシルが挙げられ、具体的には、アリール(より具体的には例えば、フェニル)が、置換基、例えば、アルキルで置換されたアシルが挙げられる。

【0036】
前記置換ベンジル及び置換アリールアルキルは、フェノール性水酸基の保護基と同様に、「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。これらのアルキル置換基は、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。

【0037】
前記脱離基Yは、一般式(I)で表される化合物と、一般式(V-1)または(V-2)で表される化合物との反応の際に脱離する基であり、好ましくは、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリールアルキルオキシ基である。

【0038】
前記アルキルオキシ基のアルキル基の大きさは、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。より好ましくは、炭素数1~5のアルキルである。さらに好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、アリルなどである。最も好ましくはメチルである。

【0039】
前記アルキルオキシアルキルオキシ基のアルキルオキシ基の大きさは、それぞれ炭素数1~10であることが好ましく、炭素数1~5であることがより好ましい。好ましくは、メトキシメトキシ基などであり、最も好ましくはエチレングリコール基である。

【0040】
前記アリールアルキルオキシ基の大きさは、炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~10であることがより好ましい。より好ましくは、炭素数7~10のフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルである。

【0041】
本実施形態に係る製造方法に用いる製造原料のエピガロカテキン単量体の反応性誘導体としては、天然由来、合成由来を問わず、上述の化学式に該当する限り、いずれのエピガロカテキンから誘導したものであっても用いることができる。また、公知の有機合成化学的方法により合成したものも用いることができる。

【0042】
[縮合反応]
図1に本発明の実施形態における縮合反応の機構を示す。図1において、まずルイス酸がアセチル基及び求電子部位であるアルコキシル基の酸素原子に配位し、アルコキシ基を活性化して脱離する。次に、アセチル基の隣接基関与により立体選択的に求電子部位が活性化され、電子密度の高い求核体の8位が求電子体の4’位を攻撃することで、オリゴマーが生成される。

【0043】
[脱保護工程]
本実施形態に係る製造方法は、任意の工程として、第一縮合工程で得られた一般式(VI)で表される化合物のフェノール性水酸基の保護基及びアルコール性水酸基の保護基を脱保護すること(以下「脱保護工程」ともいう)により、一般式(VII)で表される化合物が製造される。ここで、一般式(VII)中、括弧内の構造の繰り返しであるnは1または2以上の整数を表す。

【化12】
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【0044】
縮合はルイス酸の存在下で行うことが好ましく、本発明の方法において反応触媒として用いるルイス酸としては、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))、またはイッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))が好ましい。さらに、エピガロカテキン4、5量体を製造する場合はイッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))が好ましい。

【0045】
これらの反応触媒は、市販されている試薬として入手できる。使用される反応触媒の形態は、特に限定されず、粉末状態のものでも結晶化したものでもよいが、粉末状態のものが好ましい。

【0046】
反応触媒として用いるルイス酸の添加量は、特に限定されないが、重合度毎に好適な使用量が異なる。例えば、カテキンまたはエピカテキン2量体の製造においては、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))の添加量は、約0.8当量程度が好ましく、エピガロカテキン4量体の製造においては、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))の添加量は、約5.0当量程度が好ましく、5量体の場合も約5.0当量程度が好ましい。

【0047】
さらに、本実施形態に係る製造方法において、製造原料の、求電子体と求核体の2種のエピガロカテキンオリゴマーの反応性誘導体の使用比率がほぼ1:1であることが好ましい。エピカテキン3量体における従来の製造方法をエピガロカテキンオリゴマーに流用する場合、例えば、非特許文献4に記載の方法は、一方の製造原料を大過剰、例えば1:2~1:4.5当量用いるものであり、非常に効率が悪く、反応後の精製処理にも手間を要する。本実施形態に係る製造方法は、求電子体と求核体の反応性誘導体の使用比率が、1:0.8~1.2と極めて効率的な方法であり、また、保護基の除去及び残留原料の除去等の反応後の処理操作も極めて簡単な方法であるといえる。

【0048】
第一縮合工程の製造原料として用いられる、一般式(I)で表される化合物は、エピガロカテキンの2量体に置換基を導入することによって得られる。すなわち、(イ)エピガロカテキンの2量体のフェノール性水酸基に、保護基のR1~R10を導入し、必要に応じて、(ロ)エピガロカテキンの2量体のアルコール性水酸基に、保護基のX1、X2を導入し、(ハ)エピガロカテキン反応性誘導体の脱離基Yとしてエチレングリコール基などを導入することにより製造できる。

【0049】
具体的には、手順(イ)のエピガロカテキンの2量体のフェノール性水酸基に、R1~R10として、脂肪族又は芳香族の炭化水素基を、より好ましい具体例としては、ベンジル基を導入する。ベンジル基の導入手順としては、まず、エピガロカテキンガレートの単量体に臭化ベンジルを添加して加水分解によりガレート基を除去した後に、2量化させることにより行うことができる。臭化ベンジルとの反応は、例えば、溶媒としてジメチルホルムアミド(以下「DMF」ともいう)を用いることにより好適に行うことができる。

【0050】
手順(ロ)のアルコール性水酸基に、保護基のX1、X2としてアセチル基を導入する手順としては、例えば、無水酢酸を添加して反応させることにより行うことができる。無水酢酸の添加は、例えば、溶媒としてのピリジン中で行うことができる。

【0051】
手順(ハ)のメトキシ基の導入は、例えば、2、3-ジクロロ-5、6-ジシアノ-パラ-ベンゾキノン(以下「DDQ」ともいう)を添加して、メタノールと反応させることにより行うことができる。当該メトキシ基の導入は、例えば、溶媒としてのジクロロメタン中で行うことができる。また、エチレングリコール基などの導入は、例えば前述のメトキシ基と同様に、2、3-ジクロロ-5、6-ジシアノ-パラ-ベンゾキノン(DDQ)を添加して、エチレングリコールと反応させることによって行うことが出来る。

【0052】
第一縮合工程における化学式(V-1)または(V-2)で表される化合物は、例えば、エピガロカテキンの単量体やオリゴマーに置換基を導入することによって得られる。すなわち、エピガロカテキンの単量体又はオリゴマーのフェノール性水酸基に、保護基のR11~R24を導入する。

【0053】
手順(イ)~手順(ハ)の順序としては、(イ)フェノール性水酸基の保護基のR1~R10の導入→(ロ)アルコール性水酸基の保護基のX1、X2の導入→(ハ)脱離基Yの導入の順序、又は(イ)フェノール性水酸基の保護基のR1~R10の導入→(ハ)脱離基Yの導入→(ロ)アルコール性水酸基の保護基のX1、X2の導入の順序で行うことが好ましい。

【0054】
カップリング反応に用いる溶媒は、反応に影響を及ぼさない溶媒であればいずれであっても良い。例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドなどの溶媒を、単独もしくは混合して使用することができる。これらの溶媒の中で、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレンが好ましく、塩化メチレンが最も好ましい。

【0055】
本発明の反応時間は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。反応時間が短すぎる場合、反応が不十分であり未反応の原料が残り生産物の収率が低下する場合がある。また、反応時間が長すぎる場合、作業効率が悪化するだけでなく、生産物同士もしくは生産物と未反応原料が不規則に反応し目的以外の夾雑物が生産され、かえって反応効率が低下する場合がある。具体的には、4量体の製造の場合、約19時間程度が好ましい。

【0056】
本発明の製造方法の特徴点として、反応温度が特に制限されない事が挙げられる。従来の製造方法、例えば非特許文献1記載の方法は、低温条件(例えば、-20°C)を要するものであるのに対して、本発明の方法はこのような低温条件を要しない。また、本発明の方法における反応温度は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。具体的には、室温以下(0°C以上23°C以下)であることが好ましい。下限値は10°C以上がより好ましく、20°C以上が特に好ましい。

【0057】
第一縮合工程において用いる、化学式(I)で表される化合物と、化学式(II)で表される化合物の使用比率は、1:1のモル比に近い配合とすることが好ましく、1対0.8~1.2等量で反応させることが好ましい。このように、添加割合をほぼ同量にすることで原料の過剰使用の無駄を防ぎ、さらに残留原料の除去等を含む精製操作を簡略化することもできる。

【0058】
脱保護工程の化学式(VI)で表される化合物の脱保護工程における、脱保護の方法としては、公知の方法を用いることが可能である。

【0059】
具体的には、例えば、アルコール性水酸基の保護基X1、X2、Yとしてアセチル基が存在する場合には、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを添加する方法などにより、アセチル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランを使用することができる。

【0060】
また、例えば、フェノール性水酸基のすべての保護基Rnとしてベンジル基が存在する場合には、水素雰囲気下、水酸化パラジウム(Pd(OH))を添加する方法などにより、ベンジル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、水の混合溶媒を使用することができる。

【0061】
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。

【0062】
本実施形態においては、エピガロカテキンの4、5量体の化合物とその製造方法を中心に説明してきたが、本発明によればエピガロカテキンのさらに高次重合体も製造することもできる。

【0063】
係る化合物は、例えば、オクラ中のプロアントシアニジン画分の同定に有用である。従来のプロシアニジンと同様に、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、動脈硬化抑制作用、胃潰瘍抑制作用、発ガン抑制作用、育毛活性作用、美白作用等の生理作用を示すことが期待され、健康食品や化粧品などの素材として有用である。

【0064】
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態ではエピガロカテキンの3量体の化合物と製造方法について説明する。

【0065】
[化合物]
本発明の第2の実施形態に係る化合物は、例えば、一般式(III)で表される。

【化13】
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【0066】
式(III)中、R1~R14は、それぞれ独立して、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基を表し、X1~X2は、それぞれ独立して、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基を表し、Zは水酸基または水素を表し、波線で表される結合は実線又は破線のくさび形結合を表す。

【0067】
実施形態に係る製造方法は、例えば、一般式(I)(一般式(I)中、R1~R10、X1~X2は、上述と同じ意味を有する。)で表される求電子体としての化合物と、一般式(II)(一般式(II)中、R11~R14、Zおよび波線で表される結合は上述と同じ意味を有する。)で表される化合物と、を縮合させる工程(以下「第一縮合工程」ともいう)とを含む。


【化14】
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【化15】
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【0068】
本実施形態に係る製造方法においては、一般式(I)で表されるエピガロカテキンの2量体を求電子体として調整し、精製することなく、室温以下において高収率で目的物を製造することができる。具体的には、エピガロカテキンの2量体を求電子体にした場合、従来法であるエピガロカテキンの単量体を求電子体にする場合と比較して3量体の合成の工程数が約1/3になり、合成の効率が格段に向上する。これは本発明者らが初めて知見したものである。

【0069】
本製造方法においては、例えば、先の実施形態で示した工程(図1)と同様の方法(第一縮合工程)により、一般式(III)で表される化合物を製造することができる。すなわち、まずルイス酸がアセチル基及び求電子部位であるアルコキシル基の酸素原子に配位し、アルコキシ基を活性化して脱離する。次に、アセチル基の隣接基関与により立体選択的に求電子部位が活性化され、電子密度の高い求核体の8位が求電子体の4’位を攻撃することで、オリゴマーが生成される。ここで、第一縮合工程において得られた化合物に、一般式(I)または(II)で表される化合物をさらに縮合させる第二縮合工程を有してもよい。また第一縮合工程において得られた化合物同士を縮合させてもよい。そのため、一般式(III)で表される化合物の設計が容易になり、また製造効率も向上する。

【0070】
なお、本実施形態に係る製造方法によればエピガロカテキンを含むホモローガス3量体に限定されることなく、カテキンやエピカテキンを一部に含む、エピガロカテキン含有ヘテローガス3量体も効率的に製造できる。

【0071】
第2の実施形態においても、先の実施形態と同様、任意の工程として、第一縮合工程で得られた一般式(III)で表される化合物のフェノール性水酸基の保護基及びアルコール性水酸基の保護基を脱保護すること(脱保護工程)により、一般式(IV)(Zは水酸基または水素、波線で表される結合は実線又は破線のくさび形結合)で表される化合物が製造される。

【化16】
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【0072】
なお、R1~R14は、互いに同一であっても異なっていてもよい、フェノール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基であり、好ましくは芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である。

【0073】
R1~R14は、好ましくは、アルキル、ベンジル、置換ベンジル、アリールアルキル、置換アリールアルキルなどを挙げることができ、より好ましくはアルキル又はベンジルであり、さらに好ましくはベンジルである。「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。これらのアルキル置換基は、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。

【0074】
R1~R14のフェノール性水酸基の保護基は、それぞれ、互いに同一であっても異なってもよいが、同一であれば、その調製が容易になるという利点がある。

【0075】
X1及びX2は、水素原子又は互いに同一であっても異なっていてもよい、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から選択される任意の保護基である。X1及びX2は、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリールアルキル基又は置換アリールアルキル基であることが好ましい。

【0076】
Yは、アルコール性水酸基の保護基として使用される基の中から脱離基として選択される任意の保護基である。

【0077】
アルコール性水酸基の脱離基Yとしては、好ましくは、アシル、置換アシル、ベンジル、置換ベンジル、アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキルを挙げることができる。「アシル」としては、それぞれ、独立して、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸のアシルが挙げられる。「置換アシル」としては、芳香族カルボン酸のアシルのアリールが置換されたアシルが挙げられ、具体的には、アリール(より具体的には例えば、フェニル)が、置換基、例えば、アルキルで置換されたアシルが挙げられる。

【0078】
前記置換ベンジル及び置換アリールアルキルは、フェノール性水酸基の保護基と同様に、「置換ベンジル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたベンジルが挙げられ、「置換アリールアルキル」としては、それぞれ、独立して、例えば、アルキルで置換されたアリールアルキルが挙げられる。これらのアルキル置換基は、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。

【0079】
前記脱離基Yは、一般式(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される化合物との反応の際に脱離する基であり、好ましくは、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリールアルキルオキシ基である。

【0080】
前記アルキルオキシ基のアルキル基の大きさは、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。より好ましくは、炭素数1~5のアルキルである。さらに好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、アリルなどである。最も好ましくはメチルである。

【0081】
アルキルオキシアルキルオキシ基のアルキルオキシ基の大きさは、それぞれ炭素数1~10であることが好ましく、炭素数1~5であることがより好ましい。好ましくは、メトキシメトキシ基などであり、最も好ましくはエトキシエトキシ基である。

【0082】
また、アリールアルキルオキシ基の大きさは、炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~10であることがより好ましい。より好ましくは、炭素数7~10のフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルである。

【0083】
Zは水素または水酸基を表す。

【0084】
本発明の製造方法に用いる製造原料のエピガロカテキン単量体の反応性誘導体としては、天然由来、合成由来を問わず、上述の化学式に該当する限り、いずれのエピガロカテキンから誘導したものであっても用いることができる。また、公知の有機合成化学的方法により合成したものも用いることができる。

【0085】
前記縮合はルイス酸の存在下で行うことが好ましい。本発明の方法において反応触媒として用いるルイス酸としては、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))が好ましい。特にエピガロカテキン3量体を製造する場合はイッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))が好ましく、エピガロカテキン-エピガロカテキンーエピカテキンまたはエピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンの場合は亜鉛トリフラート(Zn(OTf))が好ましい。

【0086】
これらの反応触媒は、市販されている試薬として入手できる。使用される反応触媒の形態は、特に限定されず、粉末状態のものでも結晶化したものでもよいが、粉末状態のものが好ましい。

【0087】
なお、反応触媒として用いるルイス酸の添加量は、特に限定されないが、カテキン又はエピガロカテキンの種類及び量体毎に好適な使用量が異なる。例えば、カテキンまたはエピカテキン2量体の製造においては、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))の添加量は、約0.8当量程度が好ましく、エピガロカテキン3量体の製造においては、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))の添加量は、約2.0当量程度が好ましく、エピガロカテキン-エピガロカテキン-エピカテキンまたはエピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンの場合は亜鉛トリフラート(Zn(OTf))の添加量は、約2.0当量程度が好ましい。

【0088】
本発明の第2の実施形態に係る製造方法において、製造原料の、求電子体と求核体の2種のエピガロカテキンオリゴマー反応性誘導体の使用比率は、ほぼ1:1であることが好ましい。エピカテキン3量体における従来の製造方法を流用する場合、例えば、非特許文献1に記載の方法は、一方の製造原料を大過剰、例えば1:3当量用いるものであり、非常に効率が悪く、反応後の精製処理にも手間を要する方法である。一方、本発明の実施形態に係る製造方法は、求電子体と求核体の反応性誘導体の使用比率が、1:0.8~1.2と極めて効率的な方法であり、また、保護基の除去及び残留原料の除去等の反応後の処理操作も極めて簡単な方法であるといえる。

【0089】
前記第一縮合工程の製造原料として用いられる、一般式(I)で表される化合物は、エピガロカテキンの2量体に置換基を導入することによって得られる。すなわち、(イ)エピガロカテキンの2量体のフェノール性水酸基に、保護基のR1~R10を導入し、必要に応じて、(ロ)エピガロカテキンの2量体のアルコール性水酸基に、保護基のX1、X2を導入し、(ハ)エピガロカテキンオリゴマー反応性誘導体のYとしてエトキシエトキシ基(以下「OEE」ともいう)を導入することにより製造できる。

【0090】
具体的には、手順(イ)のエピガロカテキンの2量体のフェノール性水酸基に、R1~R10として、脂肪族又は芳香族の炭化水素基を、より好ましい具体例としては、ベンジル基を導入する。ベンジル基の導入手順としては、まず、エピガロカテキンガレーとの単量体に臭化ベンジルを添加して加水分解によりガレート基を除去した後に、2量化させることにより行うことができる。臭化ベンジルとの反応は、例えば、溶媒としてジメチルホルムアミド(以下「DMF」ともいう)を用いることにより好適に行うことができる。

【0091】
手順(ロ)のアルコール性水酸基に、保護基のX1、X2としてアセチル基を導入する手順としては、例えば、無水酢酸を添加して反応させることにより行うことができる。無水酢酸の添加は、例えば、溶媒としてのピリジン中で行うことができる。

【0092】
手順(ハ)のメトキシ基の導入は、例えば、2、3-ジクロロ-5、6-ジシアノ-パラ-ベンゾキノン(以下「DDQ」ともいう)を添加して、メタノールと反応させることにより行うことができる。当該メトキシ基の導入は、例えば、溶媒としてのジクロロメタン中で行うことができる。また、エトキシエトキシ基(OEE)の導入は、例えば前述のメトキシ基と同様に、2、3-ジクロロ-5、6-ジシアノ-パラ-ベンゾキノン(DDQ)を添加して、エトキシエタノールと反応させることによって行うことが出来る。

【0093】
第一縮合工程における化学式(II)で表される化合物は、例えば、エピガロカテキンの単量体もしくは、オリゴマーに置換基を導入することによって得られる。すなわち、エピガロカテキンの単量体又はオリゴマーのフェノール性水酸基に、保護基のR11~R14を導入する。

【0094】
手順(イ)~手順(ハ)の順序としては、(イ)フェノール性水酸基の保護基のR1~R10の導入→(ロ)アルコール性水酸基の保護基のX1、X2の導入→(ハ)脱離基Yの導入の順序、又は(イ)フェノール性水酸基の保護基のR1~R10の導入→(ハ)脱離基Yの導入→(ロ)アルコール性水酸基の保護基のX1、X2の導入の順序で行うことが好ましい。

【0095】
カップリング反応に用いる溶媒は、反応に影響を及ぼさない溶媒であればいずれであっても良い。例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドなどの溶媒を、単独もしくは混合して使用することができる。これらの溶媒の中で、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、塩化メチレンが好ましく、塩化メチレンが最も好ましい。

【0096】
なお、本実施形態においては、発明の反応時間は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。反応時間が短すぎる場合、反応が不十分であり未反応の原料が残り生産物の収率が低下する場合がある。また、反応時間が長すぎる場合、作業効率が悪化するだけでなく、生産物同士もしくは生産物と未反応原料が不規則に反応し、目的以外の夾雑物が生産され、かえって反応効率が低下する場合がある。具体的には、3量体の製造の場合、下記実施例にもあるように、約20時間程度が好ましい。
【実施例】
【0097】
以下、実施例について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。まず、以下本実施例におけるエピガロカテキン3、4、5量体の構造式をまとめて図2に示す。以下、調整例1ではエピガロカテキン3量体縮合物の合成について、調製例2ではエピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンの合成について、調製例3ではエピガロカテキン-エピガロカテキン-エピカテキンの合成について、調製例4ではエピガロカテキン4量体縮合物の合成について、調製例5ではエピガロカテキン5量体の合成について、それぞれ比較調製例とともに説明する。
【実施例】
【0098】
[調製例1]エピガロカテキン3量体縮合物の合成
まずは自己縮合2量体である求電子体を系内(フラスコ内)で調製するが、調整例1では、便宜上4量体の合成方法を説明した(後述)図3を流用して説明する。図3において、一般式(a)で表されるエピガロカテキンガレート(EGCG)より3工程で調製したエピガロカテキン誘導体(1量体)を製造原料として用い、一般式(b)で表されるような2量体が生成される。反応触媒として2.0当量のZn(OTf)を用いて室温下(20°C)に2時間反応させた。さらに、調製した生成物を単離・精製せずにone-potで2当量のYb(OTf)を用いて活性化し、室温下(20°C)に20時間エピガロカテキン由来の求核剤と反応させることによりエピガロカテキン3量体縮合物が2工程51%の収率で得られた。
【実施例】
【0099】
(比較調製例)
反応触媒と反応時間を以下の条件にそれぞれ換えたことを除き、調製例1と同様の条件でエピガロカテキン3量体を調製した。換えた条件と得られた結果をまとめて以下の表1に示す。

【表1】
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表1より、反応触媒として2当量のYb(OTf)を用いることにより、収率が上ることが明らかになった。
【実施例】
【0100】
[調製例2]エピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンの合成
調整例1の場合と同様、一般式(a)で表されるエピガロカテキンガレ-ト(EGCG)より3工程で調製したエピガロカテキン誘導体(1量体)を製造原料として用い、反応触媒として2.0当量のZn(OTf)を用いて室温下(20°C)に2時間反応させることにより、自己縮合2量体である求電子体を系内(フラスコ内)で調製できる。調製した生成物を単離・精製せずにone-potで2当量のZn(OTf)を用いて活性化し、室温下(20°C)に20時間カテキン由来の求核剤と反応させることによりエピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキン縮合物が2工程47%の収率で得られた。
【実施例】
【0101】
[比較調製例]エピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンの合成
反応触媒と反応時間を以下の条件にそれぞれ換えたことを除き、調製例2と同様の条件でエピガロカテキン-エピガロカテキン-カテキンを調製した。換えた条件と得られた結果をまとめて以下の表2に示す。

【表2】
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【実施例】
【0102】
[調製例3]エピガロカテキン-エピガロカテキン-エピカテキンの合成
調整例1の場合と同様、一般式(a)で表されるエピガロカテキンガレ-ト(EGCG)より3工程で調製したエピガロカテキン誘導体(1量体)を製造原料として用い、反応触媒として2.0当量のZn(OTf)を用いて室温下(20°C)に2時間反応させることにより、自己縮合2量体である求電子体を系内(フラスコ内)で調製できる。この化合物を単離・精製せずにone-potで2当量のYb(OTf)を用いて活性化し、室温下(20°C)に20時間エピカテキン由来の求核剤と反応させることによりエピガロカテキン-エピガロカテキン-エピカテキン縮合物が2工程42%の収率で得られた。
【実施例】
【0103】
[調製例4]エピガロカテキン4量体縮合物の合成
図3に示すように、一般式(a)で表されるエピガロカテキンガレ-ト(EGCG)より3工程で調製したエピガロカテキン誘導体(1量体)を製造原料として用い、反応触媒として0.8当量のZn(OTf)を用いて室温下(20°C)に2時間反応させることにより、自己縮合2量体である求電子体を調製できる。この化合物を単離・精製し、5当量のYb(OTf)を用いて活性化し、室温下(20°C)に20時間エピガロカテキン由来の求核剤(c)と反応させることにより一般式(d)で表されるエピガロカテキン4量体縮合物が45%の収率で得られた。
【実施例】
【0104】
[比較調製例]エピガロカテキン4量体の合成
反応触媒と反応時間を以下の条件にそれぞれ換えたことを除き、調製例4と同様の条件でエピガロカテキン4量体を調製した。換えた条件と得られた結果をまとめて以下の表3に示す。

【表3】
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表3より、反応触媒として5当量のYb(OTf)を用いることにより、収率が向上することが明らかになった。
【実施例】
【0105】
[調製例5]エピガロカテキン5量体の合成
図4に示すように一般式(a)で表されるエピガロカテキンガレ-ト(EGCG)より3工程で調製したエピガロカテキン誘導体(1量体)を製造原料として用い、反応触媒として0.8当量のZn(OTf)を用いて室温下(20°C)に2時間反応させることにより、自己縮合2量体である求電子体を調製できる。この化合物を単離・精製し、5当量のYb(OTf)を用いて活性化し、室温下(20°C)に20時間エピガロカテキン3量体の求核剤(e)と反応させることにより一般式(f)で表されるエピガロカテキン5量体縮合物が30%の収率で得られた。
【実施例】
【0106】
[比較調製例]エピガロカテキン5量体の合成
反応触媒と反応時間を以下の条件にそれぞれ換えたことを除き、調製例5と同様の条件でエピガロカテキン5量体を調製した。換えた条件と得られた結果をまとめて以下の表に示す。

【表4】
JP2019151583A_000022t.gif
【実施例】
【0107】
以上、本発明の実施例について説明した。なお、本発明の製造方法の特徴として、反応温度が特に制限されない事が挙げられる。従来の製造方法、例えば非特許文献1記載の方法は、低温条件(例えば、-20°C)を要するものであるのに対して、本発明の方法はこのような低温条件を要しない。また、本発明の方法における反応温度は特に制限されず、製造原料の種類及び目的物の種類に応じて、適宜、調整することができる。具体的には、室温以下(0°C以上23°C以下)であることが好ましい。下限値は10°C以上がより好ましく、20°C以上が特に好ましい。
【実施例】
【0108】
また、3量体を製造する場合、第一縮合工程において用いる、化学式(I)で表される化合物と、化学式(II)で表される化合物の使用比率は、1:1のモル比に近い配合とすることが好ましく、1対0.8~1.2等量で反応させることが好ましい。このように、添加割合をほぼ同量にすることで原料の過剰使用の無駄を防ぎ、さらに残留原料の除去等を含む精製操作を簡略化することもできる。
【実施例】
【0109】
また、脱保護工程の化学式(III)で表される化合物の脱保護工程における、脱保護の方法としては、公知の方法を用いることが可能である。具体的には、例えば、アルコ-ル性水酸基の保護基X1、X2、Yとしてアセチル基が存在する場合には、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを添加する方法などにより、アセチル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランを使用することができる。
【実施例】
【0110】
また、例えば、フェノ-ル性水酸基の保護基R1~R14としてベンジル基が存在する場合には、水素雰囲気下、水酸化パラジウム(Pd(OH))を添加する方法などにより、ベンジル基を脱離させることができる。この際の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メタノ-ル、水の混合溶媒を使用することができる。
【実施例】
【0111】
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【実施例】
【0112】
本発明に係る実施形態においては、エピガロカテキンのホモロ-ガス多量体の製造方法を中心に説明してきたが、本発明によればエピガロカテキンを含むヘテロ-ガスオリゴマ-を製造することもできる。
【実施例】
【0113】
また、上記実施形態および実施例では、製造方法を中心に説明してきたが、本発明によれば、上記製造方法で得られたエピガロカテキン多量体化合物は、例えば、オクラ中のプロアントシアニジン画分の同定に有用である。従来のプロシアニジンと同様に、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、動脈硬化抑制作用、胃潰瘍抑制作用、発ガン抑制作用、育毛活性作用、美白作用等の生理作用を示すことが期待され、健康食品や化粧品などの素材として有用である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明によれば、簡易に高い収率でエピガロカテキンオリゴマーを製造することができる。かかるオリゴマーは、例えばオクラ中のプロデルフィニジン類の同定に有用である。本発明により製造されるオリゴマーにより、生物中のプロデルフィニジン類の同定が正確になることで、各画分の生理活性が把握しやすくなり、結果として各画分の生理活性に着目した生物由来のプロデルフィニジン類の用途の拡大が期待される。さらに活性とそれに関わる分子が明確になることで作用メカニズムを解明する手がかりとなり、そのメカニズムからより効果の高い生理活性分子の開発も期待できる。



図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3