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明細書 :集光ユニット及び太陽光受光装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-185944 (P2019-185944A)
公開日 令和元年10月24日(2019.10.24)
発明の名称または考案の名称 集光ユニット及び太陽光受光装置
国際特許分類 F21S  11/00        (2006.01)
F21V  13/04        (2006.01)
F21V   7/08        (2006.01)
F21V   7/09        (2006.01)
F21V   5/04        (2006.01)
F21V   8/00        (2006.01)
G02B   5/08        (2006.01)
G02B   3/00        (2006.01)
G02B   5/02        (2006.01)
F24S  23/30        (2018.01)
FI F21S 11/00 110
F21V 13/04 500
F21V 7/08
F21V 7/09 100
F21V 5/04
F21V 8/00 330
F21V 8/00 357
G02B 5/08 A
G02B 3/00
G02B 3/00 A
G02B 5/02 A
F24S 23/30
請求項の数または発明の数 23
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2018-073121 (P2018-073121)
出願日 平成30年4月5日(2018.4.5)
発明者または考案者 【氏名】宇佐美 久尚
【氏名】伊藤 治郎
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
テーマコード 2H042
3K243
3K244
Fターム 2H042BA02
2H042BA13
2H042BA16
2H042DB14
2H042DD04
2H042DD06
2H042DD07
2H042DE03
3K243MB01
3K244AA05
3K244BA11
3K244BA42
3K244BA48
3K244DA10
3K244EA08
3K244EA16
要約 【課題】 直達太陽光と散乱光を全天から効率的に集光することを可能にする集光ユニット及びこれを用いた太陽光受光装置を提供する。
【解決手段】 入射光を受ける球形の第1レンズ12と、第1レンズ12からの光を受光する複数の第2レンズと、第2レンズからの出射光を受光する受光部18と、第2レンズからの出射光を受光部18に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡16aと、第2レンズからの出射光を受光部18に導く楕円体面からなる反射面を備える第2楕円体鏡16bとを備えることを特徴とする。
【選択図】 図4
特許請求の範囲 【請求項1】
入射光を受ける球形の第1レンズと、
前記第1レンズからの光を受光する複数の第2レンズと、
前記第2レンズからの出射光を受光する受光部と、
前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、
前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第2楕円体鏡と、
を備えることを特徴とする集光ユニット。
【請求項2】
前記第1レンズの中心と、前記第1楕円体鏡の反射面の第一焦点と、前記第2楕円体鏡の反射面の第一焦点とが一致し、
前記第1楕円体鏡の反射面の第二焦点と、前記第2楕円体鏡の反射面の第二焦点の位置が異なることを特徴とする請求項1記載の集光ユニット。
【請求項3】
前記第2楕円体鏡の反射面の第一、第二焦点間の間隔が、前記第1楕円体鏡の反射面の第一、第二焦点間の間隔よりも小であることを特徴とする請求項1または2項記載の集光ユニット。
【請求項4】
前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡は、透明な中実体として形成され、外周面が光の反射面であること特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の集光ユニット。
【請求項5】
前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡の第二焦点近傍に、前記受光部を収納する装着部が設けられ、
前記装着部の内面に、前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を屈折させて前記受光部へ導く第1の屈折面と第2の屈折面が設けられていることを特徴とする請求項4記載の集光ユニット
【請求項6】
前記装着部の内面に、前記第2楕円体鏡の反射面で反射し前記第2の屈折面による屈折光を反射して前記受光部に導く反射鏡面が設けられていることを特徴とする特許請求項5項記載の集光ユニット。
【請求項7】
前記反射鏡面は、反射光を前記受光部に集光する放物面として形成されていることを特徴とする請求項6項記載の集光ユニット。
【請求項8】
前記装着部の内面に、前記第1楕円体鏡の中心線近傍を通過する光を透過する透過面が設けられていることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項記載の集光ユニット。
【請求項9】
前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡が、内面が楕円体面の反射面となる中空体として設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の集光ユニット。
【請求項10】
前記第1楕円体鏡と第2楕円体鏡の第二焦点近傍に、前記第1楕円体鏡の反射面と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を前記受光部に導く、透明な中実体として形成された導光体を備えることを特徴とする請求項9記載の集光ユニット。
【請求項11】
前記導光体には、前記第1楕円体鏡の反射面と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を、それぞれ前記受光部へ導く、第1の屈折面と第2の屈折面とが設けられていることを特徴とする請求項10記載の集光ユニット。

【請求項12】
前記導光体には、前記第2の屈折面による屈折光を前記受光部に導く反射鏡面が設けられていることを特徴とする請求項11記載の集光ユニット。
【請求項13】
前記導光体には、前記第1楕円体鏡の中心線近傍を通過する光を透過する透過面が設けられていることを特徴とする請求項10~12ののいずれか一項記載の集光ユニット。
【請求項14】
入射光を受ける球形の第1レンズと、
前記第1レンズからの光を受光する複数の第2レンズと、
前記第2レンズからの出射光を受光する受光部と、
前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、
前記第1楕円体鏡の反射面により反射された光を前記受光部に導く楕円体面の反射面を備える第3楕円体鏡とを備えることを特徴とする集光ユニット。
【請求項15】
前記第1楕円体鏡の第二焦点と前記第3楕円体鏡の第一焦点とが一致することを特徴とする請求項14記載の集光ユニット。
【請求項16】
前記第3楕円体鏡の第二焦点が前記受光部内に位置することを特徴とする請求項15記載の集光ユニット。
【請求項17】
前記受光部の軸線の向きが、前記第3楕円体鏡の中心線に対し傾斜していることを特徴とする請求項16記載の集光ユニット。
【請求項18】
前記受光部の光が入射する側に、受光部へ入射する光の入射角を変換する変換レンズが設けられていることを特徴とする請求項16記載の集光ユニット。
【請求項19】
入射光を受ける球形の第1レンズと、
前記第1レンズからの出射光を受光する受光部と、
前記第1レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、
前記第1レンズと前記第1楕円体鏡との間に、前記第1レンズの外周面にならって配置され、透明体中に光を散乱する微小粒子、微小空隙または微小液滴のいずれかまたはその混合物が分散されてなる散乱光学素子と、
を備えることを特徴とする集光ユニット。
【請求項20】
前記散乱光学素子を構成する透明体の屈折率は、前記第1レンズの屈折率よりも大であることを特徴とする請求項19記載の集光ユニット。
【請求項21】
前記第1レンズが中空体として形成されていることを特徴とする請求項19または20記載の集光ユニット。
【請求項22】
楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、
該第1楕円体鏡の反射面により反射された光を受光する受光部と、
前記第1楕円体鏡の太陽光が入射する側に配置され、前記第1楕円体鏡へ太陽光の散乱光を導く、透明体中に光を散乱する微小粒子、微小空隙または微小液滴のいずれかまたはその混合物が分散されてなる散乱光学素子と、
を備えることを特徴とする集光ユニット。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項記載の集光ユニットを、複数個組み合わせて構成されていることを特徴とする太陽光受光装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は集光ユニット及び太陽光受光装置に関し、より詳細には、全天から効率的に太陽光を集光する集光ユニット及びこれを用いた太陽光受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光を室内の照明に利用したり、植物工場のような植物の栽培に利用したりする装置として太陽光受光装置が利用されている。このような太陽光を利用する受光装置には、太陽の動きに受光装置を追尾させる追尾型の受光装置と、固定型の受光装置がある。固定型の受光装置は追尾型の受光装置と比較して簡易な構成とすることができ、メンテナンス等の維持が容易であるという利点がある。
固定型の太陽光受光装置には、導光手段としてフレネルレンズを使用したもの(特許文献1)、多数の半球状集光レンズ、光ファイバー及び散光レンズを組み合わせたもの(特許文献2)、集光型の太陽電池モジュールとして、集光手段としてボールレンズを使用し、ボールレンズから出射する光を所定範囲内に導く楕円体鏡を備えるもの(特許文献3)等がある。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平2-139802号公報
【特許文献2】特開昭60-227304号公報
【特許文献3】特開2014-45133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
追尾型の太陽光受光装置は、太陽光の直達光を効率的に受光することができる一方、全天からの散乱光の受光には適さず、曇天の際には室内の照明等にはほとんど役立たない。
これに対して、固定型の太陽光受光装置は、散乱光を取り入れることが可能であり、曇天でも外光を取り入れることで室内の照明等に利用することができる可能性がある。日本付近の緯度において、全天からの散乱光の日射量は、快晴の日で全日射量の10%程度、曇天の日ではほとんどが散乱光、年間平均では散乱光が全日射量の30~40%程度であることが知られている。
しかしながら、従来の固定型の太陽光受光装置は、太陽光(直達光と散乱光)の受光効率の点で必ずしも満足することできるものではない。
本発明は、固定型の太陽光受光装置であって、太陽の行路が変動しても、全天から効率的に太陽光の直達光と散乱光を受光することを可能にする集光ユニット及び太陽光受光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る太陽光受光装置は、集光ユニットを複数個組み合わせて構成される。太陽光受光装置を構成する集光ユニットは、入射光を受ける球形の第1レンズと、前記第1レンズからの光を受光する複数の第2レンズと、前記第2レンズからの出射光を受光する受光部と、前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第2楕円体鏡とを備えることを特徴とする。
また、前記第1レンズの中心と、前記第1楕円体鏡の反射面の第一焦点と、前記第2楕円体鏡の反射面の第一焦点とが一致し、前記第1楕円体鏡の反射面の第二焦点と、前記第2楕円体鏡の反射面の第二焦点の位置が異なる配置とすることができる。
また、前記第2楕円体鏡の反射面の第一、第二焦点間の間隔が、前記第1楕円体鏡の反射面の第一、第二焦点間の間隔よりも小であることを特徴とする。
また、前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡は、透明な中実体として形成され、外周面が光の反射面であること特徴とする。
また、前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡の第二焦点近傍に、前記受光部を収納する装着部が設けられ、前記装着部の内面に、前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を屈折させて前記受光部へ導く第1の屈折面と第2の屈折面が設けられていることを特徴とする。
また、前記装着部の内面に、前記第2楕円体鏡の反射面で反射し前記第2の屈折面による屈折光を反射して前記受光部に導く反射鏡面が設けられていることを特徴とする。
また、前記反射鏡面は、反射光を前記受光部に集光する放物面として形成されていることを特徴とする。
また、前記装着部の内面に、前記第1楕円体鏡の中心線近傍を通過する光を透過する透過面が設けられていることを特徴とする。
【0006】
また、集光ユニットの他の構成として、前記第1楕円体鏡と前記第2楕円体鏡が、内面が楕円体面の反射面となる中空体として設けられていることを特徴とする。
また、前記第1楕円体鏡と第2楕円体鏡の第二焦点近傍に、前記第1楕円体鏡の反射面と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を前記受光部に導く、透明な中実体として形成された導光体を備えることを特徴とする。
また、前記導光体には、前記第1楕円体鏡の反射面と前記第2楕円体鏡の反射面により反射された光を、それぞれ前記受光部へ導く、第1の屈折面と第2の屈折面とが設けられていることを特徴とする。
また、前記導光体には、前記第2の屈折面による屈折光を前記受光部に導く反射鏡面が設けられていることを特徴とする。
また、前記導光体には、前記第1楕円体鏡の中心線近傍を通過する光を透過する透過面が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、集光ユニットの他の構成として、入射光を受ける球形の第1レンズと、前記第1レンズからの光を受光する複数の第2レンズと、前記第2レンズからの出射光を受光する受光部と、前記第2レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、前記第1楕円体鏡の反射面により反射された光を前記受光部に導く楕円体面の反射面を備える第3楕円体鏡とを備えることを特徴とする。
また、前記第1楕円体鏡の第二焦点と前記第3楕円体鏡の第一焦点とが一致することを特徴とする。
また、前記第3楕円体鏡の第二焦点が前記受光部内に位置することを特徴とする。
また、前記受光部の軸線の向きが、前記第3楕円体鏡の中心線に対し傾斜していることを特徴とする。
また、前記受光部の光が入射する側に、受光部へ入射する光の入射角を変換する変換レンズが設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、集光ユニットの他の構成として、入射光を受ける球形の第1レンズと、前記第1レンズからの出射光を受光する受光部と、前記第1レンズからの出射光を前記受光部に導く楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、前記第1レンズと前記第1楕円体鏡との間に、前記第1レンズの外周面にならって配置され、透明体中に光を散乱する微小粒子、微小空隙または微小液滴のいずれかまたはその混合物が分散されてなる散乱光学素子と、を備えることを特徴とする。
また、前記散乱光学素子を構成する透明体の屈折率は、前記第1レンズの屈折率よりも大きいことを特徴とする。
また、前記第1レンズが中空体として形成されていることを特徴とする。
また、楕円体面からなる反射面を備える第1楕円体鏡と、該第1楕円体鏡の反射面により反射された光を受光する受光部と、前記第1楕円体鏡の太陽光が入射する側に配置され、前記第1楕円体鏡へ太陽光の散乱光を導く、透明体中に光を散乱する微小粒子、微小空隙または微小液滴のいずれかまたはその混合物が分散されてなる散乱光学素子と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る集光ユニットにおいて、第1レンズに入射する光は太陽光の直達光と散乱光である。第1レンズに球形のレンズを使用することにより、太陽の移動位置に関わらず効率的に太陽光を受光することができ、全天から散乱光を受光することができる。第1レンズからの出射光を受光する第2レンズは、第1レンズに入射する太陽光の入射方向とは反対側の第1レンズの外面の近傍に、第1レンズから出射される太陽光の出射領域を覆うように互いに隣接させて配置する。第2レンズには小径のレンズを使用し、第2レンズは太陽光の出射領域を覆うように多数個配置する。第2レンズは球形レンズに限らず、第1レンズの外面に凹面を設けて凹レンズ状に形成することも可能であり、太陽光の受光効率を考慮して適宜設計したレンズを使用することができる。
【0010】
集光ユニットの光学系は、第2レンズの出射光が、擬似的(近似的)に第1楕円体鏡の第一焦点から出射するように設計する。これにより、第2レンズからの出射光を前記楕円体鏡の第二焦点に集束させ、前記受光装置に確実に受光させることができる。
第2レンズの出射光が擬似的に第1楕円体鏡の第一焦点から出射するとは、第2レンズからの出射光の光路を第1レンズ側に延長すると第1レンズの中心に集束し、第2レンズの出射光が第1楕円体鏡の第一焦点から出射したとみなされることを意味する。
楕円体鏡は、内面が楕円体面の反射面となる中空体として形成することもできるし、外面が反射面となる透明な中実体として形成することもできる。
また、第1レンズは球形に形成するかわりに、半球殻状に形成した球殻レンズを組み合わせて形成することも可能である。
また、受光装置は、導光装置、光発電装置あるいは光加熱装置として構成することができる。
【0011】
また、本発明に係る太陽光受光装置は、集光ユニットを複数個組み合わせて構成される。
太陽光受光装置を構成する集光ユニットは、側面を隣接させた最密配置として設置したり、第1レンズを集光ユニットの光軸方向から見て六角形に形成し、側面を密接させたハニカム配置に設けることができる。
また、太陽光受光装置に取り付けられている集光ユニットは、個々に、第2レンズ群のレンズ配置を異なる配置として設けることにより、日々あるいは季節によって太陽の動き(経路、高さ、向き)が変動した場合であっても、太陽光の受光強度のばらつきを抑え、受光強度を均等化することが可能になる。第2レンズ群のレンズ配置を異なる配置とする例としては、第1レンズの中心から見て第2レンズの配置をθ-θ方向に回転シフトさせる方法、集光ユニットの光軸方向を異なる向きに設定して取り付ける方法を利用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る集光ユニット及び太陽光受光装置によれば、太陽光の直達光と散乱光を効率的に受光することができ、室内の照明等に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】太陽光受光装置を構成する集光ユニットの基本構成を示す図である。
【図2】集光ユニットの他の構成を示す図である。
【図3】集光ユニットの配置例を示す図である。
【図4】本発明に係る太陽光受光装置に用いる集光ユニットの構成を示す図である。
【図5】第1楕円体鏡第2楕円体鏡を中空体として構成した集光ユニットの構成を示す図である。
【図6】第1レンズへ入射する太陽光の入射角が変動したときに第2レンズからの出射光がどのように変化するかを示す図である。
【図7】第1レンズ中心方向から見た第2レンズの配置例を示す図である。
【図8】集光ユニットの他の構成例を示す図である。
【図9】受光部の軸線を第3楕円体鏡の中心線に対して傾けた配置とした例を示す図である。
【図10】受光部の前端部に変換レンズを配置した例を示す図である。
【図11】第1レンズと楕円体鏡との間に散乱光学素子を配置した集光ユニットの構成を示す図である。
【図12】第1レンズを中空体として形成した集光ユニットの例を示す図である。
【図13】第1レンズを中空体として形成した集光ユニットの他の例を示す図である。
【図14】楕円体鏡を中空体とし第1レンズを省略した集光ユニットの例を示す図である。
【図15】楕円体鏡を中実体とし第1レンズを省略した集光ユニットの例を示す図である。
【図16】散乱粒子によるミー散乱の作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(太陽光受光装置の基本構成)
本発明に係る太陽光受光装置は、全天から太陽光の直達光と散乱光を受光することを可能にする受光装置であり、太陽光受光装置は、受光する単位となる集光ユニットを複数個組み合わせて構成される。
図1は本発明に係る太陽光受光装置の集光ユニットの基本構成として特徴的な構成(考え方)を示したものである。すなわち、集光ユニット10は、入射光(直達光と散乱光)を受ける球形レンズとして形成された第1レンズ12と、第1レンズ12の光が出射される外周面の近傍に配置された複数個の第2レンズ14と、第2レンズ14からの光を反射する楕円体鏡16と、楕円体鏡16によって反射された光を受光する受光部18とを備える。

【0015】
第2レンズから出射された光を反射する楕円体鏡16の反射面は楕円体面として形成され、楕円体鏡16の反射面の第一焦点が第1レンズ12の中心と一致し、第二焦点が受光部18の受光位置に一致するように設けられている。
第2レンズ14は第1レンズ12によって集光された光を細径の光に絞る作用と、第2レンズ14から出射される光があたかも第1レンズ12の中心(楕円体鏡16の第一焦点:虚光源)から出射されたかのように作用させるためのものである。したがって、第2レンズ14から出射した光は楕円体鏡16の作用により、楕円体鏡16の反射面の第二焦点に配置した受光部18に集束する。
第1レンズ12の楕円体鏡16側の外面で第2レンズ14を配置する領域は、太陽の動きに応じて第1レンズ12から出射する出射光が出射する領域、言い換えれば、第1レンズ12によって直達太陽光、散乱光を取り込む立体角にしたがって決めればよい。

【0016】
第1レンズ12として球形のレンズを使用する理由は、太陽の動きにともなって第1レンズ12への直達太陽光の入射方向が変動しても、直達太陽光を第1レンズ12の外周面の近傍に集光させ、また、全天からの散乱光を集光することができるようにするためである。第1レンズ12の大きさ、材質(屈折率)はとくに限定されるものではない。
なお、第1レンズ12を球形とすると、第1レンズ12に入射する平行光(直達光及び散乱光は平行光)は正確には、一点に集束しない。第1レンズ12の屈折率によっても異なるが、一般的に第1レンズ12からの出射光は第1レンズ12の外周面よりも外側で集束する。この集束位置は第1レンズ12への太陽光(平行光)の入射角θ1が変化すると移動する。また、ボールレンズの場合は、ボールレンズの中心線(第1レンズ12と楕円体鏡16の中心を結ぶ線)に近い光路と中心線から離れた位置の光路では入射角θ1が異なるため、集束する位置が異なる。

【0017】
図1では第2レンズ14をボールレンズ(球形レンズ)としている。前述したように、第2レンズ14は第1レンズ12に入射した光を細径に絞る作用と、第2レンズ14から出射した光が、あたかも第1レンズ12の中心に虚光源があるかのように(第2レンズ14からの出射光を第1レンズ12に延長させると第1レンズ12の中心に一致する)作用させるものである。
第2レンズ14からの出射光を擬似的に第1レンズ12の中心から放射されたようにするには、第2レンズの光軸上の位置を調整して、出射光が擬似的に第1レンズ12の中心から放射されるように第2レンズ14を設計すればよい。なお、第2レンズ14からの出射光の光路は、第1レンズ12の出射光が一点に集束しないため若干変動し、出射光の角度が分布を持つ。このため実際の設計では、第2レンズ14からの出射光の方向が角度分布の中心に設定するといったように光学設計する方法が考えられる。

【0018】
第2レンズ14により太陽光を細径に絞るためには、できるだけ小径のレンズを使用すればよい。第1レンズ12から出射される光は太陽の動きとともに移動するから、第2レンズ14の径を大きくすると、隣り合った第2レンズとの間の空隙部分や、第2レンズ14の中心から偏位した位置に直達太陽光が入射することになり、受光効率が阻害される。したがって、直達太陽光、散乱光を効率的に受光するためには、ある程度小径の第2レンズ14を隣接させて配置するのがよい。

【0019】
図1に示す集光ユニット10は、第2レンズとしてボールレンズを使用した例であるが、第2レンズはボールレンズに限るものではなく、図2に示すように、第1レンズ12aの出射面側の外周面に、凹レンズ状の第2レンズ14aを設ける方法も可能である。このように、第1レンズ12aの外周面に凹レンズ状に第2レンズ14aを設けた場合は、第1レンズ12aと第2レンズ14aとを一体的に形成できるという利点がある。

【0020】
楕円体鏡は第2レンズから出射した光を楕円体鏡の反射面の第二焦点に集光させるためのものである。楕円体鏡は透明体を用いて中実な楕円体として形成することもできるし、図2に示すように内面が楕円体面の反射面となる中空形態のものとして形成することもできる。
楕円体鏡の第二焦点に配置する受光部18は、実際には一点で受光するのではなく、焦点近傍に集束する光であれば受光することができる。第2レンズ14の光学設計には、いくつか考慮すべき点があるが、第2レンズ14として小径のレンズを使用し、第2レンズ14からの出射光を平行光とする設定(第1レンズの中心と第2レンズの焦点位置を一致させる)とする方法で効率的な受光が可能である。

【0021】
太陽光受光装置は上述した基本構成を備える集光ユニットを複数個(多数個)組み合わせて構成する。図3は集光ユニット10の配置例である。図3(a)は太陽光受光装置を平面方向から見た状態、図3(b)は図3(a)のA-B線断面図である。図示例は、楕円体鏡16の短径が第1レンズ12の半径よりも大きく設計した例で、楕円体鏡16の外周面が相互に隣接する最密配置となっている。図3に示すように第1レンズ12を相互に離間させた配置とすると、太陽光が斜め入射したときも隣の第1レンズ12によって遮光されにくくなり、効率的に太陽光を受光することができる。

【0022】
太陽の動き(日動)や季節によって太陽光(直接光)が第1レンズ12へ入射する入射角や仰角が変化する。このように入射角や仰角が変化すると、第1レンズ12から第2レンズ14へ出射する光が第2レンズ群上で移動する。第1レンズ12からの出射光が第2レンズ群上を通過する位置が、太陽の動きにともなって変動することを解消する方法として、第2レンズ14を異なる配置(第1レンズ12から見たときの第2レンズ14の配置をシフトさせる)とした集光ユニット10を混在させて配置することで、日々、あるいは季節によって太陽の動きが異なっても概ね均等な受光効率を得ることができるようにすることができる。

【0023】
(集光ユニット:構成例1)
図4は本発明に係る太陽光受光装置において使用する集光ユニットの構成例を示す。本実施形態の集光ユニットにおいて特徴とする構成は、集光ユニットを構成する楕円体鏡を、第1レンズ12に近接させて配置する第1楕円体鏡16aと、第1楕円体鏡16aの後部側すなわち受光部18に配置する第2楕円体鏡16bを組み合わせて構成した点にある。第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bとを組み合わせて使用する理由は、第2レンズから楕円体鏡に出射される光のうち、楕円体鏡の中心線近傍の光を受光部18に入射させるようにするためである。なお、図4では第2レンズの記載を省略している。第2レンズの構成及び作用については、上述した太陽光受光装置の基本構成における記述内容がそのまま適用される。

【0024】
第1楕円体鏡16aの反射面と受光部18の配置によっては、第2レンズから出射される光のうち、中心線近傍の光(出射角が小さいもの)は、第1楕円体鏡で反射された光が受光部18の後ろ側から入射する配置となり、これらの光が受光できない場合がある。第2楕円体鏡16bは、このような第2レンズからの、出射角が小さい光を受光部18で受光できるようにするために設けたものである。
図4では、第2レンズから受光部18へ直接入射する光を直接入射ゾーンC、第1楕円体鏡16aの反射面で反射されて受光部18へ入射する光を第1楕円反射ゾーンA、第2楕円体鏡16bの反射面で反射されて受光部18へ入射する光を第2楕円反射ゾーンBの光とする。

【0025】
なお、本実施形態の集光ユニットは第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bがともに中実な透明体として形成され、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの外面が光の反射面となっている。第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの外面を鏡面コーティング施す等により、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの外面を光の反射面とすることができる。

【0026】
図4では、第1楕円体鏡16aの反射面の第一焦点をf1、第二焦点をf2とし、第2楕円体鏡16bの第一焦点をf1に一致させ、第二焦点をf2’としている。第2楕円体鏡16bの第二焦点f2’の位置は、第1楕円体鏡16aの第二焦点f2よりも受光部18から離間させ、第2楕円体鏡16bの中心O’の位置を、第1楕円体鏡16aの中心Oの位置よりも受光部18から離間する配置としている。言い換えれば、第2楕円体鏡16bの反射面の第一焦点と第二焦点の間隔は、第1楕円体鏡16aの反射面の第一焦点と第二焦点の間隔よりも小となる。

【0027】
図4に示す集光ユニットにおいては、受光部18の配置位置を第1楕円体鏡16aの第二焦点f2の位置よりも後方に配置している。これは、前述した太陽光受光装置の基本構成では、受光部18を楕円体鏡の第二焦点の位置に配置し、楕円体鏡の反射面で反射された光が受光部18に集光するようにしていたこととは異なる。受光部18をこのように楕円体鏡の後端近傍に配置する理由は、第1楕円体鏡16aで反射され第二焦点f2に向かう光と、第2楕円体鏡16bで反射して第2楕円体鏡16bの第二焦点f2’へ向かう光が受光部18へ入射する時に、できるだけ入射角を小さくするためである。


【0028】
第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの反射面で反射された光を受光部18に導くために、図4に示す集光ユニットでは、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの後端部に受光部18を装着する空間を確保するための装着部を設ける。装着部はその内面が、第1楕円体鏡16aに凹面状に形成された第1の屈折面20aと、第2楕円体鏡16bに凹面状に形成された第2の屈折面20bと、第1の屈折面20aに連続して設けられた反射鏡面21と、楕円鏡の中心線を横断する配置に設けられた透過面22と、受光部18を挿入する挿入孔面23によって囲まれた構成となる。

【0029】
なお、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bは共通の境界面17を当接して連結され、受光部18の装着部は第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bを彫り込む形態に形成されている。
図4で、第2レンズ(不図示)第1楕円反射ゾーンAの範囲に出射される光は第1楕円体鏡16aの反射面で反射され、装着部の第1の屈折面20aで屈折して受光部18に入射する。
また、第2レンズから第2楕円反射ゾーンBの範囲に出射される光は第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bの境界面17を透過し、第2楕円体鏡16bの外面の反射面で反射され、装着部の第2の屈折面20bで屈折し、さらに反射鏡面21で反射されて受光部18に入射する。なお、反射鏡面21は反射光を受光部18に集光する放物面として形成される。
また、第2レンズから直接入射ゾーンCの範囲に出射される光は装着部の透過面22を透過して受光部18に入射する。

【0030】
第1楕円反射ゾーンAに出射した光は第1楕円体鏡16aの反射面で反射され、第二焦点f2へ向かうから、第1の屈折面20aの曲面を光学設計することにより、このゾーンに出射した光を受光部18へ集束させることができる。
第2楕円反射ゾーンBに出射した光は、第2楕円体鏡16bの反射面で反射して第二焦点f2’へ向かうから、第2の屈折面20bの曲面形状と反射鏡面21の形状を光学設計することにより、このゾーンに出射した光を受光部18に集束させることができる。
直接入射ゾーンCに出射した光は透過面22を通過して受光部18に入射する。透過面22に入射した光を受光部18に集束させるレンズ作用を透過面22に付与することも可能である。

【0031】
図4に示す集光ユニットの構成によれば、図1、2に示した楕円体鏡を利用する集光ユニットの基本構造において、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bを組合せた楕円体鏡に置き換えたことにより、楕円体鏡と受光部の配置によっては、第2レンズから出射される光のうち、第1レンズと楕円体鏡の中心を結ぶ中心線の近傍に出射する光が受光部で受光できないという課題を解消し、全天からの太陽光を効率的に受光することが可能になるという利点がある。

【0032】
太陽光受光装置としては、上述した集光ユニットを、第1レンズを上に向けて複数個(多数個)並置して構成する。複数個の集光ユニットで太陽光受光装置を構成することで所要の明るさの光量を得ることができる。前述したように、太陽の日動や季節変化によって太陽光の入射角や仰角が変化することに対応するため、集光ユニットを設置する際には、第2レンズの配置が相互に異なる配置となるように集光ユニットを設置することで、太陽の動き等に拘わらず比較的均等な光量を得ることが可能になる。

【0033】
(集光ユニット:構成例2)
図4に示した集光ユニットは第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bを中実な透明体として構成した例である。図5は第1楕円体鏡16cと第2楕円体鏡16dを中空体として構成した例である。すなわち、図5においては、第1楕円体鏡16cと第2楕円体鏡16dは内面が楕円体面の反射面となるシェル構造(中空体)として構成されている。第1楕円体鏡16cと第2楕円体鏡16dの第一焦点f1が第1レンズ12の中心と一致し、第1楕円体鏡16cの第二焦点f2は第2楕円体鏡16dの第二焦点f2’よりも第1レンズ12側に偏位して位置する。

【0034】
図4に示した集光ユニットでは、第1楕円体鏡16aと第2楕円体鏡16bに受光部18を装着する空間部分(内面が屈折面、反射面、透過面)を備える装着部を設けたが、本実施形態では、受光部18を支持する機能と、第1楕円体鏡16cと第2楕円体鏡16dによって反射された反射光を受光部18に導く機能を備える導光体26を中実な透明体として構成し、第1楕円体鏡16cの後方に導光体26を配置する。

【0035】
導光体26には上記例と同様に、第1の屈折面20c、第2の屈折面20d、反射鏡面21a、透過面22aを設ける。これらの各面の光学的な作用は上記例と同等である。
本実施形態の集光ユニットにおいても、上記例と同様に、第2レンズ14から出射される光の出射範囲は、第1楕円反射ゾーンA、第2楕円反射ゾーンB、直接入射ゾーンCに区分される。
導光体26に設ける第1の屈折面20cは第1楕円体鏡16aの反射面で反射された光を屈折して受光部18に集束させる。
第2の屈折面20dは第2楕円体鏡16dの反射面により反射された光を屈折させ、反射鏡面21aで反射させて受光部18に集束させる作用を備える。
導光体26に設ける透過面22aは直接入射ゾーンCの範囲内に出射した光を受光部18に集束させる作用を備える。

【0036】
これらの第1の屈折面20c、第2の屈折面20d、反射鏡面21a、透過面22aは導光体26を構成する透明体の屈折率等に基づいて光学設計すればよい。
本構成例では、導光体26を中実な透明体として構成しているから、受光部18は導光体26の後部に受光部18を装着する装着穴を設け、装着穴に受光部18を挿入して取り付けることができる。

【0037】
図6は、太陽の日動や季節変動によって第1レンズ12へ入射する太陽光の入射角が変動したときに、第2レンズ14からの出射光がどのように変化するかを示した例である。図6では第2レンズ14を第1レンズ12の外面に多数個の凹面を形成して凹レンズ状に第2レンズ14を形成した例である。
図6に示すように、第1レンズ12に正対した方向(第2レンズ14が配置されている中心に向かう方向)から太陽光(直接光)が第1レンズ12に入射した場合は、第1レンズ12の中心線(第1レンズ12の中心と第2レンズ14の配置中心とを結ぶ線)の方向に第2レンズ14aから光が出射する。この出射光は前述した直接入射ゾーンCの光に相当し、透過面を透過して受光部18で受光される。

【0038】
太陽光の第1レンズ12への入射方向が、第1レンズ12に正対する方向からやや傾くと、第2レンズ14からの出射光は第2楕円体鏡へ向かう方向となる。このときの出射光は前述した第2楕円反射ゾーンの光に相当する。したがって、この場合は、第2レンズ14からの出射光は第2楕円体の反射面で反射されて、屈折面、反射鏡面を経由して受光部18に受光される。
太陽光の第1レンズ12への入射方向がさらに傾くと、第2レンズ14からの出射光は第1楕円体鏡へ向かう方向となる。このときの出射光は第1楕円反射ゾーンAの範囲の光に相当する。第1楕円反射ゾーンAに出射した光は屈折面を経由して受光部18に受光される。
図6は、第1レンズ12に入射する太陽光の入射角が大きく変動し、第2レンズ14からの出射光の方向が変化しても、太陽光を確実に受光部18で受光することができることを示す。

【0039】
図7は、第1レンズ12の中心方向から、第1レンズ12に設けた第2レンズ14を見た状態を示す。第1レンズ12にはさまざまな方向から太陽光(直達光、散乱光)が入射するから、図7に示すように第2レンズ14は中心のまわりに多数個配置する。第2レンズ14の大きさ(径)や配置数、配置範囲は適宜設定すればよい。図6、7に示した例は、第1レンズ12の中心に配置する第2レンズ14aを他の第2レンズ14よりも大径として、第1レンズ12に正対する方向から太陽光が入射した際に、直接光を効率的に受光できるようにしたものである。

【0040】
(集光ユニット:構成例2)
図8は本発明に係る太陽光受光装置において使用する集光ユニットの他の構成例を示す。本実施形態の集光ユニットにおいて特徴とする構成は、第1レンズ12と第2レンズ(不図示)の構成は上述した構成例1と同様で、集光ユニットを構成する楕円体鏡を、第2のレンズからの出射光を反射する第1楕円体鏡16eと、第1楕円体鏡16eの反射面で反射された光を受光部18に導く第3楕円体鏡16fを設けた点にある。なお、本構成例の第1楕円体鏡16eは中空体として構成したものである。

【0041】
第1楕円体鏡16eの後部には受光部18を支持する支持部30が設けられている。受光部18は支持部30に設けた装着孔30aに挿入して装着される。
第3楕円体鏡16fは支持部30に装着された受光部18の前端から、支持部30の前端を延出した部位に設けられ、延出部分の内面が楕円体面の反射面となるように形成されている。
第3楕円体鏡16fの第一焦点f3は第1楕円体鏡16eの第二焦点f2と一致するように設けられ、第3楕円体鏡16fの第二焦点f3’は受光部18の受光位置に一致するように設けられている。

【0042】
図8に示すように、第2レンズ(不図示)からの出射光は第1楕円体鏡16eの第一焦点f1から出射するから、第1楕円体鏡16eの反射面で反射された光は第1楕円体鏡16eの第二焦点f2、すなわち第3楕円体鏡16fの第一焦点f3に集光する。第3楕円体鏡16fの第一焦点f3に入射した光は第3楕円体鏡16fの楕円体面の反射面で反射され、第3楕円体鏡16fの第二焦点f3’に集光(入射)し、受光部18で受光されるか、もしくは直接受光部18に受光される。

【0043】
楕円体の下半部に第3楕円体鏡と受光部を配置し、楕円体の上半部を一つの反射鏡で構成する構造は、構造がシンプルになりシステムの低価格化につながる利点がある。また単純な構成となることから加工精度の確保が容易になり、反射光の第2焦点への集光精度の改善が期待される。
なお、楕円体の下半部が利用できなくなることから全体としての集光効率が低下することが懸念されるが、太陽高度が最も高くなる夏至の南中時を光軸中心に設定すれば、あるいは垂直な壁面に設置すれば、直達光は概ね反射鏡の存在する半球で受光可能になり、直達光の実質的な集光ロスはなくなり、受光ロスは散乱光の半球分のみとなる。

【0044】
図9は、図8に示した集光ユニットにおいては、受光部18の軸線と第3楕円体鏡16fの中心線とが一致するように配置したのに対し、受光部18の軸線を第3楕円体鏡16fの中心線に対して傾ける配置とした例である。
このように、受光部18の向きを傾けることにより、第3楕円体鏡16fを反射し受光部18へ入射する光の入射角を小さくできるという利点がある。


【0045】
図10は、図8に示した集光ユニットにおいて、光が入射する受光部18の前端部に変換レンズ32を配置する例である。変換レンズ32は第3楕円体鏡16fの第二焦点f3’に入射する光を第二焦点位置から分散させ、受光部18に入射する光の入射角を小さくし、受光部18での受光面積を広くする作用を備える。また、変換レンズ32は、第2レンズから第3楕円体鏡16fの中心線近傍に出射された光を受光部18に導く作用を備える。

【0046】
(集光ユニット:散乱光学素子を利用する例)
図11~15は、光を散乱(ミー散乱)する微小な散乱粒子を透明体中に分散させた散乱光学素子と楕円体鏡とを組み合わせた構成を備える集光ユニットを構成する例を示す。
図11は第1レンズ12の、楕円体鏡16gに対向する外面に散乱光学素子40を配置した例である。散乱光学素子40は、第1レンズ12の外面と楕円体鏡16gの開口面との間に、楕円体鏡16gの開口部を覆うように、第1レンズ12の外面にならって配置する。このように第1レンズ12の外面に散乱光学素子40を配置すると、第1レンズ12から出射して散乱光学素子40に入射した光が散乱光学素子40中の散乱粒子によって散乱され、楕円体鏡16gに向けて出射する。

【0047】
一般的にミー散乱は、散乱粒子の径に依存し粒径が光の波長より大きくなると前方散乱が大きくなる散乱角度特性を持つ。(図16)。
図11において、第1レンズ12を通過して散乱光学素子40に入射した光は、散乱光学素子40内に分布する散乱粒子により散乱(ミー散乱)される。光が散乱光学素子40
を出射する時に、この散乱光の角度分布の中で、出射角度が第1レンズ12の中心(楕円体鏡16gの第一焦点)との延長線上にある光、すなわち疑似的に第一焦点から出射したように振舞う光が楕円体鏡16gの第二焦点に向かい、受光部に到達する。

【0048】
図11に示すように第1レンズ12を通過した光は入射角θ1で散乱光学素子40に入射し、屈折角θ2を持って散乱光学素子40で屈折する。第1レンズ12の屈折率をn1、散乱光学素子40の屈折率をn2とすると、n1SINθ1=n2SINθ2であるので、疑似的に第一焦点から出射したように振舞う散乱光を大きくとるためにθ2はできるだけ小さくすることが望ましい。このためn1<n2で、かつn1とn2の屈折率差は散乱粒子のサイズを考慮して適切に散乱するように調整するのが良い。このような構成を取ることによって、楕円体鏡16gの第二焦点に向かい、受光部に到達する光量を大きくすることができる。

【0049】
図12は、図11の例で第1レンズ12を中空体として形成し、第1レンズ12の外面と楕円体鏡16gとの間に散乱光学素子40を介在させて配置した例である。
図12において、第1レンズの入射側のレンズ12aに入射した光は、入射側のレンズで屈折し、中空部に達する。中空部を通過した光は出射側のレンズ12bに入射し、中空部の屈折率(通常n=1)と出射側のレンズ12bの屈折率に応じて屈折し、入射角θ1を持って散乱光学素子40に入射する。散乱光学素子40に入射した光は散乱光学素子40の屈折率と出射側のレンズ12bの屈折率に従って屈折角θ2で屈折し、散乱光学素子40内に存在する散乱粒子によりミー散乱し、散乱光学素子40を出射する。この時、散乱光の角度分布の中で、出射角度が第1レンズ12の中心(楕円鏡16gの第一焦点)の延長線上にある光(つまり疑似的に第一焦点から出射したように振舞う光)が楕円体鏡16gの第二焦点に向かい、受光部に到達する。
本実施例の集光ユニットによれば、入射側のレンズ12aの屈折率、出射側のレンズ12bの屈折率、中空部分の形状を最適化し、散乱光学素子40での屈折角θ2をできるだけ小さくすることにより、受光部での受光効率を上げることができる。

【0050】
図13は、図12に示す構成例において、半球殻形状に形成した第1レンズの出射側のレンズ12bを省略し、出射側のレンズ12bに対向して配置されている半球殻形状の入射側のレンズ12aのみを配した例である。この場合は、入射側のレンズ12aから散乱光学素子40に入射する光の入射角を、散乱光学素子40での屈折角θ2ができるだけ小さくなるように設計することにより、受光部での受光効率を向上させることができる。なお、入射側のレンズとして、半球殻形状のレンズを光軸を共通にして複数枚間隔をあけて配置するといった構成とすることもできる。
図11~13は楕円体鏡16gを中空体として形成したものであるが、楕円体鏡16gを中実体として形成することもできる。

【0051】
図14、15に示す集光ユニットは、第1レンズを省略し、散乱粒子を内在させた散乱光学素子を使用して構成した例である。
図14は、内面が半球面状となる半球殻状の散乱光学素子40を使用し、散乱光学素子
40の内面(半球面)の中心と、楕円体鏡16gの第一焦点とが一致(共通)するように設けたものである。散乱光学素子40をこのように設計すると、散乱光学素子40の内面に入射角θ1で入射した光は、散乱光学素子40の屈折率に従ってθ2の屈折角を持って屈折する。この屈折光は散乱光学素子40の散乱粒子によりミー散乱して、散乱光学素子40から出射する。散乱光学素子40から出射する散乱光の角度分布の中で、出射角度が楕円体鏡16gの第一焦点の延長線上にある光(つまり疑似的に第一焦点から出射したように振舞う光)が楕円体鏡16gの第二焦点に向かい、受光部に到達する。この場合も、散乱光学素子40の屈折角θ2ができるだけ小さくなるように、大きな屈折率を持つ散乱光学素子40を選択することが受光効率を向上させる上で有効である。

【0052】
図14に示す集光ユニットは楕円体鏡16gを中空体として構成した例である。図15は楕円体鏡16hを透明体からなる中実体として構成した例である。この場合も中実体16hと一体的に連結する散乱光学素子40の形態や構成は図14の例と同様であり、散乱光学素子40により太陽光を受光する作用も同様である。
【符号の説明】
【0053】
10 集光ユニット
12 第1レンズ
12a 入射側のレンズ
12b 出射側のレンズ
14、14a 第2レンズ
16a、16c、16e 第1楕円体鏡
16b、16d 第2楕円体鏡
16f 第3楕円体鏡
16g、16h 楕円体鏡
17 境界面
18 受光部
20a、20c 第1の屈折面
20b、20d 第2の屈折面
21、21a 反射鏡面
22、22a 透過面
23 挿入孔面
26 導光体
30 支持部
30a 装着孔
32 変換レンズ
40 散乱光学素子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15