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明細書 :ミトコンドリア病治療薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-112338 (P2019-112338A)
公開日 令和元年7月11日(2019.7.11)
発明の名称または考案の名称 ミトコンドリア病治療薬
国際特許分類 A61K  31/192       (2006.01)
A61K  31/575       (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
FI A61K 31/192
A61K 31/575
A61P 43/00 105
A61K 45/00
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2017-246492 (P2017-246492)
出願日 平成29年12月22日(2017.12.22)
公序良俗違反の表示 1.テフロン
発明者または考案者 【氏名】富澤 一仁
【氏名】魏 范研
出願人 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100102015、【弁理士】、【氏名又は名称】大澤 健一
審査請求 未請求
テーマコード 4C084
4C086
4C206
Fターム 4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB21
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA11
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA09
4C086NA14
4C086ZB21
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA23
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA21
4C206NA14
4C206ZB21
要約 【課題】 本発明の課題は、新たな作用機序のミトコンドリア病の治療薬を提供することである。
【解決手段】本発明により、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療および/または予防のための医薬組成物が提供される。本発明の医薬組成物は、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリンの修飾の異常に起因するミトコンドリア病またはMot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病に特に有用である。
【選択図】図27
特許請求の範囲 【請求項1】
タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療および/または予防のための医薬組成物。
【請求項2】
タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)またはそれの薬学的に許容される塩を有効成分として含有する請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記遺伝性ミトコンドリア病が、ミトコンドリアtRNA(mt-tRNA)のタウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病である請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記mt-tRNAのタウリン修飾の異常が、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリンの修飾の異常である請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ミトコンドリア病が、Mot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病である請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
タウリン修飾の異常に起因したミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
Mot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
他のミトコンドリア病治療薬と併用して投与されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ミトコンドリア病の治療薬に関し、特には、遺伝子性変異に起因するミトコンドリア病に対する治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
ミトコンドリアは、真核生物細胞の細胞小器官の1つで、電子伝達系によるATPの生産を行っており、生体内で消費するエネルギーのほとんどは、ミトコンドリアから供給されている。ミトコンドリアは、それ以外に多様な機能に関与することが報告されており、例えば、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を果たしている。さらに最近、ミトコンドリアの異常と多数の疾患との関連が注目されるようになっている。
【0003】
ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの機能低下や障害に起因する疾患の総称である。ミトコンドリア病は、脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS)、赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群(MERRF)等のミトコンドリア脳筋症のように、ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の遺伝的変異による先天性の疾患と考えられてきた。しかし最近では、環境因子や薬剤によるミトコンドリア機能障害や、神経変性疾患によるミトコンドリア異常等の後天的なミトコンドリア病も報告されている。
【0004】
哺乳動物のミトコンドリアDNA(mtDNA)は、22個のミトコンドリアトランスファーRNA(mt-tRNA)をエンコードしており、これらのmt-tRNAは、13種類のミトコンドリアタンパク質を翻訳している。これらのmtDNA由来のタンパク質は、素早く呼吸系複合体に取り込まれ、電子伝達に関与している。mtDNAは、好気性呼吸において必須の役割を果たしており、mtDNAにおける変異は、ミトコンドリア病を含む種々の代謝疾患と関連している。mt-tRNAをエンコードするmtDNAにおけるいくつかの点変異をもつ患者は、重篤なミトコンドリアの機能障害を呈し、これは多臓器不全を引き起こす。しかしながら、点変異がなぜこのような重篤な症状を引き起こすかは完全には明らかになっていない。
【0005】
細胞質tRNAと同様に、mt-tRNAは、種々の化学的修飾を含んでいる。ウシのmt-tRNAでは、22のmt-tRNAにおいて118箇所における15種類の修飾が同定されている。全ての修飾は、核DNAによってエンコードされるmt-tRNA修飾酵素によって仲介されている。例えば、mt-tRNA修飾酵素であるMtu1、Pus1、およびTrit1は、それぞれ、mt-tRNAの、2位におけるチオール修飾、プソイドウリジン修飾、イソペンテニル修飾を仲介している。これらの酵素を欠失したトランスジェニックマウスは、ミトコンドリア翻訳の顕著な減少を示し、ミトコンドリアの機能障害を引き起こす。さらに、これらの遺伝子の変異が、ミトコンドリア機能障害を持つ患者で同定されている。
【0006】
哺乳動物のミトコンドリアのtRNA(mt-tRNAs)には、タウリンに由来するユニークな修飾を持つものがある。タウリン修飾はこれらmt-tRNAのアンチコドンの34番のウラシル(U)に存在する。アンチコドンの最初のヌクレオチドである34番目のウオッブルウラシルに位置するタウリン修飾は、5-タウリノメチルウリジン(τm5U)を含むmt-tRNALeu(UUR)およびmt-tRNATrp、5-タウリノメチル-2-チオウリジン(τm52U)を含むmt-tRNALys、mt-tRNAGluおよびmt-tRNAGlnが知られている。タウリン修飾は、コドン-アンチコド相互作用の安定化を通じて、ミトコンドリアの翻訳に関わっている。
【0007】
これらのmt-tRNAにおけるタウリン修飾の変異は、MELASやMERFFなどのミトコンドリア病と関連している。MELAS患者の約80%で、mt-tRNALeu(URR)においてA3234G変異を有しており、ほとんどのMERRF患者で、mt-tRNALysにおいてA8344G変異を有していることが報告されている。このようにタウリン修飾の異常は、ミトコンドリア病の発症と関連していると報告されているが、その分子メカニズムは不明のままである。
【0008】
また、ミトコンドリア病の患者で、mitochondrial optimization 1 (Mto1)およびGTP binding protein 3(GTPBP3)の遺伝的変異が同定されており、これらの遺伝子がタウリン修飾に関わっていることが示唆されている。
【0009】
そこで、いくつかのグループにより、Mto1のイントロン領域に遺伝子トラップコンストラクトを挿入し、Mto1欠損マウスを作製したことが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。そこでは、ミトコンドリア翻訳は正常であり、高齢のMto1欠損マウスにおいて、僅かな呼吸機能の欠陥が観察された、と報告されている。さらに、それらのMto1欠損マウスでは、Mto1タンパク質が観察され、また、mt-tRNAの修飾も特に変化がなかった、と報告されている。
【0010】
ミトコンドリア病の治療剤の開発は進められており、現在、α-トコトリエノールキノン、タウリン、ピルビン酸ナトリウム、L-アルギニン、5-ALA/Feなどの化合物が、ミトコンドリア病の治療薬として臨床試験が行われている。しかしながら、現在日本国内で承認されたミトコンドリア病治療の医薬品はなく、早急な医薬品の開発が望まれている。
【0011】
タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)は、ある種のタンパク質の熱凝集を阻害する化学シャペロンとして報告され(非特許文献3)、また、マウスにおいて、凝集物の蓄積を減少し、小胞体ストレス(UPR)を抑制すると報告されている(非特許文献3、および非特許文献4)。また、TGF-βシグナル阻害剤を含む角膜内皮の小胞体関連ストレスに関連する疾患の処置または予防剤において、それにさらに添加されるERストレス治療剤としてTUDCの使用が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0012】

【特許文献1】WO2015/064768
【0013】

【非特許文献1】Tischnerら (2015) Hum Mol Genet. 24, 2247-2266.
【非特許文献2】Beckerら(2014) PLoS One.9,e114918.
【非特許文献3】Cortezら(2014) Prion. 8, 197-202.
【非特許文献4】Sigurdssonら、Cell Stem Cell.18, 522-532.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、新たなミトコンドリア病の治療薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けた結果、ミトコンドリアのtRNAのタウリン修飾がMto1によって仲介されていることをつきとめ、Mto1の遺伝子異常が遺伝的原因によるミトコンドリア病の原因の一つであることをつきとめた。そして、Mto1の遺伝子異常のよって生じるタウリン修飾の異常が、ミトコンドリアにおける翻訳と呼吸の障害を引き起こし、更には、Opa1を含む核DNAによってエンコードされるミトコンドリアタンパク質の異常な局在化を引き起こすためにミトコンドリアの形態異常を引き起こすことをつきとめた。さらには、そのような異常な局在化を示したミトコンドリアタンパク質が細胞質内でミスフォールディングを引き起こして凝集し、細胞障害性の小胞体ストレス(UPR)を誘導することもつきとめた。
そこで本発明者らは、引き起こされたミトコンドリアタンパク質の異常な局在化を緩和または修復することによりミトコンドリア病の治療が行えると考え、異常な局在化を緩和または修復する物質を鋭意探索した。その結果、本発明者らは、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)などの化学シャペロンが、遺伝子異常に起因して生じたミトコンドリア異常を修復できること見いだし本発明を完成した。
【0016】
本発明は以下の態様を含むものである。
[1]タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療および/または予防のための医薬組成物。
[2]タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)またはそれの薬学的に許容される塩を有効成分として含有する上記[1]に記載の医薬組成物。
[3]前記遺伝性ミトコンドリア病が、ミトコンドリアtRNA(mt-tRNA)のタウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病である上記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[4]前記mt-tRNAのタウリン修飾の異常が、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリン修飾の異常である上記[3]に記載の医薬組成物。
[5]前記ミトコンドリア病が、Mto1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病である上記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[6]タウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[7]Mto1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[8]他のミトコンドリア病治療薬と併用して投与されることを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
【0017】
[9]以下の工程からなるミトコンドリア病に罹患した患者を治療する方法、
(a)ミトコンドリア病に罹患した患者が、mt-tRNAのタウリン修飾の異常を有することを検出する工程、および
(b)工程(a)により、前記タウリン修飾の異常を有すると判定された患者に、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を、治療有効量の投与する工程。
[10]前記mt-tRNAのタウリン修飾の異常が、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリン修飾の異常である上記[9]に記載の方法。
[11]前記工程(a)における検出が、患者から単離・精製したmt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、またはmt-tRNAGlnを質量分析法により検出することを含む上記[10]に記載の方法。
[12]前記工程(a)における検出が、患者から単離・精製したRNAを用いて、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、またはmt-tRNAGlnの34番目のウラシルのタウリン修飾を検出する方法であって、
以下の2つの工程:
A1.第1プライマーを用いて、該RNAから逆転写によりcDNAを生成する工程、ここで、該第1プライマーは、該RNA上のタウリン修飾を有する部位を含む領域と相補的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドである、
A2.第2プライマーを用いて、該RNAから逆転写によりcDNAを生成する工程、ここで、該第2プライマーは、該RNA上のタウリン修飾を有する部位より5’側の領域と相補的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドである、
をそれぞれ行い、それぞれの工程から生成されたcDNA量の差を測定することにより該タウリン修飾を検出する方法、を含む工程である、上記[10]に記載の方法。
[13]以下の工程からなるミトコンドリア病に罹患した患者を治療する方法、
(a)ミトコンドリア病に罹患した患者が、Mto1遺伝子の変異を有することを検出する工程、および
(b)工程(a)により、前記変異を有すると判定された患者に、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を、治療有効量の投与する工程。
[14]前記工程(a)における検出が、患者から単離したRNAを用いてRT-PCR法によりMto1変異を検出することを含む上記[10]に記載の方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、新たなミトコンドリア病の治療薬が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】Mto1ノックアウトマウス作成の概要を示す。
【図2】野生型およびMto1ノックアウトマウスの交配後の胚(E8~E9)の 形態を観察した結果である。Aは、PECAM-1抗体およびエオシンで染色した結果である。矢印は、心臓の心室である。バーは、0.5mm(上図)および0.2mm(下図)を示す。Bは、E8.0およびE9.0における形態を示している。バーは、0.5mm。
【図3】野生型およびMto1ノックアウトES細胞から抽出した全RNAにおけるタウリン修飾の有無の結果を示している。ウラシル(U)、5-タウリノメチルウリジン(τm5U)および5-タウリノメチル-2-チオウリジン(τm52U)のマスクロマトグラムの結果を示している。
【図4】野生型およびMto1ノックアウトES細胞から抽出した全RNAから精製したmt-tRNATrpのフラグメントにおけるタウリン修飾の有無を確認したマスクロマトグラムの結果である。矢印は、τm5Uの有無が異なる対応するフラグメントのピークを示している。
【図5】マウスのmt-tRNATrpの2次構造および34番目のウラシルにおけるタウリン修飾を示した図である。
【図6】野生型およびMto1ノックアウトES細胞におけるミトコンドリアの代謝標識の結果を示した図である。
【図7】Mto1ノックアウトのES細胞および胚(E9.0)のミトコンドリアを電子顕微鏡で観察した結果である。矢印は、広がったクリステを示す。バーは、1μm。
【図8】野生型およびMto1ノックアウトES細胞(E9.0)におけるOpa1の発現をblue-native PAGEを用いて確認した結果を示す。
【図9】野生型およびMto1ノックアウトES細胞における、ミトコンドリアの外膜および内膜に局在するタンパク質のレベルを確認した結果である。外膜タンパク質としてTomm20、Tomm40、Drp1、およびMfn2を、内膜タンパク質としてMitofilin、Opa1、Timm44、Timm50のタンパク質レベルを確認した結果である。
【図10】細胞内におけるタンパク質の凝集を確認した結果である。バーは10μmを示す。
【図11】野生型およびMto1ノックアウトES細胞における編集型および非編集型Xbp1、およびChopの発現レベルを確認した結果である。それぞれn=3。***は、WTに対して、P<0.0001を示す。【図13】新生のFloxマウスおよび心臓特異的コンディショナルMto1ノックアウトマウス(HcKO)の心臓の、ミトコンドリアおよび小胞体構造を透過電子顕微鏡で確認した結果である。バーは1μmを示す。矢印はER構造を示す。矢先は、凝集様構造を示す。
【図14】新生マウスの心臓からのミトコンドリアにおけるOpa1およびTimm44の発現をウエスタンブロットにより確認した結果である。
【図15】新生のFloxマウスおよび心臓特異的コンディショナルMto1ノックアウトマウス(HcKO)の心臓における挿入および非挿入Xbp1、およびChopの発現レベルを確認した結果である。Flox:n=3、HcKO:n=6。Floxに対し、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。【図17】Floxマウスおよび肝臓特異的コンディショナルMto1ノックアウトマウス(LcKO)の肝臓のミトコンドリアを透過電子顕微鏡で確認した結果である。バーは1μmを示す。矢印はクリスタの凝集様構造を示す。
【図18】TUDCで処理した野生型およびMto1ノックアウトES細胞におけるタンパク質ミスフォールディングによる凝集を検出した結果である。バーは10μmを示す。
【図19】細胞の可溶性および不溶性分画中のOpa1をウエスタンブロットにより解析した結果である。
【図20】TUDCで処理した細胞のミトコンドリアを透過電子顕微鏡で確認した結果である。バーは1μmを示す。
【図21】TUDC処理した細胞の全細胞溶解物中のChop遺伝子発現を解析した結果である。*P<0.05。【図23】ERからのカルシウムの漏出を測定した結果である。カルシウムの漏出は、Fluo-4を用い、Fluo-4を含むタイロード液中で30分処理した後、培地をカルシウム不含のタイロード液に換え、タルプシガルギンで刺激してERからのカルシウム放出を共焦点顕微鏡にて確認した。
【図24】TUDC処理における細胞増殖の影響を確認した結果である。***P<0.001。【図27】TUDCを投与したFloxおよびLcKOマウスのミトコンドリアを透過電子顕微鏡で確認した結果である。バーは1μmを示す。
【図28】異常なクリステ凝集をもつミトコンドリアの割合を、透過電子顕微鏡を用いて測定した結果である。***P<0.001。【図30】TUDC投与したFloxおよびLcKOマウスの肝臓中の複合体IVの相対活性を示した図である。***P<0.001。【0020】
以下、本発明を、例示的な実施態様を例として、本発明の実施において使用することができる好ましい方法および材料とともに説明する。
なお、文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。また、本明細書に記載されたものと同等または同様の任意の材料および方法は、本発明の実施において同様に使用することができる。
また、本明細書に記載された発明に関連して本明細書中で引用されるすべての刊行物および特許は、例えば、本発明で使用できる方法や材料その他を示すものとして、本明細書の一部を構成するものである。

【0021】
本明細書中で、「X~Y」という表現を用いた場合は、下限としてXを、上限としてYを含む意味で用いる。本明細書において「約」とは、±10%を許容する意味で用いる。

【0022】
本発明の医薬組成物が対象とするミトコンドリア病は、遺伝性のミトコンドリア病である。本明細書において遺伝性ミトコンドリア病とは、ミトコンドリア病の原因が核DNAあるいはミトコンドリアDNA上の遺伝子の変異の結果として生じるミトコンドリア病を意味し、これに限定されないが、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);ミトコンドリアミオパシー・脳症・ラクトアシドーシス・脳卒中(MELAS);レーバー遺伝性視神経障害(LHON);優性視神経萎縮(DOA);リー症侯群;カーンズ・セイヤー症候群(KSS);フリードライヒ運動失調(FRDA);慢性進行性外眼筋麻痺症(CPEO) などをあげあることができる。本発明の医薬組成物が対象とするミトコンドリア病は、特に好ましくは、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリンの修飾の異常に起因するミトコンドリア病、または、Mto1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病である。

【0023】
本発明の医薬組成物に用いる、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)は、購入することができ、また、低分子の化合物合成の技術分野において用いられている公知の方法を参照して合成することができる。また、それらの塩も、当該技術分野における公知の方法を参照して合成または調製することができる。

【0024】
本発明よって提供される医薬組成物は、治療有効量の、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物(以下、単に「本発明に用いる化合物」という場合がある)を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療または予防のための医薬組成物である。
「薬学的に許容されるその塩」とは、上記化合物から形成される非毒性の塩を示す。適切な塩としては、例えば、これに限定しないが、アンモニウム塩などの無機塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、メチルアミン、エチルアミン、シクロヘキシルアミンなどの低級アルキルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの置換低級アルキルアミンなどの有機塩基との塩、などをあげることができる。

【0025】
本発明はまた、本発明に用いる化合物から形成される溶媒和物及び水和物を含む医薬組成物を包含する。「溶媒和物」という用語は、1種以上の溶媒分子と上記の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)の分子複合体を指す。例えば、これに限定されないが、水、エタノールなどである。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。本発明で用いる化合物は、その塩、水和物および溶媒和物を含む。例えば、タウロウルソデオキシコール酸については、その二水和物をあげることができる

【0026】
本発明の医薬組成物は、本発明に用いる化合物に加え、1以上の薬学的に許容される担体、及び、適宜、他のミトコンドリア病の治療薬を含むことができる。

【0027】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、当業者に知られているように、任意およびすべての、溶媒、分散媒体、コーティング剤、酸化防止剤、キレート剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、界面活性剤、緩衝剤、浸透圧調節剤、吸収遅延剤、塩、薬物安定剤、賦形剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、甘味剤、芳香剤、潤沢剤、染料など、及びそれらの組合せを含む。何れかの担体が本発明の活性成分と不適合である場合以外は、本発明の治療または医薬組成物において使用することができる。

【0028】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、治療を必要とするほ乳類に投与される場合、治療効果を生じさせるのに十分な量の上記化合物をいう。治療有効量は対象および治療する疾患症状、対象の体重および年齢、疾患症状の重症度、投与方法などに依存して異なり、当該技術分野における当業者により容易に決定されることができる。

【0029】
本明細書で使用される「対象」という用語は、動物を指す。典型的には、動物は、哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども指す。ある種の実施形態において、対象は霊長類、好ましくはヒトである。

【0030】
本発明に用いる化合物を含む医薬組成物は、医薬組成物の処方のための既知の方法に準じて処方することができる。代表的な医薬組成物には、上記した薬学的に許容される担体が含まれうる。これらの担体の使用は、当該技術分野においてよく知られている。また、活性成分を含む医薬組成物を調製するための方法は、当該技術分野においてよく知られている。

【0031】
本発明の医薬組成物は、使用目的に応じた特定の投与経路に適合するように製剤化されうる。投与経路は、これに限定されないが、例えば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、経皮、吸入、局所、経粘膜的、又は直腸内投与がある。本発明の医薬組成物は、固体形態又は液体形態で製剤化されうる。固体形態は、これに限定されないが、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、又は坐剤を含む。液体形態は、これに限定されないが、例えば、溶液剤、懸濁剤、又は乳濁剤を含む。本発明の医薬組成物は、好ましくは経口により投与される。

【0032】
本発明に用いる化合物の投与量は、疾患の種類、投与対象の症状、年齢、投与方法等により適宜選択される。例えば、これに限定されないが、経口剤であれば、通常、1日当たり1mg~10g、好ましくは10~5000mg、より好ましくは100~2000mgを、1回又は数回に分けて投与すればよい。

【0033】
本発明に用いる化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、通常、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg~5000mg、好ましくは約0.1mg~2000mg、更に好ましくは約1mg~200mgを1~数回に分けて投与することができる。静注等の非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg~300mg、更に好ましくは約1mg~100mgを投与することができる。

【0034】
本発明はまた、治療有効量の本発明に用いる化合物を、患者に投与することを含む、遺伝性ミトコンドリア病の治療のための方法を含む。本発明の方法において治療対象とする患者は、遺伝性ミトコンドリア病と判定された患者であれば特に制限がないが、好ましくは、タウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病の患者である。
タウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病の患者としては、例えば、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、またはmt-tRNAGlnにおけるタウリン修飾に異常をもつ患者をあげることができ、より具体的には、34番目のウラシルにおけるタウリン修飾に異常をもつ患者である。これらのmt-tRNAのタウリン修飾に異常を有するか否かは、対象とする患者から単離および精製したmt-tRNAを質量分析法により分析することにより検出できる。より詳細には、質量分析法では、まず、組織や細胞からtRNAを精製したのち、ヌクレアーゼによりtRNAを数個のオリゴヌクレオチドまで消化する。その後、消化されたオリゴヌクレオチドを精製し、逆相液体クロマトグラフィおよび質量分析機にて分析することによりタウリン修飾を検出する。本発明の治療方法は、これらのmt-tRNAのタウリン修飾を検出する工程を含むこともできる。

【0035】
上記mt-tRNA(mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、またはmt-tRNAGln)の34番目のウラシルがタウリン修飾されているか否かの決定はまた、本発明者らによる特許出願の国際公開公報WO2014/136870に記載の方法を用いて行うことができ、それは本明細書の一部を構成するものである。具体的には、患者から単離したRNAを用いて、以下の2つの工程:
A1.第1プライマーを用いて、RNAから逆転写によりcDNAを生成する工程、ここで、第1プライマーは、RNA上のタウリン修飾を有する部位を含む領域と相補的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドである、
A2.第2プライマーを用いて、RNAから逆転写によりcDNAを生成する工程、ここで、第2プライマーは、RNA上のタウリン修飾を有する部位より5’側の領域と相補的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドである、
をそれぞれ行い、それぞれの工程から生成されたcDNA量の差を測定することによりタウリン修飾を検出することができる。
上記方法においては、これに限定されないが、cDNA量の差を核酸増幅反応、例えばRT-PCR法により測定することが好ましい。
また、患者からのRNAの由来は特に制限がないが、好ましくは、血液由来のRNAである。

【0036】
本発明の方法において治療対象とする好ましい患者である、タウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病の患者としては、また、Mto1遺伝子の変異を有する患者をあげることができる。Mto1遺伝子に変異を有するか否かは、患者から単離したRNAを用いて検出できる。より具体的には、これに限定されないが、患者から単離したRNAをRT-PCR法を用いて増幅し遺伝子配列を特定することにより、変異を検出することができる。このような変異に検出は、遺伝子配列の決定における公知の方法を制限なく用いて行うことができる。

【0037】
本発明はまた、他の既知のミトコンドリア病薬と組み合わせて患者に投与することを含む、ミトコンドリア病の治療のための方法(併用)及び2つ以上の医薬有効成分の組合せ(配合剤)を含む。他のミトコンドリア病の治療薬としては、これに限定されることはないが、例えば、タウリン、ピルビン酸ナトリウム、L-アルギニン、5-ALA/Fe、イデベノン、エダラボンをあげることができる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(動物)
全ての工程は、熊本大学の動物倫理委員会より承認を得た(承認ID:A27-037 R1)。Mto1ノックアウトマウスは、標準的な相同組み換えにより、Mto1遺伝子のエクソン1-2を、ネオマイシン抵抗遺伝子で置き換えることにより作成した。概要を図1に示す。LoxP配列で挟み込まれたMto1遺伝子のエクソン1-2をもったトランスジェニックマウスを、AlbCreマウス(B6.Cg-Tg(Alb-cre)21Mgn/J)またはMhcCreマウス(B6.FVB-Tg(Myh6-cre)2182Mds/J)を交配することにより、肝臓特異的Mto1ノックアウトマウスまたは心臓特異的Mto1ノックアウトマウスをそれぞれ得た。動物は、12時間毎の明暗サイクルにて25℃で飼育した。肝臓特異的Mto1ノックアウトマウスは、8~9週齢の雄マウスを犠牲にして全ての実験に用いた。心臓特異的Mto1ノックアウトマウスは、0.5~1日齢の新生マウスを犠牲にして全ての実験に用いた。E8.0およびE9.0の遺伝子型がMto1野生型およびノックアウトである胚は、Mto1ヘテロ型の雄および雌のマウスを2時間交配させることによって作成した。また、E8.0およびE9.0の胚を採取し、卵黄嚢から胚性DNAを抽出した。
【実施例】
【0039】
実施例1:Mto1ノックアウトマウスの作製
最初に、MTO1-EGFP(緑)で形質転換したHela細胞をMitotrackER(赤)で染色し、MTO1-EGFPがMitotrackERと同じ場所に位置すること、即ち、Mto1蛋白がミトコンドリアに存在することを確認した。
次いで、Mto1のミトコンドリアでの機能を確認するために、Mto1遺伝子のエクソン1-2を欠失させたMto1ノックアウトマウスを作成した。しかし、新生マウスは生まれてこなかった。そこで、交配後8および9日(E8.0およびE9.0)における胚の形態を確認した。胚を細断し、24ウェルプレートに移した。卵黄嚢を注意深く除去した後、胚を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、PECAM-1抗体(BD Bioscience)で染色した。さらに、胚をパラフィンに包埋した後、ヘマトシキン・エオシンで対比染色し、顕微鏡で観察した。結果を図2に示す。その結果、ノックアウト胚(KO胚)が致死であるここが判った。野生型では、9日(E9.0)で完全な形態変化および成熟した心臓系が観察されたのに対し、KO胚では、9日(E9.0)においても8日(E8.0)と同様の大きさおよび形態を示していた。このことは、Mto1欠失胚が、初期の発達段階で致死となっていることを示している。
【実施例】
【0040】
実施例2:Mto1ノックアウトES細胞の作製
実施例1で得られMto1KO胚から繊維芽細胞を作製するのは難しいため、Mto1ノックアウトEmbryonic stem cell line(KOES細胞株)を用いて以下の検討を行った。Mto1がヘテロ接合型の雄および雌のマウスを用いて、インビトロで人工授精を行い、Mto1の野生型およびKOのES細胞クローンを作製した。KOES細胞は、野生型(WT)に比べて非常に成長が遅かった。以下のようにしてタウリン修飾を確認した。WTおよびKOマウス細胞からTrizol(Invitrogen)を用いて全RNAを抽出した。20μgのRNAを、2.5Uのヌクレアーゼおよび0.2Uのアルカリホスファターゼで消化し、サンプルをWeiらの既報(Wei, FY.ら(2015)"Cdk5rap1-mediated 2-methylthio modification of mitochondrial tRNAs governs protein translation and contributes to myopathy in mice and humans. Cell Metab. 21, 428-442)を参照して質量分析にかけた。結果を図3に示す。5-タウリノメチルウリジン(τm5U)および5-タウリノメチル-2-チオウリジン(τm52U)の何れもKO細胞の全RNAからは検出されなかった。
【実施例】
【0041】
次いで、mt-tRNATrpにおける修飾を確認するために、mt-tRNATrpの配列に相同なオリゴDNAプローブを用いて、全RNAからmt-tRNATrpを精製し、質量分析により分析をおこなった。その結果、mt-tRNATrpの34番目のウラシルにおける修飾がKOES細胞では欠失していた。結果を図4に示す。また、mt-tRNATrpの34番目のウラシルにおけるタウリン修飾を図5に示す。
これらの結果は、Mto1の欠失がmt-tRNAにおけるタウリン修飾の欠失をもたらし、それが胚性致死であることを示し得いる。
【実施例】
【0042】
実施例3:野生型およびMto1KOにおけるミトコンドリア翻訳および代謝の検討
ミトコンドリアにおける翻訳に対するタウリン修飾の欠失の影響を、以下のようにして確認した。
(3-1)ミトコンドリアの単離
ES細胞を、4℃、680rpmにて5分間遠心して回収した。細胞を、HEPES緩衝液に懸濁し、テフロンホモジナイザーで溶解した。250mMスクロースを含有した同量のHEPES緩衝液を添加し、さらに、4℃、600xgにて15分間遠心した。上清を、4℃、15,000xgにて15分間遠心し、ミトコンドリアを沈殿させた。肝臓、心臓等のマウスの組織からのミトコンドリアの単離は、氷冷MOPS緩衝液中にて組織をミンチして小片にしたのち、プロテアーゼインヒビターカクテルを添加し、テフロンホモジナイザーでホモジナイズした。ホモジネートを、4℃、800xgにて15分間遠心し、上清をさらに、8,000xgにて15分間遠心した。ミトコンドリア沈殿物をMOPOS緩衝液に懸濁し、BCAタンパク質アッセイキットを用いて、タンパク質濃度を1mg/mLに調製した。
【実施例】
【0043】
(3-2)ミトコンドリアの翻訳測定
ミトコンドリアのタンパク質合成の標識は、Weiら(2015、Cell Metab. 21, 428-442)の報告を参考にして行った。要約すれば、細胞をメチオニン/システイン不含のDMEM培地で洗浄した後、細胞質翻訳の阻害剤であるエメチンを培地に添加し、次いで、放射性標識した35S-メチオニン/システインを細胞に添加し1時間培養した。メチオニンおよびシステインを過剰に含んだ冷却リン酸緩衝液を添加して代謝標識を停止した。次いで、上記にようにしてミトコンドリアを単離した。10μgのミトコンドリアタンパク質をSDS-PAGE(15-20%勾配ゲル)にかけた。ゲルを乾燥して、標識されたバンドを確認した。
【実施例】
【0044】
(3-3)呼吸系複合体アッセイ
上記のようにして抽出したミトコンドリアを用い、Trounceら((1996). Assessment of mitochondrial oxidative phosphorylation in patients muscle biopsies, lymphoblasts, and transmitochondrial cell line. Method. Enzymol. 264, 484-509.)の方法を参考に、複合体I,II,III,IV、およびクエン酸シンターゼの活性を測定した。
【実施例】
【0045】
(3-4)測定結果
ミトコンドリアにおける翻訳は、KO細胞で顕著に減少していた。また、Blue native PAGEを用いて、WTおよびKO細胞から単離したミトコンドリアを確認したところ、KO細胞では、呼吸系複合体が顕著に減少していた。そして、呼吸系複合体の活性も、WTに比べてKOでは顕著に減少していた(それぞれWTに比べてKOでは、CI:23%、CII:30%、CIII:40%、CIV:8%)。結果を図6に示す。
上記に加えて、KO細胞では、ミトコンドリア膜電位が著しく減少していた。解糖系およびアミノ酸代謝に関わる代謝は、KO細胞でアップレギュレートされていたが、クエン酸サイクルおよびピリミジンに関する代謝はKO細胞で減少していた。KO細胞ではまた、乳酸およびNADHが著しく増加しており、これはミトコンドリア障害の特徴でもある。KO細胞の全ATPレベルは、WTに比べて僅かしか減少しておらず、このことは、タウリン修飾の欠失がミトコンドリア翻訳を障害しているが、代謝は、ミトコンドリア依存のエネルギー供給の減少を補うために嫌気性の解糖系へシフトしていることを示している。
【実施例】
【0046】
次いで、ミトコンドリア障害は、細胞のアポトーシスと関連し、障害のある胚発生を引き起こしうると報告されているので、その点を検討した。しかしながら、KO細胞において、チトクロームCの放出は確認されず、また、カスパーゼ3/7の活性も著しくダウンレギュレートしていた。
これらのことより、アポトーシスも翻訳の変化も、Mto1KO胚の致死には直接関わっていないことが示唆された。
【実施例】
【0047】
実施例4:Mto1ノックアウトにおけるミトコンドリアの形態変化
電子顕微鏡を用いて、Mto1ノックアウトのES細胞および胚のミトコンドリアを観察した。結果を図7に示す。WTで観察される狭く伸びたクリスタに比べ、KO細胞では殆どのクリスタが顕著に広がっていた。KO胚では、異常なクリスタの形態が観察された。
【実施例】
【0048】
実施例5:Mto1ノックアウトにおけるミトコンドリアの膜タンパク質の検討
Optic atrophy 1(Opa1)は、クリスタの形態を制御する重要なタンパク質の一つであるので、Opa1の発現を検討した。WTおよびKO細胞のミトコンドリ分画を精製し、膜に結合したOpa1を、blue-native PAGEを用いて確認した。結果を図8に示す。KOのミトコンドリアでは、クリスタの形態変化とともに、OPa1およびオリゴマーも顕著に減少していた。しかし、KO細胞においては、オートファゴソーム膜によって囲まれたミトコンドリアは滅多に観察されなかった。
Opa1および複合体IIタンパク質を含むミトコンドリア内膜の殆どのタンパク質は、細胞質で翻訳され、内膜へと移動する。それ故、次に、KO細胞におけるミトコンドリアタンパク質のホメオスタシスを検討した。具体的には、外膜および内膜に局在するミトコンドリアタンパク質の発現レベルを確認した。外膜タンパク質であるTomm40、Drp1、Mfn2の蛋白レベルは、WTとKO細胞で変化がなかったが、Tomm20はKO細胞で僅かに減少していた。一方、内膜タンパク質であるMitofilin、OPa1、Timm44、Timm50はKO細胞で著しく減少していた。このことは、Mto1KO細胞において、ミトコンドリアの内膜タンパク質が選択的に減少していることを示している。結果を図9に示す。
【実施例】
【0049】
内膜タンパク質の減少は、タンパク質の分解の増加、または、タンパク質選別(protein trafficking)の減少の結果であると考えられる。そこで、タンパク質選別を確認するために、GFPを用いた分割レポーター(split GFP-based reportER)を作製した。2つの分割されたGFPポリペプチド(spGFP1-10およびspGFP11)が互いに接近するとそれらは、リフォールディングされて完全なGFPタンパク質となる。外膜標的シグナルをもつspGFP1-10(Mtout-spGFP1-10)およびmCherryをもつspGFP11を結合させた。mCherryは、細胞質に均質に広がるので、外膜に位置するspGFP1-10とは容易に相互作用する。外膜標的シグナルをもつspGFP1-10(Mtout-spGFP1-10)およびmCherryをもつspGFP11を、WTおよびKO細胞において共発現した場合は、予想通り、WTおよびKO細胞の何れにおいてもGFPの蛍光が明らかに検出できた。しかしながら、spGFP1-10を内膜標的シグナルに結合させて(Mtin-spGFP1-10)、それをspGFP11-10-mCherryと共発現させても、WTでは、蛍光は検出できなかった。しかし、KO細胞にてそれらを共発現させた場合は、細胞質において蛍光が検出された。
これらの結果は、タンパク質選別における障害が、Opa1を含む内膜タンパク質の減少の原因であり、結果として、膜構築の障害を引き起こしていることを示している。
【実施例】
【0050】
実施例6:Mto1ノックアウト細胞におけるミスフォールディングミトコンドリアタンパク質の蓄積
ミトコンドリアの内膜に配置されなかったミトコンドリアタンパク質がどのような影響を及ぼすかを検討した。ミトコンドリアタンパク質の多くは、膜を標的とするための疎水性ドメインを有している。これらの疎水性のため、ミトコンドリアタンパク質は、素早くミトコンドリア膜中に移送されないと、ミスフォールディングまたは凝集する傾向にある。そこで、溶液中では弱い蛍光を発するが凝集タンパク質中に入り込んだ場合に強い蛍光を発する色素を用いて、KO細胞におけるタンパク質凝集を確認した。結果を図10に示す。WT細胞に比べ、多量の凝集がKO細胞において検出された。
異なる界面活性剤を用いてWTおよびKO細胞からタンパク質を抽出し、それらを可溶性分画と不溶性分画に分け、SDS-PAGEを行い、各種のミトコンドリアタンパク質を検出することにより、ミトコンドリアタンパク質が凝集しているかを確認した。その結果、WT細胞に比べ、KO細胞では、可溶性分画でミトコンドリア内膜タンパク質であるNdufb8、SdhaおよびOpa1が減少している一方、これらのタンパク質の全てが、KO細胞の不溶性分画に蓄積していた。これに対し、ミトコンドリアの外膜タンパク質であるTomm70、Tomm40およびTomm34は、KO細胞の不溶性分画では蓄積されていなかった。加えて、細胞質タンパク質であるエロンゲーション因子2(EF2)は、WTとKO細胞で差がなかった。
【実施例】
【0051】
一般に、ミスフォールディングしたタンパク質は、小胞体ストレス(unfolded protein response:UPR)を活性化すると言われている。UPRは、細胞内ホメオスタシスに深刻なインパクトを与えるものである。よく知られUPRの兆候は、EF2およびeukaryotic initiation factor(elF2)のリン酸化を通じたタンパク質合成の抑制である。
実施例2で作製したKO細胞について、EF2およびelF2のリン酸化を確認したところ、著しく増加しており、このことは、タンパク質合成が抑制されていることを示している。また、KO細胞においては、不完全なタンパク質の蓄積が、Atf4、Chop、および挿入Xbl1(spliced Xbl1)を含むUPR特異的な翻訳ネットワークの活性化を誘導しており、UPR関連タンパク質の一つであるChopタンパク質レベルは著しく増加していた。WTとKO細胞における挿入および非挿入Xbp1、およびChopの発現を図11に示す。タンパク質合成の抑制、並びにAtf4およびChopの増加は、分化したKO細胞においても確認された。また、小胞体(ER)の形態を電子顕微鏡で確認したところ、図12に示すように、KO細胞では、拡大したER構造が確認された。これはUPRの形態学的な指標でもある。
ERにおける過剰なフォールドされていないタンパク質は、細胞障害性および細胞増殖阻害と関連する、異常なカルシウムハンドリングを引き起こす。KO細胞においては、WTに比べこれらも著しく増加していた。
これらの結果は、Mto1のKO細胞において、ミスフォールディングしたミトコンドリアタンパク質が、細胞障害性のあるUPRを積極的に引き起こしていることを示している。
【実施例】
【0052】
実施例7:コンディショナルMto1ノックアウトマウスにおけるUPRの確認
Mto1を欠失したES細胞において確認されたミスフォールディングしたミトコンドリアタンパク質による進行性のUPRが、出生後の組織でも観察されるか確認した。心筋ミオパチーは、MELASおよびMERRF患者における共通する不良な予後であるので、心臓特異的なMto1ノックアウトマウス(HcKO)を作製した。HcKOマウスは、出生後は正常に見えたが、24時間以上は生存できなかった。心臓形態においては、HcKOおよびFloxマウス間で著しい差はなかったことより、心臓の発達障害が致死の原因ではないと言える。死亡前の新生マウスから全RNAを抽出し、遺伝子プロフェイリングおよび質量分析により解析したところ、HcKOマウスではMto1発現が著しく減少しており、タウリン修飾も減少していた。心不全マーカーであるAnpおよびBnpのmRNAレベルはHcKOマウスの心臓で著しく増加しており、一方、mtDNAがエンコードする呼吸系サブユニットであるMTCOIおよび核DNAがエンコードする呼吸系サブユニットであるAtp5、Uqcrc2、SdhbおよびNdufb8は、HcKOの心臓で著しく減少していた。透過電子顕微鏡により、ミトコンドリアおよびERの形態を確認したところ、図13に示すように、HcKOマウスの心臓では、著しく拡張したミトコンドリアとともに崩壊したクリスタ構造が確認された。HcKOマウス心臓のミトコンドリアは、非常に低い電子密度を示し、このことは、異常なミトコンドリアタンパク質ホメオスタシスを示している。図14に示すように、HcKOマウス心臓では、形態異常と一致して、内膜タンパク質Opa1およびTimm44も著しく減少していた。また、図13に示すように、HcKOマウス心臓の細胞質において、凝集様構造が確認され、このことは、ミトコンドリアタンパク質のミスフォールディングが心筋において引き起こされていることを示している。図13に示すように、HcKOマウス心臓では、ER構造がフラグメント化および拡大していた。さらに、図15に示すように、HcKOマウス心臓では、UPR関連遺伝子である挿入Xbp1、Xbp1、およびChopの発現レベルが著しくアップレギュレートされており、Chopのレベルは、Floxマウス心臓の10倍であった。加えて、HcKOの心臓では、elf2およびEF2のリン酸化も著しく増加しており、タンパク質合成が抑制されていることを示している。HcKOの心臓から調製した心筋細胞を用いてカルシウム移動を確認したところ、カルシウム振幅の自然発生頻度が、HcKOの心筋細胞では、Floxの心筋細胞に比べて著しく低かった。このことが、HcKOの心筋細胞におけるカルシウムハンドリングの異常を反映していた。
【実施例】
【0053】
肝臓特異的なKOマウスは、致死性の欠損にも関わらす通常は生存可能であるので、肝臓特異的なMto1ノックアウト(LcKO)マウスを作製した。作製したLcKOマウスは生存可能であり、WTと外見上は差がなかった。しかしながら、LcKOマウス肝臓では、欠陥のあるミトコンドリアおよび細胞質タンパク質ホメオスタシスを示し、そして、Mto1のmRNAレベルは著しく減少しており、タウリン修飾は減少していた。また、図16に示すように、mtDNA由来のMT-COIおよび核DNA由来のNDUFB8のタンパク質レベル、並びに、Opa1およびTimm44のタンパク質レベルは、LcKOマウス肝臓のミトコンドリアで減少していた。ミトコンドリアタンパク質ホメオスタシスの機能障害と一致して、図17に示すように、LcKOマウス肝臓では、ミトコンドリア膜組織の異常な凝集を示していた。HcKOマウス心臓と同様に、LcKOマウス肝臓でも、ER構造は拡大していた。このことは、異常なタンパク質が過剰であることを示している。同様に、LcKOマウスでは、UPR関連タンパク質である、Chopおよびリン酸化elF2も増加していた。
これらの結果は、インビボでも、進行性のUPRが、欠損したミトコンドリアタンパク質ホメオスタシスによって引き起こされた主要な細胞障害性であることを示している。
【実施例】
【0054】
実施例8:Opa1を介したMto1KO細胞を用いた改善化合物の検討
上記したように、ミスフォールディングしたミトコンドリアタンパク質の蓄積は、ミトコンドリア障害を増幅し、細胞障害性を誘導する。そこで、ミトコンドリアタンパク質のミスフォールディングを抑制することにより、機能性ミトコンドリアタンパク質の供給を増加させることが、Mto1KO細胞における細胞障害性を緩和することができると考えられる。
タウリンが結合した胆汁酸である、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)に着目し、Mto1KO細胞におけるミトコンドリアタンパク質の凝集を抑制できるか検討した。
培地に50μMのTUDC(シグマより購入)を添加し、WTおよびKO細胞を48時間処理した。その後、タンパク質の凝集を、ProteoStat(登録商標)aggresome検出キット(Enzo Life Science)を用い、製造者の指示書に従って検出した。結果を、図18に示す。TUDCがタンパク質凝集を効果的に防ぐことが確認できた。また、図19に示すように、KO細胞において、TUDCは、不溶性のOpa1を減少させ、可溶性のOpa1を増加させた。その結果、TUDC処理されたKO細胞では、他の内膜タンパク質とともに顕著な量のOpa1がミトコンドリア内に存在した。ミトコンドリアの形態を確認したところ、図20に示すように、TUDC処理により著しく改善した。
【実施例】
【0055】
次に、KO細胞における細胞障害性のUPRに対するTUDCの効果を確認した。図21に示すように、TUDCは、KO細胞におけるChopの遺伝子およびタンパク質レベルを有効に減少させた。TUDCはまたEF2リン酸化を減少させKO細胞における全体的なタンパク質合成を増加させた。ER構造を確認したところ、図22に示すように、TUDC処理によりKO細胞においてER構造の改善が確認できた。また、図23に示すように、TUDC処理により細胞質のカルシウムの漏出も著しく減少した。TDUCによる細胞質タンパク質ホメオスタシスの改善は、図24に示すように、細胞増殖も改善した。
【実施例】
【0056】
実施例9:他の改善化合物の検討
次いで、他のシャペロンである、フェニル酪酸(PBA)について同様の検討を行った。PBAは、100μMの濃度にて培地に添加した。PBAも同様に、タンパク質凝集の抑制、Chop発現の減少、および細胞増殖の著しい改善を示した。それぞれの結果を、図25A~Cに示す。
【実施例】
【0057】
実施例10:インビボにおけるTUDCの効果の確認
LcKOマウスを用い、TUDCの改善効果を以下のようにして確認した。
TUDCを25mg/mLの濃度となるように生理食塩水に溶解した後、250mg/kg体重の投与用量となるように、8週齢のFlozおよびLcKOマウスの腹腔内に投与した。その後1週間、1日に1回投与を行った。最終投与の24時間後に、マウスを犠牲にして実験を行った。コントロール(Vehicle)は、生理食塩水を投与した。
ミトコンドリア膜の組織構造および細胞質のUPRに対するTUDCの効果を確認した。図26に示すように、細胞モデルと同様に、TUDCの投与により、LcKOマウス肝臓のミトコンドリアでも、Opa1の増加が確認できた。また、図27に示すように、TUDCを投与したLcKOマウスでは、肝細胞中の異常なミトコンドリア膜の組織構造が著しく改善していた。クリステ凝集を示す異常なミトコンドリアの数を定量した結果を図28に示す。TUDC投与したマウスの肝臓では、数の著しい減少が確認された。
TUDC投与したKOマウスの肝臓では、完全な膜の形成が改善されていることが、呼吸系のサブユニットの部分的な回復からも裏付けられた(図29)。TUDC投与により、呼吸系複合体の活性は、Floxマウスでは僅かに改善されていたが、LcKOマウスでは著しい改善が見られた(図30)。また、TUDC投与LcKOマウスでは、ChopのmRNAレベルおよびタンパク質レベルの何れも著しく減少していた(図31)。
LcKOマウスでは、血清中のアスパラギン酸トランスフェラーゼおよびアラニンアミノトランスフェラーゼレバルは正常であったが、血清アルブミンレベルは減少し、血清アルカリホスファターゼレベルは上昇していた。血清アルブミンおよび血清アルカリホスファターゼレベルともに、TUDC処置により正常レベルに回復した。また、ミトコンドリア病のホールマークであるFgf21の遺伝子発現を確認したところ、図32に示すように、LcKOマウスではアップレギュレートされていたが、TUDCの投与により、顕著に減少した。このことは、TUDCがミトコンドリア病の治療に有効であることを示している。
【実施例】
【0058】
実施例11:他の化学シャペロンとの比較
TUDCの効果について、他の化学シャペロンである、BIX(BiP Inducer X)およびTMANOとの比較を行った。BIX(1-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-チオシアナト-エタノン)は、小胞体分子シャペロンであるBiP mRNA1の発現を上昇させる化合物である(再表2007/125720号公報)。TMANO(トリメチルアミン N-オキシド)は、様々なタンパク質の構造を維持するシャペロン的な効果を有すると報告されている。
実施例2で作製したWT細胞およびMot1KOES細胞を入れた培地に、BIX(シグマより購入)、TMANO(シグマより購入)、およびTUDCを50μMとなるように添加し、培養を行った。48時間後に、UPR遺伝子の一つであるChop遺伝子の発現量をqPCR法により検討した。結果図33に示す。TUDC処理ではKOマウス細胞におけるChopの発現が抑制されたが、BIXやTMANO処理では、Chop発現量を完全に抑制することはできなかった。
【実施例】
【0059】
上記の詳細な記載は、本発明の目的および対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更および置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明により、新たな作用機序のミトコンドリア病治療薬を提供することが可能となる。
図面
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