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明細書 :フランジ構造及びフランジ構造が設けられた循環機

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-089677 (P2017-089677A)
公開日 平成29年5月25日(2017.5.25)
発明の名称または考案の名称 フランジ構造及びフランジ構造が設けられた循環機
国際特許分類 F16L  23/032       (2006.01)
F16L  25/00        (2006.01)
G21D   1/00        (2006.01)
FI F16L 23/032
F16L 25/00 C
G21D 1/00 U
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 7
出願番号 特願2015-216621 (P2015-216621)
出願日 平成27年11月4日(2015.11.4)
発明者または考案者 【氏名】濱本 真平
出願人 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
個別代理人の代理人 【識別番号】100139114、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 貞嗣
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100139103、【弁理士】、【氏名又は名称】小山 卓志
【識別番号】100094787、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 健二
【識別番号】100097777、【弁理士】、【氏名又は名称】韮澤 弘
【識別番号】100091971、【弁理士】、【氏名又は名称】米澤 明
【識別番号】100145920、【弁理士】、【氏名又は名称】森川 聡
【識別番号】100119220、【弁理士】、【氏名又は名称】片寄 武彦
審査請求 未請求
テーマコード 3H016
Fターム 3H016AA03
3H016AD15
3H016EA04
要約 【課題】ヘリウムガス冷却材などの流体の漏洩を抑制することが可能なフランジ構造を提供する。
【解決手段】本発明に係るフランジ構造は、第1部材に設けられた第1フランジ(21)と、第2部材に設けられた第2フランジ(42)と、前記第1フランジと前記第2フランジとを締結する締結部材(70)と、前記第1フランジと前記第2フランジと間の温度差を補正する温度差補正部(ヒーター80や断熱部材90)と、からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1部材に設けられた第1フランジと、
第2部材に設けられた第2フランジと、
前記第1フランジと前記第2フランジとを締結する締結部材と、
前記第1フランジと前記第2フランジと間の温度差を補正する温度差補正部と、からなることを特徴とするフランジ構造。
【請求項2】
前記温度差補正部がヒーターであることを特徴とする請求項1に記載のフランジ構造。
【請求項3】
前記温度差補正部が冷却配管であることを特徴とする請求項1に記載のフランジ構造。
【請求項4】
前記温度差補正部が断熱部材であることを特徴とする請求項1に記載のフランジ構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフランジ構造が設けられたことを特徴とする循環機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却材などの流体の漏洩を低減できるフランジ構造、そのようなフランジ構造が設けられた循環機に関する。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉は、炉心の構成材料および冷却材特性に基づく固有の安全性が高く、異常時の過渡挙動も極めて緩慢である。万一事故が発生しても、現在商業炉として稼働している軽水型原子炉のような制御棒駆動装置や緊急炉心冷却装置などの機械的作動要素を使用せずとも、高温ガス炉特有の構造に基づいて、負の反応度フィードバック特性により、原子炉出力が低下すると共に、自然の原理(ふく射、自然対流、熱伝導)により、燃料溶融を起こさずに原子炉を冷温停止させることができることが知られている(例えば、特許文献1)。

【特許文献1】特開平08-338892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図3は高温ガス炉におけるヘリウムガス冷却材(流体)の循環経路の一例を示す図である。図3において符号1は高温ガス炉の炉心を示している。炉心1内にはウランが黒鉛およびセラミックで被覆された燃料粒子が多数配置されている。
【0004】
炉心1には、熱交換器4などで約400℃まで冷却されたヘリウムガス冷却材が流入する。ヘリウムガス冷却材は炉心1の内部を流れ、約1,000℃に加熱され、熱交換器4に与えられるか、直接ガスタービンなどの発電機(不図示)に供給される。循環機10は、熱交換器4で冷却されたヘリウムガス冷却材を、配管3を通じて、再び炉心1へと循環させる。
【0005】
このような循環機10の概要を図4により説明する。循環機10は、下部ケーシング20と上部ケーシング40とが締結部材70によって締結されると共に、上部ケーシング40と上部蓋体50とが締結部材70によって締結されることで密閉されている。
【0006】
下部ケーシング20にはモーター30が組み込まれており、このモーター30を駆動し、インペラ37を回転させることで、ヘリウム流入口47から流入したヘリウムガス冷却材をヘリウム流出口48から流出させて、ヘリウムガス冷却材を炉心1へと循環させる。
【0007】
しかしながら、下部ケーシング20の第1フランジ21と、上部ケーシング40の第2フランジ42とからなるフランジ構造からは、ヘリウムガス冷却材が漏洩しやすい、という問題があった。
【0008】
特に、高温ガス炉の運転中にヘリウムガス冷却材の漏洩が生じたとしても、人が容易に立ち入ることができないため、ヘリウムガス冷却材の漏洩の起こっているフランジ構造における締結部材70の増し締めを行うことができない、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような問題点を解決するために、本発明に係るフランジ構造は、第1部材に設けられた第1フランジと、第2部材に設けられた第2フランジと、前記第1フランジと前記第2フランジとを締結する締結部材と、前記第1フランジと前記第2フランジと間の温度差を補正する温度差補正部と、からなることを特徴とするフランジ。
【0010】
また、本発明に係るフランジ構造は、前記温度差補正部がヒーターであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るフランジ構造は、前記温度差補正部が冷却配管であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るフランジ構造は、前記温度差補正部が断熱部材であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る循環機は、前記のいずれかに記載のフランジ構造が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るフランジ構造は、前記第1フランジと前記第2フランジと間の温度差を補正する温度差補正部を有しており、このような本発明に係るフランジ構造によれば、ヘリウムガス冷却材などの流体の漏洩を抑制することが可能となり、ヘリウムガスなどの資源を節約することができる。
【0015】
また、本発明に係るフランジ構造を備えた循環機10によれば、ヘリウムガス冷却材などの流体の漏洩を抑制することができ、高温ガス炉の運転中にフランジ構造における締結部材70の増し締めなどを行う必要がない。
【0016】
また、本発明に係るフランジ構造を循環機10に適用することで、フランジ構造のシール性を向上させることができ、資源の有効活用、機器の効率的な運用に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るフランジ構造が用いられた循環機10を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフランジ構造によるヘリウムガス冷却材の漏洩低減効果を示す図である。
【図3】高温ガス炉における冷却材の循環経路の一例を示す図である。
【図4】従来のフランジ構造が用いられた循環機10を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るフランジ構造が用いられた循環機10を示す図である。

【0019】
循環機10は、下部ケーシング20と上部ケーシング40とが締結部材70によって締結されると共に、上部ケーシング40と上部蓋体50とが締結部材70によって締結されることで密閉されている。

【0020】
より具体的には、下部ケーシング20の第1フランジ21と、上部ケーシング40の第2フランジ42とは、ガスケット(不図示)などを間に挟み、ボルトなどの締結部材70で締結され、シールされている。

【0021】
また、上部ケーシング40の第3フランジ43と、上部蓋体50とは、ガスケット(不図示)などを間に挟み、ボルトナットなどの締結部材70で締結され、シールされている。

【0022】
上部ケーシング40には、ヘリウム流入口47と、ヘリウム流出口48と、これらの間にフィルタ収容部45とが設けられている。フィルタ収容部45には、不図示のフィルタが配されており、このフィルタによりヘリウムガス冷却材中の不純物などなどが取り除かれる。

【0023】
上部ケーシング40と上部蓋体50とは、断熱部材60で覆われている。

【0024】
下部ケーシング20にはモーター30が組み込まれている。モーター30は駆動されることで、シャフト32が回転し、シャフト32の一端に取り付けられ、上部ケーシング40内に配されているインペラ37が回転する。軸受け部33はガス軸受けなどで構成されている。

【0025】
上部ケーシング40内のインペラ37が回転することで、ヘリウム流入口47から流入したヘリウムガス冷却材をヘリウム流出口48から流出させて、ヘリウムガス冷却材を炉心1へと循環させる。

【0026】
また、下部ケーシング20においてモーター30が配されている外周には、モーター30を冷却するために冷却水循環路39が設けられている。

【0027】
従来、下部ケーシング20の第1フランジ21と、上部ケーシング40の第2フランジ42とからなるフランジ構造からは、ヘリウムガス冷却材が漏洩しやすい、という問題があった。

【0028】
この問題の原因は、温度が比較的低い第1フランジ21(約400℃)と、温度が比較的高い第2フランジ42(約50℃)と間の温度差によることが検討の結果分かってきた。

【0029】
そこで、第1フランジ21には、本発明に係るフランジ構造においては、第1フランジ21側に、ヒーター80や断熱部材90を取り付けることで、第1フランジ21と第2フランジ42との間の温度差を低減させるように補正する。ヒーター80や断熱部材90を、特許請求の範囲では「温度差補正部」と上位概念的に表現している。

【0030】
なお、本実施形態においては、第1フランジ21側に、ヒーター80や断熱部材90などを設けて第1フランジ21を昇温することで、2つのフランジ間の温度差を低減するように補正するようにしたが、第2フランジ42側に冷却配管などを設けて、第2フランジ42を降温することで、2つのフランジ間の温度差を低減するように補正するようにしてもよい。

【0031】
図2は本発明の実施形態に係るフランジ構造によるヘリウムガス冷却材の漏洩低減効果を示す図である。図2の横軸において、温度が0℃であるとは、ヒーター80や断熱部材90を取り付けていない従来のフランジ構造の場合を示している。(実際に第1フランジ21の温度が0℃であるわけではない。)また、このときのヘリウムガス冷却材のフランジ構造からの漏洩量を100%としている。

【0032】
図2の横軸において、プラスの温度は、第1フランジ21側に、ヒーター80や断熱部材90などを設けて、第1フランジ21を先の温度0℃より昇温させた分の温度を示している。図2からも分かるように、第1フランジ21を先の温度0℃より昇温させることで、ヘリウムガス冷却材のフランジ構造からの漏洩量を減らせることができる。

【0033】
以上のように、本発明に係るフランジ構造は、第1フランジ21と第2フランジ42と間の温度差を補正する、ヒーター80や断熱部材90などの温度差補正部を有しており、このような本発明に係るフランジ構造によれば、ヘリウムガス冷却材などの流体の漏洩を抑制することが可能となり、ヘリウムガスなどの資源を節約することができる。

【0034】
また、本発明に係るフランジ構造を備えた循環機10によれば、ヘリウムガス冷却材などの流体の漏洩を抑制することができ、高温ガス炉の運転中にフランジ構造における締結部材70の増し締めなどを行う必要がない。

【0035】
また、本発明に係るフランジ構造を循環機10に適用することで、フランジ構造のシール性を向上させることができ、資源の有効活用、機器の効率的な運用に寄与することができる。
【符号の説明】
【0036】
1・・・炉心
3・・・配管
4・・・熱交換器
10・・・循環機
20・・・下部ケーシング
21・・・第1フランジ
30・・・モーター
32・・・シャフト
33・・・軸受け部
37・・・インペラ
39・・・冷却水循環路
40・・・上部ケーシング
42・・・第2フランジ
43・・・第3フランジ
45・・・フィルタ収容部
47・・・ヘリウム流入口
48・・・ヘリウム流出口
50・・・上部蓋体
60・・・断熱部材
70・・・締結部材
80・・・ヒーター
90・・・断熱部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3