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明細書 :混合促進構造及び混合促進構造を用いた高温ガス炉プラント

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-133871 (P2017-133871A)
公開日 平成29年8月3日(2017.8.3)
発明の名称または考案の名称 混合促進構造及び混合促進構造を用いた高温ガス炉プラント
国際特許分類 G21C  15/12        (2006.01)
FI G21C 15/12 G
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2016-012289 (P2016-012289)
出願日 平成28年1月26日(2016.1.26)
発明者または考案者 【氏名】栃尾 大輔
出願人 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
個別代理人の代理人 【識別番号】100139114、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 貞嗣
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100139103、【弁理士】、【氏名又は名称】小山 卓志
【識別番号】100094787、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 健二
【識別番号】100091971、【弁理士】、【氏名又は名称】米澤 明
【識別番号】100145920、【弁理士】、【氏名又は名称】森川 聡
【識別番号】100119220、【弁理士】、【氏名又は名称】片寄 武彦
審査請求 未請求
要約 【課題】ヘリウムガスなどの粘性が高い気体も十分に混合することができ、混合される気体の温度が異なっていたとしても、混合が促進され温度が均一化される混合促進構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る混合促進構造100は、第1内管と、前記第1内管の外周に配される第1外管と、からなる第1二重管10、及び、第2内管と、前記第2内管の外周に配される第2外管と、からなる第2二重管20が合流する合流部二重管140と、前記合流部二重管140から延出する混合促進部二重管150と、前記混合促進部二重管150から延出する主二重管30と、からなり、前記混合促進部二重管150に、バッフル板160が配されることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1内管と、前記第1内管の外周に配される第1外管と、からなる第1二重管、及び、
第2内管と、前記第2内管の外周に配される第2外管と、からなる第2二重管が合流する合流部二重管と、
前記合流部二重管から延出する混合促進部二重管と、
前記混合促進部二重管から延出する主二重管と、からなり、
前記混合促進部二重管に、バッフル板が配されることを特徴とする混合促進構造。
【請求項2】
前記バッフル板が、混合促進部内管に固着されることを特徴とする請求項1に記載の混合促進構造。
【請求項3】
前記バッフル板が180°の扇形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合促進構造。
【請求項4】
前記バッフル板が、前記混合促進部二重管の延出方向に交互に配されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の混合促進構造。
【請求項5】
前記混合促進部二重管の混合促進部外管の径が、前記主二重管の主外管の径より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の混合促進構造。
【請求項6】
前記合流部二重管の合流部外管の径が、前記第1外管の径、前記第2外管の径のいずれよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか5項に記載の混合促進構造。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の混合促進構造を用いた高温ガス炉プラント。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、温度が異なる気体の混合を促進する混合促進構造、そのような混合促進構造が設けられた高温ガス炉プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
高温ガス炉は、炉心の構成材料および冷却材特性に基づく固有の安全性が高く、異常時の過渡挙動も極めて緩慢である。万一事故が発生しても、現在商業炉として稼働している軽水型原子炉のような制御棒駆動装置や緊急炉心冷却装置などの機械的作動要素を使用せずとも、高温ガス炉特有の構造に基づいて、負の反応度フィードバック特性により、原子炉出力が低下すると共に、自然の原理(ふく射、自然対流、熱伝導)により、燃料溶融を起こさずに原子炉を冷温停止させることができることが知られている(例えば、特許文献1)。

【特許文献1】特開平08-338892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図12は高温ガス炉プラントにおける高温ガス炉3周辺の概略構造を模式的に示す図である。また、図13は、第1二重管10と第2二重管20の連結部Aと、連結部Aから延出する主二重管30とを抜き出して示している。また、図14の(A)は連結部Aの平面図を、(B)はXからみた連結部Aを、(C)はYからみた連結部Aをそれぞれ示している。
【0004】
図12において符号7は炉心を示す。炉心7内にはウランが黒鉛等のセラミックスで被覆された燃料粒子が燃料スリーブ内に多数収容された燃料棒が多数配置されている。炉心7は軽水炉と同様に圧力容器5内に閉じ込められている。また、炉心7には制御棒8が差し込まれている。
【0005】
圧力容器5には、例えば、複数の熱交換器などで約400℃まで冷却されたヘリウムガス冷却材が注入される。ヘリウムガス冷却材は炉心7の上部から下部に流れ、約1,000℃に加熱され、複数の熱交換器に与えられるか、或いは、発電用の直接ガスタービンに供給される。
【0006】
以下、熱交換器として第1熱交換器(より具体的には、PPWC:Primary Pressurized Water Cooler)、第2熱交換器(より具体的には、IHX:Intermediate Heat Exchanger)を用いた例について説明する。
【0007】
圧力容器5と、複数の熱交換器との間は二重管によって接続されている。二重管は、内管と、その外周に配される外管とから構成されている。内管は、炉心7によって加熱されたヘリウムガスを熱交換器に供給するための流路として利用される。また、内管と外管との間の空間は、熱交換器によって冷却されたヘリウムガスを圧力容器5に循環させるための流路として用いられる。
【0008】
第1熱交換器は、第1内管15と第1外管18とからなる第1二重管10と接続されている。また、第2熱交換器は、第2内管25と第2外管28とからなる第2二重管20と接続されている。また、第1二重管10と第2二重管20との連結部Aからは、圧力容器5に向けて、主内管35と主外管38とからなる主二重管30が延出している。ここで、主内管35は、第1内管15と第2内管25との連結部から延出しており、主外管38は、第1外管18と第2外管28との連結部から延出している。
【0009】
上記のような高温ガス炉プラントにおいては、第1熱交換器で冷却されたヘリウムガスの温度と、第2熱交換器で冷却されたヘリウムガスの温度とが、異なっている。より具体的には、第1熱交換器で冷却されたヘリウムガスの温度は、第2熱交換器で冷却されたヘリウムガスの温度より高い。
【0010】
高温ガス炉プラントにおいては、上記のように温度が異なるヘリウムガスが、連結部Aの内管と外管との間の空間で合流し、圧力容器5に循環するようになっている。ところで、ヘリウムガスは粘性が高く、混合しづらい特性を有している。ここで、連結部Aで合流し、圧力容器5に循環するヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を図15及び図16に示す。図15及び図16において温度分布の高低は濃淡で示されており、図の左側に示す凡例において1.0は最も高いヘリウムガスの温度を示しており、0.0は最も低いヘリウムガスの温度を示している。
【0011】
前記の図からも分かるように、連結部Aで合流した温度が異なるヘリウムガスは、粘性が高いために十分に混合され温度が均一とされることなく、圧力容器5に循環されてしまうこととなる。
【0012】
以上のように、高温ガス炉プラントにおいては、温度の異なるヘリウムガスが十分混合されないことにより、圧力容器5に循環するヘリウムガス全体の適正な温度を計測することができず、プラントの運用面で問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような問題点を解決するために、本発明に係る混合促進構造は、第1内管と、前記第1内管の外周に配される第1外管と、からなる第1二重管、及び、第2内管と、前記第2内管の外周に配される第2外管と、からなる第2二重管が合流する合流部二重管と、前記合流部二重管から延出する混合促進部二重管と、前記混合促進部二重管から延出する主二重管と、からなり、前記混合促進部二重管に、バッフル板が配されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る混合促進構造は、前記バッフル板が、混合促進部内管に固着されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る混合促進構造は、前記バッフル板が180°の扇形であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る混合促進構造は、前記バッフル板が、前記混合促進部二重管の延出方向に交互に配されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る混合促進構造は、前記混合促進部二重管の混合促進部外管の径が、前記主二重管の主外管の径より大きいことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る混合促進構造は、前記合流部二重管の合流部外管の径が、前記第1外管の径、前記第2外管の径のいずれよりも大きいことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る高温ガス炉プラントは、前記に記載の混合促進構造を用いた高温ガス炉プラントである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る混合促進構造100は、記混合促進部二重管に、バッフル板が配されているので、このような本発明に係る混合促進構造100によれば、ヘリウムガスなどの粘性が高い気体も十分に混合することができ、混合される気体の温度が異なっていたとしても、混合が促進され温度が均一化される。
【0021】
また、本発明に係る混合促進構造100を備えた高温ガス炉プラントによれば、温度が異なるヘリウムガスの混合が十分に促進され温度が均一化されるので、圧力容器5に循環するヘリウムガス全体の適正な温度を計測することができ、プラントの的確な運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る混合促進構造100の内部を透過的にみた斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る混合促進構造100の構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるバッフル板160によるガス混合効果の内部予想図である。
【図4】本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。
【図6】本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を平面図でみたものである。
【図7】比較例1に係る混合促進構造の内部を透過的にみた斜視図である。
【図8】比較例1に係る混合促進構造におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。
【図9】比較例2に係る混合促進構造の内部を透過的にみた斜視図である。
【図10】比較例2に係る混合促進構造におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。
【図11】本発明の実施形態に係る混合促進構造100、従来例、比較例の混合促進を比較して示す図である。
【図12】高温ガス炉プラントにおける高温ガス炉3周辺の概略構造を模式的に示す図である。
【図13】第1二重管10と第2二重管20の連結部Aと、連結部Aから延出する主二重管30とを抜き出して示している。
【図14】連結部Aの構造を示す図である。
【図15】連結部Aにおけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。
【図16】連結部Aにおけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を平面図でみたものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る混合促進構造100の内部を透過的にみた斜視図である。

【0024】
このような本願発明に係る混合促進構造100は、従来例と同様に、高温ガス炉プラントにおける高温ガス炉3の圧力容器5と、複数の熱交換器との間の配管に適用することが想定されているが、本願発明に係る混合促進構造100の適用対象がこれに限定されるものではない。例えば、本願発明に係る混合促進構造100は二重配管を有する適切なガス温度に測定及び制御する化学工業プラント、石油プラント、高圧ガスプラント等にも適用することができる。

【0025】
なお、以下、本願発明に係る混合促進構造100を、高温ガス炉プラントに適用した場合を例に挙げて説明する。

【0026】
図2は本発明の実施形態に係る混合促進構造100の構造を示す図である。図2の(A)は混合促進構造100の平面図を、(B)はXからみた混合促進構造100を、(C)はYからみた混合促進構造100を、(D)はB-B断面図をそれぞれ示している。

【0027】
また、図3は本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるバッフル板160によるガス混合効果の内部予想図である。

【0028】
本願発明に係る混合促進構造100は、従来例の連結部Aに適用して用いることが想定されている。また、本願発明に係る混合促進構造100は、第1二重管10や第2二重管20、主二重管30と同様に、ヘリウムガスの温度(約400℃)に耐え得る材料で構成される。

【0029】
第1熱交換器は、第1内管15と第1外管18とからなる第1二重管10と接続されている。また、第2熱交換器は、第2内管25と第2外管28とからなる第2二重管20と接続されている。

【0030】
第1二重管10と第2二重管20との間には、本発明に係る混合促進構造100が配されており、本発明に係る混合促進構造100からは圧力容器5に向けて、主内管35と主外管38とからなる主二重管30が延出している。

【0031】
本発明に係る混合促進構造100は、両端部において、第1二重管10と第2二重管20と接続されている合流部二重管140と、合流部二重管140から延出する混合促進部二重管150とから構成されている。また、混合促進部二重管150は、主二重管30と接続されている。

【0032】
なお、合流部二重管140は、本実施形態では、第1二重管10と第2二重管20の2本の二重管と接続されているが、合流部二重管140がより多くの二重管と接続される構成とすることもできる。

【0033】
合流部二重管140は、合流部内管145と、その外周に配される合流部外管148とから構成されている。また、混合促進部二重管150は、混合促進部内管155と、その外周に配される混合促進部外管158とから構成さている。

【0034】
本発明に係る混合促進構造100の混合促進部二重管150内においては、混合促進部内管155と混合促進部外管158との間に複数のバッフル板160が設けられている。これらのバッフル板160は、いずれも混合促進部内管155に溶接されることで固着されている。

【0035】
このように本発明に係る混合促進構造100においては、バッフル板160は、混合促進部内管155に溶接し、混合促進部外管158には溶接しない構造を特徴としており、高温場における熱膨張等に伴う熱応力の発生を緩和している。

【0036】
図1及び図2に示すように、本発明に係る混合促進構造100においては、バッフル板160は180°の扇形をなしている。また、本発明に係る混合促進構造100は、バッフル板160が、混合促進部二重管150が主二重管30へと延出する方向に交互に配されることを特徴としている。

【0037】
図3に示すように、本発明に係る混合促進構造100は、混合促進部内管155と混合促進部外管158との間における複数のバッフル板160によって、第1二重管10及び第2二重管20より流入したヘリウムガスの流れを蛇行させ、混合を促進し、主二重管30へと導く特徴を有している。

【0038】
このように、本発明に係る混合促進構造100は、内管と外管との間の環状部を流れる熱的に混合しづらいヘリウムガスについて、バッフル板160によって、混合を促進することで、ガスの温度(混合平均温度)を均質化する。そして、本発明に係る混合促進構造100が適用される高温ガス炉プラントにおいては、ヘリウムガスの混合平均温度を正確に測定することで、適切なガス温度制御を行い、円滑なプラント運用を図ることができる。

【0039】
なお、本発明に係る混合促進構造100においては、混合促進部二重管150の混合促進部外管158の径が、主二重管30の主外管38の径より大きく設定されている。また、合流部二重管140の合流部外管148の径が、第1外管18の径、第2外管28の径のいずれよりも大きく設定されている。いずれの構造部においても、内管の径については変わることがない。

【0040】
このように、本発明に係る混合促進構造100の合流部二重管14及び混合促進部二重管150の拡径により、ガス流路を拡大するとともにガス流速を低く抑えることにより、圧力損失を抑えるようにしている。

【0041】
図4乃至図6は本発明の実施形態に係る混合促進構造100におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を示す図である。特に、図4から、高温(第1二重管10側)及び低温(第2二重管20側)のヘリウムガスは混合促進構造100内のバッフル板160群を通過する際に蛇行している様子がわかる。これにより、ヘリウムガスは混合促進構造100において、合流後、主二重管30に流入する際には、非常によく混合されており、本発明の混合促進構造100が、優れた混合促進の効果を有することがわかる。

【0042】
ここで、本発明に係る混合促進構造100による効果を、2つの比較例による効果と比較してみる。

【0043】
図7は比較例1に係る混合促進構造の内部を透過的にみた斜視図である。図7に示す比較例1では、温度が異なるヘリウムガスの混合構造として、主二重管30における主内管35と主外管38との間に、図示するように偏向板70が設けられている。

【0044】
図8は比較例1に係る混合促進構造におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。

【0045】
また、図9は比較例2に係る混合促進構造の内部を透過的にみた斜視図である。図9に示す比較例2では、温度が異なるヘリウムガスの混合構造として、主二重管30における主内管35と主外管38との間に、図示するようにスパイラル板80が設けられている。

【0046】
図10は比較例2に係る混合促進構造におけるヘリウムガスの温度分布のシミュレーション結果を斜視図でみたものである。

【0047】
図8及び図10を参照すると、混合促進装置がない従来の場合に比べて、ヘリウムガスの混合は多少されているものの、高温側のヘリウムガスと低温側のヘリウムガスがスパイラル状に絡みつく結果となり、完全には混合されていないことがわかる。

【0048】
また、図11は本発明の実施形態に係る混合促進構造100、従来例、比較例の混合促進を比較して示す図である。図11において、縦軸はヘリウムガスが流れる方向の長さを二重管の外径で除した値(無次元量)を、また、横軸は標準偏差を混合前のガス温度差で除したもの(ψ)をそれぞれ示している。

【0049】
ここで、標準偏差はその断面における温度の分布状況を示すものであり、これを混合前のガス温度差で除したψは、混合の度合いを示す指標として用いることができる。すなわち、ψが0.5である場合が初期のヘリウムガス温度差であり、ψがゼロに向かうに従ってヘリウムガスがよく混合されていると評価することができる。

【0050】
図11を参照すると、まず、混合促進構造がない従来例、偏向板を有する比較例1に係る混合促進構造、及びスパイラル板を有する比較例2に係る混合促進構造、本願発明に係る混合促進構造100のそれぞれの温度分布と比較すると、本願発明に係る混合促進構造100は、合流後に主二重管30に流入する際には、他のものに比べて、非常によく混合されており、混合促進の効果を確認できる。

【0051】
混合促進構造がない従来例の場合、ヘリウムガスの流れ方向に対して、ヘリウムガスの混合の度合いがほとんど変化なく、混合前のヘリウムガス温度差の約89%までしか温度差を低減することができず、ヘリウムガスの混合が起こりづらいことが定量的に示された。

【0052】
また、比較例1及び比較例2の混合促進装置を設けた場合でも、それぞれ約69%及び約42%までしかヘリウムガスの温度差を低減できないことが示された。

【0053】
一方、本願発明に係る混合促進構造100を設置した場合と、混合促進装置等がない場合の結果とを比較すると、ψは急激に低下し、約0.017まで低下しており、本願発明に係る混合促進構造100を設置することで、混合前のヘリウムガス温度差を約3%まで低下させることができる。

【0054】
このことから、混合ヘリウムガスの温度差は、一般的に用いられている温度計測装置の測定精度及び制御の変動幅である4%より小さい値に抑えることができ、高温ガス炉プラントの適切な温度制御ができる。

【0055】
また、混合促進構造100内にバッフル板160を設置した場合には約1500キロパスカル程度の圧力損失が生じるが、本願発明に係る混合促進構造100の外管径を大きくすることにより約28キロパスカルまで抑えることができ、従来の配管に設置するより圧力損失を約98%低減させることができる。
【符号の説明】
【0056】
3・・・高温ガス炉
5・・・圧力容器
7・・・炉心
8・・・制御棒
10・・・第1二重管
15・・・第1内管
18・・・第1外管
20・・・第2二重管
25・・・第2内管
28・・・第2外管
30・・・主二重管
35・・・主内管
38・・・主外管
70・・・偏向板
80・・・スパイラル板
100・・・混合促進構造
140・・・合流部二重管
145・・・合流部内管
148・・・合流部外管
150・・・混合促進部二重管
155・・・混合促進部内管
158・・・混合促進部外管
160・・・バッフル板
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15