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明細書 :身体装着具及び制御プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-079094 (P2018-079094A)
公開日 平成30年5月24日(2018.5.24)
発明の名称または考案の名称 身体装着具及び制御プログラム
国際特許分類 A63B  21/22        (2006.01)
A61H   3/00        (2006.01)
A61B   5/11        (2006.01)
A63B  24/00        (2006.01)
FI A63B 21/22
A61H 3/00 B
A61B 5/10 310G
A63B 24/00
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2016-223612 (P2016-223612)
出願日 平成28年11月16日(2016.11.16)
発明者または考案者 【氏名】熊澤 典良
出願人 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100162259、【弁理士】、【氏名又は名称】末富 孝典
【識別番号】100133592、【弁理士】、【氏名又は名称】山口 浩一
【識別番号】100168114、【弁理士】、【氏名又は名称】山中 生太
審査請求 未請求
テーマコード 4C038
4C046
Fターム 4C038VA04
4C038VB14
4C038VB31
4C038VC20
4C046AA44
4C046AA45
4C046BB08
4C046DD02
4C046DD39
4C046DD41
4C046DD47
4C046EE02
4C046EE03
4C046FF08
4C046FF22
4C046FF23
要約 【課題】身体に付与するモーメントの、身体の動きに応じた調整に遅れが生じにくい身体装着具及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】身体装着具は、股関節に固定された仮想回転軸k-AXの周りに往復回転運動が可能な右大腿部CRに装着される。身体装着具を構成するモーメント生成器は、右大腿部CRに対して固定された仮想揺動軸i-AXの周りに揺動可能なフライホイール110と、フライホイール110を仮想揺動軸i-AXの周りに回転させる揺動用モータと、フライホイール110を自転させる自転用モータとを有し、仮想揺動軸i-AXが仮想回転軸k-AXに対してねじれの位置にあり、自転中のフライホイール110が仮想揺動軸i-AXの周りに回転されたときに、仮想回転軸k-AXの周りにモーメントを生成する。右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの角速度ωに基づき揺動用モータを制御する。
【選択図】図5
特許請求の範囲 【請求項1】
身体に対して固定された仮想回転軸の周りに往復回転運動が可能な、前記身体の往復回転運動部に装着される身体装着具であって、
前記往復回転運動部に対して固定された仮想揺動軸の周りに揺動可能なフライホイールと、前記フライホイールを前記仮想揺動軸の周りに回転させる揺動用モータと、前記フライホイールを自転させる自転用モータとを有し、前記仮想揺動軸が前記仮想回転軸に対してねじれの位置にあり、自転中の前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに回転されたときに、前記フライホイールの前記仮想揺動軸の周りの角速度に応じたモーメントを、前記仮想回転軸の周りに生成するモーメント生成器と、
前記往復回転運動部の、前記仮想回転軸の周りの角速度若しくは回転角、又はそれら角速度及び回転角に依存する物理量を計測する計測器と、
前記計測器の計測結果に基づいて、前記揺動用モータと前記自転用モータのうち、少なくとも前記揺動用モータを制御する制御器と、
を備える身体装着具。
【請求項2】
前記制御器が、
前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して時計回りに回転しているか、反時計回りに回転しているかを判別する回転方向判別動作と、
前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して時計回りに回転している期間に、前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに、時計回りと反時計回りのうちいずれか一方を表す第1方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する第1制御動作と、
前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して反時計回りに回転している期間に、前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに、時計回りと反時計回りのうち前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する第2制御動作と、
を行う、請求項1に記載の身体装着具。
【請求項3】
前記制御器が、
前記回転方向判別動作では、前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、時計回りから反時計回りに切り替わったこと、及び反時計回りから時計回りに切り替わったことを検出し、
前記第1制御動作では、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、反時計回りから時計回りに切り替わったときに、前記フライホイールが予め定められた第1回転角だけ前記第1方向に回転するように、前記揺動用モータを制御し、
前記第2制御では、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、時計回りから反時計回りに切り替わったときに、前記フライホイールが予め定められた第2回転角だけ前記第2方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する、
請求項2に記載の身体装着具。
【請求項4】
前記制御器が、
前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸周りの回転角を、予め定められた目標値に近づけるように、前記揺動用モータを制御する、
請求項1に記載の身体装着具。
【請求項5】
身体に対して固定された仮想回転軸の周りに往復回転運動が可能な、前記身体の往復回転運動部に装着されるモーメント生成器であって、
前記往復回転運動部に対して固定された仮想揺動軸の周りに揺動可能なフライホイールと、前記フライホイールを前記仮想揺動軸の周りに回転させる揺動用モータと、前記フライホイールを自転させる自転用モータとを有し、前記仮想揺動軸が前記仮想回転軸に対してねじれの位置にあり、自転中の前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに回転されたときに、前記フライホイールの前記仮想揺動軸の周りの角速度に応じたモーメントを、前記仮想回転軸の周りに生成するモーメント生成器、
を制御するコンピュータに、
前記往復回転運動部の、前記仮想回転軸の周りの角速度若しくは回転角、又はそれら角速度及び回転角に依存する物理量の計測結果を外部から取得する取得機能と、
取得した前記計測結果に基づいて、前記揺動用モータと前記自転用モータのうち、少なくとも前記揺動用モータを制御する制御機能と、
を実現させる制御プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、身体装着具及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、ユーザの大腿部に装着され、ユーザの膝関節に、膝の動きをアシストする向きのモーメントを付与する身体装着具が知られている。この身体装着具は、フライホイールの自転によって上記モーメントを生成する。
【0003】
また、この身体装着具は、ユーザの姿勢に応じて上記モーメントを調整するために、計測器と制御器とを備える。計測器は、地面に対する大腿部の傾斜角を計測する。制御器は、計測器で計測された傾斜角に応じて、フライホイールの自転の回転数を制御する。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2009-254741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フライホイールは、自転の角運動量を保持しようとする性質をもつ。従って、フライホイールの自転の回転数の調整、特に、自転方向の逆転を伴う回転数の調整は、迅速に行うことが難しい。このため、上記身体装着具は、ユーザの膝の動きが機敏な場合には、上記モーメントの調整が間に合わず、膝の動きを適切にアシストできないおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、身体に付与するモーメントの、身体の動きに応じた調整に遅れが生じにくい身体装着具及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の身体装着具は、
身体に対して固定された仮想回転軸の周りに往復回転運動が可能な、前記身体の往復回転運動部に装着される身体装着具であって、
前記往復回転運動部に対して固定された仮想揺動軸の周りに揺動可能なフライホイールと、前記フライホイールを前記仮想揺動軸の周りに回転させる揺動用モータと、前記フライホイールを自転させる自転用モータとを有し、前記仮想揺動軸が前記仮想回転軸に対してねじれの位置にあり、自転中の前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに回転されたときに、前記フライホイールの前記仮想揺動軸の周りの角速度に応じたモーメントを、前記仮想回転軸の周りに生成するモーメント生成器と、
前記往復回転運動部の、前記仮想回転軸の周りの角速度若しくは回転角、又はそれら角速度及び回転角に依存する物理量を計測する計測器と、
前記計測器の計測結果に基づいて、前記揺動用モータと前記自転用モータのうち、少なくとも前記揺動用モータを制御する制御器と、
を備える。
【0008】
前記制御器が、
前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して時計回りに回転しているか、反時計回りに回転しているかを判別する回転方向判別動作と、
前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して時計回りに回転している期間に、前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに、時計回りと反時計回りのうちいずれか一方を表す第1方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する第1制御動作と、
前記往復回転運動部が前記仮想回転軸に対して反時計回りに回転している期間に、前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに、時計回りと反時計回りのうち前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する第2制御動作と、
を行うように構成されていてもよい。
【0009】
前記制御器が、
前記回転方向判別動作では、前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、時計回りから反時計回りに切り替わったこと、及び反時計回りから時計回りに切り替わったことを検出し、
前記第1制御動作では、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、反時計回りから時計回りに切り替わったときに、前記フライホイールが予め定められた第1回転角だけ前記第1方向に回転するように、前記揺動用モータを制御し、
前記第2制御では、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸の周りの回転方向が、時計回りから反時計回りに切り替わったときに、前記フライホイールが予め定められた第2回転角だけ前記第2方向に回転するように、前記揺動用モータを制御する、
ように構成されていてもよい。
【0010】
前記制御器が、
前記計測器の計測結果を用いて、前記往復回転運動部の前記仮想回転軸周りの回転角を、予め定められた目標値に近づけるように、前記揺動用モータを制御する、
ように構成されていてもよい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の制御プログラムは、
身体に対して固定された仮想回転軸の周りに往復回転運動が可能な、前記身体の往復回転運動部に装着されるモーメント生成器であって、
前記往復回転運動部に対して固定された仮想揺動軸の周りに揺動可能なフライホイールと、前記フライホイールを前記仮想揺動軸の周りに回転させる揺動用モータと、前記フライホイールを自転させる自転用モータとを有し、前記仮想揺動軸が前記仮想回転軸に対してねじれの位置にあり、自転中の前記フライホイールが前記仮想揺動軸の周りに回転されたときに、前記フライホイールの前記仮想揺動軸の周りの角速度に応じたモーメントを、前記仮想回転軸の周りに生成するモーメント生成器、
を制御するコンピュータに、
前記往復回転運動部の、前記仮想回転軸の周りの角速度若しくは回転角、又はそれら角速度及び回転角に依存する物理量の計測結果を外部から取得する取得機能と、
取得した前記計測結果に基づいて、前記揺動用モータと前記自転用モータのうち、少なくとも前記揺動用モータを制御する制御機能と、
を実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フライホイールを揺動させる揺動用モータによってモーメントを調整できる。揺動用モータは、自転用モータよりも、フライホイールが自転の角運動量を保持しようとすることに起因する抵抗を受けにくいため、自転用モータのみでモーメントを調整する場合に比べて、身体の動きに応じたモーメントの調整に遅れが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る身体装着具の大腿部への装着態様を示す概略図。
【図2】実施形態1に係る身体装着具の本体部の構成を示す概念図。
【図3】実施形態1に係るモーメント生成部の揺動軸に平行な部分破断正面図。
【図4】実施形態1に係るフライホイールの揺動軸に垂直な側面図。
【図5】実施形態1に係るフライホイールがモーメントを生成する態様を示す概念図。
【図6】実施形態1に係る制御器が行う負荷制御の手順を示すフローチャート。
【図7】(A)は右脚を後方に振り始める瞬間のユーザの体勢を示す概念図。(B)は右脚を前方に振り始める瞬間のユーザの体勢を示す概念図。
【図8】実施形態2に係る身体装着具の胸部背面への装着態様を示す概略図。
【図9】実施形態2に係る制御器の構成を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る身体装着具について説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。

【0015】
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係る一対の身体装着具600及び700は、ユーザの下肢に装着される。これら身体装着具600及び700は、ユーザの身体に、歩行又は疾走を妨げるモーメントを付与することで、ユーザのトレーニングを支援するものである。

【0016】
一方の身体装着具600は、ユーザの身体に対して固定された仮想回転軸k-AXの周りのモーメントを生成する本体部610と、本体部610をユーザの身体に装着するベルト620と、から構成される。

【0017】
本実施形態では、仮想回転軸k-AXは、ユーザの股関節をユーザの身体の幅方向に貫いており、この仮想回転軸k-AXの周りに往復回転運動が可能な往復回転運動部としての右大腿部CRに、本体部610が装着されている。本体部610は、ユーザの右側の股関節に、右大腿部CRの動きを妨げる向きのモーメントを付与する。

【0018】
他方の身体装着具700も同様に、仮想回転軸k-AXの周りのモーメントを生成する本体部710と、本体部710を、往復回転運動部としての左大腿部CLに装着するベルト720と、から構成される。本体部710は、ユーザの左側の股関節の周りに、左大腿部CLの動きを妨げる向きのモーメントを付与する。

【0019】
左右一対の身体装着具600及び700において、本体部610及び710の構成及び作用は同様である。そこで、以下では、代表して一方の身体装着具600の本体部610の構成及び作用について、詳細に説明する。

【0020】
図2に示すように、本体部610は、仮想回転軸k-AXの周りのモーメントを生成するモーメント生成器100と、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの角速度を計測する計測器200と、ユーザによって操作される操作器300と、操作器300でなされた操作及び計測器200の計測結果に応じて、モーメント生成器100を制御する制御器400と、上記モーメント生成器100、計測器200、操作器300、及び制御器400に電力を供給するバッテリ500と、を備える。以下、まず、モーメント生成器100について具体的に説明する。

【0021】
図3に示すように、モーメント生成器100は、フライホイール110と、フライホイール110を自転させる自転用モータ120と、フライホイール110及び自転用モータ120を保持する保持部材130と、自己に対して固定された仮想揺動軸i-AXの周りに保持部材130を回転可能に保持する基枠140と、基枠140に固定され、保持部材130を仮想揺動軸i-AXの周りに回転させる揺動用モータ150と、を有する。

【0022】
基枠140は、図1に示したベルト620によって、ユーザの右大腿部CRに固定される。即ち、仮想揺動軸i-AXは、ユーザの右大腿部CRに対して固定される。

【0023】
フライホイール110は、仮想揺動軸i-AXの周りに保持部材130を回転させたときに、仮想揺動軸i-AXの周りに傾くような向きで、保持部材130に取り付けられている。つまり、フライホイール110の自転の中心軸を表す仮想自転軸j-AXは、仮想揺動軸i-AXと平行でない。

【0024】
具体的には、仮想自転軸j-AXは、仮想揺動軸i-AXと交差している。より具体的には、仮想自転軸j-AXは、フライホイール110の重心Gの位置において、仮想揺動軸i-AXと直交している。

【0025】
揺動用モータ150によって、仮想揺動軸i-AXの周りに保持部材130を回転させると、仮想自転軸j-AXと仮想揺動軸i-AXとが直交関係を保ったまま、フライホイール110が、保持部材130と共に仮想揺動軸i-AXの周りに傾く。保持部材130は仮想揺動軸i-AXの周りのいずれの回転方向にも回転可能であるため、フライホイール110は、仮想揺動軸i-AXの周りに揺動可能である。

【0026】
図4に示すように、フライホイール110は、仮想揺動軸i-AXの周りに、2・φamp[rad]の角度の範囲内で揺動可能である。ここで、φampは、予め定められた角度であり(但し、φamp<πとする。)、本実施形態では、φamp=π/6である。なお、図4では、理解を容易にするために、身体装着具600の構成要素のうちのフライホイール110のみを代表して示した。

【0027】
次に、仮想揺動軸i-AX及び仮想自転軸j-AXと、図1にも示した仮想回転軸k-AXとの位置関係、及びフライホイール110によって生成されるモーメントの向きについて、図5を参照して説明する。なお、図5では、理解を容易にするために、身体装着具600については、フライホイール110のみを代表して示す。

【0028】
図5に示すように、フライホイール110は、ユーザの右大腿部CRの、股関節から遠く、膝に近い方の端部に固定される。股関節を貫く仮想回転軸k-AXと、フライホイール110の重心Gとの距離を表す仮想直線(以下、仮想中立線という。)NLは、右大腿部CRと略平行に延在する。

【0029】
自転中のフライホイール110を、仮想揺動軸i-AXの周りに回転させたときに、仮想回転軸k-AXの周りにモーメントが発生するような向きで、図3に示した基枠140が、図1に示したベルト620によって右大腿部CRに固定される。

【0030】
具体的には、仮想揺動軸i-AXは、仮想回転軸k-AXに対してねじれの位置をなす向きで、右大腿部CRに対して固定される。図5には、仮想揺動軸i-AXが、仮想回転軸k-AXと直交する仮想平面内において、仮想中立線NLと直角をなす向きで、右大腿部CRに対して固定されている様子を示す。また、図5には、仮想自転軸j-AXが、仮想中立線NLの延長線上に位置している状態を示す。

【0031】
以下、フライホイール110によって仮想回転軸k-AXの周りに生成されるモーメントの向きを説明するために、まず、各軸のプラス方向/マイナス方向と、各軸に対する時計回り/反時計回りの方向とを定義する。

【0032】
仮想回転軸k-AXのプラス方向とは、ユーザにとって左から右に向かう方向を指す。その逆の方向を仮想回転軸k-AXのマイナス方向とする。図1及び図4では、プラス方向を向いた矢印によって仮想回転軸k-AXを表した。

【0033】
また、仮想回転軸k-AXに対して時計回りとは、右ねじを仮想回転軸k-AXのプラス方向に螺進させるために、右ねじを回す方向を指す。その逆の方向を仮想回転軸k-AXに対して反時計回りとする。

【0034】
仮想揺動軸i-AXのプラス方向とは、右大腿部CRの背面CRbから前面CRfに向かう方向、換言すると、仮想回転軸k-AXに対して時計回りの方向を指す。その逆の方向を仮想揺動軸i-AXのマイナス方向とする。図3及び図5では、プラス方向を向いた矢印によって仮想揺動軸i-AXを表した。

【0035】
また、仮想揺動軸i-AXに対して時計回りとは、右ねじを仮想揺動軸i-AXのプラス方向に螺進させるために、右ねじを回す方向を指す。その逆の方向を仮想揺動軸i-AXに対して反時計回りとする。

【0036】
図4に戻り、ここで、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの揺動動作について補足説明する。フライホイール110は、仮想自転軸j-AXが、仮想中立線NLの延長線上に位置した状態(以下、非傾斜状態という。)を基準として、仮想揺動軸i-AXに対して、時計回り及び反時計回りのいずれの回転方向にも、最大で角度振幅φampだけ回転可能である。既述のように、本実施形態では、φamp=π/6である。

【0037】
なお、仮想揺動軸i-AXが仮想中立線NLと直角をなさないために、仮想自転軸j-AXが、仮想中立線NLの延長線上に位置しえない場合もありうる。その場合は、仮想自転軸j-AXと仮想中立線NLとのなす最大角が最も小さくなる状態を、上記非傾斜状態とみなすものとする。

【0038】
次に、仮想自転軸j-AXのプラス方向/マイナス方向と、仮想自転軸j-AXに対する時計回り/反時計回りの方向を定義する。仮想自転軸j-AXのプラス方向とは、フライホイール110の非傾斜状態において、仮想回転軸k-AXから遠ざかる方向を指す。その逆の方向を仮想自転軸j-AXのマイナス方向とする。図3~図5では、プラス方向を向いた矢印によって仮想自転軸j-AXを表した。

【0039】
また、仮想自転軸j-AXに対して時計回りとは、右ねじを仮想自転軸j-AXのプラス方向に螺進させるために、右ねじを回す方向を指す。その逆の周方向を仮想自転軸j-AXに対して反時計回りとする。

【0040】
図5に戻り、次に、フライホイール110によって仮想回転軸k-AXの周りに生成されるモーメントの大きさ及び向きについて説明する。

【0041】
仮想自転軸j-AXの周りに自転中のフライホイール110を、仮想揺動軸i-AXの周りに回転させたとき、仮想回転軸k-AXの周りに、I・ω・ωに比例するモーメントが発生する。

【0042】
ここで、Iは、フライホイール110の仮想自転軸j-AXの周りの慣性モーメントである。ωは、フライホイール110の仮想自転軸j-AXの周りの角速度であり、仮想自転軸j-AXに対して時計回りを正、反時計回りを負とする。ωは、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの角速度であり、仮想揺動軸i-AXに対して時計回りを正、反時計回りを負とする。

【0043】
モーメントは、正の値のとき、仮想回転軸k-AXに対して時計回りであり、負の値のとき、反時計回りであることを意味する。即ち、フライホイール110の自転の回転方向のみならず、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの回転方向によっても、モーメントの向きを調整できる。

【0044】
例えば、仮想自転軸j-AXに対して時計回りに自転中のフライホイール110を、仮想揺動軸i-AXに対して時計回りに回転させると、仮想回転軸k-AXに対して時計回りのモーメントMCWが発生する。この状態から、フライホイール110を仮想揺動軸i-AXに対して反時計回りに回転させると、仮想回転軸k-AXに対して反時計回りのモーメントMCCWが発生する。このように、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの回転方向によって、ユーザに付与するモーメントの向きを調整できる。

【0045】
そこで、右大腿部CRの動きに応じて、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの回転方向を制御することで、ユーザの動きに追随させた負荷の付与が可能となる。なお、ユーザの動きは、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの角速度ωの値よって観測できる。

【0046】
具体的には、次のような負荷制御が可能となる。角速度ωが正の値の期間、即ち右大腿部CRが仮想回転軸k-AXに対して時計回りに回転している期間に、フライホイール110を仮想揺動軸i-AXに対して反時計回りに回転させることで、ユーザにモーメントMCCWを付与する。一方、角速度ωが負の値の期間、即ち右大腿部CRが仮想回転軸k-AXに対して反時計回りに回転している期間には、フライホイール110を仮想揺動軸i-AXに対して時計回りに回転させることで、ユーザにモーメントMCWを付与する。

【0047】
このようにして、ユーザの身体に歩行又は疾走を妨げるモーメントを付与することで、ユーザのトレーニングを支援できる。図2に示した計測器200及び制御器400によって、このような負荷制御が実現される。

【0048】
図2に戻り、具体的に説明する。計測器200が、上述した、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの角速度ωを計測する。制御器400は、計測器200で計測された角速度ωの値に基づいて、揺動用モータ150を制御することにより、上記負荷制御を実現する。

【0049】
なお、本実施形態では、制御器400は、自転用モータ120の制御は行うが、計測器200の計測結果に基づいた自転用モータ120の制御は行わない。制御器400は、上記負荷制御を行う間は、自転用モータ120を定速で回転させる。

【0050】
制御器400は、制御プログラム410を記憶している。制御プログラム410には、上記負荷制御の手順が記述されている。制御器400は、制御プログラム410を実行することにより、上記負荷制御を実現するマイクロプロセッサを内蔵している。以下、制御プログラム410によって実現される負荷制御について、図6及び図7を参照し、具体的に説明する。

【0051】
前提として、フライホイール110は、上記非傾斜状態を基準として、仮想揺動軸i-AXに対して反時計回りにφampだけ回転した状態にあるものとする。また、ユーザは、操作器300に対して、負荷制御を開始する旨の操作を行い、直立状態から、右大腿部CRを前方に振り出すことで、疾走を開始するものとする。

【0052】
図6において、制御器400は、負荷制御を開始する旨の操作が操作器300においてなされたことを検出すると(ステップS1;YES)、自転用モータ120をONし、フライホイール110の仮想自転軸j-AXに対する時計回りの定速回転運動を開始させると共に、フラグFに1を代入する(ステップS2)。

【0053】
次に、制御器400は、計測器200で計測された、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの角速度ωが正であるか、負であるかを判別する(ステップS3)。このステップS3は、角速度ωの値によって、右大腿部CRが仮想回転軸k-AXに対して時計回りに回転しているか、反時計回りに回転しているかを判別する回転方向判別動作を表す。

【0054】
上述のように、ユーザは、右大腿部CRを前方に振り出す動作から疾走を開始するため、疾走の開始直後は、角速度ωが正の値を示す。制御器400は、角速度ωが正の場合(ステップS3;ω≧0)、フラグFがゼロであるか否かを判定する(ステップS4)。

【0055】
制御器400は、ステップS2でフラグFに1を代入したため、ステップS4で、NOと判別する。次に、制御器400は、負荷制御を終了する旨の操作が操作器300でなされたか否かを判別し(ステップS7)、負荷制御を終了しない場合(ステップS7;NO)、ステップS3に戻る。このようにして、疾走の開始直後は、ステップS3→S4→S7→S3のフローが繰り返される。

【0056】
図7(A)に示すように、ユーザが右脚を振る向きを前方から後方に切り替えた瞬間、即ち、ユーザが右脚を後方に振り始めた瞬間に、角速度ωが、正の値から負の値に切り替わる。つまり、制御器400は、角速度ωが正から負に切り替わったことをもって、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの回転方向が、時計回りから反時計回りに切り替わったことを検出する。

【0057】
図6に戻り、制御器400は、角速度ωが正から負に切り替わったことを検出すると(ステップS3;ω<0)、フラグFが1であるか否かを判定する(ステップS8)。制御器400は、ステップS2でフラグFに1を代入したため、ステップS8で、YESと判別する。

【0058】
次に、制御器400は、フライホイール110が、仮想揺動軸i-AXに対して時計回りに角度2・φampだけ回転するように、揺動用モータ150を制御する第1制御動作を行う(ステップS9)。これにより、図7(A)に示した体勢にあるユーザの、股関節の周りに、右大腿部CRの後方への振り出しを妨げる向きのモーメントMCWが付与される。

【0059】
次に、制御器400は、フラグFにゼロを代入し(ステップS10)、まだ負荷制御を終了しない場合(ステップS7;NO)、ステップS3に戻る。次に、制御器400は、ステップS3でωkが負であることを判別し、先のステップS10でフラグFにゼロを代入したため、ステップS8ではNOと判別する。このようにして、ユーザにモーメントMCWを付与した直後は、ステップS7→S3→S8のフローが繰り返される。

【0060】
図7(B)に示すように、ユーザが右脚を振る向きを後方から前方に切り替えた瞬間、即ち、ユーザが右脚を前方に振り始めた瞬間に、角速度ωが負から正に切り替わる。つまり、制御器400は、角速度ωが負から正に切り替わったことをもって、右大腿部CRの仮想回転軸k-AXの周りの回転方向が、反時計回りから時計回りに切り替わったことを検出できる。

【0061】
図6に戻り、制御器400は、角速度ωの値が、負の値から正の値に切り替わったことを検出すると(ステップS3;ω≧0)、フラグFがゼロであるか否かを判定する(ステップS8)。制御器400は、先のステップS10でフラグFにゼロを代入したため、ステップS4で、YESと判別する。

【0062】
次に、制御器400は、フライホイール110が、仮想揺動軸i-AXに対して反時計回りに角度2・φampだけ回転するように、揺動用モータ150を制御する第2制御動作を行う(ステップS5)。これにより、図7(B)に示した体勢にあるユーザの股関節の周りに、右大腿部CRの前方への振り出しを妨げる向きのモーメントMCCWが付与される。

【0063】
次に、制御器400は、フラグFに1を代入し(ステップS6)、負荷制御を終了するか否かの判定に移行する(ステップS7)。以上のようにして、制御器400は、ユーザが疾走する過程で、図7(A)と(B)の各体勢のユーザに、疾走を妨げる向きのモーメントを付与する。

【0064】
制御器400は、負荷制御を終了する旨の操作が操作器300でなされたことを検出すると(ステップS7;YES)、自転用モータ120をOFFし、負荷制御を終了する。

【0065】
以上、右大腿部CRに装着される身体装着具600について説明した。以上の説明を参酌すれば、同様にして、左大腿部CLの往復回転運動に負荷を与えるように、図1に示す身体装着具700を構成できることは、当業者に理解できるであろう。

【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザの身体に付与するモーメントの向きを、フライホイール110を揺動させる揺動用モータ150によって調整できる。揺動用モータ150は、自転用モータ120よりも、フライホイール110が自転の角運動量を保持しようとすることに起因する抵抗を受けにくい。このため、自転用モータ120のみでモーメントの向きを調整する場合に比べて、ユーザ身体の動きに応じたモーメントの調整に遅れが生じにくい。従って、ユーザが疾走する場合等、ユーザの動きが機敏な場合であっても、ユーザのトレーニングを適切に支援できる。

【0067】
[実施形態2]
上記実施形態1では、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの回転角の大きさを予め定められた値に固定したが、この回転角度の大きさを、計測器200の計測結果に応じて可変に制御することで、モーメント生成器100が身体に付与するモーメントの大きさを調整できるようにしてもよい。以下、その具体例を説明する。

【0068】
図8に示すように、本実施形態では、仮想回転軸k-AXは、着座したユーザの腰椎を身体の幅方向に貫くように想定される。身体装着具900は、仮想回転軸k-AXの周りにモーメントを生成する本体部910と、本体部910を、仮想回転軸k-AXの周りに往復回転運動が可能な往復回転運動部としての胸部BUに装着するベルト920と、から構成される。

【0069】
本体部910を構成するモーメント生成器100は、ユーザに対して前後方向に延びる仮想揺動軸i-AXの周りに揺動可能なフライホイール110と、フライホイール110を仮想揺動軸i-AXの周りに回転させる揺動用モータ150と、フライホイール110を自転させる自転用モータ120とを有する。

【0070】
自転中のフライホイール110が、揺動用モータ150によって仮想揺動軸i-AXの周りに回転されたときに、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの角速度に応じたモーメントが、仮想回転軸k-AXの周りに生成される。

【0071】
本体部910はまた、着座したユーザの胸部BUの、仮想回転軸k-AXの周りの回転角θを計測する計測器200’と、計測器200’で計測された回転角θに基づいて、揺動用モータ150を制御する制御器800と、を有する。

【0072】
計測器200’は、鉛直に延びる仮想鉛直軸VLに対する胸部BUの回転角θを計測する。回転角θの値は、仮想鉛直軸VLを基準として、仮想回転軸k-AXに対し時計回りと反時計回りのいずれか一方の方向をプラス、他方の方向をマイナスとする。

【0073】
図9に示すように、制御器800は、胸部BUの回転角θの目標値θdvを記憶した目標値記憶部810と、その目標値θdvと計測器200’で計測された回転角θとの偏差θdv-θを算出する比較部820と、比較部820で算出される偏差θdv-θがゼロに近づくように、アクチュエータとしてのモーメント生成器100を制御する制御部830と、を有する。

【0074】
具体的には、制御部830は、モーメント生成器100における揺動用モータ150を制御する。本実施形態では、揺動用モータ150は、PWM(Pulse Width Modulation)制御が可能である。そして、制御部830は、揺動用モータ150を駆動するパルス電圧のデューティ比dutyによって、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの角速度ωを制御する。

【0075】
フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの角速度ωを制御することで、身体SYの仮想回転軸k-AXの周りに生成されるモーメントMが調整される。すると、モーメントMが調整されたことで、胸部BUの回転角θが変化し、変化した回転角θの値が比較部820にフィードバックされる。

【0076】
そして、再び制御部830が、揺動用モータ150を駆動するパルス電圧のデューティ比dutyを、偏差θdv-θがゼロに近づくように制御する。このようにして、偏差θdv-θをゼロに近づけるフィードバック制御が行われる。

【0077】
具体的には、制御部830は、偏差θdv-θに比例してフライホイール110の角速度ωを決定する比例制御、偏差θdv-θの過去の値の総和に比例してフライホイール110の角速度ωを決定する積分制御、及び偏差θdv-θの前回の値との差分に比例してフライホイール110の角速度ωを決定する微分制御、から選択される1つ以上の制御を行う。

【0078】
ここで、前回の値とは、計測器200’の1サンプリング周期だけ過去の値という意味である。また、比例制御、積分制御、及び微分制御から選ばれる複数の制御を行う場合は、各制御による決定値にゲインを掛けて加算した加重和によって角速度ωが決定される。

【0079】
本実施形態では、目標値θdvは、0[rad]である。図8において、制御器800が行うフィードバック制御により、回転角θが0[rad]に収束し、ユーザの胸部BUが仮想鉛直軸VL上に位置するように、ユーザの姿勢が矯正される。

【0080】
本実施形態によれば、ユーザに付与するモーメントを、自転用モータ120ではなく、揺動用モータ150によって調整するため、ユーザの動きに応じたモーメントの調整に遅れが生じにくい。この結果、回転角θにハンティングが生じにくく、ユーザの姿勢をすみやかに矯正できる。

【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限られない。例えば、以下の変形も可能である。

【0082】
(1)上記実施形態1では、計測器200の計測結果に基づいて、揺動用モータ150のみを制御したが、計測器200の計測結果に基づいて、揺動用モータ150及び自転用モータ120を制御してもよい。その場合でも、自転用モータ120のみでモーメントの向きを調整する場合に比べて、身体の動きに応じたモーメントの調整に遅れが生じにくい。

【0083】
(2)上記実施形態1では、理解を容易にするために、図4で、フライホイール110が仮想揺動軸i-AXの周りに2π[rad]以上回転しないこととしたが、フライホイール110が仮想揺動軸i-AXの周りに2π[rad]以上回転する構成としてもよい。その場合、仮想自転軸j-AXにプラス方向/マイナス方向を定義できないが、フライホイール110の自転の向きは、角運動量ベクトルの向きで特定される。フライホイール110の仮想自転軸j-AXの周りの角運動量ベクトルをL、フライホイール110の仮想揺動軸i-AXの周りの角運動量ベクトルをLとすると、L×Lの方向を向くベクトルで表されるモーメントが、仮想回転軸k-AXの周りに生じる。ここで“×”は外積を表す。従って、Lによって、モーメントの向き及び大きさを制御できる。

【0084】
また、生成されるモーメントがL×Lの方向を向くベクトルで表されることから、身体の所望の位置に想定した仮想回転軸k-AXの周りにモーメントを生成するにあたり、仮想揺動軸i-AXと仮想自転軸j-AXをどのような向きに設定すればよいかは、当業者に理解できるであろう。

【0085】
(3)上記実施形態1では、身体装着具600及び700が、ユーザの動きを妨げる向きのモーメントをユーザの身体に付与したが、ユーザの動きをアシストする向きのモーメントをユーザの身体に付与するようにしてもよい。

【0086】
(4)上記実施形態1では、計測器200が右大腿部CRの角速度を計測したが、要は、計測器200の計測結果によって角速度が特定できればよい。計測器200が第1次的にいかなる物理量を計測するかは、特に限定されない。例えば、計測器200は、右大腿部CRの加速度を計測してもよい。加速度を角速度に換算できる。

【0087】
実施形態2に係る計測器200’についても同様、要は、計測器200’の計測結果によって回転角が特定できればよい。従って、例えば、計測器200’は角速度や角加速度を計測してもよく、それらの積分によって回転角を特定できる。

【0088】
要するに、計測器200及び200’は、角速度若しくは回転角、又はそれら角速度及び回転角に依存する物理量を計測するものであればよい。

【0089】
(5)上記実施形態1及び2では、それぞれユーザにとって前後方向に往復回転運動する右大腿部CR及び胸部BUに身体装着具600及び900を装着したが、往復回転運動の概念には、仮想回転軸の周りのねじり運動も含まれるものとする。即ち、身体装着具は、例えば、ユーザの身体を鉛直に貫く仮想回転軸の周りにねじり運動が可能な、体幹部に装着され、そのねじり運動に負荷を与えたり、そのねじり運動をアシストしたり、そのねじり角度が目標値に収束するよう姿勢の矯正を行うものであってもよい。

【0090】
(6)上記実施形態1及び2では、人の身体に装着される身体装着具600、700、及び900について説明したが、身体装着具は、人以外の動物のトレーニングやアシストのために、その動物の身体に装着されるものであってもよい。

【0091】
本発明は、その広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされる。上記実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。請求の範囲内及びそれと同等の範囲内で施される変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0092】
100…モーメント生成器、110…フライホイール、120…自転用モータ、130…保持部材、140…基枠、150…揺動用モータ、200,200’…計測器、300…操作器、400…制御器、410…制御プログラム、500…バッテリ、600,700,900…身体装着具、610,710,910…本体部、620,720,920…ベルト、800…制御器、810…目標値記憶部、820…比較部、830…制御部、k-AX…仮想回転軸、i-AX…仮想揺動軸、j-AX…仮想自転軸、NL…仮想中立線、VL…仮想鉛直軸、SY…身体、CR…右大腿部(往復回転運動部)、CRb…背面、CRf…前面、CL…左大腿部(往復回転運動部)、BU…胸部(往復回転運動部)、G…重心、φamp…角度振幅(第1角度、第2角度)、M,MCW,MCCW…モーメント、ω…右大腿部の角速度、θ…胸部の回転角、θdv…目標値、duty…デューティ比。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8