TOP > 国内特許検索 > マイクロ波プラズマ処理装置 > 明細書

明細書 :マイクロ波プラズマ処理装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成30年1月25日(2018.1.25)
発明の名称または考案の名称 マイクロ波プラズマ処理装置
国際特許分類 H05H   1/24        (2006.01)
C23C  16/511       (2006.01)
FI H05H 1/24
C23C 16/511
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 20
出願番号 特願2017-502351 (P2017-502351)
国際出願番号 PCT/JP2016/055064
国際公開番号 WO2016/136669
国際出願日 平成28年2月22日(2016.2.22)
国際公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
優先権出願番号 2015038677
優先日 平成27年2月27日(2015.2.27)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】金 載浩
【氏名】▲榊▼田 創
出願人 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100107515、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 浩一
【識別番号】100107733、【弁理士】、【氏名又は名称】流 良広
【識別番号】100115347、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 奈緒子
【識別番号】100163038、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 武志
審査請求
テーマコード 2G084
4K030
Fターム 2G084AA02
2G084AA03
2G084AA05
2G084AA07
2G084AA18
2G084AA24
2G084AA25
2G084AA26
2G084BB01
2G084BB02
2G084BB13
2G084BB37
2G084CC14
2G084CC33
2G084CC34
2G084DD16
2G084DD25
2G084DD43
2G084DD48
2G084FF02
2G084FF07
2G084FF11
2G084FF12
2G084FF39
2G084FF40
2G084GG04
2G084GG08
2G084GG16
2G084GG18
2G084GG30
4K030AA10
4K030AA16
4K030AA17
4K030BA28
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA01
4K030KA30
4K030LA15
要約 誘電体基板の内部の複雑で長いガス流路をなくして、プラズマの生成と維持が安定したマイクロ波プラズマ処理装置であって、低気圧に限らず中間気圧及び高気圧においても高い一様性と高密度、かつ安定な低温プラズマを発生することが可能なマイクロ波プラズマ処理装置を提供する。誘電体基板、マイクロ波入力部、マイクロストリップ線路、アース導体、ガス入力口、プラズマ発生部、プラズマを吹き出させるためのノズル等を備えるマイクロプラズマ処理装置において、前記ガス入力口を、前記アース導体又はマイクロストリップ線路に設け、好ましくは、該ガス入力口の直径が、ガス入力口の断面により決まる遮断波長より小さくして、マイクロ波が漏れないようにする。
特許請求の範囲 【請求項1】
誘電体基板と、
前記誘電体基板の表面と裏面とのうちのいずれかの面である第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたマイクロストリップ線路と、
前記誘電体基板の前記第1の面と反対側の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたアース導体と、
前記誘電体基板の一方の端部
に設けられた、前記マイクロストリップ線路と前記アース導体との間にマイクロ波を入力するためのマイクロ波入力部と、
前記マイクロ波入力部から入力されたマイクロ波によりプラズマを発生させるための空間であり、かつ、前記マイクロストリップ線路と前記アース導体との間に設けられた空間であるプラズマ発生部と、
前記アース導体又は前記マイクロストリップ線路に設けられた、前記プラズマ発生部にガスを供給するためのガス入力口と、
前記プラズマ発生部に供給されるガスとマイクロ波により発生するプラズマを、前記誘電体基板の他方の端部から吐出させるためのノズルと、
を備えることを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記ガス入力口の直径が、前記ガス入力口の断面により決まる遮断波長より小さい、請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項3】
前記誘電体基板の第1の面又は第2の面に、前記マイクロストリップ線路又は前記アース導体板をはめ込む溝を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項4】
前記誘電体基板が、該誘電体基板の他方の端部に向けて厚みが徐々に小さくなる形状のテーパー部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項5】
前記アース導体又は前記マイクロストリップ線路に二つ以上のガス入力口を設け、それぞれのガス入力口に異なるガス種を供給することで、プラズマ放電特性及びプラズマ処理特性を変えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項6】
前記アース導体又は前記マイクロストリップ線路に二つ以上のガス入力口を設け、いずれかのガス入力口に液状材料の気化供給手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項7】
前記誘電体基板に前記マイクロストリップ線路が設けられた面に接して設けられた第2の誘電体基板と、
前記第2の誘電体基板の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第2のアース導体と、
前記マイクロストリップ線路と前記第2のアース導体との間に設けられた空間である第2のプラズマ発生部と、
前記第2のプラズマ発生部にガスを供給するために、前記第2のアース導体に設けられた第2のガス入力口と、
前記第2のガス入力口にガスを供給するために設けられた第2のガス供給手段と、
前記第2のプラズマ発生部に供給されるガスとマイクロ波により発生するプラズマを、前記第2の誘電体基板の他方の端部から吐出させるための第2のノズルと、
を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のマイクロ波プラズマ装置を、前記誘電体基板と前記アース導体を共用して、横に並べることで、長い長軸のプラズマを発生させるように構成したマイクロ波プラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに1項記載のマイクロ波プラズマ装置を、希ガス、又は反応性ガス、又は希ガスと反応性ガスの混合ガスを供給し、
低気圧又は中間気圧又は高気圧においてプラズマを発生させるようにしたマイクロ波プラズマ処理装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波電力によりプラズマを発生させて、ウエハ等の被処理基板に、プラズマを使用したCVD(化学気相合成)、エッチング、アッシング(レジスト灰化処理)、プラズマ窒化等の処理、及び空気清浄等を施す、マイクロ波プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、材料開発や生産技術等における多くの分野でプラズマ処理技術は不可欠なものになっている。プラズマは高いに非熱平衡性を持ちながら、高密度のラジカルを生成することができるので低温ドライプロセス技術に広く使われている。
【0003】
低気圧(1torr以下)、及び中間気圧(1torr~100torr)から大気圧間の圧力下におけるプラズマ源の一つとして、プラズマジェットが利用されている。プラズマジェットは装置のノズルからプラズマを吹き出すので、ウエハ等の被処理基板に、プラズマを使用したCVD(化学気相合成)、エッチング、アッシング(レジスト灰化処理)、プラズマ窒化、及び空気清浄、滅菌・殺菌等の処理を施す、有用なものである。
【0004】
現在、プラズマジェットを生成させるには、直流アーク放電又は直流パルス放電を用いる方法がよく知られている。しかし、直流アーク放電又は直流パルス放電を用いる方法は、電極が劣化しやすいこと、反応性ガスの使用ができないこと、等の様々な問題を有している。
【0005】
また、誘電体バリア放電を用いる方法がよく知られている。しかし、誘電体バリア放電を用いる方法では、フィラメント状の放電が発生する、高密度のラジカル生成ができないこと、等の様々な問題を有している。
【0006】
また、無電極方式のプラズマジェット生成装置も知られている。例えば、VHF帯(30-300MHz)の高周波を用いた誘導結合式熱プラズマ発生装置が提案されている(特許文献1参照)。しかし、提案されているプラズマジェット生成装置はインピーダンスマッチングが複雑であること、構造上の問題で大規模化ができないこと、かつ高電圧の電気回路を用いるので装置の製作上及び運転上における様々な限界と問題点を有している。
【0007】
一方、マイクロ波を用いてプラズマジェットを生成すると次のような利点がある。
(1)マイクロ波電源が安い。
(2)無電極運転が可能であり、放電維持寿命が長い。
(3)インピーダンスマッチングが簡単な素子で可能。
(4)マイクロ波とプラズマのカップリング効率がよい。
(5)外部への放射損失が少なく,必要なところに電力を集中させることができる。
(6)大気圧を含め広い圧力範囲において安定な高密度プラズマが生成する。
【0008】
ところが、従来のマイクロ波電力を用いたプラズマ発生装置ではマイクロ波伝送線路として金属管である導波管を用いており、マイクロ波伝送回路の構造が大型かつ高価になることや低電力での運転が難しい、等の問題点を有している。
【0009】
最近では、従来の導波管の代わりに、小電力用マイクロ波伝送線路であるマイクロストリップ線路を用いてプラズマジェット生成装置を製作する方法が提案されている(特許文献2、3、及び非特許文献1、2参照)。
【0010】
図15に、従来のマイクロストリップ線路を用いたプラズマジェット生成装置の一例の斜視図を示す。この装置は、誘電体基板1の一方の端部断面に設けられたマイクロ波入力部13、誘電体基板1の他方の端部に向けて形成されたテーパー部14、誘電体基板1の内部に設けられたガス流路23、誘電体基板1の一方の面に設けられたマイクロ波電力伝送用のマイクロストリップ線路11、誘電体基板1の他方の一面を覆うアース導体12、該マイクロストリップ線路11と該アース導体12の間に設けたプラズマ発生部25、及びにプラズマを吐出させるノズル24で構成されている。
該プラズマジェット生成装置においては、ガスは、誘電体の基板1の側面に設けた二つのガス入力口22、22から入力されてガス流路23、23を通って、プラズマ発生部25で合流し、幅10mmのノズル24から誘電体基板1の外部に吹き出る。
マイクロ波(2.45GHz)電力は、同軸用マイクロ波コネクト31を通って誘電体基板1の内に導入され、マイクロストリップ線路11とアース導体12の間を伝搬し、プラズマ生成部25のところに集中する。これにより、プラズマが発生し、ガス流と共にノズル24から誘電体基板1の外部に吹き出る。
【0011】
一方、プラズマプロセスにおいて生産性を高めるために、大面積にプラズマ処理が可能な広い幅を持つプラズマジェットの開発が強く要求されている。前述のマイクロストリップ線路を用いたプラズマ発生装置は、その構造上、誘電体基板、アース導体等を共用してマイクロストリップ線路をアレイすることにより大規模化が可能であるので(特許文献2参照)、その将来性が期待されている。
【先行技術文献】
【0012】

【特許文献1】特開2003-109795号公報
【特許文献2】特開2007-299720号公報
【特許文献3】特開2008-282784号公報
【0013】

【非特許文献1】Susanne Schemer, et. al., “An improved microstrip plasma for optical emission spectrometry of gaseous species”, Spectrochimica Acta Part B: Atomic Spectroscopy, Vol.56, pp. 1585-1596 (2003).
【非特許文献2】Jaeho Kim, et. al., “Microwave-excited atmospheric-pressure plasma jets using a microstrip line”, Applied Physics Letters, Vol.93, 191505 (2008).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来のマイクロストリップ線路を用いたプラズマ装置では、ガス入力口が誘電体の側面に設けられるため、誘電体の内部に複雑で長いガス流路を設けてあり、誘電体加工に高度な技術が必要になる。その結果、製作時間と費用が多く掛かる問題がある。
また、誘電体内に設ける長いガス流路のため、マイクロ波伝搬の特性インピーダンスの不連続面が広く生じる。そのため、マイクロ波伝搬においてマイクロ波の反射波が大きくなり、インピーダンスマッチングに悪影響が及ぶ。その結果、プラズマの生成と維持が不安定になることがある。
【0015】
また、従来のプラズマを用いた低温処理は低気圧(1torr以下)で行われているため、高価な高真空装置が必要で装置にコストがかかるだけでなく、処理に時間がかかり、結果として製品のコストが高くなるなど、工業的には不利であった。そのため、より高圧の中間気圧(1torr~100torr)で、又は高気圧(100torr~760torr)の圧力において非熱平衡プラズマを発生させる方法が要求されていた。
【0016】
また、従来では、プラズマジェットを大規模化する具体的な技術、例えば、広い幅のノズルに一様なガス流を供給する方法、等が開発されておらず、広い幅のプラズマジェットを提供するのは困難であった。
【0017】
本発明は、以上のような事情に鑑み、誘電体基板の内部の複雑で長いガス流路をなくして、プラズマの生成と維持が安定したマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、低気圧に限らず中間気圧から大気圧までの高気圧でも低温の広い幅のプラズマジェットを安定して発生させることができるマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記プラズマ発生部にガスを供給するためのガス入力口を、前記アース導体又は前記マイクロストリップ線路に設けることにより、誘電体基板の内部の複雑で長いガス流路をなくすとともに、高度な誘電体の加工技術を不要とし、製作時間及び費用を減らすことができることが判明した。また、前記ガス入力口のサイズを遮断波長より小さくすることにより、マイクロ波が前記ガス入力口を突き抜けることができなくなり、マイクロ波伝搬特性に影響することなく、ガスを前記プラズマ発生部に供給することができることも判明した。
【0019】
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0020】
すなわち、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の表面と裏面とのうちのいずれかの面である第1の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたマイクロストリップ線路と、
前記誘電体基板の前記第1の面と反対側の第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられたアース導体と、
前記誘電体基板の一方の端部に設けられた、前記マイクロストリップ線路と前記アース導体との間にマイクロ波を入力するためのマイクロ波入力部と、
前記マイクロ波入力部から入力されたマイクロ波によりプラズマを発生させるための空間であり、かつ、前記マイクロストリップ線路と前記アース導体との間に設けられた空間であるプラズマ発生部と、
前記アース導体又は前記マイクロストリプ線路に設けられた、前記プラズマ発生部にガスを供給するためのガス入力口と、
前記プラズマ発生部に供給されるガスとマイクロ波により発生するプラズマを、前記誘電体基板の他方の端部から吐出させるためのノズルと、
を備えることを一つの主要な特徴としている。
【0021】
更に、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、前記ガス入力口の直径が、前記ガス入力口の断面により決まる遮断波長より小さいガス入力口を備えることをもう一つの特徴としている。
【0022】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、前記誘電体基板の第1の面又は第2の面に、前記マイクロストリップ線路又は前記アース導体板をはめ込む溝を備えることをもう一つの特徴としている。
【0023】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
前記誘電体基板が、該誘電体基板の他方の端部に向けて厚みが徐々に小さくなる形状のテーパー部を備えることをもう一つの特徴としている。
【0024】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
前記アース導体又は前記マイクロストリプ線路に二つ以上のガス入力口を設け、それぞれのガス入力口に異なるガス種を供給することで、プラズマ放電特性及びプラズマ処理特性を変えられるようにしたことをもう一つの特徴としている。
【0025】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
前記アース導体又は前記マイクロストリプ線路に二つ以上のガス入力口を設け、いずれかのガス入力口に液状材料の気化供給手段を備え、液状材料をプラズマ化することをもう一つの特徴としている。
【0026】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
前記誘電体基板に前記マイクロストリップ線路が設けられた面に接して設けられた第2の誘電体基板と、
前記第2の誘電体基板の一方の端部から他方の端部に渡って設けられた第2のアース導体と、
前記マイクロストリップ線路と前記第2のアース導体との間に設けられた空間である第2のプラズマ発生部と、
前記第2のプラズマ発生部にガスを供給するために、前記第2のアース導体に設けられた第2のガス入力口と、
前記第2のプラズマ発生部に供給されるガスとマイクロ波により発生するプラズマを、前記第2の誘電体基板の他方の端部から吐出させるための第2のノズルと、
を備えることをもう一つの特徴としている。
【0027】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、
前記誘電体基板と前記アース導体を共用して、横に並べることで、長い長軸のプラズマを発生させるように構成することをもう一つの特徴としている。
【0028】
更にまた、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、希ガス、又は反応性ガス、又は希ガスと反応性ガスの混合ガスを供給し、低気圧又は中間気圧又は高気圧においてプラズマを発生させるようにしたことをもう一つの特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、低気圧に限らず中間気圧及び高気圧においても安定した広い幅のプラズマジェットの発生・維持させることが可能となる。また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、以上の結果、大気圧(又は、低気圧若しくは中間気圧)で広い幅のマイクロ波励起プラズマジェットを用いた大面積表面改質、エッチング、アッシング、クリーニング、酸化・窒化及びCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜等の材料プロセシングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図。
【図2】図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の別の実施例の一つで、マイクロ波入力部をアース導体に設けたマイクロ波プラズマ処理装置の断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の別の実施例の一つで、マイクロストリップ線路をはめ込む溝を設けた誘電体基板の模式図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の別の実施例の一つで、プラズマ発生部とノズルをアース導体板に接して設けたプラズマ処理装置の断面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図。
【図8】図7に示すマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図9】本発明の第4の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の実施例の一つで、液状材料の気化供給手段を設けたマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図11】本発明の第5の実施の形態を第1の実施の形態へ適用した実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図12】本発明の第5の実施の形態を第3の実施の形態へ適用した実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図。
【図13】本発明の第6の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の模式図。
【図14】本発明の第7の実施の形態の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の模式図。
【図15】従来のマイクロストリップ線路を用いたマイクロ波プラズマ発生装置の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施形態1>
本発明における第1の実施の形態を示すプラズマ処理装置は、ガス入力口22がマイクロストリップ線路11に設けられたマイクロ波プラズマ処理装置である。
図1と図2は、本発明における第1の実施の形態の実施例の1つのマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示す図であって、図1は斜視図であり、図2は垂直方向の断面図である。

【0032】
本実施の形態のプラズマ処理装置は、誘電体基板1、マイクロ波入力部13、マイクロストリップ線路11、アース導体12、ガス入力口22、ノズル24、プラズマ発生部25、ガス供給手段26等を備える。

【0033】
誘電体基板1は、マイクロ波の誘電損失が少なく、熱伝導率が高い材質が望ましい。誘電体基板1は、例えば、アルミナ、石英、サファイア等の適宜の材料が用いられる。誘電体基板1は、曲げられる(フレキシブル)材料、例えば、ポリスチロール系、ポリスチレン系等の適宜の材料でもよい。誘電体基板1の誘電率と厚みはマイクロ波伝搬回路の特性インピーダンスに影響する。誘電体基板1はマイクロ波伝搬特性やプラズマ処理装置の形状やプラズマ処理装置の熱特性等を考慮して適宜のものを使うことができる。誘電体基板1は、一枚の基板を用いても良いし、複数の基板を重ねたものでも良い。誘電体基板1は、材質が異なる複数の基板を重ねたものでも良い。

【0034】
マイクロ波入力部13は、図2に示すように誘電体基板1の一方の端部において、マイクロストリップ線路11とアース導体12との間にマイクロ波を励起するためのものである。例えば、マイクロ波同軸ケーブル用であるSMAコネクト、SMBコネクト、Nコネクト、BNCコネクト、OSMコネクト等を用いることができる。

【0035】
図3は、本発明における第1の実施の形態の別の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示す断面図である。マイクロ波入力部13は、図3に示すようにアース導体12の孔を作り、マイクロ波コネクトを取り付けることで、アース導体12が接する誘電体基板1の表面に設けることもできる。

【0036】
マイクロストリップ線路11は、誘電体基板1の第1の面のマイクロ波入力部13から他方の端部に渡って設けられる。なお、ここでは、一例として、マイクロストリップという語句を用いたが、マイクロ波を伝搬するためのものであれば他の導体を適宜用いることができる。

【0037】
マイクロストリップ線路11の形状は、マイクロ波回路のインピーダンス、電界分布、マイクロ波電力の分配率等の特性を決める重要な因子である。一様なプラズマジェットの発生を実現するためには、マイクロストリップ線路11の形状を最適化する必要がある。マイクロストリップ線路11のマイクロ波回路の設計において、マイクロ波電力の均一な分配、特性インピーダンスの合わせ、インピーダンスのマッチング等については無線通信技術として既に技術が確立されているので、それらを適宜に用いることができる。

【0038】
アース導体12は、図1ないし図3に示すように、誘電体基板1の第1の面(マイクロストリップ線路11が形成された面)の反対側の面である第2の面の一方の端部から他方の端部に渡って設けられる。アース導体12は、誘電体基板1の第2の面全体を覆う導体で構成しても良いし、第2の面の一部に形成された導体で構成してもよい。

【0039】
マイクロストリップ線路11及びアース導体12は、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル等の適宜の導体材料が用いられる。マイクロストリップ線路11及びアース導体12は、誘電体基板1に金属の蒸着、エッチング等の通常のIC製作技術を用いて作成することができる。
または、マイクロストリップ線路11及びアース導体12は、適宜の導体板を誘電体基板1の表面に接着材を用いて貼ることで作っても良い。

【0040】
図4は、本発明における第1の実施の形態の別の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示す断面図であって、図4に示すように、マイクロストリップ線路11は、誘電体基板1の表面に面に適宜の溝15を設けて、マイクロストリップ線路の導体板をその溝にはめ込み、マイクロストリップ線路11を設けることもできる。この方法は、第2の面の一部にアース導体12を設ける場合にも、同様にして用いることができる。

【0041】
プラズマ発生部25とノズル24は、マイクロストリップ線路11とアース導体12との間に設けられる。プラズマ発生部25とノズル24は、図2に示すように誘電体内部に設けられる。
図5は、本発明における第1の実施の形態の別の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示す斜視図であって、該図5に示すように、プラズマ発生部25とノズル24は、アース導体12に接して設けても良い。又は、図示しないが、マイクロストリップ線路11に接して設けても良い。

【0042】
ガス入力口22は、ガス供給手段26から供給されるガスをプラズマ生成部25に供給するためにアース導体12に設けた穴である。ガス入力口22の穴の形状は、〇、△、□、☆等の色々な形にすることができる。
ガス入力口22の直径は、ガス入力口22の断面により決まる遮断波長(cut-off wavelength)より十分小さいサイズが望ましい。これにより、マイクロ波がガス入力口を通って誘電体外部に放射されることを放止することができる。又、ガス入力口22がマイクロストリップ回路におけるマイクロ波伝搬特性に影響することを抑えることができる。

【0043】
<ガス入力口のサイズを決める原理>
マイクロ波がマイクロストリップ回路に伝搬すると金属の表面に電流が誘起される。アース導体12又はマイクロストリップ線路11に穴を設けるとその電流の流れが切られてマイクロ波がその穴を通って外部に放射されることになる場合もあるが、その場合には、穴のサイズを遮断波長より小さくすると、電流の流れが切れず、穴の周りの導体を通って流れることになる。その結果、マイクロ波は穴を突き抜けることができなく、全反射する。
遮断波長は、穴の形状が〇の場合、誘電体基板1内におけるマイクロ波の波長の1/2に近くなる。従って、ガス入力口22の直径を誘電体基板1内におけるマイクロ波の波長の1/2より十分小さくすると、マイクロ波伝搬特性に影響することなく、ガスを供給することができる。

【0044】
ガス入力口22は、プラズマ発生部25の下面に設けることが好ましいが、アース導体12の任意の位置で設けて、誘電体基板1内にガス線路を設けてプラズマ発生部25までガス流路を繋げても良い。その場合は、誘電体基板1におけるマイクロ波伝搬特性に及ぼす影響を抑えるために、ガス入力口22からプラズマ発生部25までのガス線路の距離が短い方が好ましい。

【0045】
<プラズマ発生の原理>
マイクロ波入力部13から、マイクロストリップ線路11とアース導体12との間の誘電体基板1に入力されるマイクロ波は、マイクロストリップ線路11に沿って誘電体基板1内を伝搬する。マイクロ波はマイクロストリップ線路11の端の所で反射波を起こし、誘電体基板1内に定在波を生成する。この定在波の電界は、マイクロストリップ線路11の端とアース導体12の端との間で最大値となる。この強い電界により、プラズマ発生部25に供給されるガスが励起され、プラズマが発生する。発生したプラズマはガスの流れと共にノズル24から吹き出る。これにより、プラズマジェットを供給できる。

【0046】
<実施形態2>
本発明における第2の実施の形態を示すプラズマ処理装置は、ガス入力口22がマイクロストリップ線路11に設けられたマイクロ波プラズマ処理装置である。

【0047】
図6は、本発明における第2の実施の形態の実施例の1つのマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示す斜視図であり、図に示すとおり、マイクロストリップ線路11にガス入力口22が設けられている。
本発明の第2の実施の形態では、ガス入力口22がマイクロストリップ線路11に設けられている以外は、前記の第1の実施の形態と同様のマイクロ波プラズマ処理装置であって、ガス入力口22の穴の形状は、〇、△、□、☆、等の色々な形にすることができ、また、また、ガス入力口22の直径は、ガス入力口22の断面により決まる遮断波長(cut-off wavelength)より十分小さいサイズが望ましい。これにより、マイクロ波がガス入力口を通って誘電体外部に放射されることを放止することができる。

【0048】
<実施形態3>
本発明における第3の実施の形態を示すプラズマ処理装置は、上記の第1又は第2の実施の形態を示すプラズマ処理装置において、誘電体基板1に、該誘電体基板の他方の端部に向けて厚みが徐々に小さくなる形状のテーパー部14が設けられた装置である。
図7と図8は、本発明の第3の実施の形態の実施例の一つのマイクロ波プラズマ処理装置の構成を示すものであって、図7は斜視図であり、図8は垂直方向の断面図である。

【0049】
図7、8に示すマイクロ波プラズマ処理装置では、誘電体基板1におけるテーパー部14は、誘電体基板1の第1の面だけに斜面を設けた形状であるが、テーパー部14は、誘電体基板1の第1の面の斜面の傾きと第2の面の斜面の傾きを同じにする形状で良いし、誘電体基板1の第1の面、又は、第2の面のどちらかの一方の面だけに斜面を設けた形状でも良い。

【0050】
マイクロストリップ線路11とアース導体12との間におけるマイクロ波の電界は、誘電体基板1の厚みが薄くなる程、すなわち、マイクロストリップ線路11とアース導体12との間の距離が短くなる程、強くなる。この原理により、テーパー部14のところに設けたプラズマ発生部25におけるマイクロ波電界が強くなる。これにより、プラズマがより低い電力で安定に生成・維持できることになる。又、テーパー部は、プラズマ発生部25とノズル24におけるマイクロ波の反射を抑える効果もある。

【0051】
テーパー部14の長さは、テーパー部14の傾きが45度になるように設けると良い。又は、テーパー部14の長さは、テーパー部14の形状の傾きの角度や特性インピーダンス、等を考慮し、適宜にすることもできる。また、テーパー部14の形状の傾きの角度と長さを適宜にすることにより、プラズマから反射されるマイクロ波の反射波を大きく抑えることができる。

【0052】
マイクロストリップ線路11の端部は、図7に示すようにプラズマ発生部25におけるマイクロ波電界の空間分布が一様に、かつ電界強度が強くなるように適宜な形状にすることができる。

【0053】
プラズマ発生部25の大きさは、任意の寸法で良いが、マイクロ波電界分布を考慮して決めることで、マイクロ波の伝搬特性に改善しながら、より安定なプラズマが生成できる。
例えば、プラズマ発生部25の誘電体基板1内部へ奥行距離は、誘電体基板1内に生成する上記定在波の1/4波長とすると、定在波の電界強度がノズル24で最大値と、プラズマ発生部の内部壁で最低値となる。これにより、より安定にプラズマ生成・維持できる。

【0054】
<実施形態4>
本発明における第4の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置は、上記の第1ないし第3の実施の形態を示すプラズマ処理装置において、アース導体12に二つ以上のガス入力口22を設けた装置である。

【0055】
図9は、本発明の第4の実施の形態の実施例の一つのマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図を示す。該図に示すように、三つのガス入力口22がアース導体12に設けられた装置である。三つのガス入力口22にそれぞれ異なるガス種を入力することで、プラズマ放電特性及びプロセス特性を変えることができる。

【0056】
一般的に、大気圧のような高気圧ではプラズマを安定に生成させるためにアルゴンArやヘリウムHe等の不活性ガスを用いている。しかし、プロセス用ガスとして分子ガスを混合するとプラズマが不安定となり、プラズマが維持しにくくなる問題があった。
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、プラズマ発生部25における電界の空間分布に対応して、各ガス種を入れる位置を決めることができるので、不活性ガスで安定なプラズマを維持しながら、プロセスガスをプラズマ発生部内に供給することができる。

【0057】
本実施例では、ノズル24から奥にあるガス入力口(ガスA)にアルゴンAr又はヘリウムHeを、次のガス入力口(ガスB)に水素H2を、ノズル24に近いガス入力口(ガスC)にメタンCH4を供給すことで、低気圧又は中間気圧又は高気圧において反応ガスプラズマを安定に生成・維持することができた。
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、DLC(diamond like carbon)薄膜やダイヤモンド薄膜、カーボンナノチューブ、グラフェン膜、等のカーボン材料合成用のプラズマCVDとして応用が可能である。

【0058】
また、別の実施例として、二つのガス入力口を設けたプラズマ処理装置を制作し、ノズル24から奥にあるガス入力口に不活性ガス(アルゴンAr又はヘリウムHe)を、ノズル24に近いガス入力口に窒素N2ガスを供給することで、低気圧又は中間気圧又は高気圧において窒素プラズマを低電力で安定に発生することができた。この窒素プラズマは、銅等の金属表面の窒化処理や窒化物半導体の製作、等のプラズマ窒化処理への応用が期待される。

【0059】
また、本発明に第4の実施形態の別の実施例として、二つのガス入力口を設け、その内、一つのガス入力口には液体の気化供給手段を設けたマイクロ波プラズマ処理装置を制作した。該マイクロ波プラズマ処理装置によれば、水やエタノール等の液状材料をプラズマ化したプラズマ処理装置を提供することができる。
図10は、該実施例のマイクロ波プラズマ処理装置の一例を示す垂直方向の断面図であり、ノズル24に近いガス入力口に液体材料27の気化供給手段28を備えている。本実施例では、ノズル24から奥にあるガス入力口に不活性ガス(アルゴンAr又はヘリウムHe)を、ノズル24に近いガス入力口に水H2Oを気化させて供給し、大気圧においても安定したプラズマを生成することができた。このプラズマ中には水H2Oが励起されて生成したOH、H、O等のラジカル(化学活性種)が高密度に含まれており、個体表面の親水性処理やクリーニング、空気清浄や消臭、滅菌・殺菌等の処理への応用が期待される。

【0060】
<実施形態5>
本発明における第5の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置は、上記の第1の実施の形態、第3の実施の形態、又は第4の実施の形態を示すプラズマ処理装置において、マイクロストリップ線路11が設けられた誘電体基板1の第1の面に、第2の誘電体基板1aと、アース導体12aと、ガス入力口22aと、ノズル24aと、プラズマ発生部25aと、ガス供給手段26a等を備えた装置である。

【0061】
図11は、本発明の第5の実施の形態の実施例の一つのマイクロ波プラズマ処理装置の垂直方向の断面図を示す。図12は、本発明の第5の実施の形態の別の実施例の一つを示すマイクロ波プラズマ処理装置の断面図を示し、テーパー部を備えた誘電体基板を用いた実施例のプラズマ処理装置の垂直方向の断面図を示す。
本発明における第5の実施の形態において、誘電体基板1と誘電体基板1aは異なる材質の誘電体基板を用いることができるが、誘電率が同じである誘電体基板を用いることが望ましい。

【0062】
<プラズマ発生の原理>
マイクロ波入力部13から入力されるマイクロ波は、誘電体基板1と誘電体基板1aの両方に導入される。このマイクロ波は、それぞれ、マイクロストリップ線路11を沿って誘電体基板1と誘電体基板1aの内を伝搬する。
マイクロ波はマイクロストリップ線路11の端の所で反射波を起こし、誘電体基板1と誘電体基板1aの内に定在波を生成する。この定在波の電界は、マイクロストリップ線路11の端とアース導体12の端との間で、及びマイクロストリップ線路11の端とアース導体12aの端との間で最大値となる。
この強い電界により、プラズマ発生部25とプラズマ発生部25aに供給されるガスが励起され、プラズマが発生する。発生したプラズマはガスの流れと共にノズル24とノズル24aからそれぞれ吹き出る。

【0063】
<実施形態6>
本発明における第6の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置は、上記の第1ないし第5の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置において、マイクロストリップ線路11を、一方の端部から他方の端部に向けて複数に分岐させて、プラズマ発生部25にマイクロ波電力を均一に供給することができるようしたマイクロ波プラズマ処理装置である。

【0064】
図13に、本発明の第6の実施の形態の実施例の一つを示す。図13(a)は、一つのマイクロ波入力部13から複数に分岐されたマイクロストリップ線路11と、複数のガス入力口22と、長軸のプラズマ発生部25と、長軸のノズル24と、複数のガス入力口22にガスを供給するためのガス供給手段26を設けることにより大規模化したプラズマ処理装置の斜視図である。図13(b)は、図13(a)の斜視図に示すaとbの断面を表している水平方向の断面図である。図13に示す本発明の実施例のマイクロ波プラズマ処理装置では、一方の端部からマイクロストリップ線路11を二回分岐して、四つのラインに分岐することで、プラズマ発生部25にマイクロ波電力を均一に供給することができるように設けられている。
なお、マイクロストリップ線路11の他方の端部において適宜な形状にすることで、インピーダンスを高め、前記プラズマ発生部25におけるマイクロ波電界が強くなるようにすることができる。図13に示す実施例の形状はその一例にすぎず、例えば、図13に示す実施例ではマイクロストリップ線路11の他方の端部は、前記四つのラインに対応してそれぞれ分かれているが、一つに繋がった形状でもよい。

【0065】
<実施形態7>
本発明における第7の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置は、上記の第1ないし第6の実施の形態を示すマイクロ波プラズマ処理装置において、アレイ化する技術を適用し、大規模化されるプラズマ処理装置であって、前記誘電体基板と前記アース導体を共用して、横に並べることで、長い長軸のプラズマを発生できるように構成したマイクロ波プラズマ処理装置である。

【0066】
<アレイ化によるプラズマジェットの大規模化>
本発明における第1ないし第6の実施の形態に、アレイ化する技術を用いることにより、吹き出るプラズマ、及びプラズマ処理面積を大規模化することができる。
本発明におけるマイクロ波プラズマ処理装置の大規模化は、一つの長軸の誘電体基板1において、複数のマイクロストリップ線路11と、アース導体12と、アース導体12又はマイクロストリップ線路11に一定の間隔で設けた複数のガス入力口22と、長軸のプラズマ発生部25と、長軸のノズル24と、複数のガス入力口22にガスを供給するためのガス供給手段26を適宜に設けることにより可能となる。

【0067】
図14に、本発明の第7の実施形態の実施例の一つを示す。該図では、前記図13に示す第6の実施の形態のプラズマ処理装置を四つアレイ化したマイクロ波プラズマ処理装置を示しており、図14(a)は、複数のマイクロ波入力部13を設けてアレイ化することにより大規模化されたマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図である。図14(b)は、図14(a)の斜視図に示すaとbの断面を表している水平方向の断面図である。図14(c)は、ガス入力口22における水平方向の断面図である。図14(d)は、ガス供給手段26における水平方向の断面図である。

【0068】
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、広幅のプラズマの下部に移動式の基板ステージを設けることにより、被処理の連続処理が可能となる。本発明のマイクロ波プラズマ装置は、希ガス、又は反応性ガス、又は希ガスと反応性ガスの混合ガスを供給し、低気圧又は中間気圧又は高気圧においてプラズマを発生させることができるので、多様な産業分野への応用が期待される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、希ガス、又は反応性ガス、又は希ガスと反応性ガスの混合ガスを供給し、低気圧に限らず中間気圧及び高気圧において安定な低温プラズマジェットを発生させるマイクロ波プラズマ処理装置が提供でき、かつ、装置の製作と運転コストが安く、高密度のラジカル生成ができるので、工業用の大量生産プロセスへの利用が期待される。また、本発明のマイクロ波プラズマ装置は、材料表面プロセスや、材料合成や、環境応用や、医療応用などに大規模プラズマ発生システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 誘電体基板
11 マイクロストリップ線路
12 アース導体
13 マイクロ波入力部
14 テーパー部
15 溝
22 ガス入力口
23 誘電体の内部のガス流路
24 ノズル
25 プラズマ発生部
26 ガス供給手段
27 液体材料
28 気化供給手段
31 マイクロ波コネクト
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14