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明細書 :足首関節運動装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6044924号 (P6044924)
公開番号 特開2014-014493 (P2014-014493A)
登録日 平成28年11月25日(2016.11.25)
発行日 平成28年12月14日(2016.12.14)
公開日 平成26年1月30日(2014.1.30)
発明の名称または考案の名称 足首関節運動装置
国際特許分類 A61H   1/02        (2006.01)
FI A61H 1/02 N
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2012-153658 (P2012-153658)
出願日 平成24年7月9日(2012.7.9)
審査請求日 平成27年7月9日(2015.7.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】戸田 英樹
【氏名】今枝 毅泰
【氏名】谷崎 亮太
個別代理人の代理人 【識別番号】100095430、【弁理士】、【氏名又は名称】廣澤 勲
審査官 【審査官】今井 貞雄
参考文献・文献 特開平02-052655(JP,A)
特開昭63-147464(JP,A)
特開2011-120729(JP,A)
特開平05-146476(JP,A)
特開2008-061807(JP,A)
特開2003-284749(JP,A)
調査した分野 A61H 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者が着座する座部から離れて配置される基台部と、
前記基台部上面に取り付けられ、使用者の下腿のアキレス腱部分を下方から支持し、使用者の踵部分を揺動が自由な状態で前記基台部上面から浮かせる足支持部と、
使用者の足裏の指先側の部分が当接する足裏支持面を有する揺動部材と、
前記揺動部材を前記基台部に対して揺動させることにより、使用者の足が踝付近を軸として揺動可能に前記揺動部材を支持した揺動軸と、
前記揺動部材を往復揺動させるための動力を供給する駆動装置と、
前記座部と前記基台部との相対位置を固定する位置固定部とを備え、
前記揺動軸は、前記基台部に取り付けられ、使用者の踝付近を軸として前記足裏支持面を揺動可能にする揺動部材支持部に設けられ、
前記揺動部材が往復揺動することによって、使用者の足首関節の屈伸運動を行うこと特徴とする足首関節運動装置。
【請求項2】
前記揺動部材は、使用者の足裏に当接する前記足裏支持面の取り付け角度を、内反及び外反の方向に揺動駆動可能に設けられている請求項1記載の足首関節運動装置。
【請求項3】
前記揺動部材は、使用者の足裏の母指球及び子指球を含む部分に当接する請求項1又は2記載の足首関節運動装置。
【請求項4】
前記位置固定部は、前記座部と前記基台部との距離を可変できる請求項1記載の足首関節運動装置。
【請求項5】
前記座部の座面に対する前記基台部の高さを調節するための高さ調節機構を備えた請求項1記載の足首関節運動装置。
【請求項6】
前記位置固定部が着脱自在な連結部材で成り、
前記基台部、前記足支持部、前記揺動部材、前記揺動部材支持部及び前記高さ調節機構が組み立てられて一体の構造物となり、その下方に移動用キャスタが取り付けられ、
前記一体の構造物が、前記連結部材を介して前記座部に位置固定されている請求項5記載の足首関節運動装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、足首の機能回復のリハビリテーションや足首関節の拘縮予防のために使用する足首関節運動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドに寝たきりの入院患者や高齢者等は、関節が固くなって可動域が狭くなる関節拘縮になりやすい。足首の関節拘縮は、日頃から足首を動かすことで防止できることが知られているが、麻痺が残った患者やまだ体力が回復していない患者等は自発的に足首の運動をするのが難しい。そこで、従来から、理学療法士の施術により患者等の足首関節を屈伸させる持続受動運動法によるリハビリが行われていた。
【0003】
近年、理学療法士がいなくても足首関節の受動運動ができるようにするため、リハビリ用の足首関節運動装置が複数提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、所定の揺動機構に駆動されて揺動する足裏支持面と、クッションを敷いた下腿固定部とを備え、足裏支持面が足首の踝付近を中心に足関節を背屈及び伸展運動させる血栓症予防装置がある。この血栓症予防装置を使用するとき、使用者の足先が、踵受と足先ホルダーにより足裏支持面にしっかり固定され、下腿が、下腿ホルダーにより下腿固定部にしっかり固定されるので、足先が足裏支持面から離れない。また、揺動機構にスライダー機構が設けられ、足裏支持面の上下動及び左右動をほぼフリーにすることによって、足裏支持面が足関節を背屈させる方向に揺動したとき、踵受や各ホルダーによって足が圧迫されるのを防止している。
【0004】
また、特許文献2に開示されているように、使用者の足先が固定される足裏板と、足裏板を複数の軸線で可動させるための複数の電動機を備えた多軸受動運動用運動器具がある。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2012-29787号公報
【特許文献2】特開平5-146476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種のリハビリ用の足首関節運動装置は、病院に入院中の患者や、自宅療養中の高齢者等が、自室で日常的に気軽に使用できることが望ましい。
【0007】
しかしながら、特許文献1の血栓症予防装置は、踵受と足先ホルダーを有する足裏支持面を設け、下腿ホルダーを有する下腿固定部を設け、さらに、所定のスライダー機構を備えた揺動機構を設けなければならず、安価に製作することが難しいので一般家庭に広く普及させにくいものである。また、揺動機構にスライダー機構を設けているが、足を固定して強制的に動かそうとするので、踵等の可動部が器具に強くあたり、患者に苦痛を与える原因となっていた。さらに、使用者の体形(大人と子供、足先のサイズ、下腿の太さなど)が異なると、やはり踵受や各ホルダーによって足が圧迫されるケースが考えられる。
【0008】
また、特許文献2の多軸受動運動用運動器具は、非常に機能が多く構造が複雑なので、高価なものになってしまう。また、外形が大きいので、病院等の施設に設置する場合に広いリハビリテーション室等に設置しなければならず、病室にいる患者の身近に置いて使用することが難しい。また、使用中、使用者の足先が足裏板にしっかり固定される旨が記載されているが、特許文献1と同様に、それに伴って発生する足の圧迫の問題が発生する。
【0009】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、自動的に足首関節の持続受動運動を心地よく行わせることができ、シンプルな構造で安価な足首関節運動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、使用者が着座する座部から離れて配置される基台部と、前記基台部上面に取り付けられ、使用者の下腿のアキレス腱部分を下方から支持し、使用者の踵部分を揺動が自由な状態で前記基台部上面から浮かせる足支持部と、使用者の足裏の指先側の部分が当接する足裏支持面を有する揺動部材と、前記揺動部材を前記基台部に対して揺動させることにより、使用者の足が踝付近を軸として揺動可能に前記揺動部材を支持した揺動軸と、前記揺動部材を往復揺動させるための動力を供給する駆動装置と、前記座部と前記基台部との相対位置を固定する位置固定部とを備え、前記揺動部材が往復揺動することによって、使用者の足首関節の屈伸運動を行う足首関節運動装置である。
【0011】
前記揺動軸は、前記基台部に取り付けられ、使用者の踝付近を軸として前記足裏支持面を揺動可能にする揺動部材支持部に設けられている。
【0012】
前記揺動部材は、使用者の足裏に当接する前記足裏支持面の取り付け角度を、内反及び外反の方向に揺動駆動可能に設けられている。前記揺動部材は、使用者の足裏の母指球及び子指球を含む部分に当接するものである。また、前記位置固定部は、前記座部と前記基台部との距離を可変できることが好ましい。
【0013】
さらに、前記座部の座面に対する前記基台部の高さを調節するための高さ調節機構を備えていることが好ましい。また、前記位置固定部が着脱自在な連結部材で成り、前記基台部、前記足支持部、前記揺動部材、前記揺動部材支持部及び前記高さ調節機構が組み立てられて一体の構造物となり、その下方に移動用キャスタが取り付けられ、前記一体の構造物が、前記連結部材を介して前記座部に位置固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明の足首関節運動装置は、揺動部材が使用者の足首関節を背屈させる方向に揺動したとき、足裏支持面が母指球及び子指球の部分を斜め下向きに押圧するので、使用者の身体全体を後方に押す力が小さくなる。しかも、座部は着座した使用者の自重により移動せず、その座部と基台部との間の位置関係が位置固定部によって固定されているので、使用者の足裏と足裏支持面とが離れにくい。従って、使用者の下腿や足先を締め付けて固定する必要がなく、さらに、使用者の下腿が足支持部によって支持され踵の上下動が自由なことから、従来技術のように足が圧迫される心配がなく、理学療法士等が行うのと同様に心地よい持続受動運動を行うことができる。
【0015】
また、構造がシンプルなので安価で軽量に製作することができ、また、座部として普通の椅子やベッドを利用することも可能なので、広く一般に普及させ、寝たきりの入院患者や自宅療養中の高齢者などが日常的に気軽に使用できる環境を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の足首関節運動装置の第一実施形態を示す正面図である。
【図2】第一実施形態の足首関節運動装置の揺動部材によって、使用者の足首の関節を背屈させる様子を示す図(a)、足首の関節を伸展させる様子を示す図(b)である。
【図3】使用者が足首の持続受動運動を行っているときのヒラメ筋の筋電図であって、第一実施形態の足首関節運動装置を使用した場合のグラフ(a)、理学療法士が行った場合のグラフ(b)である。
【図4】この発明の足首関節運動装置の第二実施形態を示す正面図である。
【図5】第二実施形態の足首関節運動装置の足裏支持面を、内反の方向に傾けたときの図(a)、標準状態の図(b)、及び外反の方向に傾けたときの図(c)である。
【図6】第二実施形態の足首関節運動装置の変形例を示す正面図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の足首関節運動装置の第一実施形態について、図1~図3に基づいて説明する。この実施形態の足首関節運動装置10は、図1に示すように、使用者Mが着座する座部12aから離れて配置される基台部14を備えている。座部12aは普通の椅子12の一部であり、上面側が座面12bで、下面側に脚部が設けられ、座面12bの端部に背もたれ設けられている。基台部14は、例えば一定の強度を有した板部材である。

【0018】
基台部上面14aの座部12a寄りの端部には、使用者Mの下腿のアキレス腱部分を下方から支持し、使用者Mの踵部分を基台部上面14aから浮かせる足支持部16が設けられている。足支持部16は、例えば、芯棒の外周面をクッションで厚く覆った円柱状部材であり、基台部上面14aに立設された一対の脚により、横倒した円柱状部材が略水平に支持固定されている。クッションは、使用者Mのアキレス腱部分を保護すると共に、支持している位置がずれるのを防止する働きをする。

【0019】
基台部上面14aの上方には、使用者Mの足裏の踵以外の指先側の部分であって、少なくとも母指球及び子指球を含む部分が当接する足裏支持面18を有した揺動部材20が設けられ、揺動部材支持部22によって支持されている。揺動部材20は、コの字状に形成された揺動パイプ20aを有し、その内側に、足裏支持面18が揺動パイプ20aの三辺と略平行に取り付けられている。足裏支持面18は、使用者Mの足裏に当接する面をクッションで覆った板状部材等であり、揺動パイプ20aの上記三辺から座部12a側に突出するように取り付けられ、足裏が揺動パイプ20aに接触しないようになっている。クッションは、使用者Mの足裏に当接している部分を保護すると共に、当接している位置がずれるのを防止する働きをする。さらに、揺動パイプ20aの両端は、上記三辺から足裏支持面18を突出させた方向にL字状に屈曲している。

【0020】
揺動部材支持部22は、基台部14から上方に真っ直ぐ立設され、途中で座部12a側に向けて略水平に屈曲した一対の支持パイプ22aを有し、一対の支持パイプ22aの先端の各揺動軸22bに、揺動パイプ20aの両端がそれぞれ取り付けられている。揺動軸22bは、使用者Mの踝付近に配置され、足裏支持面18が足裏と当接する方向に揺動可能に揺動部材20を支持している。

【0021】
基台部14には、図示しない駆動装置が取り付けられている。駆動装置は、例えばモータ等の電動機であり、揺動部材20を往復揺動させる動力を供給し、図2に示すように、駆動装置から動力を受けた揺動部材20がA,B方向に往復揺動する。足裏支持面18がA方向に移動すると、使用者Mの足裏の母指球及び子指球を斜め下向きに押圧し、踝を軸として足関節を安定に背屈させることができる。また、力をかけない場合足首は伸展しようとするので、足裏支持面18がB方向に移動すると、背屈させる押圧が解除され、足関節を自然な形で伸展させることができる。

【0022】
基台部14には、座部12aの座面12bに対する基台部14の高さを調節するための高さ調節機構24が設けられている。高さ調節機構24は、略水平に配置された本体板24aと、本体板24aの上面に立設された外パイプ24bと、基台部下面14bに立設された内パイプ24cとで構成され、内パイプ24cの先端部が外パイプ24bの上端開口内に挿入される深さを調節することによって、基台部14の高さを可変することができる。

【0023】
本体板24aの下面に移動用キャスタ26が設けられている。移動用キャスタ26は、基台部14、足支持部16、揺動部材20、揺動部材支持部22及び高さ調節機構24が組み立てられた後、それら一体の構造物を他の部屋等に移動させるのを容易にする働きをする。

【0024】
座部12aと基台部14は、着脱自在な位置固定部である連結部材27で連結され、相対位置が固定されている。連結部材27は、外パイプ28と内パイプ30とで構成され、外パイプ28は、一端に形成された取付部28aにより座部12aに対して回動自在に固定され、内パイプ30は、一端が外パイプ28の開口端の内側に挿入され、他端に形成された取付部30aにより基台部14に対して回動自在に固定されている。そして、内パイプ24cが外パイプ24bの内側に挿入される深さを調節することによって、座部12aと基台部14との間隔を可変することができる。

【0025】
図3(a)は、足首関節運動装置10を使用して使用者Mの足首関節の持続受動運動(背屈及び伸展を繰り返す運動)を行ったときの、ヒラメ筋の筋電の強さを示す筋電値の推移を示すグラフである。比較例として、図3(b)に、理学療法士が患者の足首関節の持続受動運動を行ったときのグラフを示す。ヒラメ筋の筋電値が高いときは、使用者又は患者が処置に対して緊張や恐怖心等によりヒラメ筋に力を入れていることを示していると。

【0026】
図3(a),(b)のグラフは形状が類似しており、いずれのグラフも、足指部がA方向に揺動して足首関節を背屈させたときに筋電値が上昇し、B方向に揺動して足首関節を伸展させたときに筋電値が低下している。また、背屈と伸展とを繰り返すうちに、筋電値のピークがP1→P2→P3のように徐々に低下している。

【0027】
理学療法士の場合、患者に声をかけて具合を聞いたり、足首の筋肉の硬さを触診したりしながら処置を行うという特徴があり、患者の恐怖心を和らげて処置を開始する。さらに、背屈と伸展とを繰り返すうちに患者の心に安心感が生じ、背屈の度に反射的に足に力を入れてしまう動作が弱くなっていく。その結果、図3(b)に示すように、ピークがP1→P2→P3のように徐々に低下する筋電値のグラフが得られる。

【0028】
足首関節運動装置10の場合も、理学療法士の場合のグラフに類似した形状になっていることから、利用者が特別な恐怖心や痛みを感じることなく、安心して装置に身体を任せていることが分かる。

【0029】
以上説明したように、足首関節運動装置10は、揺動部材20が使用者Mの足関節を背屈させる方向に揺動したとき、足裏支持面18が母指球及び子指球の部分を斜め下向きに押圧するので、使用者Mの身体全体を後方に押す力が小さくなる。しかも、座部12aは着座した使用者Mの自重により移動せず、その座部12aと基台部14との間の位置関係が連結部材27によって固定されているので、使用者Mの足裏と足裏支持面18とが離れにくい。従って、使用者Mの下腿や足先を締め付けて固定する必要がなく、さらに、使用者Mの下腿が足支持部16によって支持され、踵の揺動が自由で踵部分の動きを妨げないことから、従来技術のように足が圧迫される心配がなく、理学療法士等が行うのと同様に心地よい持続受動運動を行うことができる。

【0030】
また、構造がシンプルなので安価で軽量に製作することができ、また、座部12aとして普通の椅子12が使用できるので、広く一般家庭にも普及させやすい。また、移動用キャスタ26が設けられているので、移動も容易である。従って、自宅療養中の高齢者や入院患者などが日常的に気軽に使用できる環境を作ることができる。さらに、高さ調節機構24が設けられているので、基台部14の高さを調節することによって、使用者Mの足首関節の運動と同時に、下腿の特定の筋肉に対するストレッチも行うことができる。なお、基台部14の高さを変更すると、取付部28a,30aが外パイプ28及び内パイプ30を回動ざせる構造により、連結部材27の床面に対する角度を自在に変化させることができる。

【0031】
次に、この発明の足首関節運動装置の第二実施形態について、図4、図5に基づいて説明する。ここで、第一実施形態の足首関節運動装置10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の足首関節運動装置32は、上記の足首関節運動装置10の構造をよりシンプルにしたものであり、高さ調節機構24と移動用キャスタ26を省略が省略されている。座部12aは、ここでは平坦な板状の座台であり、基台部14と同様に床面に置いて使用される構造になっている。また、揺動部材20は、図5に示すように、足裏支持面18を揺動部材支持部22に対して揺動可能に設け、図示しないモータ等の駆動装置により、足裏面に対して内反~標準~外反の方向に揺動運動させることができるようになっている。その他の構成は、足首関節運動装置10と同様である。

【0032】
足首関節運動装置32によれば、上記の足首関節運動装置10の機能を絞ることにより構成をよりシンプルにし、さらに小型化とコストダウンを図ることができる。また、足裏支持面18の内外方向の角度を変更し、足裏支持面18を内外方向にも揺動させることにより、膨ら脛の他の筋肉を動かすことができ、使用者Mごとの足首関節の形状や回復状況に合わせ、より適切な持続受動運動を行うことが可能になる。しかも、使用者Mの下腿が足支持部16によって支持され、踵の上下動だけでなく左右動も自由なことから、従来技術のように足が圧迫される心配もない。

【0033】
なお、この発明の足首関節運動装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図6(a)に示す足首関節運動装置34のように、第二実施形態の足首関節運動装置32の構成に加えて、基台部14の下方に高さ調節機構24を設けてもよい。これにより、第一実施形態の足首関節運動装置10よりもシンプルな構成で、使用者Mの下腿の特定の筋肉のストレッチを行うことができる。また、図6(b)の足首関節運動装置36のように、第二実施形態の足首関節運動装置32の構成に加えて、座部12aに背もたれ38を設けてもよい。これにより、使用者Mが楽に上半身の姿勢を保つことができるようになる。

【0034】
その他、足の揺動は、足支持部16で足首を支持した状態で、揺動部材20の揺動に対して踵が自由に従動可能であればよいので、揺動支持部材22を省いて、揺動部材20の揺動軸22bを基台部14に設けてもよく、揺動軸22bの位置は特に限定されるものではないが、踝付近にあれば好ましい。

【0035】
また、第一実施形態の足首関節運動装置10は、連結部材27の取付部30aの取り付け位置を、移動用キャスタ26で移動可能な一体の構造物の他の部分に変更してもよい。すなわち、図1では取付部30aを基台部14に取り付けてあるが、例えば、高さ調節機構24の本体板24aに取り付けてもよい。また、座部12aとして通常の椅子12を使用しているが、使用者Mが使用している車椅子やベッドを使用してもよい。これにより、使用者Mが足首関節運動装置10に乗る際に、立ち上ったり、歩いたり、しゃがんだりする負担を軽減することができる。

【0036】
第二実施形態の足首関節運動装置32は、伸縮自在な連結部材27に代えて、長さが固定された別構造の位置固定部を設け、座部12aと基台部14との位置関係を固定してもよい。その場合、位置固定部の長さを短めにし、座部12aの長さを長めにしておけば、足の長さが違う使用者でも支障なく使用することができる。

【0037】
さらに、足裏支持面を含む揺動部材、揺動部支持部、基台部の個々の構造は、上述した機能を発揮できる範囲で変更できることは言うまでもない。高さ調節機構の構成、移動用キャスタの数や取り付け位置についても同様である。
【符号の説明】
【0038】
10,32,34,36 足首関節運動装置
12 椅子
12a 座部
12b 座面
14 基台部
16 足支持部
18 足裏支持面
20 揺動部材
20a 揺動パイプ
22 揺動部材支持部
22a 支持パイプ
22b 揺動軸
24 高さ調節機構
26 移動用キャスタ
27 連結部材(位置固定部)
28 外パイプ
28a 連結部
30 内パイプ
30a 連結部
M 使用者
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5