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明細書 :架橋ポリマー構造体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6370996号 (P6370996)
登録日 平成30年7月20日(2018.7.20)
発行日 平成30年8月8日(2018.8.8)
発明の名称または考案の名称 架橋ポリマー構造体の製造方法
国際特許分類 G03F   7/095       (2006.01)
G03F   7/038       (2006.01)
G03F   7/039       (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
C12N   5/00        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
G03F   7/20        (2006.01)
B32B  27/16        (2006.01)
FI G03F 7/095
G03F 7/038 601
G03F 7/039
C12M 1/00 C
C12N 5/00
H01L 21/30 502D
G03F 7/20 501
B32B 27/16
請求項の数または発明の数 5
全頁数 20
出願番号 特願2017-512594 (P2017-512594)
出願日 平成28年4月15日(2016.4.15)
国際出願番号 PCT/JP2016/062099
国際公開番号 WO2016/167342
国際公開日 平成28年10月20日(2016.10.20)
優先権出願番号 2015085322
優先日 平成27年4月17日(2015.4.17)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成29年6月29日(2017.6.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者または考案者 【氏名】須丸 公雄
【氏名】高木 俊之
【氏名】森下 加奈
【氏名】金森 敏幸
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100134544、【弁理士】、【氏名又は名称】森 隆一郎
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100140774、【弁理士】、【氏名又は名称】大浪 一徳
審査官 【審査官】倉本 勝利
参考文献・文献 特開2005-077815(JP,A)
特開2006-122012(JP,A)
特表昭61-500052(JP,A)
特開2006-115723(JP,A)
特表2013-503037(JP,A)
国際公開第2009/066769(WO,A1)
調査した分野 G03F7/004-7/06;7/075-7/115;
7/16-7/18
特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に光溶解性ポリマー層を積層する工程(a)と、
前記光溶解性ポリマー層上に架橋性ポリマーを含有する層を積層する工程(b)と、
前記架橋性ポリマーを含有する層に、架橋条件下でパターン状に光を照射して、前記架橋性ポリマーをパターン状に架橋させて架橋ポリマーシートを得る工程(c)と、
架橋しなかった前記架橋性ポリマーを洗浄除去し、パターン状の前記架橋ポリマーシートを得る工程(d)と、
前記光溶解性ポリマー層に、溶解条件下でパターン状に光を照射して、前記光溶解性ポリマー層をパターン状に溶解させ、前記架橋ポリマーシートをパターン状に基板から剥離させる工程(e)と、
を備える、架橋ポリマー構造体の製造方法。
【請求項2】
パターン状に基板から剥離した前記架橋ポリマーシートを破断除去する工程(f)を更に備える、請求項1に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
【請求項3】
前記架橋性ポリマーが、複数の水酸基を有する重量平均分子量2,000以上の化合物である、請求項1又は2に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
【請求項4】
前記架橋性ポリマーが水溶性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
【請求項5】
前記架橋性ポリマーが多糖又はその誘導体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋ポリマー構造体及びその使用に関する。より具体的には、架橋ポリマー構造体の製造方法、架橋ポリマー構造体製造用積層体、架橋ポリマー構造体、細胞培養用架橋ポリマー構造体、細胞培養方法、細胞隗の製造方法及び細胞隗に関する。本願は、2015年4月17日に、日本に出願された特願2015-085322号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
バイオ・医療をはじめとする様々な分野において、表面に微細構造を有する材料の応用が盛んに検討されている。特に、細胞等を扱うマイクロ流体システムやデバイス等では、μmスケールの構造形成技術が注目されている。例えば、特許文献1には、細胞を保持するための細胞保持チャンバーを有し、前記細胞保持チャンバーは、少なくとも一つの組織体形成領域を含む底面と、当該細胞保持チャンバーに培養液を流入させるための流入口と、当該細胞保持チャンバーから当該培養液を流出させるための流出口と、を有し、前記組織体形成領域は、細胞接着性を示す1つの第一領域と、当該第一領域を囲み、当該第一領域に比べて低い細胞接着性を示す第二領域と、を含み、その面積が100~1×10μmの範囲であることを特徴とする細胞組織体マイクロデバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特許第4033265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景のもと、微細構造の形成技術の発展が期待されている。そこで、本発明は、新たな微細構造の形成技術を提供することを目的とする。より具体的には、架橋ポリマー構造体の製造方法、架橋ポリマー構造体製造用積層体、架橋ポリマー構造体、細胞培養用架橋ポリマー構造体、細胞培養方法、細胞隗の製造方法及び細胞隗を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を含む。
(1)基板上に光溶解性ポリマー層を積層する工程(a)と、前記光溶解性ポリマー層上に架橋性ポリマーを含有する層を積層する工程(b)と、前記架橋性ポリマーを含有する層に、架橋条件下でパターン状に光を照射して、前記架橋性ポリマーをパターン状に架橋させて架橋ポリマーシートを得る工程(c)と、架橋しなかった前記架橋性ポリマーを洗浄除去し、パターン状の前記架橋ポリマーシートを得る工程(d)と、前記光溶解性ポリマー層に、溶解条件下でパターン状に光を照射して、前記光溶解性ポリマー層をパターン状に溶解させ、前記架橋ポリマーシートをパターン状に基板から剥離させる工程(e)と、を備える、架橋ポリマー構造体の製造方法。
(2)パターン状に基板から剥離した前記架橋ポリマーシートを破断除去する工程(f)を更に備える、(1)に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
(3)前記架橋性ポリマーが、複数の水酸基を有する重量平均分子量2,000以上の化合物である、(1)又は(2)に記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
(4)前記架橋性ポリマーが水溶性である、(1)~(3)のいずれかに記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
(5)前記架橋性ポリマーが多糖又はその誘導体である、(1)~(4)のいずれかに記載の架橋ポリマー構造体の製造方法。
(6)基板と、前記基板上に積層された光溶解性ポリマー層と、前記光溶解性ポリマー層上に積層された架橋性ポリマーを含有する層と、を備える、架橋ポリマー構造体製造用積層体。
(7)基板と、前記基板上に設けられた架橋ポリマーシートとを備え、前記基板及び前記架橋ポリマーシートは、前記基板及び前記架橋ポリマーシートが接着された接着領域と、前記基板及び前記架橋ポリマーシートが接着されていない非接着領域とを有し、平面視において、前記基板の前記接着領域は、前記基板の前記非接着領域の周囲を囲んで閉じており、前記架橋ポリマーシートの前記非接着領域には少なくとも1つの貫通孔が存在する、架橋ポリマー構造体。
(8)基板と、前記基板上にパターン状に設けられた細胞接着可能部及び細胞非接着部とを備え、前記細胞接着可能部では前記基板が露出しており、前記細胞非接着部は前記基板上に接着された架橋ポリマーシートからなる、細胞培養用架橋ポリマー構造体。
(9)前記細胞接着可能部及び前記細胞非接着部が、互いに平行に並んだ線状に設けられている、(8)に記載の細胞培養用架橋ポリマー構造体。
(10)前記細胞接着可能部が、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有する、(8)に記載の細胞培養用架橋ポリマー構造体。
(11)複数の前記島状部の全てが実質的に同じ面積を有する、(10)に記載の細胞培養用架橋ポリマー構造体。
(12)(11)に記載の細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面で細胞を培養する工程を備える、複数の前記島状部に接着した細胞を均一に培養する細胞培養方法。
(13)(11)に記載の細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面で細胞を培養する工程と、前記細胞を剥離させ、複数の前記島状部に接着していた細胞からなる前記島状部と実質的に同数の細胞隗を得る工程と、を備える、細胞隗の製造方法。
(14)(13)に記載の製造方法により得られた細胞隗。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、新たな微細構造の形成技術を提供することができる。より具体的には、架橋ポリマー構造体の製造方法、架橋ポリマー構造体製造用積層体、架橋ポリマー構造体、細胞培養用架橋ポリマー構造体、細胞培養方法、細胞隗の製造方法及び細胞隗を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す共焦点レーザー走査顕微鏡写真である。
【図1B】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す共焦点レーザー走査顕微鏡写真である。
【図1C】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す共焦点レーザー走査顕微鏡写真である。
【図1D】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す共焦点レーザー走査顕微鏡写真である。
【図1E】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す共焦点レーザー走査顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で製造した架橋ポリマー構造体を示す光学顕微鏡写真である。
【図3】(a)~(f)は、架橋ポリマー構造体の製造方法を説明する図である。
【図4】実施例3の結果を示す光学顕微鏡写真である。
【図5A】実施例4の結果を示す光学顕微鏡写真である。
【図5B】実施例4の結果を示す光学顕微鏡写真である。
【図6】実施例5で培養したMDCK細胞の光学顕微鏡写真である。
【図7A】実施例5で培養したNIH/3T3細胞の光学顕微鏡写真である。
【図7B】実施例5で培養したNIH/3T3細胞の光学顕微鏡写真である。
【図8】実施例5で培養したヒトiPS細胞の光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。

【0009】
<架橋ポリマー構造体の製造方法>
〔第1実施形態〕
1実施形態において、本発明は、基板上に光溶解性ポリマー層を積層する工程(a)と、前記光溶解性ポリマー層上に架橋性ポリマーを含有する層を積層する工程(b)と、前記架橋性ポリマーを含有する層に、架橋条件下でパターン状に光を照射して、前記架橋性ポリマーをパターン状に架橋させて架橋ポリマーシートを得る工程(c)と、架橋しなかった前記架橋性ポリマーを洗浄除去し、パターン状の前記架橋ポリマーシートを得る工程(d)と、前記光溶解性ポリマー層に、溶解条件下でパターン状に光を照射して、前記光溶解性ポリマー層をパターン状に溶解させ、前記架橋ポリマーシートをパターン状に基板から剥離させる工程(e)と、を備える、架橋ポリマー構造体の製造方法を提供する。

【0010】
図1A~図1E及び図2は、本実施形態の製造方法により製造された架橋ポリマー構造体の具体例を示す写真である。これらの架橋ポリマー構造体の詳細については後述する。

【0011】
図3(a)~(e)は、本実施形態の製造方法を説明する図である。以下、図3を参照しながら本実施形態の製造方法について説明する。

【0012】
[工程(a)]
本工程では、基板上に光溶解性ポリマー層を積層する。

【0013】
(基板)
基板は、架橋ポリマー構造体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、架橋ポリマー構造体を後述する細胞培養等に用いる場合には、光学顕微鏡や蛍光顕微鏡等で細胞を観察することができるように、波長360~830nm程度を中心とした光に対する透過性を有するものが好適である。

【0014】
基板の材質として、より具体的には、例えば、ガラス、樹脂等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。これらの樹脂は各種添加剤を含んでいてもよく、複数の樹脂が混合されていてもよい。

【0015】
基板の厚さは特に制限されず、例えば0.1~5mm、例えば0.3~3mm、例えば0.5~1mm程度であってもよい。

【0016】
(光溶解性ポリマー)
光溶解性ポリマーとしては、例えば、パターン状に溶解させることができるポリマーを使用することができる。例えば、光を照射することにより分解するポリマーが挙げられる。あるいは、所定の溶媒中で光を照射することにより、分解はしないものの構造が異性化し、当該溶媒に対する溶解性が向上するポリマーが挙げられる。なお、本明細書において、光は、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線等の電磁波線を意味する。

【0017】
光溶解性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールを主鎖とし、ニトロベンジル基を分子内に有するポリマー;ポジ型フォトレジストを構成する種々のポリマー架橋体;o-ニトロベンジル基やクマリン基等の光開裂架橋点を有するポリマー架橋体;ケトンカルボニル基を有するポリマー及びそのコポリマー;ケトンコポリマーと他の合成ポリマーとの混合重合体;エチレンと一酸化炭素とのコポリマー、若しくは該コポリマーと他のエチレンポリマーとの混合重合体;鉄、銅、マンガン、コバルト、セリウム、バナジウム、クロム、ニッケル等の金属化合物である光分解性金属化合物の少なくとも1種を含有するα-オレフィンコポリマー;アセチルアセトナート銅とジアルキルジチオカルバミン酸とを含むポリマー等が挙げられる。光溶解性ポリマーは、例えば、水、エタノールと水の混合溶媒、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の適宜の溶媒中において、波長180~600nmの光を照射すること等により溶解させることができる。

【0018】
基板上に光溶解性ポリマー層を積層する方法としては、例えば、光溶解性ポリマーを適宜の溶媒に溶解した溶液を浸漬、スプレー、スピンコート等により基板上に塗布した後、溶媒を除去することが挙げられる。溶媒の除去は、風乾、加熱等により行うことができる。

【0019】
光溶解性ポリマー層の厚さは特に制限されず、溶媒を除去した状態において、例えば2~1000nm、例えば5~500nm、例えば10~200nm程度であってもよい。

【0020】
[工程(b)]
本工程では、光溶解性ポリマー層上に架橋性ポリマーを含有する層を積層する。

【0021】
(架橋性ポリマーを含有する層)
架橋性ポリマーを含有する層は、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物の層であってもよい。あるいは、架橋性ポリマーを含有する層は、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物の層であってもよい。この場合、架橋性ポリマーを含有する層には、更に光酸発生能を有するポリマー層を積層させるとよい。詳細については後述する。以下、「光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物」及び「酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物」を「プレゲル組成物」という場合がある。

【0022】
(光を照射することにより架橋するポリマー)
光を照射することにより架橋するポリマーとしては、光を照射することによってアミノ基等と架橋する、ジアザリン基、アジド基等を有するポリマーを用いることができる。

【0023】
(酸により架橋する架橋剤)
酸により架橋する架橋剤としては、例えば、強い酸の存在下でカルボニウムイオンを形成することが可能な酸不安定基を含む架橋剤が挙げられる。より具体的には、例えば、テトラメトキシメチルグリコールウリル(TMMGU)等のテトラアルコキシメチル置換グリコールウリル等が挙げられる。

【0024】
(架橋性ポリマー)
架橋性ポリマーとしては、例えば、複数の水酸基を有し、重量平均分子量が、例えば2,000以上、例えば5,000~1,000万、例えば1万~100万の化合物が挙げられる。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリエチレングリコール換算の値である。また、架橋性ポリマーは水溶性であってもよい。架橋性ポリマーが水溶性であれば、低分子成分の透過性を有するハイドロゲルとすることができる。また、架橋性ポリマーは多糖又はその誘導体であってもよい。

【0025】
多糖又はその誘導体としては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、アミロース、アガロース、アガロペクチン、アラビナン、カードラン、カロース、カルボキシメチルデンプン、キチン、キトサン、クインスシードガム、グルコマンナン、ジェランガム、タマリンシードガム、デキストラン、ニゲラン、ヒアルロン酸、プスツラン、フノラン、ペクチン、ポルフィラン、ラミナラン、リケナン、カラギーナン、アルギン酸、トラガカントガム、アルカシーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ラムザンガム、寒天、ミクロフィブリル化セルロース等が挙げられる。

【0026】
より具体的な架橋性ポリマーとしては、水中でハイドロゲルを形成可能な架橋性ポリマーが挙げられ、例えば、部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ビニルピロリドン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。

【0027】
(プレゲル組成物)
プレゲル組成物としては、溶媒に、上述した、光を照射することにより架橋するポリマー及び必要に応じて適宜の添加物が溶解又は分散された組成物、酸により架橋する架橋剤、架橋性ポリマー及び必要に応じて適宜の添加物が溶解又は分散された組成物等が挙げられる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。添加物としては、硫酸、トリフルオロ酢酸、アルキル硫酸等が挙げられる。

【0028】
プレゲル組成物として、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物を使用する場合、光溶解性ポリマー層上にプレゲル組成物の層を積層する方法は特に制限されない。例えば、プレゲル組成物を浸漬、スプレー、スピンコート、ドクターブレードコート、リップコート等により、光溶解性ポリマー層上に塗布することが挙げられる。プレゲル組成物を塗布した後は、プレゲル組成物中の溶媒を除去することが好ましい。溶媒の除去は、風乾、加熱等により行うことができる。

【0029】
プレゲル組成物の層の厚さは特に制限されず、溶媒を除去した状態において、例えば0.01~100μm、例えば0.03~30μm、例えば0.1~10μm程度であってもよい。

【0030】
一方、プレゲル組成物として、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物を使用する場合、架橋性ポリマーを含有する層には、更に光酸発生能を有するポリマー層を積層させるとよい。これにより、光酸発生能を有するポリマー層に光を照射することにより発生した酸が、酸により架橋する架橋剤を架橋可能な状態に変化させ、架橋性ポリマーを架橋させることが可能になる。すなわち、架橋性ポリマーを含有する層に光酸発生能を有するポリマー層を積層させることにより、パターン状に光を照射して、前記架橋性ポリマーをパターン状に架橋させることが可能になる。ここで、光溶解性ポリマー層に光酸発生能を持たせてもよい。すなわち、光溶解性ポリマー層として、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層を用いてもよい。

【0031】
(光酸発生能を有するポリマー)
光酸発生能を有するポリマーとしては、例えばパターン状に酸を発生させることができるポリマーを使用することができる。例えば、光を照射することにより酸を発生するポリマーが挙げられる。このようなポリマーとしては、例えば、光を吸収する発色団と分解後に酸性物質となる酸前駆体とからなる構造を有するもの等が挙げられる。

【0032】
光酸発生能を有するポリマーとしては、例えば、光酸発生剤を含有させたポリマーを用いることができる。

【0033】
光酸発生剤としては、例えば、スルホン酸誘導体、カルボン酸エステル類、オニウム塩類等が挙げられる。

【0034】
スルホン酸誘導体としては、例えば、ナフタレンイミド系スルホン酸誘導体、チオキサントン系スルホン酸誘導体等が挙げられる。ナフタレンイミド系スルホン酸誘導体としては、スルホン酸1,8-ナフタルイミド等が挙げられる。チオキサントン系スルホン酸誘導体としては、スルホン酸1,3,6-トリオキソ-3,6-ジヒドロ-1H-11-チア-アザシクロペンタ[a]アントラセン-2-イルエステル等が挙げられる。その他のスルホン酸誘導体としては、例えばジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類等が挙げられる。

【0035】
カルボン酸エステルとしては、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドメチルスルホネート、1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドトシルスルホネート等が挙げられる。

【0036】
オニウム塩としては、テトラフルオロボレート(BF)、ヘキサフルオロホスフェート(PF)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF)等のアニオンを有するスルホニウム塩又はヨードニウム塩等が挙げられる。

【0037】
ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂を意味する。

【0038】
基板上に光酸発生能を有するポリマー層を積層する方法は、上述した、基板上に光溶解性ポリマー層を積層する方法と同様である。

【0039】
光酸発生能を有するポリマー層の厚さは特に制限されず、溶媒を除去した状態において、例えば2~1000nm、例えば5~500nm、例えば10~200nm程度であってもよい。

【0040】
(光酸発生能を有する光溶解性ポリマー)
上述した光溶解性ポリマー及び光酸発生能を有するポリマーの代わりに、光酸発生能を有する光溶解性ポリマーを用いてもよい。光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして、より具体的には、光酸発生基を側鎖に有するポリメチルメタクリレート(以下、「pPAGMMA」という場合がある。)、ポリメチルメタクリレート、ポリ(N-アルキルアクリルアミド)等が挙げられる。光酸発生基としては、例えば、ナフタレンイミド系スルホン酸、チオキサントン系スルホン酸等のスルホネート誘導体、スルホニル化合物、オニウム化合物等が挙げられる。

【0041】
pPAGMMAは、大気中等の環境下において、波長320~480nmの光を照射することによりプロトンを発生させることができる。また、例えば20質量%の水を含むエタノール中等の適宜の溶媒中において、波長320~480nmの光を照射することにより溶解させることができる。

【0042】
基板上に光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層を積層する方法は、上述した、基板上に光溶解性ポリマー層を積層する方法と同様である。

【0043】
光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層の厚さは特に制限されず、溶媒を除去した状態において、例えば2~1000nm、例えば5~500nm、例えば10~200nm程度であってもよい。

【0044】
プレゲル組成物として、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物を使用する場合、光酸発生能を有するポリマー層上又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層上に、プレゲル組成物を塗布する方法は特に制限されない。例えば、プレゲル組成物を浸漬、スプレー、スピンコート、ドクターブレードコート、リップコート等により、光酸発生能を有するポリマー層上又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層上に塗布することが挙げられる。プレゲル組成物を塗布した後は、プレゲル組成物中の溶媒を除去することが好ましい。溶媒の除去は、風乾、加熱等により行うことができる。

【0045】
プレゲル組成物の層の厚さは、上述した光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物の場合と同様である。

【0046】
図3(a)は、一例として、基板10上に、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層20が積層され、更にプレゲル組成物(酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物)30が塗布された状態を示す図である。

【0047】
[工程(c)]
本工程では、前記架橋性ポリマーを含有する層に、架橋条件下でパターン状に光を照射して、前記架橋性ポリマーをパターン状に架橋させて架橋ポリマーシートを得る。

【0048】
(架橋条件下における光照射)
プレゲル組成物として、上述した、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物を用いた場合、架橋条件下とは、使用した当該ポリマーを架橋させることができる適宜の条件である。光照射により、プレゲル組成物中の架橋性ポリマーが架橋される。
その結果、光を照射した部分において、プレゲル組成物が架橋ポリマーシートを形成する。

【0049】
プレゲル組成物として、上述した、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物を用いた場合、架橋条件下とは、用いた光酸発生能を有するポリマー又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマーに応じた適宜の条件である。例えば、光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして上述したpPAGMMAを用いた場合、架橋条件として、大気中で、波長436nmの光を3J/cm照射する条件等が挙げられる。パターン状の光照射は、一般的なフォトリソグラフィー技術により行うことができる。

【0050】
光照射により、光酸発生能を有するポリマー層又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層において酸が発生し、プレゲル組成物中の架橋剤により架橋性ポリマーが架橋される。その結果、光を照射した部分において、プレゲル組成物が架橋ポリマーシートを形成する。光照射の後、架橋性ポリマーの架橋を促進するために加熱等を行ってもよい。

【0051】
図3(b)は、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層20にパターン状に光を照射し、架橋性ポリマーを架橋させた状態を示す図である。

【0052】
[工程(d)]
本工程では、架橋しなかった架橋性ポリマーを洗浄除去し、パターン状の架橋ポリマーシートを得る。洗浄には、適宜の洗浄液を用いることができる。洗浄液としては、例えば、水を含むエタノール等が挙げられる。図3(c)は、光を照射しなかった部分のプレゲル組成物を洗浄除去した状態を示す図である。光を照射した部分には、架橋ポリマーシート31が形成されている。

【0053】
[工程(e)]
本工程では、前記光溶解性ポリマー層又は前記光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層に、溶解条件下でパターン状に光を照射して前記光溶解性ポリマー層又は前記光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層をパターン状に溶解させ、前記架橋ポリマーシートをパターン状に基板から剥離させる。

【0054】
(溶解条件下における光照射)
溶解条件は、用いた光溶解性ポリマー又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマーに応じた適宜の条件である。例えば、光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして上述したpPAGMMAを用いた場合、溶解条件として、エタノール・水混合溶媒中で、波長436nmの光を10J/cm照射する条件等が挙げられる。パターン状の光照射は、一般的なフォトリソグラフィー技術により行うことができる。

【0055】
光照射により、光溶解性ポリマー又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマーが溶解(溶解)する。その結果、光を照射した部分において、上述した架橋ポリマーシートが基板から剥離する。図3(d)は、適宜の溶媒40中で、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層20にパターン状に光を照射し、光酸発生能を有する光溶解性ポリマーを溶解させている状態を示す図である。また、図3(e)は、光酸発生能を有する光溶解性ポリマーが溶解した結果、架橋ポリマーシート31がパターン状に基板10から剥離した状態を示す図である。図3(e)の例では、ポケット状の架橋ポリマー構造体が形成されている。ポケット状の架橋ポリマー構造体については後述する。

【0056】
本実施形態の製造方法によれば、プレゲル組成物を架橋するためのパターン、及び光溶解性ポリマー又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマーを溶解させるためのパターンを適宜設定することにより、様々な形状の架橋ポリマー構造体を製造することができる。光照射のパターンの選択から架橋ポリマー構造体の完成までの時間はわずか数分である。

【0057】
本実施形態の製造方法は極めて簡便であるため、パターン培養系の重要性が広く認知された細胞工学の研究現場等で、強力な実験検討手段を提供することができる。

【0058】
〔第2実施形態〕
1実施形態において、本発明は、上述した第1実施形態における(a)~(e)の工程に加えて、パターン状に基板から剥離した前記架橋ポリマーシートを破断除去する工程(f)を更に備える、架橋ポリマー構造体の製造方法を提供する。架橋ポリマーシートの破断除去は、例えば、架橋ポリマーシートに物理的な力を加えることにより行うことができる。

【0059】
[工程(f)]
本工程では、パターン状に基板から剥離した架橋ポリマーシートをパターン状に破断除去する。

【0060】
物理的な力を加える方法としては、例えば、細胞培養で用いるオートピペッター等で水等の液体を強く吹き付けること等が挙げられる。

【0061】
図3(f)はパターン状に基板から剥離した架橋ポリマーシート31を破断除去する様子を示す図である。例えば、適宜の液体40中で、ポケット状の架橋ポリマー構造体に、液体40を吹き付けること等により、図3(f)の矢印で示すように、基板から剥離した架橋ポリマーシート31が破断し、除去される。

【0062】
本実施形態の製造方法により、実質的に基板が露出した領域と、基板上にポリマーシートが接着された領域とをパターン状に形成することができる。ここで、実質的に基板が露出した領域とは、本実施形態の製造方法において、光溶解性ポリマー層又は光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層が完全には溶解されず、わずかに残存している状態も基板が露出した領域に含めることを意味する。

【0063】
本実施形態の製造方法により製造される架橋ポリマー構造体は、例えば、細胞培養用ポリマー構造体として利用することができる。細胞培養用架橋ポリマー構造体については後述する。

【0064】
<架橋ポリマー構造体製造用積層体>
1実施形態において、本発明は、基板と、前記基板上に積層された光溶解性ポリマー層と、前記光溶解性ポリマー層上に積層された架橋性ポリマーを含有する層と、を備える、架橋ポリマー構造体製造用積層体を提供する。

【0065】
本実施形態の架橋ポリマー構造体製造用積層体は、基板と、前記基板上に積層された光溶解性ポリマー層及び前記光溶解性ポリマー層上に積層された光酸発生能を有するポリマー層、又は前記基板上に積層された光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層と、前記光酸発生能を有するポリマー層上又は前記光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層上に塗布された、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物と、を備えるものであってもよい。

【0066】
本実施形態の架橋ポリマー構造体製造用積層体に対し、上述した架橋ポリマー構造体の製造方法の工程(c)~(e)を実施することにより、様々な架橋ポリマー構造体を製造することができる。

【0067】
本実施形態の架橋ポリマー構造体製造用積層体において、基板、光溶解性ポリマー、架橋性ポリマー、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)、光酸発生能を有するポリマー、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー、酸により架橋する架橋剤、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)については、上述したものと同様のものを使用することができる。

【0068】
<架橋ポリマー構造体>
〔第1実施形態〕
1実施形態において、本発明は、基板と、前記基板上に設けられた架橋ポリマーシートとを備え、前記基板及び前記架橋ポリマーシートは、前記基板及び前記架橋ポリマーシートが接着された接着領域と、前記基板及び前記架橋ポリマーシートが接着されていない非接着領域とを有し、平面視において、前記基板の前記接着領域は、前記基板の前記非接着領域の周囲を囲んで閉じており、前記架橋ポリマーシートの前記非接着領域には少なくとも1つの貫通孔が存在する、架橋ポリマー構造体を提供する。なお、本明細書において、平面視とは、基板と垂直な方向から基板を見た状態を意味する。

【0069】
本実施形態の架橋ポリマー構造体は、例えば、上述した第1実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法により製造することができる。したがって、本実施形態の架橋ポリマー構造体の製造に用いられる、基板、光溶解性ポリマー、架橋性ポリマー、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)、光酸発生能を有するポリマー、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー、酸により架橋する架橋剤、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)は、上述した第1実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法で用いられるものと同様である。

【0070】
本実施形態の架橋ポリマー構造体において、基板及びポリマーシートが接着された接着領域とは、上述した第1実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法の工程(c)においてプレゲル組成物が架橋されて架橋ポリマーシートが形成された領域のうち、工程(e)において架橋ポリマーシートが基板から剥離されなかった領域を意味する。

【0071】
ここで、基板の接着領域とは基板における上記接着領域をいい、架橋ポリマーシートの接着領域とは架橋ポリマーシートにおける上記接着領域をいう。

【0072】
また、非接着領域とは、上述した第1実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法の工程(c)においてプレゲル組成物が架橋されて架橋ポリマーシートが形成された領域のうち、工程(e)において架橋ポリマーシートが基板から剥離された領域を意味する。

【0073】
ここで、基板の非接着領域とは基板における上記非接着領域(実質的に基板が露出した領域)をいい、架橋ポリマーシートの非接着領域とは架橋ポリマーシートにおける上記非接着領域(架橋ポリマーシートのうち基板から剥離している領域)をいう。

【0074】
本実施形態の架橋ポリマー構造体は、平面視において、基板の接着領域が、基板の非接着領域の周囲を囲んで閉じている。また、架橋ポリマーシートの非接着領域には少なくとも1つの貫通孔が存在する。その結果、本実施形態の架橋ポリマー構造体はポケット状の構造(袋状構造)を形成している。

【0075】
本実施形態の架橋ポリマー構造体の具体例としては、図1(a)~(e)及び図2に示す構造体等が挙げられる。

【0076】
例えば、図1A、図1B及び図2に示す構造においては、向かって下側の貫通孔(開口部)がポケットの入口になっているといえる。また、図1C、図1D及び図1Eに示す構造においては、基板の表側又は基板の裏側がポケットの入口になっているといえる。

【0077】
ポケット状の架橋ポリマー構造体は、どのような開口を有していてもよい。また、ポケット状の架橋ポリマー構造体を構成する架橋ポリマーシートは、ポケットの開口部以外にも、1つ又は複数の貫通孔を有していてもよい。例えば、図1Aに示す構造においては、向かって上側に3つの貫通孔が形成されている。また、図1B、図1D、図2の右半分(左から3列目及び4列目)に示す構造では、架橋ポリマーシートに複数の貫通孔が形成され、網目状になっている。また、図1Eに示す構造においても、架橋ポリマーシートに複数の貫通孔が形成されている。

【0078】
(第1実施形態の架橋ポリマー構造体の用途)
《細胞培養》
ヒトiPS由来細胞の活用が本格的に検討される中、特に医薬品アッセイ等の分野で、培養基材上に接着した細胞を、流れる培養液の中で培養(灌流培養)する技術が盛んに検討されている。

【0079】
医薬品アッセイ等の分野における灌流培養では、細胞が浮遊せず基材上に固定化されており、随時観察・評価できることが重要である。多くの場合、足場依存性細胞をあらかじめ基材上に接着させてから培養液を流すことが行われる。しかしながら、細胞が基材上に接着するまでの時間は培養液を流すことができないため、酸素や養分の枯渇が問題となる場合がある。

【0080】
また、接着性のない浮遊細胞や細胞塊を、随時観察が可能な基材上で灌流培養するためには、これらを固定化する仕組みが必要となる。浮遊する微小物体を、流れる液体中の所定の個所にとどめる技術として、表面に微小な構造を有する材料の応用が検討されている。例えば、流路内に配置された柱状構造物を利用することが検討されている。

【0081】
しかしながら、接着性のない浮遊細胞や細胞塊を、流路内に配置された柱状構造物で所定の領域にとどめた場合、柱状構造物で堰き止められた細胞により培養液の流れが悪くなる場合がある。その結果、細胞に新鮮な培養液を行き渡らせるという灌流培養本来の目的が達せられなくなってしまう。

【0082】
これに対し、上述したポケット状の架橋ポリマー構造体の内部に、接着性のない浮遊細胞や細胞塊を捕捉することにより、細胞を所定の領域にとどめることができる。これにより、ポケット構造の内部に細胞を捕捉した直後から、培地をフローさせることが可能となる。その際、ポケット構造の上方では培養液が自由に流れることができ、全体の流れを妨げることはない。また、ポケットを構成する架橋ポリマーシートは厚さが薄く透明であるため、内部の細胞を観察する上で大きな支障とならない。また、ポケット構造に培養液を強く吹き付けることでポケット部分を破ることができるので、細胞をポケット構造の内部から容易に回収することができる。

【0083】
また、ポケットを構成する架橋ポリマーシートに複数の貫通孔を設けることにより、貫通孔の大きさ以上の大きさの物体を捕捉する一方で、貫通孔の大きさ以下の大きさの物体や流体は、ポケットの内部を通り抜けることができる。このため、所定の大きさの物体を選択的に捕捉し、それ以下の物体と効率的に分離することも可能となる。その際、流体は、ポケット構造によってその流れを妨げられることなく、捕捉された物体表面に供給されることができる。すなわち、上記の物体として、接着性のない浮遊細胞や細胞塊を上述したポケット状の架橋ポリマー構造体に捕捉させることにより、有用な細胞灌流培養の手段を提供することができる。

【0084】
第1実施形態の架橋ポリマー構造体を細胞培養に利用する場合、基板の非接着領域の面積は、例えば10~100,000,000μm、例えば50~10,000,000μm、例えば100~1,000,000μmであってもよい。

【0085】
《弁》
また、ポケット状の架橋ポリマー構造体は、ポケットの入口方向からの流体の流れによって膨らみ、流体の流れを妨げる一方で、逆方向の流体の流れにはしぼみ、流体の流れを妨げない。そのため、ポケット状の架橋ポリマー構造体を流路内に配置することにより、流体の流れの方向によって流路抵抗が変化する流路を形成することができる。したがって、ポケット状の架橋ポリマー構造体は、例えば流体デバイスにおける弁として機能させることができる。

【0086】
〔第2実施形態〕
1実施形態において、本発明は、基板と、前記基板上にパターン状に設けられた細胞接着可能部及び細胞非接着部とを備え、前記細胞接着可能部では前記基板が露出しており、前記細胞非接着部は前記基板上に接着された架橋ポリマーシートからなる、細胞培養用架橋ポリマー構造体を提供する。本実施形態の細胞培養用架橋ポリマー構造体は、細胞培養基材であるともいえる。

【0087】
本実施形態の架橋ポリマー構造体は、例えば、上述した第2実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法により製造することができる。したがって、本実施形態の架橋ポリマー構造体の製造に用いられる、基板、光溶解性ポリマー、架橋性ポリマー、光を照射することにより架橋するポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)、光酸発生能を有するポリマー、光酸発生能を有する光溶解性ポリマー、酸により架橋する架橋剤、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物(プレゲル組成物)は、上述した第2実施形態に係る架橋ポリマー構造体の製造方法で用いられるものと同様である。

【0088】
本実施形態の架橋ポリマー構造体において、細胞接着可能部には細胞が接着することができる。一方、細胞非接着部は強い細胞接着阻害性を有しており、細胞の接着が強く阻害される。本実施形態の架橋ポリマー構造体により、細胞をパターン状に接着させて培養する、パターン培養系を構築することができる。

【0089】
本実施形態の架橋ポリマー構造体において、細胞接着可能部は、実質的に基板が露出した領域である。また、細胞非接着部は基板上に架橋ポリマーシートが接着された領域である。特に、中性の水和性ポリマーからなるハイドロゲルは、強い細胞接着阻害性を有しているため、本実施形態の架橋ポリマー構造体の細胞非接着部を構成する材料として好適である。

【0090】
(細胞接着可能部及び細胞非接着部の配置例1)
本実施形態の細胞培養用架橋ポリマー構造体において、細胞接着可能部及び細胞非接着部は、互いに平行に並んだ線状に設けられていてもよい。

【0091】
後述する実施例で示すように、図7Aは、細胞接着可能部及び細胞非接着部が互いに平行に並んだ線状に設けられた細胞培養用架橋ポリマー構造体上で細胞を培養した結果を示す写真である。細胞接着可能部及び細胞非接着部をこのように配置することにより、細胞を平行に配列させ、配向させることができる。

【0092】
(細胞接着可能部及び細胞非接着部の配置例2)
本実施形態の細胞培養用架橋ポリマー構造体において、細胞接着可能部は、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有していてもよい。

【0093】
発明者らは、複数の独立した島状の細胞接着可能部を有する細胞培養用架橋ポリマー構造体を用いて細胞を培養した場合、各島状部における細胞の増殖の程度が不均一になる傾向にあることを見出した。

【0094】
発明者らは更に、細胞接着可能部のパターン形状を、独立した複数の島状部と当該島状部間を連結する連結部を有する形状にした細胞培養用架橋ポリマー構造体を用いて細胞を培養すると、各島状部における細胞の増殖の程度が均一に揃う傾向にあることを見出した。

【0095】
すなわち、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有する形状の細胞接着可能部を有する細胞培養用架橋ポリマー構造体を用いることにより、各島状部における細胞の増殖の程度を均一に揃え、細胞を均一に培養することができる。

【0096】
後述する実施例で示すように、図6、図7B及び図8は、細胞接着可能部が、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有する細胞培養用架橋ポリマー構造体上で細胞を培養した結果を示す写真である。細胞接着可能部及び細胞非接着部をこのように配置することにより、各島状部における細胞の増殖の程度を均一に揃え、細胞を均一に培養することができる。

【0097】
本実施形態の細胞培養用架橋ポリマー構造体において、島状部の形状は特に制限されず、例えば円形、矩形、多角形、その他の不定形状等が挙げられる。ここで、円形は楕円形を含む。また、多角形は3角形、4角形、5角形、6角形等であってもよい。

【0098】
また、細胞接着可能部のうち、上面視において幅が狭い部分が連結部であり、連結部を除く部分が島状部であるといえる。

【0099】
島状部1つ当たりの面積は、例えば200~100,000,000μm、例えば1,000~200,000μm、例えば5,000~50,000μmであってもよい。

【0100】
また、後述する、均一な大きさの細胞隗を製造することを目的とする場合等には、上記の島状部の全てが実質的に同じ面積を有することが好ましい。ここで、実質的に同じとは、製造プロセスにおいて排除することが困難なばらつきを許容する意味である。

【0101】
<細胞培養方法及び細胞>
1実施形態において、本発明は、細胞接着可能部が、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有し、複数の島状部の全てが実質的に同じ面積を有する細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面で細胞を培養する工程を備える、複数の前記島状部に接着した細胞を均一に培養する細胞培養方法を提供する。

【0102】
上述したように、発明者らは、このような細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面で細胞を培養することにより、複数の前記島状部に接着した細胞を均一に培養することができることを見出した。

【0103】
1実施形態において、本発明は、上記の細胞培養方法により培養された細胞を提供する。

【0104】
本実施形態の細胞は、細胞培養用架橋ポリマー構造体上に接着した状態で細胞培養用架橋ポリマー構造体とともに流通させてもよい。

【0105】
<細胞隗の製造方法及び細胞隗>
1実施形態において、本発明は、細胞接着可能部が、複数の島状部及び複数の前記島状部間を連結する連結部を有し、複数の島状部の全てが実質的に同じ面積を有する細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面で細胞を培養する工程と、前記細胞を剥離させ、複数の前記島状部に接着していた細胞からなる前記島状部と実質的に同数の細胞隗を得る工程と、を備える、細胞隗の製造方法を提供する。本実施形態の細胞隗の製造方法によれば、大きさが均一な細胞隗を得ることができる。

【0106】
ここで、島状部と実質的に同数の細胞隗とは、細胞の剥離等の操作において排除できない細胞隗の破壊等により、島状部の数と完全に一致した数の細胞隗が得られない場合があることを許容する意味である。

【0107】
例えばiPS細胞やiPS由来細胞を用いた研究や、これらの細胞を活用する分野においては、これらの細胞の均一な細胞隗を作製することが必要な場合がある。本実施形態の細胞隗の製造方法によれば、容易に均一な大きさのiPS細胞等の細胞隗を製造することができる。

【0108】
細胞を剥離させる方法としては、例えば細胞にトリプシンやコラゲナーゼ等の酵素を反応させる方法、細胞をキレート剤を含有する緩衝液で洗浄することにより、細胞接着に必要なカルシウムイオンを除去する方法等が挙げられる。

【0109】
1実施形態において、本発明は、上記の細胞隗の製造方法により培養された細胞隗を提供する。
本実施形態の細胞隗は、大きさが均一に揃っているため、例えば医薬品や化成品の細胞アッセイ、iPS細胞を用いた研究や活用等に有効に利用することができる。
【実施例】
【0110】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0111】
[実施例1]
(ポケット状の架橋ポリマー構造体の形成1)
光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして、モノマー分率2モル%の光酸発生残基を含むpPAGMMAを使用した。まず、pPAGMMA 1質量%を含むトリフルオロエタノール溶液をポリスチレン基板上にスピンコートし、85℃で1時間加熱した。
【実施例】
【0112】
続いて、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物として、部分加水分解ポリ酢酸ビニル5質量%、テトラメトキシメチルグリコールウリル(以下、「TMMGU」という場合がある。)0.1質量%、硫酸0.005質量%を含むメタノール溶液を準備した。当該組成物を上記の基板上にスピンコートし、85℃で5分間加熱した。
【実施例】
【0113】
続いて、ポリマーシート(ゲル層)を形成するパターンに沿って波長436nmの光を3J/cm露光した。続いて、85℃で2時間加熱後、未露光部を、水を含むエタノールで洗浄除去することで現像した。
【実施例】
【0114】
形成されたポリマーシートに、20重量%の水を含むエタノール中で、パターン状に波長436nmの光を10J/cm露光することでpPAGMMAを溶解させ、基板表面からポリマーシートを局所的に剥離し、ポケット状の架橋ポリマー構造体を形成した。
【実施例】
【0115】
[実施例2]
(ポケット状の架橋ポリマー構造体の形成2)
光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして、モノマー分率2モル%の光酸発生残基を含むpPAGMMAを使用した。まず、pPAGMMA 1質量%を含むトリフルオロエタノール溶液をポリスチレン基板上にスピンコートし、85℃で1時間加熱した。
【実施例】
【0116】
続いて、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物として、ヒドロキシプロピルセルロース5質量%、TMMGU 0.1質量%、硫酸0.005質量%を含むメタノール溶液を準備した。当該組成物を上記の基板上にスピンコートし、85℃で5分間加熱した。
【実施例】
【0117】
続いて、ポリマーシートを形成するパターンに沿って波長436nmの光を3J/cm露光した。続いて、85℃で2時間加熱後、未露光部を、水で洗浄除去することで現像した。
【実施例】
【0118】
形成されたポリマーシートに、20重量%の水を含むエタノール中で、パターン状に波長436nmの光を10J/cm露光することでpPAGMMAを溶解させ、基板表面からポリマーシートを局所的に剥離し、ポリマーシートの剥離した領域内に1つ又は複数の貫通孔を有するポケット状の架橋ポリマー構造体を形成した。
【実施例】
【0119】
図1A~図1Eは、本実施例で形成したポケット状の架橋ポリマー構造体を、共焦点レーザー走査顕微鏡で観察した結果を示す写真である。また、図2は、本実施例で形成した、ポケット状の架橋ポリマー構造体がアレイ状に配置されたポケットアレイを、光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。図2の右半分に示されるポケット状の架橋ポリマー構造体において、ポリマーシートの剥離した領域(ポケットを形成する領域)には、四角形の貫通孔が多数形成され、網目状になっている(以下、「網目状ポケット構造体」という場合がある。)。
【実施例】
【0120】
[実施例3]
(ポケット状の架橋ポリマー構造体を用いた細胞培養)
実施例2で形成した多数のポケット状の架橋ポリマー構造体を表面に有する基板に対し、イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞株であるMDCK細胞、又はヒト肝癌由来の細胞株であるHepG2細胞を培地に分散させた細胞分散液を、ポケットの入口方向から繰り返し流し込むことで、ポケット構造の内部に細胞を導入した。そのままインキュベータ内で細胞を培養した。図4は、本実施例で培養したMDCK細胞を光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。その結果、翌日以降も細胞がポケット構造内に安定に保持され、生存することが確認された。
【実施例】
【0121】
[実施例4]
(ポケット構造を用いた細胞分離)
実施例2で形成した多数の網目状ポケット構造体を表面に有する基板に対し、大きさに分布を有するヒトiPS細胞の細胞塊を含む細胞分散液を、ポケットの入口方向から繰り返し流し込むことで、ポケット構造の内部に細胞隗を導入した。さらに、ポケットの入口方向を上にして基板を傾け、培地をポケット入口方向から流し込むことで、ポケットの網目構造より大きい細胞塊のみを、ポケット構造内部に残存させることができることを確認した。そのままインキュベータ内で細胞を培養した。図5A及び図5Bは、本実施例で培養したヒトiPS細胞の細胞隗を光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。その結果、翌日以降も細胞がポケット構造内に安定に保持され、生存することが確認された。
【実施例】
【0122】
[実施例5]
(細胞培養用架橋ポリマー構造体の作製)
光酸発生能を有する光溶解性ポリマーとして、モノマー分率2モル%の光酸発生残基を含むpPAGMMAを使用した。まず、pPAGMMA 0.5質量%を含むトリフルオロエタノール溶液をポリスチレン基板上にスピンコートし、85℃で1時間加熱した。
【実施例】
【0123】
続いて、酸により架橋する架橋剤及び架橋性ポリマーを含有する組成物として、ヒドロキシプロピルセルロース0.1質量%、TMMGU 0.001質量%、硫酸0.002質量%を含むメタノール溶液を準備した。当該組成物を上記の基板上にスピンコートし、85℃で5分間加熱した。
【実施例】
【0124】
続いて、基板の全面に波長436nmの光を3J/cm露光した。続いて、85℃で2時間加熱した。これにより、基板の全面にポリマーシートが形成された。
【実施例】
【0125】
続いて、20重量%の水を含むエタノール中で、パターン状に波長436nmの光を10J/cm露光することでpPAGMMAを溶解させ、基板表面からポリマーシートを局所的に剥離した。続いて、に表面を強く水で洗い流すことにより、剥離したポリマーシートをパターン状に破断除去した。
【実施例】
【0126】
これにより、細胞接着可能部及び細胞非接着部を備える細胞培養用架橋ポリマー構造体が得られた。ここで、ポリマーシートが除去された領域が細胞接着可能部であり、ポリマーシートが存在する部分が細胞非接着部である。
【実施例】
【0127】
得られた細胞培養用架橋ポリマー構造体上に、MDCK細胞、マウス胎仔由来の線維芽細胞株であるNIH/3T3細胞、又はヒトiPS細胞を播種し翌日まで培養した。ヒトiPS細胞の培養においては、細胞培養用架橋ポリマー構造体の表面にマトリゲル(コーニング社製)コート処理を施した。
【実施例】
【0128】
その結果、いずれの細胞においても、ポリマーシートが除去された領域(細胞接着可能部)のみに細胞が接着し、パターン状に細胞を培養することができた。また、ポリマーシートが存在する領域(細胞非接着部)の細胞接着阻害性は非常に高く、培養を更に2日間続けてオーバーコンフルエントの状態に増殖させた細胞も、細胞非接着部からはみ出すことはなかった。
【実施例】
【0129】
図6は、本実施例で培養したMDCK細胞を光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。この状態で細胞を剥離すると、各島状の細胞接着可能部の細胞がそれぞれ1つずつの細胞隗を形成し、均一な大きさの細胞隗を得ることができた。
【実施例】
【0130】
また、図7A及び図7Bは、本実施例で培養したNIH/3T3細胞を光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。図7Aに示す細胞培養用架橋ポリマー構造体では、細胞接着可能部及び前記細胞非接着部が互いに平行に並んだ線状に設けられていた。その結果、細胞を平行に配列させ、配向させることができた。また、図7Bの細胞を剥離すると、各島状の細胞接着可能部の細胞がそれぞれ1つずつの細胞隗を形成し、均一な大きさの細胞隗を得ることができた。
【実施例】
【0131】
図8は、本実施例で培養したヒトiPS細胞を光学顕微鏡で観察した結果を示す写真である。その結果、ヒトiPS細胞もパターン状に培養できることが確認された。また、図8の細胞を剥離すると、各島状の細胞接着可能部の細胞がそれぞれ1つずつの細胞隗を形成し、均一な大きさの細胞隗を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明によれば、新たな微細構造の形成技術を提供することができる。より具体的には、架橋ポリマー構造体の製造方法、架橋ポリマー構造体製造用積層体、架橋ポリマー構造体、細胞培養用架橋ポリマー構造体、細胞培養方法、細胞隗の製造方法及び細胞隗を提供することができる。
【符号の説明】
【0133】
10…基板、20…光酸発生能を有する光溶解性ポリマー層、30…プレゲル組成物、
31…架橋ポリマーシート、40…溶媒(液体)。
図面
【図1A】
0
【図1B】
1
【図1C】
2
【図1D】
3
【図1E】
4
【図2】
5
【図3】
6
【図4】
7
【図5A】
8
【図5B】
9
【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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