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明細書 :平行グリッパ式把持装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-028920 (P2020-028920A)
公開日 令和2年2月27日(2020.2.27)
発明の名称または考案の名称 平行グリッパ式把持装置
国際特許分類 B25J  15/08        (2006.01)
FI B25J 15/08 C
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2018-153844 (P2018-153844)
出願日 平成30年8月20日(2018.8.20)
発明者または考案者 【氏名】小俣 透
【氏名】服部 太樹
出願人 【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100100011、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 省三
審査請求 未請求
テーマコード 3C707
Fターム 3C707DS01
3C707ES03
3C707ET08
3C707EU04
3C707EV02
3C707EV22
3C707EV26
要約 【課題】種々の把持対象物の把持が可能な平行グリッパ式把持装置を提供する。
【解決手段】主台座1上に左台座2-1及び右台座2-2が左右移動可能に設けられている。左台座2-1にはリニアガイドレール5-1、5-1’及びピニオン6-1が設けられる。右台座2-2にはリニアガイドレール5-2、5-2’及びピニオン6-2が設けられる。左グリッパ7-1の把持面S1と右グリッパ7-2の把持面S2とは互いに対向している。左グリッパ7-1は大指部7-1-1及び小指部7-1-2よりなる。大指部7-1-1はリニアガイドブロック(溝)8-1-0、8-1-0’及び大指ラック8-1-1を有し、小指部7-1-2は小指ラック8-1-2、リニアガイドレール8-1-3及び引張ばね8-1-4を有する。リニアガイドブロック(溝)8-1-5が大指部7-1-1側に設けられる。右グリッパ7-2も左グリッパと同様である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲 【請求項1】
主台座と、
前記主台座上に対称的に移動可能に設けられた第1、第2の台座と、
前記各第1、第2の台座上に設けられ、互いに対向する把持面を有する第1、第2のグリッパと
を具備し、
前記第1のグリッパは、
前記第1の台座上に設けられ、第1の把持面幅を有する第1の指部と、
前記第1の指部に隣接して伸縮可能に設けられ、第2の把持面幅を有する第2の指部と
を具備し、
前記第2のグリッパは、
前記第2の台座上に設けられ、第3の把持面幅を有する第3の指部と、
前記第3の指部に隣接して伸縮可能に設けられ、第4の把持面幅を有する第4の指部と
を具備する平行グリッパ式把持装置。
【請求項2】
前記第1、第3の指部は伸縮可能である請求項1に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項3】
さらに、
前記第1の台座に設けられ、前記第1、第2の指部を駆動するための第1のモータと、
前記第2の台座に設けられ、前記第3、第4の指部を駆動するための第2のモータと
を具備し、
前記第1のモータにより、前記第1、第2の指部を所定長まで同時に伸縮させ、前記所定長に到達後は前記第2の指部のみを伸縮させるようにし、
前記第2のモータにより、前記第3、第4の指部を所定長まで同時に伸縮させ、前記所定長に到達後は前記第4の指部のみを伸縮させるようにした請求項2に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項4】
前記第1の台座に、前記第1の指部を上下移動させるためのストッパ付の第1の直動摺動部材及び前記第1、第2の指部を上下移動させるための第1のピニオンを設け、
前記第1の指部に前記第1の直動摺動部材に摺動可能な第2の直動摺動部材を設け、
前記第1の指部に前記第1のピニオンに噛み合うための第1のラック及び第3の直動摺動部材を設け、
前記第2の指部に、前記第1のピニオンに噛み合うための前記第1のラックより長い第2のラック、前記第3の直動摺動部材に摺動可能に結合された第4の直動摺動部材及び前記第1の指部を引張るための第1の引張ばねを設け、
前記第2の台座に、前記第3の指部を上下移動させるためのストッパ付の第5の直動摺動部材及び前記第3、第4の指部を上下移動させるための第2のピニオンを設け、
前記第3の指部に前記第5の直動摺動部材に摺動可能な第6の直動摺動部材を設け、
前記第3の指部に前記第2のピニオンに噛み合うための第3のラック及び摺動可能に結合される第7の直動摺動部材を設け、
前記第4の指部に、前記第2のピニオンに噛み合うための前記第3のラックより長い第4のラック、前記第7の直動摺動部材に摺動可能に結合された第8の直動摺動部材、及び前記第3の指部を引張るための第2の引張ばねを設けた請求項2に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項5】
さらに、
前記第1のピニオンを回転駆動するための第1のモータと、
前記第2のピニオンを回転駆動するための第2のモータと
を具備する請求項4に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項6】
前記第1のピニオンは前記第1の指部を上下移動するための第1のサブピニオン及び前記第2の指部を上下移動するための第2のサブピニオンを具備し、
さらに、前記第1、第2のサブピニオンを同期駆動するための第1のモータを具備し、
前記第2のピニオンは前記第3の指部を上下移動するための第3のサブピニオン及び前記第4の指部を上下移動するための第4のサブピニオンを具備し、
さらに、前記第3、第4のサブピニオンを同期駆動するための第2のモータを具備する請求項4に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項7】
前記第1の台座に、前記第1の指部を上下移動させるためのストッパ付の第1の直動摺動部材及び前記各第1、第2の指部を上下移動させるための第1、第2のピニオンを設け、
前記第1の指部に前記第1の直動摺動部材に摺動可能な第2の直動摺動部材を設け、
前記第1の指部に前記第1のピニオンに噛み合うための第1のラック及び第3の直動摺動部材を設け、
前記第2の指部に、前記第2のピニオンに噛み合うための第2のラック、及び前記第3の直動摺動部材に摺動可能に結合された第4の直動摺動部材を設け、
前記第2の台座に、前記第3の指部を上下移動させるためのストッパ付の第5の直動摺動部材及び前記各第3、第4の指部を上下移動させるための第3、第4のピニオンを設け、
前記第3の指部に前記第5の直動摺動部材に摺動可能に結合された第6の直動摺動部材を設け、
前記第3の指部に前記第3のピニオンに噛み合うための第3のラック及び第7の直動摺動部材を設け、
前記第4の指部に、前記第4のピニオンに噛み合うための第4のラック、及び前記第7の直動摺動部材に摺動可能に結合された第8の直動摺動部材を設け、
前記各第1、第2、第3、第4のピニオンを回転駆動するための第1、第2、第3、第4のモータを具備する請求項2に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項8】
前記第1、第3の指部は固定長である請求項1に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項9】
前記第1の台座に、前記第2の指部を上下移動させるための第1のピニオンを設け、
前記第1の指部に摺動可能に結合される第1の直動摺動部材を設け、
前記第2の指部に、前記第1のピニオンに噛み合うための第1のラック、並びに前記第1の直動摺動部材に摺動可能に結合された第2の直動摺動部材を設け、
前記第2の台座に、前記第4の指部を上下移動させるための第2のピニオンを設け、
前記第3の指部に摺動可能に結合される第3の直動摺動部材を設け、
前記第4の指部に、前記第2のピニオンに噛み合うための第2のラック、及び前記第3の直動摺動部材に摺動可能に結合された第4の直動摺動部材を設け、
前記各第1、第2のピニオンを回転駆動するための第1、第2のモータを具備する請求項7に記載の平行グリッパ式把持装置。
【請求項10】
主台座と、
前記主台座上に対称的に移動可能に設けられた第1、第2の台座と、
前記各第1、第2の台座上に設けられ、互いに対向する把持面を有する第1、第2のグリッパと
を具備し、
前記第1のグリッパは、前記第1の台座上に設けられ、3つ以上の隣接する第1の指部を具備し、
前記第2のグリッパは、前記第2の台座上に設けられ、前記各第1の指部に対向する3つ以上の隣接する第2の指部を具備し、
対向する前記第1の指部の少なくとも1つ及び前記第2の指部の少なくとも1つは伸縮可能である平行グリッパ式把持装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は種々の把持対象物の把持が可能な平行グリッパ式把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の平行グリッパ式把持装置は平行な左グリッパ(左指部)及び右グリッパ(右指部)を有し、左指部及び右指部を開閉することにより把持対象物を把持する。この場合、左指部及び右指部の各長さは共に固定長である(参照:特許文献1)。左指部の長さと右指部の長さとを相異ならせることもできるが、いずれの指部の長さは固定長である(参照:特許文献2)。これにより、小型軽量かつ高把持力の平行グリッパ式把持装置を実現する。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2016-159411号公報
【特許文献2】特開平7-290393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の平行グリッパ式把持装置は、汎用性が低いという課題がある。たとえば、図15の(A)に示すごとく、大きな平行な左指部101及び右指部102を有する平行グリッパ式把持装置100は大きな把持対象物103を把持するのに適する。他方、図15の(B)に示すごとく、小さな平行な左指部201及び右指部202を有する平行グリッパ式把持装置200は狭い空間に収容された小さな把持対象物203を把持するのに適する。しかしながら、図15の(A)は平行グリッパ式把持装置100は図15の(B)の狭い空間に収容された小さな把持対象物203を把持できない。また、図15の(B)の平行グリッパ式把持装置200は図15の(A)の大きな把持対象物103の把持には適さない。さらに、把持対象物を把持しながら回転等の操作させるような特殊な操作の場合には、固定長の各指部は伸縮しないので、図15の(A)の平行グリッパ式把持装置100及び図15の(B)の平行グリッパ式把持装置200のいずれも適さない。左指部の長さと右指部の長さとが異なると、さらに、汎用性が低くなる。このように、従来の平行グリッパ式把持装置は汎用性が低いので、自動化設備における運用での障害となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明に係る平行グリッパ式把持装置は、主台座と、主台座上に対称的に移動可能に設けられた第1、第2の台座と、各第1、第2の台座上に設けられ、互いに対向する把持面を有する第1、第2のグリッパとを具備し、第1のグリッパは、第1の台座上に設けられ、第1の把持面幅を有する第1の指部と、第1の指部に隣接して伸縮可能に設けられ、第2の把持面幅を有する第2の指部とを具備し、第2のグリッパは、第2の台座上に設けられ、第3の把持面幅を有する第3の指部と、第3の指部に隣接して伸縮可能に設けられ、第4の把持面幅を有する第4の指部とを具備するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1、第2のグリッパの把持面幅を調整でき、従って、先端部の把持面幅が大きいときに大きい把持対象物を把持でき、先端部の把持面幅が小さいときに小さい把持対象物を把持できる。また、少なくとも、伸縮可能な第2、第4の指部の長さを個別的に調整することにより特殊な操作も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の詳細を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図3】図1の平行グリッパ式把持装置の動作を説明するための図である。
【図4】図1の平行グリッパ式把持装置の第1の把持動作を説明するための図である。
【図5】図1の平行グリッパ式把持装置の大きな把持対象物の把持動作例を説明するための図である。
【図6】図1の平行グリッパ式把持装置の小さな把持対象物の把持動作例を説明するための図である。
【図7】図1の平行グリッパ式把持装置の第2の把持動作を説明するための図である。
【図8】本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第2の実施の形態を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図9】本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第3の実施の形態を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図10】図9の平行グリッパ式把持装置の把持動作を説明するための図であって、(A)は左側面図、(B)は右側面図である。
【図11】図9の変更例を示す図であって、(A)は左側面図、(B)は右側面図である。
【図12】図11の平行グリッパ式把持装置の把持動作を説明するための図である。
【図13】本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。
【図14】図13の平行グリッパ式把持装置の把持動作を説明するための図である。
【図15】従来の平行グリッパ式把持装置の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1の詳細を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。

【0009】
図1、図2において、主台座1上に左台座2-1及び右台座2-2が左右移動可能に設けられている。つまり、左台座2-1及び右台座2-2には送りねじ3が嵌め込まれ、モータ4によって回転駆動される。この場合、送りねじ3の左側ねじ3-1と右側ねじ3-2とはねじ加工方向が逆となっている。従って、左台座2-1と右台座2-2とは左右対称に移動する。

【0010】
左台座2-1にはストッパ5-1a、5-1’a付の直動摺動部材たとえばリニアガイドレール5-1、5-1’及びピニオン6-1が設けられ、ピニオン6-1を回転駆動することにより左台座2-1に対して左グリッパ7-1の後述の大指部7-1-1をリニアガイドレール5-1、5-1’に沿って上下直動させる。同様に、右台座2-2にはストッパ5-2a、5-2’a付の直動摺動部材たとえばリニアガイドレール5-2、5-2’及びピニオン6-2が設けられ、ピニオン6-2を回転駆動することにより右台座2-2に対して右グリッパ7-2の後述の大指部7-2-1をリニアガイドレール5-2、5-2’に沿って上下直動させる。

【0011】
次に、左グリッパ7-1及び右グリッパ7-2について詳細に説明する。尚、左グリッパ7-1の把持面S1と右グリッパ7-2の把持面S2とは互いに対向している。

【0012】
左グリッパ7-1は把持面幅が大きい大指部7-1-1及び把持面幅が小さい小指部7-1-2よりなる。大指部7-1-1はリニアガイドレール5-1、5-1’に摺動可能に結合される直動摺動部材たとえばリニアガイドブロック(溝)8-1-0、8-1-0’及びほぼ上半分の長さの大指ラック8-1-1を有し、小指部7-1-2は上下全体に亘る小指ラック8-1-2、大指ラック8-1-1に対して小指部7-1-2を上下直動させるための直動摺動部材たとえばリニアガイドレール8-1-3及び大指部7-1-1を引張るための引張ばね8-1-4を有する。この場合、リニアガイドレール8-1-3を摺動させるためのリニアガイドブロック(溝)8-1-5が大指部7-1-1側に設けられる。同様に、右グリッパ7-2は把持面幅が大きい大指部7-2-1及び把持面幅が小さい小指部7-2-2よりなる。大指部7-2-1は直動摺動部材たとえばリニアガイドレール5-2、5-2’を摺動させるためのリニアガイドブロック(溝)8-2-0、8-2-0’及びほぼ上半分の長さの大指ラック8-2-1を有し、小指部7-2-2は上下全体に亘った小指ラック8-2-2、大指ラック8-2-1に対して小指部7-2-2を上下直動させるための直動摺動部材たとえばリニアガイドレール8-2-3及び大指部7-2-1を引張るための引張ばね8-2-4を有する。この場合、リニアガイドレール8-2-3を摺動させるためのリニアガイドブロック(溝)8-2-5が大指部7-2-1側に設けられる。

【0013】
ピニオン6-1はモータ9-1によって回転駆動され、他方、ピニオン6-2はモータ9-2によって回転駆動される。モータ9-1、9-2はモータ4と共にマイクロコンピュータ等によって構成される制御ユニット10によって制御される。

【0014】
図3は図1の平行グリッパ式把持装置の動作を説明する図である。尚、図3の(A)~(D)は右グリッパ7-2を示すが、この場合、左グリッパ7-1も同一動作を行うものとする。

【0015】
始めに、図3の(A)の状態では、ピニオン6-2(6-1)は大指ラック8-2-1(8-1-1)及び小指ラック8-2-2(8-1-2)の両方と噛み合っている。つまり、大指部/小指部同時伸縮モードとなる。尚、図3の(A)の斜視図は図3の(E)に示される。この場合、大指部7-2-1(7-1-1)の把持面幅はたとえば32mmかつ小指部7-2-2(7-1-2)の把持面幅はたとえば18mmであり、従って、右グリッパ7-2(左グリッパ7-1)の把持面幅は50mmと大きい。この状態でピニオン6-2(6-1)をモータ9-1(9-2)によって一方向に回転駆動させると、大指ラック8-2-1(8-1-1)及び小指ラック8-2-2(8-1-2)が共にピニオン6-2(6-1)によって上昇し、従って、大指部7-2-1(7-1-1)及び小指部7-2-2(7-1-2)は共にリニアガイドレール5-2、5-2’(5-1、5-1’)に沿って上方向に移動して図3の(B)の状態となる。

【0016】
図3の(B)の状態では、大指ラック8-2-1(8-1-1)は短いので、ピニオン6-2(6-1)と大指ラック8-2-1(8-1-1)との噛み合いが外れ、ピニオン6-2(6-1)は小指ラック8-2-2(8-1-2)のみと噛み合う。このとき、ピニオン6-2(6-1)の回転駆動がさらに継続すると、小指ラック8-2-2(8-1-2)のみがピニオン6-2(6-1)によって上昇し、小指部7-2-2(7-1-2)は上昇する。この場合も、大指部7-2-1(7-1-1)は引張ばね8-2-4(8-1-4)によって引張られて上昇する。つまり、大指部7-2-1(7-1-1)及び小指部7-2-2(7-1-2)は共にリニアガイドレール5-2、5-2’(5-1、5-1’)に上方向に移動する。この結果、図3の(C)の状態となる。

【0017】
図3の(C)の状態では、ピニオン6-2(6-1)と大指ラック8-2-1(8-1-1)とが十分離れ、従って、大指部7-2-1(7-1-1)はリニアガイドレール5-2、5-2’(5-1、5-1’)のストッパ5-2a、5-2’a(5-1a、5-1’a)によって静止する。この結果、大指部/小指部同時伸縮モードから小指部単独伸縮モードへ切替わる。尚、図3の(C)の状態の斜視図は図3の(F)に示される。この場合も、右グリッパ7-2(左グリッパ7-1)の把持面幅は依然として50mmと大きい。

【0018】
図3の(D)の状態では、ピニオン6-2(6-1)を上述の方向にさらに回転駆動させると、小指ラック8-2-2(8-1-2)のみがピニオン6-2(6-1)によって上昇する。従って、小指部7-2-2(7-1-2)のみが上方向に移動する。この場合、大指部7-2-1(7-1-1)のリニアガイドブロック(溝)8-2-5(8-1-5)内をリニアガイドレール8-2-3(8-1-3)が移動する。尚、図3の(D)の状態の斜視図は図3の(G)に示される。この場合、右グリッパ7-2(左グリッパ7-1)の把持面幅は小指部7-2-2(7-1-2)の把持面幅18mmとなり、小さい。

【0019】
図4は図1の平行グリッパ式把持装置の第1の把持動作を説明するための図である。尚、図4においては、左グリッパ7-1(大指部7-1-1、小指部7-1-2)の伸縮動作と右グリッパ7-2(大指部7-2-1、小指部7-2-2)の伸縮動作とは同一である。

【0020】
図4の(A)の大指部/小指部同時伸縮モードにおいては、大指部7-1-1(7-2-1)及び小指部7-1-2(7-2-2)は共に短く、同時に伸縮する。また、図4の(B)においては、大指部7-1-1(7-2-1)及び小指部7-1-2(7-2-2)は所定長となり、大指部/小指部同時伸縮モードと小指部単独伸縮モードとの切替が行われる。さらに、図4の(C)の小指部単独伸縮モードでは、大指部7-1-1(7-2-1)の長さは所定長に維持され、小指部7-1-2(7-2-2)の長さのみ伸縮し、小指部7-1-2(7-2-2)の長さは大指部7-1-1(7-2-1)の長さより大きくなる。

【0021】
図5は図4の(A)の大指部/小指部同時伸縮モードの平行グリッパ式把持装置を用いて把持対象物として大きなスパナ501を把持する場合を示す。図5の(A)に示すごとく、左グリッパ7-1(右グリッパ7-2)は大指部7-1-1(7-2-1)及び小指部7-1-2(7-2-2)の合計把持面幅たとえば50mmを有する。従って、図5の(B)に示すごとく、モータ4によって左グリッパ7-1及び右グリッパ7-2を閉じると、大きなスパナ501を容易に把持することができる。

【0022】
図6は図4の(C)の小指部単独伸縮モードの平行グリッパ式把持装置を用いて把持対象物として小さな狭い空間に収容されたナット601を把持する場合を示す。図6の(A)に示すごとく、ナット601は狭い空間に収容されている。図6の(B)に示すごとく、把持面幅18mmの小指部7-1-2、7-2-2を狭い空間内に挿入し、モータ4によって小指部7-1-2、7-2-2を閉じることによってナット601を容易に把持することができる。次いで、図6の(C)に示すごとく、小指部7-1-2、7-2-2を引出すことによってナット601を引出すことができる。

【0023】
図7は図1の平行グリッパ式把持装置の第2の把持動作を説明するための図である。図7においては、左グリッパ7-1(大指部7-1-1、小指部7-1-2)の伸縮動作と右グリッパ7-2(大指部7-2-1、小指部7-2-2)の伸縮動作とは相異なる。

【0024】
図7の(A)に示すごとく、円筒状の把持対象物701は台702上に載置されている。左グリッパ7-1の大指部7-1-1、小指部7-1-2を短くして台702上に置く。他方、右グリッパ7-2の大指部7-2-1、小指部7-2-2を長くして台702に右方に置く。次いで、図7の(B)に示すごとく、モータ4によって左グリッパ7-1、右グリッパ7-2を閉じて把持対象物701を把持する。最後に、図7の(C)に示すごとく、右グリッパ7-2の大指部7-2-1、小指部7-2-2を短くして左グリッパ7-1の大指部7-1-1、小指部7-1-2と同一長とする。この結果、把持対象物701を把持すると共に回転等の特殊の操作を行うことができる。

【0025】
図1、図2の第1の実施の形態においては、大指部7-1-1(7-2-1)と小指部7-1-2(7-2-2)とは1つのピニオン6-1(6-2)及び1つのモータ9-1(9-2)によって駆動される。大指部7-1-1(7-2-1)が所定長となった時点で、小指部7-1-2(7-2-2)が単独で伸縮する。この結果、左台座2-1(右台座2-2)から小指部7-1-2(7-2-2)の先端までの距離つまり小指部7-1-2(7-2-2)の長さは左台座2-1(右台座2-2)から大指部7-1-1(7-2-1)の先端までの距離つまり大指部7-1-1(7-2-1)の長さと同一又は大きい。

【0026】
尚、図1、図2の第1の実施の形態においては、1つのピニオン6-1によって大指部7-1-1(7-2-1)の大指ラック8-1-1(8-2-1)及び小指部7-1-2(7-2-2)の小指ラック8-1-2(8-2-2)を駆動しているが、大指部7-1-1(7-2-1)用のサブピニオン、小指部7-1-2(7-2-2)用のサブピニオンを設け、これら2つのサブピニオンをモータ9-1(9-2)によって同期駆動してもよい。これにより、ピニオン構造を小型化できる。

【0027】
また、図1、図2の第1の実施の形態では、リニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)を大指部7-1-1(7-2-1)に設けかつリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)を小指部7-1-2(7-2-2)に設けることによりリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)をリニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)に対して摺動可能にしている。しかし、リニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)を小指部7-1-2(7-2-2)に設けかつリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)を大指部7-1-1(7-2-1)に設けることによりリニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)をリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)に対して摺動可能にしてもよい。

【0028】
図8は本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第2の実施の形態を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。

【0029】
図8においては、図2の大指部7-1-1(7-2-1)は1つのピニオン6-1(6-2)及び1つのモータ9-1(9-2)によって駆動され、小指部7-1-2(7-2-2)は1つのピニオン6-1’(6-2’)及び1つのモータ9-1’(9-2’)によって駆動される。つまり、大指部7-1-1(7-2-1)と小指部7-1-2(7-2-2)とはモータ9-1(9-2)とモータ9-1’(9-2’)とによって独立に駆動される。この場合、図2の小指ラック8-1-2(8-2-2)の代りに上下全長に亘る小指ラック8-1-2’(8-2-2’)を設けると共に図2の引張ばね8-1-4(8-2-4)を削除する。この結果、左台座2-1(右台座2-2)から小指部7-1-2(7-2-2)の先端までの距離つまり小指部7-1-2(7-2-2)の長さと左台座2-1(右台座2-2)から大指部7-1-1(7-2-1)の先端までの距離つまり大指部7-1-1(7-2-1)の長さとは独立となる。これにより、把持面幅は、大指部7-1-1(7-2-1)の把持面幅32mm、小指部7-1-2(7-2-2)の把持面幅18mm、及びこれらの合計把持面幅50mmが可能となる。

【0030】
尚、図8においても、リニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)を大指部7-1-1(7-2-1)に設けかつリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)を小指部7-1-2(7-2-2)に設けてもよく、リニアガイドブロック8-1-5(8-2-5)を小指部7-1-2(7-2-2)に設けかつリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)を大指部7-1-1(7-2-1)に設けてもよい。

【0031】
図9は本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第3の実施の形態を示し、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。

【0032】
図9においては、左グリッパ7-1の大指部7-1-1及び右グリッパ7-2の大指部7-2-1の長さは固定長であり、左グリッパ7-1の小指部7-1-2及び右グリッパ7-2の小指部7-2-2の長さのみ可変長である。従って、図2のリニアガイドレール5-1、5-1’;5-2、5-2’、リニアガイドブロック(溝)8-1-0、8-1-0’;8-2-0、8-2-0’及び引張ばね8-1-4、8-2-4は存在しない。

【0033】
図9の状態では、把持面幅は大指部7-1-1(7-2-1)の把持面幅たとえば32mm及び小指部7-1-2(7-2-2)の把持面幅たとえば18mmの合計50mmと大きい。

【0034】
他方、小指部単独伸縮動作を実行すると、図10に示すごとく、小指部7-1-2(7-2-2)のリニアガイドレール8-1-3(8-2-3)は大指部7-1-1(7-2-1)のリニアガイドブロック(溝)8-1-5(8-2-5)に沿って上方向に移動し、従って、小指部7-1-2(7-2-2)は上方向に移動する。この結果、把持面幅は小指部7-1-2(7-2-2)の把持面幅18mmと小さくなる。

【0035】
図11は図9の変更例を示す図であって、(A)は左側面図、(B)は右側面図である。

【0036】
図11においては、図9の小指部7-1-2(7-2-2)の代りに短い小指部7-1-2’(7-2-2’)を設けている。つまり、小指部7-1-2’(7-2-2’)における小指ラック8-1-2’(8-2-2’)及びリニアガイドレール8-1-3’(8-2-3’)を短くしている。これにより、把持面幅の調整幅を多くできる。たとえば、図11の状態では、把持面幅は大指部7-1-1(7-2-1)の把持面幅32mmである。また、図12の(A)に示すごとく、小指部7-1-2’(7-2-2’)の長さを大指部7-1-1(7-2-1)の長さに一致させると、把持面幅は大指部7-1-1(7-2-1)の把持面幅32mm及び小指部7-1-2’(7-2-2’)の把持面幅18mmの合計把持面幅50mmと大きくなる。また、図12の(B)に示すごとく、小指部7-1-2’(7-2-2’)の長さを大指部7-1-1(7-2-1)の長さより大きくさせると、把持面幅は小指部7-1-2’(7-2-2’)の把持面幅18mmとなる。このように、把持面幅は32mm、50mm、18mmとなる。

【0037】
図13は本発明に係る平行グリッパ式把持装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。

【0038】
図13においては、左グリッパ7-1’及び右グリッパ7-2’が図1の左台座2-1及び右台座2-2と同様の左右対称に移動可能な左台座及び右台座(図示省略)に設けられている。左グリッパ7-1’は隣接した3つの指部7-1’-1、7-1’-2、7-1’-3を有し、少なくとも1つの指部たとえば7-1’-2の長さが可変長となっている、つまり、伸縮可能になっている。同様に、右グリッパ7-2’も、指部7-1’-1、7-1’-2、7-1’-3に対向する隣接した3つの指部7-2’-1、7-2’-2、7-2’-3を有し、少なくとも1つの指部たとえば7-2’-2の長さが可変長となっている、つまり、伸縮可能となっている。この場合、可変長の指部7-1’-2と可変長の指部7-2’-2とは対向している。尚、各指部7-1’-1、7-1’-2、7-1’-3;7-2’-1、7-2’-2、7-2’-3の把持面幅は同一でもよく、異なってもよいが、対向する指部の把持面幅は同一である。

【0039】
図13の平行グリッパ式把持装置の把持動作を図14を参照して説明する。

【0040】
図14の(A)に示すごとく、大きな把持対象物1401を把持する場合には、すべての指部7-1’-1、7-1’-2、7-1’-3;7-2’-1、7-2’-2、7-2’-3を同一長にして把持面幅を最大にする。これにより、大きな把持対象物1401を容易に把持できる。他方、図14の(B)に示すごとく、小さな把持対象物1402を把持する場合には、少なくとも可変長の指部7-1’-2、7-2’-2のみを長くして把持面幅を最小にする。これにより、小さな把持対象物1402を容易に把持できる。

【0041】
尚、図13に示す第4の実施の形態においては、各グリッパ7-1’、7-2’の指部数は4以上にもなし得る。また、可変長の各指部の制御は独立であっても同一であってもよい。この場合、第1、第2又は第3の実施の形態の制御を採用できる。

【0042】
尚、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲でいかなる変更にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は産業用マニピュレータ等に利用できる。
【符号の説明】
【0044】
1:主台座
2-1:左台座
2-2:右台座
3:送りねじ
3-1:左側ねじ
3-2:右側ねじ
4:モータ
5-1、5-1’;5-2、5-2’:直動摺動部材(リニアガイドレール)
5-1a、5-1’a;5-2a、5-2’a:ストッパ
7-1、7-1’:左グリッパ
7-1-1:大指部
7-1-2、7-1-2’:小指部
7-2、7-2’:右グリッパ
7-2-1:大指部
7-2-2、7-2-2’:小指部
8-1-0、8-1-0’:直動摺動部材(リニアガイドブロック)(溝)
8-1-1:大指ラック
8-1-2、8-1-2’:小指ラック
8-1-3:直動摺動部材(リニアガイドレール)
8-1-4:引張ばね
8-1-5:リニアガイドブロック(溝)
8-2-0、8-2-0’:直動摺動部材(リニアガイドブロック)(溝)
8-2-1:大指ラック
8-2-2:小指ラック
8-2-3:直動摺動部材(リニアガイドレール)
8-2-4:引張ばね
8-2-5:直動摺動部材(リニアガイドブロック)(溝)
9-1、9-2;9-1’、9-2’:モータ

図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
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【図14】
13
【図15】
14