TOP > 国内特許検索 > 半導体基板の表面皮膜の厚さ測定方法 > 明細書

明細書 :半導体基板の表面皮膜の厚さ測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-064053 (P2018-064053A)
公開日 平成30年4月19日(2018.4.19)
発明の名称または考案の名称 半導体基板の表面皮膜の厚さ測定方法
国際特許分類 H01L  21/304       (2006.01)
B24B  49/04        (2006.01)
B24B  49/12        (2006.01)
B24B  37/013       (2012.01)
FI H01L 21/304 622S
B24B 49/04 Z
B24B 49/12
B24B 37/013
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 8
出願番号 特願2016-202457 (P2016-202457)
出願日 平成28年10月14日(2016.10.14)
発明者または考案者 【氏名】鬼木 喬玄
【氏名】中 利明
【氏名】松尾 正昭
【氏名】田代 康典
【氏名】鈴木 恵友
【氏名】カチョーンルンルアン パナート
出願人 【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
【識別番号】100176142、【弁理士】、【氏名又は名称】清井 洋平
【識別番号】100127155、【弁理士】、【氏名又は名称】来田 義弘
審査請求 未請求
テーマコード 3C034
3C158
5F057
Fターム 3C034BB93
3C034CA02
3C034CA22
3C034CB03
3C034DD01
3C034DD10
3C158AA07
3C158AC04
3C158BA14
3C158BC01
3C158CA01
3C158CB01
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB14
5F057AA02
5F057BA11
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB11
5F057GB02
5F057GB13
要約 【課題】ウエハーに形成されている表面皮膜の厚みを高精度に、オンラインで測定できるウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法を提供する。
【解決手段】表面に研磨布51が設けられたターンテーブル50に接して、回転駆動される支持部材53にウエハー11を保持し、研磨液19をターンテーブル50上に流しながらウエハー11の表面皮膜12の厚さを測定する方法において、研磨布51及びターンテーブル50を貫通して、ウエハー11に対して光を照射する出光部15aと、ウエハー11からの反射光を受光する入光部16aとを有する光センサー13を設け、更に、光センサー13と表面皮膜12との間に、研磨液19と屈折率が0.9~1.1倍の範囲で同一な透明物質20を配置し、表面皮膜12の厚みを測定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
表面に研磨布が設けられたターンテーブルに接して、回転駆動される支持部材にウエハーを保持し、研磨液を前記ターンテーブル上に流しながら前記ウエハーの表面皮膜の厚さを測定する方法において、
前記研磨布及び前記ターンテーブルを貫通して、前記ウエハーに対して光を照射する出光部と、前記ウエハーからの反射光を受光する入光部とを有する光センサーを設け、更に、前記光センサーと前記表面皮膜との間に、前記研磨液と屈折率が0.9~1.1倍の範囲で同一な透明物質を配置し、前記表面皮膜の厚みを測定するウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法。
【請求項2】
請求項1記載のウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記出光部と前記入光部は異なる光ファイバーの先部に設けられ、前記出光部と前記入光部は、筒体の所定位置に保持されていることを特徴とするウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法。
【請求項3】
請求項2記載のウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記出光部と前記入光部は前記透明物質で前記筒体に保持され、前記入光部と前記筒体の出口との距離aは、前記研磨液の層の厚みbの8~100倍の範囲にあることを特徴とするウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記研磨液はスラリー水であって、前記透明物質は水の屈折率の0.9~1.1倍の範囲に調整されていることを特徴とするウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記光センサーが使用する光に白色光を使用することを特徴とするウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、CMP(Chemical Mechanism Polishing、化学的機械的研磨)を用いて半導体基板(ウエハーに同じ)を研磨しながら、半導体基板の表面皮膜の厚さを測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板製造の最終工程では、図4に示すようなシステムを用いて、CMPと呼ばれる仕上げ研磨が行われる。CMPとは名前の通り、アルカリ性の研磨溶液による化学的エッチング作用を伴う機械的研磨である。この最終工程の目的は、基板(ウエハー)の平坦化と最表面層除去である。
ここで、「平坦化」を行うのは、LSI能力向上のため回路の多層化が進み、各層の平坦化はLSI性能に直接影響するので、高精度の平坦性が求められるためである。「最表面層除去」は、前工程の疵残りや加工変質層のごく表面層を、この最終仕上げのCMPで除去をするものである。
【0003】
なお、図4において、50は表面に研磨布51が設けられたターンテーブルを、52は回転駆動されるトップリング(支持部材)53に取付けられたウエハーを、55は研磨液であるスラリー水をターンテーブル50上に流す流し口を示す。
【0004】
現在、このCMPの研磨作業は非常に長時間を要し、作業時間短縮のため、研磨効率の向上が強く求められている。また、「最表面層除去」では、その終点を定量的に判定する技術が確立しておらず、表面層の除去量に過不足が出るので、作業品質の向上が強く求められている。
特に、過研磨、即ち削り過ぎは、「ディッシング」と言われ、半導体の品質不良の大きな要因となるので、これらを避けることが品質維持のため強く設けられている。
【0005】
そこで、例えば、非特許文献1に記載するようなCMP装置が提案されている。このCMP装置は図4、図5に示すように、トップリング53で保持したウエハー52をターンテーブル(研磨テーブル)50上に貼られた研磨布51に押し付けて研磨し、ウェハー52の表面の凸凹膜を削り平坦化する装置である。このCMP装置には研磨中のウエハー52の膜厚変化をモニターできる終点検出モニターが搭載されている。研磨中のウエハー52の研磨面に光を照射するため、光学センサー54がターンテーブル50上のウエハー52中心が通過する位置に埋め込まれ、ターンテーブル50の1回転ごとにウエハー52の下を通過する間にウエハー52の最表面層の厚みの測定が行われる。測定に必要な光学機器、給排水用の部品はターンテーブル50の裏面に取り付けられ、外部のコンピュータ(制御装置)58や給水配管とはロータリーコネクタ57及びロータリージョイント56を介して接続されている。
【0006】
図5に光学センサー(センサーヘッド)54の詳細を示すが、光学センサー54はターンテーブル50及び研磨布51を貫通して設けられ、内部にはウエハー52に接する水通路60を有する。水通路60は給水部61と排水部62とを有し、給水部61に2本の光ファイバー63、64が設けられ、一方が入射光路、他方が反射光路となっている。
使用にあっては、光源に多波長の光を採用し、任意の複数の波長データを選択して信号処理し、ウエハー52に形成される最表面層(表面皮膜)の厚みを測定している。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】太田真朗、外2名、”酸化膜CMP用光学式終点検出モニタ”、[online]、エバラ時報 No.207(2005-4)、[平成28年10月7日検索]、インターネット<URL:https://www.ebara.co.jp/company/rd/jihou/pdf/207/207_P25.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1に記載されたCMP装置においては、光ファイバー63、64の配線と、給排水の配管の構造が複雑化し、更に、給排水の量の調整が面倒であるという問題があった。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、上記の状況と課題に対して、ウエハーの最表面層(表面皮膜)の厚みを高精度に、オンラインで測定できるウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的に沿う本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法は、表面に研磨布が設けられたターンテーブルに接して、回転駆動される支持部材にウエハーを保持し、研磨液を前記ターンテーブル上に流しながら前記ウエハーの表面皮膜の厚さを測定する方法において、
前記研磨布及び前記ターンテーブルを貫通して、前記ウエハーに対して光を照射する出光部と、前記ウエハーからの反射光を受光する入光部とを有する光センサーを設け、更に、前記光センサーと前記表面皮膜との間に、前記研磨液と屈折率が0.9~1.1倍の範囲で同一な透明物質を配置し、前記表面皮膜の厚みを測定する。
光センサーによって受光された光を、例えば、光ファイバーで取り出し、電気信号に変換すれば、反射スペクトルによって表面皮膜の厚みが検出できる。なお、光としては可視光が好ましいが、必須ではない。
【0011】
本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記出光部と前記入光部は異なる光ファイバーの先部に設けられ、前記出光部と前記入光部は、筒体の所定位置に保持されているのが好ましい。
また、本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記出光部と前記入光部は前記透明物質で前記筒体に保持され、前記入光部と前記筒体の出口との距離aは、前記研磨液の層の厚みbの8~100倍の範囲にあるのが好ましい。
【0012】
本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記研磨液はスラリー水であって、前記透明物質は水の屈折率の0.9~1.1倍の範囲に調整されているのが好ましい。
また、本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法において、前記光センサーが使用する光に白色光を使用するのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法においては、ウエハーに対して光を照射する出光部と、ウエハーからの反射光を受光する入光部を有する光センサーとウエハーの表面皮膜との間に、研磨液と屈折率が0.9~1.1倍の範囲で同一な透明物質を配置したので、研磨液からの光反射が起こらないか弱くなって、より正確に表面皮膜(透明)の厚みを測定できる。
ここで、透明物質の厚みが表面皮膜より十分に厚い場合、表面皮膜の測定信号の雑音が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法の説明図である。
【図2】同測定方法の詳細説明図である。
【図3】同測定方法及び従来方法を用いて測定した反射光の強度を示すグラフである。
【図4】従来例に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法を示す説明図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るウエハーの表面皮膜の厚さ測定方法は、図4の従来例に示すようなCMP(Chemical Mechanism Polishing、化学的機械的研磨)装置10を用いる。そこで、従来例と共通の要素については同一の符号を使用する。

【0016】
ウエハー11の底面には二酸化珪素等からなる表面皮膜12が形成され、この実施の形態では、この表面皮膜12の厚みを測定することを目的とする。
ターンテーブル50と研磨布(研磨用パッド)51を貫通して所定位置に光センサー13を設置する。この光センサー13は、図2に示すように、筒体14内にその先部がある2本の光ファイバー15、16を有している。2本の光ファイバー15、16は筒体14内に透明樹脂20で固定され、光ファイバー15、16の信号はロータリーコネクター17によって外部の制御装置18に送受している。
光ファイバー15は、先部にウエハー11に対して光を照射する出光部15aを有し、光ファイバー16は、先部にウエハー11からの反射光を受光する入光部16aを有し、光ファイバー15、16は対なって筒体14に設けられている。
なお、研磨用パッドとしては、特開2015-13325号公報に記載のように、微細突起が1~50μmの間隔で並んで配置されているものであってもよい。

【0017】
透明樹脂20は光ファイバー15、16(具体的には、出光部15aと入光部16a)を筒体14に保持する他、光ファイバー15、16の先端部から筒体14の先端出口14aまでを充填し、かつ透明樹脂20の先端は平面となっている。このようにして、透明樹脂20は光センサー13とウエハー11の表面皮膜12の間に配置されている。
ここで、ターンテーブル50に流す研磨液としてスラリー水を用いる場合は、水の屈折率が1.3334であるので、その0.9~1.1倍の1.2~1.46の範囲に屈折率がある透明物質(例えば、テトラフルオロエチレン-ヘキサン(1.338)、ポリ4フッ化エチレン(1.35~1.38)、ポリトリフロロエチレン(1.42~1.43)等の合成樹脂)を使用することになる。
筒体は必須の要件ではないが、遮光性を有する材料を使用することによって、外乱を防止できる。

【0018】
図2に示すように、ウエハー11の底部に形成された表面皮膜12は厚みが例えば1~2μmで透光性がある。また、研磨液として水(研磨水19、以下、スラリー水ともいう)を使うと、屈折率は1.3程度であり、研磨水19の厚みも1~2μm程度となる。
光ファイバー15、16の先部にある透明樹脂20に屈折率が1.3のものを使用すると、透明物質20と研磨水19との屈折率の差がなくなり、研磨水19と透明物質20との界面からの反射が無くなり、研磨水19と透明物質20が一体化する。

【0019】
これによって、光ファイバー15からの光は、透明物質20、研磨水19、(更に場合によっては研磨材)表面皮膜12に当たる。この光ファイバー15からの光は、透明物質20と研磨水19の界面では反射しないが、表面皮膜12の前面及び背面で反射される。このとき、表面皮膜12の厚みcが、光の波長λ/2の整数倍であれば干渉を起こす。可視光の波長は、380~750nmであるから、光ファイバー15から発する光を全ての可視光を含む白色光とすれば、表面皮膜12からの反射光を測定することによって、表面皮膜12の厚みを測定できる。

【0020】
この場合、光ファイバー16の入光部16aから研磨水19(即ち、筒体14の先端出口14a)までの距離aは研磨水19の層の厚みbの8~100倍の範囲で、大きくなっているので、(a+b)に対応する干渉波を生じることにはなるが、フィルターによって容易に除去できる。
なお、透明物質20の屈折率が研磨水19の屈折率と異なる場合は、研磨水19の表裏からの反射もあり得ることになり、研磨水19の厚みが表面皮膜12の厚みと大差ない場合は、表面皮膜12の厚み測定に大きな支障を生じることになる。
なお、光センサー13の信号は制御装置18に伝達される。これらの作業は、ウエハー11の研磨中にオンラインで行える。

【0021】
図3は、透明物質20の屈折率nを変えた場合の実験例を示すが、太線(A)で示す屈折率が1.53の場合(従来方法)は、雑音が多く、反射強度の差も小さいことが判る。
一方、細線(B)は透明物質20の屈折率を1.36としたもので、水の屈折率1.33に近いので、雑音がない信号が得られる。この図では、(λ/2)は約120nmとなり、表面皮膜12の厚みは約240nmとなる。

【0022】
前記実施の形態において、研磨液としてスラリー入り水を使用したが、その他の溶剤であてもよい。
前記実施の形態においては、ウエハーの一点について表面皮膜の厚み測定を行ったが、複数箇所に光センサーを設けて、表面皮膜の厚み測定をしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10:CMP装置、11:ウエハー、12:表面皮膜、13:光センサー、14:筒体、14a:先端出口、15、16:光ファイバー、15a:出光部、16a:入光部、17:ロータリーコネクター、18:制御装置(PC)、19:研磨水、20:透明物質、50:ターンテーブル、51:研磨布、52:ウエハー、53:トップリング、54:光学センサー(センサーヘッド)、55:流し口、56:ロータリージョイント、57:ロータリーコネクタ、58:コンピュータ、60:水通路、61:給水部、62:排水部、63、64:光ファイバー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4