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明細書 :核酸アプタマー、固相担体、ヒトIgG精製用カラム、及びヒトIgGの精製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-126117 (P2018-126117A)
公開日 平成30年8月16日(2018.8.16)
発明の名称または考案の名称 核酸アプタマー、固相担体、ヒトIgG精製用カラム、及びヒトIgGの精製方法
国際特許分類 C12N  15/115       (2010.01)
C07K  16/00        (2006.01)
C07K   1/22        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAH
C07K 16/00
C07K 1/22
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 27
出願番号 特願2017-023175 (P2017-023175)
出願日 平成29年2月10日(2017.2.10)
発明者または考案者 【氏名】山岸 賢司
【氏名】関口 真裕
【氏名】吉田 尚恵
【氏名】坂本 泰一
【氏名】野村 祐介
【氏名】石川 岳志
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
【識別番号】100175824、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 淳一
審査請求 未請求
テーマコード 4H045
Fターム 4H045AA11
4H045AA30
4H045AA50
4H045DA75
4H045FA80
4H045GA26
要約 【課題】ヒトIgGに対する親和性が向上した核酸アプタマーの提供。
【解決手段】式(I)~(III)で表される構造から選択される潜在的二次構造を有する、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アダプター。
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(N~Nは、A、G、C、U又はTで、NとN、NとNは相補的;(i)GGUG(C/A)(U/T)(3番目のUを除く)、(ii)ANCにおけるN及びC、(iii)N~Nは各々独立にリボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-O-Meリボヌクレオチド残基等;(i)の3番目のUは2’-フルオロリボヌクレオチド残基;(ii)のAは糖修飾ヌクレオチド残基)
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)~(III)からなる群より選択される潜在的二次構造を有する、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
【化1】
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[式中、N~Nは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
(i)GGUG(C/A)(U/T)における各ヌクレオチド残基(但し、3番目のUを除く)、(ii)ANCにおけるN及びC、並びに(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
GGUG(C/A)(U/T)における3番目のUは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であり、
ANCにおけるAは、糖修飾ヌクレオチド残基である。
実線は、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基が任意の長さで連結していることを示し、破線は、相補的な結合(塩基対合)能を潜在的に有することを示す。]
【請求項2】
前記一般式(I)~(III)において、GGUG(C/A)(U/T)が、GGUGCUである、請求項1に記載の核酸アプタマー。
【請求項3】
以下の(a)及び(b)からなる群より選択される、核酸アプタマー。
(a)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
(b)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されており、18位のA以外の1個又は複数個のヌクレオチド残基が、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
【請求項4】
前記糖修飾ヌクレオチド残基が、LNA残基、及び2’-O-MCEリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の核酸アプタマー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の核酸アプタマーが固定化された固相担体。
【請求項6】
請求項5に記載の固相担体を含む、ヒトIgG精製用カラム。
【請求項7】
請求項5に記載の固相担体にヒトIgGを吸着させ、前記の吸着したヒトIgGを溶出液により溶出させることを含む、ヒトIgGの精製方法。
【請求項8】
1個又は複数個の機能性物質が結合した、請求項1~4のいずれか一項に記載の核酸アプタマー。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸アプタマー、固相担体、ヒトIgG精製用カラム、及びヒトIgGの精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IgGは血清の主要なタンパク質の1つで、免疫系において異物を認識し排除に導くという重要な役割を担っている。この特性を活かして各種疾患の治療薬や診断薬、また試薬への応用研究が広くおこなわれている。またIgGは、抗原と特異的に結合する性質を利用して、免疫学的測定をはじめ、細胞やタンパク質の機能解析、遺伝子の発現スクリーニングなど各種生化学実験の必須の道具として使われている。
【0003】
IgGは2本のH鎖と2本のL鎖がジスルフィド結合(S-S結合)で結合したY字形の構造をしている。IgGをタンパク質分解酵素であるパパインで分解すると、定常部位からなるFcフラグメントと抗原結合部位を含むFabフラグメントに分けることができる。また、IgGにはサブクラスが存在し、ヒトIgGの場合はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4の4種類が存在する。
【0004】
IgGは、血清やハイブリドーマ細胞培養上清液から、抗体精製用カラムを用いて精製される。一般に、第一段階の精製にはリガンドとしてProtein Aが使用される。Protein Aは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が産生する分子量42kDaのタンパク質で、IgGのFc領域に強く結合する。しかしながら、Protein Aは高価であり、またProtein Aを用いた精製条件ではIgGが変性する場合もあるため、Protein Aの性能を上回る新規のIgG用分離剤が求められている。
【0005】
一方、核酸アプタマーは、特異的に標的物質に結合する能力を持った核酸分子である。核酸アプタマーは、抗体に代わる、抗原と特異的に結合する分子として注目されており、医薬、診断薬、試薬等への応用が期待されている。ヒトIgGに対する結合活性を有する核酸アプタマーも報告されており(特許文献1)、ヒトIgGの精製、標識化、薬物結合リンカー等への応用が想定されている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】国際公開第2007/004748号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ヒトIgGの精製等に使用するためには、ヒトIgGに対する親和性がより高い核酸アプタマーが求められる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、ヒトIgGに対する親和性が向上した核酸アプタマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、国際公開第2007/004748号に記載の核酸アプタマー(以下、「’748アプタマー」という。)において、特定のヌクレオチド残基に糖修飾を行うことにより、ヒトIgGに対する結合活性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]下記一般式(I)~(III)からなる群より選択される潜在的二次構造を有する、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
【0011】
【化1】
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[式中、N~Nは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
(i)GGUG(C/A)(U/T)における各ヌクレオチド残基(但し、3番目のUを除く)、(ii)ANCにおけるN及びC、並びに(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
GGUG(C/A)(U/T)における3番目のUは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であり、
ANCにおけるAは、糖修飾ヌクレオチド残基である。
実線は、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基が任意の長さで連結していることを示し、破線は、相補的な結合(塩基対合)能を潜在的に有することを示す。]
[2]前記一般式(I)~(III)において、GGUG(C/A)(U/T)が、GGUGCUである、[1]に記載の核酸アプタマー。
[3]以下の(a)及び(b)からなる群より選択される、核酸アプタマー。
(a)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー核酸アプタマー。
(b)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されており、18位のA以外の1個又は複数個のヌクレオチド残基が、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
[4]前記糖修飾ヌクレオチド残基が、LNA残基、又は2’-O-MCEリボヌクレオチド残基である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の核酸アプタマー。
[5][1]~[4]のいずれか一項に記載の核酸アプタマーが固定化された固相担体。
[6][5]に記載の固相担体を含む、ヒトIgG精製用カラム。
[7][5]に記載の固相担体にヒトIgGを吸着させ、前記の固相担体に吸着させたヒトIgGを溶出液により溶出させることを含む、ヒトIgGの精製方法。
[8]1個又は複数個の機能性物質が結合した、[1]~[4]のいずれか一項に記載の核酸アプタマー。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ヒトIgGに対する親和性が向上した核酸アプタマー、及び当該核酸アプタマーの利用技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】表面プラズモン共鳴解析によって得られた、表1に記載の核酸アプタマーとヒトIgG1との結合の様子を示すセンサーグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[定義]
本明細書において、塩基がアデニン(A)であるヌクレオチド残基、塩基がグアニン(G)であるヌクレオチド残基、塩基がシトシン(C)であるヌクレオチド残基、塩基がウラシル(U)であるヌクレオチド残基、及び塩基がチミン(T)であるヌクレオチド残基は、それぞれ、A、G、C、U、及びTと表すことがある。なお、「ヌクレオチド残基」とは、1分子のヌクレオチドから誘導される、核酸分子中の構成単位を意味する。ヌクレオチド残基は、天然ヌクレオチド(リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド等)から誘導されるものに限定されず、天然ヌクレオチドの糖部分、塩基部分及びリン酸基部分のいずれかが修飾された人工ヌクレオチドから誘導されるものも包含する。

【0015】
本明細書において、「糖修飾ヌクレオチド残基」とは、糖部分に修飾(糖修飾)を有するヌクレオチド残基を意味する。糖修飾ヌクレオチド残基としては、リボースの2’位におけるヒドロキシ基が水素原子以外の置換基で置換されているヌクレオチド残基(2’置換型ヌクレオチド残基)、リボース環を構成する炭素原子の一部が架橋されたヌクレオチド残基(架橋型ヌクレオチド残基)等を挙げることができる。
2’置換型ヌクレオチド残基における置換基としては、-O-[2-(N-メチルカルバモイル)エチル](-O-[2-(N-methylcarbamoyl)ethyl]:-O-MCE)基(-O-CC(=O)NH(CH))、フルオロ基(-F)、-O-メチル(-O-Me)基(-O-CH)、-O-アシル基(-O-CHO)、アミノ基(-NH)、-O-メトキシエチル(-O-methoxyethyl:-O-MOE)基(-O-COCH)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
架橋型ヌクレオチド残基としては、BNA(Bridged Nucleic Acids)、ENA(登録商標)(2’-O,4’-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids)等を挙げることができるが、これらに限定されない。BNAとしては、LNA(Locked Nucleic Acid;2’,4’-BNA)、3’-amino-2’,4’-BNA、5’-amino-2’,4’-BNA、2’,4’-BNACOC、2’,4’-BNANC等を挙げることができるが、これらに限定されない。LNAは、リボースの2’位の炭素原子と4’位の炭素原子とが-O-CH-を介して架橋した構造を有する。3’-amino-2’,4’-BNAは、2’,4’-BNAの3’位の炭素原子に結合する酸素原子が、-NH-で置換された構造を有する。5’-amino-2’,4’-BNAは、2’,4’-BNAの5’位の炭素原子に結合する酸素原子が、-NH-で置換された構造を有する。2’,4’-BNACOCは、リボースの2’位の炭素原子と4’位の炭素原子とが、-O-CH-O-CH-で架橋された構造を有する。2’,4’-BNANCは、リボースの2’位の炭素原子と4’位の炭素原子とが、-O-NRCH-(Rは水素原子又はアルキル基(例、メチル基))で架橋された構造を有する。また、ENA(登録商標)は、リボースの2’位の炭素原子と4’位の炭素原子とが、-O-C-で架橋された構造を有する。

【0016】
本明細書において、「2’-フルオロリボヌクレオチド残基」とは、リボースの2’位におけるヒドロキシ基がフッ素原子で置換されたヌクレオチド残基を意味する。
本明細書において、「2’-O-Meリボヌクレオチド残基」とは、リボースの2’位におけるヒドロキシ基が-O-Me基で置換されたヌクレオチド残基を意味する。
本明細書において、「LNA残基」とは、LNAから誘導されるヌクレオチド残基を意味する。
本明細書において、「2’-O-MCEリボヌクレオチド残基」とは、リボースの2’位におけるヒドロキシ基が-O-MCE基で置換されたヌクレオチド残基を意味する。
2’-フルオロリボヌクレオチド残基、2’-O-Meリボヌクレオチド残基、LNA残基、及び2’-O-MCEリボヌクレオチド残基の構造を以下に示す。

【0017】
【化2】
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【0018】
本明細書において、「潜在的二次構造」とは、生理条件下で安定に存在し得る核酸分子の二次構造をいう。潜在的二次構造は、mfold等の二次構造予測ソフトウェアを用いて予測することができる。

【0019】
本明細書において、「機能性物質」とは、何らかの化学活性又は生理活性を有する物質を意味する。機能性物質が有する活性は、特に限定されず、触媒活性、発光活性、蛍光活性、放射活性、酵素活性、結合活性、薬理活性、毒性等を例示することができるが、これらに限定されない。

【0020】
本明細書において、IgGとは、免疫グロブリンGを意味し、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を包含する。

【0021】
本明細書において、「ヒトIgGに対して結合活性を有する」とは、ヒトIgGに特異的に結合することができることを意味する。

【0022】
[核酸アプタマー]
1実施形態において、本発明は、下記一般式(I)~(III)からなる群より選択される潜在的二次構造を有する、ヒトIgG1に対して結合活性を有する核酸アプタマーを提供する。

【0023】
【化3】
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[式中、N~Nは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
(i)GGUG(C/A)(U/T)における各ヌクレオチド残基(但し、3番目のUを除く)、(ii)ANCにおけるN及びC、並びに(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
GGUG(C/A)(U/T)における3番目のUは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であり、
ANCにおけるAは、糖修飾ヌクレオチド残基である。
実線は、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基が任意の長さで連結していることを示し、破線は、相補的な結合(塩基対合)能を潜在的に有することを示す。]

【0024】
本実施形態の核酸アプタマー(以下、「本核酸アプタマー」という。)は、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマーである。好ましくは、本核酸アプタマーは、ヒトIgG1に対して結合活性を有する核酸アプタマーである。また、本核酸アプタマーは、IgG1のFc部分に対して高い結合活性を有し得る。

【0025】
本核酸アプタマーは、’748アプタマーの特定のヌクレオチド残基を、糖修飾ヌクレオチド残基で置換した核酸アプタマーであり、’748アプタマーよりもIgG、特にIgG1に対して高い結合活性を有し得る。Biacoreを用いた表面プラズモン共鳴法によるカイネティクス解析により算出される、本核酸アプタマーとヒトIgG1との解離定数(K)は、26nM未満であり得、25nM以下であることが好ましく、20nM以下であることがより好ましく、18nM以下であることがさらに好ましい。

【0026】
本核酸アプタマーは、下記一般式(I)~(III)からなる群より選択される潜在的二次構造を有する。

【0027】
【化4】
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[式中、N~Nは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、
(i)GGUG(C/A)(U/T)における各ヌクレオチド残基(但し、3番目のUを除く)、(ii)ANCにおけるN及びC、並びに(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、
GGUG(C/A)(U/T)における3番目のUは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であり、
ANCにおけるAは、糖修飾ヌクレオチド残基である。
実線は、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基が任意の長さで連結していることを示し、破線は、相補的な結合(塩基対合)能を潜在的に有することを示す。]

【0028】
一般式(I)~(III)中、N~Nは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基である。N及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基であり、N及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基である。
は、A、G、C又はUであることが好ましく、A又はGであることがより好ましく、Aであることがさらに好ましい。
は、Aであることが好ましい。また、Nは、U又はTであることが好ましく、Uであることがより好ましい。
は、Cであることが好ましい。また、Nは、Gであることが好ましい。

【0029】
一般式(I)~(III)中、GGUG(C/A)(U/T)における(C/A)は、Cであることが好ましい。また、GGUG(C/A)(U/T)における(U/T)は、Uであることが好ましい。GGUG(C/A)(U/T)は、GGUGCU又はGGUGAUであることが好ましく、GGUGCUであることがより好ましい。

【0030】
一般式(I)~(III)中、(i)GGUG(C/A)(U/T)における各ヌクレオチド残基(但し、3番目のUを除く)、並びに(ii)ANCにおけるN及びC、(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基である。

【0031】
(i)GGUG(C/A)(U/T)において、1番目、2番目、及び4番目のGは、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、及び2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましい。
GGUG(C/A)(U/T)における1番目のGは、リボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
GGUG(C/A)(U/T)における2番目のGは、リボヌクレオチド残基、及び2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることがより好ましく、リボヌクレオチド残基であることがさらに好ましい。
GGUG(C/A)(U/T)における4番目のGは、リボヌクレオチド残基、及び2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることがより好ましく、リボヌクレオチド残基であることがさらに好ましい。

【0032】
また、GGUG(C/A)(U/T)における5番目の(C/A)は、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、及び2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、デオキシリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。

【0033】
また、GGUG(C/A)(U/T)における6番目の(U/T)は、リボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。

【0034】
(ii)ANCにおいて、Nは、リボヌクレオチド残基、及びデオキシリボヌクレオチド残基であることが好ましく、デオキシリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
ANCにおけるCは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であることが好ましい。

【0035】
(iii)N~Nの各ヌクレオチド残基において、Nは、リボヌクレオチド残基、及びデオキシリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、リボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
また、Nは、デオキシリボヌクレオチド残基、及び2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、2’-フルオロリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
また、Nは、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、デオキシリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
また、Nは、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、リボヌクレオチド残基であることがより好ましい。

【0036】
GGUG(C/A)(U/T)における3番目のUは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基である。

【0037】
ANCにおけるAは、糖修飾ヌクレオチド残基である。本核酸アプタマーでは、ANCにおけるAを、糖修飾ヌクレオチド残基とすることにより、’748アプタマーと比較して、ヒトIgGに対する結合活性を顕著に向上させることができる。
ANCにおけるAが有する糖修飾は、2’置換型ヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基のいずれであってもよい。2’置換型ヌクレオチド残基である場合、リボースの2’位に導入可能な置換基としては、-O-MCE基、フルオロ基、-O-Me基、-O-アシル基、アミノ基、-O-MOE基等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、架橋型ヌクレオチド残基である場合、BNA残基及びENA(登録商標)残基等を挙げることができるが、これらに限定されない。なお、BNA残基である場合、LNA、3’-amino-2’,4’-BNA、5’-amino-2’,4’-BNA、2’,4’-BNACOC、2’,4’-BNANC等を用いることができる。

【0038】
好ましい糖修飾ヌクレオチド残基としては、LNA残基、及び2’-O-MCEリボヌクレオチド残基を挙げることができる。

【0039】
一般式(I)~(III)中、実線は、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基が任意の長さで連結していることを示し、破線は、相補的な結合(塩基対合)能を潜在的に有することを示す。
一般式(I)~(III)中、N-Nの塩基対を含むステム構造(S1)、及びN-Nの塩基対を含むステム構造(S2)において、実線部分を構成する塩基対の数は、1~10塩基対程度であることが好ましい。ステム構造(S1)において、実線部分を構成する塩基対の数は、1~4塩基対であることがより好ましく、2塩基対であることがさらに好ましい。また、ステム構造(S2)において、実線部分を構成する塩基対の数は、1~4塩基対であることがより好ましく、1塩基対であることがさらに好ましい。
一般式(I)~(III)中、ループ構造は、3個以上のヌクレオチド残基から構成されることが好ましく、4個のヌクレオチド残基で構成されることがより好ましい。ループ構造を構成するヌクレオチド残基は、デオキシリボヌクレオチド残基であることが好ましく、ループ構造を構成する全てのヌクレオチド残基が、デオキシリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。

【0040】
本核酸アプタマーの長さは、約40ヌクレオチド残基以下であることが好ましく、約30ヌクレオチド残基以下であることがより好ましく、約25ヌクレオチド残基以下であることがさらに好ましい。また、本実施形態の核酸アプタマーの長さは、約18ヌクレオチド残基以上であることが好ましく、約20ヌクレオチド残基以上であることがより好ましい。この範囲であると、ヒトIgGに対する結合活性を有するのに十分な長さであり、かつ化学合成及び大量生産が容易である。

【0041】
一般式(I)~(III)で表される構造の好ましい例を、下記一般式(I’)~(III’)、(I’’)~(III’’)、及び(I’’’)~(III’’’)に示す。

【0042】
【化5】
JP2018126117A_000006t.gif
[式中、N~N、実線及び破線は、一般式(I)~(III)と同義である。]

【0043】
【化6】
JP2018126117A_000007t.gif
[式中、N、実線及び破線は、一般式(I)~(III)と同義である。]

【0044】
【化7】
JP2018126117A_000008t.gif
[式中、実線及び破線は、一般式(I)~(III)と同義である。]

【0045】
一般式(I)~(III)で表される構造の好ましい例としては、下記一般式(Ia)~(IIIa)を挙げることもできる。

【0046】
【化8】
JP2018126117A_000009t.gif
[式中、N~N、実線及び破線は、一般式(I)~(III)と同義である。
及びNは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、互いに相補的なヌクレオチド残基である。
及びNは、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基である。]

【0047】
一般式(Ia)~(IIIa)中、N~Nは、一般式(I)~(III)と同義であり、好ましい例としては、一般式(I)~(III)で例示したものと同様のものを例示することができる。

【0048】
一般式(Ia)~(IIIa)中、N及びNは、それぞれ独立に、A、G、C、U及びTからなる群より選択されるヌクレオチド残基であり、N及びNは、互いに相補的なヌクレオチド残基である。
は、C、U、又はTであることが好ましく、Cであることがより好ましい。
は、G又はAでであることが好ましく、Gであることがより好ましい。

【0049】
及びNは、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基である。
は、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、デオキシリボヌクレオチド残基であることがより好ましい。
は、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましく、リボヌクレオチド残基であることがより好ましい。

【0050】
一般式(Ia)~(IIIa)中、実線及び破線は、一般式(Ia)~(IIIa)と同義である。
一般式(Ia)~(IIIa)中、N-Nの塩基対を含むステム構造(S1)、並びにN-N及びN-Nの塩基対を含むステム構造(S2)において、実線部分を構成する塩基対の数は、0~10塩基対程度であることが好ましい。ステム構造(S1)において、実線部分を構成する塩基対の数は、1~4塩基対であることがより好ましく、2塩基対であることがさらに好ましい。また、ステム構造(S2)において、実線部分を構成する塩基対の数は、0~3塩基対であることがより好ましく、0塩基対であることがさらに好ましい。
一般式(Ia)~(IIIa)中のループ構造については、一般式(I)~(III)で例示したものと同様のものを例示することができる。

【0051】
一般式(Ia)~(IIIa)で表される構造の好ましい例を、下記一般式(Ia’)~(IIIa’)、(Ia’’)~(IIIa’’)、及び(Ia’’’)~(IIIa’’’)に示す。

【0052】
【化9】
JP2018126117A_000010t.gif
[式中、N~N、実線及び破線は、一般式(Ia)~(IIIa)と同義である。]

【0053】
【化10】
JP2018126117A_000011t.gif
[式中、N、実線及び破線は、一般式(Ia)~(IIIa)と同義である。]

【0054】
【化11】
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[式中、実線及び破線は、一般式(Ia)~(IIIa)と同義である。]

【0055】
本核酸アプタマーの好適な例としては、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、核酸アプタマーを挙げることもできる。糖修飾ヌクレオチド残基としては、上記一般式(I)~(III)の説明で挙げたものと同様のものを例示することができる。

【0056】
また、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のA以外のヌクレオチド残基は、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のA以外の置換され得るヌクレオチド残基の数は、1~5個であってよく、1~3個であることが好ましく、1個又は2個であることがより好ましい。

【0057】
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、1位及び2位のGは、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、又は2’-O-Meリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、5位のGは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、7位のGは、デオキシリボヌクレオチド残基、又は2’-フルオロリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、8位のCは、リボヌクレオチド残基、又は2’-フルオロリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、9位のUは、デオキシリボヌクレオチド残基、又は2’-O-Meリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、10位、11位、22位及び23位のCは、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、又は2’-O-Meリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、12位のG及び13~15位のAは、リボヌクレオチド残基、又は2’-O-Meリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、16位及び17位のGは、デオキシリボヌクレオチド残基、又は2’-O-Meリボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
例えば、配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、19位のAは、リボヌクレオチド残基で、置換されていてもよい。
上記の置換例は、国際公開公報第2007/004748号において、ヒトIgGに対する結合活性が確認されたものである。

【0058】
本核酸アプタマーの好適な例としては、以下の(a)及び(b)からなる群より選択される核酸アプタマーを例示することができる。
(a)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
(b)配列番号11に記載のヌクレオチド配列において、18位のAが糖修飾ヌクレオチド残基で置換されており、18位のA以外の1個又は複数個のヌクレオチド残基が、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
上記(b)において、「複数個」は、2~5個であることができ、2~4個であることが好ましく、2個又は3個であることがより好ましい。

【0059】
上記(a)及び(b)において、糖修飾ヌクレオチド残基としては、上記一般式(I)~(III)の説明で挙げたものと同様のものを例示することができるが、LNA残基、及び2’-O-MCEヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基であることが好ましい。
そのような本核酸アプタマーの具体例としては、以下の(c)及び(d)からなる群より選択される核酸アプタマーを例示することができる。
(c)配列番号4又は8に記載のヌクレオチド配列からなる核酸アプタマー。
(d)配列番号4又は8に記載のヌクレオチド配列において、18位のA以外の1個又は複数個のヌクレオチド残基が、それぞれ独立に、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基、2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-O-Meリボヌクレオチド残基からなる群より選択されるヌクレオチド残基で置換されている配列からなる、ヒトIgGに対して結合活性を有する核酸アプタマー。
上記(d)において、「複数個」は、2~5個であることができ、2~4個であることが好ましく、2個又は3個であることがより好ましい。

【0060】
本核酸アプタマーはまた、上記(a)~(d)からなる群より選択される2以上の核酸アプタマーの連結物であってもよい。前記連結物において、各核酸アプタマーは、直接連結していてもよく、リンカー等を介して連結していてもよい。リンカーとしては、ヌクレオチド鎖(例、1~約20ヌクレオチド残基)、非ヌクレオチド鎖(例、-(CH)n-リンカー、-(CHCHO)n-リンカー、ヘキサエチレングリコールリンカー、TEGリンカー、ペプチドを含むリンカー、-S-S-結合を含むリンカー、-CONH-結合を含むリンカー、-OPO-結合を含むリンカー)等を挙げることができる。上記連結物にいて、連結する核酸アプタマーの数は、特に限定されないが、例えば2~4個を例示することができる。

【0061】
本核酸アプタマーはまた、ヒトIgGに対する結合活性等を高めるため、1個又は複数個のヌクレオチド残基の塩基が、改変(例、化学的置換)されたものであってもよい。このような改変としては、例えば、5位ピリミジン改変、8位プリン改変、環外アミンでの改変、4-チオウリジンでの置換、5-ブロモ又は5-ヨード-ウラシルでの置換等が挙げられる。なお、上記において、「複数個」は、2~5個であることができ、2~4個であることが好ましく、2又は3個であることがより好ましい。

【0062】
本核酸アプタマーはまた、ヌクレアーゼ及び加水分解に対して耐性であるように、1個又は複数個のヌクレオチド残基のリン酸基が改変されていてもよい。例えば、P(=O)O基が、P(=O)S(チオエート)、P(=S)S(ジチオエート)、P(=O)NR(アミデート)、P(=O)R、R(=O)OR’、CO若しくはCH(ホルムアセタール)、又は3’-アミン(-NH-CH-CH-)等で置換されていてもよい[R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基(例、メチル基、エチル基)である]。各ヌクレオチド残基間の連結基は、-O-、-N-または-S-連結を介して隣接するヌクレオチド残基に結合し得る。なお、上記において、「複数個」は、2~5個であることができ、2~4個であることが好ましく、2又は3個であることがより好ましい。

【0063】
改変はまた、キャッピングのような3’及び5’の改変を含んでいてもよい。改変はさらに、ポリエチレングリコールやその他の脂質を末端に付加することにより行ってもよい。このような改変については、例えば、米国特許第5,660,985号、同第5,756,703号を参照することができる。

【0064】
本核酸アプタマーは、ホスホロアミダイト法等の公知の核酸合成法により化学合成することができる。

【0065】
本核酸アプタマーは、ヒトIgGに対する結合活性が高いため、ヒトIgG抗体精製用分離剤としてのリガンド、ヒトIgGと機能性物質とを結合するリンカー、ヒトIgGの固定化剤等として有用である。また、本核酸アプタマーは、ヒトIgG1に対する結合活性が特に高いため、ヒトIgG1抗体精製用分離剤としてのリガンド、ヒトIgG1と機能性物質とを結合するリンカー、ヒトIgG1の固定化剤等として特に有用である。

【0066】
[固相担体]
1実施形態において、本発明は、本核酸アプタマーが固定化された固相担体を提供する。

【0067】
本核酸アプタマーの固定化に用いることができる固相担体は、特に限定されず、核酸分子の固定化に一般的に用いられる担体を使用することができる。担体としては、例えば、基板、樹脂、プレート(例、マルチウェルプレート)、フィルター、カートリッジ、カラム、多孔質材、ビーズ等を挙げることができる。
基板としては、例えば、DNAチップやプロテインチップなどに使われているもの等を挙げることができる。例えば、ニッケル-PTFE(polytetrafluoroethylene)基板、ガラス基板、アパタイト基板、シリコン基板、アルミナ基板などで、これらの基板にポリマーコーティング、自己組織化単分子膜形成分子(例、チオール化合物、有機シラン化合物、ホスホン酸誘導体)などでの処理を施したもの等を挙げることができる。
樹脂としては、例えば、抗体精製クロマトグラフィーや抗体をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーなどで使われるカラム充填樹脂、バッチ法で抗体を精製若しくは固定化するための樹脂等を挙げることができる。また、樹脂としては、種々の濃度のアガロース粒子や高度架橋されたアガロース粒子、シリカ粒子、アクリルアミドとN,N’-メチレンビスアクリルアミドの共重合体、ポリスチレン架橋ジビニルベンゼン粒子、デキストランをエピクロロヒドリンで架橋した粒子、セルロースファイバー、アリルデキストランとN,N’-メチレンビスアクリルアミドの架橋ポリマー、単分散系合成ポリマー、単分散系親水性ポリマー、セファロース、及びトヨパール等、並びにこれらの樹脂に各種官能基を結合させた樹脂等もまた挙げることができる。

【0068】
本核酸アプタマーの固相担体への固定化方法は、特に限定されず、固相担体の種類に応じて、核酸分子の固定化に一般的に用いられる方法を用いることができる。例えば、親和性物質(例、ビオチン及びストレプトアビジン、相補配列(ポリA及びポリT等)、グルタチオンセファロース若しくはヒスチジン及び抗体、等)を利用する方法や、所定の官能基を本核酸アプタマーに導入し、次いで当該所定の官能基を利用して固相担体に固定化する方法等が挙げられる。所定の官能基としては、カップリング反応に供することが可能な官能基であればよく、例えば、アミノ基、チオール基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等を挙げることができる。

【0069】
本実施形態の固相担体(以下、「本固相担体」という。)は、例えば、ヒトIgGの精製、ヒトIgGの検出・定量、ヒトIgGの固定化等に使用することができる。また、本固相担体は、ヒトIgG1の精製、ヒトIgG1の検出・定量、ヒトIgG1の固定化等に特に好適に使用し得る。

【0070】
また、本固相担体は、異常IgG又はIgGの過剰発現が原因の疾患(例、リウマチ、腎炎、キャッスルマン病、ヴェーゲナー肉芽腫症、糸球体硬化症、糸球体疾患、多発性動脈炎、紫斑病、エリテマトーデス、臓器移植における拒絶反応等)の治療に利用することもできる。例えば、送液ポンプを用いて患者の血管から吸引した血液を、本固相担体(例、カートリッジ)に接触させ、所定の量のIgGを吸着除去した後、浄化された血液を患者に戻す。この場合、抗血液凝固剤を添加して血液が固まらないようにすることも有益である。IgGの除去量は透過血液量及び本固相担体の吸着容量によって調節することができる。本固相担体は中性溶出液を用いて洗浄し、加熱又は紫外線照射などにより滅菌することで、再生することができる。本固相担体を血液の浄化に利用する場合、使用方法の詳細や治療効果に関しては、透析療法やProtein Aを用いたIgG除去剤であるProsorba(Fresenius社製)及びImmunosorba(Fresenius社製)を用いた血液浄化法を参考に行うことができる。

【0071】
[ヒトIgG精製用カラム]
1実施形態において、本発明は、本固相担体を含む、ヒトIgG精製用カラムを提供する。本実施形態のカラムは、ヒトIgG1精製用カラムとして好適である。

【0072】
本実施形態のヒトIgG精製用カラムは、本固相担体を、適切な容器に充填することにより作製することができる。本実施形態のカラムに使用する場合、本固相担体における担体は樹脂を用いることが好ましい。本固相担体を充填する容器は、特に限定されず、抗体精製用カラム等に一般的に使用されるカラム用容器を用いることができる。容器としては、例えば、カラム用のガラス製容器、樹脂製容器、金属製容器等を挙げることができる。

【0073】
[ヒトIgGの精製方法]
1実施形態において、本発明は、本固相担体にヒトIgGを吸着させ、前記の吸着したヒトIgGを溶出液により溶出させることを含む、ヒトIgGの精製方法を提供する。本実施形態の精製方法において、ヒトIgGはヒトIgG1であってよい。

【0074】
本固相担体へのヒトIgGの吸着は、ヒトIgGを含む試料を本固相担体に接触させることにより行うことができる。本固相担体に固定化された本核酸アプタマーは、ヒトIgGに対する高い結合活性を有するため、ヒトIgGを含む試料を本固相担体に接触させると、試料中のヒトIgGが本核酸アプタマーに結合し、本固相担体にヒトIgGを吸着させることができる。

【0075】
本実施形態の方法で使用可能な試料は、特に限定されず、ヒトIgGを含む試料であればよい。試料としては、例えば、ヒト又はヒトIgG遺伝子を導入した動物の血液、ヒトの血漿、血清、血液、血漿、血清、又は腹水等、ヒト抗体産生細胞(例、ハイブリドーマ)の培養上清等を挙げることができるが、これらに限定されない。

【0076】
例えば、ヒトIgGを含む試料を、本固相担体と接触させ、適宜攪拌等行いながら1~60分程度室温放置することで、ヒトIgGを本固相担体に吸着させることができる。あるいは、上記実施形態のヒトIgG精製用カラム等に、ヒトIgGを含む試料を導入することで、ヒトIgGを本固相担体に吸着させることができる。ヒトIgGを含む試料をカラムに導入する際の流速は、特に限定されないが、例えば、流速0.1~20mL/分程度を挙げることができる。なお、試料は、本固相担体と接触させる前に、適宜希釈してもよい。希釈液は、特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムを含む溶液を用いることができる。

【0077】
本固相担体にヒトIgGを吸着させた後、不純物を取除くために洗浄液で本固相担体を洗浄してもよい。洗浄液には、例えば、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムを含む溶液を用いることができる。

【0078】
本固相担体に吸着したヒトIgGの溶出は、中性溶液を用いて行うことができる。溶出に用いる中性溶出液は、特に限定されるないが、例えば、pH6~9程度、好ましくはpH6.5~8.5程度、より好ましくはpH7~8程度のものを挙げることができる。中性溶液は、カリウム塩(例、塩化カリウム、酢酸カリウム、蟻酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸カリウム、シュウ酸カリウム、シアン化カリウム)、マグネシウム塩(例、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、蟻酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム)、カルシウム塩(例、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、蟻酸カルシウム、硫酸カルシウム、シュウ酸カルシウム)、アンモニウム塩(例、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、シアン化アンモニウム、シュウ酸アンモニウム)、キレート剤(例、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸塩(例、クエン酸ナトリウム)、リンゴ酸塩(例、リンゴ酸ナトリウム)、シュウ酸塩(例、シュウ酸ナトリウム)、エチレンジアミン、アセチルアセトナトリウム、EGTA、変性剤又は表面活性剤(グアニジン、SDS、Tween20、NP-40、Triton X-100)等を含むものであってよいが、コストの面からは塩化カリウムを含むものが好ましい。塩化カリウム溶液を用いる場合、濃度としては100~1000mMを挙げることができ、200~800mMであることが好ましく、300~600mMであることがより好ましい。EDTA溶液を用いる場合、濃度としては、1~100mMを挙げることができ、5~50mMであることが好ましく、10~20mMであることがより好ましい。

【0079】
ヒトIgGの溶出後、本固相担体の洗浄を行ってもい。洗浄液としては、例えば、尿素、強塩基(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、弱塩基(例、アンモニア)、強酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、トリフルオロ酢酸)、弱酸(例、酢酸、蟻酸)を含む溶液が挙げられる。尿素溶液を用いる場合、濃度は、例えば、1~10Mを例示することができる。強塩基及び弱塩基の溶液を用いる場合、0.01~10Nが好ましいが、0.01~1Nがより好ましく、0.01~0.1Nがさらに好ましい。強酸及び弱塩基の溶液を用いる場合、0.01~10Nが好ましいが、0.01~1Nがより好ましく、0.01~0.1Nがさらに好ましい。

【0080】
また、ヒトIgGの溶出後、本固相担体の加熱処理を行ってもよい。かかる工程により、本固相担体の再生、滅菌が可能である。加熱処理としては、例えば、約50~約100℃、好ましくは約60~約90℃、より好ましくは約65~約85℃での、数分間、例えば1~30分間、好ましくは1~20分間、より好ましくは5~15分間の処理が挙げられる。加熱処理は尿素(例、1~10M)中で行うことが可能である。

【0081】
本発明はまた、精製ヒトIgGの製造方法を提供する。本発明の製造方法は、ヒトIgGを含む試料を調整し、当該試料を本固相抗体と接触させてヒトIgGを本固相抗体に吸着させ、前記吸着したヒトIgGを溶出液により溶出させることにより、実施することができる。

【0082】
[その他の用途]
本発明はまた、1実施形態において、1個又は複数個の機能性物質が結合した本核酸アプタマーも提供する。本核酸アプタマーへの機能性物質の結合は、公知の方法で行うことができる。本核酸アプタマーと機能性物質との間の結合は、共有結合及び非共有結合のいずれであってもよく、リンカー等を介した結合であってもよい。複数個の機能性物質を本核酸アプタマーに結合する場合、同種の機能性物質を複数個結合してもよく、異種の機能性物質を複数個結合してもよい。なお、「複数個」は、特に限定されないが、2~5個であることができ、2~4個であることが好ましく、2又は3個であることがより好ましい。

【0083】
機能性物質としては、例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖質、単糖、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド等を挙げることができる。機能性物質としてはまた、例えば、親和性物質、標識用物質、酵素、薬物、毒素、薬物送達媒体等も挙げることができる。

【0084】
親和性物質としては、例えば、ビオチン、ストレプトアビジン、標的相補配列に対して親和性を有するポリヌクレオチド、抗体、グルタチオンセファロース、ヒスチジン等を挙げることができる。標識用物質としては、例えば、蛍光物質、発光物質、放射性同位体等を挙げることができる。酵素としては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等を挙げることができる。薬物としては、例えば、抗癌剤等を挙げることができる。毒素としては、例えば、リシン毒素、リア毒素等を挙げることができる。薬物送達媒体としては、例えば、リポソーム、ミクロスフェア、ポリエチレングリコール、コレステロール、ペプチド等を挙げることができる。

【0085】
本核酸アプタマー(機能性物質が結合したものを含む)は、例えば、医薬又は試薬(例、診断薬、検査薬(実験用試薬を含む))として使用され得る。医薬又は診断薬としては、例えば、異常IgG及び/若しくはIgGの過剰発現が原因の疾患(例、リウマチ、腎炎、キャッスルマン病、ヴェーゲナー肉芽腫症、糸球体硬化症、糸球体疾患、多発性動脈炎、紫斑病、エリテマトーデス、臓器移植における拒絶反応)、IgG産生に関連した疾患(例、B細胞リンパ腫)等の、自己免疫疾患を含むIgG関連疾患、又は癌等の治療又は診断(例、病態把握、治療効果のモニタリング)に利用可能である。

【0086】
試薬としては、例えば、ヒトIgGを検出・定量するための試薬として利用可能である。また、酵素免疫測定法(EIA)(例、直接競合ELISA、間接競合ELISA、サンドイッチELISA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、免疫クロマト法、ルミネッセンス免疫測定法、スピン免疫測定法、ウエスタンブロット法、免疫組織化学的染色法、セルソーティング法等の方法における、二次抗体の代わりとして利用することもできる。なお、ヒトIgGはヒトIgG1であってよい。

【0087】
また、本核酸アプタマーは、ヒトIgGに機能性物質を結合させるためのリンカーとして使用することもできる。例えば、1個又は複数個の機能性物質を結合させた本核酸アプタマーを、ヒトIgGに接触させることにより、本核酸アプタマーを介して、機能性物質をヒトIgGに結合させることができる。本核酸アプタマーを介して、機能性物質が結合されたヒトIgGは、例えば、医薬、診断薬、試薬等として利用可能である。そのような、1個又は複数個の機能性物質が結合した本核酸アプタマーを結合させたヒトIgGもまた、本発明により提供される。なお、ヒトIgGはヒトIgG1であってよい。
【実施例】
【0088】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0089】
[実施例1]修飾RNAアプタマーの作製
配列番号11に記載の配列(23F23)を基にして、表1に記載のRNAアプタマーを化学合成により作製した。配列番号11に記載の配列は、国際公開第2007/004748号に記載の核酸アプタマーのうち、最もヒトIgG1に対する結合活性が高い配列である。表1の配列中、()内は、ヌクレオチド残基の種類を示す。(OH)はリボヌクレオチド残基、(H)はデオキシリボヌクレオチド残基、(F)は2’-フルオロリボヌクレオチド残基、(M)は2’-O-MCEリボヌクレオチド基、(L)はLNA残基を表す。
【実施例】
【0090】
【表1】
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【実施例】
【0091】
[実施例2]結合活性の評価
表1に記載のRNAアプタマーについて、ヒトIgG1に対する結合活性を表面プラズモン共鳴法により調べた。
測定にはBiacore T200(GEヘルスケア)を用いた。センサーチップにはストレプトアビジンセンサーチップ(Series S Sensor Chip SA BR-1005-31、GEヘルスケア)を用いた。これに、5’末端にビオチンが結合している16残基のPoly dTを結合させた。
リガンドとなるRNAアプタマーには、3’末端に16残基のPoly Aを付加したものを用いた。100nMのRNAアプタマー ランニングバッファー溶液を、流速30μL/分、25℃で1分間、フローセル内のセンサーチップに反応させ、dTとAとの結合により、RNAアプタマーをセンサーチップに固定した。その固定化量は、190RU程度とした。
アナライト用のIgG1は、Human IgG1,Myeloma,CALBIOCHEM(登録商標) 400120(メルクミリポア)を用いた。20nMのIgG1ランニングバッファー溶液を、センサーチップを含むフローセルに1分間インジェクションし、その後の150秒間で徐々に解離させた。センサーチップの再生は、6M尿素を30μL/分で30秒間インジェクションすることによって行った。
各RNAアプタマーの結合活性は、表1に記載の順序で連続測定を行った。ただし、23F23については、最初と最後のサンプルとして2回測定を行った。
なお、ランニングバッファーの組成は、以下のとおりである:145mM NaCl,5.4mM KCl,0.8mM MgCl,1.8mM CaCl,20mM Tris(pH7.6),0.05% Tween20。
【実施例】
【0092】
図1に、各RNAアプタマーのセンサーグラムを示す。NCR-4及びNCR-9は、23F23と比較して、IgG1に対する結合活性が向上した。一方、他の修飾RNAアプタマーは、23F23よりも結合活性が低下した。
【実施例】
【0093】
表2に、図1の[A]及び[B]の点でのRU値から、解離の傾きを評価した結果を示す。
【実施例】
【0094】
【表2】
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【実施例】
【0095】
表2の結果から、NCR-4及びNCR-9は、23F23と比較して、解離の傾きも向上していることが確認された。
【実施例】
【0096】
[実施例3]カイネティクス解析
実施例2において、結合活性が確認されたNCR-4及びNCR-9について、ヒトIgG1に対する結合のカイネティクス解析を行った。解析にはBiacore T200を用い、センサーチップ、アナライト、及びランニングバッファーには実施例2と同様のものを使用した。リガンドとなるRNAアプタマーには23F23、NCR-4及びNCR-9を用い、実施例2と同様のものを使用した。
【実施例】
【0097】
RNAアプタマーのセンサーチップへの固定化を実施例2と同様に行い、その固定化量は30RU程度とした。
0,1.5625,3.125,6.25,12.5,25nMのIgG1ランニングバッファー溶液を、センサーチップを含むフローセルに200秒間インジェクションし、その後の200秒間で徐々に解離させた。センサーチップの再生は、実施例2と同様に行った。23F23、NCR4、NCR9の順序で連続測定を行い、前記連続測定を3セット連続で行った。
センサーグラムに対するフィッティングカーブの算出は、Biacore T200 Evaluation software 3.0を用いて作成したグローバルフィッティングカーブ(1:1 Bindingモデル)により算出した。
【実施例】
【0098】
表3に、カイネティクス解析の結果を示す。
【実施例】
【0099】
【表3】
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【実施例】
【0100】
表3の結果から、NCR-4及びNCR-9は、23F23と比較して、ヒトIgG1に対する親和性が向上していることが確認された。また、NCR-4とNCR-9とを比較すると、NCR-4の方がよりヒトIgG1に対する親和性が向上していた。
【実施例】
【0101】
上記実施例においてヒトIgG1に対する親和性の向上が確認されたNCR-4及びNCR-9は、いずれも23F23の18位残基を糖修飾したものである。このことから、23F23の18位残基を糖修飾することにより、ヒトIgG1に対する親和性を向上できることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明によれば、ヒトIgGに対する親和性が向上した核酸アプタマー、及び当該核酸アプタマーの利用技術が提供される。本発明により提供される核酸アプタマーは、ヒトIgGの精製、ヒトIgGの検出・定量、ヒトIgGの固定化等に利用することができる。
図面
【図1】
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