TOP > 国内特許検索 > ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置 > 明細書

明細書 :ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-147528 (P2018-147528A)
公開日 平成30年9月20日(2018.9.20)
発明の名称または考案の名称 ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置
国際特許分類 G11B   7/0065      (2006.01)
G03H   1/26        (2006.01)
FI G11B 7/0065
G03H 1/26
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2017-038952 (P2017-038952)
出願日 平成29年3月2日(2017.3.2)
発明者または考案者 【氏名】山本 学
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100078754、【弁理士】、【氏名又は名称】大井 正彦
審査請求 未請求
テーマコード 2K008
5D090
Fターム 2K008AA04
2K008BB04
2K008FF07
2K008HH00
5D090BB16
5D090CC01
5D090CC16
5D090FF01
5D090FF11
5D090FF21
5D090KK12
5D090KK15
5D090LL02
要約 【課題】高速な記録再生を可能とするホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法を提供すること。
【解決手段】本発明においては、参照光として球面波が用いられ、記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムが参照光の記録媒体に対する入射方向が参照光入射角度変更手段によって変更されて記録媒体における同一箇所に多重記録されることによってマルチホログラムが記録された後、信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方が他方に対して相対的に一方向にシフトされた状態において、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録される。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムを参照光の記録媒体に対する入射方向を参照光入射角度変更手段によって変更して当該記録媒体における同一箇所に多重記録することによってマルチホログラムを記録した後、
信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムをその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録することを特徴とするホログラム記録再生方法。
【請求項2】
前記参照光入射角度変更手段として音響光学素子が用いられることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項3】
参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項4】
前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることを特徴とする請求項3に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項5】
データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
信号光を記録媒体に照射する信号光照射光学系と、球面参照光を当該記録媒体に照射する参照光照射光学系とを備えた光学ヘッドを有しており、
当該参照光照射光学系は、球面参照光の記録媒体に対する入射方向を変更させる参照光入射角度変更手段を備えており、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムが球面参照光の記録媒体に対する入射方向が前記参照光入射角度変更手段によって変更されて当該記録媒体における同一箇所に多重記録されることによってマルチホログラムが記録された後、
前記光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録されることを特徴とするホログラム記録再生装置。
【請求項6】
前記参照光入射角度変更手段が音響光学素子よりなることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項7】
参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項8】
前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定され、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録再生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法に関する。更に詳しくは、2次元化されたデジタルビットパターンを記録媒体にホログラムとして多重に記録することにより大容量光メモリを構成する上で、高速記録再生が可能なホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホログラムを用いてデジタル情報を二次元的に記録再生するホログラム記録再生装置が提案されている。ホログラム記録再生装置においては、複数の画素よりなる空間光変調器で変調された、デジタル情報(データ情報)を担持した信号光と、当該信号光とコヒーレントな参照光とを記録媒体内で干渉させることにより得られる干渉縞をホログラムとして記録する。また、記録媒体に記録されたホログラムを再生する場合には、記録に用いた参照光をホログラムに照射することにより回折光を発生させ、例えばCCDなどの撮像素子上に、ホログラムとして記録されているデジタル情報の画像を形成させる。
【0003】
そして、ホログラムの多重記録方法としては、例えば角度多重記録方式や、参照光として球面波(以下、「球面参照光」ともいう。)を用いた球面参照光シフト多重記録方式などが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
角度多重記録方式にあっては、参照光(例えば平面波)の記録媒体に対する入射角度を微小に変更させ、当該記録媒体における同一箇所にホログラムの多重記録を行う。記録媒体の厚みが厚い(具体的には、1mm以上)場合には、ブラッグ回折条件が角度的に厳しくなり、角度が0.1°程度でブラッグ回折角条件が外れて読み出しが不可能となる。この原理を利用して、記録媒体における同一箇所に数百個のホログラムを多重記録する。
【0005】
球面参照光シフト多重記録方式にあっては、ホログラムが記録された記録媒体を当該記録媒体の表面に沿って一方向にわずかな距離シフトさせると、波数ベクトルの関係がブラッグの回折条件から外れるため、既に記録されたホログラムの再生が不可となり、新たなホログラムをその記録領域の一部が既に記録されたホログラムの記録領域と重なる状態で記録することが可能となる。ここに、隣接するホログラムの距離すなわちシフト量は10μm程度である。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2014-098797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
而して、従来の球面参照光シフト多重記録方式を採用したホログラム記録再生装置における光ビーム(信号光および参照光)と記録媒体との相対位置を制御する技術として、例えば、信号光および参照光を照射する光学機構は動かさず、記録媒体の2軸移動と回転とによってアクセスを行う方法が採用されている。この方法は、光学機構からの信号光および参照光の記録媒体における照射位置を固定し、記録媒体を移動させた後に停止させ、この状態でホログラムを形成し、再び、記録媒体を移動させた後に停止させ、新たなホログラムを形成する処理を繰り返して行う(ストップアンドゴー方式)。
【0008】
このような方法においては、記録時あるいは再生時におけるデータ転送速度を高めるためには、記録媒体を装着した移動ステージを高速制御することが必要とされる。例えば、記録媒体に対する一のホログラムを例えば1msの記録時間で記録することができるものとし、記録媒体をシフト量である例えば10μmの距離を50msで移動させたとすると、1記録シーケンスに要する時間は51msとなる。従って、記録時の転送速度は20Mbpsi以下に制限されることになる。実際には、10μmの距離を50msの時間で移動させるストップアンドゴーを繰り返した場合には、記録媒体に振動が発生し、ホログラムの正常な記録が困難となる。
このような問題が生ずることを回避するためには、移動時間を50ms以上に長くする必要があることから、記録時の転送速度を大幅に低下させることとなり、シフト多重記録方式の有効性を大きく損なうことになる。すなわち、シフト多重記録方式によって記録情報の大容量化を図る場合には、記録媒体をシフトさせる度に、メカ機構による移動時間が必要となるため、記録時の転送速度を低下させることとなる。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、球面参照光シフト多重記録方式を採用したホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法において、高速な記録再生を可能とするホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムを参照光の記録媒体に対する入射方向を参照光入射角度変更手段によって変更して当該記録媒体における同一箇所に多重記録することによってマルチホログラムを記録した後、
信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムをその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録することを特徴とする。
【0011】
本発明のホログラム記録再生方法においては、前記参照光入射角度変更手段として音響光学素子が用いられることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明のホログラム記録再生方法においては、参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることが好ましい。
このような場合には、前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることが好ましい。
【0013】
本発明のホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
信号光を記録媒体に照射する信号光照射光学系と、球面参照光を当該記録媒体に照射する参照光照射光学系とを備えた光学ヘッドを有しており、
当該参照光照射光学系は、球面参照光の記録媒体に対する入射方向を変更させる参照光入射角度変更手段を備えており、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムが球面参照光の記録媒体に対する入射方向が前記参照光入射角度変更手段によって変更されて当該記録媒体における同一箇所に多重記録されることによってマルチホログラムが記録された後、
前記光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録されることを特徴とする。
【0014】
本発明のホログラム記録再生装置においては、前記参照光入射角度変更手段が音響光学素子よりなることが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明のホログラム記録再生装置においては、参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることが好ましい。
このような場合には、前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、複数のホログラムが参照光の記録媒体に対する入射角度が変更されて同一箇所に重ね書きされることによりマルチホログラムが記録された後、記録媒体および光学ヘッドの一方が他方に対して相対的に一方向にシフトされた状態で、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域と重なる状態で記録され、これにより、ホログラムの多重記録が行われる。このため、例えば記録媒体をシフトさせるための移動機構のストップアンドゴー動作の回数を可及的に少なく抑制しながら、ホログラムの多重記録が可能となる。従って、本発明によれば、光学ヘッドまたは記録媒体を振動が生じない程度の移動速度でシフトさせてシフト多重記録を行う場合であっても、十分に高い記録時の転送速度を得ることができ、高速な記録再生が可能となる。
【0017】
特に、音響光学素子によって参照光の記録媒体に対する入射方向が変更されることにより、例えば記録媒体の移動といったメカ機構の駆動を伴うことなく、信号光に対する参照光の入射方向の制御を極めて短時間で確実に行うことができ、しかも、ホログラム記録再生光学系の構成の簡略化を図ることができる。
【0018】
また、参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、光学ヘッドまたは記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積α〔°・μm〕の値が50以上、100以下の範囲内の大きさとなるよう、角度間隔θの大きさおよびシフト量δの大きさが設定されることにより、クロストークを発生させることなく、記録媒体に記録される情報の高密度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のホログラム記録再生方法の一例を説明するためのタイムチャートである。
【図2】ホログラムの記録再生方法の概要を示す説明図である。
【図3】音響光学変調器の動作原理を説明する概略図である。
【図4】音響光学変調器の機能を説明する概略図である。
【図5】本発明のホログラム記録再生方法によって多重記録されたホログラムの記録格子ベクトルの相互関係を示す説明図である。
【図6】本発明のホログラム記録再生装置の一例における構成の概略を記録媒体と共に示す説明図である。
【図7】本発明のホログラム記録再生装置の他の例における構成の概略を記録媒体と共に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

【0021】
本発明のホログラム記録再生方法は、参照光として球面波を用い、記録媒体を静止させた状態において、信号光と参照光とを干渉させることにより形成される複数のホログラムを参照光の記録媒体に対する入射方向を変更して当該記録媒体における同一箇所に重ね書きすることによってマルチホログラムを記録する操作を、信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせながら繰り返し行うことにより、記録情報の高密度化を図るものである。また、参照光をホログラムが多重記録された記録媒体に照射することによってホログラムの各々を独立して再生するものである。

【0022】
本発明のホログラム記録再生方法においては、記録媒体として、ディスク状およびカード状などのいずれの形状を有するものが用いられてもよいが、例えば透過型のものが用いられる。
記録媒体は、図2を参照して説明すると、各々例えばガラス材料よりなる2枚の光透過性基板11,12と、これらの光透過性基板11,12の間に形成された、光反応性モノマーよりなるホログラム記録層15とを有する。
ホログラム記録層15の厚みは、記録再生能の観点から、例えば0.3~2.0mmとされ、好ましくは0.5~1.0mmとされる。

【0023】
ホログラムの記録方式としては、透過型記録および反射型記録のいずれであってもよい。以下においては、ホログラムを反射型記録によって記録する場合を例に挙げて説明する。

【0024】
図1は、本発明のホログラム記録再生方法の一例を説明するためのタイムチャートである。
ホログラムの記録に際しては、先ず、記録媒体に対するプリキュアが行われる(T0)。プリキュアは、例えば、ホログラムの記録再生光源と同一の波長のレーザ光を出射するレーザ光源またはLED光源からの光を記録媒体における記録再生領域の全面に照射することにより行うことができる。プリキュアに要する時間は、例えば200msである。

【0025】
ホログラムの記録にあっては、記録媒体における単位記録再生領域に対して、記録媒体を静止させた状態において、信号光と球面参照光とを干渉させることにより形成される複数のホログラムを球面参照光の記録媒体に対する入射方向を変更して当該記録媒体における同一箇所に重ね書きし、これにより複数のホログラムが同一箇所に重ね書きされてなるマルチホログラムが記録される(T1)。ここに、一のホログラムを記録するに際しての記録再生光(信号光および球面参照光)の照射時間tは、例えば1ms程度である。
記録媒体における単位記録再生領域は、例えばディスク状の記録媒体においては、記録媒体の表面における記録再生領域を、記録媒体の周方向に並ぶ複数の記録再生部分に分割すると共に複数の記録再生部分の各々をさらに記録媒体の中心から外周縁に向かって径方向に並ぶ複数のブロック単位に分割して得られる当該ブロック単位に設定することができる。また、カード状の記録媒体においては、各々一方向に延びる複数の記録トラックの各々が所定のピッチで当該一方向と直交する方向に並ぶよう形成されており、記録トラックまたは記録トラックにおけるセクタを単位記録再生領域として設定することができる。

【0026】
そして、所定数のホログラムよりなるマルチホログラムが記録された後、記録再生光照射光学系を備えた光学ヘッドおよび記録媒体の一方が他方に対して相対的に記録媒体の表面に沿って一方向に微小移動(シフト)される(T2)。ここに、光学ヘッドおよび記録媒体を移動させる速度は、振動を発せさせない程度の大きさであって、例えば10μmの距離を50msの時間で移動させる大きさである。
この状態において、新たなマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録される(T3)。

【0027】
このような操作が繰り返し行われることにより、複数のマルチホログラムが、互いに記録領域の一部が重なる状態で当該一方向に並ぶよう記録されたシフト多重ホログラム列が記録される。

【0028】
ホログラムの記録は、例えば図2に示すように、記録再生光源(図示せず)より出射された光が分離されて生成された信号光Lsが記録媒体10の一面側から信号光集光用対物レンズ35によって集光されて記録媒体10に照射される。一方、信号光Lsと同一の記録再生光源より出射された光が分離されて生成された参照用の光が参照光入射角度変更手段45を介して参照光集光用対物レンズ40に入射され、当該参照光集光用対物レンズ40によって球面波に変換されて参照光(球面参照光)Lrとして記録媒体10の他面側から記録媒体10に照射される。これにより、記録媒体10においては、信号光Lsと球面参照光Lrとによる干渉縞がホログラムとして記録される。ここに、一のホログラムは、平面視で略円形状であって、そのサイズは、例えば直径が500μmである。

【0029】
マルチホログラムの記録にあっては、記録媒体10における信号光の照射領域の位置が固定された状態において、参照光入射角度変更手段45の動作が制御されることにより参照光集光用対物レンズ40を介して照射される球面参照光Lrの記録媒体10に対する入射方向が変更され、これにより、新たなホログラムが既に記録されたホログラムと同一箇所に記録される。

【0030】
参照光入射角度変更手段45としては、音響光学素子を用いることが好ましい。音響光学素子としては、例えば音響光学変調器(AOM;Acousto-Optic Modulator)を用いることができる。
音響光学変調器においては、例えば、音響光学変調器を駆動する搬送波の振幅変調させる信号周波数を制御することにより参照光の入射方向を変更することができるため、ホログラムの高速な記録再生が可能となる。

【0031】
音響光学変調器の動作原理について説明すると、図3に示すように、音響光学変調器においては、周波数変調された駆動用入力信号Sが外部から与えられることにより超音波Uが発生し、当該超音波Uが音響光学媒体46に伝播されることにより、音響光学媒体46内において周期的な屈折率の粗密が形成される。そして、参照光用の光Lr´が音響光学変調器に入射されると、駆動用入力信号Sの周波数に応じた搬送波回折光、下側帯波回折光および上側帯波回折光が生じるが、本発明においては、例えば下側帯波回折光SL1 ~SLn が参照光用の光として用いられる。この場合には、使用しない搬送波回折光および上側帯波回折光等の光は遮蔽板(図示せず)などによって遮蔽される。図3における41は、球面参照光集光用対物レンズ40と共にリレーレンズを構成するレンズである。

【0032】
従って、音響光学変調器にあっては、駆動用入力信号Sの周波数が制御されることにより、図4に示すように、下側帯波回折光SL1 ~SLn の参照光集光用対物レンズ40における入射位置が変更されるため、信号光に対する球面参照光Lrの入射方向を変更することができる。図4において、P1,P2,…,Pnは、下側帯波回折光SL1 ~SLn の入射位置を示す。図3および図4に示す白抜きの矢印は、周波数を高く変化させることによる下側帯波回折光SL1 ~SLn の入射位置の変化方向を示す。
なお、音響光学変調器の駆動制御方法は、このような方法に限定されるものではない。

【0033】
シフト多重ホログラム列の記録にあっては、上述のように、光学ヘッドおよび記録媒体の一方が他方に対して相対的に記録媒体の表面に沿って一方向に微小移動(シフト)される。光学ヘッドまたは記録媒体の移動速度は、上述したように、光学ヘッドまたは記録媒体に振動を生じさせない大きさとされる。

【0034】
本発明のホログラム記録再生方法においては、例えばディスク状の記録媒体における各々のブロック単位(単位記録領域)には、各々記録媒体の径方向に延びる複数のトラックが周方向に離間して並んで位置されており、複数のシフト多重ホログラム列が各トラックに記録される。一の単位記録領域においてホログラムの多重記録数が飽和した時点で、記録媒体に対するポストキュアが行われる。
ポストキュアは、プリキュアと同様に、ホログラムの記録再生光源と同一の波長のレーザ光を出射するレーザ光源またはLED光源からの光を記録媒体における記録再生領域の全面に照射することにより行うことができる。
また、例えばカード状の記録媒体においても同様に、一の単位記録領域においてホログラムの多重記録数が飽和した時点で、記録媒体に対するポストキュアが行われる。

【0035】
以上において、本発明のホログラム記録再生方法においては、球面参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、角度間隔θの大きさおよびシフト量δの大きさが設定されることが好ましい。αの値が上記数値範囲内であることにより、クロストークを発生させることなく、記録媒体に記録される情報の高密度化を図ることができる。一方、αの値が50未満である場合には、後述するように、隣接するマルチホログラムに係るホログラムを分離して各々独立して再生することが困難となる。また、αの値が100を超える場合には、記録媒体に対する情報の記録密度が低下する。

【0036】
角度間隔θは、1°以上10°以下の範囲内で設定されることが好ましく、シフト量δは5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることが好ましい。
具体例を示すと、シフト量δを例えば10μmに設定した場合には、角度間隔θは5°~10°の範囲内で設定され、特に、角度間隔θが例えば5°(α=50)に設定すると、記録密度を可及的に高くすることができるため好ましい。このとき、参照光集光用対物レンズとして、開口数NAが例えば0.85であるものが用いた場合には、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を16個とすることができる。また、シフト量δを40μm、角度間隔θを1.25°と設定した場合(α=50)には、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を64個とすることができる。
また、例えば参照光集光用レンズとして開口数NAが0.6であるものを用いた場合には、シフト量δを例えば10μmに設定すると、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を6個となる。

【0037】
本発明のホログラム記録再生方法においては、球面参照光を照射することによって記録されたホログラムに係るデータ情報が再生される。すなわち、図2に示すように、ホログラムが形成された記録媒体10に球面参照光Lrが照射されることによって、マルチホログラムに係る各々のホログラムから記録媒体10の他面に向かって発せられる再生光Lgが、偏光プリズムビームスプリッタ42から参照光集光用対物レンズ40を介して記録媒体10に向かう参照光用の光の光路を逆進して、偏光プリズムビームスプリッタ42に入射される。再生光Lgは、参照光用の光の偏光面に対して90°回転されているため、偏光プリズムビームスプリッタ42を透過して撮像素子50に入射される。撮像素子50によって再生光Lgが検出されることにより、当該マルチホログラムにおける各々のホログラムに係るデータ情報が独立して再生される。

【0038】
ここに、従来より好適に用いられている角度多重方式によってホログラムの多重記録を行う場合には、角度間隔θが例えば0.1°程度に設定されて、記録媒体における同一箇所に複数のホログラムが多重記録されてマルチホログラムが記録される。しかしながら、このようなホログラムの多重記録にあっては、新たなマルチホログラムを記録するに際しては、新たなマルチホログラムは、既に記録されたマルチホログラムの記録位置より十分に離れた位置に記録しなければならないのが実際であり、本発明のように、複数のマルチホログラムを互いに記録領域の一部が重なる状態で記録することは困難である。
然るに、上記のようにして角度間隔θの大きさおよびシフト量δの大きさが設定された状態で記録されたマルチホログラムのシフト多重ホログラム列においては、ホログラムの再生時に用いられる参照光が球面波であるため、図5に示すように、同一箇所において多重記録された複数のホログラムの各々の再生光Lg1,Lg2が互いに異なる方向に発せられて撮像素子50に入射される。これにより、同時に再生される複数のホログラムの再生像I1,I2は、撮像素子において分離された状態で再生される。また、一のマルチホログラムにおいてブラッグの回折条件を満足する状態で球面参照光が照射されるとき、他のマルチホログラムにおける各ホログラムについては、ブラックの回折条件を満たさないため、当該他のマルチホログラムに係るホログラムの再生は不可となる。
図5において、kr1およびkr2は、互いに異なる入射角度で照射される球面参照光の波数ベクトルを示し、kg1およびkg2は、同一箇所に記録された2つのホログラムの各々の記録格子ベクトルを示す。

【0039】
以下、上記の本発明のホログラム記録再生方法が実行されるホログラム記録再生装置の具体例について図を用いて説明する。

【0040】
図6は、本発明のホログラム記録再生装置の一例における構成の概略を記録媒体と共に示す説明図である。
このホログラム記録再生装置は、信号光Lsおよび球面参照光Lrを例えばディスク状の記録媒体10aに照射する記録再生光照射光学系を備えた光学ヘッドと、記録媒体10aをその表面に沿った平面内において回動(回転)および平行移動させる記録媒体駆動機構(図示せず)とを備えている。

【0041】
記録再生光照射光学系は、例えば青色レーザ光源よりなる記録再生光源21と、記録再生光源21からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する、例えば偏光プリズムビームスプリッタよりなる光分離手段25と、信号光用の光から信号光Lsを生成して当該信号光Lsを記録媒体10aの一面側から当該記録媒体10aに照射する信号光照射光学系と、参照光用の光を球面参照光Lrに変換して当該記録媒体10aの他面側から当該記録媒体10aに照射する球面参照光照射光学系と、ホログラムからの再生光を検出する再生光検出用光学系とを備えている。記録再生光源21と光分離手段25との間におけるレーザ光の光路上には、ビーム整形用プリズム22が配置されている。

【0042】
信号光照射光学系は、光分離手段25からの信号光用の光のビーム径を拡大するビームエクスパンダ26と、信号光用の光を記録すべきページデータに対応した空間情報を用いて変調し、偏光方向(偏光面)を90°回転させて出射する空間光変調器(SLM)30と、空間光変調器30によって変調された光のフーリエ面での周波数帯域を調整するナイキストフィルタ32と、空間光変調器30によって変調された光をナイキストフィルタ32に入射させるためのリレーレンズ31と、リレーレンズ31から出射された光を信号光Lsとして集光して記録媒体10aに照射する信号光集光用対物レンズ35とを備えている。27は、ピンホールを有する空間フィルタであって、信号光用の光の空間的なノイズを除去する機能を有する。28は、ビームエクスパンダ26を介して入射される信号光用の光を反射して空間光変調器30に入射させると共に空間光変調器30から出射された光を透過する偏光プリズムビームスプリッタである。

【0043】
球面参照光照射光学系は、光分離手段25からの参照光用の光を球面波に変換して球面参照光Lrとして集光して記録媒体10aに照射する参照光集光用対物レンズ40と、参照光用の光の参照光集光用対物レンズ40に対する入射位置を変更して球面参照光Lrの記録媒体10aに対する入射方向を変更させる参照光入射角度変更手段45とを備えている。図6における43は、参照光用の光を反射して参照光用の光の進行方向を変更する反射ミラーであり、44は、参照光用の光を参照光入射角度変更手段45に入射させるためのレンズである。

【0044】
この例における参照光入射角度変更手段45は、例えば音響光学変調器により構成されており、例えば、音響光学変調器を駆動する搬送波の振幅変調させる信号周波数を制御することにより、球面参照光Lrの入射方向を変更することができる。参照光入射角度変更手段45が、例えば音響光学変調器などの音響光学素子により構成されていることにより、メカ機構による光学素子または記録媒体10aの駆動を伴うことなく、球面参照光Lrの入射方向を変更することができるため、ホログラムの高速な記録再生が可能となる。

【0045】
再生光検出用光学系は、例えばCCDよりなる撮像素子50を備えている。
このホログラム記録再生装置においては、記録媒体10aに記録されたホログラムから記録媒体10aの他面に向かって発せられる再生光が、偏光プリズムビームスプリッタ42から参照光集光用対物レンズ40を介して記録媒体10aに向かう参照光用の光の光路を逆進して、偏光プリズムビームスプリッタ42に入射される。再生光は、再生用の参照光用の光の偏光面に対して90°回転されているため、偏光プリズムビームスプリッタ42を透過することとなる。従って、撮像素子50は、ホログラムからの再生光が偏光プリズムビームスプリッタ42を透過して入射される位置に配置されている。

【0046】
このホログラム記録再生装置における光学ヘッドは、ホログラムの記録再生光源とは異なる波長のプリキュア用およびポストキュア用の光を出射するレーザ光源またはLED光源を備えた構成とされる。
このような光源60は、例えば、プリキュア用およびポストキュア用の光が信号光照射光学系における偏向ビームスプリッタ28に入射されるよう配置することができる。例えばプリキュア用およびポストキュア用の光が信号光照射光学系における偏向ビームスプリッタ28に入射される構成とされる場合には、プリキュア用およびポストキュア用の光が、偏向ビームスプリッタ28を透過して信号光用の光と同一の光路を介して記録媒体10aに照射される。

【0047】
このホログラム記録再生装置においては、記録再生光源21から出射されたレーザ光は、光分離手段25によって信号光用の光と参照光用の光に分割される。信号光用の光は、ビームエクスパンダ26を介して偏光プリズムビームスプリッタ28に入射される。信号光用の光は、偏光プリズムビームスプリッタ28を透過して空間光変調器30に入射される。この空間光変調器30によって、信号光用の光は偏光面が90°変更されたデータパターンに変調される。空間光変調器30によって変調された信号光用の光は、偏光プリズムビームスプリッタ28によって反射されて出射される。偏光プリズムビームスプリッタ28からの信号光用の光は、リレーレンズ31によってナイキストフィルタ32に入射され、ナイキストフィルタ32によって空間周波数帯域が調整されて信号光Lsが生成される。リレーレンズ31から出射された信号光Lsは、信号光集光用レンズ35によって集光されて記録媒体10aの一面側から当該記録媒体10aに照射される。
一方、参照光用の光は、反射ミラー43によって反射されて進行方向が変更され、レンズ44を介して参照光入射角度変更手段45に入射される。この参照光入射角度変更手段45の作用によって、参照光用の光の参照光集光用対物レンズ40に対する入射位置が制御された状態において、参照光用の光が偏向プリズムビームスプリッタ42を介して参照光集光用対物レンズ40に入射される。参照光用の光は、参照光集光用対物レンズ40によって球面波に変換されて球面参照光Lrとして記録媒体10aの他面側から当該記録媒体10aに照射される。これにより、記録媒体10aにおいては、信号光Lsと球面参照光Lrとによる干渉縞がホログラムとして記録される。

【0048】
そして、記録媒体10aを静止させた状態において、上記のホログラム記録が球面参照光Lrの入射方向が変更されて繰り返し行われることにより、複数のホログラムが記録媒体10aにおける同一箇所に所定の重ね書き数で重ね書きされる。すなわち、参照光入射角度変更手段45の動作が制御されて参照光集光用対物レンズ40から照射される球面参照光Lrの記録媒体10aに対する入射方向が所定の大きさの角度間隔で変更されながら、信号光Lsと球面参照光Lrとが照射されることにより、複数のホログラムが同一箇所に重ね書きされてなるマルチホログラムが記録される。

【0049】
次いで、記録媒体10aの表面に沿った平面内において、例えば記録媒体10aが光学ヘッドに対して相対的に1軸方向に所定のシフト量で微小移動(シフト)され、この状態において、新たにマルチホログラムを記録する操作が繰り返し行われることにより、複数のマルチホログラムが互いに記録領域の一部が重なる状態で当該1軸方向に並ぶよう記録されたシフト多重ホログラム列が記録される。

【0050】
このホログラム記録再生装置においては、このような操作が記録媒体において設定された単位記録領域毎に繰り返し行われる。単位記録領域へのアクセスは、光学ヘッドの移動によるアクセスの他、記録媒体10aの2軸移動と回転(回動)とによって行われる。

【0051】
記録媒体10aに記録されたホログラムに係るデータ情報の再生時には、球面参照光Lrのみが記録媒体10aに照射される。これにより、ホログラムから発せられる再生光が撮像素子50によって検出されることにより、当該ホログラムに記録されたデータ情報が各々独立して再生される。

【0052】
以上においては、記録媒体としてディスク状のものが用いられる実施例について説明したが、図7に示すように、記録媒体としてディスク状のものが用いられるものとして構成されていてもよい。

【0053】
この例における光学ヘッドは、図6に示す光学ヘッドと同様の構成を有している。なお、図7においては、図6に示す構成のホログラム記録再生装置と同一の構成要素については便宜上同一の符号が付しており、説明を省略することとする。
このホログラム記録再生装置は、カード状の記録媒体10bの表面に沿った平面内において、記録媒体10bを当該記録媒体10bにおけるトラックに沿った方向およびトラックの並列方向の2方向に平行移動させる記録媒体移動機構65を備えた構成とされている。

【0054】
このホログラム記録再生装置においては、シフト多重ホログラム列が記録媒体10bにおけるセクタ毎に記録される。具体的には、記録媒体10bにおける所定のトラックにおける一のセクタに対して、信号光Lsおよび球面参照光Lrが照射されてホログラムが記録される。そして、記録媒体10bを静止させた状態において、当該セクタに対して新たなホログラムを球面参照光Lrの入射方向を所定の大きさの角度間隔で変更して記録する操作が繰り返し行われることにより、複数のホログラムが同一箇所に所定の重ね書き数で重ね書きされてなるマルチホログラムが記録される。次いで、記録媒体10bがトラックに沿った1軸方向に所定のシフト量で微小移動(シフト)され、この状態において、新たなマルチホログラムを記録する操作が繰り返し行われることにより、複数のマルチホログラムが互いに記録領域の一部が重なる状態で当該1軸方向に並ぶシフト多重ホログラム列が記録される。
記録媒体10bにおける各セクタ(単位記録領域)へのアクセスは、光学ヘッドの移動によるアクセスの他、記録媒体10bの2軸移動によって行われる。

【0055】
以上のように、本発明のホログラム記録再生方法および当該ホログラム記録再生方法が実施されるホログラム記録再生装置においては、複数のホログラムが参照光の入射角度が変更されて同一箇所に重ね書きされることによってマルチホログラムが記録された後、記録媒体10a,10bおよび光学ヘッドの一方が他方に対して相対的に一方向にシフトされた状態で、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域と重なる状態で記録され、これにより、ホログラムの多重記録が行われる。このため、例えば記録媒体10a,10bをシフトさせるための移動機構のストップアンドゴー動作の回数を可及的に少なく抑制しながら、ホログラムの多重記録が可能となる。従って、本発明によれば、光学ヘッドまたは記録媒体10a,10bを振動が生じない程度の移動速度でシフトさせてシフト多重記録を行う場合であっても、十分に高い記録時の転送速度を得ることができ、高速な記録再生が可能となる。

【0056】
また、例えば音響光学素子よりなる参照光入射角度変更手段45によって球面参照光Lrの記録媒体10a,10bに対する入射方向が変更されることにより、例えば記録媒体10a,10bの移動といったメカ機構の駆動を伴うことなく、信号光Lsに対する球面参照光Lrの入射方向の制御を極めて短時間で確実に行うことができ、しかも、ホログラム記録再生光学系の構成の簡略化を図ることができる。

【0057】
上記のホログラム記録再生方法が実行される装置においては、例えば、記録媒体10a,10bに対して一のホログラムを記録するのに要する時間を例えば1ms、同一箇所におけるホログラムの重ね書き数を10個、シフト量δを例えば10μm、記録媒体10a,10bの移動速度を例えば10μmの距離を50msの時間で移動させる大きさとすると、一のマルチホログラムの記録シーケンスに要する時間は例えば60msである。従って、記録時の転送速度を80Mbpsi以上、例えば90Mbpsiとすることができる。

【0058】
さらにまた、球面参照光Lrの入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、光学ヘッドまたは記録媒体10a,10bのシフト量δ〔μm〕との積α〔°・μm〕の大きさが50以上、100以下の範囲内の値となるよう、角度間隔θの大きさおよびシフト量δの大きさが設定されることにより、クロストークを発生させることなく、記録媒体10a,10bに記録される情報の高密度化を図ることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 記録媒体
10a 記録媒体
10b 記録媒体
11 光透過性基板
12 光透過性基板
15 ホログラム記録層
21 記録再生光源
22 ビーム整形用プリズム
25 光分離手段
26 ビームエクスパンダ
27 空間フィルタ
28 偏光プリズムビームスプリッタ
30 空間光変調器(SLM)
31 リレーレンズ
32 ナイキストフィルタ
35 信号光集光用対物レンズ
40 参照光集光用対物レンズ
41 レンズ
42 偏向プリズムビームスプリッタ
43 反射ミラー
44 レンズ
45 参照光入射角度変更手段
46 音響光学媒体
50 撮像素子
60 プリキュア用およびポストキュア用の光源
65 記録媒体移動機構
I1,I2 再生像
kg1,kg2 記録格子ベクトル
kr1,kr2 球面参照光の波数ベクトル
Lg 再生光
Lg1,Lg2 再生光
Lr 参照光
Lr´ 参照光用の光
Ls 信号光
S 駆動用入力信号
L1 ~SLn 下側帯波回折光
U 超音波
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6