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明細書 :ヒートポンプシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-132269 (P2018-132269A)
公開日 平成30年8月23日(2018.8.23)
発明の名称または考案の名称 ヒートポンプシステム
国際特許分類 F25B  41/04        (2006.01)
F25B  30/06        (2006.01)
F25B   5/00        (2006.01)
F25B   1/00        (2006.01)
FI F25B 41/04 Z
F25B 30/06 T
F25B 5/00 B
F25B 5/00 308
F25B 1/00 101G
F25B 1/00 399Y
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 51
出願番号 特願2017-027348 (P2017-027348)
出願日 平成29年2月16日(2017.2.16)
発明者または考案者 【氏名】宮良 明男
【氏名】仮屋 圭史
出願人 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査請求 未請求
要約 【課題】 空気熱を利用するヒートポンプに対し、付加的に地中熱との熱交換部分を組み込んで地中熱を利用可能として、システム全体のコストを抑えつつ地中熱利用による熱交換性能の向上が図れる、ヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】 空気熱を利用するヒートポンプサイクル及び冷凍サイクルを実現する室内側熱交換器11、室外側熱交換器12、圧縮機13、膨張器14及び流路切換用弁15の各装置に加えて、地中熱を利用可能とする地中熱熱交換器16を設け、地中熱熱交換器を熱媒体の凝縮又は温度低下に用いる状態と、熱媒体の蒸発又は温度上昇に用いる状態とを切換可能とすることから、室内側熱交換器を用いる冷房や暖房において、地中熱導入で室内側熱交換器での吸熱性能や放熱性能を向上させられると共に、ヒートポンプには地中熱熱交換器を容易に追加でき、地中熱を利用可能なヒートポンプシステムをより低いコストで導入可能となる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
相変化可能な熱媒体を室内空気と熱交換させる室内側熱交換器と、
前記熱媒体を室外空気と熱交換させる室外側熱交換器と、
気相の前記熱媒体を圧縮して熱媒体の温度及び圧力を高める圧縮機と、
液相の前記熱媒体を膨張させて圧力を低下させる膨張器と、
前記室外側熱交換器と圧縮機との熱媒体流路接続関係を変えて、圧縮機を出た熱媒体が室外側熱交換器に向かうようにする第一の流路接続状態と、室外側熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かうようにする第二の流路接続状態とを、少なくとも切換可能とする一又は複数の流路切換用弁とを備えるヒートポンプシステムにおいて、
室外に配設され、地下の地中熱を採熱した所定の熱交換用媒体と前記熱媒体とを熱交換させる地中熱熱交換器と、
当該地中熱熱交換器への熱媒体の流通と非流通とを切換可能とする一又は複数の熱交換器切換用弁とを備え、
前記地中熱熱交換器が、熱媒体を流通させる状態では、前記流路切換用弁が第一の流路接続状態にされると、熱媒体を凝縮させるか熱媒体の温度を低下させる熱交換を行い、前記第二の流路接続状態にされると、熱媒体を蒸発させるか熱媒体の温度を上昇させる熱交換を行うようにされることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記請求項1に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記熱交換器切換用弁が、前記室外側熱交換器と膨張器との間、又は、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路に、前記地中熱熱交換器が熱媒体を流通可能に介在する状態と介在しない状態とを切換可能とするものとされることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記請求項2に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記地中熱熱交換器に一端が接続可能とされると共に、他端が圧縮機入口側に接続可能とされて、必要に応じて熱媒体を流通させるバイパス流路と、
当該バイパス流路の他端を圧縮機入口に連通させない状態と、バイパス流路の他端を圧縮機入口に連通可能とする状態とを、切換可能とする一又は複数のバイパス切換用弁とを備え、
前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器と室外側熱交換器との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器及び室外側熱交換器と室内側熱交換器との間での熱媒体の流通は許容しない流路接続状態に、さらに切換可能とされ、且つ、前記バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させて、室外側熱交換器から地中熱熱交換器を経てバイパス流路に熱媒体が流通可能となる状態と、バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させない状態とを別途切換可能とされてなることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記請求項3に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記バイパス切換用弁が、前記バイパス流路の他端を前記室外側熱交換器の一方の熱媒体流入出口のみに連通可能とする状態に、さらに切換可能とされてなることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記請求項3に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記地中熱熱交換器が、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路における室外部分に、前記熱交換器切換用弁を介して、膨張器と室内側熱交換器とにそれぞれ連通する状態と、膨張器のみに連通する状態と、膨張器と室内側熱交換器のいずれにも連通しない状態とを切換可能に接続され、
前記バイパス流路が、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路における室外部分と、室内側熱交換器と流路切換用弁との間の熱媒体流路における室外部分との間に配設され、
前記熱交換器切換用弁が、バイパス流路の一端が膨張器と室内側熱交換器に連通せず地中熱熱交換器にのみ連通する状態と、バイパス流路の一端が膨張器、室内側熱交換器及び地中熱熱交換器のいずれにも連通しない状態とを切換可能とされ、
前記バイパス切換用弁が、バイパス流路の他端が室内側熱交換器に連通せず切換用弁にのみ連通する状態と、バイパス流路の他端が室内側熱交換器と切換用弁のいずれにも連通しない状態とを切換可能とされることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記請求項3に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記バイパス切換用弁が、前記バイパス流路の他端が前記流路切換用弁と室外側熱交換器との間の熱媒体流路に対し、流路切換用弁側には連通する一方で室外側熱交換器側には連通しないように接続される状態に、さらに切換可能とされ、
前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器と室内側熱交換器との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器及び室内側熱交換器と室外側熱交換器との間での熱媒体の流通は許容せず、且つ、前記バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させて、地中熱熱交換器を通じて室内側熱交換器とバイパス流路との間で熱媒体が流通可能となる流路接続状態に、さらに切換可能とされてなることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記請求項1に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記室内側熱交換器が複数配設され、
前記各室内側熱交換器、室外側熱交換器、及び地中熱熱交換器における一方の熱媒体流入出口に、それぞれ膨張器が接続されると共に、各膨張器が共通の熱媒体流路に接続されて、前記各熱交換器が膨張器を介して連通する状態とされ、
前記各室内側熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とする冷暖切換用弁がそれぞれ配設され、室内側熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かうようにする冷房用接続状態と、圧縮機を出た熱媒体が室内側熱交換器に向かうようにする暖房用接続状態とを、少なくとも切換可能とされ、
前記流路切換用弁が、前記室外側熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされ、前記第一の流路接続状態と、前記第二の流路接続状態と、室外側熱交換器を圧縮機に連通させず室外側熱交換器に熱媒体が流通しない第三の流路接続状態とを、切換可能とされ、
前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされ、圧縮機を出た熱媒体が地中熱熱交換器に向かう第四の流路接続状態と、地中熱熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かう第五の流路接続状態と、地中熱熱交換器を圧縮機に連通させず地中熱熱交換器に熱媒体が流通しない第六の流路接続状態とを、切換可能とされることを
特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記請求項7に記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記地中熱熱交換器の一方の熱媒体流入出口に接続される膨張器が、前記共通の熱媒体流路における室外にあらわれた所定箇所に接続され、
前記熱交換器切換用弁が、地中熱熱交換器における他方の熱媒体流入出口に接続されると共に、圧縮機の入口側と出口側に通じる各熱媒体流路における室外にあらわれた所定箇所にそれぞれ接続されることを
特徴とするヒートポンプシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、循環する熱媒体により熱の授受を行うヒートポンプサイクルを用いたシステムに関し、特に、空気熱と共に地中熱を利用可能なヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱媒体に仕事を加えて、相変化を繰返させつつ循環させて、低温側から高温側へ熱を移動させる冷凍サイクルは、従来から冷凍機や冷房用の空気調和装置等で用いられているが、近年、加熱用のヒートポンプとしての利用も、その効率性や環境負荷の小ささの点から注目され、二酸化炭素排出量の削減が社会的要請となっている昨今では、こうしたヒートポンプが、既存加熱装置の代替設備として急速に導入が進んでいる。ヒートポンプとして用いられる冷凍サイクルとしては、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張弁(減圧弁)を有する蒸気圧縮式冷凍サイクルが一般的である。
【0003】
このようなヒートポンプを用いた暖冷房システムにおいて、一年を通じて温度変化の小さい地中熱を活用することで、暖房が必要な時期に著しく外気温が低い場合や、冷房が必要な時期に著しく外気温が高い場合でも、安定した暖房や冷房を行える装置が、種々提案されている。
【0004】
こうした従来のヒートポンプシステムのうち、空気熱源と地中熱源を複合的に利用する装置の例として、特開2016-200356号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2016-200356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のヒートポンプ装置は、前記特許文献に示されるように、空気熱を利用するヒートポンプと、地中熱を利用するヒートポンプが併設され、必要に応じて両方のヒートポンプを駆動して温水等の熱交換対象を加熱する仕組みとなっている。このため、性能面で優れるものの、独立した二つのヒートポンプサイクル装置を備える分、一般的な空気調和機(エアコンディショナー)のような空気熱を利用するヒートポンプを一つのみ有する装置と比べて、コスト高となることが避けられず、導入しにくいという課題を有していた。
【0007】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、空気熱を利用するヒートポンプに対し、付加的に地中熱との熱交換部分を組み込んで地中熱を利用可能として、システム全体のコストを抑えつつ地中熱利用による熱交換性能の向上が図れる、ヒートポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るヒートポンプシステムは、相変化可能な熱媒体を室内空気と熱交換させる室内側熱交換器と、前記熱媒体を室外空気と熱交換させる室外側熱交換器と、気相の前記熱媒体を圧縮して熱媒体の温度及び圧力を高める圧縮機と、液相の前記熱媒体を膨張させて圧力を低下させる膨張器と、前記室外側熱交換器と圧縮機との熱媒体流路接続関係を変えて、圧縮機を出た熱媒体が室外側熱交換器に向かうようにする第一の流路接続状態と、室外側熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かうようにする第二の流路接続状態とを、少なくとも切換可能とする一又は複数の流路切換用弁とを備えるヒートポンプシステムにおいて、室外に配設され、地下の地中熱を採熱した所定の熱交換用媒体と前記熱媒体とを熱交換させる地中熱熱交換器と、当該地中熱熱交換器への熱媒体の流通と非流通とを切換可能とする一又は複数の熱交換器切換用弁とを備え、前記地中熱熱交換器が、熱媒体を流通させる状態では、前記流路切換用弁が第一の流路接続状態にされると、熱媒体を凝縮させるか熱媒体の温度を低下させる熱交換を行い、前記第二の流路接続状態にされると、熱媒体を蒸発させるか熱媒体の温度を上昇させる熱交換を行うようにされるものである。
【0009】
このように本発明においては、空気熱を利用するヒートポンプサイクル及び冷凍サイクルを実現する室内側熱交換器、室外側熱交換器、圧縮機、膨張器及び流路切換用弁の各装置に加えて、地中熱との熱交換を可能とする地中熱熱交換器を設け、地中熱熱交換器に熱媒体を流通させて、室内側熱交換器が熱媒体の蒸発器として働く流路切換用弁の第一の接続状態では、室外側熱交換器の場合と同様に地中熱熱交換器を熱媒体の凝縮又は温度低下に用い、また、室内側熱交換器が熱媒体の凝縮器として働く流路切換用弁の第二の接続状態では、室外側熱交換器の場合と同様に地中熱熱交換器を熱媒体の蒸発又は温度上昇に用いるようにすることにより、室内側熱交換器が蒸発器として働く冷房時には、外気温度より一般に温度の低い地中に熱媒体の熱を放出して熱媒体の冷却能力を増やせることに加え、室内側熱交換器が凝縮器として働く暖房時には、外気温度より一般に温度の高い地中の熱で熱媒体を加熱して熱媒体に対する加温能力を増やせることとなり、室内側熱交換器での吸熱性能や放熱性能を大きく向上させられる。また、こうした性能向上を、空気熱を利用するヒートポンプに地中熱熱交換器を追加することで実現でき、且つ、このような地中熱熱交換器の追加は、熱媒体流路の接続関係調整、具体的には、例えば空気熱利用ヒートポンプ中の熱媒体を通す管路の一部変更による、地中熱熱交換器部分のヒートポンプへの連結により対応できることで、システム導入に係り、空気熱のみ利用するヒートポンプシステムの場合と比べてのコスト上昇分を必要最小限に抑えることができ、地中熱を併用可能なヒートポンプシステムの導入をより容易なものとすることができる。
【0010】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記熱交換器切換用弁が、前記室外側熱交換器と膨張器との間、又は、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路に、前記地中熱熱交換器が熱媒体を流通可能に介在する状態と介在しない状態とを切換可能とするものである。
【0011】
このように本発明においては、地中熱熱交換器が、熱交換器切換用弁を介してヒートポンプの熱媒体流路中の所定箇所に介在可能に設けられ、熱媒体を流通させる状態では地中熱熱交換器が室外側熱交換器と直列に接続する位置関係となって、室外側熱交換器に流通する熱媒体がそのまま地中熱熱交換器にも流通することにより、室内側熱交換器が蒸発器として働く冷房時には、室外側熱交換器で主に熱媒体温度を下げ、地中熱熱交換器で主に熱媒体を凝縮させることができ、また、室内側熱交換器が凝縮器として働く暖房時には、地中熱熱交換器で主に熱媒体温度を上げ、室外側熱交換器で主に熱媒体を蒸発させることができるなど、室外側熱交換器と地中熱熱交換器とで熱交換に係る負荷を分担でき、特に暖房の際は、地中熱熱交換器が室外側熱交換器の前段で予熱用熱交換器の役割を果たすこととなり、室外側熱交換器の前で熱媒体が温度上昇する分、室外側熱交換器における熱媒体の顕熱域での熱交換を減らして、蒸発器をなす室外側熱交換器における空気から熱媒体への熱伝達の効率を向上させられるなど、損失を抑えて熱交換性能を高められ、冷房や暖房を効率よく実行できる。
【0012】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記地中熱熱交換器に一端が接続可能とされると共に、他端が圧縮機入口側に接続可能とされて、必要に応じて熱媒体を流通させるバイパス流路と、当該バイパス流路の他端を圧縮機入口に連通させない状態と、バイパス流路の他端を圧縮機入口に連通可能とする状態とを、切換可能とする一又は複数のバイパス切換用弁とを備え、前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器と室外側熱交換器との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器及び室外側熱交換器と室内側熱交換器との間での熱媒体の流通は許容しない流路接続状態に、さらに切換可能とされ、且つ、前記バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させて、室外側熱交換器から地中熱熱交換器を経てバイパス流路に熱媒体が流通可能となる状態と、バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させない状態とを別途切換可能とされてなるものである。
【0013】
このように本発明においては、地中熱熱交換器と圧縮機入口側を繋げるバイパス流路を設け、熱媒体が室内側熱交換器を通らずにバイパス流路を通って圧縮機、室外側熱交換器、及び地中熱熱交換器を循環する状態を生じさせるようにすることにより、暖房時に室外側熱交換器で吸熱に伴う温度低下により熱交換器周囲への着霜状態に至った場合に、地中熱熱交換器で熱媒体に取り入れた地中の熱を圧縮機を介して室外側熱交換器に導入し、室外側熱交換器で熱を外に放出することで除霜が可能となり、地中の熱を利用して室内側熱交換器への影響を与えることなく効率よく除霜を実行でき、着霜による熱交換性能低下を必要最小限に抑えられると共に、除霜のために別途熱を発生させずに済み、除霜に係るエネルギー消費を抑えられる。
【0014】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記バイパス切換用弁が、前記バイパス流路の他端を前記室外側熱交換器の一方の熱媒体流入出口のみに連通可能とする状態に、さらに切換可能とされてなるものである。
【0015】
このように本発明においては、バイパス流路が地中熱熱交換器と室外側熱交換器の圧縮機に近い熱媒体流入出口とを繋げる状態として、熱媒体が室内側熱交換器や圧縮機を通らずにバイパス流路を通って室外側熱交換器、及び地中熱熱交換器を循環する状態を生じさせるようにすることにより、暖房時に室外側熱交換器で吸熱に伴う温度低下により熱交換器周囲への着霜状態に至った場合に、地中熱熱交換器で地中の熱が取り入れられた熱媒体を室外側熱交換器に到達させて、室外側熱交換器で熱媒体の熱を外に放出することで除霜が可能となり、地中の熱を利用して室内側熱交換器への影響を与えることなく効率よく除霜を実行でき、着霜による熱交換性能低下を必要最小限に抑えられると共に、除霜のために別途熱を発生させたり圧縮機を駆動する必要はなく、必要最小限のエネルギー消費で除霜を実行でき、システム全体の効率を高められる。
【0016】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記地中熱熱交換器が、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路における室外部分に、前記熱交換器切換用弁を介して、膨張器と室内側熱交換器とにそれぞれ連通する状態と、膨張器のみに連通する状態と、膨張器と室内側熱交換器のいずれにも連通しない状態とを切換可能に接続され、前記バイパス流路が、膨張器と室内側熱交換器との間の熱媒体流路における室外部分と、室内側熱交換器と流路切換用弁との間の熱媒体流路における室外部分との間に配設され、前記熱交換器切換用弁が、バイパス流路の一端が膨張器と室内側熱交換器に連通せず地中熱熱交換器にのみ連通する状態と、バイパス流路の一端が膨張器、室内側熱交換器及び地中熱熱交換器のいずれにも連通しない状態とを切換可能とされ、前記バイパス切換用弁が、バイパス流路の他端が室内側熱交換器に連通せず切換用弁にのみ連通する状態と、バイパス流路の他端が室内側熱交換器と切換用弁のいずれにも連通しない状態とを切換可能とされるものである。
【0017】
このように本発明においては、室内に配設される室内側熱交換器と、室外に配設される室外側熱交換器、圧縮機、膨張弁、及び流路切換用弁との間の熱媒体流路で、且つ室外にあらわれた箇所に対し、地中熱熱交換器やバイパス流路を各切換用弁を介して連通状態を切換可能として接続することにより、システムの室内機部分と室外機部分の間に地中熱熱交換器を利用するための熱媒体回路を無理なく適切に組み込んで、地中熱熱交換器に熱媒体を流通させて地中熱を熱源として利用できる状態が、既存の室内機部分と室外機部分の構成を変えることなく得られることとなり、地中熱を利用可能とする構成部分を低コストで設置可能となり、地中熱を利用するシステムをより容易に導入できる。
【0018】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記バイパス切換用弁が、前記バイパス流路の他端が前記流路切換用弁と室外側熱交換器との間の熱媒体流路に対し、流路切換用弁側には連通する一方で室外側熱交換器側には連通しないように接続される状態に、さらに切換可能とされ、前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器と室内側熱交換器との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器及び室内側熱交換器と室外側熱交換器との間での熱媒体の流通は許容せず、且つ、前記バイパス流路の一端を地中熱熱交換器に連通させて、地中熱熱交換器を通じて室内側熱交換器とバイパス流路との間で熱媒体が流通可能となる流路接続状態に、さらに切換可能とされてなるものである。
【0019】
このように本発明においては、地中熱熱交換器と流路切換用弁を繋げるバイパス流路を設け、必要に応じて、熱媒体が室外側熱交換器を通らずにバイパス流路を通って地中熱熱交換器、室内側熱交換器、及び圧縮機を循環する状態を生じさせるようにすることにより、室内側熱交換器が蒸発器として作動する冷房時には、地中熱熱交換器が凝縮器をなし、外気温度が著しく高く、空気熱を利用する室外側熱交換器では放熱させにくい状況でも、外気温度より一般に温度の低い地中に熱媒体の熱を放出するようにして、熱媒体を冷却し凝縮させられることに加え、室内側熱交換器が凝縮器として働く暖房時には、地中熱熱交換器が蒸発器をなして、外気温度が著しく低く、空気熱を利用する室外側熱交換器では吸熱させにくい状況でも、外気温度より一般に温度の高い地中熱を取り入れるようにして、熱媒体を加熱し蒸発させられることとなり、地中熱を利用して室内側熱交換器での吸熱性能や放熱性能を十分確保できる。
【0020】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記室内側熱交換器が複数配設され、前記各室内側熱交換器、室外側熱交換器、及び地中熱熱交換器における一方の熱媒体流入出口に、それぞれ膨張器が接続されると共に、各膨張器が共通の熱媒体流路に接続されて、前記各熱交換器が膨張器を介して連通する状態とされ、前記各室内側熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とする冷暖切換用弁がそれぞれ配設され、室内側熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かうようにする冷房用接続状態と、圧縮機を出た熱媒体が室内側熱交換器に向かうようにする暖房用接続状態とを、少なくとも切換可能とされ、前記流路切換用弁が、前記室外側熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされ、前記第一の流路接続状態と、前記第二の流路接続状態と、室外側熱交換器を圧縮機に連通させず室外側熱交換器に熱媒体が流通しない第三の流路接続状態とを、切換可能とされ、前記熱交換器切換用弁が、前記地中熱熱交換器における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされ、圧縮機を出た熱媒体が地中熱熱交換器に向かう第四の流路接続状態と、地中熱熱交換器を出た熱媒体が圧縮機に向かう第五の流路接続状態と、地中熱熱交換器を圧縮機に連通させず地中熱熱交換器に熱媒体が流通しない第六の流路接続状態とを、切換可能とされるものである。
【0021】
このように本発明においては、複数配設された室内側熱交換器が冷房や暖房に係る熱交換に用いられる場合に、各切換用弁を用いて、各室内側熱交換器や圧縮機に対し、室外側熱交換器のみを連通させ、熱源として空気熱のみを用いる状態と、室外側熱交換器と地中熱熱交換器をそれぞれ連通させて、熱源として空気熱と地中熱を用いる状態と、地中熱熱交換器のみを連通させて、熱源として地中熱のみを用いる状態とを切り換えられることにより、室内側熱交換器を複数用いるいわゆるマルチエアコン構成の場合でも、無理なく室外側熱交換器と地中熱熱交換器の一方又は両方を利用して冷凍サイクルやヒートポンプサイクルを構築して、効率よく冷房や暖房を行える状態が得られる。また、各切換用弁による流路接続調整で、熱媒体が室内側熱交換器を通らずに圧縮機、室外側熱交換器、及び地中熱熱交換器を循環する状態を生じさせることができ、室外側熱交換器において熱交換器周囲への着霜状態に至った場合に、地中熱熱交換器で熱媒体に取り入れた地中の熱を室外側熱交換器のみに導入するようにして除霜を実行可能となり、地中熱を利用して効率よく除霜を行って熱交換性能低下を回避できる。
【0022】
また、本発明に係るヒートポンプシステムは必要に応じて、前記地中熱熱交換器の一方の熱媒体流入出口に接続される膨張器が、前記共通の熱媒体流路における室外にあらわれた所定箇所に接続され、前記熱交換器切換用弁が、地中熱熱交換器における他方の熱媒体流入出口に接続されると共に、圧縮機の入口側と出口側に通じる各熱媒体流路における室外にあらわれた所定箇所にそれぞれ接続されるものである。
【0023】
このように本発明においては、複数の室内側熱交換器が室内に配設されるヒートポンプシステムにおける、室外にあらわれた熱媒体流路に対し、地中熱熱交換器が熱交換機切換用弁を介して連通状態を切換可能として接続されることにより、システムの室外部分に地中熱熱交換器を利用するための熱媒体回路を無理なく適切に組み込んで、地中熱熱交換器に熱媒体を流通させて地中熱を熱源として利用できる状態が、システムを構成する既存の室内外の各機器の構成を変えることなく得られることとなり、地中熱を利用可能とする構成部分を低コストで設置可能となり、地中熱を利用するシステムをより容易に導入できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱利用冷房状態説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱及び地中熱利用冷房状態説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの地中熱利用冷房状態説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱利用暖房状態説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱及び地中熱利用暖房状態説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムの地中熱利用暖房状態説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムにおける室外側熱交換器の第一の除霜状態説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプシステムにおける室外側熱交換器の第二の除霜状態説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱利用冷房状態説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱及び地中熱利用冷房状態説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱利用暖房状態説明図である。の概略系統図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱及び地中熱利用暖房状態説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムにおける室外側熱交換器の除霜状態説明図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプシステムによる地中温度回復状態説明図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱利用冷暖房状態説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るヒートポンプシステムの空気熱及び地中熱利用冷暖房状態説明図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係るヒートポンプシステムにおける室外側熱交換器の除霜状態説明図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係るヒートポンプシステムによる地中温度回復状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施形態では、ヒートポンプを室内機と室外機のある空気調和機(エアコンディショナー)に適用した例について説明する。

【0026】
前記各図において本実施形態に係るヒートポンプシステム1は、熱媒体を室内空気と熱交換させる室内側熱交換器11と、熱媒体を室外空気と熱交換させる室外側熱交換器12と、気相の熱媒体を圧縮して熱媒体の温度及び圧力を高める圧縮機13と、液相の熱媒体を膨張させて圧力を低下させる前記膨張器としての膨張弁14と、室内側熱交換器11及び室外側熱交換器12と圧縮機13との流路接続関係を変える流路切換用弁15と、室外に配設され、地中に対する吸放熱用の所定の熱交換用媒体と熱媒体とを熱交換させる地中熱熱交換器16と、地中熱熱交換器16への熱媒体の流通と非流通とを切換可能とする複数の熱交換器切換用弁61、62、63、64と、地中熱熱交換器16に一端が接続可能とされると共に、他端が圧縮機13に接続可能とされるバイパス流路17と、バイパス流路17の他端と圧縮機13及び室外側熱交換器12との流路接続関係を切換可能とする複数のバイパス切換用弁71、72、73、74、75とを備える構成である。

【0027】
前記室内側熱交換器11は、例えばHFCやHFOなどの、相変化可能な熱媒体(冷媒)が内部を流れる流路を有し、この熱媒体の流路の外側に熱交換対象の空気が流通し、流路壁を介して熱媒体と空気とが熱交換を行う構造の公知の熱交換器である。この室内側熱交換器11は、具体的には、空気調和機の室内機筐体内に配設され、熱交換器の周囲に流通可能とされる室内空気と、熱交換器内部を流通する熱媒体とを熱交換させることとなる。

【0028】
室内側熱交換器11は、一方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路、例えば管路など、を介して流路切換用弁15と接続され、他方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路を介して膨張弁14と接続されて配設される。

【0029】
室内側熱交換器11は、室内に対し冷房を行う場合には、熱媒体に対し蒸発器となり、室内に対し暖房を行う場合には、熱媒体に対し凝縮器となる仕組みである。詳細には、蒸発器として用いられる冷房の場合、室内側熱交換器11では、膨張弁14と連通する他方の熱媒体流入出口に、この膨張弁14を経て膨張した液相の熱媒体が流入する。室内側熱交換器11では、低い圧力で且つ液相の熱媒体と、この状態の熱媒体を蒸発させて飽和蒸気を生じさせられる、比較的高い所定温度の室内空気とを熱交換させ、室内空気からの熱で熱媒体を蒸発させて気相とする一方、熱媒体蒸発に用いた熱の分、室内空気の温度を低下させることとなる。そして、流路切換用弁15と連通する一方の熱媒体流入出口から、熱交換で蒸発した気相の熱媒体が流出し、熱媒体は流路切換用弁15を経て圧縮機13に流入することとなる。

【0030】
また、凝縮器として用いられる暖房の場合、室内側熱交換器11では、一方の熱媒体流入出口が流路切換用弁15を介して圧縮機13の出口側と連通することとなるが、この圧縮機13で圧縮されて高温高圧となった気相の熱媒体を一方の熱媒体流入出口に流入させる。そして、室内側熱交換器11では、気相の熱媒体と、この熱媒体を凝縮させて飽和液を生じさせられる、比較的低い所定温度の室内空気とを熱交換させ、熱媒体から室内空気へ熱を移行させて熱媒体を凝縮させ、液相とする一方、熱媒体凝縮にあたり熱を放出した分、室内空気の温度を上昇させることとなる。そして、膨張弁14と連通する他方の熱媒体流入出口から、熱交換で凝縮した液相の熱媒体が流出し、熱媒体は膨張弁14に達することとなる。

【0031】
前記室外側熱交換器12は、前記室内側熱交換器11と同様、熱媒体が内部を流れる流路を有し、この熱媒体の流路の外側に熱交換対象の空気が流通し、流路壁を介して熱媒体と空気とが熱交換を行う構造の公知の熱交換器である。この室外側熱交換器12は、具体的には、空気調和機の室外機筐体内に配設され、熱交換器の周囲に流通可能とされる室外空気と、熱交換器内部を流通する熱媒体とを熱交換させることとなる。

【0032】
室外側熱交換器12は、一方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路、例えば管路など、を介してバイパス切換用弁74と接続され、他方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路を介して熱交換器切換用弁62、63と接続されて配設される。そして、室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口は、バイパス切換用弁74、73を介して流路切換用弁15と連通可能とされ、他方の熱媒体流入出口は、熱交換器切換用弁62、61を介して、膨張弁14と連通可能とされる。

【0033】
この室外側熱交換器12は、室内に対し暖房を行う場合には、熱媒体に対し蒸発器となり、室内に対し冷房を行う場合には、熱媒体に対し凝縮器となる仕組みである。詳細には、蒸発器として用いられる暖房の場合、室外側熱交換器12では、膨張弁14と連通する他方の熱媒体流入出口に、膨張弁14を経て膨張した液相の熱媒体が流入する。そして、室外側熱交換器12では、低い圧力で且つ液相の熱媒体と、この状態の熱媒体を蒸発させて飽和蒸気を生じさせられる比較的高い所定温度の室外空気とを熱交換させ、室外空気からの熱で熱媒体を蒸発させて気相とする一方、熱媒体蒸発に用いた熱の分、室外空気の温度を低下させることとなる。そして、流路切換用弁15と連通する一方の熱媒体流入出口から、熱交換で蒸発した気相の熱媒体が流出し、熱媒体は流路切換用弁15を経て圧縮機13に流入することとなる。

【0034】
また、凝縮器として用いられる冷房の場合、室外側熱交換器12では、一方の熱媒体流入出口が流路切換用弁15を介して圧縮機13の出口側と連通することとなるが、この圧縮機13で圧縮されて高温高圧となった気相の熱媒体を一方の熱媒体流入出口に流入させる。そして、室内側熱交換器11では、気相の熱媒体と、この状態の熱媒体を凝縮させて飽和液を生じさせられる、比較的低い所定温度の室外空気とを熱交換させ、熱媒体から室外空気へ熱を移行させて熱媒体を凝縮させ、液相とする一方、熱媒体凝縮にあたり熱を放出した分、室外空気の温度を上昇させることとなる。そして、膨張弁14と連通する他方の熱媒体流入出口から、熱交換で凝縮した液相の熱媒体が流出し、熱媒体は膨張弁14に達することとなる。

【0035】
室外側熱交換器12における内部の流路を流通する熱媒体に対し、熱交換対象となる室外空気は、極めて大量に存在するものであることから、熱交換後の空気が外部の大気中に拡散した後の、空気全体に対する熱交換後の空気の保有する熱の影響、すなわち、拡散後の空気全体の温度変化はほとんど無視でき、熱交換継続に伴い室外側熱交換器12に順次新規に導入される室外空気には温度変化は生じておらず、熱交換開始当初と同じ温度条件で継続して熱交換が行えると見なせる。

【0036】
前記圧縮機13は、気相の熱媒体を圧縮してその温度及び圧力を高める、冷凍サイクルやヒートポンプサイクルに用いられる公知の装置であり、詳細な説明を省略する。この圧縮機13は、その熱媒体入口と出口の双方を流路切換用弁15と接続され、入口を室内側熱交換器11に連通させ、出口を室外側熱交換器12に連通させる状態と、入口を室外側熱交換器12に連通させ、出口を室内側熱交換器11に連通させる状態とを切換可能とされる構成である。

【0037】
前記膨張弁14は、液相の熱媒体を膨張させてその圧力を低下させる、冷凍サイクルやヒートポンプサイクルに用いられる公知の装置であり、詳細な説明を省略する。この膨張弁14は、一方の弁開口を所定の熱媒体流路を介して室内側熱交換器11の他方の熱媒体流入出口と接続され、他方の弁開口を所定の熱媒体流路を介して熱交換器切換用弁61と接続されて配設される。

【0038】
前記流路切換用弁15は、接続される四つの熱媒体流路a、b、c、d同士の連通する組合せを切り換えて、室内側熱交換器11を蒸発器とし、室外側熱交換器12を凝縮器として使用する冷房の状態と、室内側熱交換器11を凝縮器、室外側熱交換器12を蒸発器として使用する暖房の状態とを切換可能とする、公知の家庭用の空気調和機(エアコンディショナー)に用いられる四方弁であり、弁機構についての詳細な説明は省略する。

【0039】
この流路切換用弁15では、室外側熱交換器12と圧縮機13との熱媒体流路接続関係を変えて、室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口を圧縮機13出口と連通させ、圧縮機13を出た熱媒体が室外側熱交換器12に向かうようにする第一の流路接続状態と、室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口を圧縮機13入口と連通させ、室外側熱交換器12を出た熱媒体が圧縮機13に向かうようにする第二の流路接続状態とを、切換可能としている。

【0040】
合わせて、流路切換用弁15は、室内側熱交換器11と圧縮機13との熱媒体流路接続関係も変えるものであり、第一の流路接続状態では、室内側熱交換器11の一方の熱媒体流入出口を圧縮機13入口と連通させ、室内側熱交換器11を出た熱媒体が圧縮機13に向かうようにし、且つ、第二の流路接続状態では、室内側熱交換器11の一方の熱媒体流入出口を圧縮機13出口と連通させ、圧縮機13を出た熱媒体が室内側熱交換器11に向かうようにする仕組みである。
なお、流路切換用弁15を一つの弁としているが、複数弁の組合せで構成することもできる。

【0041】
前記地中熱熱交換器16は、熱媒体と、これの熱交換対象となる地中熱の熱交換用媒体とを、伝熱面で隔てられた所定の流路内にそれぞれ流通させ、これら熱媒体と熱交換用媒体との間で伝熱面を介して熱交換を行わせる公知の熱交換器、例えば、プレート式熱交換器など、であり、熱交換器の機構についての詳細な説明は省略する。

【0042】
この地中熱熱交換器16は、ヒートポンプサイクルにおける室外側熱交換器12と膨張弁14との間に介在可能として室外に配設され、地中に埋設された地中熱交換部50での熱交換により地中の温度に準じた所定温度とされた上で地上側に還流される所定の熱交換用媒体、例えば、水などと、熱媒体とを熱交換させる構成である。

【0043】
そして、地中熱熱交換器16は、膨張弁14と室外側熱交換器12との間の熱媒体流路に、熱交換器切換用弁61、62、63、64を介して接続されており、これら複数の弁で、この地中熱熱交換器16の熱媒体側流路が熱媒体を流通可能とされて膨張弁14と室外側熱交換器12との間に介在する状態と、地中熱熱交換器16が全く介在しない状態とを、切換可能とされる仕組みである。

【0044】
地中熱熱交換器16に熱媒体を流通させ、熱媒体を熱交換用媒体と熱交換させる状態では、流路切換用弁15が第一の流路接続状態にされると、地中熱熱交換器16は、室外側熱交換器12の場合と同様に凝縮器として機能し、熱媒体を凝縮させるか熱媒体の温度を低下させる熱交換を行うこととなる。また、流路切換用弁15が第二の流路接続状態とされると、地中熱熱交換器16は、室外側熱交換器12の場合と同様に蒸発器として機能し、熱媒体を蒸発させるか熱媒体の温度を上昇させる熱交換を行うようにされる。

【0045】
前記熱交換器切換用弁61、62、63、64は、室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16との間、及び、地中熱熱交換器16と膨張弁14との間の熱媒体流路にそれぞれ配設され、室外側熱交換器12と膨張弁14との間で地中熱熱交換器16が熱媒体を流通可能に介在する状態と、室外側熱交換器12と膨張弁14とを直結して中間に地中熱熱交換器16を介在させず、地中熱熱交換器16には熱媒体を流通させない状態とを切換可能とするものである。

【0046】
具体的には、地中熱熱交換器16の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路と膨張弁14との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第一の熱交換器切換用弁61と、地中熱熱交換器16の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路eと室外側熱交換器12との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第二の熱交換器切換用弁62と、地中熱熱交換器16の他方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路fと室外側熱交換器12との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第三の熱交換器切換用弁63と、地中熱熱交換器16の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路e、又は、地中熱熱交換器16の他方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路fに配設され、地中熱熱交換器16における熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第四の熱交換器切換用弁64とを備える構成である。

【0047】
これら熱交換器切換用弁61、62、63、64において、第一の熱交換器切換用弁61を開とし、第二の熱交換器切換用弁62を閉とし、第三の熱交換器切換用弁63を開とし、第四の熱交換器切換用弁64を開とすることで、室外側熱交換器12から第三の熱交換器切換用弁63、第四の熱交換器切換用弁64、地中熱熱交換器16、第一の熱交換器切換用弁61を経て、膨張弁14に至る経路に熱媒体が流通可能となり、室外側熱交換器12と膨張弁14との間で地中熱熱交換器16が熱媒体を流通可能に介在する状態とすることができる(図2、図5参照)。

【0048】
また、第一の熱交換器切換用弁61を開とし、第二の熱交換器切換用弁62を開とし、第三の熱交換器切換用弁63を閉とし、第四の熱交換器切換用弁64を閉とすることで、室外側熱交換器12から第二の熱交換器切換用弁62、第一の熱交換器切換用弁61を経て、膨張弁14に至る経路に熱媒体が流通可能となり、室外側熱交換器12と膨張弁14とを直結して中間に地中熱熱交換器16を介在させず、地中熱熱交換器16には熱媒体を流通させない状態とすることができる(図1、図4参照)。

【0049】
この他、第一の熱交換器切換用弁61と第三の熱交換器切換用弁63をそれぞれ閉とし、第二の熱交換器切換用弁62及び第四の熱交換器切換用弁64をそれぞれ開とすることで、膨張弁14と地中熱熱交換器16との間では熱媒体の流通を停止させつつ、室外側熱交換器12から第二の熱交換器切換用弁62を経て、地中熱熱交換器16に至る経路に熱媒体が流通可能となり、室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16との間での熱媒体の流通を許容する一方、膨張弁14を介した地中熱熱交換器16と室内側熱交換器11との間での熱媒体の流通は許容しない流路接続状態とすることができる(図7参照)。

【0050】
逆に、第一の熱交換器切換用弁61と第四の熱交換器切換用弁64をそれぞれ開とし、第二の熱交換器切換用弁62及び第三の熱交換器切換用弁63をそれぞれ閉とすることで、室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16との間では熱媒体の流通を停止させつつ、膨張弁14から第一の熱交換器切換用弁61を経て、地中熱熱交換器16に至る経路に熱媒体が流通可能となり、膨張弁14を介した室内側熱交換器11と地中熱熱交換器16との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器16と室外側熱交換器12との間での熱媒体の流通は許容しない流路接続状態とすることができる(図3、図6参照)。

【0051】
前記バイパス流路17は、地中熱熱交換器16の他方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路fに一端が接続されると共に、他端がバイパス切換用弁71、72、73、74、75を介して流路切換用弁15、圧縮機13、又は室外側熱交換器12に接続可能とされて、必要に応じて熱媒体を流通させるものである。

【0052】
バイパス流路17の一端は、熱交換器切換用弁のうち、第四の熱交換器切換用弁64が設けられる熱媒体流路fに接続されることで、第四の熱交換器切換用弁64を開とすると、地中熱熱交換器16に連通する一方、第四の熱交換器切換用弁64を閉とすると、地中熱熱交換器16に連通しないなど、地中熱熱交換器16への連通状態を必要に応じて切換可能とされる仕組みである。

【0053】
また、バイパス流路17の一端に対し、第三の熱交換器切換用弁63を閉とした上で、第四の熱交換器切換用弁64と共に第二の熱交換器切換用弁62を開とすることで、バイパス流路17の一端が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12にも連通する状態となり、バイパス流路17から地中熱熱交換器16を経て室外側熱交換器12に至る経路に熱媒体を流通可能とすることができる。そして、この場合に第一の熱交換器切換用弁61を閉としておけば、膨張弁14や室内側熱交換器11への熱媒体の流通を阻止でき、熱媒体が室内側熱交換器11を通る代わりにバイパス流路17を通る状態を設定可能となる(図7、図8参照)。

【0054】
この他、バイパス流路17の一端に対し、第三の熱交換器切換用弁63を閉とした上で、第四の熱交換器切換用弁64と共に第一の熱交換器切換用弁61を開とすることで、バイパス流路17の一端が地中熱熱交換器16を通じて膨張弁14や室内側熱交換器11にも連通する状態となり、バイパス流路17から地中熱熱交換器16や膨張弁14を経て室内側熱交換器11に至る経路に熱媒体を流通可能とすることができる。そして、この場合に第二の熱交換器切換用弁62を閉としておけば、室外側熱交換器12への熱媒体の流通を阻止でき、熱媒体が室外側熱交換器12を通る代わりにバイパス流路17を通る状態を設定可能となる(図3、図6参照)。

【0055】
前記バイパス切換用弁71、72、73、74、75は、バイパス流路17の他端と、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路a、及び、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路b、との接続関係他を切換可能とするものである。

【0056】
具体的には、バイパス切換用弁としては、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路aと、バイパス流路17の他端との間での、熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第一のバイパス切換用弁71と、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bと、バイパス流路17の他端との間での、熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第二のバイパス切換用弁72と、前記熱媒体流路bにおける、前記第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より流路切換用弁15側の流路部分に配設され、この流路部分での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第三のバイパス切換用弁73と、同じ熱媒体流路bにおける、前記第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より室外側熱交換器12側の流路部分に配設され、この流路部分での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第四のバイパス切換用弁74と、バイパス流路17に配設され、バイパス流路17における熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第五のバイパス切換用弁75とを備える構成である。

【0057】
これらバイパス切換用弁71、72、73、74、75において、第一のバイパス切換用弁71及び第二のバイパス切換用弁72をいずれも閉とし、第三のバイパス切換用弁73及び第四のバイパス切換用弁74をいずれも開とし、第五のバイパス切換用弁75を閉とすることで、バイパス流路17の他端が、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路aと、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bのいずれにも連通せず、且つ、流路切換用弁15から第三のバイパス切換用弁73、第四のバイパス切換用弁74を経て、室外側熱交換器12に至る熱媒体流路bに熱媒体が流通可能となり、バイパス流路17を用いない通常の冷房又は暖房を行う際の接続状態が得られる。すなわち、バイパス流路17の他端を圧縮機13入口に連通させない一方、室内側熱交換器11における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13入口に連通させ、且つ室外側熱交換器12における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13出口に連通させる冷房時の接続状態(図1、図2参照)や、室内側熱交換器11における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13出口に連通させ、且つ室外側熱交換器12における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13入口に連通させる暖房時の接続状態(図4、図5参照)にできる。

【0058】
また、第一のバイパス切換用弁71を開とし、第二のバイパス切換用弁72を閉とし、第三のバイパス切換用弁73及び第四のバイパス切換用弁74をいずれも開とし、第五のバイパス切換用弁75を開とすることで、バイパス流路17の他端が、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路aに連通する一方、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bには連通せず、加えて、流路切換用弁15から第三のバイパス切換用弁73、第四のバイパス切換用弁74を経て、室外側熱交換器12に至る熱媒体流路bに熱媒体が流通可能となり、バイパス流路17の他端を圧縮機13入口に連通させて、バイパス流路17から圧縮機13に向けて熱媒体を流通させられる状態が得られる(図7参照)。

【0059】
この状態で、バイパス流路17の一端側で、第一の熱交換器切換用弁61を閉とし、第二の熱交換器切換用弁62を開とし、第三の熱交換器切換用弁63を閉とし、第四の熱交換器切換用弁64を開とすることで、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12に連通し、室外側熱交換器12から地中熱熱交換器16を経てバイパス流路17に熱媒体が流通可能となる一方、室内側熱交換器11には熱媒体が流通しない状態となり、熱媒体が室内側熱交換器11を通る代わりにバイパス流路17を通って、圧縮機13に達する状態となる。

【0060】
これにより、熱媒体が圧縮機13から第一の流路接続状態にある流路切換用弁15を経て室外側熱交換器12に流入し、室外側熱交換器12から地中熱熱交換器16に向かい、地中熱熱交換器16を出た熱媒体がバイパス流路17を通って圧縮機13に還流する循環経路を生じさせる状態、すなわち、地中熱熱交換器16で地中熱により熱媒体を昇温させ、圧縮機13で熱媒体を高圧にした上で、室外側熱交換器12で熱媒体から熱を放出させて、室外側熱交換器12で除霜を実行可能な第一の除霜用接続状態が得られることとなる。

【0061】
さらに、第一のバイパス切換用弁71を閉とし、第二のバイパス切換用弁72を開とし、第三のバイパス切換用弁73を閉とし、第四のバイパス切換用弁74を開とし、第五のバイパス切換用弁75を開とすることで、バイパス流路17の他端が、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bのうち、第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より室外側熱交換器12側の流路部分に連通する一方、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路aや、熱媒体流路bのうち第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より流路切換用弁15側の流路部分には連通せず、これによりバイパス流路17の他端を室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口のみに連通させて、バイパス流路17から室外側熱交換器12に向けて熱媒体を流通させられる状態が得られる(図8参照)。

【0062】
この状態で、バイパス流路17の一端側で、第一の熱交換器切換用弁61を閉とし、第二の熱交換器切換用弁62を開とし、第三の熱交換器切換用弁63を閉とし、第四の熱交換器切換用弁64を開とすることで、バイパス流路17の一端が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12の他方の熱媒体流入出口に連通し、室外側熱交換器12から地中熱熱交換器16を経てバイパス流路17に熱媒体が流通可能となる一方、室内側熱交換器11には熱媒体が流通しない状態となり、熱媒体が室内側熱交換器11を通る代わりにバイパス流路17を通って、室外側熱交換器12に達する状態となる。

【0063】
これにより、熱媒体が室外側熱交換器12に流入し、室外側熱交換器12から地中熱熱交換器16に向かい、地中熱熱交換器16を出た熱媒体がバイパス流路17を通って室外側熱交換器12に還流する循環経路を生じさせる状態、すなわち、地中熱熱交換器16で地中熱により熱媒体を昇温させ、この熱媒体をバイパス流路17を通じて室外側熱交換器12に導き、室外側熱交換器12で熱媒体から熱を放出させて、室外側熱交換器12で除霜を実行可能な第二の除霜用接続状態が得られることとなる。

【0064】
この他、第一のバイパス切換用弁71を閉とし、第二のバイパス切換用弁72及び第三のバイパス切換用弁73をいずれも開とし、第四のバイパス切換用弁74を閉とし、第五のバイパス切換用弁75を開とすることで、バイパス流路17の他端が、流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bのうち、第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より流路切換用弁15側の流路部分に連通する一方、流路切換用弁15と圧縮機13入口とを接続する熱媒体流路aや、熱媒体流路bのうち第二のバイパス切換用弁72の接続箇所より室外側熱交換器12側の流路部分には連通せず、これによりバイパス流路17の他端を流路切換用弁15と室外側熱交換器12の一方の熱媒体流入出口とを接続する熱媒体流路bの一部に連通させて、バイパス流路17から熱媒体流路b、流路切換用弁15、熱媒体流路aを経て圧縮機13に至る経路に熱媒体を流通させられる状態が得られる。

【0065】
この状態で、バイパス流路17の一端側で、第一の熱交換器切換用弁61を開とし、第二の熱交換器切換用弁62及び第三の熱交換器切換用弁63をいずれも閉とし、第四の熱交換器切換用弁64を開とすることで、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室内側熱交換器11に連通し、室内側熱交換器11から地中熱熱交換器16を経てバイパス流路17に至る経路に熱媒体が流通可能となる一方、室外側熱交換器12には熱媒体が流通しない状態となり、熱媒体が室外側熱交換器12を通る代わりにバイパス流路17を通って、地中熱熱交換器16に流通する状態となる。

【0066】
これにより、室外側熱交換器12の代わりに地中熱熱交換器16を用いた冷房又は暖房用の接続状態が得られる。すなわち、室外側熱交換器12を冷凍サイクルやヒートポンプサイクルから外す一方、室内側熱交換器11における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13入口に連通させ、且つ地中熱熱交換器16における他方の熱媒体流入出口をバイパス流路17を通じて圧縮機13出口に連通させる冷房時の接続状態(図3参照)や、室内側熱交換器11における一方の熱媒体流入出口を圧縮機13出口に連通させ、且つ地中熱熱交換器16における他方の熱媒体流入出口をバイパス流路17を通じて圧縮機13入口に連通させる暖房時の接続状態(図6参照)にできる。

【0067】
さらに、本実施形態に係るヒートポンプシステムは、公知の空気調和機に用いられるものと同様、各熱交換器に空気を強制的に送り込むファンや、室内空気の温度等を検出する温度センサ、空気調和機を使用する使用者により操作される操作部、使用者の操作内容や各種センサでの検出結果に基づいて圧縮機及びファンの作動制御や流路切換用弁による冷暖切換制御を行う制御部を備える構成であり、詳細な説明は省略する。

【0068】
ただし、本実施形態では、特に、室内空気の温度の他に、室外空気の温度、地中の温度、サイクル中の一又は複数箇所における熱媒体の温度、地中に対する吸熱又は放熱用の熱交換用媒体の温度等をそれぞれ検出する各温度センサが設けられると共に、室外側熱交換器への着霜状態を検出する霜センサが設けられ、制御部がこうした各温度センサ及び霜センサでの検出結果に基づいて、各部の作動制御に加えて、必要に応じて地中熱熱交換器と地中の熱交換部間で熱交換用媒体を循環させるポンプの制御や、各切換用弁の開閉制御を実行することとなる。

【0069】
次に、本実施形態に係るヒートポンプシステムの作動状態について説明する。
まず、ヒートポンプシステムを作動させて、室内空間に対し冷房を行う状態について説明する。
冷房を行うにあたっては、熱源を室外の空気熱のみ、地中熱のみ、あるいは、空気熱と地中熱の両方、とする状態を、室内や室外、地中の状況等に応じて切り換えることができる。例えば、通常、冷房を行う時期は室外空気温度より地中温度が低いことから、室外空気温度が過度に高く、冷房効率が低くなる場合は、熱源として地中熱のみを用いるようにすることで、効率よく冷房を行うことができる。

【0070】
また、冷房運転の開始時などは、空気調和機の室内機側の負荷が大きくなることから、熱源として室外の空気熱と地中熱の両方を用いるようにするのが好ましい。そして、室内温度が所望の温度に達して安定状態に移行し、空気調和機がオンオフ繰り返しや出力を抑えるような低負荷運転状態となった場合には、熱源として地中熱のみを用いる状態に切り換えるようにすれば、効率のよい運転状態を継続でき、好ましい。

【0071】
この他、熱媒体の温度が室外空気温度より低い状況では、主に熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる状態として冷房運転を実行する一方、熱媒体の温度が室外空気温度に近い値となり、地中の温度が過度に上がるなど地中に過大な熱負荷が加わっていることが予想される場合には、熱源を室外の空気熱のみとする運転状態に移行し、地中熱熱交換器16と熱交換用媒体を通じた地中への熱の放出を停止して、地中温度の回復を図るようにするのが好ましい。

【0072】
(熱源が空気熱のみの場合)
室内空間に対し冷房を行う際に、熱源として室外の空気熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器として室外側熱交換器12のみを用いる場合には、図1に示すように、熱交換器切換用弁の弁61、62を開として、室外側熱交換器12が各弁を通じて膨張弁14に連通する状態としておく。流路切換用弁15は第一の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路dを連通させ、熱媒体流路bと熱媒体流路cを連通させる状態とする。

【0073】
システムを作動させると、室内側熱交換器11が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器11での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器11外へ出て、熱媒体流路d、流路切換用弁15、熱媒体流路aを経て圧縮機13に向う。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0074】
室内側熱交換器11を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、外部の駆動源により作動するこの圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て室外側熱交換器12に導入される。

【0075】
室外側熱交換器12は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室外側熱交換器12での熱交換で被加熱媒体である室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0076】
室外側熱交換器12で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室外側熱交換器12外に排出されて膨張弁14に向かうが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁61、62が開、弁63、64が閉となることで、室外側熱交換器12を出た熱媒体は弁61、62を通過して、地中熱熱交換器16に流通することなく膨張弁14に達する。

【0077】
膨張弁14で熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、冷房を継続実行することとなる。

【0078】
(熱源が空気熱と地中熱の場合)
室内空間に対し冷房を行う際に、熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器として室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16を共に用いる場合には、図2に示すように、熱交換器切換用弁の弁64、61を開として、室外側熱交換器12が地中熱熱交換器16を通じて膨張弁14に連通する状態に切り換える。

【0079】
システムを作動させると、室内側熱交換器11が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器11での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器11外へ出て、熱媒体流路d、流路切換用弁15、熱媒体流路aを経て圧縮機13に向う。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0080】
室内側熱交換器11を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、外部の駆動源により作動するこの圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て室外側熱交換器12に導入される。

【0081】
室外側熱交換器12は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された被加熱媒体である室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器12での熱交換で被加熱媒体である室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0082】
室外側熱交換器12で温度を低下させた熱媒体は、室外側熱交換器12外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁61、63、64が開、弁62が閉となることで、室外側熱交換器12を出た熱媒体は弁63、熱媒体流路f及び弁64を通過して地中熱熱交換器16に流通することとなる。

【0083】
地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0084】
地中熱熱交換器16で凝縮して得られた液相の熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路e、弁61を通過して膨張弁14に達する。膨張弁14で熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、冷房を継続実行することとなる。

【0085】
(熱源が地中熱のみの場合)
室内空間に対し冷房を行う際に、熱源として地中熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器として地中熱熱交換器16のみを用いる場合には、図3に示すように、あらかじめバイパス切換用弁の弁72、75を開、弁74を閉として、熱媒体流路bがバイパス流路17に連通して、圧縮機13を出た熱媒体がバイパス流路17に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁64、61を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて膨張弁14に連通する状態に切り換える。

【0086】
前記同様、室内側熱交換器11が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器11での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器11外へ出て、熱媒体流路d、流路切換用弁15、熱媒体流路aを経て圧縮機13に向う。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0087】
室内側熱交換器11を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、外部の駆動源により作動するこの圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、72、75を経てバイパス流路17に達する。

【0088】
一方、バイパス流路17の一端が接続される熱媒体流路f中の弁64が開となり、且つ地中熱熱交換器16近傍で、弁61が開、弁62、63が閉となることで、バイパス流路17を通った気相の熱媒体は熱媒体流路f及び弁64を通過して地中熱熱交換器16に流通することとなる。

【0089】
地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0090】
地中熱熱交換器16で凝縮して得られた液相の熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路e、弁61を通過して膨張弁14に達する。膨張弁14で熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、冷房を継続実行することとなる。

【0091】
なお、上記のような冷房時の熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、冷房運転を要しない時間帯に、地中から熱を奪うと共にその熱を室外空気に放出するサイクルとして運転を実行し、冷房運転に伴う熱放出で上昇した地中温度の回復や地中への冷熱の蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0092】
この地中温度の回復等のための運転を行うためには、バイパス切換用弁の弁75、71、73、74を開、弁72を閉として、バイパス流路17が熱媒体流路aに連通し、バイパス流路17を出た熱媒体が圧縮機13に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁62、64を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12に連通する状態に切り換える。また、流路切換用弁15は第一の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路dを連通させ、熱媒体流路bと熱媒体流路cを連通させる状態とする(図7参照)。

【0093】
運転を実行すると、地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化する。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中から熱を吸収することで、地中の温度を低下させることができる。

【0094】
地中熱熱交換器16で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路f、弁64を通過してバイパス流路17に流通する。
一方、バイパス流路17の他端は、開状態とされた弁75、71により熱媒体流路aと連通していることから、バイパス流路17を通った気相の熱媒体は、弁75、71及び熱媒体流路aを経て圧縮機13に向かう。

【0095】
圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機13により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て室外側熱交換器12に導入される。

【0096】
室外側熱交換器12は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0097】
室外側熱交換器12で凝縮した熱媒体は、室外側熱交換器12外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁62、64が開、弁61、63が閉となることで、室外側熱交換器12を出た熱媒体は、弁62及び熱媒体流路eを通過して地中熱熱交換器16へ向け進むこととなる。

【0098】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器16内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器16での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで低下したり、室内空間に冷房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて冷房運転に移行する。

【0099】
続いて、ヒートポンプシステムを作動させて、室内空間に対し暖房を行う状態について説明する。
暖房を行う場合も、冷房の場合と同様、熱源を室外の空気熱のみ、地中熱のみ、あるいは、空気熱と地中熱の両方、とする状態を、室内や室外、地中の状況等に応じて切り換えることができる。例えば、通常、暖房を行う時期は室外空気温度より地中温度が高いことから、室外空気温度が過度に低く、暖房効率が低くなる場合は、熱源として地中熱のみを用いるようにすることで、効率よく暖房を行うことができる。

【0100】
また、暖房運転の開始時などは、空気調和機の室内機側の負荷が大きくなることから、熱源として室外の空気熱と地中熱の両方を用いるようにするのが好ましい。そして、室内温度が所望の温度に達して安定状態に移行し、空気調和機がオンオフ繰り返しや出力を抑えるような低負荷運転状態となった場合には、熱源として地中熱のみを用いる状態に切り換えるようにすれば、効率のよい運転状態を継続でき、好ましい。

【0101】
この他、熱媒体の温度が室外空気温度より高い状況では、主に熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる状態として暖房運転を実行する一方、熱媒体の温度が室外空気温度に近い値となり、地中の温度が過度に下がるなど地中に過大な熱負荷が加わっていることが予想される場合には、熱源を室外の空気熱のみとする運転状態に移行し、地中熱熱交換器16と熱交換用媒体を通じた地中からの吸熱を停止して、地中温度の回復を図るようにするのが好ましい。

【0102】
(熱源が空気熱のみの場合)
室内空間に対し暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の蒸発器として室外側熱交換器12のみを用いる場合には、図4に示すように、熱交換器切換用弁の弁61、62を開として、室外側熱交換器12が各弁を通じて膨張弁14に連通する状態としておく。流路切換用弁15は第二の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路bを連通させ、熱媒体流路cと熱媒体流路dを連通させる状態とする。

【0103】
システムを作動させると、室内側熱交換器11は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0104】
室内側熱交換器11で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器11を出て膨張弁14に達する。膨張弁14で液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。

【0105】
この膨張弁14で圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁14の外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁61、62が開、弁63、64が閉となることで、膨張弁14を出た熱媒体は弁61、62を通過して、地中熱熱交換器16に流通することなく、室外側熱交換器12に達する。

【0106】
室外側熱交換器12は、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器12での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器12外へ出て、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て流路切換用弁15に達し、さらに流路切換用弁15から熱媒体流路aを経て圧縮機13に向う。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0107】
室外側熱交換器12を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、外部の駆動源により作動するこの圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路dを経て、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、暖房を継続実行することとなる。

【0108】
(熱源が空気熱と地中熱の場合)
室内空間に対し暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる場合、すなわち、室外側の蒸発器として室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16を共に用いる場合には、図5に示すように、熱交換器切換用弁の弁64、61を開として、室外側熱交換器12が地中熱熱交換器16を通じて膨張弁14に連通する状態に切り換える。

【0109】
システムを作動させると、室内側熱交換器11は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0110】
室内側熱交換器11で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器11を出て、膨張弁14に達する。膨張弁14で液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低下させた状態となる。

【0111】
この膨張弁14で圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁14の外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁61、63、64が開、弁62が閉となることで、膨張弁14を出た熱媒体は弁61、及び熱媒体流路eを通過して地中熱熱交換器16に流通することとなる。

【0112】
地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、一部は蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0113】
地中熱熱交換器16で昇温した熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路f、弁64、63を通過して室外側熱交換器12に達する。
室外側熱交換器12は、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器12での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器12外へ出て、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て流路切換用弁15に達し、さらに流路切換用弁15から熱媒体流路aを経て圧縮機13に向う。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0114】
室外側熱交換器12を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、外部の駆動源により作動するこの圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路dを経て、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、暖房を継続実行することとなる。

【0115】
(熱源が地中熱のみの場合)
室内空間に対し暖房を行う際に、熱源として地中熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の蒸発器として地中熱熱交換器16のみを用いる場合には、図6に示すように、あらかじめバイパス切換用弁の弁75、72、73を開、弁74を閉として、バイパス流路17が熱媒体流路bに連通し、バイパス流路17を出た熱媒体が圧縮機13に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁61、64を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて膨張弁14に連通する状態に切り換える。流路切換用弁15は第二の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路bを連通させ、熱媒体流路cと熱媒体流路dを連通させる状態とする。

【0116】
前記同様、室内側熱交換器11は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器11での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0117】
室内側熱交換器11で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器11を出て膨張弁14に達する。膨張弁14で液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。

【0118】
この膨張弁14で圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁14の外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁61、64が開、弁62、63が閉となることで、膨張弁14を出た熱媒体は弁61、及び熱媒体流路eを通過して地中熱熱交換器16に流通することとなる。

【0119】
地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0120】
地中熱熱交換器16で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路f、弁64を通過してバイパス流路17に達する。
一方、バイパス流路17の他端は、開状態とされた弁75、72、73により熱媒体流路bと連通していることから、バイパス流路17を通った気相の熱媒体は、弁75、72、73及び熱媒体流路bを経て流路切換用弁15に達し、さらに流路切換用弁15から熱媒体流路aを経て圧縮機13に向かう。

【0121】
圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路dを経て、室内側熱交換器11へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器11内に戻り、前記同様に室内側熱交換器11での熱交換以降の各過程を繰返して、暖房を継続実行することとなる。

【0122】
(熱源を地中熱として除霜を行う場合)
こうした暖房運転時において、室外の温度が低い場合、室外側熱交換器12の空気と熱交換する外面部分に霜が付き、空気との熱交換が妨げられることがある。こうした着霜時に対応する除霜運転状態について説明する。

【0123】
(第一の除霜接続状態に基づく除霜運転状態)
暖房時に着霜を検出し、除霜を行う場合、いったん暖房運転を停止し、除霜運転状態に移行する。除霜を行うためには、図7に示すように、バイパス切換用弁の弁75、71、73、74を開、弁72を閉として、バイパス流路17が熱媒体流路aに連通し、バイパス流路17を出た熱媒体が圧縮機13に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁62、64を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12に連通する状態に切り換える。流路切換用弁15は第一の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路dを連通させ、熱媒体流路bと熱媒体流路cを連通させる状態とする。

【0124】
除霜運転を実行すると、地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返される。

【0125】
地中熱熱交換器16で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路f、弁64を通過してバイパス流路17に流通する。
一方、バイパス流路17の他端は、開状態とされた弁75、71により熱媒体流路aと連通していることから、バイパス流路17を通った気相の熱媒体は、弁75、71及び熱媒体流路aを経て圧縮機13に向かう。

【0126】
圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機13により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路c、流路切換用弁15、熱媒体流路b及び開状態とされた弁73、74を経て室外側熱交換器12に導入される。

【0127】
室外側熱交換器12は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で室外側熱交換器を出ようとすることから、室外側熱交換器12表面の着霜部分は、この温度を上昇させた空気と接触して温められる。こうして温められる着霜部分では、最終的に霜が溶けて除霜状態となる。着霜部分を温めた後の空気は、外気中に排出される。

【0128】
室外側熱交換器12で凝縮した熱媒体は、室外側熱交換器12外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁62、64が開、弁61、63が閉となることで、室外側熱交換器12を出た熱媒体は、弁62及び熱媒体流路eを通過して地中熱熱交換器16へ向け進むこととなる。

【0129】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器16内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器16での熱交換以降の各過程を繰返して、除霜を継続実行することとなる。
室外側熱交換器12における全ての着霜箇所で霜が溶け、除霜が完了したら、除霜運転状態から暖房運転状態に復帰することができる。

【0130】
(第二の除霜接続状態に基づく除霜運転状態)
なお、除霜は、圧縮機を用いずに実行することもできる。この圧縮機を用いない除霜運転状態について説明する。

【0131】
前記同様、除霜はいったん暖房運転を停止し、除霜運転状態に移行することで行われるが、除霜を行うために、図8に示すように、バイパス切換用弁の弁75、72、74を開、弁71、73を閉として、バイパス流路17が熱媒体流路bに連通し、バイパス流路17を出た熱媒体が室外側熱交換器12に流通する状態に切り換える。熱交換器切換用弁については、前記同様、弁62、64を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12に連通する状態とする。なお、熱媒体は熱媒体流路中の所定箇所に設けられたポンプ(図示を省略)による加圧を受けて、地中熱熱交換器からバイパス流路を経て室外側熱交換器に至り、再び地中熱熱交換器に達する循環経路を、継続して循環可能とされているものとする。

【0132】
除霜運転を実行すると、地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器16における熱交換が継続される間、繰り返される。

【0133】
地中熱熱交換器16で昇温した熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路f、弁64を通過してバイパス流路17に流通する。
一方、バイパス流路17の他端は、開状態とされた弁75、72により熱媒体流路bと連通し、熱媒体流路bでは弁73が閉、弁74が開とされていることから、バイパス流路17を通った熱媒体は、弁75、72及び熱媒体流路b、弁74を経て室外側熱交換器12に導入される。

【0134】
室外側熱交換器12では、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された熱媒体はその温度を低下させる。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で室外側熱交換器12を出ようとすることから、室外側熱交換器12表面の着霜部分は、この温度を上昇させた空気と接触して温められる。こうして温められる着霜部分では、霜が溶けて除霜が進行する状態となる。着霜部分を温めた後の空気は、外気中に排出される。

【0135】
室外側熱交換器12で温度を低下させた熱媒体は、室外側熱交換器12外に排出されるが、地中熱熱交換器16近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁62、64が開、弁61、63が閉となることで、室外側熱交換器12を出た熱媒体は、弁62及び熱媒体流路eを通過して地中熱熱交換器16へ向け進むこととなる。

【0136】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器16内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器16での熱交換以降の各過程を繰返して、除霜を継続実行することとなる。
室外側熱交換器12における全ての着霜箇所で霜が溶け、除霜が完了したら、除霜運転状態から暖房運転状態に復帰することができる。

【0137】
なお、上記のような暖房時の熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、暖房運転を要しない時間帯に、室外空気から熱を吸収すると共に、その熱を地中に放出するサイクルとして運転を実行し、暖房運転に伴う吸熱で低下した地中温度の回復や地中への蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0138】
この地中温度の回復等のための運転を行うためには、圧縮機13を出た熱媒体がバイパス流路17を通じて地中熱熱交換器16に達し、地中熱熱交換器16から熱媒体が室外側熱交換器12に至り、さらに圧縮機13に還流するように、各バイパス切換用弁71、72、73、74、75を設定すると共に、熱交換器切換用弁の弁62、64を開として、バイパス流路17が地中熱熱交換器16を通じて室外側熱交換器12に連通する状態とする。流路切換用弁15は第一の流路接続状態として、熱媒体流路aと熱媒体流路dを連通させ、熱媒体流路bと熱媒体流路cを連通させる状態とする。

【0139】
運転を実行すると、地中熱熱交換器16では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器16での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器16に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器16と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中に熱を放出することで、地中の温度を上昇させることができる。

【0140】
地中熱熱交換器16で温度を低下させた熱媒体は、地中熱熱交換器16を出た後、熱媒体流路e、弁62を通過して室外側熱交換器12に達する。室外側熱交換器12は、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器12での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器12外へ出て、圧縮機13に向う。一方、室外側熱交換器12での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0141】
室外側熱交換器12を出て圧縮機13に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機13により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機13を出た気相の熱媒体は、バイパス流路17を経て、弁64、熱媒体流路fを通過して地中熱熱交換器16へ向け進むこととなる。

【0142】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器16内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器16での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで上昇したり、室内空間に暖房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて暖房運転に移行する。

【0143】
このように、本実施形態に係るヒートポンプシステムにおいては、地中熱熱交換器16が、熱交換器切換用弁61、62、63、64を介してヒートポンプの熱媒体流路中の所定箇所に介在可能に設けられ、熱媒体を流通させる状態では地中熱熱交換器16が室外側熱交換器12と直列に接続する位置関係となって、室外側熱交換器12に流通する熱媒体がそのまま地中熱熱交換器16にも流通することから、室内側熱交換器11が蒸発器として働く冷房時には、室外側熱交換器12で主に熱媒体温度を下げ、地中熱熱交換器16で主に熱媒体を凝縮させることができ、また、室内側熱交換器12が凝縮器として働く暖房時には、地中熱熱交換器16で主に熱媒体温度を上げ、室外側熱交換器12で主に熱媒体を蒸発させることができるなど、室外側熱交換器12と地中熱熱交換器16とで熱交換に係る負荷を分担でき、特に暖房の際は、地中熱熱交換器16が室外側熱交換器12の前段で予熱用熱交換器の役割を果たすこととなり、室外側熱交換器12の前で熱媒体が温度上昇する分、室外側熱交換器12における熱媒体の顕熱域での熱交換を減らして、蒸発器をなす室外側熱交換器12における空気から熱媒体への熱伝達の効率を向上させられるなど、損失を抑えて熱交換性能を高められ、冷房や暖房を効率よく実行できる。

【0144】
また、地中熱熱交換器16と圧縮機13入口側を繋げるバイパス流路17を設け、熱媒体が室内側熱交換器11を通らずにバイパス流路を通って圧縮機13、室外側熱交換器12、及び地中熱熱交換器16を循環する状態を生じさせるようにすることで、暖房時に室外側熱交換器12で吸熱に伴う温度低下により熱交換器周囲への着霜状態に至った場合に、地中熱熱交換器16で熱媒体に取り入れた地中の熱を圧縮機13を介して室外側熱交換器12に導入し、室外側熱交換器12で熱を外に放出することで除霜が可能となり、地中熱を利用して室内側熱交換器11への影響を与えることなく効率よく除霜を実行でき、着霜による熱交換性能低下を必要最小限に抑えられると共に、除霜のために別途熱を発生させずに済み、除霜に係るエネルギー消費を抑えられる。

【0145】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図9ないし図14に基づいて説明する。本実施形態においても、ヒートポンプを室内機と室外機のある空気調和機に適用した例について説明する。

【0146】
前記各図において本実施形態に係るヒートポンプシステム2は、前記第1の実施形態同様、室内側熱交換器21と、室外側熱交換器22と、圧縮機23と、膨張弁24と、流路切換用弁25と、地中熱熱交換器26と、熱交換器切換用弁65、66、67、68と、バイパス流路27と、バイパス切換用弁76、77とを備える一方、異なる点として、室内に配設される室内側熱交換器21が、公知のヒートポンプサイクルを用いる空気調和機の室内機部分に設けられるものと同様に配設され、室外に配設される室外側熱交換器22、圧縮機23、膨張弁24、及び流路切換用弁25が、公知のヒートポンプサイクルを用いる空気調和機の室外機部分に設けられるものと同様に配設され、公知の空気調和機の場合に、室内の室内側熱交換器21と、室外に配設される前記各機器との、室内外の境界部分における熱媒体流路接続点に相当する箇所に、前記地中熱熱交換器26、熱交換器切換用弁65、66、67、68、バイパス流路27、及びバイパス切換用弁76、77を含む熱媒体回路部分を挿入追加するように配設した構成を有するものである。

【0147】
なお、前記室内側熱交換器21、室外側熱交換器22、圧縮機23、膨張弁24、流路切換用弁25、及び地中熱熱交換器26の各構成そのものについては、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。

【0148】
前記室内側熱交換器21は、一方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路、例えば管路など、を介してバイパス切換用弁77と接続され、他方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路を介して熱交換器切換用弁65と接続されるものである。そして、室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口は、バイパス切換用弁77を介して流路切換用弁25と連通可能とされ、他方の熱媒体流入出口は、熱交換器切換用弁65、67を介して、膨張弁24と連通可能とされる。

【0149】
前記室外側熱交換器22は、一方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路、例えば管路など、を介して流路切換用弁25と接続され、他方の熱媒体流入出口を所定の熱媒体流路を介して膨張弁24と接続されるものである。

【0150】
前記膨張弁24は、一方の弁開口を所定の熱媒体流路を介して熱交換器切換用弁67、68と接続され、他方の弁開口を所定の熱媒体流路を介して室外側熱交換器22と接続されて配設される。

【0151】
前記流路切換用弁25は、室外側熱交換器22の一方の熱媒体流入出口を圧縮機23出口と連通させ、室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口を圧縮機23入口と連通可能とする第一の流路接続状態と、室外側熱交換器22の一方の熱媒体流入出口を圧縮機23入口と連通させ、室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口を圧縮機23出口と連通可能とする第二の流路接続状態とを、切換可能とするものである。
なお、流路切換用弁25は四方弁などの単独の弁に限られるものではなく、同様の機能を得られる複数弁の組合せで構成することもできる。

【0152】
前記地中熱熱交換器26は、ヒートポンプサイクルにおける室内側熱交換器21と膨張弁24との間に介在可能として室外に配設されるものである。この地中熱熱交換器26は、室内側熱交換器21と膨張弁24との間の熱媒体流路に、熱交換器切換用弁65、66、67、68を介して接続されており、これら複数の弁で、この地中熱熱交換器26の熱媒体側流路が熱媒体を流通可能とされて室内側熱交換器21と膨張弁24との間に介在する状態と、地中熱熱交換器26が全く介在しない状態とを、切換可能とされる仕組みである。
地中熱熱交換器26と熱交換器切換用弁66との間には、補助膨張弁28が設けられる。

【0153】
前記熱交換器切換用弁65、66、67、68は、室内側熱交換器22と地中熱熱交換器26との間、及び、地中熱熱交換器26と膨張弁24との間の熱媒体流路にそれぞれ配設され、室内側熱交換器21と膨張弁24との間で地中熱熱交換器26が熱媒体を流通可能に介在する状態と、室内側熱交換器21と膨張弁24とを直結して中間に地中熱熱交換器26を介在させず、地中熱熱交換器26には熱媒体を流通させない状態とを切換可能とするものである。

【0154】
具体的には、地中熱熱交換器26の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路kと室内側熱交換器21との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第一の熱交換器切換用弁65と、地中熱熱交換器26の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路kに配設され、地中熱熱交換器26における熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第二の熱交換器切換用弁66と、地中熱熱交換器26の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路kと膨張弁24との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第三の熱交換器切換用弁67と、地中熱熱交換器26の他方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路lと膨張弁24との間での熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第四の熱交換器切換用弁68とを備える構成である。

【0155】
これら熱交換器切換用弁65、66、67、68において、第一の熱交換器切換用弁65を開とし、第二の熱交換器切換用弁66を開とし、第三の熱交換器切換用弁67を閉とし、第四の熱交換器切換用弁68を開とすることで、膨張弁24から第四の熱交換器切換用弁68、地中熱熱交換器26、第二の熱交換器切換用弁66、第一の熱交換器切換用弁65を経て、室内側熱交換器21に至る経路に熱媒体が流通可能となり、室内側熱交換器21と膨張弁24との間で地中熱熱交換器26が熱媒体を流通可能に介在する状態とすることができる(図10、図12参照)。

【0156】
また、第一の熱交換器切換用弁65を開とし、第二の熱交換器切換用弁66を閉とし、第三の熱交換器切換用弁67を開とし、第四の熱交換器切換用弁68を閉とすることで、膨張弁24から第三の熱交換器切換用弁67、第一の熱交換器切換用弁65を経て、室内側熱交換器21に至る経路に熱媒体が流通可能となり、室内側熱交換器21と膨張弁24とを直結して中間に地中熱熱交換器26を介在させず、地中熱熱交換器26には熱媒体を流通させない状態とすることができる(図9、図11参照)。

【0157】
この他、第一の熱交換器切換用弁65と第三の熱交換器切換用弁67をそれぞれ閉とし、第二の熱交換器切換用弁66及び第四の熱交換器切換用弁68をそれぞれ開とすることで、室内側熱交換器21と地中熱熱交換器26との間では熱媒体の流通を停止させつつ、膨張弁24から第四の熱交換器切換用弁68を経て、地中熱熱交換器26に至る経路に熱媒体が流通可能となり、膨張弁24を介した室外側熱交換器22と地中熱熱交換器26との間での熱媒体の流通を許容する一方、地中熱熱交換器26と室内側熱交換器21との間での熱媒体の流通は許容しない流路接続状態とすることができる(図13、図14参照)。

【0158】
前記バイパス流路27は、地中熱熱交換器26の一方の熱媒体流入出口に接続される熱媒体流路kに一端が接続されると共に、他端が流路切換用弁25に接続され、且つバイパス切換用弁77を介して室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口に接続可能とされて、必要に応じて熱媒体を流通させるものである。

【0159】
バイパス流路27の一端は、熱交換器切換用弁のうち、第二の熱交換器切換用弁66が設けられる熱媒体流路kに接続されることで、第二の熱交換器切換用弁66を開とすると、地中熱熱交換器26に連通する一方、第二の熱交換器切換用弁66を閉とすると、地中熱熱交換器26に連通しないなど、地中熱熱交換器26への連通状態を必要に応じて切換可能とされる仕組みである。

【0160】
また、バイパス流路27の一端に対し、第三の熱交換器切換用弁67を閉とした上で、第二の熱交換器切換用弁66と共に第四の熱交換器切換用弁68を開とすることで、バイパス流路27の一端が地中熱熱交換器26を通じて膨張弁24や室外側熱交換器22にも連通する状態となり、バイパス流路27から地中熱熱交換器26や膨張弁24を経て室外側熱交換器22に至る経路に熱媒体を流通可能とすることができる。そして、この場合に第一の熱交換器切換用弁65を閉としておけば、室内側熱交換器21への熱媒体の流通を阻止でき、熱媒体が室内側熱交換器21を通る代わりにバイパス流路27を通る状態を設定可能となる(図13、図14参照)。

【0161】
前記バイパス切換用弁76、77は、バイパス流路27の他端と、流路切換用弁25、及び、室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口との各接続関係を切換可能とするものである。

【0162】
具体的には、バイパス切換用弁としては、バイパス流路27に配設され、バイパス流路27における熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第一のバイパス切換用弁76と、室内側熱交換器22の一方の熱媒体流入出口と、バイパス流路27の他端及び流路切換用弁25との間での、熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える第二のバイパス切換用弁77とを備える構成である。

【0163】
これらバイパス切換用弁76、77において、第一のバイパス切換用弁76を閉とし、第二のバイパス切換用弁77を開とすることで、バイパス流路27に熱媒体が流通せず、且つ、流路切換用弁25から第二のバイパス切換用弁77を経て、室内側熱交換器21に至る熱媒体流路に熱媒体が流通可能となり、バイパス流路27を用いない通常の冷房又は暖房を行う際の接続状態が得られる。すなわち、室内側熱交換器21における一方の熱媒体流入出口を圧縮機23入口に連通させ、且つ室外側熱交換器22における一方の熱媒体流入出口を圧縮機23出口に連通させる冷房時の接続状態(図9、図10参照)や、室内側熱交換器21における一方の熱媒体流入出口を圧縮機23出口に連通させ、且つ室外側熱交換器22における一方の熱媒体流入出口を圧縮機23入口に連通させる暖房時の接続状態(図11、図12参照)にできる。

【0164】
また、第一のバイパス切換用弁76を開とし、第二のバイパス切換用弁77を閉とすることで、バイパス流路27が、流路切換用弁25に連通する一方、流路切換用弁25と室内側熱交換器21の一方の熱媒体流入出口とが連通せず、流路切換用弁25から第一のバイパス切換用弁76を経て、バイパス流路27全体に熱媒体が流通可能となり、バイパス流路27の他端を流路切換用弁25を通じて圧縮機23入口に連通させて、バイパス流路27から圧縮機23に向けて熱媒体を流通させられる状態が得られる(図13参照)。

【0165】
この状態で、バイパス流路27の一端側で、第一の熱交換器切換用弁65を閉とし、第二の熱交換器切換用弁66を開とし、第三の熱交換器切換用弁67を閉とし、第四の熱交換器切換用弁68を開とすることで、バイパス流路27が地中熱熱交換器26を通じて膨張弁24及び室外側熱交換器22に連通し、室外側熱交換器22から膨張弁24、地中熱熱交換器26を経てバイパス流路27に熱媒体が流通可能となる一方、室内側熱交換器21には熱媒体が流通しない状態となり、熱媒体が室内側熱交換器21を通る代わりにバイパス流路27を通って、圧縮機23に達する状態となる。

【0166】
これにより、熱媒体が圧縮機23から第一の流路接続状態にある流路切換用弁25を経て室外側熱交換器22に流入し、室外側熱交換器22から膨張弁24を経て地中熱熱交換器26に向かい、地中熱熱交換器26を出た熱媒体がバイパス流路27を通って圧縮機23に還流する循環経路を生じさせる状態、すなわち、地中熱熱交換器26で地中熱により熱媒体を昇温させ、圧縮機23で熱媒体を高圧にした上で、室外側熱交換器22で熱媒体から熱を放出させて、室外側熱交換器22で除霜を実行可能な除霜用接続状態が得られることとなる。

【0167】
次に、本実施形態に係るヒートポンプシステムの作動状態について説明する。
まず、ヒートポンプシステムを作動させて、室内空間に対し冷房を行う状態について説明する。
冷房を行うにあたっては、熱源を室外の空気熱のみ、又は、空気熱と地中熱の両方、とする状態を、室内や室外、地中の状況等に応じて切り換えることができる。

【0168】
例えば、熱媒体の温度が室外空気温度より低い状況では、主に熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる状態として冷房運転を実行する一方、熱媒体の温度が室外空気温度に近い値となり、地中の温度が過度に上がるなど地中に過大な熱負荷が加わっていることが予想される場合には、熱源を室外の空気熱のみとする運転状態に移行し、地中熱熱交換器26と熱交換用媒体を通じた地中への熱の放出を停止して、地中温度の回復を図るようにするのが好ましい。

【0169】
(熱源が空気熱のみの場合)
室内空間に対し冷房を行う際に、熱源として室外の空気熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器として室外側熱交換器22のみを用いる場合には、図9に示すように、熱交換器切換用弁の弁67、65を開とし、弁66、68を閉として、室外側熱交換器22が膨張弁24や各弁を通じて室内側熱交換器21に連通する状態としておく。また、バイパス切換用弁の弁76を閉、弁77を開とし、流路切換用弁25は第一の流路接続状態として、室内側熱交換器21と圧縮機23入口とを連通させ、室外側熱交換器22と圧縮機23出口とを連通させる状態とする。

【0170】
システムを作動させると、室内側熱交換器21が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器21での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器21外へ出て、バイパス切換用弁77、熱媒体流路j、流路切換用弁25、熱媒体流路gを経て圧縮機23に向う。一方、室内側熱交換器21での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0171】
室内側熱交換器21を出て圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機23により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路i、流路切換用弁25、熱媒体流路hを経て室外側熱交換器22に導入される。

【0172】
室外側熱交換器22は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0173】
室外側熱交換器22で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室外側熱交換器22外に排出され、膨張弁24に達する。この膨張弁24で、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、さらに室内側熱交換器21へ向かおうとするが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁67、65が開、弁66、68が閉となることで、膨張弁24を出た熱媒体は弁67、65を通過して、地中熱熱交換器26に流通することなく、室内側熱交換器21へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器21内に戻り、前記同様に室内側熱交換器21での熱交換以降の各過程を繰返して、冷房を継続実行することとなる。

【0174】
(熱源が空気熱と地中熱の場合)
室内空間に対し冷房を行う際に、熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器として室外側熱交換器22と地中熱熱交換器26を共に用いる場合には、図10に示すように、熱交換器切換用弁の弁65、66、68を開とし、弁67を閉として、室外側熱交換器22と膨張弁24が地中熱熱交換器26を通じて室内側熱交換器21に連通する状態に切り換える。

【0175】
システムを作動させると、室内側熱交換器21が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器21での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器21外へ出て、バイパス切換用弁77、熱媒体流路j、流路切換用弁25、熱媒体流路gを経て圧縮機23に向う。一方、室内側熱交換器21での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0176】
室内側熱交換器21を出て圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機23により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路i、流路切換用弁25、熱媒体流路hを経て室外側熱交換器22に導入される。

【0177】
室外側熱交換器22は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0178】
室外側熱交換器22で温度を低下させた熱媒体は、室外側熱交換器22外に排出され、膨張弁24に達する。この膨張弁24で、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、膨張弁24を出るが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁65、66、68が開、弁67が閉となることで、膨張弁24を出た熱媒体は、熱媒体流路l及び弁68を通過して地中熱熱交換器26に流通することとなる。

【0179】
地中熱熱交換器26では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器26での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器26に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器26と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器26における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0180】
地中熱熱交換器26で凝縮して得られた液相の熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、補助膨張弁28で圧力及び温度をさらに低減させた後、熱媒体流路k、弁66、65を通過して室内側熱交換器21へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器21内に戻り、前記同様に室内側熱交換器21での熱交換以降の各過程を繰返して、冷房を継続実行することとなる。

【0181】
なお、上記のような冷房時の熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、冷房運転を要しない時間帯に、地中から熱を奪うと共にその熱を室外空気に放出するサイクルとして運転を実行し、冷房運転に伴う熱放出で上昇した地中温度の回復や地中への冷熱の蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0182】
この地中温度の回復等のための運転を行うためには、バイパス切換用弁の弁76を開、弁77を閉として、バイパス流路27が熱媒体流路jに連通し、バイパス流路27を出た熱媒体が流路切換用弁25に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁66、68を開、弁65、67を閉として、バイパス流路27が地中熱熱交換器26を通じて膨張弁24及び室外側熱交換器22に連通する状態に切り換える。流路切換用弁25は第一の流路接続状態として、熱媒体流路gと熱媒体流路jを連通させ、熱媒体流路hと熱媒体流路iを連通させることで、バイパス流路27と圧縮機23入口とを連通させると共に、室外側熱交換器22と圧縮機23出口とを連通させる状態とする(図13参照)。

【0183】
運転を実行すると、地中熱熱交換器26では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化する。一方、地中熱熱交換器26での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器26に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器26と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中から熱を吸収することで、地中の温度を低下させることができる。

【0184】
地中熱熱交換器26で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、熱媒体流路k、補助膨張弁28、及び弁66を通過してバイパス流路27に流通する。
一方、バイパス流路27の他端は、流路切換用弁25と連通していることから、開状態とされた弁76を経てバイパス流路27を通った気相の熱媒体は、流路切換用弁25を経て圧縮機23に向かう。

【0185】
圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機23により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路i、流路切換用弁25、熱媒体流路hを経て室外側熱交換器22に導入される。

【0186】
室外側熱交換器22では、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0187】
室外側熱交換器22で凝縮した熱媒体は、室外側熱交換器22外に排出され、膨張弁24に達する。この膨張弁24で、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、膨張弁24を出るが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁66、68が開、弁65、67が閉となることで、膨張弁24を出た熱媒体は、熱媒体流路l及び弁68を通過して、地中熱熱交換器26へ向け進むこととなる。

【0188】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器26内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器26での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで低下したり、室内空間に冷房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて冷房運転に移行する。

【0189】
続いて、ヒートポンプシステムを作動させて、室内空間に対し暖房を行う状態について説明する。
暖房を行う場合も、冷房の場合と同様、熱源を室外の空気熱のみ、又は、空気熱と地中熱の両方、とする状態を、室内や室外、地中の状況等に応じて切り換えることができる。

【0190】
例えば、熱媒体の温度が室外空気温度より高い状況では、主に熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる状態として暖房運転を実行する一方、熱媒体の温度が室外空気温度に近い値となり、地中の温度が過度に下がるなど地中に過大な熱負荷が加わっていることが予想される場合には、熱源を室外の空気熱のみとする運転状態に移行し、地中熱熱交換器26と熱交換用媒体を通じた地中からの吸熱を停止して、地中温度の回復を図るようにするのが好ましい。

【0191】
(熱源が空気熱のみの場合)
室内空間に対し暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の蒸発器として室外側熱交換器22のみを用いる場合には、図11に示すように、熱交換器切換用弁の弁65、67を開とし、弁66、68を閉として、室外側熱交換器22及び膨張弁24が各弁を通じて室内側熱交換器21に連通する状態としておく。また、バイパス切換用弁の弁76を閉、弁77を開とし、流路切換用弁25は第二の流路接続状態として、熱媒体流路gと熱媒体流路hを連通させ、熱媒体流路iと熱媒体流路jを連通させることで、室内側熱交換器21と圧縮機23出口とを連通させると共に、室外側熱交換器22と圧縮機23入口とを連通させる状態とする。

【0192】
システムを作動させると、室内側熱交換器21は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器21での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0193】
室内側熱交換器21で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器21の外に排出されるが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁65、67が開、弁66、68が閉となることで、室内側熱交換器21を出た熱媒体は弁65、67を通過して、地中熱熱交換器26に流通することなく、膨張弁24に達する。

【0194】
膨張弁24で液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。この膨張弁24で圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁24の外に排出され、室外側熱交換器22に達する。

【0195】
室外側熱交換器22は、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器22での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器22外へ出て、熱媒体流路hを経て流路切換用弁25に達し、さらに流路切換用弁25から熱媒体流路gを経て圧縮機23に向う。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0196】
室外側熱交換器22を出て圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機23により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、流路切換用弁15、バイパス切換用弁77を経て、室内側熱交換器21へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器21内に戻り、前記同様に室内側熱交換器21での熱交換以降の各過程を繰返して、暖房を継続実行することとなる。

【0197】
(熱源が空気熱と地中熱の場合)
室内空間に対し暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる場合、すなわち、室外側の蒸発器として室外側熱交換器22と地中熱熱交換器26を共に用いる場合には、図12に示すように、熱交換器切換用弁の弁65、66、68を開とし、弁67を閉として、室外側熱交換器22と膨張弁24が地中熱熱交換器26を通じて室内側熱交換器21に連通する状態に切り換える。

【0198】
システムを作動させると、室内側熱交換器21は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器21での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0199】
室内側熱交換器21で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器21の外に排出されるが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁65、66、68が開、弁67が閉となることで、室内側熱交換器21を出た熱媒体は弁65、66、補助膨張弁28、及び熱媒体流路kを通過して地中熱熱交換器26に流通することとなる。

【0200】
地中熱熱交換器26では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、一部は蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器26での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器26に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器26と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器26における熱交換が継続される間、繰り返されることとなる。

【0201】
地中熱熱交換器26で昇温した熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、熱媒体流路l、弁68を通過して膨張弁24に達する。
膨張弁24で熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低下させた状態となる。そして、この膨張弁24で圧力や温度を低下させた熱媒体は、膨張弁24の外に排出され、室外側熱交換器22に達する。

【0202】
室外側熱交換器22は、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器22での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器22外へ出て、熱媒体流路hを経て流路切換用弁25に達し、さらに流路切換用弁25から熱媒体流路gを経て圧縮機23に向う。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0203】
室外側熱交換器22を出て圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機23により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、流路切換用弁25、バイパス切換用弁77を経て、室内側熱交換器21へ向け進むこととなる。
この後、熱媒体は室内側熱交換器21内に戻り、前記同様に室内側熱交換器21での熱交換以降の各過程を繰返して、暖房を継続実行することとなる。

【0204】
(熱源を地中熱として除霜を行う場合)
こうした暖房運転時において、室外の温度が低い場合、室外側熱交換器22の空気と熱交換する外面部分に着霜が生じることがある。こうした着霜時に対応する除霜運転状態について説明する。

【0205】
暖房時に着霜を検出し、除霜を行う場合には、いったん暖房運転を停止し、除霜運転状態に移行する。除霜を行うためには、図13に示すように、バイパス切換用弁の弁76を開、弁77を閉として、バイパス流路27が熱媒体流路gに連通し、バイパス流路27を出た熱媒体が圧縮機23に流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁66、68を開、弁65、67を閉として、バイパス流路27が地中熱熱交換器26を通じて膨張弁24及び室外側熱交換器22に連通する状態に切り換える。流路切換用弁25は第一の流路接続状態として、熱媒体流路gと熱媒体流路jを連通させ、熱媒体流路hと熱媒体流路iを連通させることで、室内側熱交換器21と圧縮機23入口とを連通させると共に、室外側熱交換器22と圧縮機23出口とを連通させる状態とする。

【0206】
除霜運転を実行すると、地中熱熱交換器26では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器26での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器26に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器26と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器26における熱交換が継続される間、繰り返される。

【0207】
地中熱熱交換器26で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、熱媒体流路k、補助膨張弁28、及び弁66を通過してバイパス流路27に流通する。
一方、バイパス流路27の他端は、流路切換用弁25と連通していることから、開状態とされた弁76を経てバイパス流路27を通った気相の熱媒体は、流路切換用弁25を経て圧縮機23に向かう。

【0208】
圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機23により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路i、流路切換用弁25、熱媒体流路hを経て室外側熱交換器22に導入される。

【0209】
室外側熱交換器22は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で室外側熱交換器を出ようとすることから、室外側熱交換器22表面の着霜部分は、この温度を上昇させた空気と接触して温められる。こうして温められる着霜部分では、最終的に霜が溶けて除霜状態となる。着霜部分を温めた後の空気は、外気中に排出される。

【0210】
室外側熱交換器22で温度を低下させた熱媒体は、室外側熱交換器22外に排出され、膨張弁24に達する。この膨張弁24で、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、膨張弁24を出るが、地中熱熱交換器26近傍の熱交換器切換用弁のうち、弁66、68が開、弁65、67が閉となることで、膨張弁24を出た熱媒体は、熱媒体流路l及び弁68を通過して、地中熱熱交換器26へ向け進むこととなる。

【0211】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器26内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器26での熱交換以降の各過程を繰返して、除霜を継続実行することとなる。
室外側熱交換器22における全ての着霜箇所で霜が溶け、除霜が完了したら、除霜運転状態から暖房運転状態に復帰することができる。

【0212】
なお、上記のような暖房時の熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、暖房運転を要しない時間帯に、室外空気から熱を吸収すると共に、その熱を地中に放出するサイクルとして運転を実行し、暖房運転に伴う吸熱で低下した地中温度の回復や地中への蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0213】
この地中温度の回復等のための運転を行うためには、図14に示すように、バイパス切換用弁の弁76を開、弁77を閉として、バイパス流路27が熱媒体流路jに連通し、バイパス流路27と流路切換用弁25との間で熱媒体が流通する状態に切り換えると共に、熱交換器切換用弁の弁66、68を開、弁65、67を閉として、バイパス流路27が地中熱熱交換器26を通じて膨張弁24及び室外側熱交換器22に連通する状態に切り換える。流路切換用弁25は第二の流路接続状態として、熱媒体流路gと熱媒体流路hを連通させ、熱媒体流路iと熱媒体流路jを連通させることで、バイパス流路27と圧縮機23出口とを連通させると共に、室外側熱交換器22と圧縮機23入口とを連通させる状態とする。

【0214】
運転を実行すると、地中熱熱交換器26では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器26での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器26に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器26と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中に熱を放出することで、地中の温度を上昇させることができる。

【0215】
地中熱熱交換器26で温度を低下させた熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、熱媒体流路l、弁68を通過して膨張弁24に達する。熱媒体はこの膨張弁24で膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、膨張弁24を出て、室外側熱交換器22に達する。室外側熱交換器22は、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器22での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器22外へ出て、熱媒体流路h、gを経て圧縮機23に向う。一方、室外側熱交換器22での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0216】
室外側熱交換器22を出て圧縮機23に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機23により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機23を出た気相の熱媒体は、流路切換用弁25を経てバイパス流路27に至り、さらに弁66、補助膨張弁28、及び熱媒体流路kを通過して地中熱熱交換器26へ向け進むこととなる。

【0217】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器26内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器26での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで上昇したり、室内空間に暖房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて暖房運転に移行する。

【0218】
このように、本実施形態に係るヒートポンプシステムにおいては、室内に配設される室内側熱交換器21と、室外に配設される室外側熱交換器22、圧縮機23、膨張弁24、及び流路切換用弁25との間の熱媒体流路で、且つ室外にあらわれた箇所に対し、地中熱熱交換器26やバイパス流路27を各切換用弁を介して連通状態を切換可能として接続することから、システムの室内機部分と室外機部分の間に地中熱熱交換器26を利用するための熱媒体回路を無理なく適切に組み込んで、地中熱熱交換器26に熱媒体を流通させて地中熱を熱源として利用できる状態が、既存の室内機部分と室外機部分の構成を変えることなく得られることとなり、地中熱を利用可能とする構成部分を低コストで設置可能となり、地中熱を利用するシステムをより容易に導入できる。

【0219】
また、地中熱熱交換器26に対し流路切換用弁25を通じて圧縮機23入口側を連通可能とするバイパス流路27を設け、熱媒体が室内側熱交換器21を通らずにバイパス流路27を通って圧縮機23、室外側熱交換器22、及び地中熱熱交換器26を循環する状態を生じさせるようにすることで、室外側熱交換器22の着霜時に対応して、地中熱熱交換器26で取り入れた地中熱を室外側熱交換器22に導入し、室外側熱交換器22での放熱による除霜を可能としたり、室外側熱交換器22で室外空気から熱を吸収し、その熱を地中熱熱交換器26を通じて地中に放出するようにして、低下した地中温度の回復や地中への蓄熱を図ったり、地中から吸熱して取り出した熱を地中熱熱交換器26を通じて室外側熱交換器22に伝え、その熱を室外空気に放出するようにして、上昇した地中温度の回復や地中への冷熱の蓄熱を図ることができ、地中熱を適切に利用可能として、冷暖房の効率を向上させられる。

【0220】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を図15ないし図18に基づいて説明する。本実施形態においては、複数の室内機を備えるいわゆるマルチエアコンタイプの空気調和機に適用した例について説明する。

【0221】
前記各図において本実施形態に係るヒートポンプシステム3は、前記第1の実施形態同様、室内側熱交換器31、32と、室外側熱交換器33と、圧縮機34と、膨張弁35a、35b、35c、35dと、流路切換用弁36、37と、地中熱熱交換器38と、熱交換器切換用弁81、82とを備える一方、異なる点として、室内側熱交換器31、32が複数配設され、前記各室内側熱交換器31、32、室外側熱交換器33、及び地中熱熱交換器38における一方の熱媒体流入出口に、それぞれ膨張弁35a、35b、35c、35dが接続されると共に、これら膨張弁35a、35b、35c、35dが共通の熱媒体流路に接続され、各室内側熱交換器31、32における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機34の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とする冷暖切換用弁91、92、93、94がそれぞれ配設され、前記流路切換用弁36、37が、室外側熱交換器33における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機34の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされ、前記熱交換器切換用弁81、82が、地中熱熱交換器38における他方の熱媒体流入出口を、圧縮機34の入口側と出口側にそれぞれ連通させる状態と連通させない状態とを切換可能とするものとされる構成を有するものである。

【0222】
なお、前記室内側熱交換器31、32、室外側熱交換器33、圧縮機34、膨張弁35a、35b、35c、35d、及び地中熱熱交換器38の各構成そのものについては、前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。

【0223】
前記室内側熱交換器31は、一方の熱媒体流入出口を膨張弁35aと接続されて、膨張弁35aを介して共通熱媒体流路mに連通し、他方の熱媒体流入出口を冷暖切換用弁91、92と接続されるものである。そして、室内側熱交換器31の他方の熱媒体流入出口は、冷暖切換用弁91を介して圧縮機34出口側と連通可能とされ、冷暖切換用弁92を介して圧縮機34入口側と連通可能とされる。

【0224】
冷暖切換用弁91、92は、弁91を閉、弁92を開として、室内側熱交換器31を出た熱媒体が圧縮機34に向かうようにする冷房用接続状態と、弁91を開、弁92を閉として、圧縮機34を出た熱媒体が室内側熱交換器31に向かうようにする暖房用接続状態とを切換可能としている。室内側熱交換器31を冷房、暖房のいずれにも使用しない場合は、冷暖切換用弁91、92をいずれも閉とし、室内側熱交換器31に熱媒体を流入させない状態として、熱媒体の熱損失を抑えることもできる。

【0225】
前記室内側熱交換器32は、一方の熱媒体流入出口を膨張弁35bと接続されて、膨張弁35bを介して共通熱媒体流路mに連通し、他方の熱媒体流入出口を冷暖切換用弁93、94と接続されるものである。そして、室内側熱交換器32の他方の熱媒体流入出口は、冷暖切換用弁93を介して圧縮機34出口側と連通可能とされ、冷暖切換用弁94を介して圧縮機34入口側と連通可能とされる。

【0226】
冷暖切換用弁93、94は、弁93を閉、弁94を開として、室内側熱交換器32を出た熱媒体が圧縮機34に向かうようにする冷房用接続状態と、弁93を開、弁94を閉として、圧縮機34を出た熱媒体が室内側熱交換器32に向かうようにする暖房用接続状態とを切換可能としている。室内側熱交換器32を冷房、暖房のいずれにも使用しない場合は、冷暖切換用弁93、94をいずれも閉とし、室内側熱交換器32に熱媒体を流入させない状態として、熱媒体の熱損失を抑えることもできる。

【0227】
前記室外側熱交換器33は、一方の熱媒体流入出口を膨張弁35cと接続されて、膨張弁35bを介して共通熱媒体流路mに連通し、他方の熱媒体流入出口を流路切換用弁36、37と接続されるものである。そして、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口は、流路切換用弁36を介して圧縮機34出口側と連通可能とされ、流路切換用弁37を介して圧縮機34入口側と連通可能とされる。

【0228】
流路切換用弁36、37は、弁36を開、弁37を閉として、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34出口と連通させる第一の流路接続状態と、弁36を閉、弁37を開として、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34入口と連通させる第二の流路接続状態と、弁36、37をいずれも閉として、室外側熱交換器33を圧縮機34に連通させず、室外側熱交換器33に熱媒体を流通させない第三の流路接続状態とを、切換可能としている。

【0229】
室外側熱交換器33は、室内側熱交換器31、32の一方を冷房運転、他方を暖房運転とする際に冷房負荷が暖房負荷より大きくなる場合や、室内側熱交換器31、32をいずれも冷房運転状態とする場合には、冷房負荷に対応して、流路切換用弁36、37を第一の流路接続状態として、凝縮器として作動する(図16参照)。また、室内側熱交換器31、32の一方を冷房運転、他方を暖房運転とする際に暖房負荷が冷房負荷より大きくなる場合や、室内側熱交換器31、32をいずれも暖房運転状態とする場合には、暖房負荷に対応して、流路切換用弁36、37を第二の流路接続状態として、蒸発器として作動することとなる(図15参照)。

【0230】
この他、室内側熱交換器31、32の冷房又は暖房負荷に対し、地中熱熱交換器38における熱媒体の熱交換で全て対応して、室外側熱交換器33を熱媒体の凝縮器又は蒸発器として作動させない場合には、流路切換用弁36、37を第三の流路接続状態として、室外側熱交換器33に熱媒体を流通させないようにすることもできる。

【0231】
前記地中熱熱交換器38は、一方の熱媒体流入出口を膨張弁35dと接続されて、膨張弁35dを介して共通熱媒体流路mに連通し、他方の熱媒体流入出口を熱交換器切換用弁81、82と接続されるものである。そして、地中熱熱交換器38の他方の熱媒体流入出口は、熱交換器切換用弁81を介して圧縮機34出口側と連通可能とされ、熱交換器切換用弁82を介して圧縮機34入口側と連通可能とされる。

【0232】
熱交換器切換用弁81、82は、弁81を開、弁82を閉として、圧縮機34を出た熱媒体が地中熱熱交換器38に向かう第四の流路接続状態と、弁81を閉、弁82を開として、地中熱熱交換器38を出た熱媒体が圧縮機34に向かう第五の流路接続状態と、弁81、82をいずれも閉として、地中熱熱交換器38を圧縮機34に連通させず、地中熱熱交換器38に熱媒体を流通させない第六の流路接続状態とを、切換可能としている。

【0233】
地中熱熱交換器38は、室外側熱交換器33に対し流路切換用弁36、37が第一の流路接続状態とされて、室外側熱交換器33が凝縮器として作動する場合には、熱交換器切換用弁81、82を第四の流路接続状態として、凝縮器として作動する(図16参照)。また、室外側熱交換器33に対し流路切換用弁36、37が第二の流路接続状態とされて、室外側熱交換器33が蒸発器として作動する場合には、熱交換器切換用弁81、82を第五の流路接続状態として、蒸発器として作動することとなる。

【0234】
この他、室内側熱交換器31、32の冷房又は暖房負荷に対し、室外側熱交換器33における熱媒体の熱交換で全て対応して、地中熱熱交換器38を熱媒体の凝縮器又は蒸発器として作動させない場合には、熱交換器切換用弁81、82を第六の流路接続状態として、地中熱熱交換器38に熱媒体を流通させないようにすることもできる(図15参照)。

【0235】
さらに、冷暖切換用弁91、92、93、94をいずれも閉とし、室内側熱交換器31、32に熱媒体を流入させない状態とすると共に、室外側熱交換器33に対し、流路切換用弁36、37を第一の流路接続状態として、室外側熱交換器33が凝縮器として作動するようにし、合わせて、熱交換器切換用弁81、82を第五の流路接続状態として、地中熱熱交換器38を蒸発器として作動させるようにする流路接続状態(図17参照)も選択できる。

【0236】
この状態では、熱媒体が圧縮機34から第一の流路接続状態として開とされた流路切換用弁36を経て室外側熱交換器33に流入し、室外側熱交換器33から膨張弁35c、共通熱媒体流路m、膨張弁35dを経て地中熱熱交換器38に向かい、地中熱熱交換器38を出た熱媒体が熱交換器切換用弁82を通って圧縮機23に還流する循環経路を生じさせる状態、すなわち、地中熱熱交換器38で地中熱により熱媒体を昇温させ、圧縮機34で熱媒体を高圧にした上で、室外側熱交換器33で熱媒体から熱を放出させて、室外側熱交換器33で除霜を実行可能な除霜用接続状態が得られることとなる。

【0237】
これら室内側熱交換器31、32、室外側熱交換器33、及び地中熱熱交換器38における一方の熱媒体流入出口には、それぞれ膨張弁35a、35b、35c、35dが接続され、各膨張弁35a、35b、35c、35dはいずれも共通熱媒体流路mに接続される。このため、室内側熱交換器31、32、室外側熱交換器33、及び地中熱熱交換器38は膨張弁を介して連通する状態となっており、各熱交換器間で熱媒体を流通可能である。

【0238】
次に、本実施形態に係るヒートポンプシステムの作動状態について説明する。
まず、ヒートポンプシステムを作動させて、室内空間に対し冷房及び暖房を行う状態について説明する。

【0239】
冷房や暖房を行うにあたっては、熱源を室外の空気熱のみ、地中熱のみ、あるいは、空気熱と地中熱の両方、とする状態を、室内や室外、地中の状況等に応じて切り換えることができる。
例えば、冷房又は暖房運転の開始時などは、空気調和機の室内機側の負荷が大きくなることから、熱源として室外の空気熱と地中熱の両方を用いるようにするのが好ましい。そして、室内温度が所望の温度に達して安定状態に移行し、空気調和機がオンオフ繰り返しや出力を抑えるような低負荷運転状態となった場合には、熱源として地中熱のみを用いる状態に切り換えるようにすれば、効率のよい運転状態を継続でき、好ましい。

【0240】
この他、熱媒体の温度が室外空気温度から離れた状況では、主に熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる状態として冷房又は暖房運転を実行する一方、熱媒体の温度が室外空気温度に近い値となり、地中の温度が著しく変化するなど地中に過大な熱負荷が加わっていることが予想される場合には、熱源を室外の空気熱のみとする運転状態に移行し、地中熱熱交換器38と熱交換用媒体を通じた地中との熱交換を停止して、地中温度の回復を図るようにするのが好ましい。

【0241】
(熱源が空気熱のみの場合)
各室内空間に対し冷房又は暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱のみを用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器又は蒸発器として室外側熱交換器33のみを用いる場合には、図15に示すように、熱交換器切換用弁の弁81、82をいずれも閉として、地中熱熱交換器38に熱媒体が流通しないようにする一方、室外側熱交換器33が膨張弁35cや各流路切換用弁36、37を通じて室内側熱交換器31、32に連通する状態としておく。また、流路切換用弁36、37を第一の流路接続状態又は第二の流路接続状態として、室外側熱交換器33と圧縮機34出口又は入口とを連通させる状態とする。

【0242】
例えば、一方の室内側熱交換器31を冷房に使用し、他方の室内側熱交換器32を暖房に使用し、暖房負荷が冷房負荷を上回る状態の場合、ヒートポンプシステムを作動させると、室内側熱交換器31が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器31での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器31の他方の熱媒体流入出口から出て、冷暖切換用弁92を経て圧縮機34に向う。一方、室内側熱交換器31での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0243】
また、別の室内空間で、室内側熱交換器32が、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器32での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0244】
室内側熱交換器32で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器32の一方の熱媒体流入出口から排出され、膨張弁35bに達する。膨張弁35bで液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。

【0245】
この膨張弁35bで圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁35bを出て、共通熱媒体流路mを通り、その一部が膨張弁35cを経て、室外側熱交換器33の一方の熱媒体流入出口に達し、他部が膨張弁35aを経て、室内側熱交換器31の一方の熱媒体流入出口に達する。

【0246】
室外側熱交換器33は、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器33での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器33外へ出て、流路切換用弁37を経て圧縮機34に向う。一方、室外側熱交換器33での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0247】
室内側熱交換器31や室外側熱交換器33を出て圧縮機34に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機34により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機34を出た気相の熱媒体は、冷暖切換用弁93を経て、室内側熱交換器32の他方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0248】
この後、熱媒体は室内側熱交換器32内に戻り、前記同様に室内側熱交換器32から室内側熱交換器31と室外側熱交換器33にそれぞれ至り、さらに圧縮機34に達する各過程を繰返して、室内側熱交換器32での暖房と室内側熱交換器31での冷房を継続実行することとなる。

【0249】
(熱源が空気熱と地中熱の場合)
室内空間に対し冷房又は暖房を行う際に、熱源として室外の空気熱と地中熱を用いる場合、すなわち、室外側の凝縮器又は蒸発器として室外側熱交換器33と地中熱熱交換器38を共に用いる場合には、図16に示すように、室外側熱交換器33が膨張弁35cや各流路切換用弁36、37を通じて室内側熱交換器31、32に連通可能とされるのと同様に、地中熱熱交換器38も、膨張弁35dや各熱交換器切換用弁81、82を通じて、室内側熱交換器31、32に連通可能な状態に切り換える。

【0250】
例えば、一方の室内側熱交換器31を冷房に使用し、他方の室内側熱交換器32を暖房に使用し、冷房負荷が暖房負荷を上回る状態の場合、ヒートポンプシステムを作動させると、室内側熱交換器31が、蒸発器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と液相の熱媒体とを熱交換させる。この室内側熱交換器31での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室内側熱交換器31の他方の熱媒体流入出口から出て、冷暖切換用弁92を経て圧縮機34に向う。一方、室内側熱交換器31での熱交換で室内空気は冷却され、温度を下げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで低下させる(室内空間を冷却する)。

【0251】
また、別の室内空間で、室内側熱交換器32が、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室内空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、室内側熱交換器32での熱交換で室内空気は加熱され、温度を上げた状態で室内空間に放出され、室内温度を所望の温度まで上昇させる(室内空間を暖める)。

【0252】
室内側熱交換器32で凝縮して得られた液相の熱媒体は、室内側熱交換器32の一方の熱媒体流入出口から排出され、膨張弁35bに達する。膨張弁35bで液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。

【0253】
この膨張弁35bで圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁35bを出て、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35aを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、室内側熱交換器31の一方の熱媒体流入出口に達する。

【0254】
室内側熱交換器31を出て圧縮機34に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機34により加圧される。加圧された気相の熱媒体は、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機34を出た気相の熱媒体は、その一部が流路切換用弁36を経て室外側熱交換器22に導入され、別の一部が熱交換器切換用弁81を経て地中熱熱交換器38に導入される。また、熱媒体の残りが、冷暖切換用弁93を経て、室内側熱交換器32の他方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0255】
室外側熱交換器33は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器33での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0256】
室外側熱交換器33で温度を低下させた熱媒体は、室外側熱交換器33外に排出され、膨張弁35cに達する。この膨張弁35cで、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となった上で、膨張弁35cを出て、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35aを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、室内側熱交換器31の一方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0257】
この他、地中熱熱交換器38でも、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器38での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器38に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器38と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器38における熱交換が継続される間、繰り返される。

【0258】
地中熱熱交換器38で凝縮して得られた液相の熱媒体は、地中熱熱交換器38の一方の熱媒体流入出口から排出され、膨張弁35dに達する。膨張弁35dで液相の熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。

【0259】
この膨張弁35dで圧力や温度を低下させた液相の熱媒体は、膨張弁35dを出て、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35aを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、室内側熱交換器31の一方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0260】
この後、熱媒体は室内側熱交換器31内に戻り、前記同様に室内側熱交換器31から圧縮機34に至り、さらに圧縮機34から室内側熱交換器32、室外側熱交換器33、及び地中熱熱交換器38にそれぞれ達する各過程を繰返して、室内側熱交換器32での暖房と室内側熱交換器31での冷房を継続実行することとなる。

【0261】
(熱源を地中熱として除霜を行う場合)
室内側熱交換器31、32における暖房負荷が高く、室外側熱交換器33を蒸発器として作動させている場合において、室外の温度が低い場合、室外側熱交換器33の空気と熱交換する外面部分に着霜が生じることがある。こうした着霜時に対応する除霜運転状態について説明する。

【0262】
室外側熱交換器33において着霜を検出し、除霜を行う場合には、いったんヒートポンプを停止し、除霜運転状態に移行する。除霜を行うためには、図17に示すように、冷暖切換用弁91、92、93、94をいずれも閉とし、室内側熱交換器31、32を熱媒体が流通しない状態に切り換えると共に、流路切換用弁36、37を第一の流路接続状態、すなわち、弁36を開、弁37を閉として、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34出口と連通させる状態に切り換え、室外側熱交換器33が凝縮器として作動するようにする。さらに、熱交換器切換用弁81、82を第五の流路接続状態、すなわち、弁81を閉、弁82を開として、地中熱熱交換器38の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34入口と連通させる状態に切り換え、地中熱熱交換器38が蒸発器として作動するようにする。

【0263】
除霜運転を実行すると、地中熱熱交換器38では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器38での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器38に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器38と地中熱交換部50との間での循環は、地中熱熱交換器38における熱交換が継続される間、繰り返される。

【0264】
地中熱熱交換器38で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器38を出た後、熱交換器切換用弁82、及び熱媒体流路nを経て圧縮機34に向かう。
圧縮機34に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機34により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機34を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路o、流路切換用弁36を経て室外側熱交換器33に導入される。

【0265】
室外側熱交換器33は、凝縮器として、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とを熱交換させる。この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器33での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で室外側熱交換器を出ようとすることから、室外側熱交換器33表面の着霜部分は、この温度を上昇させた空気と接触して温められる。こうして温められる着霜部分では、最終的に霜が溶けて除霜状態となる。着霜部分を温めた後の空気は、外気中に排出される。

【0266】
室外側熱交換器33で凝縮した熱媒体は、室外側熱交換器33外に排出され、膨張弁35cに達する。この膨張弁35cで、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。そして、膨張弁35cを出た熱媒体は、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35dを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、地中熱熱交換器38の一方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0267】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器38内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器38での熱交換以降の各過程を繰返して、除霜を継続実行することとなる。
室外側熱交換器33における全ての着霜箇所で霜が溶け、除霜が完了したら、除霜運転状態から以前の室外側熱交換器33を蒸発器として用いる運転状態に復帰することができる。

【0268】
なお、上記のような熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、冷房や暖房運転を要しない時間帯に、地中から熱を奪うと共にその熱を室外空気に放出するサイクルとして運転を実行し、地中熱熱交換器38を凝縮器として作動させる運転に伴う熱放出で上昇した地中温度の回復や地中への冷熱の蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0269】
この地中温度の回復等のための運転は、前記除霜運転状態と同様に行えばよく、図17に示すように、冷暖切換用弁91、92、93、94をいずれも閉とし、室内側熱交換器31、32を熱媒体が流通しない状態に切り換えると共に、流路切換用弁36、37を第一の流路接続状態、すなわち、弁36を開、弁37を閉として、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34出口と連通させる状態に切り換え、室外側熱交換器33が凝縮器として作動するようにする。さらに、熱交換器切換用弁81、82を第五の流路接続状態、すなわち、弁81を閉、弁82を開として、地中熱熱交換器38の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34入口と連通させる状態に切り換え、地中熱熱交換器38が蒸発器として作動するようにする。

【0270】
運転を実行すると、地中熱熱交換器38では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で加熱された液相の熱媒体は昇温し、蒸発して気相に変化する。一方、地中熱熱交換器38での熱交換で熱交換用媒体は冷却され、温度を下げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中から熱を吸収して温度を上げた上で、あらためて地中熱熱交換器38に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器38と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中から熱を吸収することで、地中の温度を低下させることができる。

【0271】
地中熱熱交換器38で蒸発して得られた気相の熱媒体は、地中熱熱交換器38を出た後、熱交換器切換用弁82、及び熱媒体流路nを経て圧縮機34に向かう。
圧縮機34に達した高温気相の熱媒体は、圧縮機34により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機34を出た気相の熱媒体は、熱媒体流路o、流路切換用弁36を経て室外側熱交換器33に導入される。

【0272】
室外側熱交換器33では、ファン(図示を省略)で送風されて導入された室外空気と、気相の熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体はその温度を低下させ、凝縮して液相に変化する。一方、室外側熱交換器33での熱交換で室外空気は加熱され、温度を上げた状態で外気中に排出される。

【0273】
室外側熱交換器33で凝縮した熱媒体は、室外側熱交換器33外に排出され、膨張弁35cに達する。この膨張弁35cで、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。そして、膨張弁35cを出た熱媒体は、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35dを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、地中熱熱交換器38の一方の熱媒体流入出口へ向け進むこととなる。

【0274】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器38内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器38での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで低下したり、各室内空間に冷房又は暖房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて地中熱熱交換器38を凝縮器として用いる冷房又は暖房運転に移行する。

【0275】
また、同じく熱源に地中熱を用いる場合に対応して、夜間や室内に人がいない間など、冷房や暖房運転を要しない時間帯に、室外空気から熱を吸収すると共に、その熱を地中に放出するサイクルとして運転を実行し、地中熱熱交換器38を蒸発器として作動させる運転に伴う吸熱で低下した地中温度の回復や地中への蓄熱を積極的に図るようにすることもできる。

【0276】
この地中温度の回復等のための運転を行うためには、図18に示すように、冷暖切換用弁91、92、93、94をいずれも閉とし、室内側熱交換器31、32を熱媒体が流通しない状態に切り換えると共に、流路切換用弁36、37を第二の流路接続状態、すなわち、弁36を閉、弁37を開として、室外側熱交換器33の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34入口と連通させる状態に切り換え、室外側熱交換器33が蒸発器として作動するようにする。さらに、熱交換器切換用弁81、82を第四の流路接続状態、すなわち、弁81を開、弁82を閉として、地中熱熱交換器38の他方の熱媒体流入出口を圧縮機34出口と連通させる状態に切り換え、地中熱熱交換器38が凝縮器として作動するようにする。

【0277】
運転を実行すると、地中熱熱交換器38では、ポンプ(図示を省略)で加圧されて導入された熱交換用媒体と、熱媒体とが熱交換し、この熱交換で冷却された気相の熱媒体は温度を低下させ、一部は凝縮して液相に変化することとなる。一方、地中熱熱交換器38での熱交換で熱交換用媒体は加熱され、温度を上げた状態で地中熱交換部50に向かう。そして、熱交換用媒体は、地中熱交換部50で地中に熱を放出して温度を下げた上で、あらためて地中熱熱交換器38に還流する。こうした熱交換用媒体の地中熱熱交換器38と地中熱交換部50との間での循環は、運転継続の間繰り返され、熱交換用媒体が地中に熱を放出することで、地中の温度を上昇させることができる。

【0278】
地中熱熱交換器38で温度を低下させた熱媒体は、地中熱熱交換器26を出た後、膨張弁35dに達する。この膨張弁35dで、熱媒体は膨張し、圧力及び温度を低減させた状態となる。そして、膨張弁35dを出た熱媒体は、共通熱媒体流路mを通り、膨張弁35cを経てさらに圧力や温度を低下させた上で、室外側熱交換器33の一方の熱媒体流入出口に達する。

【0279】
室外側熱交換器33は、ファン(図示を省略)で送風されて導入される室外空気と熱媒体とを熱交換させる。この室外側熱交換器33での熱交換で加熱され、昇温に伴い蒸発して気相となった熱媒体は、この室外側熱交換器33外へ出て、流路切換用弁37を経て圧縮機34に向う。一方、室外側熱交換器33での熱交換で室外空気は冷却され、温度を下げた状態で外気中に排出される。

【0280】
室外側熱交換器33を出て圧縮機34に達した高温気相の熱媒体は、この圧縮機34により加圧され、圧力及び温度を増大させた状態となる。そして、圧縮機34を出た気相の熱媒体は、熱交換器切換用弁81を経て地中熱熱交換器38へ向け進むこととなる。

【0281】
この後、熱媒体は地中熱熱交換器38内に戻り、前記同様に地中熱熱交換器38での熱交換以降の各過程を繰返すこととなる。
地中温度が適切な温度まで上昇したり、各室内空間に冷房又は暖房を行う時間帯に至った場合には、この地中温度の回復等に係る運転を停止し、必要に応じて地中熱熱交換器38を蒸発器として用いる冷房又は暖房運転に移行する。

【0282】
このように、本実施形態に係るヒートポンプシステムにおいては、複数配設された室内側熱交換器31、32が冷房や暖房に係る熱交換に用いられる場合に、各切換用弁を用いて、各室内側熱交換器31、32や圧縮機34に対し、室外側熱交換器33のみを連通させ、熱源として空気熱のみを用いる状態と、室外側熱交換器33と地中熱熱交換器38をそれぞれ連通させて、熱源として空気熱と地中熱を用いる状態と、地中熱熱交換器38のみを連通させて、熱源として地中熱のみを用いる状態とを切り換えられることから、室内側熱交換器を複数用いるいわゆるマルチエアコン構成の場合でも、無理なく室外側熱交換器33と地中熱熱交換器38の一方又は両方を利用して冷凍サイクルやヒートポンプサイクルを構築して、効率よく冷房や暖房を行える状態が得られる。また、各切換用弁による流路接続調整で、熱媒体が室内側熱交換器31、32を通らずに圧縮機34、室外側熱交換器33、及び地中熱熱交換器38を循環する状態を生じさせることができ、室外側熱交換器33において熱交換器周囲への着霜状態に至った場合に、地中熱熱交換器38で熱媒体に取り入れた地中熱を室外側熱交換器33のみに導入するようにして除霜が実行可能となり、地中熱を利用して効率よく除霜を行って熱交換性能低下を回避できる。

【0283】
さらに、複数の室内側熱交換器31、32が室内に配設されるシステムにおける、室外にあらわれた熱媒体流路に対し、地中熱熱交換器38が熱交換機切換用弁81、82を介して連通状態を切換可能として接続されることから、システムの室外部分に地中熱熱交換器38を利用するための熱媒体回路を無理なく適切に組み込んで、地中熱熱交換器38に熱媒体を流通させて地中熱を熱源として利用できる状態が、システムを構成する既存の室内外の各機器の構成を変えることなく得られることとなり、地中熱を利用可能とする構成部分を低コストで設置可能となり、地中熱を利用するシステムをより容易に導入できる。

【0284】
なお、前記第1ないし第3の各実施形態に係るヒートポンプシステムにおいて、熱交換器切換用弁やバイパス切換用弁、冷暖切換用弁、一部の流路切換用弁(36、37)としては、弁の開閉で熱媒体の流通状態と流通停止状態とを切り換える単純な弁装置を用い、こうした弁装置を複数組み合わせて配置することで、複数流路間の接続関係を切り換えられるようにしているが、これに限られるものではなく、前記各切換用弁として、三方弁や四方弁等の切換弁を用いるようにすることもでき、複数の弁が担っていた機能を一つの弁に集約して、弁設置数低減や、熱媒体流路配置の単純化が図れることとなる。
【符号の説明】
【0285】
1、2、3 ヒートポンプシステム
11、21、31、32 室内側熱交換器
12、22、33 室外側熱交換器
13、23、34 圧縮機
14、24 膨張弁
15、25、36、37 流路切換用弁
16、26、38 地中熱熱交換器
17、27 バイパス流路
28 補助膨張弁
50 地中熱交換部
61、62、63、64 熱交換器切換用弁
65、66、67、68 熱交換器切換用弁
71、72、73、74 バイパス切換用弁
75、76、77 バイパス切換用弁
81、82 熱交換器切換用弁
91、92、93、94 冷暖切換用弁
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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