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明細書 :カチオン性グルカンナノスフェア、複合体、核酸導入剤及びがん治療剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-160199 (P2017-160199A)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明の名称または考案の名称 カチオン性グルカンナノスフェア、複合体、核酸導入剤及びがん治療剤
国際特許分類 A61K   9/14        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12N  15/113       (2010.01)
A61K  47/36        (2006.01)
A61K  31/711       (2006.01)
A61K  31/7105      (2006.01)
A61K  31/713       (2006.01)
A61K  31/7088      (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61K  48/00        (2006.01)
A61K  47/18        (2006.01)
A61K  47/34        (2017.01)
A61K  47/28        (2006.01)
FI A61K 9/14
C12N 15/00 ZNAA
C12N 15/00 G
A61K 47/36
A61K 31/711
A61K 31/7105
A61K 31/713
A61K 31/7088
A61P 35/00
A61K 48/00
A61K 47/18
A61K 47/34
A61K 47/28
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2017-043500 (P2017-043500)
出願日 平成29年3月8日(2017.3.8)
優先権出願番号 2016044133
優先日 平成28年3月8日(2016.3.8)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】秋吉 一成
【氏名】竹田 茂生
【氏名】澤田 晋一
【氏名】佐々木 善浩
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C076
4C084
4C086
Fターム 4C076AA29
4C076AA95
4C076CC27
4C076DD49
4C076DD70
4C076EE25
4C076EE26
4C076EE30
4C076EE30A
4C076EE38
4C076EE38A
4C084AA13
4C084MA43
4C084NA13
4C084ZB261
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA43
4C086NA13
4C086ZB26
要約 【課題】効率的に核酸を細胞内に導入する技術を提供する。
【解決手段】多価塩基性化合物で球状構造を有するグルカンデンドリマー(GD)を修飾してなり、前記多価塩基性化合物がスペルミジン、スペルミン、ジエチルアミノエチルアミン(DEAE)、ポリ塩基性アミノ酸及びポリエチレンイミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、カチオン性グルカンナノスフェア。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
多価塩基性化合物で球状構造を有するグルカンデンドリマー(GD)を修飾してなり、前記多価塩基性化合物がスペルミジン、スペルミン、ジエチルアミノエチルアミン(DEAE)、ポリ塩基性アミノ酸及びポリエチレンイミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、カチオン性グルカンナノスフェア。
【請求項2】
多価塩基性化合物がスペルミン又はスペルミジンである、請求項1に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
【請求項3】
疎水性基でさらに修飾された、請求項1又は2に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
【請求項4】
疎水性基がコレステリル基または炭素数6~18のアルキルカルボニル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のカチオン性グルカンナノスフェアと核酸との複合体。
【請求項6】
核酸がDNA,RNA,プラスミド、siRNA、miRNA又はアンチセンス核酸である、請求項5に記載の複合体。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のカチオン性グルカンナノスフェアからなる核酸導入剤。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の複合体を有効成分とするがん治療剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン性グルカンナノスフェア、複合体、核酸導入剤及びがん治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在化学合成によって得られる低分子薬剤が医薬品として広く用いられているが、標的指向性の低さや副作用といった問題から新規薬剤の開発が求められている。タンパク質や合成ペプチドが新たな医薬として期待されるが、分子の安定性や合成コストなどの問題点も有している。そこで注目されているのがプラスミドDNAやsiRNA (small interfering RNA)と呼ばれる核酸医薬である。核酸は合成が比較的安価であること、また塩基配列を特異的に認識するといった利点を有している。しかし、ほかの薬剤と同様に生体内での安定性が課題であり、目的の場所に核酸を輸送するキャリアの開発が求められる。
【0003】
両親媒性高分子は、水中でその疎水基が疎水性相互作用により会合し自己組織化することで粒子を形成する。近年、ナノサイズの高分子ゲルは医療、バイオテクノロジーなど色々な分野から注目されている(特許文献1)。
【0004】
また、デンプンから酵素反応によって合成される環状の分岐状グルカン(GD)に対して、複数の非還元末端にグルコサミンを導入したアミノ糖含有グルカンが合成され、核酸との複合体形成が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2008-056638
【特許文献2】WO2012/060110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、効率的に核酸を細胞内に導入する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のカチオン性グルカンナノスフェア、複合体、核酸導入剤及びがん治療剤を提供するものである。
項1. 多価塩基性化合物で球状構造を有するグルカンデンドリマー(GD)を修飾してなり、前記多価塩基性化合物がスペルミジン、スペルミン、ジエチルアミノエチルアミン(DEAE)、ポリ塩基性アミノ酸及びポリエチレンイミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、カチオン性グルカンナノスフェア。
項2. 多価塩基性化合物がスペルミン又はスペルミジンである、項1に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
項3. 疎水性基でさらに修飾された、項1又は2に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
項4. 疎水性基がコレステリル基または炭素数6~18のアルキルカルボニル基である、項1~3のいずれか1項に記載のカチオン性グルカンナノスフェア。
項5. 項1~4のいずれかに記載のカチオン性グルカンナノスフェアと核酸との複合体。
項6. 核酸がDNA,RNA,プラスミド、siRNA、miRNA又はアンチセンス核酸である、項5に記載の複合体。
項7. 項1~4のいずれかに記載のカチオン性グルカンナノスフェアからなる核酸導入剤。
項8. 項5又は6に記載の複合体を有効成分とするがん治療剤。
【発明の効果】
【0008】
グルカンデンドリマー(GD)にカチオン性基(多価塩基性化合物で修飾することによりGDに導入された多価塩基性基)と必要に応じてさらに疎水性基を導入した本発明のカチオン性グルカンナノスフェアは、核酸(DNA、RNA)と複合体を形成することができ、細胞への核酸の導入剤として優れている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】カチオン性GDと核酸の相互作用
【図2】DEAE置換GDの構造式
【図3】スペルミン置換GDの構造式
【図4】DEAE置換GDとsiRNAとの複合体の電気泳動図
【図5】スペルミン置換GDとsiRNAとの複合体の電気泳動図
【図6】DEAE誘導体と核酸の複合体サイズ
【図7】スペルミン誘導体と核酸の複合体サイズ
【図8】siRNA/DEAE置換GD複合体添加後のVEGF mRNAの相対量
【図9】siRNA/スペルミン置換GD複合体添加後のVEGF mRNAの相対量
【図10】細胞に取り込まれたsiRNAの平均蛍光強度
【図11】エンドサイトーシス阻害剤添加時の平均蛍光強度
【図12】GD15-speおよびCHP-speによるpGL3複合化
【図13】CHGD-speおよびC12GD-speによるpGL3複合化
【図14】pGL3とGD15-speの複合体サイズ
【図15】pGL3デリバリー後のルシフェラーゼ発光量
【図16】siRNA/カチオン性GD複合体投与後のマウス体重変化
【図17】siRNA/カチオン性GD複合体投与後の腫瘍サイズ変化
【図18】siRNA/カチオン性GD複合体投与20日目の担癌マウスの写真
【図19】siRNA/カチオン性GD複合体投与20日後の摘出腫瘍重量
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で使用する球状構造を有するグルカンデンドリマー(GD)は、デンプンの部分分解物から3種類の酵素(branching enzyme, sucrose phosphorylase, α-glucan phosphorylase) により合成することができる。得られたGDは、α-1,4:α-1,6-グルカン である。GDは極めて分岐性が高く、糖鎖密度の高い球状構造の単分散なナノ粒子を形成し、水への溶解性が高い。GDは、酵素反応の条件を制御することにより分子量、サイズの異なる粒子の形成が可能である。

【0011】
本発明のカチオン性グルカンナノスフェアの直径は、好ましくは1~200nm程度、より好ましくは2~100nm程度、さらに好ましくは3~80nm程度、特に好ましくは5~60nm程度である。

【0012】
本発明のカチオン性グルカンナノスフェアは、疎水性有機基で修飾されていてもよい。疎水性有機基としては、R、COR又はCONHRで表される基(Rは炭素数8~20の直鎖又は分枝を有するアルキル基、炭素数8~20の直鎖又は分枝を有するアルケニル基又はコレステリル基である)が挙げられる。疎水性有機基(R、COR又はCONHR)による修飾は、GDを構成するグルコース残基のOH基と疎水性有機基がエーテル結合(OR)、エステル結合(OCOR)、ウレタン結合(OCONHR)を形成することで行われる。

【0013】
炭素数8~20の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アイコシル、イソステアリルなどが挙げられる。

【0014】
炭素数8~20の直鎖又は分枝を有するアルケニル基としては、オクテニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、パルミトオレイル、オレイルなどが挙げられる。

【0015】
疎水性有機基により修飾されたGDは、GDとハロゲン化合物(R-Cl、R-Br、R-Iなど)、酸ハロゲン化物(Cl-COR、Br-CORなど)、イソシアネート化合物(R-NCO、或いはジイソシアネート化合物とROHの反応生成物)を適当な非プロトン性溶媒中で必要に応じて塩基の存在下に0℃から溶媒の沸点程度の温度で1~24時間程度反応させることにより得ることができる。非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ピリジン、アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、塩化メチレン、ジオキサン、N-メチルピロリドンなどが挙げられ、これらを単独或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属水素炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。

【0016】
GDは、グルコースから構成されている。疎水性有機基は、好ましくはグルコース100ユニットあたり0.01~50個、より好ましくは0.1~10個、さらに好ましくは0.2~5個、特に0.3~3個含む。疎水性基を有するGDは、細胞内への核酸の導入効率が高くなるために好ましい。

【0017】
更に、GDおよび疎水性基によって修飾されたGDは多価塩基性基によって修飾されて、本発明のカチオン性グルカンナノスフェアになる。

【0018】
多価塩基性化合物は、酸性条件下で3価以上のカチオン性基を形成できればよく、例えばスペルミジン、スペルミン、ジエチルアミノエチルアミン(DEAE)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリリジン、ポリアルギニンなどのポリ塩基性アミノ酸(塩基性アミノ酸はリジン又はアルギニンであり、塩基性アミノ酸の数は3個以上、例えば3~20個、好ましくは3~15個、より好ましくは4~10個である。)などが挙げられ、スペルミジン、スペルミン、ポリリジン、ポリアルギニンが好ましく、スペルミジン、スペルミンがより好ましく、スペルミンが最も好ましい。多価塩基性基は、好ましくはグルコース100ユニットあたり1~100個、より好ましくは3~80個、さらに好ましくは5~60個、特に6~40個含む。多価塩基性基が多いと多数の核酸(例えばsiRNA)或いは分子量の大きな核酸(例えばプラスミド)と複合体を形成することができ、核酸の導入効率が向上するが、グルコース100ユニットあたりの多価塩基性基の数が多すぎると細胞毒性が高くなる傾向にある。

【0019】
本発明のカチオン性グルカンナノスフェアと核酸の相互作用を模式的に図1に示す。

【0020】
本発明の複合体は、カチオン性グルカンナノスフェアと核酸との複合体である。核酸としては、DNA,RNAが挙げられる。核酸としては、具体的には、アンチセンス核酸、プラスミド、遺伝子構築物、siRNA、miRNA、shRNA、dsRNAなどが挙げられる。好ましい核酸はプラスミド、siRNAであり、siRNAがより好ましい。核酸のリン酸残基数(P)と多価塩基性基の数(C)の比は、P/C=0.5~5程度、好ましくは0.6~3程度、より好ましくは0.7~2程度、さらに好ましくは0.8~1.5程度である。P/Cは1前後であるのが最も好ましい。複合体におけるカチオン性グルカンナノスフェア数と核酸数の比は、1:10~10:1程度、好ましくは1:5~5:1程度である。複合体におけるトータルの陽電荷の総数(+)と陰電荷の総数(-)の比(+/-)は、+/-=0.5~30程度、好ましくは0.8~20程度、より好ましくは1~15程度、より好ましくは1.2~10程度、さらに好ましくは1.5~8程度である。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
【実施例】
【0022】
なお、実施例では以下の試薬及び略号を用いた。
・Spe:スペルミン
・CH:コレステリル基又はコレステロール
・CHGD(コレステリル基で修飾されたGD:コレステリル基は、ヘキサンジイソシアネートを用いてGDのOH基とコレステロールのOH基が2つのウレタン結合(-OCONH(CHNHCOO-)で結合したもの。)
・CHP(コレステリル基で修飾されたプルラン:コレステリル基は、ヘキサンジイソシアネートを用いてプルランのOH基とコレステロールのOH基が2つのウレタン結合(-OCONH(CHNHCOO-)で結合したものである。)
・C12GD(ドデシル基で修飾されたGD;ドデシル基は、ドデシルイソシアネートを用いてウレタン結合でGDのOH基と結合したものである。)
【実施例】
【0023】
製造例1
1. DEAE 置換GD の合成
1-1. 試薬
・GD15 (分子量Mw22万 サイズ15nm )
・CHP1.2 (コレステリル基 : 1.2 個/100 単糖)
・CHGD15 (コレステリル基: 1.9 個/100 単糖)
・C12GD15 (ドデシル基 : 3.2 個/100 単糖)
・1,1’-carbonyl diimidazole (CDI) (SIGMA)
・N,N-diethylethylenediamine (DEAE) (Aldrich)
・DMSO (超脱水) (WAKO)
以下において、CHGD15を「CHGD」と略すことがあり、C12GD15を「C12GD」と略すことがあり、CHGD15-DEAEを「CHGD-DEAE」と略すことがあり、C12GD15-DEAEを「C12GD-DEAE」と略すことがあり、CHGD15-speを「CHGD-spe」と略すことがあり、C12GD15-speを「C12GD-spe」と略すことがある。
【実施例】
【0024】
1-2. 方法
GD15、CHP、CHGD15、C12GD15 を表 1 の重量比で脱水DMSO にN2 下で溶解し、CDI を32/100単糖の割合で添加した。室温で3 時間反応後、DEAEをCDI の10 倍量添加しさらに24 時間反応した。反応後純水で透析(MWCO : 3,500)、精製し、凍結乾燥により合成物を得た。合成物は1H NMR でDEAE の置換率を算出した(10 mg/mL in D2O)。
【実施例】
【0025】
【表1】
JP2017160199A_000003t.gif
【実施例】
【0026】
1-3. 結果および考察
上記方法によって、GD15-DEAE は1043 mg、CHP-DEAE は1203 mg、CHGD-DEAE は183 mg、C12GD-DEAE は217 mg回収できた。各誘導体のDEAE置換率を表2 に示し、DEAE置換GDの構造式を図3に示した。
【実施例】
【0027】
【表2】
JP2017160199A_000004t.gif
【実施例】
【0028】
2. スペルミン置換GD の合成
2-1. 試薬
・GD15 (分子量Mw22万 サイズ15nm)
・CHP1.2 (コレステリル基 : 1.2 個/100 単糖)
・CHGD15 (コレステリル基: 1.9 個/100 単糖)
・C12GD15 (ドデシル基 : 3.2 個/100 単糖)
・1,1’-carbonyl diimidazole (CDI) (SIGMA)
・spermine (Aldrich)
・DMSO (超脱水) (WAKO)
【実施例】
【0029】
2-2. 方法
GD15、CHP、CHGD15、C12GD15 を表3 の重量比で脱水DMSO にN2 下で溶解し、CDI を32/100単糖で添加した。室温でCHP は3 時間、GD は5 時間反応後、スペルミンをCDI の10 倍量添加しさらに24 時間反応した 。反応後純水で透析(MWCO : 3,500)、精製し、凍結乾燥により合成物を得た。合成物は1H NMR でスペルミンの置換率を算出した(10 mg/mL in D2O)。
【実施例】
【0030】
【表3】
JP2017160199A_000005t.gif
【実施例】
【0031】
2-3. 結果および考察
上記方法によって、GD15-spe は1043 mg、CHP-spe は1203 mg、CHGD-spe は183 mg、C12GD-spe は217 mgを得た。各誘導体のスペルミン置換率を表4に示し、スペルミン置換GDの構造式を図3に示す。
【実施例】
【0032】
【表4】
JP2017160199A_000006t.gif
【実施例】
【0033】
試験例1
1. 合成物の物性評価
合成したDEAE 置換GD とスペルミン置換GD の粒径(動的光散乱法DLS)とζ ポテンシャルを測定した。
1-1. 測定サンプルと試薬
・GD15-DEAE
・CHP-DEAE
・CHGD-DEAE
・C12GD-DEAE
・GD15-spe
・CHP-spe
・CHGD-spe
・C12GD-spe
・PBS (gibco)
【実施例】
【0034】
1-2. 測定方法
DEAE 誘導体およびスペルミン誘導体をそれぞれ2 mg/mL でPBS に溶解し、超音波、遠心(20,000G)、フィルター(0.22 μm, PVDF)処理を行い、粒径とζ ポテンシャルを測定した。
【実施例】
【0035】
1-3. 結果および考察
DEAE置換GDおよびスペルミン置換GDのサイズおよびζ ポテンシャルを表5、 表6 に示す。アミノ基を3 つ持つスペルミン置換GDのほうが正電荷が強く、いずれも比較的単分散な粒子であることがわかった。
【実施例】
【0036】
【表5】
JP2017160199A_000007t.gif
【実施例】
【0037】
【表6】
JP2017160199A_000008t.gif
【実施例】
【0038】
試験例2
・カチオン性GDによるsiRNA複合化
DEAE置換GDおよびスペルミン置換GDを用いてsiRNAとの複合化を行い、電気泳動による複合化の確認を行った。
【実施例】
【0039】
1-1. 試薬
・GD15-DEAE
・CHP-DEAE
・CHGD-DEAE
・C12GD-DEAE
・GD15-spe (spe : 25個/100単糖)
・CHP-spe (コレステリル基 : 1.2個/100単糖, spe : 23個/100単糖)
・CHGD-spe (コレステリル基: 1.9個/100単糖, spe : 33個/100単糖)
・C12GD-spe (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, spe : 22個/100単糖)
・siRNA
・PBS(gibco)
・SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain (TAKARA)
【実施例】
【0040】
1-2. 方法
GD15-DEAE、CHP-DEAE、CHGD-DEAE、C12GD-DEAEを20 mg/mLでPBSに溶解し、超音波、遠心(20,000G)、フィルター(0.22 μm, PVDF)処理を行った。DEAE1分子をC、siRNAの1塩基をPとしてC/P比を0.5から32になるように室温で30 min混合した (siRNA = 0.3 μg)。複合体にloading bufferを添加して2% アガロースゲルにアプライし、100Vで15 min電気泳動した。ゲルをSYBR Greenで10 min染色しLASで測定した。
【実施例】
【0041】
1-3. 結果および考察
ゲル電気泳動の結果を図4、図5に示す。いずれもC/P比が1以下ではフリーのsiRNAがみられたが、C/P比が高くなるとDEAE置換GDおよびスペルミン置換GDとsiRNAとの複合化が観察された。
【実施例】
【0042】
2. 核酸複合体のサイズ測定
2-1. 測定方法
DEAE置換GDとスペルミン置換GDそれぞれ4 種類を20 mg/mL 溶液として用いた。陰性対照としてsiRNA とナノゲル(CHP-DEAE、CHP-spe)を混合し、DLS測定を行った(ナノゲル終濃度 = 1 mg/mL)。
【実施例】
【0043】
2-2. 結果および考察
C/P 比を変化させたときの複合体サイズを図6,図7に示す。カチオン性ナノゲル(CHP-DEAE)とアニオン性のsiRNA を混合すると中性付近で凝集体を形成し、CHP-DEAEの複合体 サイズが大きくなった。一方、DEAE置換GDおよびスペルミン置換GD ではほとんど複合体サイズの変化が見られなかったことから、siRNAとの複合体はいずれも安定な微粒子を形成していると考えられる。
【実施例】
【0044】
3. カチオン性GDによるsiRNAデリバリー
3-1. siRNAデリバリーによるRNA干渉評価
カチオン性GDを用いた、細胞内へのsiRNAデリバリー実験において、siRNAの標的となるmRNAのノックダウン効率を評価した。
【実施例】
【0045】
3-1-1. 試薬
・GD15-DEAE (DEAE : 13個/100単糖)
・CHP-DEAE (コレステリル基 : 1.2個/100単糖, DEAE : 29個/100単糖)
・CHGD-DEAE (コレステリル基: 1.9個/100単糖, DEAE : 8個/100単糖)
・C12GD-DEAE (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, DEAE : 11個/100単糖)
・GD15-spe (spe : 25個/100単糖)
・CHP-spe (コレステリル基 : 1.2個/100単糖, spe : 23個/100単糖)
・CHGD-spe (コレステリル基: 1.9個/100単糖, spe : 33個/100単糖)
・C12GD-spe (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, spe : 22個/100単糖)
・ReverTraAce (東洋紡)
・VEGF siRNA(VEGFをコードするmRNAを標的とする siRNA (Invitrogen))
・Alexa488-siRNA(蛍光標識したsiRNA)
・Universal Probe Library #12 (Roche)
・18S rRNA Probe (FAM-atccattggagggcaagtctggtgc-BHQ)
・VEGFA Fw (gcagcttgagttaaacgaacg)
・VEGFA Rv (ggttcccgaaaccctgag)
・18S rRNA Fw (atgagtccactttaaatcctttaacga)
・18S rRNA Rv (ctttaatatacgctattggagctggaa)
・Light Cycler 480 Probes Master (Roche)
・AllStars Neg. siRNA AF488 (QIAGEN)
・Maxwell RSC simply RNA Cells
【実施例】
【0046】
3-1-2. 方法
DEAE誘導体4種類およびスペルミン誘導体4種類の20 mg/mL溶液を用いた。マウスVEGF siRNAをRNase freeの水に溶解し、DEAE誘導体ではC/P = 4, 8, 16、スペルミン誘導体ではC/P = 2, 4, 8で複合化を行った(siRNA = 50 pmol)。室温で30分間複合化を行い、RPMI培地990 μLと混合し培地を交換した。37℃で24時間トランスフェクションした。
【実施例】
【0047】
トランスフェクション後に培地を除き、Maxwell RSC simply RNA Cellsキットを用いて全RNAを抽出した。NanoDropでRNAの濃度を測定し、水で100 ng/μLに希釈した。このRNA水溶液と逆転写試薬キットReverTraAceとを混合し、37℃15min、95℃1min、4℃でPCRを行いcDNAを合成した。マウスRNAのうちノックダウンを行うVEGF mRNAとハウスキーピング遺伝子である18S rRNAの配列を用い、これを96wellプレートに添加しTaqManプローブ法でRealTime-PCRを行った。ノックダウンの効率は18S rRNAの量に対するVEGF RNAの産生量を相対的に評価した。
【実施例】
【0048】
3-1-3. 結果および考察
DEAE誘導体におけるノックダウン効率を図8に、スペルミン誘導体におけるノックダウン効率を図9に示す。DEAE誘導体では細胞内への送達効率が低いためノックダウンはほとんど見られなかった。一方、スペルミン誘導体はいずれも顕著なノックダウンが見られ、特に疎水性基を導入したスペルミン誘導体(CHGD-spe、C12GD-spe)は効率よくRNA干渉を示し、VEGF mRNAに対する高いノックダウン効率が見られた。
【実施例】
【0049】
3.2. siRNA複合体の細胞取り込み挙動(フローサイトメトリー)
蛍光標識したsiRNA(Alexa488-siRNA)を用いて、DEAE誘導体とスペルミン誘導体による細胞内への取り込み量をフローサイトメーターにより評価した。
【実施例】
【0050】
3-2-1. 方法
DEAE誘導体4種類とスペルミン誘導体4種類のそれぞれ20 mg/mL溶液を用いた。Alexa488-siRNAをRNase freeの水に溶解し、ナノゲルとC/P = 4で複合化を行った(siRNA = 50 pmol)。複合体を上と同じ条件で細胞に添加し、t=24 hにおいてフローサイトメトリーで測定した。
【実施例】
【0051】
3-2-2. 結果および考察
スペルミン誘導体およびDEAE誘導体により細胞内に取り込まれた蛍光標識したsiRNAの平均蛍光強度を図10に示す。スペルミン誘導体(GD-spe、CHGD-spe、C12GD-spe)はいずれも効率よくsiRNAを細胞に導入した。DEAE誘導体では取り込み効率が低いことがわかった。
【実施例】
【0052】
スペルミン誘導体およびDEAE誘導体のノックダウン効率の結果(図9)および取込み効率の結果(図10)より、siRNAの細胞内導入量とノックダウン効率とは良い相関があることがわかった。
【実施例】
【0053】
3.3. siRNA/GD複合体のエンドサイトーシス経路の特定
細胞導入におけるエンドサイトーシス経路を調べるために阻害実験を行った。
【実施例】
【0054】
3-3-1. 試薬
・C12GD-spe (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, spe : 22個/100単糖)
・AllStars Neg. siRNA AF488 (QIAGEN)
・Renca cell
・RPMI1640 (Gibco)
・Chlorquine (WAKO)
・Methyl-β-cyclodextrin (WAKO)
・Cytochalasin D (WAKO)
・Chlorpromazine (WAKO)
・EIPA (sigma)
・PBS (Gibco)
・Stain buffer
【実施例】
【0055】
3-3-2. 実験
C12GD-speをPBSに溶解し、蛍光標識siRNA(Alexa488-siRNA)とC/P=4で複合化した (siRNA = 25 pmol, total 50 μL)。Renca細胞を4×104 cells/wellになるようにガラスベースディッシュに播種し、37°C, 5% CO2下で約20 h前培養を行った。エンドサイトーシス阻害剤として、chlorquine、methyl-β-cyclodextrin、cytochalasin D、chlorpromazine、EIPAをPBSに溶解した。前培養した細胞に、[chlorquine] = 50 μM、[methyl-β-cyclodextrin] = 5 mM、[cytochalasin D] = 5 μM、[chlorpromazine] = 50 μM、[EIPA] = 50 μMとなるように添加し、30分間インキュベートした。RPMI 1 mLで2回洗浄後、RPMI 950 μLとsiRNA複合体50 μLを混合し細胞に加え4時間複合化し、フローサイトメトリーで測定した。
【実施例】
【0056】
3-3-3. 結果と考察
阻害剤を加えた細胞のポジティブコントロールに対する蛍光強度の低下を図11に示す。GDの原料と同じくsiRNA複合体でもmethyl-β-CDで取り込み阻害が起こったことから、細胞内取り込みのエンドサイトーシス経路はカベオラエンドサイトーシスであることが示唆された。これはsiRNAとの複合化でも粒径が小さいことに起因すると考えられる。
【実施例】
【0057】
試験例3
1. カチオン性GDによるプラスミドDNA複合化
スペルミン置換GDを用いてプラスミドDNA(pGL3)の複合化実験を行った。
【実施例】
【0058】
1-1. 電気泳動による複合化確認
1-1-1. スペルミン置換GDと試薬
・GD15分子量Mw22万 サイズ15nm
・GD15-spe (spe : 25個/100単糖)
・CHP-spe (コレステリル基 : 1.2個/100単糖, spe : 23個/100単糖)
・CHGD-spe (コレステリル基: 1.9個/100単糖, spe : 33個/100単糖)
・C12GD-spe (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, spe : 22個/100単糖)
・PBS(gibco)
・pGL3-Control Vector (Promega)
【実施例】
【0059】
1-2. 複合体検出方法
GD15-spe、CHP-spe、CHGD-spe、C12GD-speをPBSに溶解し、超音波、遠心(20,000G)、フィルター(0.22μm, PVDF)処理を行った。スペルミン1分子をC、プラスミド(pGL3)の1塩基をPとして、混合比(C/P比)が0.125から8になるようにプラスミド(pGL3 = 0.2 μg)とスペルミン置換GDを室温で30 min混合した。複合体にloading bufferを添加して2% アガロースゲルにアプライし、100Vで30 min電気泳動した。ゲルをSYBR Goldで40 min染色しLASで測定した。
【実施例】
【0060】
1-3. 結果および考察
電気泳動の画像を図12、図13に示す。スペルミン置換GDはいずれもC/P=1以上で複合体を形成していることが分かった。
【実施例】
【0061】
2. カチオン性GDとプラスミドDNA複合体のサイズ
2-1. 測定方法
GD15-speを水に溶解し、プラスミド(pGL3)とC/P=0.5~32で複合化した(GD-spe = 1 mg/ mL)。室温30分間静置後動的光散乱法DLSで粒径を測定した。
【実施例】
【0062】
2-2. 結果および考察
pGL3とGD15-speの複合体のDLS結果を図14に示す。従来のカチオン性CHPと同様にC/P=1付近の複合体で凝集体を形成することが分かった。これはプラスミドDNAがsiRNAに比べて大きいため、GD-speの粒子を介して凝集してしまっていると考えられる。C/P=4以上では比較的サイズの小さい安定な複合体が形成された。
【実施例】
【0063】
3. カチオン性GDによるプラスミドDNAデリバリー
スペルミン置換GDを用いて遺伝子のトランスフェクション実験を行った。ルシフェラーゼの遺伝子を含むプラスミドを用い、ルシフェラーゼタンパク質の発現をその酵素活性としてルシフェラーゼ発光量を測定して評価した。
【実施例】
【0064】
3-1. スペルミン置換GDと試薬
・GD15-spe (spe : 25個/100単糖)
・CHP-spe (コレステリル基 : 1.2個/100単糖, spe : 23個/100単糖)
・CHGD-spe (コレステリル基: 1.9個/100単糖, spe : 33個/100単糖)
・C12GD-spe (ドデシル基 : 3.2個/100単糖, spe : 22個/100単糖)
・pGL3 (大腸菌合成)
・Lipofectamine 2000
・COS7 cell
・DMEM (10% FBS, Gibco)
・PBS (Gibco)
・Glo-lysis
・Bright-glo
・BCA Protein assay kit
【実施例】
【0065】
3-2. 測定方法
COS7細胞を4×104 cells/wellになるように12wellプレートに播種し、37℃, 5% CO2下で約20 h前培養を行った。スペルミン誘導体をPBSに溶解し、pGL3とC/P=4, 8で複合化した (pGL3 = 1 μg, total 50 μL)。前培養した細胞の培地を除きOptiMEM 950 μLとプラスミド複合体50 μLを添加し、2時間インキュベートした。RPMIで2回洗浄後、RPMI 1 mLを細胞に加え22時間培養した。培地を取り除きGlo-lysis 200 μLで細胞を溶解し、BCAアッセイでタンパク質濃度を、Bright-Gloでルシフェラーゼ発現量を測定した。
【実施例】
【0066】
3-3. 結果および考察
スペルミン置換GDによる、細胞へのプラスミド導入後のルシフェラーゼ発光量を図15に示す。GD15-speとC12GD-speにおいて、PEI系よりも高いルシフェラーゼの発現がみられ、スペルミン置換GDとプラスミドとの複合体形成により、プラスミドが効率的に細胞に送達されたことが明らかになった。
【実施例】
【0067】
試験例4
1. カチオン性GD によるsiRNAデリバリーに基づく担癌マウスの治療実験
siRNAのデリバリーキャリアとしてカチオン性GDを用い、担癌マウスの治療実験を行った。カチオン性GDはドデシル基を有するスペルミン置換GDであるC12GD-speおよびドデシル基を有さないGD15-speを選択し、siRNAはVEGFをコードするmRNAを標的とするsiRNA(siVEGF)およびネガティブコントロールとしてのsiNegaを選択した。2種類のスペルミン置換GDと2種類のsiRNAの組合せからなる4種類のsiRNA/カチオン性GD複合体を担癌マウスに投与することにより、治療実験を行った。
【実施例】
【0068】
1-1. 担癌マウスの作製
1-1-1. 試薬
・BALB/C :19匹 (メス、7-9週齢)
・Renca細胞 (マウス腎ガン細胞)
・RPMI 1640 (10% FBS, 100 μg/mL streptomycin, 100 U/mL penicillin)
【実施例】
【0069】
1-1-2. 担癌マウスの作製実験
BALB/Cマウス19匹の背部を剃毛し、Renca細胞1.0×106 cellsを皮下移植した。腫瘍形成を観察しながら、腫瘍が平均で50 mm3となるまで成長させた。腫瘍サイズの測定はノギスを用いて、長径をA (mm)、短径をB (mm)とし(A2×B)/2の計算式を用いて測定した。
【実施例】
【0070】
1-2. カチオン性GDによるVEGF mRNA標的siRNA (siVEGF)の局所投与
1-2-1. 試薬
・担癌マウス : 19匹
・VEGF mRNA標的siRNA (siVEGF, macrogen)
・Negative control siRNA (siNega, invitrogen)
・C12GD-spe
・GD15-spe
【実施例】
【0071】
1-2-2. siRNA投与実験
C12GD-speおよび GD15-speを水に溶解し、siVEGFおよびsiNegaとそれぞれC/P=8で混合し、それぞれsiRNA/カチオン性GD複合体(siVEGF/ C12GD-spe、siNega/ C12GD-spe、siVEGF/ GD15-spe、siNega/ GD15-spe、)とした。マウス一匹あたりsiRNA 20 μg(50 μL)を、t = 0, 4, 8, 12, 16dayで腫瘍に5回局所投与した。投与群(A~F)を表7に示す。体重および腫瘍サイズをt = 0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20dayで測定した。20日後に安楽死させ、血液採取・腫瘍摘出・脾臓摘出を行った。摘出した腫瘍は重量を測定し凍結保存を行った。
【実施例】
【0072】
【表7】
JP2017160199A_000009t.gif
【実施例】
【0073】
1-2-3. 結果と考察担癌マウスにsiRNA/カチオン性GD複合体を投与したときの体重変化を図16に、腫瘍サイズの変化を図17に、担癌マウスの写真を図18に、投与20日後に摘出した腫瘍の重量を図19に示した。
【実施例】
【0074】
図16から、siRNAとカチオン性GD複合体を投与しても体重は減少せず、毒性は観察されなかった。
【実施例】
【0075】
図17、図18から、VEGFをコードするmRNAを標的とするsiRNA (siVEGF)と2種類のカチオン性GD複合体(siVEGF/C12GD-spe、siVEGF/GD15-spe)を投与した群では腫瘍サイズの増加が抑制されており、抗腫瘍効果が見られた。ネガティブコントロールとしてのsiRNA(siNega)とカチオン性GD複合体を投与した群では腫瘍サイズの抑制はなく、経時的に増加した。
【実施例】
【0076】
また、図19から、siVEGFとカチオン性GD複合体(siVEGF/C12GD-spe、siVEGF/GD15-spe)を投与した群とネガティブコントロールとしてのカチオン性GD複合体(siNega/C12GD-spe、siNega/GD-spe)を投与した群の摘出した腫瘍重量の比較から、siVEGFとカチオン性GD複合体で抗腫瘍効果が見られた。
【実施例】
【0077】
スペルミン置換カチオン性GD(C12GD-spe、GD15-spe)はVEGFをコードするmRNAを標的とするsiRNA(siVEGF)と複合体を形成し、siVEGFを腫瘍細胞にデリバリーする機能によって、抗腫瘍作用を示すことが明らかになった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18