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明細書 :異物検出装置、及び異物検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6370662号 (P6370662)
公開番号 特開2016-075596 (P2016-075596A)
登録日 平成30年7月20日(2018.7.20)
発行日 平成30年8月8日(2018.8.8)
公開日 平成28年5月12日(2016.5.12)
発明の名称または考案の名称 異物検出装置、及び異物検出方法
国際特許分類 G01V   3/12        (2006.01)
G01N  22/02        (2006.01)
FI G01V 3/12 A
G01N 22/02 B
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2014-206655 (P2014-206655)
出願日 平成26年10月7日(2014.10.7)
審査請求日 平成29年8月3日(2017.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】小川 雄一
【氏名】内藤 啓貴
個別代理人の代理人 【識別番号】110000280、【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
審査官 【審査官】福田 裕司
参考文献・文献 特開2001-066375(JP,A)
国際公開第2008/001785(WO,A1)
特開2004-061455(JP,A)
特開2004-101257(JP,A)
特開昭60-025473(JP,A)
国際公開第2012/108306(WO,A1)
特開2009-162685(JP,A)
特開2004-317334(JP,A)
米国特許第5478108(US,A)
調査した分野 G01V 3/12
G01N 22/02
特許請求の範囲 【請求項1】
搬送部材の上面に載置されて搬送される、多数の粒子を含む粒子群の中の異物の有無を検出する異物検出装置であって、
前記搬送部材の上方から前記粒子群に向けて前記粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射する照射部と、
前記搬送部材の下方に配置され、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出する検出部と、
前記粒子群の搬送中に前記検出部の検出値に現れる変化に基づいて、前記粒子群の中の異物の有無を判定する判定部と、を備え、
前記検出部は、前記電磁波を検出可能な検出素子を備え、前記検出素子の検出面と、前記搬送部材の上面との間の距離が前記電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定されている異物検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記検出素子を前記搬送部材の搬送方向に交差する幅方向にそれぞれ複数個配列することで構成され、
複数の前記検出素子は、前記電磁波の波長よりも短いピッチで前記幅方向に配列されている請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記検出素子は、パッチアンテナであり、
前記検出素子は、共振周波数が前記電磁波の周波数となるように設定したときの当該検出素子の大きさよりも小さい大きさとなるように形成されている請求項1又は2に記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記検出素子を前記搬送部材の搬送方向に複数個配列することで構成され、
前記判定部は、前記検出部の検出値に現れる変化が前記搬送方向に続けて現れることにより、前記異物があると判定する請求項1~3のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項5】
前記電磁波の波長は、10mmから300μmに設定される請求項1~4のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項6】
搬送部材の上面に多数の粒子を含む粒子群を載置して搬送するステップと、
前記搬送部材の上方から前記粒子群に向けて前記粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射するステップと、
前記搬送部材の下方に配置された検出部によって、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出するステップと、
前記粒子群の搬送中に前記検出部の検出値に現れる変化に基づいて、前記粒子群の中の異物の有無を判定するステップと、を含み、
前記搬送部材の下方に配置された検出部によって、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出するステップは、前記検出部が備える前記電磁波を検出可能な検出素子の検出面と、前記搬送部材の上面との間の距離が前記電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定されている異物検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の粒子を含む粒子群の中に混入する異物を検出するための異物検出装置、及び異物検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、製品の検査ライン等においては、CCDカメラ等の撮像手段によって検査対象を撮像し、その外観画像に基づいて検査対象に生じる異常等を検出することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2001-165637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、検査対象が比較的小さい粒子が集合した粒子群である場合、異物がこの粒子群に含まれていたとしても、上記従来例のように撮像手段を用いた異常検出方法では、異物が外側に現れていなければ外観画像から異物を認識することはできず、適切に異物を検出することはできない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、粒子を含む粒子群の中に混入した異物を適切に検出することができる異物検出装置、及び異物検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、
搬送部材の上面に載置されて搬送される、多数の粒子を含む粒子群の中の異物の有無を検出する異物検出装置であって、
前記搬送部材の上方から前記粒子群に向けて前記粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射する照射部と、
前記搬送部材の下方に配置され、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出する検出部と、
前記粒子群の搬送中に前記検出部の検出値に現れる変化に基づいて、前記粒子群の中の異物の有無を判定する判定部と、を備え、
前記検出部は、前記電磁波を検出可能な検出素子を備え、前記検出素子の検出面と、前記搬送部材の上面との間の距離が前記電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定されている。
【0007】
上記のように構成された異物検出装置によれば、粒子群に向けて粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射するので、電磁波が粒子群の中で散乱するのを抑制でき、粒子群及び搬送部材を通過する電磁波をできるだけ増やすことができる。
また、検出素子の検出面と、搬送部材の上面との間の距離を、電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定したので、散乱によって減衰した状態で粒子群及び搬送部材を通過してくる電磁波を適切に取得することができる。この結果、粒子群の中の異物の有無の判定を精度よく行うことができ、異物を適切に検出することができる。
【0008】
(2)上記異物検出装置において、前記検出部は、前記検出素子を前記搬送部材の搬送方向に交差する幅方向にそれぞれ複数個配列することで構成され、
複数の前記検出素子は、前記電磁波の波長よりも短いピッチで前記幅方向に配列されていることが好ましい。
検出部は粒子群を通過した電磁波を検出できればよいので、電磁波の波長に依存することなく、検出素子のピッチを電磁波の波長よりも小さいピッチとすることができる。このため、検出部が粒子群を通過した電磁波を検出する際の分解能をより高めることができる。
【0009】
(3)上述のように、検出部は粒子群を通過した電磁波を検出できればよいので、検出素子にパッチアンテナを用いる場合、パッチアンテナとして機能する検出素子の共振周波数が電磁波の周波数から外れた値であってもよい。
このため、前記検出素子は、共振周波数が前記電磁波の周波数となるように設定したときの当該検出素子の大きさよりも小さい大きさとなるように形成することができる。
この結果、より小さいピッチで検出素子を配列することができる。
【0010】
(4)また、上記異物検出装置において、前記検出部は、前記検出素子を前記搬送部材の搬送方向に複数個配列することで構成され、
前記判定部は、前記検出部の検出値に現れる変化が前記搬送方向に続けて現れることにより、前記異物があると判定することが好ましい。
この場合、粒子群の搬送中に検出部の検出値に現れる変化を搬送方向の変化として取得することができる。これにより、粒子群の中の異物の有無の判定をより精度よく行うことができる。
【0011】
(5)また、前記電磁波の波長は、10mmから300μmに設定されることが好ましい。
【0012】
(6)また、本発明に係る異物検出方法は、
搬送部材の上面に多数の粒子を含む粒子群を載置して搬送するステップと、
前記搬送部材の上方から前記粒子群に向けて前記粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射するステップと、
前記搬送部材の下方に配置された検出部によって、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出するステップと、
前記粒子群の搬送中に前記検出部の検出値に現れる変化に基づいて、前記粒子群の中の異物の有無を判定するステップと、を含み、
前記搬送部材の下方に配置された検出部によって、前記粒子群及び前記搬送部材を通過した電磁波を検出するステップは、前記検出部が備える前記電磁波を検出可能な検出素子の検出面と、前記搬送部材の上面との間の距離が前記電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定されている。
【0013】
上記のように構成された異物検出方法によれば、異物を適切に検出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、粒子を含む粒子群の中に混入した異物を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る異物検出装置を備えた検査装置の全体構成を示す図である。
【図2】(a)は、検出部の上面図であり、(b)は、図2(a)の一部拡大図である。
【図3】図1中、III-III線の矢視断面図である。
【図4】粒子群に異物が含まれているときの検出部の出力の一例を示す図であり、(a)は、搬送部が粒子群を搬送するのに応じて変化する異物の位置を示す図、(b)、(c)、及び(d)は、検出部の搬送方向における出力を示す図である。
【図5】他の実施形態に係る異物検出装置の検出部の上面図である。
【図6】(a)は、さらに他の実施形態に係る異物検出装置の検出部の上面図であり、(b)は、(b)は、図6(a)に示す検出部の幅方向における出力を示す図であって、強度変化部分が現れている場合を示す図であり、(c)は、図6(a)に示す検出部の幅方向における出力を示す図であって、強度変化部分が現れていない場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔1 全体構成について〕
図1は、本発明の一実施形態に係る異物検出装置を備えた検査装置の全体構成を示す図である。
図中、検査装置1は、例えば、小麦粉や米等の多数の粒子を含む粒子群を検査対象としており、粒子群Pの中に粒子以外の異物Fが含まれていないか否かを検査する機能を有している。検査対象としては、上記のような穀物類や合成樹脂の粒子からなる粒子群(粉末)等であって、粒子径が数100μmから数10mmの粒子からなる粒子群が挙げられる。

【0017】
さらに、検査対象としては、上記穀物類や合成樹脂の粒子からなる粒子群(粉末)以外に、砂糖、鰹節、粉末スープなどの調味料の粉末や、骨粉、さなぎ粉等の肥料又は飼料の粉末、カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料粉末、染料の粉末、医薬品の粉末、金属の粉末、セメントなどの粉末、コロイド、磁性流体、磁気テープなどに塗布する磁性を有する微粉末、業務用複写機などで使用するトナー等が挙げられる。

【0018】
検査装置1は、粒子群Pを搬送するための搬送装置2と、この搬送装置2で搬送される粒子群Pの中の異物Fの有無を検出する異物検出装置3とを備えている。
搬送装置2は、上流側プーリ4と、下流側プーリ5と、これら両プーリ4、5の間に架け渡されたコンベアベルト6とを備えている。

【0019】
コンベアベルト6は、ゴムや樹脂等からなる素材を無端帯状に形成された部材であり、図示しない駆動装置によって回転駆動される。コンベアベルト6は、上流側プーリ4から下流側プーリ5に向かって走行するように前記駆動装置によって駆動される。
コンベアベルト6における上流側プーリ4と、下流側プーリ5との間の部分である搬送部6aは、ほぼ水平となるように保持されており、その上面6a1には粒子群Pが載置される。コンベアベルト6は、上面6a1に載置された粒子群Pを上流側プーリ4側の端部から下流側プーリ5側の端部まで搬送する。つまり、搬送部6aは、上流側プーリ4から下流側プーリ5に向かう方向(搬送方向)に粒子群Pを搬送する搬送部材を構成している。

【0020】
搬送装置2は、さらに、コンベアベルト6に粒子群Pを供給するためのホッパ7と、コンベアベルト6によって搬送され検査を受けた後の粒子群Pが回収される回収容器8とを備えている。
ホッパ7は、搬送部6aの上流側プーリ4側の端部上方に配置されており、粒子群Pを一定速度で走行する搬送部6aの上面6a1に向けて供給する。ホッパ7は、上面6a1に載置された粒子群Pがコンベアベルト6の搬送方向に交差する幅方向に均一となるようにかつ単位時間当たりの供給量が一定となるように粒子群Pを供給する。
これによって、粒子群Pは、搬送部6aの上面6a1に対して一定の厚みとなるように均一に積層され載置される。

【0021】
搬送部6aに載置された粒子群Pは、搬送方向に向けて搬送され、下流側プーリ5側の端部に到達すると、搬送部6aから落下し、下流側プーリ5の下方に配置された回収容器8によって回収される。

【0022】
異物検出装置3は、粒子群Pに向けて電磁波を照射する電磁波照射部10と、粒子群P及び搬送部6aを通過した電磁波を検出する検出部11と、検出部11の出力が与えられる制御部12と、出力部13とを備えている。

【0023】
電磁波照射部10は、搬送部6aの上方に配置されており、搬送部6aの上方から当該搬送部6aの上面6a1に載置された粒子群Pに向けて電磁波を照射する機能を有している。電磁波照射部10は、少なくとも、搬送部6aの下方に配置されている検出部11が位置している範囲内に面状に電磁波を照射する。
電磁波照射部10は、ミリ波や、サブミリ波、テラヘルツ波等の電磁波を発生し照射する機能を有している。

【0024】
本実施形態において、電磁波照射部10は、例えば、周波数が30GHzから1THz程度(波長10mmから300μm程度)の帯域の電磁波を発生し照射する機能を有している。なお、周波数が30GHzから1THz程度(波長10mmから300μm程度)の帯域の電磁波は、ミリ波や、サブミリ波、テラヘルツ波のいずれかに分類される電磁波である。
電磁波照射部10は、発生する電磁波の周波数(波長)が調整可能であり、粒子群Pに含まれる粒子の平均粒径と同等又は平均粒径よりも長い波長の電磁波を発生し照射するように設定される。

【0025】
なお、粒子群Pに含まれる粒子の平均粒径は、例えば、無作為に取り出した複数の粒子の拡大画像を撮像しその画像から測定される粒子個々の粒径を平均した値を採用することもできるし、レーザ回折法等によって得られる粒度分布から平均粒径を求めることもできる。

【0026】
検出部11は、後述するように、矩形板状に形成された基板部と、この基板部の上面に形成された複数の検出素子とを備えている。検出部11は、搬送部6aの下方であって、電磁波照射部10が下方に向けて照射した電磁波が粒子群P及び搬送部6aを通過しうる位置に配置されている。この検出部11については、後に詳述する。

【0027】
制御部12は、検出部11から与えられる当該検出部11の出力を数値化する機能を有している。また、制御部12は、検出部11の出力を数値化した値である検出値に基づいて粒子群Pの中の異物Fの有無を判定する機能を有している。
制御部12は、前記検出値、及び異物Fの有無の判定結果を出力部13に与える。
出力部13は、制御部12から与えられる前記検出値、及び判定結果を、例えば、モニタやプリンタ等に出力する機能を有している。

【0028】
〔2 検出部について〕
図2(a)は、検出部11の上面図である。なお、図中において、検出部11の上方にコンベアベルト6の搬送部6aが配置されたときの当該搬送部6aの位置を2点鎖線で示している。
上述したように、検出部11は、矩形板状の基材部15と、基材部15の上面に形成された複数の検出素子16とを備えている。

【0029】
複数の検出素子16は、例えば、絶縁体基板上に銅箔等の導体を積層することで形成されたパッチアンテナによって構成されている。検出素子16は、ミリ波や、サブミリ波、テラヘルツ波等の電磁波を検出可能であり、電磁波を受信するとその受信に応じた信号を出力する。
検出部11は、複数の検出素子16がそれぞれ電磁波を受信したときに出力する信号を出力として制御部12に与える。よって、検出部11が電磁波を検出可能な検出範囲は、複数の検出素子16によって設定される。

【0030】
複数の検出素子16は、基材部15の上面に幅方向及び搬送方向に沿って並べて配置されている。

【0031】
図2(b)は、図2(a)の一部拡大図である。
図中、検出素子16は、搬送部6aの幅方向が検出素子16としての幅方向、搬送方向が検出素子16としての長さ方向となるように配置されている。
検出素子16の上面は、前記導体が積層されており、電磁波を受信するための検出面16aを構成している。
検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1は、パッチアンテナとして機能する当該検出素子16の共振周波数が電磁波照射部10により照射される電磁波の周波数となるように設定したときの値よりも小さい大きさとなるように設定されている。

【0032】
一般的にパッチアンテナは、長さ寸法を受信信号の1/2波長とすることで、当該パッチアンテナの共振周波数が受信信号の周波数となるように設定することができる。
よって、本実施形態の検出素子16の長さ寸法L1は、電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされている。また、幅寸法W1も、長さ寸法L1と同じ値とされており、電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされている。

【0033】
また、幅方向に配列されている各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2は、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法に設定されている。
同様に、搬送方向に配列されている各検出素子16の搬送方向のピッチ寸法L2も、幅方向のピッチ寸法W2とされており、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法に設定されている。

【0034】
上述のように、本実施形態の電磁波照射部10が照射する電磁波の波長は、10mmから300μm程度であるので、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1は、例えば、150μmよりも小さい値に設定することができる。
また、各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2、及び搬送方向のピッチ寸法L2は、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法とすればよいので、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1に応じて、より小さい値に設定することができる。

【0035】
以上のようにして複数の検出素子16は、基材部15の上面のほぼ全域に亘って配置されている。これにより、検出部11が電磁波を検出可能な検出範囲は、基材部15の上面のほぼ全域となるように設定される。

【0036】
また、図2(a)に示すように、基材部15は、その幅方向の寸法が搬送部6aの幅方向の寸法よりも僅かに小さい値となるように形成されており、検出部11としての検出範囲が、搬送部6aの上面に粒子群Pが載置される幅方向の範囲Aよりも大きくなるように形成されている。これにより、検出部11は、搬送される粒子群P及び搬送部6aを通過する電磁波が幅方向において検出範囲を外れて逃すことがないように構成されている。

【0037】
図3は、図1中、III-III線の矢視断面図である。
図に示すように、検出部11は、搬送部6aに対して僅かなすき間をおいて対向配置されている。
基材部15の上面には、上述のように検出素子16が配置されている。検出素子16は、検出面16aを上方の搬送部6aに向けて配置されている。

【0038】
ここで、本実施形態では、検出素子16の検出面16aと、搬送部6aの上面6a1との間の距離Hが、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い寸法に設定されている。
つまり、検出部11は、距離Hが、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い寸法となる位置に配置されている。

【0039】
電磁波照射部10が粒子群Pに電磁波を照射すると、電磁波は、粒子群P内で散乱し、照射した電磁波の内の一部が、粒子群P内を通過して検出部11に到達する。また、粒子群P及び搬送部6aを通過する電磁波も、粒子群P内での散乱によって減衰した状態で検出部11に到達する。

【0040】
また、各検出素子16は、互いに独立して電磁波を受信しその受信波に応じた信号を出力する。
検出部11は、各検出素子16それぞれが出力する信号を出力として制御部12に与える。よって、制御部12には、複数の検出素子16それぞれが出力した信号が与えられる。

【0041】
よって検出部11は、当該検出部11の幅方向及び搬送方向に並ぶ各検出素子16単位で粒子群P内を通過する電磁波の強度の変位を出力することができ、粒子群P内を通過する電磁波における幅方向及び搬送方向の両方向の信号強度の変位を二次元的に信号強度分布として出力することができる。

【0042】
図4は、粒子群Pに異物Fが含まれているときの検出部11の出力の一例を示す図であり、(a)は、搬送部6aが粒子群Pを搬送するのに応じて変化する異物Fの位置を示す図、(b)、(c)、及び(d)は、検出部11の搬送方向における出力を示す図である。なお、図4(b)、(c)、及び(d)は、検出部11の出力を数値化したものを示しており、横軸は検出部11の検出範囲における搬送方向の位置を示しており、縦軸は各検出素子16が電磁波を受信したときの信号強度を示している。

【0043】
図4(b)は、検出部11の搬送方向上流端側に異物Fが位置している、図4(a)に示す状態のときの検出部11の出力を示している。
図4(b)に示すように、検出部11は、各検出素子16が電磁波を受信することで得られる、搬送方向における信号強度分布を出力する。
図4(b)に示すように、異物Fが存在している部分以外の部分は、信号強度は一定で安定している。異物Fが存在している部分以外の部分は、粒子群Pを構成する粒子が一様に存在しており、電磁波の散乱も一様に生じるため、信号強度が一定となって現れている。

【0044】
一方、図4(a)に示すように、粒子群Pの中に異物Fが存在すると、その部分における電磁波は、粒子が一様に存在する場合とは異なるように散乱する。このため、図4(b)に示すように、異物Fに対応する位置に、周囲の強度に対して大きく変化が見られる強度変化部分Iが現れる。

【0045】
粒子群Pは、搬送部6aによって搬送方向に搬送されるので、ある一定期間が経過すると、異物Fは搬送方向に沿って移動する。
例えば、異物Fが、図4(a)中、位置f1に移動したとすると、検出部11の出力は、図4(c)に示すように、位置f1に対応する位置に、強度変化部分Iが現れる。
同様に、異物Fが、図4(a)中、位置f2に移動したとすると、検出部11の出力は、図(d)に示すように、位置f2に対応する位置に、強度変化部分Iが現れる。
このように、検出部11の出力に粒子群P内の異物Fに起因する強度変化部分Iが現れると、その強度変化部分Iは、搬送部6aの搬送に応じて搬送方向に移動する。

【0046】
なお、図4では、検出部11が出力する、搬送方向における信号強度分布を示したが、複数の検出素子16は、幅方向にも配置されているため、検出部11は、搬送方向と同様、幅方向における信号強度分布も出力する。
幅方向における信号強度分布においても、粒子群P内に異物Fが存在していれば、上述の強度変化部分Iが現れる。
検出部11は、上述のような出力を制御部12(図1)に与える。

【0047】
〔3 異物有無の判定について〕
検出部11が各検出素子16それぞれが出力する信号を出力として制御部12(図1)に与えると、制御部12は、与えられた出力を数値化する。制御部12は、図4に示した信号強度を検出値として数値化し、この検出値に基づいて粒子群Pの中の異物Fの有無の判定を行う。

【0048】
制御部12は、検出値を参照して、上記図4にて示した強度変化部分Iの有無を判定する。制御部12は、強度変化部分Iの有無を判定するために、例えば、強度変化部分Iであると判定可能な閾値を設定し、この閾値に基づいて強度変化部分Iの有無を判定する。
強度変化部分Iは、搬送方向及び幅方向の強度(検出値)と比較してその強度に変化が生じているため、異物Fが存在している等、何らかの異常が存在する可能性があることを示していると考えられるからである。

【0049】
例えば、異物Fの存在以外の何らかの原因で強度変化部分Iが現れる場合も考えられるが、この強度変化部分Iが、搬送方向に沿って移動しない場合や、強度変化部分Iが消滅する場合、強度変化部分Iが現れた原因が異物Fの存在ではないと判定することができる。
粒子群P内の異物Fに起因する強度変化部分Iであれば、その強度変化部分Iは、上述のように、搬送部6aによる粒子群Pの搬送に応じて異物Fも搬送方向に移動するからである。

【0050】
よって、制御部12は、検出部11の出力に現れる強度変化部分Iの有無を判定し、強度変化部分Iが有ると判定した場合、さらに、この強度変化部分Iが搬送部6aによる粒子群Pの搬送に応じて搬送方向に移動するか否かを判定する。
強度変化部分Iが搬送方向に移動していると判定した場合、制御部12は、この強度変化部分Iに異物Fが存在すると判定する。
このように、制御部12は、粒子群Pの搬送中に検出部11の出力(検出値)に現れる変化に基づいて、粒子群Pの中の異物Fの有無を判定する判定部を構成している。

【0051】
また、制御部12は、検出部11による搬送方向における出力とともに、幅方向における出力も考慮する。
幅方向の信号強度分布における強度変化部分Iは、粒子群P内の異物Fに起因するものであれば、幅方向における異物Fの位置を示している。
よって、制御部12は、検出部11による搬送方向における出力とともに、幅方向における出力も考慮することで、粒子群Pの中の異物Fの有無を判定することができるとともに、その異物Fの位置を特定することができる。

【0052】
制御部12は、上記のように、強度変化部分Iの有無の判定に加え、強度変化部分Iが搬送方向に移動するか否かを判定し、検出部11の出力(検出値)に現れる変化が搬送方向に続けて現れることにより、異物Fの有無を判定する。
この場合、粒子群Pの搬送中に検出部11の出力に現れる変化を搬送方向の変化として取得することができるので、より精度よく異物Fの有無の判定を行うことができる。
制御部12は、異物Fの有無の判定結果を出力部13(図1)に与える。

【0053】
〔4 効果について〕
本発明者らは、粒子群に混入した異物を検出するための研究を進める中で、電磁波、例えば、ミリ波や、サブミリ波、テラヘルツ波等を検査対象である粒子群に照射し、照射したときに得られる透過波や散乱波を検知することによって、粒子群の中に混入した異物を検出できないかを検討してきた。

【0054】
その中で、本発明者らは、比較的小さい粒子が集合した粒子群等に対して上記電磁波を照射したときに当該電磁波は散乱しつつも粒子群を通過する点に着目した。
この粒子群を通過した電磁波は粒子群の中で散乱するため、その強度は照射時の電磁波の強度よりも大きく減衰している。しかし、この粒子群を通過してきた電磁波を適切に取得することができれば、粒子群の内部の状態を把握でき、粒子群の中に存在する異物を検出できるのではとの着想を得た。
本発明者らは、上記着想に基づき、本発明を完成させた。

【0055】
すなわち上記の構成の異物検出装置3は、搬送部6aの上面6a1に載置されて搬送される、多数の粒子を含む粒子群Pの中の異物Fの有無を検出するものであって、搬送部6aの上方から粒子群Pに向けて粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射する電磁波照射部10と、搬送部6aの下方に配置され、粒子群P及び搬送部6aを通過した電磁波を検出する検出部11と、粒子群Pの搬送中に検出部11の出力(検出値)に現れる変化に基づいて、粒子群Pの中の異物Fの有無を判定する判定部としての制御部12とを備えている。
検出部11は、電磁波を検出可能な検出素子16としてパッチアンテナを備え、検出素子16の検出面16aと、搬送部6aの上面6a1との間の距離H(図3)が電磁波照射部10が照射する電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定されている。

【0056】
上記構成の異物検出装置3によれば、粒子群Pに向けて粒子の平均粒径と同等又は当該平均粒径よりも長い波長の電磁波を照射するので、電磁波が粒子群Pの中で散乱するのを抑制でき、粒子群P及び搬送部6aを通過する電磁波をできるだけ増やすことができる。
また、検出素子16の検出面16aと、搬送部6aの上面6a1との間の距離Hを、電磁波の波長と同等又は当該波長よりも短い値に設定したので、散乱によって減衰した状態で粒子群P及び搬送部6aを通過してくる電磁波を適切に取得することができる。この結果、粒子群Pの中の異物Fの有無の判定を精度よく行うことができ、異物Fを適切に検出することができる。

【0057】
また、上記異物検出装置3において、検出部11は粒子群Pを通過した電磁波を検出できればよいので、当該電磁波の波長に依存することなく、検出素子16のピッチを電磁波の波長よりも小さいピッチとすることができる。
この点、本実施形態では、幅方向に配列されている各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2を、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法に設定したので、検出部11が粒子群Pを通過した電磁波を検出する際の分解能をより高めることができる。

【0058】
また、上述のように、検出部11は粒子群Pを通過した電磁波を検出できればよいので、検出素子16としてパッチアンテナを用いる場合、パッチアンテナとして機能する検出素子16の共振周波数が電磁波照射部10が照射する電磁波の周波数から外れた値であってもよい。
パッチアンテナによる電磁波の検出強度が比較的弱い場合であっても、検出結果全体として検出強度を相対的に評価できれば、異物Fの有無を判定できるからである。

【0059】
このため、本実施形態の検出素子16の長さ寸法L1は、電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされている。また、幅寸法W1も、長さ寸法L1と同じ値とされており、電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされており、本実施形態の検出素子16は、パッチアンテナとして機能する当該検出素子16の共振周波数が電磁波照射部10により照射される電磁波の周波数となるように当該検出素子16の大きさを設定したときよりも小さい大きさとなるように形成されている。
これによって、本実施形態の検出素子16は、共振周波数が電磁波照射部10により照射される電磁波の周波数となるように当該検出素子16の大きさを設定した場合よりも、より小さいピッチで検出素子16を配列することができる。

【0060】
すなわち、上述したように、本実施形態では、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1は、電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされている。電磁波の波長は、10mmから300μm程度であるので、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1は、例えば、150μmよりも小さい値に設定することができる。
また、各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2、及び搬送方向のピッチ寸法L2は、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法とすればよいので、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1に応じて、より小さい値に設定することができる。

【0061】
このため、例えば、検出素子16の幅寸法W1、及び長さ寸法L1を数10μmといったように、より小さく設定すれば、各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2、及び搬送方向のピッチ寸法L2もさらに小さい値に設定することができ、粒子群Pを通過した電磁波を検出する際の検出部11の分解能をさらに高めることができる。

【0062】
〔5 他の実施形態について〕
図5は、他の実施形態に係る異物検出装置3の検出部11の上面図である。
上述の実施形態では、検出部11は、検出素子16を矩形板状の基材部15の上面に幅方向及び搬送方向の両方向に並べて配置した場合を示したが、図5に示すように、検出素子16を幅方向にのみ複数並べて配置した基材部15を複数個搬送方向に沿って配置してもよい。

【0063】
つまり、この場合、各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2(図2(b))は、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法に設定され、各検出素子16の搬送方向のピッチ寸法L2(図2(b))は、電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも長い任意の寸法に設定される。

【0064】
この場合においても、検出素子16が搬送方向に複数配列(図例では4列)されているので、制御部12は、検出部11の出力における搬送方向に沿う変化を判定することができる。よって、制御部12は、上記実施形態と同様、強度変化部分Iの有無を判定しつつ、強度変化部分Iが搬送方向に移動するか否かを判定し、検出部11の出力(検出値)に現れる変化が搬送方向に続けて現れることにより、異物Fの有無を判定することができる。
なお、図5では、検出素子16を搬送方向に4列配列した場合を例示したが、より多数列を配置してもよいし、2列だけ配列してもよい。

【0065】
さらに、図6(a)に示すように、検出素子16を幅方向にのみ複数並べて配置した基材部15を1つ配置することで検出部11を構成してもよい。
この場合、制御部12は、検出部11の出力における搬送方向に沿う変化を判定することはできないが、制御部12は、検出部11の幅方向における出力から強度変化部分Iの有無を判定することができる。

【0066】
図6(b)は、図6(a)に示す検出部11の幅方向における出力を示す図であって、強度変化部分Iが現れている場合を示す図であり、図6(c)は、図6(a)に示す検出部11の幅方向における出力を示す図であって、強度変化部分Iが現れていない場合を示す図である。
この場合、検出部11は、図6(b)、及び(c)に示すように、幅方向における信号強度分布を出力する。

【0067】
図6(a)に示す構成の場合、異物Fが粒子群Pに存在しなければ、検出部11の出力には、図6(c)に示すように、信号強度が一定となって現れる。
一方、異物Fが搬送方向に沿って移動し、検出部11の上方に位置するとき、検出部11の出力には、図6(b)に示すように、幅方向における他の部分と比較して強度が大きく変化している強度変化部分Iが、異物Fが存在する部分に現れる。
異物Fが検出部11の上方を通過してしまうと、検出部11の出力には、図6(c)に示すように、信号強度が一定となって現れ、強度変化部分Iは見られなくなる。

【0068】
図6(b)に示すように、強度変化部分Iは、幅方向における他の部分と比較して、強度に大きく変化が現れる。
よって、制御部12は、異物Fが検出部11の上方に位置するときに当該検出部11の出力(検出値)に現れる強度変化部分Iを特定することができる。よって、制御部12は、検出部11の出力に基づいて強度変化部分Iが有ると判定すれば、粒子群Pの中に異物Fが存在する可能性があると判定することができる。

【0069】
〔6 その他〕
本発明は、上記各実施形態に限定されない。上記各実施形態では、検出部11の検出素子として検出素子16を用いた場合を例示したが、ミリ波や、サブミリ波、テラヘルツ波等の電磁波を検出することができる素子、例えば、導波管によって構成されるスロットアンテナや、その他、電磁波を検出可能な各種アンテナや、カーボンナノチューブを半導体として用いた検出素子、その他電磁波を検出可能な半導体素子等を用いることができる。
上記のような電磁波を検出可能な半導体素子を検出部11の検出素子として用いれば、検出素子の集積化が容易となり、検出部11の分解能を高めることができる。

【0070】
また、上記各実施形態では、各検出素子16の幅方向のピッチ寸法W2(図2(b))を電磁波照射部10が照射する電磁波の波長よりも短い寸法に設定した場合を示したが、要求される分解能等に応じて、このピッチ寸法W2を電磁波照射部10が照射する電磁波の波長以上の寸法にすることもできる。

【0071】
また、上記各実施形態では、検出素子16の長さ寸法L1を電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とし、幅寸法W1も電磁波照射部10が照射する電磁波の1/2波長よりも小さい値とされており、検出素子16の大きさが、パッチアンテナとして機能する検出素子16の共振周波数が電磁波照射部10により照射される電磁波の周波数となるように設定したときの当該検出素子16の大きさよりも小さい大きさとなるように形成されている場合を例示した。
この点においても、検出素子16の大きさは、要求される分解能等に応じて、検出素子16の共振周波数が電磁波照射部10が照射する電磁波の周波数となるように設定したときのパッチアンテナの大きさ以上としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 検査装置
2 搬送装置
3 異物検出装置
6a 搬送部(搬送部材)
6a1 上面
10 電磁波照射部
11 検出部
12 制御部
16 検出素子
16a 検出面
H 距離
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5