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明細書 :無線電力受電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-093123 (P2017-093123A)
公開日 平成29年5月25日(2017.5.25)
発明の名称または考案の名称 無線電力受電装置
国際特許分類 H02J  50/00        (2016.01)
H05K   7/20        (2006.01)
H01L  23/34        (2006.01)
H01L  23/38        (2006.01)
FI H02J 17/00 A
H05K 7/20 D
H01L 23/34 Z
H01L 23/38
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2015-219528 (P2015-219528)
出願日 平成27年11月9日(2015.11.9)
発明者または考案者 【氏名】岡田 政也
【氏名】善積 祐介
【氏名】上野 昌紀
【氏名】篠原 真毅
【氏名】西村 貴希
出願人 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001195、【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 5E322
5F136
Fターム 5E322AA01
5E322AA11
5E322AB08
5E322AB11
5E322FA04
5F136BA04
5F136BB18
5F136DA31
5F136FA02
5F136FA03
5F136JA03
要約 【課題】整流効率が高いマイクロ波方式の無線電力受電装置を提供する。
【解決手段】無線電力受電装置1は、第1主面と第2主面とを有する第1誘電体基板100と、第3主面と第4主面とを有する第2誘電体基板200と、を備え、第1主面上に配置される電力受電部11と、第1主面上に配置される電波伝送線路110と、第2主面上および第3主面上に配置される接地導体20と、第3主面上の接地導体20上に配置される縦型ショットキーバリアダイオード13と、第1主面上に配置される電力出電部16と、を含む整流回路と、第4主面側に配置される冷却体400と、をさらに備え、冷却体400は、第2誘電体基板200を介して縦型ショットキーバリアダイオード13を冷却する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1主面と第2主面とを有する第1誘電体基板と、第3主面と第4主面とを有する第2誘電体基板と、を備え、
前記第1誘電体基板の前記第1主面上に配置される電力受電部と、前記第1誘電体基板の前記第1主面上に配置される電波伝送線路と、前記第1誘電体基板の前記第2主面上および前記第2誘電体基板の前記第3主面上に配置される接地導体と、前記第2誘電体基板の前記第3主面上の前記接地導体上に配置される縦型ショットキーバリアダイオードと、前記第1誘電体基板の前記第1主面上に配置される電力出電部と、を含む整流回路と、
前記第2誘電体基板の前記第4主面側に配置される冷却体と、をさらに備え、
前記冷却体は、前記第2誘電体基板を介して前記縦型ショットキーバリアダイオードを冷却する、無線電力受電装置。
【請求項2】
前記電波伝送線路は、前記第1誘電体基板の前記第1主面の少なくとも一部上に配置される第1電波伝送線路および第2電波伝送線路を含み、
前記接地導体は、前記第1誘電体基板の前記第2主面上に配置される第1接地導体と、前記第2誘電体基板の前記第3主面上に配置される第2接地導体と、前記第1接地導体と前記第2接地導体とを電気的に接続する導電接合体と、を含み、
前記縦型ショットキーバリアダイオードは、第1主面部と第2主面部とを含み、前記第2誘電体基板の前記第3主面上に配置される前記第2接地導体の一部上に、前記縦型ショットキーバリアダイオードの前記第2主面部が電気的に接続するように配置され、前記縦型ショットキーバリアダイオードの前記第1主面部が前記第1電波伝送線路に電気的に接続される、請求項1に記載の無線電力受電装置。
【請求項3】
前記第2誘電体基板は、その抵抗率が1×104Ωm以上であり、その熱伝導率が170W・m-1・K-1以上である請求項1または請求項2に記載の無線電力受電装置。
【請求項4】
前記第2誘電体基板は、III族窒化物、炭化ケイ素およびダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線電力受電装置。
【請求項5】
前記冷却体は、板状およびフィン状からなる群から選ばれる少なくとも1種類の形状である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線電力受電装置。
【請求項6】
前記冷却体は、ペルチェ効果を有する構造体で形成されている請求項1または請求項2に記載の無線電力受電装置。
【請求項7】
前記縦型ショットキーバリアダイオードは、III族窒化物および炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線電力受電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を直流電流に整流変換する無線電力受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線による電力送電方式としては、マイクロ波方式、電磁誘導方式、磁気共鳴方式などが挙げられる。ここで、マイクロ波方式は、他の方式に比べて、指向性が高く、送電距離が大きいという特徴を有する。かかるマイクロ波方式は、電力受電部で受けたマイクロ波を整流回路により直流電流に変換して電力出電部から取出す方式をいう。
【0003】
特開2009-038924号公報(特許文献1)および特開2013-165389号公報(特許文献2)は、整流回路にダイオードを用いたマイクロ波方式の無線電力受電装置を開示する。
【0004】
大電力を受電するためのマイクロ波方式の無線電力受電装置の整流回路に用いられるダイオードには、高耐圧性および高速動作性が要求される。このため、西村貴希、篠原真毅、三谷友彦、上野昌紀、善積祐介、岡田政也、「GaNショットキーダイオードを用いた大電力用整流回路の開発」、電子情報通信学会無線電力伝送研究会、信学技報 WPT2014-102、vol.114、no.524、pp.45-48、2015年3月(非特許文献1)は、整流回路のダイオードとしてGaNショットキーバリアダイオードを用いたマイクロ波方式の無線電力受電装置を開示する。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2009-038924号公報
【特許文献2】特開2013-165389号公報
【0006】

【非特許文献1】西村貴希、篠原真毅、三谷友彦、上野昌紀、善積祐介、岡田政也、「GaNショットキーダイオードを用いた大電力用整流回路の開発」、電子情報通信学会無線電力伝送研究会、信学技報 WPT2014-102、vol.114、no.524、pp.45-48、2015年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の整流回路のダイオードとしてGaNショットキーバリアダイオードを用いたマイクロ波方式の無線電力受電装置は、GaNショットキーバリアダイオードが高耐圧で高速動作であることから、高い整流効率を有する。しかしながら、かかるマイクロ波方式の無線電力受電装置は、GaNショットキーバリアダイオードなどの半導体ダイオードの通電に伴う発熱による耐圧低下、動作速度低下および抵抗増加のため、整流効率が低下するという問題点があった。
【0008】
そこで、整流回路に用いられるダイオードの発熱を抑制または除去することにより、上記の問題点を解決して、整流効率が高いマイクロ波方式の無線電力受電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様にかかる無線電力受信装置は、第1主面と第2主面とを有する第1誘電体基板と、第3主面と第4主面とを有する第2誘電体基板と、を備え、第1誘電体基板の第1主面上に配置される電力受電部と、第1誘電体基板の第1主面上に配置される電波伝送線路と、第1誘電体基板の第2主面上および第2誘電体基板の第3主面上に配置される接地導体と、第2誘電体基板の第3主面上の接地導体上に配置される縦型ショットキーバリアダイオードと、第1誘電体基板の第1主面上に配置される電力出電部と、を含む整流回路と、第2誘電体基板の第4主面側に配置される冷却体と、をさらに備え、冷却体は、第2誘電体基板を介して縦型ショットキーバリアダイオードを冷却する。
【発明の効果】
【0010】
上記によれば、整流回路に用いられるダイオードの発熱が抑制または除去されて、整流効率が高いマイクロ波方式の無線電力受電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のある態様にかかる無線電力受電装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のある態様にかかる無線電力受電装置の一例の整流回路部分を示す平面写真である。
【図3】本発明のある態様にかかる無線電力受電装置の一例の整流回路図である。
【図4】典型的な無線電力受電装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。

【0013】
本発明のある実施態様にかかる無線電力受電装置は、第1主面と第2主面とを有する第1誘電体基板と、第3主面と第4主面とを有する第2誘電体基板と、を備える。第1誘電体基板の第1主面上に配置される電力受電部と、第1誘電体基板の第1主面上に配置される電波伝送線路と、第1誘電体基板の第2主面上および第2誘電体基板の第3主面上に配置される接地導体と、第2誘電体基板の第3主面上の接地導体上に配置される縦型ショットキーバリアダイオードと、第1誘電体基板の第1主面上に配置される電力出電部と、を含む整流回路と、第2誘電体基板の第4主面側に配置される冷却体と、をさらに備える。冷却体は、第2誘電体基板を介して縦型ショットキーバリアダイオードを冷却する。本実施態様の無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードの発熱が第2誘電体基板を介して冷却体により抑制または除去されるため、整流効率が高い。

【0014】
本実施態様の無線電力受電装置において、電波伝送線路は、第1誘電体基板の第1主面の少なくとも一部上に配置される第1電波伝送線路および第2電波伝送線路を含む。接地導体は、第1誘電体基板の第2主面上に配置される第1接地導体と、第2誘電体基板の第3主面上に配置される第2接地導体と、第1接地導体と第2接地導体とを電気的に接続する導電接合体と、を含む。縦型ショットキーバリアダイオードは、第1主面部と第2主面部とを含み、第2誘電体基板の第3主面上に配置される第2接地導体の一部上に、縦型ショットキーバリアダイオードの第2主面部が電気的に接続するように配置され、縦型ショットキーバリアダイオードの第1主面部が第1電波伝送線路に電気的に接続される。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードの発熱が第2誘電体基板を介して冷却体により抑制または除去されるため、整流効率が高い。

【0015】
本実施態様の無線電力受電装置において、第2誘電体基板は、その抵抗率を1×104Ωm以上とし、その熱伝導率を170W・m-1・K-1以上とすることができる。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードで発生する熱を第2誘電体基板200を介して冷却体へ効率よく排出することが可能となり、ダイオードの発熱を抑制でき整流効率が高い。これは、ダイオードは発熱により温度が上昇すると抵抗が増大し、ダイオードの抵抗が増大すると無線電力受電装置の整流効率は低下するからである。

【0016】
本実施態様の無線電力受電装置において、第2誘電体基板は、III族窒化物、炭化ケイ素およびダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成され得る。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードで発生する熱を第2誘電体基板200を介して冷却体へ効率よく排出することが可能となり、ダイオードの発熱を抑制でき整流効率が高い。これは、ダイオードは発熱により温度が上昇すると抵抗が増大し、ダイオードの抵抗が増大すると無線電力受電装置の整流効率は低下するからである。

【0017】
本実施態様の無線電力受電装置において、冷却体は、板状およびフィン状からなる群から選ばれる少なくとも1種類の形状とできる。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードを第2誘電体基板を介して冷却する冷却体の冷却効果が高いことから、ダイオードの発熱がより抑制またはより除去されるため、整流効率が高い。

【0018】
本実施態様の無線電力受電装置において、冷却体は、ペルチェ効果を有する構造体で形成され得る。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードを第2誘電体基板200を介して冷却する冷却体の冷却効果が高いことから、ダイオードの発熱がより抑制またはより除去されるため、整流効率が高い。

【0019】
本実施態様の無線電力受電装置において、縦型ショットキーバリアダイオードは、III族窒化物および炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成され得る。かかる無線電力受電装置は、整流回路に用いられるダイオードがIII族窒化物および炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成されていることから、高耐電圧かつ高速動作であるため、整流効率が高い。

【0020】
[本発明の実施形態の詳細]
図1~図3に示すように、本発明のある実施形態にかかる無線電力受電装置1は、第1主面と第2主面とを有する第1誘電体基板100と、第3主面と第4主面とを有する第2誘電体基板200と、を備える。第1誘電体基板100の第1主面上に配置される電力受電部11と、第1誘電体基板100の第1主面上に配置される電波伝送線路110と、第1誘電体基板100の第2主面上および第2誘電体基板200の第3主面上に配置される接地導体20と、第2誘電体基板200の第3主面上の接地導体20上に配置される縦型ショットキーバリアダイオード13と、第1誘電体基板100の第1主面上に配置される電力出電部16と、を含む整流回路10と、第2誘電体基板200の第4主面側に配置される冷却体400と、をさらに備える。冷却体400は、第2誘電体基板200を介して縦型ショットキーバリアダイオード13を冷却する。本実施形態の無線電力受電装置1は、整流回路10に用いられる縦型ショットキーバリアダイオード13の発熱が第2誘電体基板200を介して冷却体400により抑制または除去されるため、整流効率が高い。

【0021】
本実施形態の無線電力受電装置1において、より具体的には、電波伝送線路110は、第1誘電体基板100の第1主面の少なくとも一部上に配置される第1電波伝送線路111および第2電波伝送線路112を含む。接地導体20は、第1誘電体基板100の第2主面上に配置される第1接地導体120と、第2誘電体基板200の第3主面上に配置される第2接地導体220と、第1接地導体120と第2接地導体220とを電気的に接続する導電接合体300と、を含む。接地導体20に含まれる第1接地導体120、第2接地導体220および導電接合体300は、同一の電位を有する。

【0022】
縦型ショットキーバリアダイオード13は、第1主面部と第2主面部とを含み、第2誘電体基板200の第3主面上に配置される第2接地導体220の一部上に、縦型ショットキーバリアダイオード13の第2主面部が電気的に接続するように配置され、縦型ショットキーバリアダイオード13の第1主面部が第1電波伝送線路111に電気的に接続される。

【0023】
かかる無線電力受電装置1は、整流回路10に用いられる縦型ショットキーバリアダイオード13の発熱が第2誘電体基板200を介して冷却体400により抑制または除去されるため、整流効率が高い。

【0024】
ここで、第1電波伝送線路111と縦型ショットキーバリアダイオード13の第1主面部との電気的な接続は、特に制限はなく、たとえば、ボンディングワイヤー18aを用いたワイヤーボンディングにより行なう。また、縦型ショットキーバリアダイオード13の第2主面部と第2誘電体基板200の第3主面上に配置される第2接地導体220との電気的な接続は、特に制限はなく、たとえば、ダイボンディングにより行なう。さらに、第2接地導体220と第2電波伝送線路112との電気的な接続は、特に制限はなく、たとえば、ボンディングワイヤー18bを用いたワイヤーボンディングにより行なう。

【0025】
(第1誘電体基板)
第1誘電体基板100は、第1主面と第2主面とを有する。第1誘電体基板100は、特に制限はないが、電力受電部11、電波伝送線路110(第1電波伝送線路111および第2電波伝送線路112)および電力出電部16と、第1接地導体120と、の絶縁性が高い観点から、その抵抗率は、1×104Ωm以上が好ましく、1×106Ωm以上がより好ましい。第1誘電体基板100は、上記観点から、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)基板、Al23(酸化アルミニウム)基板、AlN(窒化アルミニウム)基板などが好適に挙げられる。

【0026】
また、第1誘電体基板100は、特に制限はないが、縦型ショットキーバリアダイオード13を上記のように配置および電気的な接続をするのに好適な観点から、開口部100wを有することが好ましい。第2誘電体基板200の第3主面上に配置される第2接地導体220の一部の上方に第1誘電体基板100の開口部100wが位置するように、第1誘電体基板100の第2主面上に配置される第1接地導体120と第2誘電体基板200の第3主面上に配置される第2接地導体220とを導電接合体300で接合し、開口部100w内の第2接地導体220上に縦型ショットキーバリアダイオード13を配置することにより、容易に、上記のような縦型ショットキーバリアダイオード13の配置および電気的な接続が行える。

【0027】
(第2誘電体基板)
第2誘電体基板200は、第3主面と第4主面とを有する。第2誘電体基板200は、特に制限はないが、第2接地導体220と裏面導体230との絶縁性が高い観点から、その抵抗率は、1×104Ωm以上が好ましく、1×106Ωm以上がより好ましい。また、第2誘電体基板200は、特に制限はないが、整流回路に用いられるダイオードで発生する熱を第2誘電体基板200を介して冷却体へ効率よく排出することが可能となり、ダイオードの発熱を抑制でき整流効率が高くなる観点から、その熱伝導率は、170W・m-1・K-1以上が好ましく、250W・m-1・K-1以上がより好ましい。

【0028】
また、第2誘電体基板200は、上記の観点から、III族窒化物、炭化ケイ素およびダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成されることが好ましい。第2誘電体基板200は、上記観点に加えてさらに低コストである観点から、たとえば、多結晶AlN(窒化アルミニウム)、多結晶SiC(炭化ケイ素)、多結晶ダイヤモンドなどが好適に挙げられる。

【0029】
(整流回路)
本実施形態の無線電力受電装置1の整流回路10は、電力受電部11と、電波伝送線路110と、接地導体20と、縦型ショットキーバリアダイオード13と、電力出電部16と、を含む。かかる整流回路10により、マイクロ波が直流電流に整流される。

【0030】
電力受電部11は、マイクロ波を受電する部分である。無線電力受電装置1の電力受電部11は、図3に示すように一般的に受信アンテナである。図3においては、無線電力送電装置70において電力発生装置71であるマイクロ波発生装置で発生させたマイクロ波を電力送電部72から送信し、そのマイクロ波を電力受電部11である受信アンテナで受信させる。なお、実施例などにおいては、図2に示すように、無線電力受電装置1の電力受電部11として、マイクロ波発生装置を用いている。

【0031】
ここで、電波伝送線路110は、第1電波伝送線路111と、第2電波伝送線路112とを含む。第1電波伝送線路111は、整合回路12を構成する。第2電波伝送線路112は、(1/4)波長線路14とコンデンサ線路15とを構成する。電力受電部11で受信されたマイクロ波は、整合回路12で、低い反射率で効率よく交流電流に変換されて縦型ショットキーバリアダイオード13に供給される。交流電流は縦型ショットキーバリアダイオード13、(1/4)波長線路14およびコンデンサ線路15を経由して直流電流に整流される。直流電流は、電力出電部16から取出される。

【0032】
(縦型ショットキーバリアダイオード)
縦型ショットキーバリアダイオード13は、特に制限はないが、高耐圧かつ高速動作である観点から、III族窒化物および炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料で形成されていることが好ましく、III族窒化物で形成されていることがより好ましい。III族窒化物としては、GaN、AlN、Al1-xGaxN(0<x<1)などが好適に挙げられる。

【0033】
(冷却体)
冷却体400は、特に制限はないが、縦型ショットキーバリアダイオード13を冷却する効果を高める観点から、銅、アルミニウムなどの材料で形成されていることが好ましい。

【0034】
また、冷却体400は、特に制限はないが、縦型ショットキーバリアダイオード13を冷却する効果を高める観点から、板状およびフィン状からなる群から選ばれる少なくとも1種類の形状であることが好ましい。ここで、図1に示すように、フィン400fとは、冷却体400に設けられている冷却効果をための突起状の構造をいう。図1に示す冷却体400は、全体として板状であり、少なくとも一部がフィン状となっているため、冷却効果が高い。

【0035】
また、冷却体400は、特に制限はないが、縦型ショットキーバリアダイオード13を冷却する効果を高める観点から、ペルチェ効果を有する構造体(ペルチェ素子)で形成されていることが好ましい。ここで、ペルチェ効果とは、2種類の金属の接合部に電流を流すと一方の金属から他方の金属に熱が移動する効果をいう。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
図1および図3に示す無線電力受電装置を作製した。電力受電部11として、周波数が2.45GHz(波長が122mm)の交流発生装置を用いた。第1誘電体基板100として、直径3mmの開口部100wを有する長さが70mmで幅が55mmで厚さが400μmで誘電率が2.6(無単位)のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)基板を用いた。第2誘電体基板200として、長さが10mmで幅が10mmで厚さが400μmで誘電率が8.8(無単位)の多結晶AlN基板を用いた。整合回路12を構成する第1電波伝送線路111、ならびに、(1/4)波長線路14およびコンデンサ線路15を構成する第2電波伝送線路112として、幅が1.1mmで厚さが18μmの銅線路を用いた。第1接地導体120および第2接地導体220として、厚さが18μmの銅導体を用いた。第2誘電体基板200の第4主面上に配置される裏面導体230として、厚さが3μmの銅導体を用いた。第1接地導体120の一部と第2接地導体220の一部とを、導電接合体300としてSn-Pb(スズ-鉛)はんだを用いて接合した。
【実施例】
【0037】
縦型ショットキーバリアダイオード13として、逆方向耐電圧が94V、オーミック抵抗が1.25Ω、無バイアス接合容量が6.1pFの縦型GaNショットキーバリアダイオードを用いた。第1誘電体基板100の開口部100w内であって、第2接地導体220の一部上に、Sn-Pbはんだを用いて、縦型ショットキーバリアダイオード13の第2主面部をダイボンディングした。また、縦型ショットキーバリアダイオード13の第1主面部をボンディングワイヤー18aとして金ワイヤーを用いて第1電波伝送線路111にワイヤーボンディングした。さらに、ボンディングワイヤー18bとして金ワイヤーを用いて第2接地導体220と第2電波伝送線路112とをワイヤーボンディングした。
【実施例】
【0038】
第2誘電体基板200の第4主面上に配置された裏面導体230を、冷却体400である長さが800mmmで幅が800mmでフィン部以外の部分の厚さが10mmの銅板上に接触して配置した。冷却体400の裏面導体230と接していない主面には、長さが800mmで幅が30mmで高さが30mmであるストライプ状の銅の突起が50mmのピッチで配置されたフィン400fを有していた。
【実施例】
【0039】
上記のようにして作製した本実施例の無線電力受電装置の整流効率(交流から直流への変換効率、具体的には交流入力電力に対する直流出力電力の百分率をいう)は、パワーメータにより測定したところ、70%と高かった。また、縦型ショットキーバリアダイオードの第1主面部の表面温度は、放射温度計により測定したところ、30℃と低かった。
【実施例】
【0040】
(比較例1)
図4に示すように、冷却体を設けずに、第1誘電体基板100上に縦型ショットキーバリアダイオード13を載せたこと以外は、実施例1と同様にして、無線電力受電装置1を作製した。このようにして作製した本比較例の無線電力受電装置の整流効率は43%と低かった。また、縦型ショットキーバリアダイオードの第1主面部の表面温度は70℃と高かった。
【実施例】
【0041】
実施例1と比較例1との対比から明らかなように、電力受電部と、電波伝送線路と、接地導体と、縦型ショットキーバリアダイオードと、電力出電部と、を含む整流回路と、縦型ショットキーバリアダイオードを冷却する冷却体と、を備える無線電力受電装置は、整流効率が高いことがわかった。
【実施例】
【0042】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
1 無線電力受電装置
10 整流回路
11 電力受電部
12 整合回路
13 縦型ショットキーバリアダイオード
14 (1/4)波長線路
15 コンデンサ線路
16 電力出電部
18a,18b ボンディングワイヤー
20 接地導体
70 無線電力送電装置
71 電力発生装置
72 電力送電部
100 第1誘電体基板
100w 開口部
110 電波伝送線路
111 第1電波伝送線路
112 第2電波伝送線路
120 第1接地導体
200 第2誘電体基板
220 第2接地導体
230 裏面導体
300 導電接合体
400 冷却体
400f フィン
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3