TOP > 国内特許検索 > 送信装置、送信方法、受信装置および受信方法 > 明細書

明細書 :送信装置、送信方法、受信装置および受信方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-098653 (P2018-098653A)
公開日 平成30年6月21日(2018.6.21)
発明の名称または考案の名称 送信装置、送信方法、受信装置および受信方法
国際特許分類 H04L  27/26        (2006.01)
H04L  27/01        (2006.01)
FI H04L 27/26 313
H04L 27/26 412
H04L 27/01
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 20
出願番号 特願2016-241637 (P2016-241637)
出願日 平成28年12月13日(2016.12.13)
発明者または考案者 【氏名】水谷 圭一
【氏名】原田 博司
【氏名】松村 武
【氏名】児玉 洋介
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100082762、【弁理士】、【氏名又は名称】杉浦 正知
【識別番号】100123973、【弁理士】、【氏名又は名称】杉浦 拓真
審査請求 未請求
要約 【課題】シングルキャリア周波数領域等化方式において帯域外輻射電力を抑圧し、受信側で通信品質の劣化を抑えることを可能とする。
【解決手段】シングルキャリア周波数領域等化方式の送信装置において、サイクリックプレフィックス(CP)およびオーバーラップマージン(OM)を挿入する回路と、CPおよびOMが挿入された送信シンボルが入力される時間軸ウィンドウイング処理回路を有し、時間軸ウィンドウイング処理回路は、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
シングルキャリア周波数領域等化方式の送信装置において、
サイクリックプレフィックス(CP)およびオーバーラップマージン(OM)を挿入する回路と、
前記CPおよびOMが挿入された送信シンボルが入力される時間軸ウィンドウイング処理回路を有し、
前記時間軸ウィンドウイング処理回路は、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信装置。
【請求項2】
前記時間軸ウィンドウイング処理回路において、前記時間軸窓関数の窓遷移長がCPの長さ以上である請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
シングルキャリア周波数領域等化方式の送信装置において、
CPおよびOMが挿入された送信シンボルをリソースエレメント毎に複数のグループに分割し、各グループのシンボルが入力される複数の時間軸ウィンドウイング処理回路を有し、
前記複数の時間軸ウィンドウイング処理回路のそれぞれは、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信装置。
【請求項4】
SC-FDE方式の受信データシンボルに対してFFT処理、チャネル等化、IDFT処理を行うことによって得られた受信一次変調シンボルに対して、送信側で乗算している窓関数の逆数を乗算するDe-windowing処理を行うことで振幅レベルを補償するようにした受信装置。
【請求項5】
シングルキャリア周波数領域等化方式の送信方法において、
CPおよびOMを挿入する処理と、
前記CPおよびOMが挿入された送信シンボルが入力される時間軸ウィンドウイング処理を有し、
前記時間軸ウィンドウイング処理は、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信方法。
【請求項6】
SC-FDE方式の受信データシンボルに対してFFT処理、チャネル等化、IDFT処理を行うことによって得られた受信一次変調シンボルに対して、送信側で乗算している窓関数の逆数を乗算するDe-windowing処理を行うことで振幅レベルを補償するようにした受信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルキャリア周波数領域等化方式に対して適用可能な送信装置、送信方法、受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、移動通信システムとして主流となりつつあるLTE(Long Term Evolution)およびLTE-Advancedでは、下りリンク信号波形として直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式、上りリンク信号波形としてシングルキャリア周波数領域等化(Single Carrier Frequency-domain Equalization: SC-FDE)方式が用いられている。第五世代移動通信システム(5Gシステム)では、更なる周波数利用効率の向上が求められており、それを実現するための新たな信号波形として、従来方式を基本とした波形整形技術の研究開発が進められている。
【0003】
しかし、従来の波形整形技術は主に下りリンクのOFDM方式を基本として検討されており、上りリンクのSC-FDE方式に関する検討が少ない。このSC-FDE方式はOFDM方式に比べピーク対平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio;PAPR)が低いという特長があり、送信機に実装される電力増幅器のバックオフマージンを低減できるため、端末側の送信波形として非常に有効である。一方で、SC-FDE方式は帯域外輻射電力(Out-of-band emission; OOBE)が高く、周波数利用効率の点でOOBEの抑圧が課題であった。
【0004】
帯域外輻射電力を抑圧するためにはローパスフィルタ(LPF)が有効である。しかし例えばLTEでは帯域内のガード帯域幅が両側に高々0.25MHz 程度しか残されてい
ない。この狭いガード帯域以内で十分に帯域外輻射電力を抑圧するLPFを実装するためには大きな計算量規模が必要となる。
【0005】
本願発明者は、LPFを用いずにOFDM(A)信号送信装置に関し、ユニバーサル時間軸窓型直交周波数分割多重方式 (Universal time-domain windowed OFDM;UTW-OFDM)方式を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2015-207834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に記載のものは,OFDMまたはOFDM(A)の方式を対象とするものであった。したがって、SC-FDE方式がOOBEが高く、周波数利用効率が悪いという問題を解決するものではなかった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、SC-FDE方式の周波数利用効率を改善する新たな物理層信号波形として、ユニバーサル時間軸窓シングルキャリア周波数領域等化(Universal time-domain windowed SC-FDE;UTW-SC-FDE)方式による送信装置、送信方法、受信装置および受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シングルキャリア周波数領域等化方式の送信装置において、
サイクリックプレフィックス(CP)およびオーバーラップマージン(OM)を挿入する回路と、
CPおよびOMが挿入された送信シンボルが入力される時間軸ウィンドウイング処理回路を有し、
時間軸ウィンドウイング処理回路は、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信装置である。
また、本発明は、シングルキャリア周波数領域等化方式の送信装置において、
CPおよびOMが挿入された送信シンボルをリソースエレメント毎に複数のグループに分割し、各グループのシンボルが入力される複数の時間軸ウィンドウイング処理回路を有し、
複数の時間軸ウィンドウイング処理回路のそれぞれは、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信装置である。
さらに、本発明は、SC-FDE方式の受信データシンボルに対してFFT処理、チャネル等化、IDFT処理を行うことによって得られた受信一次変調シンボルに対して、送信側で乗算している窓関数の逆数を乗算するDe-windowing処理を行うことで振幅レベルを補償するようにした受信装置である。
さらに、本発明は、シングルキャリア周波数領域等化方式の送信方法において、
CPおよびOMを挿入する処理と、
CPおよびOMが挿入された送信シンボルが入力される時間軸ウィンドウイング処理を有し、
時間軸ウィンドウイング処理は、任意の時間軸窓関数を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧するようになされた送信方法である。
さらに、本発明は、SC-FDE方式の受信データシンボルに対してFFT処理、チャネル等化、IDFT処理を行うことによって得られた受信一次変調シンボルに対して、送信側で乗算している窓関数の逆数を乗算するDe-windowing処理を行うことで振幅レベルを補償するようにした受信方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば,長大なUTWの適用と強力なチャネル符号化技術との組み合わせによって、通信品質の劣化なしに,若しくは劣化量を抑制しつつ、周波数利用効率の観点から問題となる帯域外への輻射電力(OOBE)を効率的に抑圧することができる。従来の送信側に軽微な変更を加えるだけで実現可能であり、また受信側では従来方式の受信機構成がそのまま利用できるため、従来方式との親和性が高い。さらに受信機側にUTWによる振幅歪みを補償する軽微な変更を加えることで,通信品質を改善できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれの効果であってもよい。また、以下の説明における例示された効果により本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態の送信機の構成を示すブロック図である。
【図2】時間軸ウィンドウイング処理について説明するための略線図である。
【図3】従来の受信機構成を示すブロック図である。
【図4】本発明が適用された受信機構成を示すブロック図である。
【図5】De-windowing処理の説明に用いるタイミングチャートである。
【図6】規格化電力スペクトラム密度の平均値を示すグラフである。
【図7】本発明の帯域外輻射電力の抑圧性能を説明するためのグラフである。
【図8】本発明を適用した相補累積分布関数を示すグラフである。
【図9】従来の受信機構成を用いた場合のBLER特性を示すグラフである。
【図10】本発明の受信機構成を用いた場合のBLER特性を示すグラフである。
【図11】10-3のBLERを達成するSNRとチャネル端におけるOOBEの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の変形例の送信装置を説明するためのブロック図である。
【図13】本発明の変形例の送信装置を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施の形態について説明する。なお、以下に説明する一実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
なお、以下の説明は、下記の順序でもって行われる。
<1.SC-FDE方式>
<2.一実施の形態(UTW-SC-FDE方式)>
<3.特性評価>
<4.変形例>

【0013】
<1.SC-FDE方式>
SC-FDE方式の送信信号の生成手順を以下に説明する。第k番目SC-FDEシンボルの第m番目一次変調シンボルをa(k,m) とする。

【0014】
まず、(数1)の複数シンボルがMポイントの離散フーリエ変換(Discrete Fourier transform; DFT)処理され、(1)式および(2)式で表すものとなる。

【0015】
【数1】
JP2018098653A_000003t.gif

【0016】
【数2】
JP2018098653A_000004t.gif

【0017】
【数3】
JP2018098653A_000005t.gif

【0018】
ただし、Mは一つのSC-FDEデータシンボルに含まれる変調シンボル数であり、また、0<=p1 <Mおよび0<=p2 <Mである。次に、DFT処理後の送信ベクトルzk
を割り当てられた周波数帯域に相当する要素にマッピングし、さらにその他の要素に0をマッピングしたベクトルxk (数4、(3)式)を生成する。

【0019】
【数4】
JP2018098653A_000006t.gif

【0020】
ただし、M1 >=0,M2 >=0およびM1 +M2 =Nであり、(数5)はP行Q列の零行列である。

【0021】
【数5】
JP2018098653A_000007t.gif

【0022】
ベクトルxk に対しNポイントの逆高速フーリエ変換(Inversed fast Fourier transform; IFFT)処理を行うことで、SC-FDEデータシンボルベクトル(数6)((4)
式)が生成される。

【0023】
【数6】
JP2018098653A_000008t.gif

【0024】
【数7】
JP2018098653A_000009t.gif

【0025】
ただし、N(>=)はSC-FDEデータシンボルの時間サンプル数である。ここで、式(3)および(4)の処理は、式(5)および(6)と表記できる。ただし、0<=q1 <Mおよび0<=q2 <Nである。

【0026】
【数8】
JP2018098653A_000010t.gif

【0027】
【数9】
JP2018098653A_000011t.gif

【0028】
また、(数10)は逆離散フーリエ変換(Inversed DFT; IDFT)行列である。最後に時間サンプル数NG のCPを挿入し、SC-FDE送信シンボル(数11)が得られる。

【0029】
【数10】
JP2018098653A_000012t.gif

【0030】
【数11】
JP2018098653A_000013t.gif

【0031】
SC-FDE送信信号は、(数12)を連結して生成するが、(数13)と(数14)の連結部分において不連続性が生じ、高いOOBEが発生する原因となる。

【0032】
【数12】
JP2018098653A_000014t.gif

【0033】
【数13】
JP2018098653A_000015t.gif

【0034】
【数14】
JP2018098653A_000016t.gif

【0035】
<2.一実施の形態(UTW-SC-FDE方式)>
本発明によるUTW-SC-FDE方式では、UTWによってSC-FDE送信シンボル間の不連続性を解消しOOBEを大幅に抑制する。以下に提案方式を実現するための送信機および受信機構成について述べる。

【0036】
「送信機構成」
図1に本発明の一実施の形態による送信機の構成を示す。送信バイナリデータはチャネル符号化器1に供給され、チャネル符号化される。チャネル符号化器1の出力がインターリーブ回路2に供給され、インターリーブされる。インターリーブ回路2の出力が変調器3に供給され、複素信号へ変調される。

【0037】
変調器3の出力がPRB(物理リソースブロック)マッピング回路4に供給される。PRBマッピング回路4からのシンボルがMポイントDFT回路5に供給される。MポイントDFT回路5からの送信シンボルがRS(基準信号)挿入回路6に供給される。

【0038】
RS挿入回路6の出力に対してM1 およびM2 の0シンボルを付加した送信シンボルがNポイントIFFT回路7に供給され、SC-FDEデータシンボルベクトルが生成される。NポイントIFFT回路7の出力が伝搬遅延の影響を吸収するためのCP(Cyclic Prefix)および隣接SC-FDE送信シンボルとのオーバーラップマージン(OM)挿入回路8に供給される。

【0039】
CPおよびOM挿入回路8の出力が時間軸ウィンドウイング処理回路9において、時間軸ウィンドウイング処理がなされ、UTW-SC-FDE送信シンボルが生成される。任意の時間軸窓関数(Universal Time-domain Window; UTW)を乗じ、帯域外輻射電力を抑圧する。ここでの時間軸窓関数はチャネル毎にその種類や窓遷移長を任意に設定できる他、ベースバンドにおける送信電力制御が可能な様に任意の規格化係数を乗ずることができるものである。時間軸窓の種類と窓遷移長と規格化係数の制御は例えば物理層スケジューラのような制御器によって制御される。さらに、時間軸ウィンドウイング処理のためのルックアップテーブルによって時間軸ウィンドウイング処理の係数が規定される。

【0040】
図2を参照してUTW-SC-FDE送信信号の生成過程について説明する。 CPおよびOM挿入回路8において挿入されるCPおよびOMは図2Aに示すようにそれぞれSC-FDEシンボルの前後をコピーすることで生成される。サンプル数NG のCP、シンボルの前後にそれぞれサンプル数NM およびNM +1のOMが挿入された第k番目のSC-FDEシンボル(数15)は(7)式で表される。

【0041】
【数15】
JP2018098653A_000017t.gif

【0042】
【数16】
JP2018098653A_000018t.gif

【0043】
ただし、NGM=N+NG +2NM +1である。また、(数17)は、CPおよびOM挿入を考慮したIDFT行列であり、(8)式で表される。

【0044】
【数17】
JP2018098653A_000019t.gif

【0045】
【数18】
JP2018098653A_000020t.gif

【0046】
ただし、0<=t1 <=NGMである。このCPとOMを挿入したSC-FDEシンボルに対してUTWを乗算することによって、第k番目UTW-SC-FDE送信シンボル((数19)(9)式)を生成する(図2B参照)。

【0047】
【数19】
JP2018098653A_000021t.gif

【0048】
【数20】
JP2018098653A_000022t.gif

【0049】
ここで、(数21)はUTW行列である。また、diag(・)は対角行列化演算子、(数22)は、UTWベクトルであり、(10)式によって生成される。

【0050】
【数21】
JP2018098653A_000023t.gif

【0051】
【数22】
JP2018098653A_000024t.gif

【0052】
【数23】
JP2018098653A_000025t.gif

【0053】
ただし、(数24)はP行Q列の要素がすべて1の行列であり、(数25)および(数26)はそれぞれUTW遷移ベクトル、逆遷移ベクトルである。

【0054】
【数24】
JP2018098653A_000026t.gif

【0055】
【数25】
JP2018098653A_000027t.gif

【0056】
【数26】
JP2018098653A_000028t.gif

【0057】
また、NTR(<=N)は窓遷移長であり、これらは(11)式および(12)式で表記できる。

【0058】
【数27】
JP2018098653A_000029t.gif

【0059】
【数28】
JP2018098653A_000030t.gif

【0060】
なお、UTWには様々な窓関数を適用可能であり、例えばレイズドコサイン窓関数を用いる場合は、(13)式で表すものとなる。

【0061】
【数29】
JP2018098653A_000031t.gif

【0062】
最後に、図2Cに示すように、隣接する送信シンボル前後のOMが重なるように結合し、UTW-SC-FDE送信信号を生成する。ただし、NTR=0の条件では、UTWベクトル(数30)は、(14)式で示すものとなる。これはすなわちSC-FDE方式を表す。

【0063】
【数30】
JP2018098653A_000032t.gif

【0064】
【数31】
JP2018098653A_000033t.gif

【0065】
「受信機構成」
本発明においては、基本的には従来のSC-FDE方式の受信機構成(図3参照)を特別な追加処理なしに利用できるが、簡単な追加処理を行いUTWによる信号の振幅歪みを補償することで受信品質の更なる改善が可能である。さらに、図4は、図3の受信機構成に加え、振幅歪みを補償するためのDe-windowing処理回路20を追加した他の受信機構成である。

【0066】
図3に示すように、受信機では、まずCPおよびOM除去回路11に受信信号が供給され、UTW-SC-FDE受信信号に対してフレーム同期を行った信号(数32)に対して、SC-FDEデータシンボル長に相当するNサンプルを取り出し、SC-FDE受信データシンボルベクトル(数33)を得る。

【0067】
【数32】
JP2018098653A_000034t.gif

【0068】
【数33】
JP2018098653A_000035t.gif

【0069】
【数34】
JP2018098653A_000036t.gif

【0070】
【数35】
JP2018098653A_000037t.gif

【0071】
ただし、(数36)は単位行列、Ns はフレーム同期点からデータシンボルの同期点までのサンプル点数である。Ns は実効的なCP長に相当し、Ns =NG の場合CP長が最大となり、Ns =NG /2の場合UTWによる受信信号の振幅歪みが最小となる。

【0072】
【数36】
JP2018098653A_000038t.gif

【0073】
次に、NポイントFFT回路12によって受信データシンボルベクトル(数37)に対してFFT処理を行った後に、割り当て帯域に相当する要素を抜き出し、チャネル等化回路13によるチャネル等化を行う。さらに、RSデマッピング回路14およびMポイントIDFT回路15によるIDFT処理を行うことで受信一次変調シンボル((数38)(18)式)を得る。

【0074】
【数37】
JP2018098653A_000039t.gif

【0075】
【数38】
JP2018098653A_000040t.gif

【0076】
【数39】
JP2018098653A_000041t.gif

【0077】
ただし、(数40)はチャネル等化行列であり、(数41)は周波数領域チャネル等化ウェイトベクトルである。

【0078】
【数40】
JP2018098653A_000042t.gif

【0079】
【数41】
JP2018098653A_000043t.gif

【0080】
なお、図3のSC-FDE方式の受信機構成では(数42)を受信判定シンボルとするが、図4の受信機構成の他の例では(数43)に対して、De-windowing処理を行い、受信判定シンボル(数44)を得る。

【0081】
【数42】
JP2018098653A_000044t.gif

【0082】
【数43】
JP2018098653A_000045t.gif

【0083】
【数44】
JP2018098653A_000046t.gif

【0084】
【数45】
JP2018098653A_000047t.gif

【0085】
(18)式において(数46)はDe-windowing行列であり、以下のように定義される。

【0086】
【数46】
JP2018098653A_000048t.gif

【0087】
【数47】
JP2018098653A_000049t.gif

【0088】
【数48】
JP2018098653A_000050t.gif

【0089】
【数49】
JP2018098653A_000051t.gif

【0090】
【数50】
JP2018098653A_000052t.gif

【0091】
ただし、(数51)は受信側でデータシンボルとして取り出す範囲に乗算されるUTW行列である。

【0092】
【数51】
JP2018098653A_000053t.gif

【0093】
「De-windowing処理」
図5は、De-windowing処理を説明するものである。図5の横軸は時間領域におけるリソースエレメントのインデックスであり、縦軸が振幅である。図5Aは、(NTR=256)の場合のMポイントIDFT回路15(図3または図4)からの出力結果である。送信側のWindowing 処理によりMポイントIDFTの出力である、時間軸のリソースエレメント(RE)信号において振幅値に変動が生じる.図はレイズドコサイン窓の場合における例である。

【0094】
この振幅の変動をそのままにして、図3の従来の構成のように後段の受信復調処理を行ってもよい。しかし、16QAMや64QAMなど多値変調を用いる場合は、振幅の変動値によって通信品質に影響が出る場合がある。ここで、送信側で乗算している窓関数の種類と窓長が受信機側で分かっていれば、伝搬チャネル変動や雑音が無い理想的な状態において、受信機側のMポイントIDFT処理後の信号にどのような振幅変動が生じるか事前に計算によって求めることができる。そこで、このあらかじめ計算によって求められる振幅変動値の逆数をDe-windowing係数(図5B)とし、この係数をMポイントIDFT処理の出力結果(図5A)に乗算する。これをDe-windowing処理と呼ぶ。図5Bは、例えばレイズドコサイン窓関数(NTR=256)を用いる場合のDe-windowing係数を示す。De-windowing回路20においては、図5Aに示す信号に対して図5Bに示すDe-windowing係数が乗算される。

【0095】
De-windowing処理後の信号は図5Cに示すように、信号端の振幅レベルが落ち込んでいる部分が補償されていることがわかる。これにより、16QAMや64QAMなど多値変調を用いる場合における復調および復号の精度を向上できる。ただし、前後のシンボルからの漏れ込み等の影響は除去することができずに補償後に残っている。

【0096】
<3.特性評価>
「帯域外輻射電力特性評価」
本発明によるUTW-SC-FDE方式のOOBE特性(帯域外輻射電力抑圧性能)を表1の諸元を適用したLTE信号を用いて計算機シミュレーションにより評価する。

【0097】
【表1】
JP2018098653A_000054t.gif

【0098】
図6に本発明の方式の規格化電力スペクトラム密度(Power spectrum density;PSD)の平均値を示す。一次変調方式としてQPSK、窓関数として式(14)に示すレイズドコサイン窓関数を用い、分解能帯域幅が100kHz、オーバーサンプリング4倍の条件で評価を行った。

【0099】
図6より、本発明では従来のSC-FDE方式に対してOOBEが十分に抑圧でき、窓遷移長NTRを大きくするほどOOBE抑圧性能が向上することがわかる。また、一次変調方式として16QAMおよび64QAMを用いて同様の評価を行い、UTWの窓遷移長NTRNTRをその最大値として適用可能なNで規格化した値NTR/Nと、チャネル帯域端(Channel-edge)、すなわち中心周波数から2.5MHz離れた周波数におけるRelative PSDの関係を評価した結果を図7に示す。

【0100】
図7より、 本発明の方式の Channel-edgeにおけるOOBE抑圧性能は一次変調方式に依らず、SC-FDE方式に対して十分に抑圧できることがわかる。具体的には、NTR/N=9/128、1/8、1/4、1/2、3/4および1でのChannel-edgeにおけるRelative PSD は、SC-FDE方式と比較してそれぞれ21.5dB、32.4dB、45.0dB、57.5dB、64.8dBおよび70.2dB改善されている。なお、NTR/N=9/128の条件はNTRがCPのサンプル数の最小値と等しくなる条件である。

【0101】
「ピーク対平均電力特性」
本発明によるPAPR特性を、表1の諸元を適用したLTE信号を用い、計算機シミュレーションにより評価した。図8は本発明の方式を適用したLTE信号におけるPAPRの相補累積分布関数(Complementary Cumulative Distribution Function; CCDF)を示しており、一つのUTW-SC-FDE送信シンボルのピーク電力対平均電力比が横軸のPAPRを上回る確率を表す。一次変調方式としてはQPSK、16QAMおよび64QAMのそれぞれにおいて、UTWの遷移長NTRがNTR/N=0、1/2および1の各条件で評価を行った。また、比較対象としてOFDM方式における評価も合わせて行った。

【0102】
図8A、図8B、図8Cに示す通り、UTWの遷移長NTRを大きくするほどPAPR特性が劣化するが、これはNTRを大きくすることでUTW-SC-FDE送信信号の遷移時間が長くなり、結果として信号の平均電力が低下するためである。なお、いずれの変調方式においても、NTR/N=1、すなわち、NTR=512の条件で、SC-FDE方式と比較してPAPRが約2 dB劣化するが、OFDM方式よりも良好な特性を示しており、SC-FDE方式の特長である低PAPR特性は損なわれていない。

【0103】
「ブロック誤り率特性」
本発明の方式について、周波数選択性フェージング環境下でのブロック誤り率BLER特性を計算機シミュレーションにより評価した。送信機構成として図1に示したものを用い、表1に示す提案方式を適用したLTE上りリンク信号を送信する。受信機構成としては、従来のSC-FDE方式(図3)および提案方式(図4)の二通りで評価した。両受信機とも、チャネル推定はLTE上りリンクにおけるリファレンス信号を用いた線形補間によって行い、チャネル等化には最小平均二乗誤差等化方式を用いた。

【0104】
計算機シミュレーション諸元を表2に示す。

【0105】
【表2】
JP2018098653A_000055t.gif

【0106】
一次変調方式をQPSK、16QAMおよび64QAMとし、符号化率をそれぞれ0.49、0.50、および0.50とした。また、チャネルモデルはExtended Typical Urban (ETU)モデルを用い、中心周波数は2.5GHz、最大ドップラー周波数は70Hzとした。これは移動速度として約30km/hを想定した条件である。ETUモデルは到来波の最大遅延時間が5.0μsであり、Normal CPモードにおけるLTE上りリンク信号の
CP長は4.7 μsおよび5.0 μsと到来波の最大遅延時間以下である。そのため、受信時の実効CP長を最大とするためにNs =NG として評価した。

【0107】
「従来受信機構成での評価結果」
まず、従来受信機構成(図3参照)を用いた場合の、本発明のSNRに対するBLER特性の評価結果を図9に示す。その結果を図9A、図9B、図9Cに示す。図9は、横軸をSNRとし、縦軸をBLERとしたグラフである。QPSK(図9A)においては、UTWの遷移長NTRが最大となるNTR/N=1を含むすべての条件でBLER=10-3を達成する。特にNTR/N=1/2では、OOBEを従来方式に比べて60dB程度改善できるにもかかわらず、BLER=10-3を達成するSNRの劣化は高々0.6dBにすぎない。

【0108】
16QAM(図9B)においては、NTR/N=0、9/128、1/8および1/4の条件でBLER=10-3を達成する。特にNTR/N=1/4では、OOBEを従来方式に比べて45.0dB程度改善できるにもかかわらずBLER=10-3を達成するSNRの劣化は高々0.8dBである。

【0109】
64QAM(図9C)の場合は、NTR/N=0、9/128および1/8の条件でBLER=10-3を達成するが、NTR/N=1/4、1/2、3/4および1の条件では軽減困難な誤りが生じ、BLER=10-3を達成しない。これは高次変調では特に窓関数によるシンボル間干渉およびキャリア間干渉の影響を受けるためである。とはいえ、従来受信方式を用いた場合でも、64QAM方式において本発明によるUTW-SC-FDE方式はOOBEを約40dB程度改善が可能であると言える。

【0110】
「De-windowingを導入した受信機構成での評価結果」
次にDe-windowingを導入した本発明による受信機構成(図4)を適用した場合の、SNRに対するBLER特性を図10A、図10Bに示す。16QAM(図10A)においては、従来の受信機構成(図3)ではBLER=10-3が達成できなかったNTR/N=1/2の条件においても、BLER=10-3を達成している。また、NTR/N=3/4および1の条件においてもフロア誤り時のBLERが一桁ほど改善している。64QAM(図10B)においても同様に、従来の受信機構成と比較して、NTR/N=1/4および1/2の条件でフロア誤り時のBLERが半減している。

【0111】
「OOBEvsUTW遷移長(NTR)特性」
これまでに得られた結果から本発明方式のOOBE抑圧特性とBLER特性の総合的な評価を行った。図11に各一次変調方式について、NTR/Nを変化させて評価した、BLER=10-3を達成するSNRとChannel-edgeにおけるOOBEの関係を示す。

【0112】
QPSKにおいては従来の受信機構成を用いた場合でも、BLER=10-3を達成するSNRの悪化無しに、Channel-edgeでのOOBEをSC-FDE方式と比較して約60dB改善できる。またBLER=10-3を達成するSNRについて高々3.6dBの劣化を許容すれば、Channel-edgeでのOOBEをSC-FDE方式と比較して最大70.2dB改善できる。

【0113】
16QAMにおいては従来の受信機構成を用いた場合でも、BLER=10-3を達成するSNRの悪化を高々1.3dBに抑えつつ、Channel-edgeにおけるOOBEを最大で45.0dB改善できる。64QAMにおいては従来受信機構成を用いた場合でも、BLER=10-3を達成するSNRの悪化6.8dBに抑えつつ、Channel-edgeにおけるOOBEを最大で32.4dB改善できる。このSNRの劣化はDe-windowingの導入によって5.4dBまで改善できる。

【0114】
以上の結果より、本発明方式は、周波数選択性フェージング環境下においても大幅にOOBEを低減でき、周波数利用効率の点で優れた方式と言える。OOBE抑圧効果と通信品質はトレードオフの関係にあるが、QPSKの場合は特段問題にならない。64QAMなど高次変調モードの場合でもNTRの適切な選択およびDe-windowingの適用により通信品質の劣化を抑えつつOOBEの十分な抑圧が可能である。

【0115】
<4.変形例>
図12および図13を参照して本発明の一実施の形態の変形例(Partial-UTW処理)について説明する。本発明によるUTW-SC-FDE方式は、SC-FDEデータシンボルに対してサイクリックプレフィックス(CP)、オーバーラップマージン(OM)を挿入後、ユニバーサル時間軸窓(UTW)を乗算してからシンボル連結して送信信号とする方式である。ここで、リソースエレメント(RE)ごとに別のUTW関数を適用してもよい。

【0116】
図12および図13に示す例では、リソースエレメント(RE)をx個のグループに分割し、グループごとに任意のUTW関数を適用している。RS挿入回路6の出力側にx個の処理部211 ~21x を接続し、各処理部はNポイントIFFT回路71 ~7x 、パラレルシリアル変換回路101 ~10x 、CPおよびOM挿入回路81 ~8x 、時間軸ウィンドウイング処理回路91 ~9x を有する。処理部211 ~21x から出力されるUTW-SC-FDEシンボルが合成回路22で合成され、送信シンボルが生成される。このとき、各グループに全部同じUTW関数を適用する場合は、図1と同等の送信機となる。このREのグループ分けの例として,例えばリソースブロックごとに別のUTW関数を適用してもよい。

【0117】
上述したように、本発明の一実施の形態では、一次変調方式によらず、SC-FDE方式に対してPAPR特性の悪化を2dB以下に抑えつつチャネル端におけるOOBEを最大70.2dB抑圧できる。また周波数選択性フェージング環境下においても、QPSKにおいてはほぼ通信品質の劣化無しにOOBEを57.5dB改善できる。64QAMのような高次変調モードにおいても、受信機にDe-windowingを導入することで、BLER=10-3を達成するSNRの悪化をSC-FDE方式と比較して5.4dBに抑えつつ、チャネル端におけるOOBEを最大32.4dB改善できる。本発明は、通信品質の劣化を抑えつつOOBEを大幅に低減でき、周波数利用効率の更なる改善が可能である。このため、5Gシステムで実用化される様々なアプリケーションや規格からの要求に柔軟に対応できる、有用性が高い方式である。

【0118】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 チャネル符号化器
2 インターリーブ回路
3 変調器
4 PRBマッピング回路
11 CPおよびOM除去回路
12 NポイントFFT回路
13 チャネル等化回路
14 RSデマッピング回路
15 MポイントIDFT回路
20 De-windowing回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12