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明細書 :神経伝達物質受容体のリガンドスクリーニングシステムの開発

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年3月30日(2017.3.30)
発明の名称または考案の名称 神経伝達物質受容体のリガンドスクリーニングシステムの開発
国際特許分類 G01N  33/566       (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
G01N  33/542       (2006.01)
G01N  21/76        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
C09B  11/28        (2006.01)
C09B  19/00        (2006.01)
A61K  47/50        (2017.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  47/22        (2006.01)
C07D 405/14        (2006.01)
C07D 498/14        (2006.01)
C07D 491/147       (2006.01)
A61P  25/00        (2006.01)
FI G01N 33/566
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
G01N 33/542 A
G01N 21/76
G01N 21/78 C
G01N 21/78 Z
C09B 11/28 CSPE
C09B 11/28 K
C09B 19/00
A61K 47/48
C12Q 1/02
A61K 45/00
A61P 43/00 111
A61K 47/22
C07D 405/14
C07D 498/14
C07D 491/147
A61P 25/00
国際予備審査の請求
全頁数 49
出願番号 特願2016-504151 (P2016-504151)
国際出願番号 PCT/JP2015/054558
国際公開番号 WO2015/125851
国際出願日 平成27年2月19日(2015.2.19)
国際公開日 平成27年8月27日(2015.8.27)
優先権出願番号 2014029880
優先日 平成26年2月19日(2014.2.19)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】浜地 格
【氏名】清中 茂樹
【氏名】若山 翔
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
2G054
4B063
4C050
4C063
4C072
4C076
4C084
Fターム 2G045FB12
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4C084AA17
4C084NA13
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZC412
4C084ZC781
要約 本発明は、下記式(II)
[化1]
JP2015125851A1_000047t.gif
(式中、Rec-Nuは神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)から水素原子が脱離した基を示す。Nuは、当該神経伝達物質受容体が有する求核基(Nu-H) から水素原子が脱離した2価の基を示す。L2は2価の連結基を示し、Flは標識基を示す。)
で表される基本構造を有し、アンタゴニストが結合したときとアゴニストが結合したときとで蛍光のパターンが変化する、標識された神経伝達物質受容体に前記受容体との相互作用が期待される候補物質を作用させて、前記候補物質と前記受容体の結合様式を標識が発するシグナルの変化により検出し、その結果に基づいて行うことを特徴とする、当該神経伝達物質受容体に結合する物質のスクリーニング方法を提供するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(II)
【化1】
JP2015125851A1_000042t.gif
(式中、Rec-Nuは神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)から水素原子が脱離した基を示す。Nuは、当該神経伝達物質受容体が有する求核基(Nu-H) から水素原子が脱離した2価の基を示す。L2は2価の連結基を示し、Flは標識基を示す。)
で表される基本構造を有し、アンタゴニストが結合したときとアゴニストが結合したときとで蛍光のパターンが変化する、標識された神経伝達物質受容体に前記受容体との相互作用が期待される候補物質を作用させて、前記候補物質と前記受容体の結合様式を標識が発するシグナルの変化により検出し、その結果に基づいて行うことを特徴とする、当該神経伝達物質受容体に結合する物質のスクリーニング方法。
【請求項2】
標識された神経伝達物質受容体を有する細胞に前記候補物質を作用させる、請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
前記受容体がAMPA受容体である、請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
下記式(I)
【化2】
JP2015125851A1_000043t.gif
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは、求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される化合物。
【請求項5】
下記式(I)
【化3】
JP2015125851A1_000044t.gif
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは、求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される当該神経伝達物質受容体の標識剤。
【請求項6】
下記式(I)
【化4】
JP2015125851A1_000045t.gif
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される化合物と当該神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)を反応させて下記式(II)
【化5】
JP2015125851A1_000046t.gif
(式中、Rec-Nuは当該神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)から水素原子が脱離した基を示す。Nuは、当該神経伝達物質受容体が有する求核基から水素原子が脱離した2価の基を示す。L2は2価の連結基を示し、Flは標識基を示す)
で表される基本構造を有し、アンタゴニストが結合したときとアゴニストが結合したときとで標識の発するシグナルのパターンが変化する、標識された神経伝達物質受容体を得ることを特徴とする、標識受容体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光標識された神経伝達物質受容体及び標識された神経伝達物質受容体の製造方法、神経伝達物質受容体の標識剤及び前記標識剤として有用な化合物、神経伝達物質受容体リガンドのスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神経伝達物質を受け取る受容体は、重要な薬剤標的として広く知られているタンパク質である。例えばグルタミン酸は重要な神経伝達物質の1つとして広く受け入れられており、その受容体であるグルタミン酸受容体は、神経伝達に必須なタンパク質である。グルタミン酸受容体は、アゴニストの特徴から、AMPA型、NMDA型、カイニン酸型に分類されるが、AMPA型受容体は神経活動、特に記憶や学習に必須なタンパク質であり、その異常は、統合失調症、脳卒中、アルツハイマー病など様々な疾患を引き起こす。そのため、AMPA型受容体は重要な薬剤標的として位置づけられてきた。これまでに、複数の選択的作用薬が開発されてきたが、サブタイプ選択性など課題を抱えた状態である。その原因として、AMPA受容体に対する薬剤の作用をハイスループットに評価できる方法は知られていないことが挙げられ、作用薬の高効率な開発方法が求められてきた。
例えばグルタミン酸受容体の部分配列であるリガンド結合部位を用いて、グルタミン酸に対する蛍光応答の検出が報告されている(非特許文献1)が、全長のグルタミン酸受容体を用いた蛍光応答システムは皆無である。全長のグルタミン酸受容体を用いての薬剤アッセイは、AMPA受容体の活性(イオンチャネル特性)評価が一般的であるが、その評価方法は煩雑であるため、ハイスループットな評価方法へは展開できていない。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Namiki, S. et al, Eur. J. Neurosci., 25, 2249-2259 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、神経伝達物質受容体リガンド(アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト)をハイスループットにアッセイしてそのリガンドとしての機能を明らかにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、蛍光標識された神経伝達物質受容体及び標識された神経伝達物質受容体の製造方法、神経伝達物質受容体の標識剤及び前記標識剤として有用な化合物、神経伝達物質受容体リガンドのスクリーニング方法を提供するものである。
項1. 下記式(II)
【0006】
【化1】
JP2015125851A1_000003t.gif

【0007】
(式中、Rec-Nuは神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)から水素原子が脱離した基を示す。Nuは、当該神経伝達物質受容体が有する求核基(Nu-H) から水素原子が脱離した2価の基を示す。L2は2価の連結基を示し、Flは標識基を示す。)
で表される基本構造を有し、アンタゴニストが結合したときとアゴニストが結合したときとで蛍光のパターンが変化する、標識された神経伝達物質受容体に前記受容体との相互作用が期待される候補物質を作用させて、前記候補物質と前記受容体の結合様式を標識が発するシグナルの変化により検出し、その結果に基づいて行うことを特徴とする、当該神経伝達物質受容体に結合する物質のスクリーニング方法。
項2. 標識された神経伝達物質受容体を有する細胞に前記候補物質を作用させる、項1に記載のスクリーニング方法。
項3. 前記受容体がAMPA受容体である、項1又は2に記載のスクリーニング方法。
項4. 下記式(I)
【0008】
【化2】
JP2015125851A1_000004t.gif

【0009】
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは、求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される化合物。
項5. 下記式(I)
【0010】
【化3】
JP2015125851A1_000005t.gif

【0011】
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは、求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される当該神経伝達物質受容体の標識剤。
項6. 下記式(I)
【0012】
【化4】
JP2015125851A1_000006t.gif

【0013】
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは求核基(Nu-H)を有する神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
で表される化合物と当該神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)を反応させて下記式(II)
【0014】
【化5】
JP2015125851A1_000007t.gif

【0015】
(式中、Rec-Nuは当該神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)から水素原子が脱離した基を示す。Nuは、当該神経伝達物質受容体が有する求核基から水素原子が脱離した2価の基を示す。L2は2価の連結基を示し、Flは標識基を示す)
で表される基本構造を有し、アンタゴニストが結合したときとアゴニストが結合したときとで標識の発するシグナルのパターンが変化する、標識された神経伝達物質受容体を得ることを特徴とする、標識受容体の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
神経伝達物質などのリガンドを受け取る受容体タンパク質は、重要な薬剤標的である。例えばグルタミン酸は重要な神経伝達物質として広く知られており、その受容体であるグルタミン酸受容体は、神経伝達に必須なタンパク質である。本発明者らは、例えばグルタミン酸受容体の一種であるAMPA受容体などの神経伝達物質受容体のリガンド結合部位近傍に選択的に標識する技術を開発した。
【0017】
本発明の方法では、生きた細胞の細胞膜表層で発現している受容体を共有結合的に蛍光標識することが可能となる。受容体のリガンド結合部位近傍に例えば蛍光団等の標識をラベル化した結果、リガンドの結合応答を例えば蛍光等の標識の発するシグナルの変化として可視化することが可能となった。想定外の成果として、リガンドの結合によりその構造が大きく変わる神経伝達物質受容体のリガンドで、受容体を活性化するアゴニストと不活性化するアンタゴニストでは例えば蛍光応答等の標識の発するシグナルが異なり、アゴニストとアンタゴニストを例えば蛍光変化等として見分けることが可能となった。この変化は、ハイスループットな検出システムに利用できる。以上の結果から、本研究成果は、例えばAMPA受容体を含む任意の神経伝達物質受容体の作用薬をハイスループットにアッセイできるシステムを構築できたことを意味する。
AMPA受容体以外の神経伝達物質受容体のリガンドでも、受容体を活性化するアゴニストと不活性化するアンタゴニストでは例えば蛍光応答等の標識の発するシグナルが異なり、任意の神経伝達物質受容体のアゴニストとアンタゴニストを例えば蛍光変化等として見分けることが可能となり、選択的な作用薬をハイスループットにスクリーニングすることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】Ligand Directed Acyl イミダゾールe (LDAI) 化学の適用及びラベル化剤分子設計
【図2】In vitro(精製タンパク質を用いての)ラベル化。In vitroでリガンド認識駆動のラベル化が進行。
【図3】AMPA受容体過剰発現細胞でのラベル化。HEK293T細胞において選択的かつ効率的なラベル化を確認。
【図4】細胞表層AMPA受容体のラベル化時間依存性。経時的なラベル化反応の進行を確認。
【図5】神経細胞内在性AMPA受容体のラベル化挙動の色素依存性を評価。親水的なAlexa488型ラベル化剤によるさらに選択的なラベル化。
【図6】神経細胞内在性AMPA受容体のイメージング。ラットから単離した海馬細胞のラベル化。神経細胞内在性AMPA受容体の可視化に成功。
【図7】Alexa488型ラベル化剤を用いたケミカルラベル、GluR2を一過的に発現させたHEK293Tを用いてのライブイメージング
【図8】Alexa488ラベル化AMPA受容体のリガンド応答評価。GluR2を発現するHEK293T細胞でAlexa488ラベル化後に、余剰のラベル化剤等をwash outし、再度ligand(NBQXを加えて)蛍光応答を評価した。・リガンド応答をより詳細に評価。・リガンドの結合・解離とチャネル活性を同時に評価。・神経細胞(シナプス)でのリガンド応答を評価。
【図9】使用したラベル化剤の構造
【図10】ラベル化AMPARによるリガンド機能解析-1。AMPA受容体リガンドの結合に対して、蛍光増加を示すことが明らかになった。
【図11】ラベル化AMPARによるリガンド機能解析-2。AgonistとAntagonistで異なる応答パターンを示し、AgonistとAntagonistを区別するバイオセンサーとして機能することが明らかになった。
【図12】多様なリガンドへの応答を評価
【図13】リガンド応答色素依存性。Alexa488, Oregon greenは、リガンドの機能に関わらず同様の応答を示すため、結合速度定量に適している。また、Alexa568やATTO655は、リガンドの機能・作用機序を区別して応答するため、リガンドのカテゴライズに適している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明で使用する受容体の標識試薬であるリガンド指向性アシルイミダゾール化合物(LDAI)を以下に示す。

【0020】
【化6】
JP2015125851A1_000008t.gif

【0021】
(式中、L1、L2は各々独立して2価の連結基を示し、Lgは神経伝達物質受容体に対するリガンドを示し、Flは標識基を示す。R1、R2は同一又は異なって水素原子又は置換基を示す。)
アシルイミダゾール部分を有する本発明の標識試薬(ラベル化剤)は、リガンド(Lg)の部分で神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)に結合し、受容体(Rec-Nu-H)中の求核基(Nu-H)がアシルイミダゾールのカルボニルのC原子を攻撃し、N-CO結合が切断されて、イミダゾール基を有するリガンドは受容体から離れ、標識基(Fl)が受容体のNuと-CO-O-(L2)n2基を介して連結されて標識受容体:Rec-Nu-CO-O-(L2)n2-Fl
(式中、Rec-Nuは神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)からHが脱離した基を示し、Nuは受容体の求核基(Nu-H)からHが脱離した基を示し、L2、n2、Flは前記に定義されるとおりである。)
が得られる。なお、複数の標識基(Fl)が受容体の複数のNuと-CO-O-(L2)n2基を介して連結されてもよい。

【0022】
求核基(Nu-H)は、受容体を構成するアミノ酸に含まれるLysの末端のNH2基、Tyrのフェノール性OH基、CysのSH基、Hisのイミダゾール基などが挙げられ、特にLysの末端のNH2基である。Nuは、-NH-、-O-、-S-などが挙げられ、-NH-が好ましい。

【0023】
標識基(Fl)としては、Alexa-350、Alexa-430、Alexa-488、Alexa-532、Alexa-546、Alexa-555、Alexa-568、Alexa-594、Alexa-633、Alexa-647、Alexa-660、Alexa-680、Alexa-750、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、BODIPY 505/515、インチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、Oregon green、イソチオシアン酸エオシン、PE、ATTO655、CypHer5E、Rhordamine B、BODIPY 580/605、Texas Red、APC、インドシアニングリーンなどの蛍光プローブ、ユウロピウムやサマリウムなどのランタノイド錯体、量子ドット、放射性同位体、光架橋剤、ペプチド、水溶性高分子などを挙げることができ、好ましくはAlexa-488、Oregon green、Alexa-546、Alexa-568、ATTO655、CypHer5Eが挙げられる。

【0024】
光架橋剤を標識基として用いた場合、標識された神経伝達物質受容体に対して相互作用タンパク質が結合した際に光を照射することにより、相互作用タンパク質と受容体を結合させることができるので、受容体のタンパク質間相互作用の検出に有用である。

【0025】
ペプチドを標識基として用いた場合、標識された、膜表面にある神経伝達物質受容体は細胞内輸送等のタンパク質の機能が改変されるので、このような機能改変に有用である。また、PEGなどの水溶性高分子を標識基として用いた場合、標識された神経伝達物質受容体は、血中半減期が増大したり、可溶化の度合いが高まることによる膜タンパク質の安定性向上といった効果が期待できる。

【0026】
光架橋剤としては、フェニルアジドなどのアリールアジド、ジアジリン、ベンゾフェノンなどの反応性の高い基が挙げられる。これらの基は光照射により近傍にある化合物と速やかに反応するので、リガンドと受容体のタンパク質間相互作用の検出に有用である。
水溶性高分子としてはポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。

【0027】
放射性同位体としては、放射性同位体、好ましくはH、35Sなどが挙げられる。
ペプチドとしては、tatペプチドなどの膜透過性ペプチド、各種ホーミングペプチド、各種ペプチドリガンド等が挙げられる。

【0028】
標識基で標識される神経伝達物質受容体(Rec-Nu-H)としては、任意の神経伝達物質受容体が標識の対象となり、特に限定されないが、具体的には、以下の受容体とそのリガンドが挙げられる:
・グルタミン酸受容体:神経伝達物質としてのグルタミン酸を結合する。結合する薬物によりNMDA受容体、AMPA受容体、カイニン酸受容体に分けられる。
・ムスカリン性アセチルコリン受容体:アセチルコリン、ムスカリン
・アデノシン受容体:アデノシン、カフェイン
・アドレナリン受容体:アドレナリン、ノルアドレナリン
・GABA受容体:GABA
・カンナビノイド受容体:大麻成分およびアナンダミド
・コレシストキニン受容体:コレシストキニン
・ドーパミン受容体:ドーパミン
・ヒスタミン受容体:ヒスタミン
・オピオイド受容体:コカイン、モルヒネ、ヘロインなどのアヘン成分および内在性ペプチド性リガンド(エンケファリン、エンドルフィン等)
・セロトニン受容体:セロトニン
・ソマトスタチン受容体:ソマトスタチン
・ニコチン性アセチルコリン受容体:アセチルコリン、ニコチン
・グリシン受容体:神経伝達物質としてのグリシン、ストリキニン

【0029】
受容体とリガンドの組み合わせの代表例を上記に示すが、標識対象の受容体と該受容体に結合するリガンドの組み合わせはこれらに限定されず、現在知られている神経伝達物質受容体とリガンドの組み合わせ、或いは将来発見される神経伝達物質受容体とリガンドの組み合わせのいずれを使用してもよい。

【0030】
本発明の一般式(I)の化合物において、
L1、L2は同一であっても異なっていてもよく、2価の連結基が挙げられる。2価の連結基としては、-O-、-CO-、-COO-、-O-CO-、-NHCO-、-CONH-、-(CH)m1-(m1は1~6の整数を示す)、アリーレン基(特に、オルト、メタ、パラなどのフェニレン)、ヘテロアリーレン基、-NH-、-(CHCHO)m2-(m2は1~10の整数を示す。)、-(CHCH(CH)O)m2-(m2は1~10の整数を示す。)などが挙げられ、これらは1種のみでもよく、同一又は異なる2種以上を組み合わせて1つの二価の連結基を構成してもよい。また、2価の連結基の(末端の)CO、COO、O-CO-、CONH、NHCO、NHなどは、Lg、FlなどのCOOH、NH2などと結合して、アミド、ウレタン、ウレアなどの結合を形成することができる。
Lg、Flの導入は、これらが末端にカルボン酸(COOH)、又はそのエステルもしくは活性エステル、NH2、SH、OHなどの官能基を有する場合にはそれらを利用して行うことができる。Lg、Flが適当な官能基を有しない場合には、カルボン酸(COOH)、又はそのエステルもしくは活性エステル、NH2、SH、OHなどの連結用官能基を末端に導入し、この官能基を利用して連結することができる。Lg、Flの導入は例えば以下のスキーム1,2に従いようにして行うことができる。スキーム(Scheme)1,2はアミド結合(CONH,NHCO)を用いてLg、Flを導入する方法であるが、エーテル結合、チオエーテル結合、アミノ結合などを用いて公知の方法に従いLg、Flを導入することができる。

【0031】
【化7】
JP2015125851A1_000009t.gif

【0032】
(式中、R、R、L、L、Lg、Flは、前記に定義されるとおりである。CONH-L1aとNHCO-L1aはLの具体的な実施形態を示し、L2aは2価の連結基を示す。YはOH,アルコキシ、アリールオキシ、イミダゾリル、1-ヒドロキシベンゾトリアゾリル(O-Bt)、N-ヒドロキシスクシンイミジル(OSu)などの活性エステルとして利用される脱離基を示す。DSCはジスクシンイミジルカルバメートを示す。)

【0033】
スキーム1,2におけるアミド結合(CONH,NHCO)の形成は、原料となるアミノ化合物(-NH基を有する化合物)とカルボン酸、エステル又は活性エステル化合物(-CO-Y1基を有する化合物)を等モル程度用い、室温から溶媒の沸騰する程度の温度下に1~24時間反応させることで有利に進行する。溶媒としては、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロルエタン、ベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。

【0034】
スキーム2において、DSCはFl-CONH-L2a-OH又はFl-NHCO-L2a-OH1モルに対し1モルから過剰量使用し、触媒量から過剰量の塩基(トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、DBUなど)の存在下に室温から溶媒の沸騰する程度の温度下に1~24時間反応させることにより目的の化合物(2)を得ることができる。

【0035】
AMPA受容体リガンド(AMPAR ligand)、NMDA受容体リガンド(NMDAR ligand)、GABA受容体リガンド(GABAR ligand)、代謝型グルタミン酸受容体リガンド(mGluR1 ligand)の構造を以下に示す。

【0036】
【化8】
JP2015125851A1_000010t.gif

【0037】
AMPA受容体リガンドは、末端のアミノ基を用いてアミド結合、ウレタン結合などによりL1と結合させることができる。
NMDA受容体リガンドは、末端のα、β不飽和カルボキシル基を用いてアミド結合、エステル結合などによりL1と結合させることができる。
GABA受容体リガンドは、7員環の二級アミノ基(NH)をアルキル化し、N-C結合によりL1と結合させることができる。

【0038】
上記のmGluR1リガンドは、ピリミジン環にハロゲン原子を導入したものを示している。このハロゲン原子の位置に求核置換反応でNH-、O-、S-などの2価の連結基L1を導入することができる。
これら4つの受容体のリガンド以外にも、同様にリガンドの機能を失わない位置においてL1と結合させることができる。
2価の連結基の2種以上の組み合わせとしては、例えば以下のものが挙げられる:

【0039】
【化9】
JP2015125851A1_000011t.gif

【0040】
例えば、上記例示の末端アミノ(NH)基は、FlやLgなどのCOOH基とアミド結合を形成してもよい。

【0041】
R1~R2の置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、ハロゲン原子、OH、CN、NO、COOH、NH、フェニル、ベンジル、アセチルアミノ、アセチル、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。

【0042】
アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどの直鎖状又は分枝鎖状のC1-18アルキル、好ましくはC1-6アルキル、より好ましくはC1-4アルキルが挙げられる。

【0043】
シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどのC3-10シクロアルキル、好ましくはC3-8シクロアルキル、より好ましくはC5-6シクロアルキルが挙げられる。環の一部がヘテロ元素で置換されていたり、置換基を持っていてもよい。
アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ポリエチレングリコール誘導体などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-18アルコキシ、好ましくはC1-6アルコキシ、より好ましくはC1-4アルコキシが挙げられる。
R1、R2は水素原子が好ましい。

【0044】
本発明の化合物は、以下のスキーム3に従い合成することができる。

【0045】
【化10】
JP2015125851A1_000012t.gif

【0046】
(式中、R、R、L、L、Lg、Flは、前記に定義されるとおりである。)
反応は、化合物(1)1モルに対し、化合物(2)を1モルから過剰量、塩基(Base)を1モルから過剰量使用し、溶媒中で室温から溶媒の沸騰する温度下に1~24時間反応させることにより有利に進行する。溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンなどの塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エーテル、ジイソプルイピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素、DMF、DMSO、ジオキサン、N-メチルピロリドンなどが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、DBUなどが挙げられる。

【0047】
(A)化合物(I)による受容体の標識方法
神経伝達物質受容体は、単離した受容体であってもよいが、膜結合型の受容体に直接化合物(I)を反応させてもよく、受容体を発現した細胞を化合物(I)と反応させてもよい。本明細書において、「受容体」とは、受容体タンパク質あるいはリガンド結合部位と求核基を有するその断片、受容体を含む細胞膜の断片、受容体を発現した細胞を全て含む場合がある。細胞は、受容体の遺伝子を導入して受容体を高発現させた細胞が好ましく使用できる。受容体が複数のタンパク質から構成されるとき、リガンド結合部位を含むタンパク質だけでなく受容体を構成する全てのタンパク質の遺伝子を導入して高発現させた細胞を使用することができる。受容体を高発現させた細胞は、リガンドスクリーニングの際にシグナル(蛍光強度あるいはその変化)が大きくなるので好ましい。

【0048】
受容体と化合物(I)との反応は、溶媒、緩衝液又は細胞の培地中で行うことができる。化合物(I)は受容体に対し過剰量使用するのが好ましい。化合物(I)は、受容体とリガンド(Lg)が結合した場合に受容体を標識するが、非特異的な標識化は抑制されている。反応終了後は化合物(I)を洗浄により除去することで過剰な化合物(I)を除去することができ、非特異的な蛍光標識を抑制できる。反応温度は室温から37℃程度であり、反応時間は30分~12時間程度である。溶媒は水あるいは化合物(I)が溶解する溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの水混和性溶媒が挙げられる。緩衝液としては、HEPES緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液,などが挙げられる。

【0049】
受容体を発現する細胞は、培養細胞でもよく、組織切片中の受容体発現細胞(好ましくはヒト細胞)、あるいは非ヒト哺乳動物の生体中の受容体発現細胞に対し化合物(I)の溶液を供給し、蛍光標識してもよい。

【0050】
(B)受容体に結合する候補物質(リガンド)のスクリーニング方法
標識された受容体と受容体のリガンド(アゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト)を水などの溶媒あるいは細胞培養用の培地中に受容体に結合する候補物質を混合し、蛍光の変化を見ることで、候補物質が受容体とどのような様式で結合するかを評価することができる。

【0051】
例えば、図13に示すように、標識基がAlexa488、OG(Oregon green)の場合、アゴニストと競合的アンタゴニストはいずれも蛍光が上昇し(↑、図10)、標識基がAlexa568の場合には、競合的アンタゴニストの場合に蛍光が低下し(↓)、アゴニストとアンタゴニストの場合には蛍光変化は生じない。さらに、ATTO655の場合には、リガンドがアゴニストでは蛍光が上昇し(↑)、競合的アンタゴニストでは蛍光が一過性に上昇した後に低下し(↑↓)、非競合的アンタゴニストでは蛍光が低下する(↓)。

【0052】
このように、本発明の標識された受容体は、必要に応じていくつかの標識受容体を組み合わせることで、例えば蛍光等の標識の発するシグナルの変化によりリガンドがアゴニスト、競合的アンタゴニスト、非競合的アンタゴニストのいずれであるのかを検出することができ、リガンドである(アゴニスト+アンタゴニスト)ことをハイスループットで検出したい場合には、例えば蛍光変化の大きいAlexa488を選択するなど、用途に応じて適切な蛍光標識受容体を選択することができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
実施例1
材料と方法
全ての化学物質及び生物化学的試薬は、市販品を購入し、さらに精製することなく使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカ ゲル 60 F254 をプレコートしたアルミニウムシート(Merck社)を用いて行い、蛍光クエンチング又はニンヒドリン染色により可視化した。クロマトグラフィーによる精製は、シリカゲル60 N (neutral, 40-50 μm, 関東化学社)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて行った。
【実施例】
【0054】
物理化学的測定: 1H-NMR スペクトルは400 MHz Varian Mercury spectrometerで記録した。ケミカルシフトは、 残留溶媒ピーク又はテトラメチルシラン(δ = 0 ppm)により標準化した。MALDI-TOF MSスペクトルをマトリクスとしてα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)又はシナピン酸(SA)を用いてAutoflex III (Bruker Daltonics, Bremen, Germany) で記録した。高分解能マススペクトルをエレクトロスプレーイオン化(ESI)を備えたExactive (Thermo Scientific, CA, USA)で測定した。逆相HPLC (RP-HPLC)は、ダイオードアレイ及び蛍光検出器並びにYMC-Pack Triat C18又は ODS-Aカラムを備えたHitachi Chromaster systemで測定した。0.1% TFA、もしくは10 mM 酢酸アンモニウム (溶媒 A)及び0.1% 水性 TFA含有アセトニトリルあるいはアセトニトリル((溶媒 B))を含有する直線グラジエントで行った。
【実施例】
【0055】
【化11】
JP2015125851A1_000013t.gif
【実施例】
【0056】
化合物 4
窒素雰囲気下で、2-ニトロ-4-トリフルオロメチルアニリン (10.5 g, 50 mmol)、トリエチルアミン (9 ml, 64 mmol)、ジメチルアミノピリジン (20 mg)を乾燥THF 100mlに溶かした。氷浴下で、エチルオキサリルクロリド 8.88g (64 mmol)を滴下して、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒留去した。エタノールで再結晶を行い、12.6 g(41.1 mmol, 82%)の薄黄色結晶の化合物4を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.0 (s, 1H), 9.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.96 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.49 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.47 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
【実施例】
【0057】
化合物 5
窒素雰囲気下で、化合物4 (5.2 g, 17 mmol)を乾燥THF 75 mlに溶かした。tert-ブトキシカリウム 2.6 g (23 mmol)を少量ずつ加えて、室温で30分間撹拌した。その後に、ブロモ酢酸エチル 3.1g (25 mmol)を滴下し、室温で5時間撹拌し、さらに3時間加熱還流した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒留去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン / 酢酸エチル=6/1-5/1-4/1)で精製を行い、2.6 g (6.6 mmol 39%)の黄色油状の化合物5を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.31 (s, 1H), 7.96-7.91 (m, 2H), 4.48 (d, , J = 17.6 Hz 1H), 4.27 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 1.32 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.13 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
【実施例】
【0058】
化合物 6
化合物5 (0.2 g, 0.51 mmol)を酢酸 3 mlに溶かした。鉄粉末 0.17 g を加えて、1時間加熱還流した。反応溶液を空冷した後に溶媒を留去し、残渣に水を加えて固液洗浄を行い、得られた固体を回収した後に、エタノールから再結晶し、82.4 mg (0.26 mmol, 51%)の白色結晶の化合物6を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.4 (s, 1H), 7.45 (s, 3H), 5.00 (s, 2H), 4.16 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.20 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0059】
化合物 7
化合物6 (82.4 mg, 0.26 mmol)を濃硫酸 1 mlに溶かした。氷浴下で硝酸カリウム 26.3 mg (0.26 mmol)を加えて、1時間撹拌した。反応溶液を氷水に加え、析出した固体を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層の溶媒を留去し、88.0 mg (0.21 mmol)の白色固体の粗化合物7を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.7 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.17 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0060】
化合物 8
粗化合物7 (88 mg, 0.21 mmol)をDMF 0.6 mlに溶かした。10% パラジウム炭素 9 mgを加えて、水素雰囲気下で1時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別で除いた後に、溶媒を留去した。残渣をエタノールで洗浄し、87.2 mg(0.22 mmol, 100%)の白色固体の粗化合物8を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.0 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 5.47 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 4.17 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0061】
化合物 9
粗化合物8 (87.2 mg, 0.22 mmol)と2,5-ジメトキシ-3-テトラヒドロフランカルバルデヒド35.2 mg (0.22 mol)を酢酸 1.5 mlに溶かした。20分間加熱還流を行った後に放冷し、溶媒留去した。メタノール0.5 mlに溶かした後に、クロロホルム 20 mlを加えて再沈殿させた。固体を濾過にて回収し、減圧乾燥後に、80.9 mg (0.17 mmol, 77%)の白色固体の化合物9を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.5 (s, 1H), 9.76 (s, 1H), 7.8-7.6 (m, 2H), 7.64 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.14 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0062】
化合物 10
化合物9 (100 mg, 0.24 mmol)をエタノール 3 mlに溶かした。ヒドロキシアミン塩酸塩 34 mg (0.49 mmol)、酢酸ナトリウム 40 mg (0.48 mmol)を加えた後に、1.5時間加熱還流を行った。水で固液洗浄を行い、固体を濾過にて回収し、減圧乾燥後に、92 mg (0.22 mmol, 89%)の白色固体の化合物10を得た。1H-NMRより、シス体とトランス体の存在比は、22:78であった。
【実施例】
【0063】
化合物 11
化合物10 (32 mg, 0.075 mmol)をエタノール 1 mlと濃塩酸 0.1 mlとの混合溶液に溶かした。10% パラジウム炭素 15 mgを加えて、水素雰囲気下で終夜撹拌した。パラジウム炭素を濾別で除いた後に、溶媒を留去し、26 mg(0.64 mmol, 85%)の化合物11を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.64 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.25 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.05 (s, 2H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0064】
化合物 12
イミダゾール酢酸塩酸塩 31 mg ( 0.19 mmol)を乾燥DMF 2 mlに溶解させた。WSC-HCl 45 mg (0.24 mmol)、HOBt-H2O 32 mg (0.24 mmol)、化合物 12 (70 mg, 0.16 mmol)、DIEA 164 μl (0.94 mmol)を加えて、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3 / MeOH =5/1(NH3 1%))で精製を行い、31 mg (61 μmol)の化合物12を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.60 (s, 2H), 7.23 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.80-6.77 (s, 2H), 6.21 (s, 1H), 5.03 (s, 1H), 4.27-4.18 (m, 4H), 3.51 (s, 2H), 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0065】
化合物 13
化合物12 (20 mg, 33 μmol)をメタノール 0.5 mlに溶解させ、0.5 M 水酸化リチウム水溶液 284 μl (142 μmol)を加えて室温で3時間撹拌した。1N 塩酸を加えて中和した後に減圧乾固し、得られた粗生成物をそのまま次の反応に用いた。次の反応に用いた。
【実施例】
【0066】
化合物 14
オレゴングリーン (300 mg, 0.73 mmol)を乾燥DMF 5 mlに溶解させ、HATU 540 mg (1.31 mmol)、DIEA 0.36 ml (2.2 mmol)を加えて、室温で4時間撹拌した。溶媒留去後、カラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3/MeOH/AcOH = 100/10/1 → 100/25/1)で精製を行い、173 mg (0.35 mmol)の化合物14を得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.78 (m, 1H), 8.58 (m, 1H), 8.58 (m, 1H),8.06 (m, 1H), 7.36 (m, 1H), 6.32 (m, 4H),4.60 (m, 1H), 3.62-3.30 (m, 8H).
【実施例】
【0067】
化合物 15
化合物 14 (55 mg, 0.11 mmol)を乾燥DMF 1.5 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、ジスクシンイミジルカルバメート71 mg (0.28 mmol)、トリエチルアミン 38.6 μl (0.28 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。溶媒留去した後に、ジクロロメタン 2 mlに溶解させ、ジエチルエーテル 2 mlを加えて再沈殿させた。得られた固体を減圧乾燥し、40 mgの粗化合物 15を得た。得られた粗生成物をそのまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0068】
化合物 1(Oregon Green)
化合物 13 (36 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、化合物15 (25 mg, 39 μmol)、ピリジン 11.4 μl (0.14 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。反応溶液にアセトニトリルを加えることで、再沈殿させ、得られた固体をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物1(Oregon Green)を得た。MALDI-TOF-Mass ([M+H]=1014.38(obs.), 1015.21(calc.))
【実施例】
【0069】
【化12】
JP2015125851A1_000014t.gif
【実施例】
【0070】
化合物 16
化合物 11 (166 mg, 0.37 mmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、無水コハク酸 (45 mg, 0.45 mmol)、DIEA 130 μl (0.74 mmol)を加えて、室温で2.5時間撹拌した。溶媒を留去した後に、残渣を水で洗浄し、92 mg (0.18 mmol)の化合物16を得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.60 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.81 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 6.23 (s, 1H), 5.01 (s, 1H), 4.25-4.20 (m, 4H), 2.59-2.42 (m, 4H), 1.24 (t, J = 5.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0071】
化合物 17
化合物 16 (92 mg, 0.18 mmol)を乾燥DMF 5 mlに溶解させた。WSC-HCl 45 mg (0.24 mmol)、HOBt-H2O 32 mg (0.24 mmol)、ヒスタミン塩酸塩 43mg (0.24 mmol)、DIEA 158 μl (0.91 mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3 / MeOH =5/1(NH3 1%))で精製を行い、72 mg (0.12 mmol)の化合物17を得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.59 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.85-6.77 (m, 3H), 6.21 (t, J = 4.2 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.29-4.20 (m, 4H), 2.77-2.42 (m, 8H), 1.25 (t, J = 5.4 Hz, 3H).
【実施例】
【0072】
化合物 18
化合物17 (20 mg, 33 μmol)をメタノール 0.5 mlに溶解させ、0.5 M 水酸化リチウム水溶液 284 μl (142 μmol)を加えて室温で3時間撹拌した。1N 塩酸を加えて中和した後に減圧乾固し、得られた粗生成物をそのまま次の反応に用いた。次の反応に用いた。
化合物 2(Oregon Green)
化合物 18 (33 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、化合物15 (21 mg, 33 μmol)、ピリジン 10.6 μl (0.13 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。反応溶液にアセトニトリルを加えることで、再沈殿させ、得られた固体をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(Oregon Green)を得た。ESI-Mass ([M+Na]=1123.2507(obs.), 1123.2504(calc.))
【実施例】
【0073】
【化13】
JP2015125851A1_000015t.gif
【実施例】
【0074】
化合物 19
化合物 11 (130 mg, 0.29 mmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、無水アジピン酸 (45 mg, 0.45 mmol)(ref.1)、DIEA 102 μl (0.58 mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3 / MeOH =5/1(NH3 1%))で精製を行い、137 mg (0.25 mmol)の化合物19を得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.90 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.82-6.73 (m, 2H), 6.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.24-4.19 (m, 4H), 2.32-2.28 (m, 4H), 1.71-1.56 (m, 4H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【実施例】
【0075】
化合物 20
化合物 19 (137 mg, 0.25 mmol)を乾燥DMF 5 mlに溶解させた。WSC-HCl 63 mg (0.33 mmol)、HOBt-H2O 45 mg (0.33 mmol)、ヒスタミン塩酸塩 61 mg (0.33 mmol)、DIEA 221 μl (1.27 mmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後に、カラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl3 / MeOH =5/1(NH3 1%))で精製を行い、72 mg (0.12 mmol)の粗化合物20を得た。得られた粗生成物をそのまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0076】
化合物 21
粗化合物20 (33 mg)をメタノール 0.5 mlに溶解させ、0.5 M 水酸化リチウム水溶液 210 μl (105 μmol)を加えて室温で5時間撹拌した。1N 塩酸を加えて中和した後に減圧乾固した。得られた固体をHPLC(アセトニトリル(0.1% TFA)/水(0.1% TFA))で精製し、凍結乾燥して、化合物21を得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.80 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 6.82-6.78 (m, 2H), 6.21 (s, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.24 (s, 2H), 3.47 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.90 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.22-2.14 (m, 4H), 1.62-1.55 (m, 4H).
【実施例】
【0077】
化合物 3(Oregon Green)
化合物 21 (18 mg, 26 μmol)を乾燥DMF 0.5 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、化合物15 (17 mg, 26 μmol)、ピリジン 10.6 μl (0.13 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。反応溶液にアセトニトリルを加えることで、再沈殿させ、得られた固体をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物3(Oregon Green)を得た。ESI-Mass ([M+Na]=1129.3009(obs.), 1129.2997(calc.))
【実施例】
【0078】
【化14】
JP2015125851A1_000016t.gif
【実施例】
【0079】
化合物 23
化合物 17 (18 mg, 26 μmol)を乾燥DMF 0.5 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、化合物22 (15.6 mg, 45 μmol) (ref.2)、ピリジン 10 μl (0.12 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物23(5.73 mg, 7μmol)を得た。MALDI-TOF-Mass ([M+H]=807.326(obs.), 807.292(calc.))
【実施例】
【0080】
化合物 24
化合物 23 (5.738 mg, 7 μmol)を乾燥ジクロロメタン 1.0 mlに懸濁させた。窒素雰囲気下で、TFA 0.5 mlを加えて、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去した後に、トルエンとの共沸により念入りにTFAを除いて、粗化合物24を得た。得られた生成物は、そのまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0081】
化合物 2(Alexa488)
粗化合物 24 (1.8 mg, 2 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、Alexa488-NHS-ester (1 mg)、DIEA 1 μl (6 μmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(Alexa488)(1.0 mg)を得た。MALDI-TOF-Mass ([M-H]=1221.619(obs.), 1221.217(calc.))
【実施例】
【0082】
【化15】
JP2015125851A1_000017t.gif
【実施例】
【0083】
化合物 2(ATTO655)
粗化合物 24 (1.8 mg, 2 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、ATTO655-NHS-ester (1 mg, 1 μmol)、DIEA 1 μl (6 μmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(ATTO655) (1.0 mg)を得た。ESI-Mass ([M+H]=1216.4352(obs.), 1216.4380(calc.))
【実施例】
【0084】
【化16】
JP2015125851A1_000018t.gif
【実施例】
【0085】
化合物 2(Alexa546)
粗化合物 24 (1.8 mg, 2 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、Alexa546-NHS-ester (1 mg, 1 μmol)、DIEA 1 μl (6 μmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(Alexa546) (0.92 mg)を得た。
【実施例】
【0086】
【化17】
JP2015125851A1_000019t.gif
【実施例】
【0087】
化合物 2(Alexa568)
粗化合物 24 (0.88 mg, 1.24 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、Alexa568-NHS-ester (0.98 mg, 1.24 μmol)、DIEA 0.65 μl (3.72 μmol)を加えて、室温で5時間撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(Alexa568)を得た。MALDI-TOF-Mass ([M+H]=1383.7(obs.), 1383.4(calc.))
【実施例】
【0088】
【化18】
JP2015125851A1_000020t.gif
【実施例】
【0089】
化合物 2(CypHer5E)
粗化合物 24 (0.88 mg, 1.24 μmol)を乾燥DMF 1.0 mlに溶解させた。窒素雰囲気下で、CypHer5E-NHS-ester (2.0 mg, 2.0 μmol)、DIEA 2 μl (12 μmol)を加えて、室温で終夜撹拌した。反応溶液をHPLC(アセトニトリル/10 mM 酢酸アンモニウム水溶液)で精製し、凍結乾燥して、目的化合物2(CypHer5E)を得た。ESI-Mass ([M+H]=1439.4249(obs.), 1439.4240(calc.))
【実施例】
【0090】
生物化学実験: SDS-PAGE 及びウェスタンブロッティングをBio-Rad Mini-Protean III 電気泳動装置を用いて行った。蛍光及び化学発光シグナルを520DF30フィルター(ChemiDoc, Bio-Rad laboratory)及びImagequant LAS 4000 (GE Healthcare)を備えたChemiDoc XRS system で検出した。共焦点レーザー顕微鏡は、FV1000(オリンパス社)あるいはLSM710(カールツァイス社)を用いた。
【実施例】
【0091】
AMPARリガンド結合ドメインS1S2の試験管内標識
AMPARリガンド結合ドメインS1S2 (3 μM) (ref.3)をHEPES バッファー (50 mM, pH 7.4, 100mM NaCl)中のNBQX (150 μM)の存在下又は非存在下にラベル化剤 (6 μM)を添加し、37 °Cでインキュベートした。任意の時間で採取し、その標識率をSDS-PAGEで決定した。
【実施例】
【0092】
細胞培養および遺伝子導入
HEK293T細胞は10% FBS、ペニシリン (100 units/mL) 及び ストレプトマイシン(100 μg/mL)を添加したDulbecco’s Modified Eagle Medium (DMEM, グルコース4.5 g/L)培地中で、5% CO2 の湿潤雰囲気下に培養した全ての実験について、細胞はサブコンフルエント(< 80%)からトリプシン-EDTA 溶液または細胞スクレーパー法で回収し、新鮮な培地に再懸濁した。継代培養は2-3日毎に行った。グルタミン酸受容体(GluR2)の遺伝子導入は、lipofectamine 2000(Invitrogen)を用い、添付のマニュアルに従って遺伝子導入した。ラベル化には、遺伝子導入36-48時間後の細胞を用いた。
【実施例】
【0093】
HEK293T細胞におけるGluR2のラベル化
上記の遺伝子導入したHEK293T細胞に、DMEM培地(glutamax, 25mM HEPES, FBS(-))中のNBQX (50 μM)の存在下又は非存在下にラベル化剤(2 μM)を添加し、17℃で4時間インキュベートした。細胞をHBSで2回洗浄し、氷上で1%プロテアーゼ阻害剤カクテルセット III (Calbiochem(登録商標))を含有するRIPA (放射免疫沈降アッセイ) バッファーを用いて溶解した。得られた溶液を2 × SDS-PAGEバッファー (pH 6.8, 125 mM トリス・HCl, 20% グリセロール, 4% SDS 及び 0.01% ブロモフェノールブルー, 100mM DTT) と混合し、室温で30分間ボルテックスした。得られたサンプルをSDS-PAGEで展開し、Immun-Blot PVDF 膜 (Bio-Rad)に転写した。標識生成物をanti-Fluorescein抗体 (Invitrogen社, ×2000) 及び 抗-ウサギIgG抗体-HRP複合体(GE Healthcare社, ×3000)で検出した。GluR2の免疫検出を抗-HA 抗体 (Abcam社) 及び 抗-ウサギIgG抗体-HRP複合体(GE Healthcare社, ×5000)を用いて行った。HRPシグナルを、ECLプライムウェスタンブロッティング検出試薬(GE Healthcare)を用いてLAS 4000 imaging system (FujiFilm社)で検出した。
【実施例】
【0094】
培養小脳顆粒細胞における内在性AMPA受容体のラベル化
生後7日目のラットから単離し11日間培養した小脳顆粒細胞由来の培養神経細胞(ref.4)に対して、Neurobasal培地(glutamax, 10 mM HEPES, FBS(-), 25 mM KCl)中のNBQX (50 μM)の存在下又は非存在下にラベル化剤(0.3 μM)を添加し、17℃で4時間インキュベートした。細胞をHBSで2回洗浄し、氷上で1%プロテアーゼ阻害剤カクテルセット III (Calbiochem(登録商標))を含有するRIPA (放射免疫沈降アッセイ) バッファーを用いて溶解した。得られた溶液を2 × SDS-PAGEバッファー (pH 6.8, 125 mM トリス・HCl, 20% グリセロール, 4% SDS 及び 0.01% ブロモフェノールブルー, 100mM DTT) と混合し、室温で30分間ボルテックスした。得られたサンプルをSDS-PAGEで展開し、Immun-Blot PVDF 膜 (Bio-Rad)に転写した。標識生成物をanti-Fluorescein抗体 (Invitrogen社, ×2000)あるいはanti-Alexa488抗体 (Invitrogen社, ×1000) 及び 抗-ウサギIgG抗体-HRP複合体(GE Healthcare社, ×3000)で検出した。GluR1の免疫検出を抗-GluR1 抗体 (millipore社) 及び 抗-マウスIgG抗体-HRP複合体(GE Healthcare社, ×3000)を用いて行った。HRPシグナルを、ECLプライムウェスタンブロッティング検出試薬(GE Healthcare)を用いてLAS 4000 imaging system (FujiFilm社)で検出した。
【実施例】
【0095】
培養海馬錐体細胞における内在性AMPA受容体のラベル化
胎生18日目のラットから単離し18日間培養した海馬錐体細胞由来の培養神経細胞(ref.4)に対して、Neurobasal培地(glutamax, 10 mM HEPES, FBS(-), 25 mM KCl)中のNBQX (50 μM)の存在下又は非存在下にラベル化剤(1 μM)を添加し、17℃で4時間インキュベートした。細胞をHESで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒド水溶液で固定化した。Normal goat serumでブロッキングした後に、anti-GluR2抗体 (millipore社, ×1000) 及び 抗-マウスIgG抗体-Alexa546修飾(GE Healthcare社, ×3000)で免疫染色した。封入剤を用いて封入した後に、共焦点レーザー顕微鏡にて、ラベル化蛍光および免疫染色を観察した。
【実施例】
【0096】
HEK293T細胞におけるGluR2のラベル化およびライブセルイメージング
前述したGluR2遺伝子導入済のHEK293T細胞に、DMEM培地(glutamax, 25mM HEPES, FBS(-))中のNBQX (50 μM)の存在下又は非存在下にラベル化剤(2 μM)を添加し、17℃で4時間インキュベートした。細胞をHBSで2回洗浄し、蛍光顕微鏡観察もしくは共焦点顕微鏡観察を行った。蛍光検出の際には、CCDカメラ(ORCA-Flash)が接続された蛍光顕微鏡(IX-71)を用い、HBS溶液、アゴニスト、アンタゴニスト溶液を還流することで液交換を行った。
【実施例】
【0097】
参考文献(ref)
1.Napoli, A. et al, Anal. Chem., 82, 5552-5560 (2010)
2.Armstrong, N. et al, Neuron, 28, 165-181 (2000)
3.Kiyonaka, S. et al, Nat. Neurosci., 10, 691-701 (2007)
4.Beaudoin III, G.M.J. et al, Nat. Protoc., 7, 1741-1754 (2012)
【実施例】
【0098】
NMDA受容体ラベル化剤合成の実験項
LDAI試薬4aの合成
【実施例】
【0099】
【化19】
JP2015125851A1_000021t.gif
【実施例】
【0100】
化合物11a
NaNO2 (3.2 g, 43 mmol)の氷冷溶液を3,5-ジクロロアニリン (7.0 g, 43 mmol)の濃塩酸(80 mL)溶液に撹拌しながら0 °Cで10分間かけて滴下した。 反応混合物を0 °C で30分間撹拌した。SnCl2 (43 g, 225 mmol)の濃塩酸(40 mL) 溶液を反応混合物に0 °Cで滴下した。白色沈殿を集め、水(500 mL)に懸濁した。1N NaOHでpH 7.0に中和後、AcOEt (500 mL)を加えて生成物を有機層に抽出した。有機層を飽和食塩水(100 mL x2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。次いで、溶液を濾過し、溶媒を留去して化合物11a(2.65 g, 15 mmol, 35%)を橙色固体として得た。
1H NMR (400 MHz; CDCl3):δ 6.75 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 5.21 (br, 1H)
【実施例】
【0101】
化合物 12a
化合物11a(2.5g, 14 mmol)をピルビン酸エチル(1.56 mL, 14 mmol)のAcOH (80 mL)溶液に添加し、N2 雰囲気下に30分間100 °Cで撹拌した。反応をTLC (AcOEt: ヘキサン=1:3)でモニターし、反応混合物を室温に冷却した。溶媒を留去し、AcOEt (80 mL)を粗化合物に加えた。有機層を飽和NaHCO3水溶液 (80 mL x2)及び飽和食塩水(80 mL x2)で洗浄し、Na2SO4 で乾燥して化合物 12a (3.66 g, 13.3 mmol, 94% (E:Z = 5:2))を無色オイルとして得た。
1H NMR (400 MHz; CDCl3): δ 11.80 (s, 1H, Z), 10.10 (s, 1H, E), 7.30 (s, 1H, Z), 7.20 (s, 1H, E), 7.00-7.02 (m, 1H, Z, 1H, E), 4.16-4.27 (m, 1H, Z, 1H, E), 2.09 (s, 1H, Z), 2.04 (s, 1H, E), 1.23-1.29 (m, 3H, Z, 3H, E)
【実施例】
【0102】
化合物 13a
ポリホスホン酸(10 mL)を化合物12a (E:Z= 5:2 混合物, 3.6 g, 13 mmol)にゆっくり加えた。反応混合物を125 °Cで30分間撹拌した。反応混合物に冷水100 mLを加え、飽和NaHCO3 水溶液を加えてpHを7に調整した。生成物をAcOEt (60 mL x2)で抽出した。有機層を飽和食塩水 (60 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して化合物13a (2.01 g, 7.8 mmol, 60 %)を得た。
1H NMR (400 MHz; CDCl3): δ 12.4 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.36 (q, J = 7.20 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.20 Hz, 3H)
【実施例】
【0103】
化合物 14a
1,2-ジクロロエタン(30 mL)中の化合物 13a (2.01 g, 7.79 mmol)の撹拌溶液にN-メチルホルムアニリド(1.6 mL, 12.9 mmol) 及びオキシ塩化リン(1.1 mL, 12.1 mmol)を加え、N2 雰囲気下80 °C で9時間撹拌した。反応をTLC (AcOEt:ヘキサン=1:1)でモニターし、50% NaOAc水溶液80 mL及び氷5 gを反応溶液に加えた。この溶液を4 °Cで終夜維持して再結晶した。橙色沈殿を集め、水及び1,2-ジクロロエタンで洗浄して化合物 14a (1.62 g, 5.66 mmol, 73 %)を橙色粉末として得た。
1H NMR (400 MHz; CDCl3): δ 10.80 (s, 1H), 9,37 (br, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.52 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.50 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
【実施例】
【0104】
化合物 15a
化合物14a(57 mg, 0.199 mmol)をCH3CNとジオキサンの1:1 混合物(5 mL)中の酢酸及び2-(トリメチルホスホラニリデン)-,1,1-ジメチルエチルエステル(97 mg, 0.259 mmol)の溶液に加えた。反応混合物をN2 雰囲気下に70 °Cで 5時間撹拌した。反応をTLC (AcOEt: ヘキサン=1:3)でモニターし、反応混合物を室温に冷却した。溶媒を留去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt: ヘキサン=1:3)で精製して化合物 15a (44 mg, 0.115 mmol, 58 %)を白色固体として得た。
1H NMR (600 MHz; (CD3)2SO): δ 12.70 (br, 1H), 8.28 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.46 (d, J= 16.0, 1H), 4.35 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.34 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
【実施例】
【0105】
化合物 16a
CH2Cl2 (10 ml)中の化合物 15a (1.0 g, 2.60 mmol)の撹拌溶液にTFA (10 ml)を加えた。室温で5分間撹拌し、反応をTLC (AcOEt: ヘキサン=1:3)でモニターして反応の終了を確認した。TFA をトルエンと共沸除去した後、化合物 16a (828 mg, 2.52 mmol, 97 %)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz; (CD3)2SO): δ 8.25 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.42 (d, J = 16.0 Hz), 4.35 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
【実施例】
【0106】
化合物 17a
乾燥DMF(4 mL)中の化合物16a (36 mg, 110 μmol, 1.0 eq)の撹拌溶液にTEA (62 μL, 440 μmol, 4.0 eq), ヒスタミン・2HCl (24 mg, 110 μmol, 1.0 eq), HBTU (50 mg, 132 μmol, 1.2 eq) を添加し、N2 雰囲気下で2時間撹拌した。反応をTLC (CHCl3: MeOH=10:1+1 % NH3 aq)でモニターし、溶媒を留去した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3: MeOH=10:1+1% NH3 aq→2% NH3 aq)で精製して化合物17a(47 mg, 110 μmol, 100 %)を白色固体として得た。1H NMR (600 MHz; (CD3)2SO): δ 12.50 (br, 1H), 11.82 (br, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.33 (d, J = 16.0, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.86 (br, 1H), 6.50 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.33 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.38 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.67 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.32 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
【実施例】
【0107】
化合物 4a
MeOH (2 mL)及び1N NaOH水溶液(1.1 mL, 1.1 mmol, 10 eq)中の化合物 17a (47 mg, 110 μmol)の溶液を60 °Cで終夜撹拌した。反応をTLC (CHCl3: MeOH=10:1+1 % NH3 aq)でモニターし、MeOHを留去した。溶液を1N HClでpH 5-6に中和後、水を留去した。DMF (3 mL)を加え、溶液を濾過してNaClを除去し、化合物18aを橙色オイルとして得た(47 mg, 119 μmol, 97%)。
【実施例】
【0108】
乾燥 DMF (0.5 mL)中の化合物18a(6 mg, 16 μmol, 1.0 eq)の撹拌溶液に化合物8 (10 mg, 16 μmol, 1.0 eq), 乾燥ピリジン(5 μL, 63 μmol, 4.0 eq)を加え、N2 雰囲気下で12時間撹拌した。反応をTLC (CHCl3: MeOH=10:1)でモニターし、溶媒を留去した。粗残渣をRP-HPLC (カラム ; YMC-packODS-A, 250 x 25 mm, 移動相; CH3CN ; 10 mM NH4OAc = 0 : 100 → 70 : 30 (70分かけた直線勾配、流速; 10 mL/min, detection; UV (220 nm))で精製し、化合物4a (6 mg, 6.5 μmol, 42 %)を黄色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz; (CD3)2SO): δ 8.84 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.28 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.09 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.85 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.85 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 6.69 (br, 2H), 6.45 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 4.48 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.78 (t, J = 4.8 Hz. 2H), 3.66 (t. J = 6.0 Hz, 2H), 3.47-3.51 (m, 2H), 3.32-3.34 (m, 2H), 2.58 (t, J = 7.2 Hz, 2H)
HR-ESI MS m/z calcd for [M+H]+ 918.1387, found 918.1373
【実施例】
【0109】
GABA受容体ラベル化剤合成の実験項
化合物2bの合成
【実施例】
【0110】
【化20】
JP2015125851A1_000022t.gif
【実施例】
【0111】
tert-ブチル (2-(2-(((パーフルオロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)エチル)カルバメート (2b)
tert-ブチル(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート (500 mg, 2.44 mmol)のTHF(24 ml) 撹拌溶液にビス(パーフルオロフェニル) カーボネート (1.15 g, 2.93 mmol), TBAF (190 mg, 0.73 mmol)を加えた。反応混合物を24時間室温で撹拌した。溶液をCHCl3で希釈し、1N NaOHで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し, 留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン: AcOEt = 10:1 →ヘキサン : AcOEt = 2:1)で精製して化合物 2b (653 mg, 1.579 mmol, 64 %)を透明オイルとして得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.90 (s, 1H), 4.47 (m, 2H), 3.79 (m, 2H), 3.59 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 3.36 (m, 2H), 1.46 (s, 9H).
化合物1bの合成
【実施例】
【0112】
【化21】
JP2015125851A1_000023t.gif
【実施例】
【0113】
tert-ブチル 4-(7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-1-イル)ブタノエート (3b)
7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(200 mg, 0.69 mmol)の乾燥 DMF (700 μl)中の撹拌溶液にNaH (38 mg, 1.0 mmol)を0 °Cで加えた。反応混合物を0 °Cで5分間撹拌した。次いで、tert-ブチル4-ブロモブタノエート (185 mg, 0.83 mmol)の 乾燥 DMF (700 μl)溶液を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液をCHCl3で希釈し、H2Oで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し, 留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン : AcOEt = 4:1 →ヘキサン : AcOEt = 2:1)で精製して化合物3b(125 mg, 0.29 mmol, 42 %)を透明固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.67 (t, 1H, J = 8.4 Hz), 7.49 (m, 2H), 7.40 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.29 (m, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 4.87 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 4.40 (m, 1H), 3.78 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 3.67 (m, 1H), 2.15 (m, 2H), 1.86 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.39 (s, 9H).
【実施例】
【0114】
tert-ブチル (16-(7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘキサデシル)カルバメート (4b)
乾燥CH2Cl2(1 ml)中の化合物 3b (18 mg, 0.042 mmol)の撹拌溶液にTFA (0.5 ml)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。TFAをトルエンと共沸除去した後、残渣を乾燥DMF (420 μl)に溶解した。次いで、tert-ブチル ((2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)メチル)カルバメート (13 mg, 0.063 mmol), COMU (27 mg, 0.063 mmol), DIPEA (73 μl, 0.42 mmol)をこの溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液をCHCl3 で希釈し、1N NaOHで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し, 留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : AcOEt = 2:1 → CHCl3 : MeOH = 10:1)で精製して化合物4b (24 mg, 0.037 mmol, 88%)を透明固体として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.56-7.67 (m, 4H), 7.34 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.69 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 4.34 (m, 1H), 3.88 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 3.79 (m, 1H), 3.18-3.67 (m, 16H), 2.14 (m, 2H), 1.85 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.42 (s, 9H).
【実施例】
【0115】
N-(1-(1H-イミダゾール-4-イル)-2-オキソ-6,9,12-トリオキサ-3-アザテトラデカン-14-イル)-4-(7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-1-イル)ブタナミド (5b)
乾燥 CH2Cl2 (1 ml)中の化合物4b (24 mg, 0.037 mmol)の撹拌溶液にTFA (0.5 ml)を加えた。 反応混合物を室温で1時間撹拌した。TFAをトルエンと共沸除去した後、残渣を乾燥DMF (370 μl)に溶解した。次いで、2-(1H-イミダゾール-4-イル)酢酸(6 mg, 0.055 mmol), EDC (10 mg, 0.055 mmol), HOBT (8 mg, 0.055 mmol), DIPEA (64 μl, 0.37 mmol) をこの溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3 : MeOH : NH4OH aq. = 10:1:1)で精製して化合物 5b (18 mg, 0.027 mmol, 74%)を透明固体として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.62 (t, 1H, J = 6.4 Hz), 7.53 (s, 1H), 7.41-7.49 (m, 4H), 7.12 (s, 1H), 7.06 (t, 1H, J = 9.2 Hz), 6.84 (s, 1H,), 4.81 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 4.29 (m, 1H), 3.77 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 3.67 (m, 1H), 3.51 (s, 1H), 2.05 (m, 2H), 1.91 (m, 1H), 1.65 (m, 1H).
【実施例】
【0116】
2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチル 4-(19-(7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-1-イル)-2,16-ジオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザノナデシル)-1H-イミダゾールe-1-カルボキシレート (6b)
乾燥 DMF (270μl)中の化合物 5b (18 mg, 0.027 mmol)の撹拌溶液に化合物 2b (17 mg, 0.04 mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3 only →CHCl3 : MeOH= 10:1)で精製して化合物 6b (15 mg, 0.017 mmol, 63%)を透明固体として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.10 (s, 1H), 7.62 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.41-7.49 (m, 3H), 7.35 (s, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.06 (t, 1H, J = 9.2 Hz), 4.82 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 4.52 (m, 2H), 4.32 (m, 1H), 3.30-3.77 (m, 28H), 2.09 (m, 2H), 1.94 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.42 (s, 9H).
【実施例】
【0117】
2-(2-(2',7'-ジフルオロ-3',6'-ジヒドロキシ-3-オキソ-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9'-キサンテン]-5-カルボキサミド)エトキシ)エチル 4-(19-(7-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-1-イル)-2,16-diオキソ-6,9,12-トリオキサ-3,15-ジアザノナデシル)-1H-イミダゾール-1-カルボキシレート (1b)
乾燥 CH2Cl2 (0.5 ml)中の化合物 6b (1 mg, 1.1 μmol)の撹拌溶液にTFA (0.5 ml)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。TFAをトルエンと共沸除去した後、残渣を乾燥DMF (100 μl)に溶解した。次いで、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル 2',7'-ジフルオロ-3',6'-ジヒドロキシ-3-オキソ-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9'-キサンテン]-5-カルボキシレート (1 mg, 2.0 μmol), DIPEA (20 μl, 0.11 mmol)をこの溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液をHPLCで精製して化合物1b (0.8 mg, 0.7 μmol, 64%)を黄色固体として得た。HR-ESI MS: calcd for C58H55ClF3N7O15 [M+H]+ = 1182.3475: obsd 1182.3497.
【実施例】
【0118】
代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1)ラベル化剤合成の実験項
ラベル化剤(Fl-AI-C4-PTMB)の合成
【実施例】
【0119】
【化22】
JP2015125851A1_000024t.gif
【実施例】
【0120】
化合物11cの合成
【実施例】
【0121】
【化23】
JP2015125851A1_000025t.gif
【実施例】
【0122】
乾燥 DMF (13 mL)中の化合物10c (171 mg, 0.452 mmol, 1.0 eq), HBTU (206 mg, 0.542 mmol, 1.2 eq), TEA (315 μL, 2.26 mmol, 5.0 eq)及び2-(2-アミノエトキシ)エタノール(90.0 μL, 0.904 mmol, 2.0 eq)の混合物を窒素雰囲気下に室温で5時間撹拌した。次いで、TEA (189 μL, 1.36 mmol, 3.0eq)をこの溶液に加え、窒素雰囲気下に室温で2時間30分撹拌した。その後、溶液を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3: Methanol: = 10:1 (AcOH 0.5%))で精製して黄色固体の化合物 11c (122 mg, 58.2%)を得た。
【実施例】
【0123】
【表1】
JP2015125851A1_000026t.gif
【実施例】
【0124】
化合物12cの合成
【実施例】
【0125】
【化24】
JP2015125851A1_000027t.gif
【実施例】
【0126】
乾燥 DMF (0.5 mL)中の化合物11c(10.0 mg, 21.6 μmol, 1.0 eq), TEA (7.5 μL, 53.9 μmol, 2.5 eq)及び DSC (13.8 mg, 53.9 μmol, 2.5 eq) の混合物を窒素雰囲気下に室温で5時間撹拌した。その後、溶液を留去して化合物12cを得、-80℃で保存した。
スペーサー2(化合物14c)の合成
【実施例】
【0127】
【化25】
JP2015125851A1_000028t.gif
【実施例】
【0128】
乾燥DMF(10 mL)中のBoc-Ape(5)-OH (215 mg, 0.99 mmol, 1.1 eq), HBTU (410 mg, 1.08 mmol, 1.0 eq), DIEA (744 μL, 4.50 mmol, 5.0 eq)及びヒスタミン二塩酸塩(100 mg, 0.543 mmol, 0.60 eq)の混合物を窒素雰囲気下に室温で3時間25分撹拌した。溶媒を減圧下に留去した。その後、この残渣をCHCl3 (30 mL)で抽出し、有機層を0.1N NaOH (30 mL×3)及び30 mL 飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3: メタノール: NH3 水 = 10:1:1%)で精製し、化合物14cを得た。
【実施例】
【0129】
【表2】
JP2015125851A1_000029t.gif
【実施例】
【0130】
化合物15cの合成
【実施例】
【0131】
【化26】
JP2015125851A1_000030t.gif
【実施例】
【0132】
CH2Cl2 8 mL中の化合物14c (424 mg, 1.36 mmol, 1.0 eq)の溶液にTFA 2 mLを氷上で加え、室温で2時間15分撹拌した。その後、溶媒を除去し、残留TFAをさらにトルエンとの共沸(3回)で除去し、化合物15c (623 mg, 105%)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【実施例】
【0133】
【表3】
JP2015125851A1_000031t.gif
【実施例】
【0134】
化合物4cの合成
【実施例】
【0135】
【化27】
JP2015125851A1_000032t.gif
【実施例】
【0136】
乾燥DMF (6.0 mL)中の4,6-ジクロロピリミジン(300 mg, 2.01 mmol 1.0 eq), トリブチル (1-エトキシビニル)スズ(0.679 mL, 2.01 mmol, 1.0 eq), Pd(PPh3)4 (69.7 mg, 0.0603 mmol, 0.03 eq), フッ化セシウム(611 mg, 4.02 mmol, 2.0 eq)及びヨウ化銅(I)(38.3 mg, 2.01 mmol, 0.1 eq)の混合物をN2雰囲気下80 °C で8時間撹拌した。反応をCH2Cl2/ H2O (1/1, v/v, 10 mL)で止め、懸濁液をCH2Cl2を用いてCeliteで濾過した。有機層を水 (50 mL×3)及び50 mL飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で終夜乾燥した。その後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル = 25:1)で精製して化合物4c (38.1 mg, 10.3%)を無色固体として得た。
【実施例】
【0137】
【表4】
JP2015125851A1_000033t.gif
【実施例】
【0138】
化合物5cの合成
【実施例】
【0139】
【化28】
JP2015125851A1_000034t.gif
【実施例】
【0140】
THF/H2O (1.8 mL; 1/1, v/v)中の化合物4c (104 mg, 0.562 mmol 1.0 eq)の溶液にNBS (110 mg, 0.618 mmol 1.1 eq) を室温で添加し、2時間撹拌した。N-メチルチオウレア(50.7 mg, 0.562 mmol 1.0 eq) を反応混合物に添加し、該混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、得られた固体を濾過し、熱THF/水で再結晶した。上澄みの液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン: 酢酸エチル: NH3 水 = 5:1:0.01)で精製し、化合物5c(合計量で44.0 mg, 34.5%)を無色固体として得た。
【実施例】
【0141】
【表5】
JP2015125851A1_000035t.gif
【実施例】
【0142】
化合物6cの合成
【実施例】
【0143】
【化29】
JP2015125851A1_000036t.gif
【実施例】
【0144】
化合物5c (26.3 mg, 0.116 mmol 1.0 eq)及びEt3N (97.0μL, 0.696 mmol 6.0 eq) のトルエン (0.6 mL) 溶液に4-メトキシベンゾイルクロリド (20.9μL, 0.174 mmol 1.5 eq)を室温でN2雰囲気下に加えた。反応混合物を100 °Cで3時間50分還流した。この混合物の反応を水で冷却し、CH2Cl2で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CH2Cl2、次いで、CH2Cl2: 酢酸エチル= 4:1) で精製して化合物6c (32.5 mg, 80.3%)を無色固体として得た。
【実施例】
【0145】
【表6】
JP2015125851A1_000037t.gif
【実施例】
【0146】
化合物8cの合成
【実施例】
【0147】
【化30】
JP2015125851A1_000038t.gif
【実施例】
【0148】
DMF (3 mL)中の化合物6c (50.0 mg, 0.143 mmol 1.0 eq)及びK2CO3 (98.8 mg, 0.715 mmol 5.0 eq) の溶液に化合物15c (94.0 mg, 0.215 mmol 1.5 eq)を室温で加えた。反応混合物を80 °Cに4時間30分加熱した。この混合物をシリカゲルカラム クロマトグラフィー (CHCl3: Methanol: NH3 水 10:1:1%)で精製して化合物8c (32.6 mg, 43.6%)を無色固体として得た。
【実施例】
【0149】
【表7】
JP2015125851A1_000039t.gif
【実施例】
【0150】
化合物2cの合成
【実施例】
【0151】
【化31】
JP2015125851A1_000040t.gif
【実施例】
【0152】
乾燥 DMF 0.5 mL中の粗化合物12cに化合物8c (10.0 mg, 11.0 μmol, 1.0 eq)及びピリジン 0.5 mLを室温で窒素雰囲気下に加えた。混合物を室温で7時間窒素雰囲気下に撹拌した。その後、粗溶液をHPLC (A:B = 5:95 → 70:30 for 55 min (linear gradient) → 100:0 for 5 min (linear gradient), A = CH3CN, B = 10 mM AcONH4 aq)で精製した。目的の生成物は、45 minで溶出し、化合物2c (Fl-AI-C4-PTMB)を橙色固体(4.6 mg, 41.4%)として得た。生成物は、1H-NMRおよびMALDI ([M+H] = 1012.7 (obs.), 1012.3 (cal.))により同定した。
【実施例】
【0153】
【表8】
JP2015125851A1_000041t.gif
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12