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明細書 :光演算器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-007202 (P2018-007202A)
公開日 平成30年1月11日(2018.1.11)
発明の名称または考案の名称 光演算器
国際特許分類 H04B  10/80        (2013.01)
H04J  14/00        (2006.01)
H04J  14/02        (2006.01)
G06E   1/00        (2006.01)
FI H04B 9/00 380
H04B 9/00 E
G06E 1/00
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2016-136031 (P2016-136031)
出願日 平成28年7月8日(2016.7.8)
発明者または考案者 【氏名】新家 昭彦
【氏名】納富 雅也
【氏名】野崎 謙悟
【氏名】倉持 栄一
【氏名】石原 亨
出願人 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100098394、【弁理士】、【氏名又は名称】山川 茂樹
【識別番号】100153006、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 勇三
【識別番号】100064621、【弁理士】、【氏名又は名称】山川 政樹
審査請求 未請求
テーマコード 5K102
Fターム 5K102AA15
5K102AB15
5K102AD01
5K102NA01
5K102PD11
5K102PH45
5K102PH47
5K102PH48
要約 【課題】演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なうことなく、光素子の数を削減する。使用する光の波長数を少なくする。
【解決手段】波長多重ブロックAWDMと、分波器AWG1と、波長多重ブロックBWDMとを設ける。真理値表に基づいて波長の組合せが個々に定められた波長多重光信号P1~P8を波長多重ブロックAWDMに入力する。波長多重ブロックAWDMは、波長多重光信号P1~P8のうちの1つを、制御入力(n=3)の組合せに対応して選択し、波長多重光信号PXとして分波器AWG1に送る。分波器AWG1は、波長多重光信号PXに含まれる複数の光信号をその光信号の波長に応じて振り分け、光信号PX1~PX8として波長多重ブロックBWDMに入力する。波長多重ブロックBWDMは、入力された光信号PX1~PX8のうちの1つを、制御入力(n=3)の組合せに対応して選択する。
【選択図】 図7
特許請求の範囲 【請求項1】
互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、制御入力の組合せに応じて前記複数の入力ポートのうちの1つに入力された波長多重光信号を選択する光スイッチ部と、この光スイッチ部によって選択された波長多重光信号を出力する出力ポートとを備えた第1の光論理回路と、
前記第1の光論理回路の出力ポートから出力された波長多重光信号が入力される入力ポートと、複数の出力ポートとを有し、前記第1の光論理回路の出力ポートから前記入力ポートに入力された波長多重光信号に含まれる複数の光信号をその光信号の波長に応じて前記複数の出力ポートのいずれかに振り分けて出力する第1の波長振分部と、
前記第1の波長振分部の前記複数の出力ポートから出力された複数の光信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記制御入力の組合せに応じて前記複数の入力ポートのうちの1つに入力された光信号を選択する光スイッチ部と、この光スイッチ部によって選択された光信号を出力する出力ポートとを備えた第2の光論理回路と
を備えたことを特徴とする光演算器。
【請求項2】
請求項1に記載された光演算器において、
前記第1の波長振分部は、
前記複数の出力ポートのいずれかに複数の光信号が波長多重化された波長多重光信号を振り分けて出力する分波器である
ことを特徴とする光演算器。
【請求項3】
請求項2に記載された光演算器において、
前記第1の波長振分部は、
前記第1の光論理回路の出力ポートから前記第1の波長振分部の入力ポートに入力された波長多重光信号に含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて所定の波長間隔で周期的に定まる出力ポートから出力する、波長周回性を有する分波器である
ことを特徴とする光演算器。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載された光演算器において、
前記第2の光論理回路の出力ポートから出力された光信号が入力される入力ポートと、複数の出力ポートとを有し、前記第2の光論理回路の出力ポートから前記入力ポートに入力された光信号に含まれる複数の光信号をその光信号の波長に応じて前記複数の出力ポートのいずれかに振り分けて出力する第2の波長振分部と、
前記第2の波長振分部の前記複数の出力ポートから出力された複数の光信号がそれぞれ入力される複数の入力ポートと、前記制御入力の組合せに応じて前記複数の入力ポートのうちの1つに入力された光信号を選択する光スイッチ部と、この光スイッチ部によって選択された光信号を出力する出力ポートとを備えた第3の光論理回路と
をさらに備えることを特徴とする光演算器。
【請求項5】
請求項4に記載された光演算器において、
前記第2の波長振分部は、
前記複数の出力ポートのいずれかに複数の光信号が波長多重化された波長多重光信号を振り分けて出力する分波器である
ことを特徴とする光演算器。
【請求項6】
請求項5に記載された光演算器において、
前記第2の波長振分部は、
前記第2の光論理回路の出力ポートから前記第2の波長振分部の入力ポートに入力された光信号に含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて所定の波長間隔で周期的に定まる出力ポートから出力する、波長周回性を有する分波器である
ことを特徴とする光演算器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、論理演算を光回路、または光回路と電気回路との混合回路で行う光演算器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子演算回路は、処理速度を向上させるために、チップサイズや素子サイズを極限まで小さくする工夫がなされている。これは、回路内の抵抗(R)とキャパシタンス(C)などが信号の伝搬を大きく律速しているため、演算速度を上げるにはチップサイズや素子サイズを小さくするしかないためである。
【0003】
このため、狭面積の論理ブロックやコアに素子を詰め込み、マルチコア・メニーコア化などの工夫がなされている。しかし、それらをつなぐための配線が新たな「遅延」を生み、演算の高速化に限界が見えつつある。
【0004】
一方、光通信などで用いられる光配線や光パスゲートは、その配線経路内のCやRに無依存で光信号を伝播させることができる。また、ナノフォトニクスの進展により、光パスゲートの消費エネルギーは飛躍的に改善され、そのエネルギーコスト[J/bit]は、CMOSゲートと光で同程度のレベルになりつつある。そのため、チップ内やチップ間の通信を光化する様々な研究がなされている。
【0005】
図18を用いてパスゲートを組み合わせた演算回路における演算プロセスについて説明する。2x1(2分岐)のパスゲート101をツリー状に接続すると、n桁の制御入力に対する真理値表(Look up table (LUT):図19参照)を再現する演算回路100を構成することができる。この演算回路100は、n桁の制御入力に対する全ての組み合わせに対し、「0」か「1」の信号を出力するもので、n桁の制御入力に対する全ての1ビット出力演算を実行する。
【0006】
この演算回路100において、パスゲート101としてCMOSゲートなどのパスゲート101Aを用いた演算回路100Aでは、図20に示されるように、n個のゲートのC,Rが連なるため、経路の応答速度がn^2で劣化する。そのため、このような演算回路100A(電気回路)では、制御入力の桁nをn<4~6としてしか用いられない。
【0007】
図21に、パスゲート101として光パスゲート101Bを用い、ツリー構造の葉に相当する信号入力ポートに光源102を配置した例を示す。この演算回路100(100B)では、光パスゲート101Bを駆動することによって、ツリー構造の幹に相当する出力ポートから、2n個の制御入力の組み合わせに対応する1つの光信号(1つの出力結果)を得ることができる。
【0008】
なお、この演算回路100Bにおいて、光パスゲート101Bは光を遮断または透過する2つの光パス(光スイッチ)SW1,SW2を備えており、複数の光源102と複数の光パスゲート101Bとの間および複数の光パスゲート101B間は光回路103によって接続される。
【0009】
この演算回路100Bでは、光源102の配置により、真理値表(LUT)の内容を変更できることから、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を有する。また、光の伝播は電気的なCRに依存しないため、これにより、CRに律速されない論理演算が可能となり、電気回路のレイテンシボトルネックが解消される。なお、この演算回路100Bにおいて、制御入力を電気信号とすれば、光回路と電気回路との混合回路で論理演算が行われるものとなり、制御入力を光信号とすれば、光回路のみで論理演算が行われるものとなる。
【先行技術文献】
【0010】

【非特許文献1】A. Tetsuya, “Photonic-Crystal Logic Devices Based on the Binary Decision Diagram,”信学会,エレクトロニクス(1),386(2000)
【非特許文献2】S. Lin, “Demonstration of optical computing logics based on binary decision diagram,”OPTICS EXPRESS 20, 1378 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図21に示されたような構成では、制御入力数の増大に伴って光スイッチ(光素子)の数が指数関数的に増大し、膨大な数の光素子を必要とする。このため、BDD(Binary Decision Diagram)と呼ばれる手法により光素子の数を削減し回路を簡略化する方法が提案されている(例えば、非特許文献1,2参照)。しかし、この方法では、特定用途の演算のみが取り扱えることになり、演算の種類の設定を自由に変更できる特徴が損なわれてしまう。また、電気回路では不可能な光の多重性を利用した演算を示すものではない。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、光の多重性を利用することで、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なうことなく、光素子の数を削減することができ、かつ使用する光の波長数を少なくすることができる光演算器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために本発明は、互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号(P1~P8)がそれぞれ入力される複数の入力ポート(PinA1~PinA8)と、制御入力の組合せに応じて複数の入力ポート(PinA1~PinA8)のうちの1つに入力された波長多重光信号を選択する光スイッチ部(SWA)と、この光スイッチ部(SWA)によって選択された波長多重光信号(PX)を出力する出力ポート(PoutA)とを備えた第1の光論理回路(AWDM)と、第1の光論理回路(AWDM)の出力ポート(PoutA)から出力された波長多重光信号(PX)が入力される入力ポート(PinX)と、複数の出力ポート(PoutX1~PoutX8)とを有し、第1の光論理回路(AWDM)の出力ポート(PoutA)から入力ポート(PinX)に入力された波長多重光信号(PX)に含まれる複数の光信号をその光信号の波長に応じて複数の出力ポート(PoutX1~PoutX8)のいずれかに振り分けて出力する第1の波長振分部(AWG1)と、第1の波長振分部(AWG1)の複数の出力ポート(PoutX1~PoutX8)から出力された複数の光信号(PX1~PX8)がそれぞれ入力される複数の入力ポート(PinB1~PinB8)と、制御入力の組合せに応じて複数の入力ポート(PinB1~PinB8)のうちの1つに入力された光信号を選択する光スイッチ部(SWB)と、この光スイッチ部(SWB)によって選択された光信号(PY)を出力する出力ポート(PoutB)とを備えた第2の光論理回路(BWDM)とを備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明では、互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号(P1~P8)が第1の光論理回路(AWDM)の複数の入力ポート(PinA1~PinA8)にそれぞれ入力される。第1の光論理回路(AWDM)の光スイッチ部(SWA)は、制御入力の組合せに応じて、複数の入力ポート(PinA1~PinA8)のうちの1つに入力された波長多重光信号を選択する。この選択された波長多重光信号(PX)は、第1の光論理回路(AWDM)の出力ポート(PoutA)から出力され、第1の波長振分部(AWG1)の入力ポート(PinX)に入力される。第1の波長振分部(AWG1)は、入力ポート(PinX)に入力された波長多重光信号(PX)に含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて複数の出力ポート(PoutX1~PoutX8)のいずれかに振り分けて出力する。この第1の波長振分部(AWG1)の複数の出力ポート(PoutX1~PoutX8)から出力された複数の光信号(PX1~PX8)は、第2の光論理回路(BWDM)の複数の入力ポート(PinB1~PinB8)にそれぞれ入力される。第2の光論理回路(BWDM)の光スイッチ部(SWB)は、制御入力の組合せに応じて、複数の入力ポート(PinB1~PinB8)のうちの1つに入力された光信号を選択する。この選択された光信号(PY)は第2の光論理回路(BWDM)の出力ポート(PoutB)から出力される。
【0015】
本発明では、第1の光論理回路(AWDM)からの波長多重光信号(PX)に含まれる複数の光信号が、第1の波長振分部(AWG1)によってその光信号の波長に応じて振り分けられる。ここで、振り分けられる光信号に含まれる波長が1つであるとすると、第2の光論理回路(BWDM)では制御入力の組合せに応じて1つの波長の光信号が選択され、この選択された1つの波長の光信号が出力されることになる。
【0016】
また、振り分けられる光信号に含まれる波長が複数であるとすると、第2の光論理回路(BWDM)では、制御入力の組合せに応じて複数の波長を含む光信号(波長多重光信号)が選択され、この選択された光信号(波長多重光信号)が出力されることになる。この場合、最終的に出力される光信号の波長が1つとなるように、同様の波長振分部や光論理回路を設けるようにすれば良い。
【0017】
例えば、第2の光論理回路(BWDM)の出力ポート(PoutB)から出力された光信号(PY)が入力される入力ポート(PinY)と、複数の出力ポート(PoutY1~PoutY4)とを有し、第2の光論理回路(BWDM)の出力ポート(PoutB)から入力ポート(PinY)に入力された光信号(PY)に含まれる複数の光信号をその光信号の波長に応じて複数の出力ポート(PoutY1~PoutY4)のいずれかに振り分けて出力する第2の波長振分部(AWG2)と、第2の波長振分部(AWG2)の複数の出力ポート(PoutY1~PoutY4)から出力された複数の光信号(PY1~PY4)がそれぞれ入力される複数の入力ポート(PinC1~PinC4)と、制御入力の組合せに応じて複数の入力ポートPinC1~PinC4)のうちの1つに入力された光信号を選択する光スイッチ部(SWC)と、この光スイッチ部(SWC)によって選択された光信号(PZ)を出力する出力ポート(PoutC)とを備えた第3の光論理回路(CWDM)とを設けるようにする。
【0018】
このようにして、本発明では、光の多重性を利用することで、複数の演算を光多重し、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なうことなく、制御入力の増大に伴って指数関数的に増大する光スイッチ(光素子)の数を削減することができるようになる。また、本発明では、互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号を第1の光論理回路の複数の入力ポートにそれぞれ入力するようにしているので、複数の波長多重光信号間で同じ波長の光信号を用いるようにして、使用する光の波長数を少なくすることができるようになる。
【0019】
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって示している。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したことにより、本発明によれば、光の多重性を利用することで、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なうことなく、光素子の数を削減することができ、かつ使用する光の波長数も少なくすることができるようになる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、ツリー回路を制御入力数nのブロック単位に分割した構成を示す図である。
【図2】図2は、このツリー回路における前段ブロックの出力と次段ブロックの信号入力の関係を示す図である。
【図3】図3は、ブロックA1~ANの機能を1つにまとめた波長多重ブロック(A1~ANの波長多重ブロック)AWDMを示す図である。
【図4】図4は、ブロックA1~ANを波長多重ブロックAWDMとした場合の後段のBブロックとの関係を示す図である。
【図5】図5は、ブロックB1~BN/qの機能を1つにまとめた波長多重ブロック(B1~BN/qの波長多重ブロック)BWDMを示す図である。
【図6】図6は、ツリー回路およびこのツリー回路を圧縮した波長多重回路を示す図である。
【図7】図7は、ブロックをA,Bの2段とした場合のツリー回路および波長多重回路(実施の形態1)を示す図である。
【図8】図8は、ブロックをA,B,Cの3段とした場合のツリー回路を示す図である。
【図9】図9は、ブロックをA,B,Cの3段とした場合の波長多重回路(実施の形態2)を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態2をより詳細に説明する図である。
【図11】図11は、波長多重ブロックBWDMと波長多重ブロックCWDMの機能をまとめて波長多重ブロックAWDMから出力された光信号を各波長ごとに分けて出力するようにした例(実施の形態3)を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態4の波長多重回路を説明する図である。
【図13】図13は、図12から考えられるAWGに求められる特性を例示する図である。
【図14】図14は、波長多重ブロックAWDMへの制御入力数と波長多重ブロックBWDMへの制御入力数nbとを異なるものとした場合について説明する図である。
【図15】図15は、回折格子とレンズを組み合わせて波長の組み替えを行う分波器を構成した例を示す図である。
【図16】図16は、リング共振器を用いた例を示す図である。
【図17】図17は、複数波長に対応させる例を示す図である。
【図18】図18は、パスゲートを用いた演算回路を例示する図である。
【図19】図19は、n桁の制御入力に対する真理値表を例示する図である。
【図20】図20は、パスゲートとしてCMOSゲートなどを用いた場合の経路の応答速度の劣化を説明する図である。
【図21】図21は、パスゲートとして光パスゲートを用いた演算回路を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の概要について説明する。

【0023】
〔発明の概要〕
図1に、ツリー回路を制御入力数nのブロック単位に分割した構成を示す。同図において、A1~ANは初段のブロック、B1~BN/qは2段目のブロックであり、最終段のブロックM1までツリー状に接続されている。

【0024】
なお、図1において、mはこのツリー回路の段数、nは1ブロックに割り当てられた制御入力数、Lは制御入力数(L=n×m)、qは各ブロックの入力ポート数、Nは初段のブロック数である。

【0025】
このツリー回路において、前段ブロックの出力と次段ブロックの信号入力の関係は、ブロックAとブロックBを例にとると図2に示す通りであり、ブロックBj(Bi+1)への信号入力は、Aiq+1~Aiq+q(q=2n)の出力を用いることになる。

【0026】
各ブロックA~Mのそれぞれにおいて、制御入力は全て同じであり、制御入力を同じくするブロックは、その内部に構成される信号伝搬経路が同じになる。例えば、ブロックA1~ANの全てのブロックは、同じ経路構成となっており、異なる点は、信号入力への光源配置のみのとなる。

【0027】
各ブロックA1~ANでの光源の配置は演算の種類を決めている。そのため、ブロックA1~ANへの信号入力の光源波長をそれぞれλ(1)~λ(N)で割り振ると、ブロックA1~ANの機能を波長で重ね合わせることが可能となり、1つのブロックAWDM(図3参照)で同じ制御入力に対しN通りの演算を同時に実行することが可能となる。またブロックA1~ANへの信号入力のための光源配置により、演算の種類を変更することができる。以下、このブロックA1~ANの機能を1つにまとめたブロックAWDMを波長多重ブロック(A1~ANの波長多重ブロック)と呼ぶ。

【0028】
波長多重ブロックAWDMから出力される信号は、1ポートからの波長多重信号となるため、ブロックBjへの入力は図4に示される波長と入力ポートとの位置関係に従い、波長多重ブロックAWDMからの信号を波長で振り分けることになる。

【0029】
また、ブロックB1~BN/qの全てのブロックも制御入力は全て同じであり、制御入力を同じくするブロックは、その内部に構成される信号伝搬経路が同じになる。つまり、ブロックB1~BN/qの全てのブロックは、同じ経路構成となっており、異なる点は、信号入力への光源配置のみのとなる。このため、図5に示すように、BブロックもブロックB1~BN/qの機能を波長で重ね合わせることが可能となり、1つの波長多重ブロック(B1~BN/qの波長多重ブロック)BWDMで複数の異なる演算を実行することが可能となる。

【0030】
このことから、図1に示したツリー回路(図6(a))は、図6(b)に示されるような波長多重回路に圧縮することが可能となる。また、このことは、AWDMに圧縮されたN通りの演算結果をBWDM以降の圧縮された経路で選び出すことが可能であることを示している。また、ブロックAへの信号入力のための光源配置により、演算の種類を変更することができることを示している。

【0031】
なお、ツリー回路(図6(a))では、mがツリー回路の段数を示し、Nが初段の段数を示していたが、波長多重回路(図6(b))では、mがブロック総数を示し、Nが波長多重数を示すものとなる。

【0032】
この波長多重回路は、電気回路とは全く異なる手法で、回路の小型化と並列演算を提供し、光の伝搬だけで演算が完了することから電子回路では困難な超低レイテンシ演算を提供し、動作周波数が頭打ち状態になりつつある電子回路の問題を解決することを可能とする。以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

【0033】
〔実施の形態1〕
図7は、ブロックをA,Bの2段(m=2)とし、制御入力数が6(L=6)である場合に、各ブロックA,Bへの制御入力を3つずつに分割した例(n=3)である。

【0034】
図7(a)は圧縮する前のツリー回路を示し、図7(b)は圧縮した後の波長多重回路を示す。図7(b)に示した波長多重回路1が実施の形態1に係る光演算器に相当する。

【0035】
なお、従来の光パスゲート論理に基づくと、2の6乗で64個の入力ポートから光信号を入力する必要がある。この時、64種類の波長の光信号を用いることで、スイッチ数を削減して消費電力を低減することができるが、非常に多くの波長を用いなければならないという課題がある。これに対して、本実施の形態の波長多重回路1では波長を8個に抑えることができる。

【0036】
この波長多重回路1において、波長多重ブロックAWDMは、8個の入力ポートPinA1~PinA8と、複数の光スイッチからなる光スイッチ部SWAと、1つの出力ポートPoutAとを備えている。波長多重ブロックBWDMは、8個の入力ポートPinB1~PinB8と、複数の光スイッチからなる光スイッチ部SWBと、1つの出力ポートPoutBとを備えている。波長多重ブロックAWDMと波長多重ブロックBWDMとの間にはアレイ導波路回折格子(AWG(arrayed-waveguide grating))などの分波器AWG1が設けられている。分波器AWG1は、1つの入力ポートPinXと、8個の出力ポートPoutX1~PoutX8とを備えている。

【0037】
この波長多重回路1では、真理値表(図示せず)に基づき、波長多重ブロックAWDMの入力ポートPinA1~PinA8に対して配置されている光源のOn/Offが決定される。この例では、入力ポートPinA1~PinA8毎に波長λ(1)~λ(8)の光源が配置されており、この波長λ(1)~λ(8)の光源のOn/Offが真理値表に基づいて決定される。

【0038】
すなわち、図7(a)に示したツリー回路で言うと、ブロックA1~A8に波長λ(1)~λ(8)の光信号がそれぞれ割り振られる。このようにすることで、波長多重ブロックAWDMにおいて、異なる波長が割り振られる合計8個のAブロックを波長多重することによりまとめることが可能となる。

【0039】
入力ポートPinA1~PinA8毎に配置されている波長λ(1)~λ(8)の光源のOn/Offを決定すると、波長の組合せが個々に定められた8個の波長多重光信号(互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号)P1~P8が、波長多重ブロックAWDMの入力ポートPinA1~PinA8に各個に入力される。

【0040】
波長多重ブロックAWDMの光スイッチ部SWAは、入力ポートPinA1~PinA8に入力された波長多重光信号P1~P8のうちの1つを、制御入力(n=3)の組合せに対応して選択する(一行を選び出す)。この選択された波長多重光信号をPXとする。光スイッチ部SWAによって選択された波長多重光信号PXは波長多重ブロックAWDMの出力ポートPoutAより出力される。

【0041】
波長多重ブロックAWDMの出力ポートPoutAより出力された波長多重光信号PXは分波器AWG1の入力ポートPinXに送られる。分波器AWG1は、入力ポートPinXに入力された波長多重光信号PXに含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて出力ポートPoutx1~Poutx8に振り分けて出力する。

【0042】
この例において、分波器AWG1で振り分けられる光信号PX1~PX8は、その光信号に含まれる波長が1つとされる。すなわち、分波器AWG1は、波長多重光信号PXが波長λ(1)~λ(8)の光信号で構成されていた場合、波長λ(1)~λ(8)の光信号を出力ポートPoutx1~Poutx8にそれぞれ振り分ける(縦列方向に波長順に並べる)。

【0043】
この場合、分波器AWG1は、波長多重ブロックAWDMからの波長多重光信号を構成する光信号の波長間隔に合わせて、波長λ(1)~λ(8)の光信号が出力ポートPoutx1~Poutx8からそれぞれ出力されるように設計すれば良い。

【0044】
分波器AWG1の出力ポートPoutx1~Poutx8から出力される波長λ(1)~λ(8)の光信号は、波長多重ブロックBWDMの入力ポートPinB1~PinB8に各個に入力される。

【0045】
波長多重ブロックBWDMの光スイッチ部SWBは、入力ポートPinB1~PinB8に入力された波長λ(1)~λ(8)の光信号のうちの1つを、制御入力(n=3)の組合せに対応して選択する(1つの波長の光信号を選び出す)。この選択された光信号(PY)は出力ポートPoutBより出力される。

【0046】
この方法により、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なわずに、光スイッチ(光素子)の数を削減することができ、かつ使用する光の波長数を8個(N=8)に抑えることができる。

【0047】
〔実施の形態2〕
図8に、ブロックをA,B,Cの3段(m=3)とし、制御入力数が6(L=6)である場合に、各ブロックA,B,Cへの制御入力を2つずつに分割した例(n=2)として、図7(a)に対応する圧縮する前のツリー回路を示す。

【0048】
この場合、Aでは各ブロックに波長が割り当てられており、各ブロックは割り当てられた同一波長の入力信号の中からひとつを選出する回路である。またBCではプロックの入力ポートの全てが異なる波長に割り当てられており、各ブロックは異なる波長の入力信号の中からひとつを選出する回路である。またブロックAからの出力がブロックBのどのポートに接続され、ブロックBからの出力がブロックCのどのポートに接続されるかは波長によって決められている。さらに図8におけるブロックB以降の信号経路は、ひとつの波長の信号に対しひとつの経路が割り当てられているため、BWDM,CWDMによりブロックの波長多重化を行っても、波長分離により一意にBブロックからの出力とCブロックの入力を確定することが可能で、この特徴はブロックの種類が増えても変わらない。またこの特徴には一定の法則が現れるため、図9ではその法則に則り、多重化された信号を各ブロックの入力ポートに割り振り可能であることを示す。図9は図7(b)に対応する圧縮した後の波長多重回路である。この図9に示した波長多重回路2が実施の形態2に係る光演算器に相当する。

【0049】
この波長多重回路2において、波長多重ブロックAWDMは、4個の入力ポートPinA1~PinA4と、複数の光スイッチからなる光スイッチ部SWAと、1つの出力ポートPoutAとを備えている。波長多重ブロックBWDMは、4個の入力ポートPinB1~PinB4と、複数の光スイッチからなる光スイッチ部SWBと、1つの出力ポートPoutBとを備えている。波長多重ブロックCWDMは、4個の入力ポートPinc1~Pinc4と、複数の光スイッチからなる光スイッチ部SWCと、1つの出力ポートPoutcとを備えている。波長多重ブロックAWDMと波長多重ブロックBWDMとの間には分波器AWG1が設けられ、波長多重ブロックBWDMと波長多重ブロックCWDMとの間には分波器AWG2が設けられている。分波器AWG1は、1つの入力ポートPinXと、4個の出力ポートPoutX1~PoutX4とを備えている。分波器AWG2は、1つの入力ポートPinYと、4個の出力ポートPoutY1~PoutY4とを備えている。

【0050】
この波長多重回路2では、真理値表(図示せず)に基づき、波長多重ブロックAWDMの入力ポートPinA1~PinA4に対して配置されている光源のOn/Offが決定される。この例では、入力ポートPinA1~PinA4毎に波長λ(1)~λ(16)の光源が配置されており、この波長λ(1)~λ(16)の光源のOn/Offが真理値表に基づいて決定される。

【0051】
すなわち、図8に示したツリー回路で言うと、ブロックA1~A16に波長λ(1)~λ(16)の光信号がそれぞれ割り振られる。このようにすることで、波長多重ブロックAWDMにおいて、異なる波長が割り振られる合計16個のAブロックを波長多重することによりまとめることが可能となる。

【0052】
入力ポートPinA1~PinA4毎に配置されている波長λ(1)~λ(16)の光源のOn/Offを決定すると、波長の組合せが個々に定められた4個の波長多重光信号(互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された波長多重光信号)P1~P4が、波長多重ブロックAWDMの入力ポートPinA1~PinA4に各個に入力される。

【0053】
波長多重ブロックAWDMの光スイッチ部SWAは、入力ポートPinA1~PinA4に入力された波長多重光信号P1~P4のうちの1つを、制御入力(n=2)の組合せに対応して選択する(一行を選び出す)。この選択された波長多重光信号をPXとする。光スイッチ部SWAによって選択された波長多重光信号PXは波長多重ブロックAWDMの出力ポートPoutAより出力される。

【0054】
波長多重ブロックAWDMの出力ポートPoutAより出力された波長多重光信号PXは分波器AWG1の入力ポートPinXに送られる。分波器AWG1は、入力ポートPinXに入力された波長多重光信号PXに含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて出力ポートPoutx1~Poutx4に振り分けて出力する。

【0055】
この例において、分波器AWG1で振り分けられる光信号PX1~PX4は、その光信号に含まれる波長が4つとされる。すなわち、分波器AWG1は、波長多重光信号PXが波長λ(1)~λ(16)の光信号で構成されていた場合、波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)~波長λ(4),λ(8),λ(12),λ(16)の光信号を光信号PX1~PX4として出力ポートPoutx1~Poutx4にそれぞれ振り分ける(縦列方向に波長順に並べる)。

【0056】
分波器AWG1は、波長周回性を有しており、一定の波長周期で同一ポートから光を出力する。この機能を用いて、波長多重ブロックAWDMから入力された波長多重光信号PXに含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて所定の波長間隔で周期的に定まる出力ポートから出力することにより、特定の出力ポートにある波長間隔を持った光信号(波長多重光信号)を出力することができる。この例では、波長多重ブロックAWDMから16個の波長の光信号が入力されるため、4波長周期で同一ポートに戻ってくるように設計すれば良い。

【0057】
分波器AWG1の出力ポートPoutx1~Poutx4から出力される波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)~波長λ(4),λ(8),λ(12),λ(16)の光信号(波長多重光信号)PX1~PX4は、波長多重ブロックBWDMの入力ポートPinB1~PinB4に各個に入力される。

【0058】
波長多重ブロックBWDMの光スイッチ部SWBは、入力ポートPinB1~PinB4に入力されたλ(1),λ(5),λ(9),λ(13)~波長λ(4),λ(8),λ(12),λ(16)の光信号PX1~PX4のうちの1つを、制御入力(n=2)の組合せに対応して選択する(1つの波長多重光信号を選び出す)。この選択された光信号をPYとする。光スイッチ部SWBによって選択された光信号PYは波長多重ブロックBWDMの出力ポートPoutBより出力される。

【0059】
波長多重ブロックBWDMの出力ポートPoutBより出力された光信号PYは分波器AWG2の入力ポートPinYに送られる。分波器AWG2は、分波器AWG1と同じく、波長周回性を有しており、入力ポートPinYに入力された光信号PYに含まれる複数の光信号を、その光信号の波長に応じて出力ポートPoutY1~PoutxY4に振り分けて出力する。

【0060】
この例において、分波器AWG2で振り分けられる光信号PY1~PY4は、その光信号に含まれる波長が1つとされる。すなわち、分波器AWG2は、光信号PYが波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)の光信号で構成されていた場合、波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)の光信号を光信号PY1,PY2,PY3,PY4として出力ポートPoutY1,PoutY2,PoutY3,PoutY4にそれぞれ振り分ける(縦列方向に波長順に並べる)。

【0061】
分波器AWG2の出力ポートPoutY1,PoutY2,PoutY3,PoutY4から出力される波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)の光信号PY1,PY2,PY3,PY4は、波長多重ブロックCWDMの入力ポートPinC1,PinC2,PinC3,PinC4に各個に入力される。

【0062】
波長多重ブロックCWDMの光スイッチ部SWCは、入力ポートPinC1,PinC2,PinC3,PinC4に入力された波長λ(1),λ(5),λ(9),λ(13)の光信号PY1,PY2,PY3,PY4のうちの1つを、制御入力(n=2)の組合せに対応して選択する(1つの波長の光信号を選び出す)。この選択された光信号(PZ)は出力ポートPoutCより出力される。

【0063】
この方法により、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なわずに、光スイッチ(光素子)の数を削減することができ、かつ使用する光の波長数を16個(N=16)に抑えることができる。

【0064】
実施の形態1と実施の形態2をまとめてそれぞれのブロックの役割を考える。図10は実施の形態2をより詳細に説明する図である。波長多重ブロックAWDMでは、1つの入力ポートに入力される波長多重光信号の波長セットは各入力ポート間で一致している。例えば、入力ポート1に波長λ(1)~λ(16)の波長の光信号が入力される場合、ポート2以降も波長λ(1)~λ(16)の光信号が入力される。ただし、真理値表に従って、各波長の光信号がOnかOffかという観点では入力ポート毎に異なる。したがって、波長多重ブロックAWDMの役割は波長λ(1)~λ(16)に束ねられた波長多重光信号のうちどれか一つを選択する役割がある。

【0065】
次に、波長多重ブロックBWDMに注目すると、波長多重ブロックAWDMから来た波長多重光信号はAWGによって4波長ごとに束ねられて入力される。この時、入力される波長はすべてのポートで異なる。波長多重ブロックBWDMで行っていることは、各入力から来た光信号のうちどれか1つの波長を選択するという役割がある。実際は、4波長ごとに束ねられているため、波長多重ブロックBWDMからは4波長に束ねられた光信号が出力される。

【0066】
最後に波長多重ブロックCWDMに注目すると、異なる波長の光信号が入力されて1つの波長を選択するという役割は波長多重ブロックBWDMと同等である。このように、波長多重ブロックBWDM以降は同じ役割を担っている。

【0067】
〔実施の形態3〕
図10を用いて説明したように、波長多重ブロックBWDM以降は同じ機能の繰り返しとなるため、図11に示すような構成としても良い。この波長多重回路3では、波長多重ブロックBWDMと波長多重ブロックCWDMの機能をまとめて、波長多重ブロックAWDMから出力された波長多重光信号を各波長ごとに分けて出力するようにしている。このようにしても、演算の種類の設定を自由に変更できるという特徴を損なわずに、光スイッチ(光素子)の数を削減することが可能である。

【0068】
〔実施の形態4〕
図12は、ブロックをA,B,C,Dの4段(m=4)とし、制御入力数が8(L=8)である場合に、各ブロックA,B,C,Dへの制御入力を2つずつに分割した例(n=2)である。実施の形態3に対して、波長多重ブロックDWDMが追加されているが、最終的に波長多重ブロックDWDMから制御入力に応じて選択された1つの波長の光信号が出力される。

【0069】
すなわち、この例では、波長多重ブロックAWDMに入力された波長多重光信号P1~P4のうち波長多重光信号P1が制御入力(n=2)の組合せに対応して選択され、この選択された波長多重光信号P1が波長多重光信号PXとして分波器AWG1に送られ、分波器AWG1において波長多重光信号PXに含まれる複数の光信号がその光信号の波長に応じてPX1~PX4として振り分けられ、波長多重ブロックBWDMに入力されている。

【0070】
この例において、波長多重光信号PX(P1)は、波長ラベル「1」~「64」の光信号を含んでおり、この複数の光信号がその光信号の波長に応じてPX1~PX4として振り分けられ、波長多重ブロックBWDMに入力される。この場合、分波器AWG1は、周回性を利用して1波長単位で4波長ごとに同一ポートに戻る。

【0071】
そして、波長多重ブロックBWDMに入力された光信号(波長多重光信号)PX1~PX4のうち波長多重光信号PX2が制御入力(n=2)の組合せに対応して選択され、この選択された波長多重光信号PX2が波長多重光信号PYとして分波器AWG2に送られ、分波器AWG2において波長多重光信号PYに含まれる複数の光信号がその光信号の波長に応じてPY1~PY4として振り分けられ、波長多重ブロックCWDMに入力されている。

【0072】
この例において、波長多重光信号PY(PX2)は、波長ラベル「2」,「6」,「10」,「14」,「18」,「22」,「26」,「30」,「34」,「38」,「42」,「46」,「50」,「54」,「58」,「62」の光信号を含んでおり、この複数の光信号がその光信号の波長に応じてPY1~PY4として振り分けられ、波長多重ブロックCWDMに入力される。この場合、分波器AWG2は、周回性を利用して4波長単位で16波長ごとに同一ポートに戻る。

【0073】
そして、波長多重ブロックCWDMに入力された光信号PY1~PY4(波長多重光信号)のうちPY4が制御入力(n=2)の組合せに対応して選択され、この選択された波長多重光信号PY4が波長多重光信号PZとして分波器AWG3に送られ、分波器AWG3において波長多重光信号PZに含まれる複数の光信号がその光信号の波長に応じてPZ1~PZ4として波長多重ブロックDWDMに入力されている。

【0074】
この例において、波長多重光信号PZ(PY4)は、波長ラベル「14」,「30」,「46」,「62」の光信号を含んでおり、この複数の光信号がその光信号の波長に応じてPZ1~PZ4として振り分けられ、波長多重ブロックDWDMに入力される。この場合、分波器AWG3は、周回性を利用して16波長単位で64波長ごとに同一ポートに戻る。これにより、波長多重ブロックDWDMに入力される波長多重光信号PZ1は波長ラベル「14」の光信号のみを含み、波長多重光信号PZ2は波長ラベル「30」の光信号のみを含み、波長多重光信号PZ3は波長ラベル「46」の光信号のみを含み、波長多重光信号PZ4は波長ラベル「62」の光信号のみを含むものとなる。

【0075】
そして、波長多重ブロックDWDMに入力された光信号PZ1~PZ4のうちPZ3が制御入力(n=2)の組合せに対応して選択され、すなわち波長ラベル「46」の光信号のみを含む光信号PZ3が選択され、この選択された光信号PZ3が最終的に選択された光信号POとして出力されている。

【0076】
〔AWGなどの分波器に求められる特性〕
実施の形態1,2,4からAWGなどの分波器に求められる特性は次のように一般化できる。i番目とi+1番目のブロックを接続するi段目のAWGの特性は、q^(i-1)波長単位(1周期での波長数)でq^I波長ごと(周回数波長数)に同一ポートに戻るように設計する(図13参照)。

【0077】
〔実施の形態5〕
これまでの例は、各波長多重ブロックへの制御入力数は均等条件で説明したが、必ずしも均等でなくとも良い。図14を例にすると、波長多重ブロックAWDMへの制御入力数na=3、波長多重ブロックBWDMへの制御入力数nb=2とした場合、qa=2^na=8,qb=2^nb=4のようにすることができる。ただし、L=na+nb、としておかないと、無駄が発生する。

【0078】
〔実施の形態6〕
上述した実施の形態では、各波長多重ブロック間で波長の組み替えを行う分波器をAWGを例として説明したが、空間に光を出して回折格子とレンズを組み合わせて行っても良い(図15参照)。図15において、10はコリメータレンズ、11は回折格子、12はレンズ、13は固定ミラー等の配線替えを行う手段である。

【0079】
回折格子とレンズを組み合わせる場合、通常の回折格子では波長周回性の周期が長くなるので、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)などを用いると周回性を設計しやすくなるので良い。また、合波は最初の回折格子に戻しても良いし、個別に用意しても良い。

【0080】
また、導波路で実現する別の例としてリング共振器を用いても良い。図16に示すように、特定の波長に合わせた共振器を複数個容易することにより実現できる。複数波長に対応させる場合は図17のようにすれば良い。

【0081】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0082】
1~3…波長多重回路、AWDM~DWDM…波長多重ブロック、PinA1~PinA8、PinB1~PinB8、PinC1~PinC4…入力ポート、PoutA,PoutB,PoutC…出力ポート、SWA,SWB,SWC…光スイッチ部、AWG1~AWG3…分波器、PinX,PinY…入力ポート、Poutx1~Poutx8,PoutY1~PoutY4…出力ポート、101(101B)…光パスゲート、SW1,SW2…光スイッチ(光素子)、102…光源、103…光回路、LUT…真理値表。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
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【図15】
14
【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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