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明細書 :センサIC

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-134036 (P2017-134036A)
公開日 平成29年8月3日(2017.8.3)
発明の名称または考案の名称 センサIC
国際特許分類 G01N   5/02        (2006.01)
G01N  33/543       (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
C12M   1/34        (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
FI G01N 5/02 A
G01N 33/543 593
G01N 33/53 Y
C12M 1/34 A
C12M 1/00 A
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2016-016541 (P2016-016541)
出願日 平成28年1月29日(2016.1.29)
発明者または考案者 【氏名】齊藤 晶
【氏名】飯塚 邦彦
【氏名】満仲 健
【氏名】芦田 伸之
【氏名】小川 雄一
【氏名】鈴木 哲仁
出願人 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査請求 未請求
テーマコード 4B029
Fターム 4B029AA07
4B029AA08
4B029BB01
4B029BB17
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA01
要約 【課題】分子・細胞・組織の検出感度の向上を可能とするセンサICを提供する。
【解決手段】基板と、基板に配置された少なくとも1つの共振器50とを備えており、少なくとも1つの共振器50は、自身の近傍にある被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させるものであり、少なくとも1つの共振器50の共振周波数に基づき、被検査体の状態を検出するセンサIC1であって、センサIC1の表面に、タンパク質を捕捉する抗体201を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
基板と、
前記基板に配置された少なくとも1つの共振器とを備えており、
前記少なくとも1つの共振器は、自身の近傍にある被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させるものであり、
前記少なくとも1つの共振器の前記共振周波数に基づき、前記被検査体の状態を検出するセンサICであって、
前記センサICの表面に、特定の分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つを捕捉する捕捉部を備えていることを特徴とするセンサIC。
【請求項2】
前記センサICは、前記捕捉部を前記センサICの表面に固定させる固定化部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のセンサIC。
【請求項3】
前記捕捉部は、抗体を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサIC。
【請求項4】
前記捕捉部は、DNAを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサIC。
【請求項5】
前記センサICは、少なくとも2つの前記共振器を備えており、
2つの前記共振器の一方が備えている前記捕捉部が捕捉する前記分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つと、2つの前記共振器の他方が備えている前記捕捉部が捕捉する前記分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つとが、互いに異なっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のセンサIC。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波発振器を備えており、水分を含む被検査体の変化を検知するセンサICに関する。
【背景技術】
【0002】
各家庭や簡易診断所等で利用される、人体の診断機器には、低価格、小型化、検査時間の短縮、操作の簡便性等が要求される。半導体集積回路上に形成されたセンサIC(Integrated Circuit:半導体集積回路)は、このような要求を満たすことができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、半導体集積回路上に形成されたセンサICの一例が開示されている。図9の(a)および(b)は、特許文献1に係るセンサICを説明するための図である。
【0004】
図9の(a)は、インダクタ111に磁性粒子113および被検査体114を接触させた状態を示す図である。半導体基板101上に被検査体114を接触させると、被検査体114に付着させた磁性粒子113の変動により透磁率が変化し、その透磁率の変化によって、インダクタ111のインダクタンスが影響を受ける。これにより、発振器が出力する発振周波数が変化し、検出器(図示せず)は発振周波数の変化を検知する。発振周波数の変化は、被検査体114の性質の変動を示す。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0267596号明細書(2009年10月29日公開)
【0006】

【非特許文献1】H.Yada, M.Nagai, K.Tanaka, "Origin of the fast relaxation component of water and heavy water revealed by terahertz time-domain attenuated total reflection spectroscopy", Chemical Physics Letters, pp.166-170, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各家庭や簡易診断所等で利用される人体の診断機器における被検査体は、いろいろな分子・細胞・組織が含まれる液体であることが多い。特許文献1の様なセンサは、検査感度がセンサ表面近傍で高いという特徴を持つ。しかし、特許文献1に係るセンサでは、当該液体中にセンサを置いた時に、標的となる分子・細胞・組織をセンサ表面に選択的に配置する手段が無いので、標的となる分子・細胞・組織の検査感度が良くないという課題がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、検出感度の向上を可能とするセンサICを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサICは、基板と、前記基板に配置された少なくとも1つの共振器とを備えており、前記少なくとも1つの共振器は、自身の近傍にある被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させるものであり、前記少なくとも1つの共振器の前記共振周波数に基づき、前記被検査体の状態を検出するセンサICであって、前記センサICの表面に、特定の分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つを捕捉する捕捉部を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、標的となる分子・細胞・組織を捕捉する捕捉部をセンサ表面に具備することで、被検査体導入前後のセンサICの共振器の共振周波数を測定することで、共振周波数のシフトで標的となる分子・細胞・組織が前記被検査体中に存在するか否かを調べることが可能となる。更に、標的となる分子・細胞・組織をセンサ表面に捕捉することで、被検査体中の標的となる分子・細胞・組織の検出感度が改善される。
【0011】
従って、本発明の一態様によれば、検出感度の向上が可能となる。
【0012】
さらに、センサIC表面に複数種類の捕捉部を固定化することで、一つのセンサICで被検査体中に存在する分子・細胞・組織を複数種類検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1に係るセンサICを説明するための図であり、(a)は、半導体基板の断面A-A’の位置を示し、(b)は、半導体基板の断面A-A’を示す断面図であり、(c)は、対応する回路図を示す。
【図2】本発明の実施形態1に係るセンサICのセンシング原理を説明するための図であり、(a)、(c)、(e)は、図1の(a)の半導体基板の断面A-A’の断面図であり、(a)は、保護膜に水を接触させた状態、(c)は、水に標的タンパク質が含まれない被検査体を注入した後の状態、(e)は、水に標的タンパク質が含まれる被検査体を注入した後に抗体が標的タンパク質を捕捉した状態であり、(b)、(d)、(f)は、それぞれ、状態(a)、(c)、(e)での、センサICにおいて、検出回路を用いて測定した発振器の発振周波数の図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るセンサICの断面図であり、(a)は、保護膜に溝を形成して捕捉部である抗体を固定化する場合、(b)は、保護膜上に金薄膜を形成して抗体を固定化する場合の図である。
【図4】本発明の実施形態3に係るセンサICの断面図であり、(a)は、捕捉部である抗体を固定化部を介して保護膜に固定化する場合、(b)は、抗体をゲル層を介して保護膜に固定化する場合の図である。
【図5】本発明の実施形態5に係るセンサICの断面図であり、(a)は、プローブDNAが捕捉部の場合、(b)は、プローブDNAが標的DNAを捕捉した場合の図である。
【図6】本発明の実施形態6に係るセンサICの断面図であり、(a)は、タンパク質が捕捉部の場合、(b)は、タンパク質が標的となる抗体を捕捉した場合の図である。
【図7】本発明の実施形態7に係るセンサICを説明するための図であり、インダクタの替りにキャパシタでセンシングする場合であり、(a)は、半導体基板の断面B-B’の位置を示し、(b)は、半導体基板の断面B-B’を示す断面図であり、(c)は、対応する回路図を示す。
【図8】本発明の実施形態8に係るセンサICの構成図であり、複数発振器を具備し、複数種類の抗体が固定化されている場合の図である。
【図9】特許文献1の構成図であり、(a)は、半導体基板の断面C-C’の位置を示し、(b)は、半導体基板の断面C-C’を示す断面図である。
【図10】シランカップリング反応の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。

【0015】
本発明の実施の形態に係るセンサICは、半導体基板(基板)の表面に被検査体を接触させて、被検査体が持つ誘電率、透磁率、または、被検査体の性質が変化したときに変化する誘電率、透磁率を検知するセンサIC(Integrated Circuit:半導体集積回路)である。

【0016】
〔実施形態1〕
まず、本発明の実施形態1に係るセンサIC1について、図1の(a)~(c)を参照して説明する。図1の(a)は、センサIC1の構成図であり、断面A-A’の位置を示す。図1の(b)は、センサIC1の断面A-A’を示す断面図である。図1の(c)は、センサIC1と対応する回路図である。

【0017】
(発振器の構成)
図1の(c)に示すように、発振器(発振部)20は、差動回路40と、差動回路40の差動間に形成されている共振器50と、電流源60とを含む。共振器50は、30~200GHzのいずれかの共振周波数を有する。30~200GHzは、水の複素誘電率の変化が大きく、誘電率の周波数特性の変化を高感度で検出できる周波数である。

【0018】
差動回路40は、互いにクロスカップルされたNMOSトランジスタM1およびNMOSトランジスタM2を含む。なお、適宜別の差動回路を用いてよい。例えば、バイポーラトランジスタを用いてもよい。

【0019】
共振器50は、差動回路40の差動間に並列に接続されている、インダクタ52とキャパシタ54とを含む。また、共振器50が共振する共振周波数が、発振器20が発振する発振周波数である。共振器50は、電磁波の送受信をするような狭義のアンテナではないため、波長による開口径の制限を受けない。このため、共振器50のサイズは、200GHzの電磁波の波長約1.5mmの四半波長より小さい200μm四方以下(一辺200μmの正方形に収まるサイズ)とすることができる。

【0020】
インダクタ52は、半導体基板10の金属層のうち、最上層(基板と被検査体との接触位置に最も近い層)に形成されている(すなわち、最上位金属層130)。インダクタ52は、共振器50の回路サイズの大部分を占める。また、共振器50は、発振器20の回路サイズの大部分を占める。本実施形態において、共振器50の平面視におけるサイズが、一辺200μmの正方形に収まるサイズとなるように、インダクタ52の面積が定められている。なお、キャパシタ54は、トランジスタM1、M2のゲート容量や、図示しない配線の寄生容量などにより形成されてもよい。

【0021】
インダクタ52およびキャパシタ54はLC回路を形成しており、インダクタ52のインダクタンスとキャパシタ54のキャパシタンスとにより、共振器50の共振周波数および発振器20の発振周波数が決まる。

【0022】
この場合、発振器20の発振周波数fは、下記の数式(1)により表される。

【0023】
f=1/{2π√(LC)} ・・・(1)
ここで、Lはインダクタ52のインダクタンス(磁束鎖交数/電流)の値、Cはキャパシタ54のキャパシタンス(電気容量)と基準となる被検査体203(図2の(c)および(e)参照)搭載時のインダクタ52に生じる寄生容量の和である。発振器20が30GHz以上200GHz以下のいずれかの周波数で発振するように、インダクタンスおよびキャパシタンスが定められる。

【0024】
例えば、インダクタ52のインダクタンスが1nH付近であり、キャパシタ54のキャパシタンスが27fF付近である場合、共振器50の共振周波数および発振器20の発振周波数は約30GHz付近である。

【0025】
(センサICの構成)
図1の(a)に示す様に、センサIC1は、発振器20、分周器(分周部)30、および、検出回路(推定部)3を備えている。少なくとも発振器20は、半導体基板(基板)10上に形成される。分周器30および検出回路3は、半導体基板10に形成されてもよく、半導体基板10とは別の部材に形成されてもよく、検出回路3は例えば、市販のマイコン等で代用してもよい。

【0026】
分周器30は、発振器20が発振する発振周波数を分周し、当該分周した周波数を有する出力信号を検出回路3に出力する周波数分周器である。分周器30の分周比は1/N(Nは1以上の有理数)である。分周器30は、検出回路3へ入力される信号を検出回路3が扱いやすいように、検出回路3へ入力される信号の周波数を、発振器20の発振周波数の1/N倍にする。これにより、検出回路3へ入力される信号の周波数が、検出回路3が動作する周波数帯に収まる。なお、分周器30は、本発明の課題を解決するための必須の構成ではない。

【0027】
検出回路3は、分周器30が出力する周波数と、分周器30の分周比1/Nとから、発振器20の発振周波数を算出する。すなわち、検出回路3は、分周器30の出力信号を参照して、所定期間(例えば100msec)に、入力された信号をカウントし、そのカウント値に分周器30の分周比の逆数N、および、1秒/所定期間を積算することにより、発振器20の発振周波数を推定する。なお、検出回路3は、分周器30から出力される信号の周波数の変化を、所定期間カウントするカウンタ回路を備えている。

【0028】
(表面に抗体を固定化したセンサICの構成)
分子間に働く分子間力や、電気双極子等を介した静電気力などの物理吸着によって、抗体201を保護膜115に固定化する。つまり、センサIC1は、インダクタ52とその他の回路112とが形成された半導体基板10に対し、さらに、少なくともインダクタ52を(例えば、発振器20全体を)被覆するように形成された保護膜115と、保護膜115の表面上に形成された抗体(捕捉部)201とを有する。なお、その他の回路112は、キャパシタ54および差動回路40を少なくとも含んでいる。

【0029】
抗体201が、本実施形態1における標的分子・細胞・組織を捕捉する捕捉部となる。図1の(a)は、センサIC1を保護膜115の上側から見た図(図示の簡潔化のため、図1の(a)においては保護膜115の図示を省略している)であり、図1の(b)は、センサIC1の、図1の(a)の断面A-A’での断面図である。

【0030】
(標的タンパク質の検出)
被検査体203中におけるタンパク質204の有無を、センサIC1にて検出する方法を、図1の(a)~(c)および図2の(a)~(f)を参照して以下に説明する。

【0031】
図2の(a)~(f)は、センサIC1のセンシング原理を説明するための図であり、図2の(a)、(c)、(e)は、図1の(a)の半導体基板10の断面A-A’の断面図である。図2の(a)は、保護膜115に水202を接触させた状態、図2の(c)は、水202に標的タンパク質であるタンパク質204が含まれない被検査体203を注入した後の状態、図2の(e)は、水202にタンパク質204が含まれる被検査体203を注入した後に抗体201がタンパク質204を捕捉した状態である。図2の(b)、(d)、(f)は、それぞれ、図2の(a)、(c)、(e)での、センサIC1において、検出回路3を用いて測定した発振器20の発振周波数の図である。

【0032】
まず、保護膜115に水202を接触させる。検出回路3は、発振器20の発振周波数f1を推定する。次に、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する。検出回路3は、発振器20の発振周波数f2を推定する。

【0033】
ユーザは、まず、センサIC1の保護膜115に水202を接触させて、図2の(a)に示す状態で、センサIC1の測定を行う。発振器20の発振周波数は、分周器30により1/Nの周波数に分周され、検出回路3により所定期間カウントされる。そして、検出回路3は、発振器20の発振周波数f1を推定する。

【0034】
次に、センサIC1の保護膜115に接触している水202に被検査体203を注入して、センサIC1の測定を行う。同様に、発振器20の発振周波数は、分周器30により1/Nの周波数に分周され、検出回路3により所定期間カウントされる。そして、検出回路3は、発振器20の発振周波数f2を推定する。

【0035】
ここで、被検査体203中にタンパク質204が存在しない場合には、抗体201は何も捕捉せず、抗体201が標的外物質205を捕捉しない図2の(c)に示した状態になり、図2の(d)の様にf2=f1となる。

【0036】
一方、被検査体203中に抗体201の標的となるタンパク質204が存在すると、抗体201はタンパク質204を捕捉して、図2の(e)に示した状態になり、水202の誘電率が変化する。

【0037】
水202の誘電率が変化する理由は以下の通りである。水溶液中では、NaClの様な電解質の溶質の場合には溶質のイオンへの電離によって、糖の様な非電解質の溶質の場合には溶質分子中の極性の偏りによって、静電気力や水素結合が生じる。この静電気力や水素結合を介して、水分子が溶質に束縛される糖などを含む水溶液中では、溶質または溶質分子が電離し、イオン等が静電気力や水素結合などで結び付くことにより、水和現象が起こることが知られている。タンパク質などの巨大分子の活性にも水和現象が大きく関わる。水溶液中では、水和現象や水分子がタンパク質に置き換わることそのものにより、バルク水(溶質から十分離れて束縛されない状態の水)が減少することで、バルク水の誘電率がタンパク質の誘電率に変化する。非特許文献1のFig.2に、バルク水の複素誘電率を示したグラフが示されている。バルク水の緩和現象によって、特に30GHz~200GHzの周波数領域で複素誘電率の変動が大きい。バルク水の量が変動すると、上記した周波数領域では複素誘電率も変動することが示唆される。

【0038】
この様に誘電率(ε)が変化すると、容量Cのうち、発振器20のインダクタ52に生じる寄生容量成分が変化する。これは、C=ε×d/Sの式から明らかである(d:誘電体の厚さ、S:誘電体の面積)。そして、性質変化の前後における、キャパシタ54の容量と寄生容量値との和に相当する全体の容量値Cの差ΔCが発振器20の発振周波数f1とf2の差Δfとして表れる。差Δfと差ΔCとの関係式を、下記の数式(2)に示す。

【0039】
Δf=1/〔2π√{L(C+ΔC)}〕—1/{2π√(LC)} ・・・(2)
つまり、被検査体203中にタンパク質204が存在すると、f2≠f1となる。この様に、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する前の発振器20の発振周波数f1と、注入後の発振周波数f2を検出回路3で検出した際に、
f2≠f1であれば、被検査体203中にタンパク質204が有る
f2=f1であれば、被検査体203中にタンパク質204が無い
と判定することができる。

【0040】
(効果)
ユーザは、被検査体203を注入する前の発振器20の発振周波数f1と、注入した後の発振周波数f2とを比較することにより、被検査体203中にタンパク質204が有るか無いかを判定することが可能となる。

【0041】
例えば、抗体201が抗オボアルブミン抗体である場合には、被検査体203に卵白を構成する主要なタンパク質であるオボアルブミンの有無を判定する食品アレルゲン検査が、センサIC1で可能となる。なお、抗体201は抗オボアルブミン抗体に限定されるものではなく、ホエーやカゼイン等のその他のタンパク質を捕捉する抗体でも良い。

【0042】
更に、抗体201が抗A抗体であれば、A型およびAB型の血液中の赤血球表面に存在するA抗原が、被検査体203中に有るか・無いかが検出可能となる。なお、抗体201は抗A抗体に限定されるものではなく、抗B抗体でも良い。

【0043】
更に、水202は、水に限定されるものではなく、抗体201とタンパク質204との抗体・抗原反応を阻害しなければ、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の他の液体でもよい。

【0044】
〔実施形態2〕
前記実施形態1では、物理吸着で、捕捉部である抗体201を保護膜115上に、図1の(b)に示す様に固定化しているが、下記の物理吸着で固定化しても良い。

【0045】
図3の(a)は、保護膜115に溝210を形成して捕捉部である抗体201を固定化する場合、図3の(b)は、保護膜115上に金薄膜211を形成して抗体201を固定化する場合の図である。

【0046】
図3の(a)に示す様に、保護膜115にフォトリソグラフィーとエッチングとの組み合わせで溝210を形成し、溝210上に抗体201を物理吸着させることで、抗体201を固定化しても良い。

【0047】
また、図3の(b)に示す様に、保護膜115上に金薄膜211を形成し、金薄膜211上に抗体201を物理吸着させることで、抗体201を固定化しても良い。さらに、フォトリソグラフィーとエッチングとの組み合わせで、金薄膜211をインダクタ52の上に島状に形成しても良い。

【0048】
(効果)
溝210を形成することで、抗体201の形成領域を溝210に限定することが可能となる。抗体は金に強く吸着することが知られているので、金薄膜211を形成することで抗体201の固定化の為の吸着力が改善される。さらに、金薄膜211の形状を島状にすることで、抗体201の形成領域を限定することが可能となる。

【0049】
〔実施形態3〕
前記実施形態1において、抗体201を保護膜115に物理吸着で固定化する方法について説明した。本実施形態3では、固定化部212を用いた抗体201の保護膜115への固定化について、図4の(a)および(b)、ならびに図10を参照して説明する。

【0050】
図4の(a)は、捕捉部である抗体201を固定化部212を介して保護膜115に固定化する場合、図4の(b)は、抗体201をゲル層213を介して保護膜115に固定化する場合の図である。図10は、シランカップリング反応の一例を示す図である。

【0051】
まず、保護膜115を酸化して、表面にOH基を形成する。次に、保護膜115表面を、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTMS)等でアミノ化して、保護膜115表面にアミノ基221を形成する。次に、アミノ基221が形成された保護膜115表面に対し、3-マレイミドプロピオン酸N-スクシンイミド(SMP)等でマレイミド化して、保護膜115表面にマレイミド基222を形成する。次に、マレイミド基222が形成された保護膜115表面に、チオール・ビオチン等を用いてビオチン化を行い、ビオチン223を保護膜115に固定化する。次に、ビオチン223が固定化された保護膜115表面にアビジン224を導入し、ビオチン・アビジン反応を行い、アビジン224をビオチン223と結合する。最後に、アビジン224が固定化された保護膜115表面に、ビオチン(標識化用)で標識化した抗体201を導入して、ビオチン・アビジン反応で、ビオチン(標識化用)をアビジン224に結合させる。つまり、抗体201は、ビオチン(標識化用)、アビジン224、ビオチン223、およびビオチン化・マレイミド化・アミノ化で形成される分子群を介して、図4の(a)に示す様に、抗体201を保護膜115に固定化することが出来る。図4の(a)の固定化部212は、シランカップリングによって生じる、保護膜115と抗体201との間の有機化合物である、ビオチン(標識化用)、アビジン224、ビオチン223、およびビオチン化・マレイミド化・アミノ化で形成される分子群となる。

【0052】
なお、上記一連の反応をシランカップリングと呼ぶ。抗体201を半導体基板10に固定化する目的が達成するならば、上記反応に限定されるものではなく、他のシランカップリングであっても良い。

【0053】
さらに、上記シランカップリングでは、ビオチン・アビジン反応でアビジン224をビオチン223に結合させているが、アビジン224の替りにストレプトアビジンを用いても良い。

【0054】
さらに、抗体201を半導体基板10に固定化する目的が達成するならば、途中の物質も代替物質であってもよく、固定化手法もシランカップリングに限定されない。

【0055】
例えば、ジチオプロピオン酸等を用いたアミンカップリングで抗体201を固定化しても良い。更に、ポリエチレングリコール等のスペーサー物質を介して、単体の長さを長くしたアミンカップリングで抗体201を固定化しても良い。

【0056】
また、アミンカップリングでアビジンもしくはストレプトアビジンを固定化し、ビオチンで標識化した抗体201によるビオチン・アビジン反応で、抗体201を固定化しても良い。

【0057】
さらに、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などのアルコキシド(シリカ前駆体)を、酸性、若しくは塩基性条件で、加水分解・重縮合反応を行わせる事によって、アルコールを脱離させて合成するゾル・ゲル法によってゲル層213を形成し、図4の(b)に示す様に、ゲル層213形成中に抗体210を固定化しても良い。

【0058】
(効果)
化学反応による結合を使うので、物理吸着よりも吸着力が高い。

【0059】
〔実施形態4〕
本実施形態4では、前記実施形態1の捕捉部である抗体201が、抗サイトケラチン抗体であるとする。抗サイトケラチン抗体は、上皮性細胞の細胞骨格を成す中間径フィラメントであるサイトケラチンを捕捉する。つまり、抗体201が抗サイトケラチン抗体の場合には、細胞を捕捉することになる。

【0060】
前記の実施形態1と同様に、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する前の発振器20の発振周波数f1と、注入した後の発振周波数f2とを検出回路3で検出した際に、
f2≠f1であれば、被検査体203中に細胞が有る
f2=f1であれば、被検査体203中に細胞が無い
と判定することができる。

【0061】
発振周波数f1とf2とを比較することにより、被検査体203における標的細胞の有無を検出することができる。

【0062】
さらに、細胞の状態が、正常であるか、がん化しているかで、細胞自身の誘電率変化や、細胞による水和状態の変化に起因する細胞周囲の水の誘電率の変化が生じる。この誘電率の違いによって、発振器20の発振周波数も変化する。つまり、センサIC1の発振器20の発振周波数を推定することで、抗体201に捕捉された細胞が正常細胞であるかがん細胞であるが検出可能となる。

【0063】
また、温度・pH・薬液・抗原等の外部刺激による細胞の活性化によっても、細胞自身の誘電率変化や、細胞による水和状態の変化に起因する細胞周囲の水の誘電率の変化が生じる。まず、抗体201が細胞を捕捉したことを発振器20の発振周波数で確認する。細胞捕捉を確認した後に、刺激を与える前の発振器20の発振周波数f1と、刺激を与えた後の発振周波数f2との比較により、細胞が刺激により活性化したか否かが検出可能となる。

【0064】
細胞の状態の違いは、正常細胞・がん細胞、細胞の活性・不活性に限定されるものでなく、細胞自身もしくは周囲の水の誘電率を変化させる様な状態の違いは総じて、本発明で検出可能となる。

【0065】
また、抗体201は、抗サイトケラチンに限定されるものではない。例えば、抗体201が抗好塩基球抗体の場合には、好塩基球を選択的に捕捉することが可能となる。

【0066】
捕捉部は、抗体201に限定されるものではなく、分子・細胞・組織が捕捉する捕捉部であるという目的が達成されるならば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ペプチド、融合タンパク質、アプタマー等でも良い。

【0067】
(効果)
細胞の検出、および、温度・pH・薬液・抗原等の外部刺激による細胞の活性化がセンシング可能となり、薬品の分子・細胞・組織への影響などを検査等医学・薬学へ応用することが可能となる。

【0068】
〔実施形態5〕
本実施形態5では、前記実施形態1の捕捉部である抗体201が、捕捉部をプローブDNA(デオキシリボ核酸)であるとする。図5の(a)は、プローブDNA214が捕捉部の場合、図5の(b)は、プローブDNA214が標的DNA215を捕捉した場合の図である。図5の(a)に示す様に、プローブDNA(デオキシリボ核酸)214を固定化部212によって固定化する。アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の塩基配列がプローブDNA214と相補的な標的DNA215が標的となる。

【0069】
標的DNA215をプローブDNA214が保護膜115表面に導入すると、アデニン(A)とチミン(T)間、グアニン(G)とシトシン(C)間の水素結合によるハイブリダイゼーションによって、プローブDNA214によって相補的な塩基配列の標的DNA215が捕捉される。DNAが1本鎖から2本鎖になることによるDNA自身の誘電率変化と、ハイブリダイゼーションによる水和状態の変化に起因する周囲の水の誘電率変化により、発振器20の発振周波数が変化する。

【0070】
実施形態1で説明した方法と同様のことを実施する。つまり、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する前の発振器20の発振周波数f1と、注入後の発振周波数f2とを検出回路3で検出した際に、
f2≠f1であれば、被検査体203中に標的DNA215が有る
f2=f1であれば、被検査体203中に標的DNA215が無い
と判定することができる。

【0071】
以上においては、DNA(デオキシリボ核酸)について説明したが、限定されるものではなく、RNA(リボ核酸)であっても良い。

【0072】
固定化部212は、実施形態3で説明したもののいずれかである。更に、実施形態1および2にて説明した様に、固定化部212を用いない物理吸着による固定化であっても構わない。

【0073】
(効果)
被検査体203中における標的DNA215の有無がセンサIC1によって検出可能となり、遺伝子解析やDNAチップ、および薬品のDNAへの影響等の医学・薬学への応用が可能となる。

【0074】
〔実施形態6〕
前記実施形態1では、抗体201が捕捉部であり、タンパク質204が標的であった。本実施形態4では、逆に、タンパク質204を捕捉部とし、抗体201を標的とする。図6の(a)は、タンパク質204が捕捉部の場合、図6の(b)は、タンパク質204が標的となる抗体201を捕捉した場合の図である。図6の(a)に示す様に、固定化部212でタンパク質204を保護膜115に固定化する。

【0075】
次に実施形態1で説明した方法と同様の方法でセンサIC1を用いて、発振器20の発振周波数を測定する。

【0076】
前記実施形態1と同様に、まず保護膜115に水202を接触させる。検出回路3は、発振器20の発振周波数f1を推定する。次に、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する。検出回路3は発振周波数f2を推定する。

【0077】
もし、被検査体203にタンパク質204の標的となる抗体201が存在すれば、抗体抗原反応により、抗体201は図6の(b)に示す様にタンパク質204に捕捉される。逆に、被検査体203にタンパク質204の標的となる抗体201がなければ、タンパク質204は図6の(a)に示す状態を維持する。この時、
f2≠f1であれば、被検査体203中に抗体201が有る
f2=f1であれば、被検査体203中に抗体201が無い
と判定することができる。

【0078】
標的物質は、タンパク質や抗体に、限定されるものではなく、タンパク質以外の分子・細胞・組織であっても構わない。

【0079】
(効果)
例えば、血液等の被検査体203にタンパク質204を捕捉する抗体201の有無をセンサIC1で検出できるので、アレルギー診断等の医学薬学への応用が可能となる。

【0080】
〔実施形態7〕
次に、本発明の実施形態7に係るセンサIC1について、図7の(a)~(c)を参照して説明する。図7の(a)は、本実施形態に係るセンサIC1を上から見た図であり、半導体基板10の断面B-B’の位置を示す。図7の(b)は、半導体基板10の断面B-B’を示す断面図である。図7の(c)は、本実施形態に係る発振器20の回路図である。本発明の実施形態1と比較すると、インダクタ52およびキャパシタ54の構成が異なる。

【0081】
(発振器、センサ回路の構成)
発振器20は、差動回路40と、差動回路40の差動間に形成されている共振器50と、発振器20の駆動を制御信号に従って制御する電流源60とを含む。発振器20は、30~200GHzのいずれかの共振周波数を有する。

【0082】
図7の(a)および(b)に示す構成においては、キャパシタ54が、半導体基板10の金属層のうち、最上層である金属層(最上位金属層130)に形成されている。また、平面視において、キャパシタ54は、発振器20が半導体基板10で占める面積の大部分であり、櫛形に形成されている。

【0083】
また、インダクタ52は、最上層でない金属層に形成されてもよく、トランジスタで構成されるアクティブインダクタ等であってもよい。

【0084】
キャパシタ54は、最上層である金属層に形成されているため、半導体基板10の表面に付着した水分および被検査体などにより、キャパシタ54のキャパシタンスが変化する。そして、発振器20が発振する発振周波数が変化する。

【0085】
この様に、本実施形態7では、センシングする構造が実施形態1のインダクタ52がキャパシタ54に変わる。しかし、センサ上の誘電率変化によって発振器20の発振周波数が変化する原理や、検出回路3で発振器20の発振周波数を推定する原理は、実施形態1と同様である。

【0086】
(タンパク質204の検出)
前記実施形態1と同様に、まず保護膜115に水202を接触させる。検出回路3は、発振器20の発振周波数f1を推定する。次に、保護膜115に接触した水202に被検査体203を注入する。検出回路3は発振周波数f2を推定する。

【0087】
もし、被検査体203に抗体201の標的となるタンパク質204が存在すれば、抗体抗原反応により、抗体201はタンパク質204を捕捉する。逆に、被検査体203に標的となるタンパク質204がなければ、抗体201がタンパク質204を捕捉することはない。この時、
f2≠f1であれば、被検査体203中にタンパク質204が有る
f2=f1であれば、被検査体203中にタンパク質204が無い
と判定することができる。つまり、被検査体203におけるタンパク質204の有無をセンサIC1で検出することができる。

【0088】
捕捉部や固定化部については、実施形態1から6に記載の方法であっても良い。

【0089】
(効果)
本発明は、標的となる分子・細胞・組織を検出するセンサICである。インダクタ52とキャパシタ54の100GHz前後での高周波数における電界分布が異なる。つまり、標的の形状・サイズによって、検出感度が高い構造を選択することが可能となる。

【0090】
〔実施形態8〕
次に、本発明の実施形態8に係るセンサIC1について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係るセンサICの構成図である。

【0091】
(発振器、センサICの構成)
半導体基板10に、複数個の発振器20a、20b、20c、・・・が形成されている。発振器20a、20b、20c、・・・は、実施形態1で説明したのと同様に、それぞれ、差動回路40と、共振器50と、電流源60とを具備する(図8には図示していない)。

【0092】
発振器20aには抗体(抗体a)201aが、発振器20bには抗体(抗体b)201bが、発振器20cには抗体(抗体c)201cが、それぞれ固定化されている。

【0093】
ここで説明の便宜上、抗体201aの標的タンパク質を「タンパク質204a」と称し、抗体201bの標的タンパク質を「タンパク質204b」と称する。

【0094】
実施形態1と同様に、センサIC1に被検査体203を注入する前に、各発振器20の発振周波数f1を推定し、注入後に発振器20の発振周波数f2を推定する。

【0095】
発振器20aにおいて、
f2≠f1であれば、被検査体203中にタンパク質204aが有る
f2=f1であれば、被検査体203中にタンパク質204aが無い
と判定することができる。

【0096】
同様に、発振器20bにおいて、
f2≠f1であれば、被検査体203中にタンパク質204bが有る
f2=f1であれば、被検査体203中にタンパク質204bが無い
と判定することができる。

【0097】
(効果)
この様に、同一の半導体基板10に、複数個の発振器20を形成し、複数種類の抗体201を固定化して、センサIC1を構成する。これにより、一つのセンサIC1で複数種類のタンパク質204を検出することが可能となる。

【0098】
例えば、抗体201aが抗カゼイン抗体で、抗体201bが抗ホエー抗体であるとする。この場合には、被検査体203における、牛乳に含まれるタンパク質であるカゼインやホエー、それぞれの有無を、1個のセンサIC1で検出可能となる。

【0099】
また、例えば、抗体201aが抗A抗体で、抗体201bが抗B抗体であるとする。この場合には、被検査体203にA抗原とB抗原の有無が検出できるので、例えば血液型のABO判定が1個のセンサIC1で可能となる。

【0100】
捕捉部と固定化部については、実施形態1から6に記載の方法であっても良い。更に、センシング手段については、実施形態7に記載のキャパシタであっても良い。

【0101】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るセンサICは、基板(半導体基板10)と、前記基板に配置された少なくとも1つの共振器とを備えており、前記少なくとも1つの共振器は、自身の近傍にある被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させるものであり、前記少なくとも1つの共振器の前記共振周波数に基づき、前記被検査体の状態を検出するセンサICであって、前記センサICの表面に、特定の分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つ(タンパク質204)を捕捉する捕捉部(抗体201他)を備えている。

【0102】
上記の構成によれば、標的となる分子・細胞・組織を捕捉する捕捉部をセンサ表面に具備することで、被検査体導入前後のセンサICの共振器の共振周波数を測定することで、共振周波数のシフトで標的となる分子・細胞・組織が前記被検査体中に存在するか否かを調べることが可能となる。更に、標的となる分子・細胞・組織をセンサ表面に捕捉することで、被検査体中の標的となる分子・細胞・組織の検出感度が改善される。

【0103】
従って、上記の構成によれば、検出感度の向上が可能となる。

【0104】
本発明の態様2に係るセンサICは、上記態様1において、前記捕捉部を前記センサICの表面に固定させる固定化部を備えている。

【0105】
上記の構成によれば、固定化部によって、捕捉部をセンサICの表面に固定させることが容易となる。

【0106】
本発明の態様3に係るセンサICは、上記態様1または2において、前記捕捉部は、抗体を有している。

【0107】
本発明の態様4に係るセンサICは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記捕捉部は、DNAを有している。

【0108】
上記の構成によれば、抗体および/またはDNAによって、捕捉部を実現することができる。

【0109】
本発明の態様5に係るセンサICは、上記態様1から4のいずれかにおいて、少なくとも2つの前記共振器を備えており、2つの前記共振器の一方が備えている前記捕捉部が捕捉する前記分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つと、2つの前記共振器の他方が備えている前記捕捉部が捕捉する前記分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つとが、互いに異なっている。

【0110】
上記の構成によれば、センサIC表面に複数種類の捕捉部を固定化することで、一つのセンサICで被検査体中に存在する分子・細胞・組織を複数種類検出することが可能となる。

【0111】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 センサIC
10 半導体基板(基板)
50 共振器
201、201a、201b、201c 抗体(捕捉部)(特定の分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つ)
203 被検査体
204 タンパク質(特定の分子、細胞、および組織のうち少なくとも1つ)(捕捉部)
212 固定化部
214 プローブDNA(捕捉部)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9