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明細書 :角膜内皮細胞品質評価支援システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-221555 (P2017-221555A)
公開日 平成29年12月21日(2017.12.21)
発明の名称または考案の名称 角膜内皮細胞品質評価支援システム
国際特許分類 A61B   3/13        (2006.01)
FI A61B 3/12 D
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2016-120512 (P2016-120512)
出願日 平成28年6月17日(2016.6.17)
発明者または考案者 【氏名】廣安 知之
【氏名】小泉 範子
【氏名】奥村 直毅
【氏名】日和 悟
【氏名】石田 直也
出願人 【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
個別代理人の代理人 【識別番号】110000475、【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C316
Fターム 4C316AA04
4C316AA24
4C316AB16
4C316FA18
4C316FB12
4C316FB21
4C316FB29
4C316FZ01
要約 【課題】より実用性の高い角膜内皮細胞品質評価支援システムを提供する。
【解決手段】角膜内皮細胞画像を、FFTによって、合焦角膜内皮細胞画像と非合焦角膜内皮細胞画像に分別する処理対象分別部2と、合焦角膜内皮細胞画像を二値化フィルタ処理して、合焦角膜内皮細胞画像から細胞境界を抽出した細胞境界画像を生成する細胞境界画像生成部3を備える。細胞境界画像から対応する合焦角膜内皮細胞画像の特徴量を抽出する特徴量抽出部4と、SVM(Support Vector Machine)によって、特徴量に基づき、対応する合焦角膜内皮細胞画像を高画質画像と低画質画像に分別し、さらに、低画質画質に分別した合焦角膜内皮細胞画像を、細胞境界画像生成部で再処理すべきか否かを判定する画像品質評価部5と、高画質画像に分別された合焦角膜内皮細胞画像の品質評価の結果をディスプレイ表示する品質評価結果表示部6を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
角膜内皮細胞画像の入力を受ける入力部と、
前記入力部に入力された角膜内皮細胞画像を、FFTによって、合焦角膜内皮細胞画像と非合焦角膜内皮細胞画像に分別する処理対象分別部と、
前記合焦角膜内皮細胞画像を二値化フィルタ処理することによって、前記合焦角膜内皮細胞画像から細胞境界を抽出した細胞境界画像を生成する細胞境界画像生成部と、を備え、
前記細胞境界画像生成部は、互いに異なる複数の前記二値化フィルタ処理のうちの1つを選択的に行えるようになっており、さらに、
前記細胞境界画像から対応する前記合焦角膜内皮細胞画像の品質評価のための特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
SVMアルゴリズムによって、前記特徴量に基づき、前記対応する合焦角膜内皮細胞画像を高画質画像と低画質画像に分別し、さらに、前記低画質画質に分別した前記合焦角膜内皮細胞画像を、前記細胞境界画像生成部で前と異なる前記二値化フィルタ処理を用いて再処理すべきか否かを判定する画像品質評価部と、
前記画像品質評価部によって前記高画質画像に分別された前記合焦角膜内皮細胞画像の面積情報および形状情報を示すカラーマップをディスプレイ表示する品質評価結果表示部と、を備えたものであることを特徴とする角膜内皮細胞品質評価支援システム。
【請求項2】
前記二値化フィルタ処理は、平均化フィルタによる平均化処理およびガウシアンフィルタによる平滑化処理を含み、前記複数の二値化フィルタ処理は、前記平均化フィルタおよび前記ガウシアンフィルタのうちの少なくとも1つのサイズのみが互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の角膜内皮細胞品質評価支援システム。
【請求項3】
前記特徴量は、細胞密度および細胞面積の変動係数および六角形細胞出現率の組み合わせ、または、前記細胞密度および前記細胞面積の変動率および正常細胞出現率の組み合わせ、または、前記細胞密度および前記細胞面積の変動率および前記六角形細胞出現率および正常細胞出現率の組み合わせからなっていることを特徴とする請求項2に記載の角膜内皮細胞品質評価支援システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜内皮細胞の品質の評価を支援するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
角膜内皮再生医療においては、角膜内皮細胞が減少している患者に対して、体外で培養された角膜内皮細胞を移植する治療が行われるが、この場合、移植すべき培養角膜内皮細胞の品質の評価が重要であり、通常、これは医師や技師の目視により、細胞密度、細胞面積のばらつき、および細胞の形状等の品質評価指標を測定することによってなされる。
【0003】
しかし、品質評価指標を正確に測定するには豊富な知識および経験を要し、さらに、品質評価指標の測定は、長期にわたる細胞培養の間に手作業によって継続的になされるので、医師や技師の負担がきわめて大きかった。
【0004】
そこで、近年、画像処理プログラムを利用して培養角膜内皮細胞の品質評価指標の測定を支援する研究がなされており、培養角膜内皮細胞の品質評価支援システムが既にいくつか開発されている。
【0005】
この種のシステムとして、例えば、非特許文献1に記載されたものがある。
非特許文献1に記載のシステムにおいては、二値化フィルタと、教師なし学習法を用いたパターン認識アルゴリズムの1つであるGNG(Growing Neural Gas)が用いられる。そして、まず、培養角膜内皮細胞画像が二値化されて細胞境界と細胞領域に分割され、その後、細胞境界がGNGによってベクトル量子化されてユニットが生成され、次いで、ユニットが接続されて細胞境界画像が生成される。
【0006】
しかしながら、このシステムにおいては、培養角膜内皮細胞画像中の細胞密度によってシステムのパラメータを変更する必要があり、しかも、処理に膨大な時間を要し、実用性に乏しいという問題があった。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】Hiroyasu, Tomoyuki and Sekiya, Shunsuke and Koizumi, Noriko and Okumura, Naoki and Yamamoto, Utako "Cell Segmentation Using Binarization and Growing Neural Gas" Asia Pacific Symposium on Intelligent and Evolutionary Systems 2, P.179~P.190, 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、より実用性の高い培養角膜内皮細胞品質評価支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明によれば、角膜内皮細胞画像の入力を受ける入力部と、前記入力部に入力された角膜内皮細胞画像を、FFTによって、合焦角膜内皮細胞画像と非合焦角膜内皮細胞画像に分別する処理対象分別部と、前記合焦角膜内皮細胞画像を二値化フィルタ処理することによって、前記合焦角膜内皮細胞画像から細胞境界を抽出した細胞境界画像を生成する細胞境界画像生成部と、を備え、前記細胞境界画像生成部は、互いに異なる複数の前記二値化フィルタ処理のうちの1つを選択的に行えるようになっており、さらに、前記細胞境界画像から対応する前記合焦角膜内皮細胞画像の品質評価のための特徴量を抽出する特徴量抽出部と、SVM(Support Vector Machine)アルゴリズムによって、前記特徴量に基づき、前記対応する合焦角膜内皮細胞画像を高画質画像と低画質画像に分別し、さらに、前記低画質画質に分別した前記合焦角膜内皮細胞画像を、前記細胞境界画像生成部で前と異なる前記二値化フィルタ処理を用いて再処理すべきか否かを判定する画像品質評価部と、前記画像品質評価部によって前記高画質画像に分別された前記合焦角膜内皮細胞画像の面積情報および形状情報を示すカラーマップをディスプレイ表示する品質評価結果表示部と、を備えたものであることを特徴とする角膜内皮細胞品質評価支援システムが提供される。
【0010】
本発明の好ましい実施例によれば、前記二値化フィルタ処理は、平均化フィルタによる平均化処理およびガウシアンフィルタによる平滑化処理を含み、前記複数の二値化フィルタ処理は、前記平均化フィルタおよび前記ガウシアンフィルタのうちの少なくとも1つのサイズのみが互いに異なっている。
本発明の別の実施例によれば、前記特徴量は、細胞密度および細胞面積の変動係数および六角形細胞出現率の組み合わせ、または、前記細胞密度および前記細胞面積の変動率および正常細胞出現率の組み合わせ、または、前記細胞密度および前記細胞面積の変動率および前記六角形細胞出現率および正常細胞出現率の組み合わせからなっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入力された角膜内皮細胞画像から合焦角膜内皮細胞画像を選別し、選別した画像を二値化フィルタ処理することによって細胞境界画像を生成するので、細胞境界画像の生成を短時間で行うことができる。
また、教師つき学習法を用いたパターン認識アルゴリズムの1つであるSVMによって機械学習を行いながら、細胞境界画像の生成、細胞境界画像からの特徴量の抽出および特徴量に基づく品質評価を実行するので、システムの繰り返し使用に伴って、より高速かつより高精度で品質評価を行うことができるようになる。
【0012】
さらに、品質評価の結果を角膜内皮細胞画像の面積情報および形状情報を示すカラーマップで表示するので、医師や技師はこのカラーマップに基づいて最終確認を行うだけでよく、医師および技師の労力が大幅に削減される。
こうして、従来のシステムよりも実用性の高い角膜内皮細胞品質評価支援システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による角膜内皮細胞品質評価支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムの細胞境界画像生成部による二値化フィルタ処理の一例のフロー図である。
【図3】図1のシステムの品質評価結果表示部によってディスプレイ表示されるカラーマップの一例を示す平面図である。
【図4】培養角膜内皮細胞画像の細胞密度を図1のシステムによって計測した場合の正解値からの誤差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施例による角膜内皮細胞品質評価支援システムの構成を示すブロック図である。
図1を参照して、本発明によれば、角膜内皮細胞画像の入力を受ける入力部1と、入力部1に入力された角膜内皮細胞画像を、FFT(Fast Fourier Transformation)によって、合焦角膜内皮細胞画像と非合焦角膜内皮細胞画像に分別する処理対象分別部2が備えられる。

【0015】
また、本発明によれば、合焦角膜内皮細胞画像を二値化フィルタ処理することによって、合焦角膜内皮細胞画像から当該合焦角膜内皮細胞画像の細胞境界を抽出した細胞境界画像を生成する細胞境界画像生成部3が備えられる。
細胞境界画像生成部3は、互いに異なる複数の二値化フィルタ処理のうちの1つを選択的に行えるようになっている。

【0016】
図2は、細胞境界画像生成部3によって実行される二値化フィルタ処理の一例のフロー図である。以下、図2を参照しつつ、二値化フィルタ処理を具体的に説明する。
この二値化フィルタ処理においては、まず、ヒストグラム平坦化処理によって、角膜内皮細胞画像の細胞領域と細胞境界のコントラスト差が強調される。次いで、平均化処理が行われ、細胞核が細胞境界として誤検出されることが防止される。
この場合、平均化処理は、平均化フィルタ
【数1】
JP2017221555A_000003t.gif
を用いて実行される。
そして、このヒストグラム平坦化処理と平均化処理が順次もう一度実行される。それによって、細胞核と細胞境界の輝度変化が滑らかになった平滑化画像が得られる。

【0017】
次に、細胞核が除去される。ノンローカルミーンフィルタが適用されて、エッジが残された状態で、細胞領域内のノイズが軽減される。その後、収縮処理によって、細胞領域および細胞境界間の輝度勾配が増幅される。

【0018】
こうして得られた画像中には、低輝度の細胞境界が多数存在する。そこで、細胞領域および細胞境界間の輝度勾配を勾配をより増大させるために、再度、ヒストグラム平坦化処理、平均化処理、ノンローカルミーンフィルタの適用および収縮処理が順次実行され、全体的に細胞境界の輝度が増大せしめられる。

【0019】
さらに、鮮鋭化処理とラプラシアンフィルタの適用がなされてエッジが取得され、そして、ガウシアンフィルタの適用による平滑化処理がなされた後、一定の輝度値を閾値として二値化処理がなされ、二値画像が得られる。
この場合、ガウシアンフィルタ処理は、ガウシアンフィルタ
【数2】
JP2017221555A_000004t.gif
を用いて実行される。

【0020】
そして、二値画像に対しラベリング処理およびクロージング処理が実行されて、二値画像からノイズが除去され、最後に細線化処理が実行されて細胞境界画像が得られる。

【0021】
この実施例では、細胞境界画像生成部3は、上述の二値化フィルタ処理において、平均化フィルタ((1)式)およびガウシアンフィルタ((2)式)のサイズを変更可能になっており、これらのフィルタのサイズの変更に依存して、細胞境界画像生成部3は、互いに異なる複数の二値化フィルタ処理のうちの1つを選択的に実行し得る。

【0022】
なお、平均化フィルタのサイズを小さくした変更例として、例えば、
【数3】
JP2017221555A_000005t.gif
を挙げることができ、また、ガウシアンフィルタのサイズを小さくした変更例として、例えば、
【数4】
JP2017221555A_000006t.gif
を挙げることができる。

【0023】
本発明によれば、また、細胞境界画像から対応する合焦角膜内皮細胞画像の品質評価のための特徴量を抽出する特徴量抽出部4が備えられる。
特徴量は、細胞密度CD、細胞面積の変動係数CVおよび六角形細胞出現率6Aの組み合わせ、または、細胞密度CD、細胞面積の変動係数CVおよび正常細胞出現率NCAの組み合わせ、または、細胞密度CD、細胞面積の変動係数CV、六角形細胞出現率6Aおよび正常細胞出現率NCAの組み合わせからなっている。

【0024】
この場合、N角形の細胞は「隣接する細胞数がNである細胞」と定義され、正常細胞出現率NCAは、五角形、六角形および七角形細胞の出現率として算出される。
また、細胞密度CD、細胞面積の変動係数CV、六角形出現率6Aおよび正常細胞出現率NCAは、それぞれ、次式によって算出される。
【数5】
JP2017221555A_000007t.gif
【数6】
JP2017221555A_000008t.gif
ここで、Cはi番目の画像中の細胞数であり、Cはi番目の画像中のN角形の細胞の個数であり、Sは全細胞の面積(既知)であり、Pikはi番目の画像のk番目の細胞の面積(当該細胞を構成するピクセル数にピクセル1個当たりの面積を乗算した値)である。

【0025】
そして、特徴量抽出部4は、細胞境界画像中の各細胞をラベリング処理によって認識し、特徴量を抽出する。

【0026】
本発明によれば、さらに、教師つき学習法を用いたパターン認識アルゴリズムの1つであるSVM(Support Vector Machine)によって、特徴量に基づき、対応する合焦角膜内皮細胞画像を高画質画像と低画質画像に分別し、さらに、低画質画質に分別した合焦角膜内皮細胞画像を、細胞境界画像生成部3で前と異なる二値化フィルタ処理を用いて再処理すべきか否かを判定する画像品質評価部5が備えられる。

【0027】
画像品質評価部5によって低画質画像に分別された角膜内皮細胞画像のうち細胞境界画像生成部3で再処理すべきと判定された画像は、細胞境界画像生成部3において前と別の二値化フィルタ処理を受け、それによって新たな細胞境界画像が生成され、この新たな細胞境界画像から、特徴抽出部4によって新たな特徴量が抽出され、画像品質評価部5において、この新たな特徴量に基づいて角膜内皮細胞画像の品質評価が再度行われる。

【0028】
さらに、本発明によれば、画像品質評価部5によって高画質画像に分別された(合焦)角膜内皮細胞画像の面積情報および形状情報を示すカラーマップをディスプレイ表示する品質評価結果表示部6が備えられる。
面積情報を示すカラーマップは、高画質画像に分別された(合焦)角膜内皮細胞画像とそれに対応する細胞境界画像を重ね合せるとともに、面積情報として、特徴量抽出部4によって取得されたPikの値を使用し、当該(合焦)角膜内皮細胞画像を細胞毎に当該細胞の面積の大小に応じて色分け表示することによって作成される(図3B参照)。

【0029】
また、形状情報を示すカラーマップは、高画質画像に分別された(合焦)角膜内皮細胞画像とそれに対応する細胞境界画像を重ね合せるとともに、形状情報として、特徴抽出部4によるCの取得時の情報を使用し、当該(合焦)角膜内皮細胞画像を細胞毎に当該細胞の形状に応じて色分け表示することによって作成される(図3A参照)。
なお、図3Aのカラーマップ中に示したカラーバーの各セグメントは、右端から三角形(一角形、二角形も含む)、四角形、五角形、六角形および七角形を表している。

【0030】
こうして、本発明によれば、入力された角膜内皮細胞画像から合焦角膜内皮細胞画像を選別し、選別した画像を二値化フィルタ処理することによって細胞境界画像を生成するので、角膜内皮細胞画像から細胞境界画像を短時間で生成することができる。
また、SVMによる機械学習を行いながら、細胞境界画像の生成、特徴量の抽出および品質評価を実行するので、システムの繰り返し使用に伴って、より高速かつより高精度で品質評価を行うことができるようになる。

【0031】
さらに、品質評価の結果を角膜内皮細胞画像の面積情報および形状情報を示すカラーマップで表示するので、医師や技師はこのカラーマップに基づいて最終確認を行うだけでよく、医師および技師の労力が大幅に低減される。

【0032】
次に、本発明による角膜内皮細胞品質評価支援システムの品質評価の精度を確認するための実験を行った。実験の内容は、以下のとおりである。
[実験]
まず、位相差顕微鏡によって撮影した400枚の培養角膜内皮細胞画像を、医師の目視によって、高密度画像グループ、中密度画像グループ、低密度画像グループおよび大小不同画像グループ(高密度、中密度および低密度の領域が混在する画像のグループ)の4つのグループに分類した。

【0033】
次に、グループ毎に、各培養角膜内皮細胞画像を本発明によるシステムに入力し、システムから出力される細胞密度CDを測定した。
その一方で、グループ毎に、医師の手作業(目視)によって各培養角膜内皮細胞画像の細胞数を計測し、細胞数の計測値のそれぞれを本発明によるシステムから得られる全細胞の面積Sで割り算することによって、細胞密度を算出した。

【0034】
さらに、グループ毎に、医師の手作業によって算出した細胞密度を正解値として、正解値からの本発明のシステムから出力された細胞密度CDの誤差を算出した。その結果を図4のグラフに示した。

【0035】
図4のグラフ中、縦軸は誤差(%)を表し、横軸は4つのグループ名をそれぞれ表している。このグラフから、4つのグループの全てにおいて誤差が10%前後となっており、本発明によるシステムは、実用に十分な精度を有していることが確認できた。

【0036】
なお、グラフ中、中密度画像グループ、低密度画像グループおよび大小不同画像グループでは、誤差が正の値となっているが、これは、本発明によるシステムが、細胞数を実際よりも多く計測していることを意味する。その原因は、細胞境界画像の生成時に、細胞核が細胞境界として検出されて、1つの細胞が複数に分割されてしまう多分割が生じていることにあると考えられる。

【0037】
また、高密度画像グループでは、誤差が負の値となっているが、これは、本発明によるシステムが、細胞数を実際よりも少なく計測していることを意味する。その原因は、細胞境界画像の生成時に、複数の細胞が単一の細胞とみなされる細胞未分割が生じていることにあると考えられる。
【符号の説明】
【0038】
1 入力部
2 処理対象分別部
3 細胞境界画像生成部
4 特徴量抽出部
5 画像品質評価部
6 品質評価結果表示部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3