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明細書 :2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5854436号 (P5854436)
登録日 平成27年12月18日(2015.12.18)
発行日 平成28年2月9日(2016.2.9)
発明の名称または考案の名称 2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法
国際特許分類 C07F   5/04        (2006.01)
C07F   5/02        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07F 5/04 C
C07F 5/02 C
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 5
全頁数 19
出願番号 特願2012-534935 (P2012-534935)
出願日 平成23年9月21日(2011.9.21)
国際出願番号 PCT/JP2011/005315
国際公開番号 WO2012/039135
国際公開日 平成24年3月29日(2012.3.29)
優先権出願番号 2010212053
優先日 平成22年9月22日(2010.9.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年9月17日(2014.9.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】藤永 雅之
【氏名】村藤 俊宏
【氏名】檜山 久美子
個別代理人の代理人 【識別番号】100107984、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 雅紀
審査官 【審査官】水島 英一郎
参考文献・文献 Kei Kurotobi et al.,EUROPEAN JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,2003年,3663-3665
Masayuki Fujinaga et al.,Tetrahedron,2009年,Vol. 65,7115-7121
Shunji Ito et al.,Tetrahedron,2004年,Vol. 60,5357-5366
調査した分野 C07F 5/04
C07F 5/02
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】
JP0005854436B2_000022t.gif

(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、nは0~7のいずれかの整数を表す。nが2以上の場合は、各Rは、同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアズレン又はアズレン誘導体に、イリジウムの有機錯体からなる触媒、及び式(III)
【化2】
JP0005854436B2_000023t.gif

(式中、R~Rは、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)で表されるフェナントロリン又はその誘導体の存在下にホウ素化剤を反応させることを特徴とする、式(IV)
【化3】
JP0005854436B2_000024t.gif

(式中、R及びnは式(I)における定義と同様である。R及びRは、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは結合して、酸素原子を含んでいてもよい5員環の環状構造を形成してもよい。前記5員環の環状構造は炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよく、これら置換基同士が結合して芳香族環を形成していてもよい。)で表される2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法。
【請求項2】
ホウ素化剤がビス(ピナコラート)ジボロン又は4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランであり、式(IV)が式(V)
【化4】
JP0005854436B2_000025t.gif

で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法。
【請求項3】
イリジウムの有機錯体が、式(II)
[IrX(cod)] (II)
(式中、Xはハロゲン原子又は炭素数1~6のアルコキシ基、codは1,5-シクロオクタジエンを表す。)で表される有機錯体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法。
【請求項4】
式(II)で表されるイリジウムの有機錯体が、[Ir(OCH)(cod)]であることを特徴とする、請求項に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法。
【請求項5】
式(I)で表されるアズレン誘導体がグアイアズレンであることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アズレン又はアズレン誘導体にホウ素化合物を導入する方法に関する。詳しくはアズレン骨格の2-位にホウ素化合物を導入する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アズレンは、特異な電子状態を有し、この骨格をポルフィリンやフタロシアニンなどの有用なπ電子系化合物に導入すると物理化学特性が大きく変化することから、二光子吸収材料の改良など有機電子材料の改質手段として近年注目されている。また、アズレン誘導体、特にグアイアズレン類は結膜炎や口腔・咽喉疾患、ヘリコバクターピロリ菌による消化器系疾病などの治療薬としても知られている。
【0003】
しかし、アズレン骨格は、強いπ-π相互作用のため、溶解性が低く、しかも、反応サイトも種々限定されていた。すなわち、求核試薬によっては4-、6-、8-位に付加反応、また求電子試薬では、1-、3-位に置換反応を生ずる傾向にあり、2-、5-又は7-位に置換基を有するアズレン誘導体を得るには、あらかじめそれらの位置に置換基を導入した後、アズレン環を形成させる方法が用いられていた。
【0004】
種々の薬剤や電子材料の改良のために、アズレニル化を行うためには、アズレンやアズレン誘導体の2-位に置換基を導入することにより、アズレニル基を導入した化合物との間に共役系を形成することが重要となる場合が多く、2-位の位置に反応活性点を得る必要がある。このためには、ホウ素化合物、特にホウ酸又はホウ酸エステルを導入し、所謂鈴木-宮浦カップリング等の修飾手段を用いることを可能にするアズレニル化剤を得ることが重要な意味を持つ。
【0005】
近年、本発明者らはイリジウム触媒を用い、配位子(リガンド)としてビピリジン(bpyと略記することがある。)やその誘導体を用いて、グアイアズレンなどのアズレン誘導体をホウ酸エステル化することに成功した(非特許文献1)。
【0006】
しかし、この方法においては、表1に示すとおり、無置換アズレンに対しては約70%の収率で2-位にホウ酸エステルを導入することができたものの、10%の収率で1-位にホウ酸エステルが導入された。また、4-、6-、8-位にメチル基がある場合は、32%、1-、4-位にメチル基、7-位にイソプロピル基がある場合(グアイアズレン)ではわずかに5%の収率で、2-位にホウ酸エステルが導入された。
【0007】
【表1】
JP0005854436B2_000002t.gif

【0008】
以上のように、アズレンやアズレン誘導体の2-位にホウ素化合物を導入する方法は、従来選択性及び収率が高くなく、反応時間も短くなかった。そのため、選択性及び収率が高く、且つより短い反応時間でアズレンやアズレン誘導体の2-位にホウ素化合物を導入する方法が求められていた。
【先行技術文献】
【0009】

【非特許文献1】European Journal of Organic Chemistry,2003,3663-3665
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記事情に鑑み、本発明はアズレン又はアズレン誘導体の2-位にホウ素含有基を導入し、アズレニル化剤を得ることを目的とする。
【0011】
更に本発明は、アズレン又はアズレン誘導体を出発原料として、2-位にホウ素化合物に由来する基、特に、ホウ酸エステル等に由来する置換基を有する2-ホウ素化アズレン誘導体を、比較的短時間で且つ高収率で得る方法を提供することを目的とする。中でも医薬品等に有用なグアイアズレン基を導入するのに適したアズレニル化剤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、2-位の位置に水素原子が結合したアズレン又はアズレン誘導体、白金属元素の有機錯体からなる触媒、特に、[IrX(cod)]等の有機イリジウム触媒、及びフェナントロリン又はその誘導体の存在下にホウ素化剤を反応させることにより、前記アズレン又はアズレン誘導体の2-位にホウ素化剤が置換した化合物を効率よく、高選択的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)式(I)
【化1】
JP0005854436B2_000003t.gif
(式中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、nは0~7のいずれかの整数を表す。nが2以上の場合は、各Rは、同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアズレン又はアズレン誘導体に、白金属元素の有機錯体からなる触媒、及び式(III)
【化2】
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(式中、R~Rは、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)で表されるフェナントロリン又はその誘導体の存在下にホウ素化剤を反応させることを特徴とする、式(IV)
【化3】
JP0005854436B2_000005t.gif
(式中、R及びnは式(I)における定義と同様である。R及びRは、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは結合して、酸素原子を含んでいてもよい5員環の環状構造を形成してもよい。前記5員環の環状構造は炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよく、これら置換基同士が結合して芳香族環を形成していてもよい。)で表される2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法、
(2)ホウ素化剤がビス(ピナコラート)ジボロン又は4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランであり、式(IV)が式(V)
【化4】
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で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法、
(3)白金属元素の有機錯体からなる触媒の白金族元素が、イリジウムであることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法、
(4)イリジウムの有機錯体が、式(II)
[IrX(cod)] (II)
(式中、Xはハロゲン原子又は炭素数1~6のアルコキシ基、codは1,5-シクロオクタジエンを表す。)で表される有機錯体であることを特徴とする、上記(3)に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法、
(5)式(II)で表されるイリジウムの有機錯体が[Ir(OCH)(cod)]であることを特徴とする、上記(4)に記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法、及び、
(6)式(I)で表されるアズレン誘導体がグアイアズレンであることを特徴とする、上記(1)~(5)のいずれかに記載の2-ホウ素化アズレン誘導体の製造方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の最大の特徴は、白金属元素の有機錯体からなる触媒の配位子(リガンド)としてフェナントロリン又はその誘導体を用いることにある。

【0015】
白金属元素の有機錯体からなる触媒とフェナントロリン又はその誘導体は、反応系に同時に供給して反応を行ってもよいし、あらかじめ溶媒中で白金属元素の有機錯体からなる触媒とフェナントロリン又はその誘導体とを常温又は加温下に混合して配位させておくこともできるが、一般に、溶媒中にアズレン又はアズレン誘導体、ホウ素化剤、白金属元素の有機錯体からなる触媒及びフェナントロリン又はその誘導体を加えて加熱反応させればよい。

【0016】
(アズレン又はアズレン誘導体)
本発明において、アズレン又はアズレン誘導体とは式(I)で表される化合物であり、「アズレン」とは無置換のアズレンを表し、「アズレン誘導体」とは、水素原子以外の置換基を有するアズレンを表す。
本発明の製造方法の出発原料となる式(I)で表されるアズレン又はアズレン誘導体としては、2-位が水素原子であれば特に置換基の有無は、問題とならない。すなわち、本発明にあっては、2-位に最もホウ素化合物基が置換されやすいが、例えばアズレンのように水素原子が1-位~8-位まで存在する場合は1-位、3-位、5-位、6-位、7-位にも置換した副生物が生成されやすい。

【0017】
従って、あらかじめ1-位、6-位をアルキル基等で保護しておくことによって、より選択的に2-位にホウ素化合物基を導入することができる。その意味においてグアイアズレンやベチバアズレンの如く、副反応の生じる部位を保護するか又は副反応生成物の発生を妨害する置換基が存在する場合の方が、より目的とする収率を高めるので好ましい。

【0018】
式(I)で表されるアズレン誘導体の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基が挙げられる。
以下に、それぞれの置換基についてさらに詳しく説明する。

【0019】
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭素数1~10のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~6のアルキル基である。

【0020】
炭素数1~10のアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-へキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~6のアルコキシ基である。

【0021】
炭素数2~10のアルケニル基は、直鎖状または分岐状のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、1-ヘプテニル基、1-オクテニル基、1-ノネニル基、1-デセニル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数2~6のアルケニル基である。

【0022】
炭素数2~10のアルキニル基は、直鎖状または分岐状のアルキニル基であり、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、1-ブチニル基、1-ペンチニル基、1-ヘキサニル基、1-ヘプチニル基、1-オクチニル基、1-ノナニル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数2~6のアルキニル基である。

【0023】
炭素数3~10のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数3~6のシクロアルキル基である。

【0024】
炭素数6~10のアリール基は、単環又は多環の芳香族基を意味し、例えば、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アズレニル基等が挙げられる。

【0025】
ヘテロアリール基は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む単環複素環又は縮合複素環を有する芳香族基である。例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、ベンゾチオフェニル基、チオピラニル基、イソチオクロメニル基、チオクロメニル基、チオキサントレニル基、チアントレニル基、フェノキサチイニル基、ピロリジニル基、1H-1-ピリンジニル基、インドニジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリニル基、キノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β-カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、アンチジニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、キサンテニル基、パラチアジニル基、トリアゾリル基、またはテトラゾリル基等が挙げられる。

【0026】
また、上記炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基及びヘテロアリール基は、さらに置換基を有していてもよい。「置換を有していてもよい」とは、上述した置換基が、さらに同一又は異なる置換基を有していてもよいことを意味する。

【0027】
(白金属元素の有機錯体からなる触媒)
本発明において用いられる白金属元素の有機錯体からなる触媒において、白金属元素とはルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)をいう。
本発明において用いられる白金属元素の有機錯体としては、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、1,5-シクロオクタジエン、エチレン、ペンタメチルシクロペンタジエン、ベンゼン、トルエン等の不飽和炭化水素;アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等を配位子として有する有機錯体が挙げられる。

【0028】
これらの中でもイリジウムの有機錯体(以後、有機イリジウム触媒という)が好ましく、有機イリジウム触媒としては、例えば、ジ-μ-クロロテトラキス(シクロオクテン)二イリジウム(I)([IrCl(coe)22)、ジ-μ-クロロテトラキス(エチレン)二イリジウム(I)、ジ-μ-クロロビス(1,5-シクロオクタジエン)二イリジウム(I)([IrCl(cod)]2)、ジ-μ-ヒドロキシビス(1,5-シクロオクタジエン)二イリジウム(I)([IrOH(cod)]2)、(アセチルアセトン)(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)([Ir(acac)(cod)])、ジ-μ-メトキシビス(1,5-シクロオクタジエン)二イリジウム(I)([Ir(OMe)(cod)]2)、ジ-μ-クロロジクロロビス(1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)二イリジウム(III)([CpIrCl22)、ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート、(1,5-シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウムテトラフルオロボレート等]が挙げられる。

【0029】
有機イリジウム触媒としては、一般式[IrX(cod)](ただし、Xはハロゲン原子又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。また、codは1,5-シクロオクタジエンを示す)で表される化合物がより好ましく、さらに、Xが塩素原子又はメトキシ基(-OCH)である場合が一層好ましく、特に、Xがメトキシ基である場合が最も好ましい。

【0030】
(フェナントロリン及びその誘導体)
本発明においてフェナントロリン及びその誘導体は、白金属元素の有機錯体からなる触媒の配位子(リガンド)として添加される。
具体的には、フェナントロリン及びその誘導体は、下記一般式(III)で表される化合物である。

【0031】
【化5】
JP0005854436B2_000007t.gif

【0032】
(R~Rはそれぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)

【0033】
すなわち、フェナントロリンは、一部アルキル基で置換されてもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、あまり長大であるとリガンドとしての役割がなくなるので一般には炭素数6個までがよく、4個までがより好ましく、特にメチル基が最も好ましい。炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基又はtert-ブチル基が挙げられる。

【0034】
(ホウ素化剤)
次にホウ素化剤としては、特に限定されないが、以下の式(V)

【0035】
【化6】
JP0005854436B2_000008t.gif

【0036】
(式中、R及びR10は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、R11は水素原子、水酸基、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。R及びR10は結合して、酸素原子を含んでいてもよい5員環の環状構造を形成してもよい。前記5員環の環状構造は炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよく、これら置換基同士が結合して芳香族環を形成してしてもよい。)で表されるホウ素化合物及びそれらの二量体等が挙げられる。
ここで、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数6~10のアリール基及びヘテロアリール基としては、式(I)において例示されたものと同様の基を例示することができる。
上記ホウ素化合物には、ホウ酸、ボロン酸類、ボリン酸類及びそれらのエステル類、ボラン類、ジボラン類、ハロゲン化ホウ素等が含まれる。
ボラン類としては、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランが好ましく、ジボラン類としては、ビス(ピナコラート)ジボロン(Bpinまたはpinと略記することがある。)が好ましい。
本発明においては、特に、ビス(ピナコラート)ジボロンが好ましい。
ビス(ピナコラート)ジボロンは、以下の式で表される化合物である。

【0037】
【化7】
JP0005854436B2_000009t.gif

【0038】
(2-ホウ素化アズレン誘導体)
上記ホウ素化剤を使用することにより、下記式(IV)

【0039】
【化8】
JP0005854436B2_000010t.gif

【0040】
で表される2-ホウ素化アズレン誘導体が得られる。
式中、R及びnは式(I)における定義と同様である。R及びRは、それぞれ独立して、水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数6~10のアリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは結合して、酸素原子を含んでいてもよい5員環の環状構造を形成してもよい。前記5員環の環状構造は炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよく、これら置換基同士が結合して芳香族環を形成していてもよい。

【0041】
ホウ素化剤としてビス(ピナコラート)ジボロン又は4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランを使用すると、式(V)

【0042】
【化9】
JP0005854436B2_000011t.gif

【0043】
で表される[2-(Azulenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane]又はその誘導体を得る。なお、このホウ酸エステル置換基をBpin基とも略記することがある。

【0044】
本発明により得られた式(IV)で表される2-ホウ素化アズレン誘導体は、そのまま鈴木-宮浦カップリング等に供してもよいが、更に必要に応じて下記化合物に変換することも容易に行うことができる。

【0045】
グアイアズレンの例を示すと、例えば、次のとおり、Yを以下の置換基の間で容易に変換することができる。

【0046】
【化10】
JP0005854436B2_000012t.gif

【0047】
(反応条件)
本発明に用いられる溶媒は、本発明の目的とする反応のための各薬剤と反応したり、又は目的とする反応を阻害するものでなければ特に制限されないが、一般に炭化水素系の溶媒が用いられる。

【0048】
炭化水素系の溶媒としては、n-ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。なかでも、反応温度を70℃以上、好ましくは90℃以上に保つためにシクロヘキサン、n-へプタン、イソオクタン等が好適に用いられる。また、あまりに高温下では副反応等が生じる上に熱的にも不利となるので、上記溶媒の還流温度程度で反応を行えばよい。

【0049】
また各薬剤は、式(I)で表されるアズレン又はアズレン誘導体1モルに対し、ホウ素化剤は0.5モル以上、好ましくは0.5~1モル程度であり、ホウ素化剤が多い場合は副反応の増加をまねくおそれがある。

【0050】
白金属元素の有機錯体からなる触媒の添加量は特に限定されないが、一般に式(I)で表されるアズレン又はアズレン誘導体1モルに対し、0.5~5モル%程度でよく、配位子となるフェナントロリン又はその誘導体は、白金属元素の有機錯体からなる触媒に対して一般に2倍モル以上用いるのが好ましい。
【実施例】
【0051】
以下に実施例及び比較例を示す。ただし、本発明の技術的範囲は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
〔実施例1~3〕
フェナントロリン又はその誘導体として、次の3種類(phen、dmphen、tmphen)を用いた。
【実施例】
【0053】
【化11】
JP0005854436B2_000013t.gif
【実施例】
【0054】
(反応手段)
アルゴン気流下、50mlの二口フラスコに、表2に示すフェナントロリン又はその誘導体(1.0mol%)、[Ir(OCH)(cod)](0.5mol%)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.27g,5.0mmol)、グアイアズレン(0.99g,5.0mmol)を入れた後、蒸留したn-ヘプタン(15ml)を加え、アルゴン雰囲気下で反応溶液を加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、反応を水で止めた。酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して目的化合物を得た。反応式は次のとおりである。
Blue solid(mp71-74℃),H NMR(CDCl)δ=1.36(d,J=6.9Hz,6H),1.40(s,12H),2.83(s,3H),2.84(s,3H),3.06(m,1H),6.94(d,J=10.5Hz,1H),7.39(d,J=1.9,10.5Hz,1H),7.61(s,1H),8.24(d,J=1.9Hz,1H).
【実施例】
【0055】
【化12】
JP0005854436B2_000014t.gif
【実施例】
【0056】
〔比較例1~7〕
比較例として、下記ビピリジン系化合物(bpy、dmbpy、dtbpy)を配位子に用いた例を示す。
【実施例】
【0057】
【化13】
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【実施例】
【0058】
アルゴン気流下、50mlの二口フラスコに表2に示すビピリジン系配位子及び有機イリジウム触媒[Ir(X)(cod)]、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.27g,5.0mmol)、グアイアズレン(0.99g,5.0mmol)を入れた後、蒸留済みの溶媒(15ml)を加え、アルゴン雰囲気下で反応溶液を加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、反応を水で止めた。酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して目的化合物を得た。反応式は次のとおりである。
Blue solid(mp71-74℃),H NMR(CDCl)δ=1.36(d,J=6.9Hz,6H),1.40(s,12H),2.83(s,3H),2.84(s,3H),3.06(m,1H),6.94(d,J=10.5Hz,1H),7.39(d,J=1.9,10.5Hz,1H),7.61(s,1H),8.24(d,J=1.9Hz,1H).
【実施例】
【0059】
【化14】
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【実施例】
【0060】
実施例1~3及び比較例1~7の結果を表2にまとめて示す。
【実施例】
【0061】
【表2】
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【実施例】
【0062】
〔実施例4~8〕
[アズレンへのホウ素化合物基導入の例]
アルゴン気流下、50mlの二口フラスコに1,10-フェナントロリン(0.009g,0.05mmol,1mol%)、表3に示す有機イリジウム触媒[Ir(X)(cod)](0.017g,0.025mmol,0.5mol%)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.635g,2.5mmol、ただし実施例8の場合のみ 0.889g,3.5mmol)、アズレン(0.64g,5.0mmol)を入れた後、蒸留済みの溶媒(15ml)を加え、アルゴン雰囲気下で反応溶液を加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、反応を水で止めた。ヘキサンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して目的化合物を得た。NMRのデータを以下に示す。結果を表3に示す。
【実施例】
【0063】
[2-(2-Azulenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane(2)]
Blue solid;yield 70%(889mg);mp99-101℃;H NMR(CDCl,400MHz)δ=1.40(s,12H),7.12(t,J=9.8Hz,2H),7.58(t,J=9.9Hz 1H),7.76(s,2H),8.35(d,J=10.0Hz,2H)ppm;13C NMR(CDCl,100MHz)δ=24.9,83.7,122.7,125.1,138.2,138.7,140.7ppm.One azulene skeleton C signal was not observed;Anal.Calcd for C1619BO:C,75.62;H,7.74.Found:C,75.22;H,7.55%.
【実施例】
【0064】
[2-(1-Azulenyl)-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane(3)]
Purple solid;yield 14%(179mg);mp56-57℃;H NMR(CDCl,400MHz)δ=1.43(s,12H),7.30(t,J=9.7Hz,1H),7.40(t,J=9.9Hz 1H),7.43(d,J=3.7Hz 1H),7.68(t,J=9.9Hz,1H),8.36(d,J=3.7Hz,1H),8.42(d,J=9.5Hz,1H),9.20(d,J=9.7Hz,1H)ppm;13C NMR(CDCl,100MHz)δ=25.0,82.9,119.0,124.6,125.1,136.4,137.4,138.2,144.6,145.6,147.1ppm.One azulene skeleton C signal was not observed;Anal.Calcd for C1619BO:C,75.62;H,7.74.Found:C,75.34;H,7.45%.
【実施例】
【0065】
[2,6-Bis(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolanyl)azulene(4)]
Blue solid;yield 3%(58mg);mp260-274℃(decomp);H NMR(CDCl,400MHz)δ=1.39(s,12H),1.40(s,12H),7.66(d,J=9.6Hz,2H),7.73(s,2H),8.34(d,J=9.6Hz,2H)ppm;13C NMR(CDCl,100MHz)δ=24.8,24.9,83.7,84.5,124.5,128.4,137.0,141.7ppm.Two azulene skeleton C signals were not observed;Anal.Calcd for C2230:C,69.52;H,7.96.Found:C,69.62;H,8.06%.
【実施例】
【0066】
[Azulene-2-boronic acid(5)]
Blue solid;yield 3%(25mg);mp256-259℃(decomp);H NMR(DMSO-d,400MHz)δ=7.13(t,J=9.7Hz,2H),7.61(t,J=9.9Hz 1H),7.72(s,2H),8.24(s,2H),8.35(d,J=9.5Hz,2H)ppm;13C NMR(DMSO-d,100MHz)δ=122.9,125.2,137.8,138.7,140.5,146.1ppm;IR(KBr)ν3404,2924,1499,1458,1359cm-1;Anal.Calcd for C10BO:C,69.84;H,5.27.Found:C,70.11;H,5.48%.
【実施例】
【0067】
【化15】
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【実施例】
【0068】
【表3】
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【実施例】
【0069】
〔参考例〕
本発明により得られたアズレン誘導体のホウ酸エステルの変成の例を示す。
【実施例】
【0070】
スキーム(1)
【実施例】
【0071】
【化16】
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【実施例】
【0072】
スキーム(2)
【実施例】
【0073】
【化17】
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【実施例】
【0074】
[スキーム(1)の例]
50mlの一口フラスコに、2-(1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.95g, 6mmol)を入れ、メタノール(15ml)を加えて溶解させた。この溶液をKHF(2.6g, 33.4mmol)の水溶液(15ml)に加え、室温で20分間撹拌した。反応液をエバポレーターで濃縮後、得られた混合物に熱アセトンを加えて溶解させ、不溶物をろ過した。ろ液をエバポレーターで濃縮後、得られた粗生成物をアセトン-エーテルより再結晶し、目的化合物を得た。
【実施例】
【0075】
Blue solid(mp136-140℃,decomp),yield 91%(1.6g,5.44mmol);H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=1.28(d,J=6.9Hz,6H),2.55(s,3H),2.68(s,3H),3.02(sep,J=6.9Hz 1H),6.79(d,J=10.8Hz,1H),7.12(s,1H),7.22(dd,J=1.5,10.8Hz,1H),7.93(d,J=1.5Hz,1H);13C NMR(100MHz,DMSO-d)δ=12.7,23.6,24.9,37.7,119.4,123.1,128.7,129.6,131.8,136.5,137.0,137.2,139.5.One azulene skeleton C signal was not observed.
【実施例】
【0076】
[スキーム(2)の例]
method 1)50mlの一口フラスコに、カリウム2-(1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレニル)トリフルオロボレート(0.973g,3mmol)とシリカゲル(0.97g)を入れ、THF(10ml)と水(1ml)を加えた後、室温で反応液を1時間撹拌した。反応を水で停止した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をエバポレーターで濃縮し、得られた固体を乾燥し、目的化合物を得た。
【実施例】
【0077】
Blue solid(mp268-272℃,decomp),yield 96%(697mg,2.88mmol);H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=1.30(d,J=6.8Hz,6H),2.71(s,3H),2.75(s,3H),3.07(sep,J=6.8Hz,1H),6.95(d,J=10.6Hz,1H),7.42(dd,J=1.6,10.6Hz,1H),7.58(s,1H),8.00(s,2H),8.16(d,J=1.6Hz,1H).13C NMR(100MHz,DMSO-d)δ=12.8,23.7,24.7,37.5,120.4,124.6,131.1,133.6,135.4,136.5,137.2,139.1,144.3.One azulene skeleton C signal was not observed.
【実施例】
【0078】
method 2)50mlの一口フラスコに、カリウム2-(1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレニル)トリフルオロボレート(0.45g,1.5mmol)と炭酸ナトリウム(0.236g,2.25mmol)を入れ、アセトニトリル(10ml)と水(5ml)を加えた後、室温で反応液を10時間撹拌した。反応を飽和塩化アンモニウム水溶液で停止した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をエバポレーターで濃縮し、得られた固体を乾燥し、目的化合物を得た。
Blue solid(mp268-272℃,decomp),yield 52%(190mg,0.78mmol);H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=1.30(d,J=6.8Hz,6H),2.71(s,3H),2.75(s,3H),3.07(sep,J=6.8Hz,1H),6.95(d,J=10.6Hz,1H),7.42(dd,J=1.6,10.6Hz,1H),7.58(s,1H),8.00(s,2H),8.16(d,J=1.6Hz,1H).13C NMR(100MHz,DMSO-d)δ=12.8,23.7,24.7,37.5,120.4,124.6,131.1,133.6,135.4,136.5,137.2,139.1,144.3.One azulene skeleton C signal was not observed.
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、白金属元素の有機錯体からなる触媒を用いると共にその配位子(リガンド)としてフェナントロリン又はその誘導体を用いることにより、極めて短時間で、且つ高収率でアズレン又はアズレン誘導体、特にグアイアズレンに対し、2位の位置にホウ素化合物基を導入することが可能となる。