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明細書 :位置検出装置、モデル学習装置、位置検出システム、及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-185312 (P2018-185312A)
公開日 平成30年11月22日(2018.11.22)
発明の名称または考案の名称 位置検出装置、モデル学習装置、位置検出システム、及びプログラム
国際特許分類 G01B  21/00        (2006.01)
G01B   7/00        (2006.01)
FI G01B 21/00 A
G01B 7/00 101C
請求項の数または発明の数 19
出願形態 OL
全頁数 20
出願番号 特願2018-085731 (P2018-085731)
出願日 平成30年4月26日(2018.4.26)
優先権出願番号 2017087663
優先日 平成29年4月26日(2017.4.26)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】岡村 総一郎
【氏名】中嶋 宇史
【氏名】橋爪 洋一郎
【氏名】山田 秀祐
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査請求 未請求
テーマコード 2F063
2F069
Fターム 2F063AA02
2F063AA03
2F063AA04
2F063DD04
2F063JA10
2F069AA01
2F069AA03
2F069AA04
2F069BB21
2F069DD15
2F069DD26
2F069GG01
2F069GG06
2F069GG07
2F069GG08
2F069GG64
2F069GG65
2F069GG66
2F069GG72
2F069NN25
要約 【課題】対象領域において信号の伝搬の複雑性を有する場合であっても、信号の発生位置を検出することができる。
【解決手段】位置検出システム10の位置検出装置20は、対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサ10の各々によって検出されたセンサ値を取得する。そして、位置検出装置20は、対象領域における学習用の信号の発生位置及び信号が発生して対象領域を伝搬するときに複数のセンサ10の各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、取得されたセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における信号の発生位置を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部と、
対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部と、
を備える位置検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記信号の発生位置に応じて、前記信号を発生する対象物の位置を検出する、
請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記対象領域の複数箇所に備えられ、かつ前記信号としての力を検出する複数の圧電センサの各々によって検出された電圧値を取得し、
対象領域における学習用の前記力の発生位置及び前記力が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数の圧電センサの各々によって検出された学習用の電圧値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記電圧値の各々とに基づいて、前記対象領域における力の発生位置を検出し、前記力の発生位置に応じて、前記対象物の位置を検出する、
請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記学習済みモデルは、前記学習データからディープラーニングによって予め学習されたニューラルネットワークモデルである、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記ニューラルネットワークモデルは、前記対象領域が大きいほど、前記ニューラルネットワークモデルのニューロンの数が多い前記ニューラルネットワークモデルである、
請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記ニューラルネットワークモデルは、複数の前記センサの数が多いほど、前記ニューラルネットワークモデルのニューロンの数が多い前記ニューラルネットワークモデルである、
請求項4又は請求項5に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記信号は、力、光、電子線、熱、磁気信号、及び電気信号の少なくとも1つである、
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項8】
複数の前記センサは、複数の移動体の各々に搭載され、
前記検出部は、複数の前記移動体の移動形態に応じた前記学習用の信号の発生位置及び前記学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された前記学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する、
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記取得部は、複数の前記センサから得られる電力を更に取得し、
前記取得部によって取得された前記電力を用いて、前記検出部によって検出された前記信号の発生位置を出力する出力部を更に備える、
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項10】
前記対象領域が2次元空間である場合には、複数の前記センサは少なくとも3つである、
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項11】
前記対象領域が3次元空間である場合には、複数の前記センサは少なくとも4つである、
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項12】
前記取得部は、各時刻の前記センサ値を取得し、
前記検出部は、前記学習済みモデルと、前記取得部によって取得された各時刻の前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における各時刻の信号の発生位置を検出する、
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項13】
前記検出部は、更に、前記対象領域における各時刻の信号の発生位置に基づいて、前記信号の発生位置の軌跡を検出する、
請求項12に記載の位置検出装置。
【請求項14】
前記検出部は、前記対象領域における現時刻までの信号の発生位置に基づいて、次時刻の前記信号の発生位置を予測する、
請求項12に記載の位置検出装置。
【請求項15】
複数の前記センサは、前記対象領域としての3次元物体の各箇所に設置され、かつ前記3次元物体が面により各領域へ分割される際に、各領域の体積及び形状の少なくとも一方が異なるような前記面を形成する前記3次元物体上の各箇所へ設置される、
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項16】
複数の前記センサは、前記対象領域としての2次元領域の各箇所に設置され、かつ前記2次元領域が線により各領域へ分割される際に、各領域の面積及び形状の少なくとも一方が異なるような前記線を形成する前記2次元領域上の各箇所へ設置される、
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の位置検出装置。
【請求項17】
対象領域における学習用の信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データを取得する学習データ取得部と、
前記学習データ取得部によって取得された前記学習データに基づいて、複数のセンサ値から信号の発生位置を検出するためのモデルを学習させる学習部と、
を備えるモデル学習装置。
【請求項18】
対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサ、及び
複数の前記センサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部と、
対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部と、
を備える位置検出装置
を含む位置検出システム。
【請求項19】
コンピュータを、
対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部、及び
対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部
として機能させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置、モデル学習装置、位置検出システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体の位置を検出する位置センサが知られている。例えば、車両の物体の存在及び姿勢を識別するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このシステムには、重量センサ、容量センサ、誘導センサ、超音波、光学、電磁気、運動、赤外線およびレーダーが含まれる。また、システムのプロセッサーに内在されるアルゴリズムは、データセットの入力の際にシートの現在の占有状態を示す出力を生成する。なお、このシステムのアルゴリズムは、適切なアルゴリズム作成プログラムによって作成されたニューラルネットワークあるいはニューラルファジーアルゴリズムであり得る。
【0003】
また、振動信号を使用して物理的事象を識別するためのシステムが知られている(例えば、特許文献2)。このシステムは、実際の物理的事象に関連する振動信号を受信し、その振動信号を、知られている物理的事象に関連する振動信号と比較することによって、実際の物理的事象を識別する。なお、このシステムは、具体的には、電気分配システム、水道分配システム、またはガス分配システムなどに適用される。
【0004】
また、圧電性を有するフィルムの変形によって発生する電圧に基づいて、記憶された電圧パターンと測定された電圧パターンの各電圧比率の誤差の二乗和に応じて、ユーザの指の位置情報を推定するタッチ式入力装置が知られている(例えば、特許文献3)。
【0005】
また、基地局において取得可能な受信レベル情報に応じて、端末の位置を推定することが知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特表2004-522932号公報
【特許文献2】特開2012-154928号公報
【特許文献3】特開2016-6683号公報
【0007】

【非特許文献1】金沢昇、長手厚史、「ニューラルネットワークによる機械学習を用いた位置推定に関する一検討」、2017年、通信講演論文集1、電子情報通信学会総合大会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1、上記特許文献2、及び上記特許文献3に記載の技術では、所望のセンサ情報を得るために、所定の位置に多数のセンサを配置する必要がある。例えば、上記特許文献1に記載のシステムでは、車両内の空間を考慮して所定の位置に多数のセンサが配置される。
【0009】
また、上記非特許文献1に記載の技術では、基地局において取得可能な受信レベル情報が用いられているが、単に空間を伝搬する信号と位置とをモデル化したものであり、対象領域において信号の伝搬の複雑性を有する場合には対応することができない。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、対象領域において信号の伝搬の複雑性を有する場合であっても、信号の発生位置を検出することができる位置検出装置、モデル学習装置、位置検出システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために本発明に係る位置検出装置は、対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部と、対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部と、を含んで構成されている。
【0012】
また、前記検出部は、前記信号の発生位置に応じて、前記信号を発生する対象物の位置を検出するようにすることができる。
【0013】
また、前記取得部は、前記対象領域の複数箇所に備えられ、かつ前記信号としての力を検出する複数の圧電センサの各々によって検出された電圧値を取得し、対象領域における学習用の前記力の発生位置及び前記力が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数の圧電センサの各々によって検出された学習用の電圧値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記電圧値の各々とに基づいて、前記対象領域における力の発生位置を検出し、前記力の発生位置に応じて、前記対象物の位置を検出するようにすることができる。
【0014】
また、前記学習済みモデルは、前記学習データからディープラーニングによって予め学習されたニューラルネットワークモデルであるようにすることができる。
【0015】
また、前記ニューラルネットワークモデルは、前記対象領域が大きいほど、前記ニューラルネットワークモデルのニューロンの数が多い前記ニューラルネットワークモデルであるようにすることができる。
【0016】
また、前記ニューラルネットワークモデルは、複数の前記センサの数が多いほど、前記ニューラルネットワークモデルのニューロンの数が多い前記ニューラルネットワークモデルであるようにすることができる。
【0017】
また、前記信号は、力、光、電子線、熱、磁気信号、及び電気信号の少なくとも1つであるようにすることができる。
【0018】
また、複数の前記センサは、複数の移動体の各々に搭載され、前記検出部は、複数の前記移動体の移動形態に応じた前記学習用の信号の発生位置及び前記学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された前記学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出するようにすることができる。
【0019】
また、前記取得部は、複数の前記センサから得られる電力を更に取得し、前記取得部によって取得された前記電力を用いて、前記検出部によって検出された前記信号の発生位置を出力する出力部を更に備えるようにすることができる。
【0020】
また、前記対象領域が2次元空間である場合には、複数の前記センサは少なくとも3つであるようにすることができる。
【0021】
また、前記対象領域が3次元空間である場合には、複数の前記センサは少なくとも4つであるようにすることができる。
【0022】
また、前記取得部は、各時刻の前記センサ値を取得し、前記検出部は、前記学習済みモデルと、前記取得部によって取得された各時刻の前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における各時刻の信号の発生位置を検出するようにすることができる。
【0023】
また、前記検出部は、更に、前記対象領域における各時刻の信号の発生位置に基づいて、前記信号の発生位置の軌跡を検出するようにすることができる。
【0024】
また、前記検出部は、前記対象領域における現時刻までの信号の発生位置に基づいて、次時刻の前記信号の発生位置を予測するようにすることができる。
【0025】
また、複数の前記センサは、前記対象領域としての3次元物体の各箇所に設置され、かつ前記3次元物体が面により各領域へ分割される際に、各領域の体積及び形状の少なくとも一方が異なるような前記面を形成する前記3次元物体上の各箇所へ設置されるようにすることができる。
【0026】
また、複数の前記センサは、前記対象領域としての2次元領域の各箇所に設置され、かつ前記2次元領域が線により各領域へ分割される際に、各領域の面積及び形状の少なくとも一方が異なるような前記線を形成する前記2次元領域上の各箇所へ設置されるようにすることができる。
【0027】
本発明のモデル学習装置は、対象領域における学習用の信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データを取得する学習データ取得部と、前記学習データ取得部によって取得された前記学習データに基づいて、複数のセンサ値から信号の発生位置を検出するためのモデルを学習させる学習部と、を含んで構成されている。
【0028】
本発明の位置検出システムは、対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサ、及び複数の前記センサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部と、対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部と、を備える位置検出装置を含んで構成されている。
【0029】
本発明のプログラムは、コンピュータを、対象領域の複数箇所に備えられ、かつ、信号を検出する複数のセンサの各々によって検出されたセンサ値を取得する取得部、及び対象領域における学習用の前記信号の発生位置及び前記信号が発生して前記対象領域を伝搬するときに複数のセンサの各々によって検出された学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、前記取得部によって取得された前記センサ値の各々とに基づいて、前記対象領域における信号の発生位置を検出する検出部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明の位置検出装置、モデル学習装置、位置検出システム、及びプログラムによれば、対象領域において信号の伝搬の複雑性を有する場合であっても、信号の発生位置を検出することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態の位置検出システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態の位置検出を説明するための説明図である。
【図3】テーブルの天板に発生する力の発生位置を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る学習処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る位置検出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図11】対象領域が2次元である場合のセンサの配置を説明するための説明図である。
【図12】対象領域が3次元である場合のセンサの配置を説明するための説明図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図14】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。

【0033】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施形態の位置検出システム100を示すブロック図である。位置検出システム100は、信号を検出する複数のセンサ10と、受付部12と、位置検出装置20とを含む。

【0034】
本実施形態では、複数のセンサ10によって検出されたセンサ値に応じて、対象領域における信号の発生位置を検出し、信号の発生位置に応じて対象物の位置を検出する。例えば、図2に示されるように、対象領域Aに4つのセンサ10が配置されている場合、位置検出システム100の位置検出装置20は、対象物Xから発生する信号Sに応じて、対象物Xの位置を検出する。

【0035】
具体的には、まず、本実施形態の位置検出システム100は、対象領域Aにおける対象物Xの位置及び対象物Xが当該位置に存在するときに複数のセンサ10によって検出されたセンサ値を学習データとして収集する。

【0036】
次に、位置検出システム100は、収集された学習データに基づいて、モデルの一例であるニューラルネットワークモデルをディープラーニングによって学習させ、学習済みニューラルネットワークモデルを得る。

【0037】
そして、位置検出システム100は、複数のセンサ10によって検出されたセンサ値と、学習済みニューラルネットワークモデルとに基づいて、対象領域における信号の発生位置を検出し、信号の発生位置に応じて対象物の位置を検出する。

【0038】
第1の実施形態では、センサが圧電センサであり、対象物から発生する信号が力である場合を例に説明する。位置検出システム100は、学習機能と位置検出機能を有する。以下、各機能に対応する各機能部について説明する。

【0039】
[学習機能]
まず、位置検出システム100における学習機能について説明する。

【0040】
複数のセンサ10は、対象領域の複数箇所に設置される。また、複数のセンサ10は、学習用の対象物から信号が発生して対象領域を伝搬するときの学習用のセンサ値を検出する。

【0041】
例えば、図3に示されるように、対象領域が剛体であるテーブルTである場合、圧電センサであるセンサ10は、テーブルTの支持部材である脚部分の、床面との接地面に設置される。複数のセンサ10は、学習用の対象物が対象領域の所定の位置に存在し、かつ対象物から力が付加されて天板及び脚部分を伝搬するときのセンサ値を学習用のセンサ値として検出する。例えば、対象物がテーブルTの発生位置Pに置かれると、発生位置Pにおいて力Sが天板表面に付加されテーブルTの天板及び脚を伝搬する。そして、天板に付加された力はテーブルTの脚を伝搬し、複数のセンサ10によってセンサ値が検出される。なお、センサ10が圧電センサである場合には、センサ値は電圧値となる。

【0042】
この場合、センサ10によって検出されるセンサ値から、力Sの発生位置Pを検出するためには、対象領域であるテーブルTの形状及び材質、並びにセンサの配置等を考慮して、テーブルTにおける力Sの発生位置Pからセンサまでの力の伝搬をモデル化する必要がある。しかし、実際のテーブルは材質が均一でない場合や、形状が様々である場合があるため、モデル化が難しい。また、複数のセンサについてもセンサ値の検出特性のばらつきが存在するため、モデル化は難しい。

【0043】
そこで、本実施形態では、テーブルTの天板に加わる力の位置に応じて複数のセンサ10によって検出されるセンサ値のパターンが異なることを利用し、ニューラルネットワークモデルをディープラーニングにより学習させる。そして、得られた学習済みニューラルネットワークモデルを用いて力の発生位置を検出して、対象物の位置を検出する。これにより、対象領域であるテーブルTの形状及び材質等やセンサの特性のばらつきを考慮することなく、力の発生位置を検出し、力の発生位置に応じた対象物の位置を検出することができる。

【0044】
受付部12は、学習のために実際に対象領域に力が付与されたときの、対象領域における学習用の力の発生位置を受け付ける。具体的には、受付部12は、対象物によって発生する力の発生位置を受け付ける。受付部12は、例えば、キーボード、マウス等によって実現される。受付部12がキーボード等によって実現される場合、受付部12は、人手によって入力される力の発生位置を受け付ける。

【0045】
位置検出装置20は、CPUと、RAMと、各処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備えたコンピュータで構成され、機能的には次に示すように構成されている。

【0046】
位置検出装置20は、図1に示されるように、情報取得部22と、学習部24と、学習済みモデル記憶部26と、検出部28と、出力部30とを備えている。情報取得部22は、取得部及び学習データ取得部の一例である。

【0047】
情報取得部22は、受付部12によって受け付けられた学習用の力の発生位置を取得する。また、情報取得部22は、学習のために実際に対象領域に力が付与されたときの、複数のセンサ10の各々によって検出された学習用のセンサ値を取得する。

【0048】
そして、情報取得部22は、学習用の力の発生位置及び学習用の力が発生して対象領域を伝搬するときに複数のセンサ10の各々によって検出された学習用のセンサ値を対応付けて、学習データとして記憶領域(図示省略)へ格納する。記憶領域(図示省略)には複数の学習データが格納される。

【0049】
学習部24は、情報取得部22によって取得された学習データに基づいて、複数のセンサ値から信号の発生位置を検出するためのニューラルネットワークモデルを学習させる。本実施形態では、学習部24は、ディープラーニングによってニューラルネットワークモデルを学習させる。そして、学習部24は、ディープラーニングによって得られる学習済みニューラルネットワークモデルを、学習済みモデル記憶部26へ格納する。

【0050】
学習済みモデル記憶部26には、学習部24によって得られた学習済みニューラルネットワークモデルが格納される。

【0051】
[位置検出機能]
次に、位置検出システム100における位置検出機能について説明する。

【0052】
情報取得部22は、対象領域に対象物が存在する場合に、複数のセンサ10の各々によって検出されたセンサ値の各々を取得する。

【0053】
検出部28は、学習済みモデル記憶部26に格納された学習済みニューラルネットワークモデルと、情報取得部22によって取得されたセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における力の発生位置を検出する。力の発生位置と対象物の位置とは対応しているため、力の発生位置が検出されることにより、対応する対象物の位置も検出される。

【0054】
具体的には、検出部28は、情報取得部22によって取得されたセンサ値の各々を学習済みニューラルネットワークモデルへ入力して、学習済みニューラルネットワークモデルから出力される対象物の位置を取得する。

【0055】
出力部30は、検出部28によって検出された対象物の位置を結果として出力する。

【0056】
<位置検出システム100の作用>
次に、本実施形態の位置検出システム100の作用について説明する。位置検出装置20では、学習データに基づいてニューラルネットワークモデルを学習させる学習処理ルーチンと、学習済みニューラルネットワークモデルに基づいて、対象物の位置を検出する位置検出処理ルーチンとが実行される。

【0057】
<学習処理ルーチン>
まず、学習のために実際に対象領域に力が付与されているときに、位置検出システム100の複数のセンサ10によって学習用のセンサ値が検出され、かつ受付部12によって学習用の力の発生位置が受け付けられると、情報取得部22は、学習用の力の発生位置と学習用のセンサ値の各々とを取得する。そして、情報取得部22は、学習用の力の発生位置と学習用のセンサ値の各々とを対応付けて、学習データとして記憶領域(図示省略)へ格納する。

【0058】
そして、位置検出装置20は、学習処理実行の指示信号を受け付けると、図4に示す学習処理ルーチンを実行する。

【0059】
ステップS100において、学習部24は、記憶領域(図示省略)へ格納された複数の学習データを取得する。

【0060】
ステップS102において、学習部24は、上記ステップS100で取得された複数の学習データに基づいて、ディープラーニングによってニューラルネットワークモデルを学習させる。

【0061】
ステップS104において、学習部24は、上記ステップS102で得られる学習済みニューラルネットワークモデルを、学習済みモデル記憶部26へ格納して、学習処理ルーチンを終了する。

【0062】
<位置検出処理ルーチン>
学習済みニューラルネットワークモデルが、学習済みモデル記憶部26に格納されると、位置検出装置20は、位置検出処理実行の指示信号を受け付けると、図5に示す位置検出処理ルーチンを実行し、対象領域に存在する対象物の位置を検出する。

【0063】
ステップS200において、情報取得部22は、対象領域に対象物が存在する場合に、対象物から発生する力に応じたセンサ値の各々を取得する。

【0064】
ステップS202において、検出部28は、学習処理ルーチンで学習済みモデル記憶部26に格納された学習済みニューラルネットワークモデルと、上記ステップS200で取得されたセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における力の発生位置を検出する。そして、検出部28は、力の発生位置に応じた対象物の位置を検出する。

【0065】
ステップS204において、上記ステップS202で検出された対象物の位置を結果として出力して、位置検出処理ルーチンを終了する。

【0066】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る位置検出システムによれば、対象領域における学習用の信号の発生位置及び当該信号が発生して対象領域を伝搬するときに複数のセンサによって検出された学習用のセンサ値を表す学習データに基づいて、ニューラルネットワークモデルをディープラーニングにより学習させることにより、対象領域における信号の伝搬の複雑性が考慮されたモデルを簡易に取得することができる。これにより、複数のセンサを対象領域に設置するのみで、対象領域を位置センサ化することができる。

【0067】
また、ディープラーニングにより予め学習された学習済みニューラルネットワークモデルと、複数のセンサの各々によって検出されたセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における信号の発生位置を検出し、当該信号の発生位置に応じて、対象物の位置を検出することにより、対象領域を考慮することなく、対象物の位置を検出することができる。

【0068】
また、例えば、圧電素子を用いた従来の位置検出システムでは、大量の圧電素子を敷き詰めたマトリクス状のセンサが用いられているが、本実施形態の位置検出システムでは、数個の圧電素子を用いるのみで、高精度な位置検出が可能となる。これにより、位置検出システムを、低コストかつ容易に実現することができる。

【0069】
また、本実施形態の位置検出システムは、複数の学習データを学習させることにより、対象領域の形状やスケールを選ばず搭載可能である。また、圧電素子の特性も学習に組み込まれる、素子間の特性差も無視することができる。

【0070】
また、対象領域において信号の伝搬が困難な場合であっても、複数個のセンサによって信号の発生位置の検出が可能となる。

【0071】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態に係る位置検出システムの構成は、第1の実施の形態と同様の構成となるため、同一符号を付して説明を省略する。

【0072】
第2の実施の形態では、複数のセンサが複数の移動体の各々に搭載され、複数の移動体の移動形態に応じてニューラルネットワークモデルを学習させる点が、第1の実施の形態と異なる。

【0073】
例えば、図6に示されるように、移動体の一例であるドローン50にセンサ10が搭載される場合を例に説明する。なお、センサ10は電気信号を検出する。

【0074】
第2の実施形態では、図6に示されるように、センサ10を搭載したドローン50の各々の位置関係が所定の位置関係となるように飛行させる。そして、学習のために実際に対象領域において電気信号Sを発生させたときの、ドローン50の飛行形態に応じた学習用の電気信号Sの発生位置P及び複数のドローン50に搭載されたセンサ10により検出されるセンサ値の各々を表す学習データを取得する。そして、学習データからニューラルネットワークモデルをディープラーニングにより学習させ、学習済みニューラルネットワークモデルを得る。これにより、学習済みニューラルネットワークモデルを用いて、複数のドローン50を位置センサ化することができる。以下、具体的に説明する。

【0075】
[学習機能]

【0076】
第2の実施形態の位置検出装置20の複数のセンサ10は、図6に示されるように、移動体の一例であるドローン50の各々に搭載される。複数のドローン50の各々に搭載された複数のセンサ10は、対象物Xから電気信号Sが発生して対象領域を伝搬するときの学習用のセンサ値を検出する。なお、対象領域は、所定の位置関係にある複数のドローン50を基準とした3次元空間であり、対象領域は、複数のドローン50の飛行に伴い移動する。また、発生位置とは、複数のドローン50を基準とした対象領域での位置である。

【0077】
また、第2の実施形態の受付部12は、対象領域における学習用の電気信号Sの発生位置Pを受け付ける。このとき、受付部12は、複数のドローン50の飛行形態に応じた、複数のドローン50と電気信号Sの発生位置Pとの間の位置関係を取得する。

【0078】
第2の実施形態の位置検出装置20の情報取得部22は、受付部12によって取得さられた、複数のドローン50と電気信号Sの発生位置Pとの間の位置関係を取得する。また、複数のセンサ10の各々によって検出された学習用のセンサ値を取得する。

【0079】
そして、情報取得部22は、ドローン50の飛行形態に応じた学習用の電気信号Sの発生位置P及び学習用の電気信号Sが発生して対象領域を伝搬するときにドローン50に搭載された複数のセンサ10の各々により検出された学習用のセンサ値を対応付けて、学習データとして記憶領域(図示省略)へ格納する。

【0080】
[位置検出機能]
情報取得部22は、対象領域に対象物Xが存在する場合に、複数のセンサ10の各々によって検出されたセンサ値の各々を取得する。

【0081】
検出部28は、学習済みモデル記憶部26に格納された学習済みニューラルネットワークモデルと、情報取得部22によって取得されたセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における電気信号Sの発生位置Pを検出する。電気信号Sの発生位置Pと対象物Xの位置とは対応しているため、電気信号Sの発生位置Pが検出されることにより、対応する対象物Xの位置も検出される。

【0082】
なお、第2の実施の形態に係る位置検出システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。

【0083】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る位置検出システムによれば、複数のドローンの飛行形態に応じた学習用の信号の発生位置及び学習用のセンサ値を表す学習データから予め学習された学習済みモデルと、センサ値の各々とに基づいて、対象領域における信号の発生位置を検出することにより、対象領域を考慮せずに、対象物の位置を検出することができる。

【0084】
また、複数のセンサを移動させることにより、少ない個数のセンサを用いて広範囲の対象物の位置検出が可能になる。なお、空中を移動するドローンの例を説明したが、水中又は地下における移動体に対しても適用可能である。

【0085】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態に係る位置検出システムの構成は、第1の実施の形態と同様の構成となるため、同一符号を付して説明を省略する。

【0086】
第3の実施の形態では、位置検出機能において、各時刻のセンサ値に基づき各時刻の信号の発生位置を検出する点が、第1又は第2の実施の形態と異なる。

【0087】
例えば、第1の実施の形態において、テーブルTの天板に2点の力が加わる場合、その2点の重心点が信号の発生位置として検出されてしまう。そのため、第3の実施の形態では、複数のセンサ10の各々によって検出された各時刻のセンサ値を記憶領域(図示省略)に記憶させ、各時刻のセンサ値から各時刻の信号の発生位置を個別に検出する。これにより、信号の発生位置が複数であっても、複数の信号の発生位置の重心が位置として検出されることなく、各信号の発生位置が検出され、各対象物の位置が検出される。

【0088】
具体的には、情報取得部22は、複数のセンサ10の各々によって検出された各時刻のセンサ値の各々を取得し、取得されたセンサ値と時刻とを対応付けて記憶領域(図示省略)へ格納する。

【0089】
検出部28は、学習済みモデル記憶部26に格納された学習済みニューラルネットワークモデルと、記憶領域(図示省略)に格納された各時刻のセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における各時刻の信号の発生位置を検出する。信号の発生位置と対象物の位置とは対応しているため、各時刻の信号の発生位置が検出されることにより、対応する対象物の各時刻の位置も検出される。

【0090】
なお、第3の実施の形態に係る位置検出システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。

【0091】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る位置検出システムによれば、予め学習された学習済みモデルと各時刻のセンサ値の各々とに基づいて、対象領域における各時刻の信号の発生位置を検出することにより、信号の発生位置が複数であっても、対象物の位置を検出することができる。

【0092】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。

【0093】
例えば、上記第1の実施形態では信号が力であり、第2の実施形態では信号が電気信号である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、信号は光、電子線、熱、及び磁気信号の何れか1つであってもよい。また、複数種類のセンサを組み合わせ、複数種類の異なる信号に基づいて、信号の発生位置を検出するようにしてもよい。センサ素子の多重化が容易であり、複数種類のセンサを組み合わせることにより、信号の発生位置の検出精度を向上させることができる。

【0094】
例えば、指先からは力と熱が信号として発生するため、指によって発生する力及び熱が検出されるように応力センサ及び熱センサを対象領域に設置しておくことにより、指の位置検出の精度を向上させることができる。また、複数種類のセンサを組み合わせることにより、信号にノイズが含まれている場合であっても、位置検出の精度を工場させることができる。

【0095】
また、上記第1の実施形態では対象領域がテーブルであり、第2の実施形態では対象領域が空間である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。

【0096】
例えば、図7に示されるように、対象領域Aが布地であり、力Sによって発生する張力に基づいて、力の発生位置を検出するようにしてもよい。

【0097】
また、例えば、図8に示されるように、対象領域Aがスクリーンであり、レーザポインタYによってレーザが照射され、信号Sがレーザの反射光である場合、スクリーンに照射されたレーザが反射して発生する光に基づいて、レーザが照射されている発生位置Pを検出するようにしてもよい。また、レーザは電子線であってもよい。

【0098】
また、図9に示されるように、対象領域Aが3次元空間であり、信号Sが電子機器Xによって発生する磁気であってもよい。また、図10に示されるように、対象領域Aがボードであり、信号SがマグネットXによって生じる磁気であってもよい。また、図10に示される信号Sが熱源Xによって発生する熱であってもよい。

【0099】
なお、図11に示されるように、対象領域が2次元空間である場合には、複数のセンサは少なくとも3つ設置すれば、対象物の位置として2次元座標を検出することができる。また、図12に示されるように、対象領域が3次元空間である場合には、複数のセンサを少なくとも4つ設置すれば、対象物の位置として3次元座標を検出することができる。

【0100】
また、上記各実施形態では、対象物の位置を検出するのみであるが、例えば、複数のセンサから得られる電力を更に取得し、取得された電力を用いて、検出された信号の発生位置を外部へ出力するようにしてもよい。これにより、対象物の位置検出及び検出結果の送信を無電源で行うことができる。

【0101】
例えば、振動発電を用いて、圧電素子から電力を発生させることにより、対象物の位置検出及び検出結果の送信を無電源で行うことができる。この手法は、デバイスの配線レス及び電池レス化が可能であるため、IoT(Internet of Things)デバイス等への実装が可能である。従来のマトリクスセンサを用いる場合には、電力を足し合わせることは非常に複雑かつ非効率であるが、本実施の形態によれば、例えば、力が数個の圧電素子へ集中するため、高効率かつ簡便な無電力センサを実現することができる。

【0102】
また、対象領域が大きくなるほど、位置検出の精度が低下することが考えられる。例えば、圧電素子をセンサとして用いる場合、対象領域が大きいほど印加された力が剛体の変形に使われてしまい、各々の圧電素子で検出されるセンサ値が小さくなる可能性がある。また、光波センサを用いる場合、対象領域が大きいほど、対象物とセンサとの間の距離が長くなり、光を受信するまでの時間がかかる。そこで、ニューラルネットワークモデルの層の数を増やし、対象領域が大きいほど、ニューラルネットワークモデルのニューロンの数を多くするようにしてもよい。また、複数のセンサの数が多いほど、ニューラルネットワークモデルのニューロンの数が多くするようにしてもよい。

【0103】
また、上記第2の実施形態では、移動体がドローンである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、移動体は車両や水中移動体であってもよい、移動体が水中移動体で有る場合には、対象領域が水中であり、水中で発生する信号の位置が検出される。

【0104】
また、上記実施の形態では、学習機能と位置検出機能とを1つの装置として構成する場合を例に説明したが、学習機能と位置検出機能とを別々の装置として構成してもよい。この場合には、例えば、学習機能を有するモデル学習装置と、位置検出機能を有する位置検出装置として構成してもよい。

【0105】
なお、上記実施形態の適用例としては、様々な対象が考えられる。例えば、床面に複数のセンサを設置することにより、床面を位置センサ化することができる。これにより、例えば、人の位置が検出されるため、人々の位置及び動線管理等を行うことができる。

【0106】
また、例えば、テーブルの脚に複数のセンサを設置することにより、テーブルの天板が位置センサ化される。これにより、テーブルの天板の特定の位置に対して力を加えることにより、例えば、TV、照明、エアコン、及びPC等の操作をすることができる。

【0107】
また、上記第3の実施形態では、各時刻のセンサ値に基づき各時刻の信号の発生位置を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出部28は、対象領域における各時刻の信号の発生位置に基づいて、信号の発生位置の軌跡を更に検出するようにしてもよい。例えば、検出部28は、図13に示されるように、対象物に備えられた複数のセンサ10によって取得されたセンサ値と学習済みモデルとに基づいて、時刻t1の信号の発生位置(x1,y1)と、時刻t2の信号の発生位置(x2,y2)と、時刻t3の信号の発生位置(x3,y3)とを検出し、それらの発生位置に基づいて、軌跡Trを検出するようにしてもよい。

【0108】
また、検出部28は、対象領域における現時刻までの信号の発生位置に基づいて、次時刻の信号の発生位置を予測するようにしてもよい。例えば、検出部28は、図13に示されるように、時刻t2の信号の発生位置(x2,y2)と時刻t3の信号の発生位置(x3,y3)との延長線上の所定の点を、次時刻の信号の発生位置(xp,yp)として予測するようにしてもよい。

【0109】
また、3次元物体の表面において発生する信号の位置を検出する際には、複数のセンサを所定の箇所へ設置する必要がある。具体的には、3次元物体が面によって各領域へ分割される際に、3次元物体において各領域の体積及び各領域の形状の少なくとも一方が異なるような面を形成する各箇所へ、複数のセンサを設置する必要がある。

【0110】
例えば、図14に示されるように、複数の圧電センサ10S0、10S1、及び10S2が、3次元物体A1の表面の裏側へ設置され、3次元物体A1の表面で発生した圧力の位置を検出する場合を考える。

【0111】
この場合、図14に示される3次元物体A1に設置された圧電センサ10S0、10S1、及び10S2によっては、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができない。圧電センサ10S0、10S1、及び10S2が対称面D1を構成しているためである。

【0112】
一方、図14に示される3次元物体A2においては、圧電センサ10S0、10S1、及び10S2によって形成される面によって分割される各領域の体積又は各領域の形状が異なり、圧電センサ10S0、10S1、及び10S2が対称面を構成していない(非対称面D2を構成している)。このため、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができる。また、3次元物体A2においては、非対称面D2に対して対称な位置が存在しないため、原理的には3次元物体A2の表面上の全ての観測点を、3つのセンサによって区別することができる。

【0113】
また、図15に、3次元物体が球体である場合を説明するための説明図を示す。図15に示されるように、圧電センサ10S0、10S1、及び10S2は球体A3及び球体A4の表面の裏側に設置される。例えば、図15に示される球体A3においては、圧電センサ10S0、10S1、及び10S2は対称面を形成する面上に設置されている。このため、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができない。

【0114】
一方、図15に示される球体A4においては、圧電センサ10S0、10S1、及び10S2は非対称面上に設置されている。このため、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができる。また、球体A4においては、非対称面に対して対称な位置が存在しないため、原理的には球体A4の表面上の全ての観測点を、3つのセンサによって区別することができる。

【0115】
なお、図14及び図15では、最小個数のセンサによって、3次元物体の表面上の力の発生位置を検出する例を示したが、検出精度を向上させるため、4つ以上のセンサを設置するようにしてもよい。例えば、図16に示されるように、6つのセンサ(10S0、10S1、10S2、10S3、10S4、10S5)を設置することで、検出精度を向上させるようにしてもよい。

【0116】
また、図17に示されるように、トポロジカルに平面と同相な3次元物体については、平面と同様に3つのセンサによって、3次元物体の表面で発生した力の位置を検出することができる。例えば、単連結曲面A5及び穴のある球表面A6は、適切な座標変換によって2次元平面A7へ変換可能であるため、3つのセンサ(10S0、10S1、10S2)によって、表面で発生した力の位置を検出することができる。

【0117】
また、一次元の物体によって2次元領域を形成する際にも同様である。この場合、複数のセンサは、対象領域としての2次元領域の各箇所に設置される。また、2次元領域が線により各領域へ分割される際に、各領域の面積及び各領域の形状の少なくとも一方が異なるような線を形成する2次元領域上の各箇所へ、複数のセンサが設置される。

【0118】
例えば、図18に示されるように、一次元の物体A8の端部E1と端部E2とを繋ぎ、2次元領域を形成したとする。この場合、一次元の物体A8には、センサ10S0及びセンサ10S1が設置されている。

【0119】
図18に示される一次元の物体A8の端部E1と端部E2とを繋ぎ、2次元領域A9が形成されるときには、センサ10S0及びセンサ10S1によって形成される軸が対象軸であるため、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができない。

【0120】
一方、2次元領域A10が形成されるときには、センサ10S0及びセンサ10S1によって形成される軸が非対称軸であるため、位置T1で発生した力と位置T2で発生した力とを区別することができる。

【0121】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0122】
10 センサ
12 受付部
20 位置検出装置
22 情報取得部
24 学習部
26 学習済みモデル記憶部
28 検出部
30 出力部
50 ドローン
100 位置検出システム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17