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明細書 :トランスバース、および手術器具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成30年12月20日(2018.12.20)
発明の名称または考案の名称 トランスバース、および手術器具
国際特許分類 A61B  17/70        (2006.01)
A61B  17/90        (2006.01)
FI A61B 17/70
A61B 17/90
国際予備審査の請求
全頁数 30
出願番号 特願2017-567938 (P2017-567938)
国際出願番号 PCT/JP2016/068643
国際公開番号 WO2017/141459
国際出願日 平成28年6月23日(2016.6.23)
国際公開日 平成29年8月24日(2017.8.24)
優先権出願番号 2016025789
優先日 平成28年2月15日(2016.2.15)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】安部 哲哉
【氏名】坂根 正孝
【氏名】高藤 平
出願人 【識別番号】509267775
【氏名又は名称】株式会社アスロメディカル
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100120134、【弁理士】、【氏名又は名称】大森 規雄
【識別番号】100147762、【弁理士】、【氏名又は名称】藤 拓也
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査請求 未請求
テーマコード 4C160
Fターム 4C160LL12
4C160LL24
4C160LL63
要約 経皮的に設けられるトランスバース、およびトランスバースを経皮的に設ける手術器具を提供する。
2つのロッド開口部(113)、(123)にロッド(10)が各々1本ずつ収容され、2つのバーホール(111)、(121)にトランスバースバー(130)が挿入されている。そして、スクリューホール(114)、(124)にセットスクリュー(140)、(150)がねじ込まれている。セットスクリュー(140)、(150)は、トランスバースバー(130)を長手方向に拘束するように押圧する。バーホール(111)、(121)の一部はロッド開口部(113)、(123)に接しているため、押圧されたトランスバースバー(130)はロッド(10)に接触し、ロッド(10)をロッド開口部(113)、(123)に押しつける。突起(127)がロッド(10)に係合して、ロッド(10)の長手方向および周方向にフック(110)、(120)が拘束される。
特許請求の範囲 【請求項1】
椎骨に挿入されるスクリューを繋ぐロッドと係合するフックと、
所定の曲率を有し、複数の前記フックとの間に設けられるトランスバースバーと
を備えるトランスバース。
【請求項2】
前記トランスバースバーは、前記椎骨の棘突起を貫通して設けられる請求項1に記載のトランスバース。
【請求項3】
前記フックは、前記トランスバースバーが貫通するバーホールを有する請求項1または2に記載のトランスバース。
【請求項4】
前記フックは、前記ロッドと係合するロッド開口部を有する請求項1に記載のトランスバース。
【請求項5】
前記フックは、前記トランスバースバーが貫通するバーホールと、前記ロッドと係合するロッド開口部とを備え、前記バーホールは、前記ロッド開口部と貫通する請求項1に記載のトランスバース。
【請求項6】
前記トランスバースバーは、前記トランスバースバーを把持するバーホルダーと係合可能なバーホルダー用凹部を備える請求項1に記載のトランスバース。
【請求項7】
前記フックは、前記フックを把持するフックホルダーと係合可能なフックホルダー用凹部を備える請求項1に記載のトランスバース。
【請求項8】
前記フックは、前記バーホールに貫通するスクリューホールを備え、
前記トランスバースは、前記スクリューホールに螺合するセットスクリューをさらに備え、
前記セットスクリューが前記スクリューホールに進入すると、前記セットスクリューの先端は前記トランスバースバーと係合して押圧し、前記セットスクリューの先端に押圧された前記トランスバースバーは、前記ロッドを押圧して前記ロッド開口部に押しつける請求項1に記載のトランスバース。
【請求項9】
前記ロッドは、異なる椎骨に挿入される複数のスクリューを接続し、前記フックは、2本のロッドに1つずつ取り付けられる請求項1から8のいずれかに記載のトランスバース。
【請求項10】
2本のサイザーバーと、
前記2本のサイザーバーを所定の軸上で軸支するセンタリングシャフトと、
前記センタリングシャフトに対する前記サイザーバーの回転を防止するロック機構とを備え、
前記サイザーバーの一端には、椎骨に挿入されるスクリューを繋ぐロッドと係合するロッド用把持端部が設けられるサイザー。
【請求項11】
2本の椎骨用オウルバーと、
前記2本の椎骨用オウルバーを所定の軸上で軸支するセンタリングシャフトとを備え、
前記センタリングシャフトは、前記所定の軸と同軸の孔を有し、
前記椎骨用オウルバーの一端には、前記椎骨に孔を空ける椎骨用先鋭部が設けられる
椎骨用オウル。
【請求項12】
一端が所定の軸によって軸支され、前記所定の軸から径方向に延びるオウル延伸部と、
所定の曲率を有し、前記オウル延伸部の他端から延びる貫入部とを備え、
前記貫入部の先端には、軟部組織に孔を空ける軟部組織用先鋭部が設けられる
軟部組織用オウル。
【請求項13】
一端が所定の軸によって軸支され、前記所定の軸から径方向に延びるフックホルダー延伸部と、
前記フックホルダー延伸部の他端から延びるフックホルダーアームとを備え、
前記フックホルダーアームの先端には、フックを把持するフック把持部が設けられる
フックホルダー。
【請求項14】
一端が所定の軸によって軸支され、前記所定の軸から径方向に延びるバーホルダー延伸部と、
所定の曲率を有し、前記バーホルダー延伸部の他端から延びるバーホルダーアームとを備え、
前記バーホルダーアームの先端には、バーを把持するバー把持部が設けられる
バーホルダー。
【請求項15】
請求項1に記載のトランスバースを取り付けるために用いられる手術器具であって、請求項10に記載のサイザーと、請求項11に記載の椎骨用オウルと、請求項13に記載のフックホルダーと、請求項14に記載のバーホルダーとを備える手術器具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎に取り付けられたペディクルスクリューを繋ぐロッドを連結するトランスバース、およびロッドにトランスバースを取り付ける手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脊椎を構成する複数の椎骨にペディクルスクリューをねじ込み、ペディクルスクリューの頭部にロッドを取り付け、ロッドをトランスバースで連結することによって、複数の椎骨の位置関係を一定に保つ後方固定手術が知られている。ペディクルスクリューは、椎骨が有する左右の椎弓根(ペディクル)に各々ねじ込まれ、左右の列ごとにロッドと固定される。左右のロッドは、トランスバースによって連結される。これにより、上下の椎体が互いに連結され、脊椎が安定する。トランスバースは、アクセプタとクロスリンクとを備える。アクセプタは、左右のロッドに各々取り付けられる。クロスリンクは、シャフトとドリリング端とを備え、2つのアクセプタに貫通して固定される(特許文献1)。
【0003】
また、ペディクルスクリューの頭部にトランスバースを取り付けるもの(特許文献2)、ロッドにネジでトランスバースを固定するもの(特許文献3)、長さおよび角度を調節可能なトランスバースをロッドに固定するもの(特許文献4)、および複数のペディクルスクリューの頭部にトランスバースを取り付けるもの(特許文献5)などの構成もまた知られている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0030469号明細書
【特許文献2】特表2009-533173号公報
【特許文献3】特表2009-537242号公報
【特許文献4】特表2006-503672号公報
【特許文献5】特表2009-533173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来では、経皮的に設けられるトランスバース、経皮的にアクセプタをロッドに取り付ける手法、および経皮的にクロスリンクをアクセプタに取り付ける手法が知られていない。そのため、トランスバースは切開して取り付けられている。切開手術は患者の負担が大きいため、好ましくない。
【0006】
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものであり、経皮的に設けられるトランスバース、およびトランスバースを経皮的に設ける手術器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1の発明によるトランスバースは、椎骨に挿入されるスクリューを繋ぐロッドと係合するフックと、所定の曲率を有し、複数のフックとの間に設けられるトランスバースバーとを備えることを特徴とする。
【0008】
トランスバースバーは、椎骨の棘突起を貫通して設けられることが好ましく、トランスバースバーを把持するバーホルダーと係合可能なバーホルダー用凹部を備えることが好ましい。
【0009】
フックは、トランスバースバーが貫通するバーホール、または、ロッドと係合するロッド開口部を有することが好ましい。また、フックは、トランスバースバーが貫通するバーホールと、ロッドと係合するロッド開口部とを備え、バーホールは、ロッド開口部と貫通することが好ましい。さらに、フックは、フックを把持するフックホルダーと係合可能なフックホルダー用凹部を備えることが好ましい。さらに、フックは、バーホールに貫通するスクリューホールを備え、トランスバースは、スクリューホールに螺合するセットスクリューをさらに備え、セットスクリューがスクリューホールに進入すると、セットスクリューの先端はトランスバースバーと係合して押圧し、セットスクリューの先端に押圧されたトランスバースバーは、ロッドを押圧してロッド開口部に押しつけることが好ましい。
【0010】
ロッドは、異なる椎骨に挿入される複数のスクリューを接続し、フックは、2本のロッドに1つずつ取り付けられることが好ましい。
【0011】
本願第2の発明によるサイザーは、2本のサイザーバーと、2本のサイザーバーを所定の軸上で軸支するセンタリングシャフトと、センタリングシャフトに対するサイザーバーの回転を防止するロック機構とを備え、サイザーバーの一端には、椎骨に挿入されるスクリューを繋ぐロッドと係合するロッド用把持端部が設けられることを特徴とする。
【0012】
サイザーバーの他端には、ロッド用把持端部の間隔を表示するスケール部が設けられることが好ましく、センタリングシャフトは、所定の軸上を2本のサイザーバーから所定の長さだけ延びることが好ましい。
【0013】
本願第3の発明による椎骨用オウルは、2本の椎骨用オウルバーと、2本の椎骨用オウルバーを所定の軸上で軸支するセンタリングシャフトとを備え、センタリングシャフトは、所定の軸と同軸の孔を有し、椎骨用オウルバーの一端には、椎骨に孔を空ける椎骨用先鋭部が設けられることを特徴とする。
【0014】
本願第4の発明による軟部組織用オウルは、一端が所定の軸によって軸支され、所定の軸から径方向に延びるオウル延伸部と、所定の曲率を有し、オウル延伸部の他端から延びる貫入部とを備え、貫入部の先端には、軟部組織に孔を空ける軟部組織用先鋭部が設けられることを特徴とする。
【0015】
本願第5の発明によるフックホルダーは、一端が所定の軸によって軸支され、所定の軸から径方向に延びるフックホルダー延伸部と、フックホルダー延伸部の他端から延びるフックホルダーアームとを備え、フックホルダーアームの先端には、フックを把持するフック把持部が設けられることを特徴とする。
【0016】
フック把持部は開閉可能であって、フックホルダーは、フック把持部の開閉を操作するフック操作部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
本願第6の発明によるバーホルダーは、一端が所定の軸によって軸支され、所定の軸から径方向に延びるバーホルダー延伸部と、所定の曲率を有し、バーホルダー延伸部の他端から延びるバーホルダーアームとを備え、バーホルダーアームの先端には、バーを把持するバー把持部が設けられることを特徴とする。
【0018】
バー把持部は開閉可能であって、バーホルダーは、バー把持部の開閉を操作するバー操作部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
本願第7の発明による手術器具は、トランスバースを取り付けるために用いられる手術器具であって、前記サイザーと、前記椎骨用オウルと、前記フックホルダーと、前記バーホルダーとを備えることを特徴とする。
【0020】
手術器具は、前記軟部組織用オウルをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、経皮的に設けられるトランスバース、およびトランスバースを経皮的に設ける手術器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】トランスバースを概略的に示した平面図である。
【図2】トランスバースを概略的に示した正面図である。
【図3】トランスバースを概略的に示した側面図である。
【図4】図1および2のIV-IV線におけるトランスバースの断面図である。
【図5】図2および3のV-V線におけるフックの断面図である。
【図6】サイザーを概略的に示した斜視図である。
【図7】椎骨用オウルを概略的に示した正面図である。
【図8】軟部組織用オウルを概略的に示した正面図である。
【図9】フックホルダーを概略的に示した正面図である。
【図10】バーホルダーを概略的に示した正面図である。
【図11】セットスクリュードライバを概略的に示した正面図である。
【図12】サイザーをロッドに取り付ける工程を示した図である。
【図13】棘突起に孔を空ける工程を示した図である。
【図14】軟部組織に孔を空ける工程を示した図である。
【図15】ロッドにフックを取り付ける工程を示した図である。
【図16】トランスバースバーを挿入する工程を示した図である。
【図17】セットスクリューでトランスバースバー等を仮固定する工程を示した図である。
【図18】ロッドにフックを取り付ける工程を示した図である。
【図19】ロッドに取り付けられたトランスバースバーを示した図である。
【符号の説明】
【0023】
10 ロッド
20 ペディクルスクリュー
30 椎骨
31 棘突起
100 トランスバース
110 フック
120 フック
130 トランスバースバー
140 セットスクリュー
150 セットスクリュー
200 サイザー
300 椎骨用オウル
400 軟部組織用オウル
500 フックホルダー
600 バーホルダー
700 セットスクリュードライバ
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、本発明の一実施形態によるトランスバース100について図1から5を用いて説明する。

【0025】
トランスバース100は、2つのフック110、120と、トランスバースバー130と、セットスクリュー140、150とを主に備える。

【0026】
フック110、120は、コの字型の断面形状を有し、バーホール111、121とロッド開口部113、123とスクリューホール114、124とフックホルダー用凹部115、125とを主に備える。

【0027】
フック110、120のコの字型の内周面がロッド開口部113、123を成す。ロッド開口部113、123の開口の大きさは、後述するロッド10がロッド開口部113、123に容易に進入可能な程度の大きさであり、ロッド開口部113、123の直径は、ロッド10を容易に収容可能な程度の長さである。ロッド開口部123は、周方向に走る突起127(図5参照)を有し、ロッド開口部113もまた、図示されない同様の突起を有する。バーホール111、121は、その一部がロッド開口部113、123の一部に接しながら、すなわちロッド開口部113、123に開口しながらフック110、120を貫通する矩形断面を有する孔である。バーホール111、121の矩形断面の大きさは、トランスバースバー130の断面よりもわずかに大きい。スクリューホール114、124は、バーホール111、121と交わる軸を有する孔であって、雌ねじが切られた内周面を有する。図2に示される正面図において、バーホール111、121はフック110、120の左右方向に貫通し、スクリューホールはフック110、120の頂面からバーホール111、121に向けて貫通する。

【0028】
フックホルダー用凹部115、125は、長円形の断面を有する窪みであって、フック110、120の2つの側面116、126に1つずつ設けられる。

【0029】
トランスバースバー130は、かまぼこ形の断面を有し、長手方向に対して所定の曲率で湾曲する。トランスバースバー130の一端131は弾丸形状を有する。所定の曲率は、例えば120mmである。また、トランスバースバー130は、例えば6種類の長さのものが用意され、長さは、例えば30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、および80mmである。

【0030】
セットスクリュー140、150は、いわゆるホーローセット(イモねじ)であって、その先端は尖った形状を有し、その頭部には後述するセットスクリュードライバ700(図11参照)の先端と係合可能な六角形または星形の溝が設けられる。

【0031】
次に、フック110、120、トランスバースバー130、およびセットスクリュー140、150がロッド10に組み付けられた状態について説明する。

【0032】
2つのロッド開口部113、114にロッド10が各々1本ずつ収容され、2つのバーホール111、121にトランスバースバー130が挿入されている。そして、スクリューホール114、124にセットスクリュー140、150がねじ込まれている。セットスクリュー140、150は、トランスバースバー130を押圧し、これにより、トランスバースバー130は長手方向に拘束される。バーホール111、121の一部はロッド開口部113、123に接しているため、押圧されたトランスバースバー130はロッド10に接触し、ロッド10をロッド開口部113、123に押しつける。突起127がロッド10に係合して、ロッド10の長手方向および周方向にフック110、120が拘束される。トランスバースバー130が長手方向に拘束されることにより、2本のロッド10の間隔が固定され、一定に保たれる。また、トランスバースバー130が2つのフック110、120に拘束されることにより、フック110、120がロッド10の周方向に回転しない。そして、ロッド10の長手方向にフック110、120が拘束されることにより、トランスバースバー130がロッド10の長手方向に拘束される。

【0033】
図3を参照すると、トランスバース100がロッド10に組み付けられた状態において、ロッド10の上端からトランスバース100の上端までの長さは、従来のトランスバースのうち、トランスバースバーとフックが一体でないものよりも低く抑えられる。つまり、本実施形態によるトランスバース100は、ロッド10の上端からトランスバース100の上端までの長さが従来のものよりも短いロープロファイル形状を有する。一般にトランスバースは皮膚および軟部組織の下に設けられる。このように設けられたトランスバースは、皮膚および軟部組織を体外に向けて押し上げて、これらに障害を発生させることがある。本実施形態によるトランスバース100はロープロファイル形状を有するため、皮膚および軟部組織を体外に向けて押し上げにくく、これにより皮膚および軟部組織に障害を発生させにくい。

【0034】
次に、トランスバース100をロッド10に取り付けるために用いられる手術器具について説明する。手術器具は、サイザー200、椎骨用オウル300、フックホルダー500、およびバーホルダー600を主に備える他、軟部組織用オウル400またはセットスクリュードライバ700を任意に備える。以下、これらの器具について詳細に説明する。

【0035】
図6を用いてサイザー200について説明する。サイザー200は、2本のサイザーバー210、220とセンタリングシャフト230とロック機構240と、スケール部250とを主に備える。

【0036】
サイザーバー210、220はS字形状を有する例えば厚さ2.5mmの薄板であって、S字形状の変曲点またはその付近に孔を有する。サイザーバー210に設けられた孔の直径はセンタリングシャフト230の直径と略同じであって、センタリングシャフト230は、雄ねじが切られた例えば直径5mmの円柱形状を有し、サイザーバー210に設けられた孔と嵌合してサイザーバー210に固定される。サイザーバー220に設けられた孔221の直径はセンタリングシャフト230の直径よりもわずかに大きく、センタリングシャフト230は孔221に対して軸方向に拘束されると共に回転自在に支持される。センタリングシャフト230の軸方向長さは、サイザーバー210および220の厚さよりも長く、所定の長さ、例えば15mmを有する。

【0037】
サイザーバー210、220の一端には、ロック機構240とスケール部250が取り付けられる。スケール部250は、板状の直方体であって、側面に目盛りが振られる。スケール部250の一端は、サイザーバー220の一端に、センタリングシャフト230の軸と平行な軸周りに旋回可能となるように固定される。スケール部250の他端は、サイザーバー210の一端に空けられた孔241を貫通する。ロック機構240は、孔241を備える。孔241の内周部には高い摩擦係数を有する素材が設けられる。この素材は、孔241に挿入されたスケール部250が孔241を容易に移動しない程度の摩擦係数を有する。これにより、サイザーバー210および220はセンタリングシャフト230に対して容易に回転せず、サイザーバー210とサイザーバー220の位置関係を容易に保つことができる。

【0038】
サイザーバー210、220の他端には、ロッド用把持端部212、222が各々設けられる。ロッド用把持端部212、222は、円筒をその中心軸と平行な平面で半分強を除去した形状を有する。ロッド用把持端部212、222の内周面の直径は、ロッド10の外径よりもわずかに長い。ロック機構240の働きにより、ロッド用把持端部212、222の間隔は容易に変化しない。孔241の端部が示すスケール部250の目盛りの値は、2本のロッド10の間隔を示す。ロッド用把持端部212、222には、ロッド用把持端部212、222の外周面から内周面まで貫通するねじ穴223が各々設けられる。2本のロッド10が平行でない等の場合、ロッド用把持端部212、222がロッド10を確実に保持できないおそれが生じ、これによりロッド用把持端部212、222がロッド10から外れやすくなる可能性がある。これを防止して確実にロッド10を保持する必要がある場合、ネジ把持部261およびネジ先端部262を有する固定ネジ260が用いられる。ネジ把持部261は円筒形を有し、ネジ先端部262は外周に雄ねじが切られ、かつ先端が尖った形状を有する。施術者がネジ把持部261を把持して回転させると、ネジ先端部262は、ねじ穴223にねじ込まれてロッド用把持端部212、222の内周面から突出し、ロッド10の外周面にめり込む。これにより、ロッド用把持端部212、222がロッド10を確実に保持する。

【0039】
次に、図7を用いて、椎骨用オウル300について説明する。椎骨用オウル300は、第1の椎骨用オウルバー310と第2の椎骨用オウルバー320と中空シャフト330とを主に備える。

【0040】
第1の椎骨用オウルバー310はS字形状を有する例えば厚さ5mmの薄板であって、S字形状の変曲点付近に図示されない孔を有する。第2の椎骨用オウルバー320は鎌形の薄板であって、中央付近に孔321を有する。第1の椎骨用オウルバー310に設けられた孔および第2の椎骨用オウルバー320に設けられた孔321の直径は中空シャフト330の外径よりもわずかに大きい。第1の椎骨用オウルバー310と第2の椎骨用オウルバー320とが中空シャフト330に取り付けられると、第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320は、中空シャフト330に対して軸方向に拘束されると共に回転自在に支持される。

【0041】
センタリングシャフト230の軸方向長さは、サイザーバー210および220、ならびに第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の厚さを合計した長さよりも長い。

【0042】
第1の椎骨用オウルバー310の一端は、先端が尖った椎骨用先鋭部311が設けられ、第2の椎骨用オウルバー320の一端には、先端に凹部を有する椎骨用凹部322が設けられる。第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の一端は、第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320が中空シャフト330の軸に対して旋回して互いに接触したとき一直線となるように、中空シャフト330の軸に対して直角に曲げられる。

【0043】
椎骨用オウル300を使用するとき、中空シャフト330の内周にセンタリングシャフト230が挿入され、図示されないナットをセンタリングシャフト230の雄ねじと螺合させることにより椎骨用オウル300が軸方向に固定される。これにより、第1の椎骨用オウルバー310と第2の椎骨用オウルバー320とがセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能となる。センタリングシャフト230の軸から椎骨用先鋭部311の先端までの距離は、椎骨の棘突起に空けられる孔の位置に応じて決定される。

【0044】
次に、図8を用いて、軟部組織用オウル400について説明する。軟部組織用オウル400は、オウル延伸部410と貫入部420とオウルハンドル430とを主に備える。

【0045】
オウル延伸部410は、例えば厚さ5mmの弧状の薄板であって、その一端に孔411を有する。孔411は、センタリングシャフト230と遊嵌可能である。オウル延伸部410の他端は、貫入部420に接続される。貫入部420は、所定の曲率で弧を描く針形状を有する。貫入部420における弧の中心は、孔411の中心と一致する。貫入部420の曲率は、トランスバースバー130の曲率と同じである。貫入部420の先端は尖っており、軟部組織用先鋭部421を成す。貫入部420の後端にはオウルハンドル430が取り付けられる。

【0046】
センタリングシャフト230の軸方向長さは、サイザーバー210および220、ならびに軟部組織用オウル400の厚さを合計した長さよりも長い。

【0047】
軟部組織用オウル400を使用するとき、孔411にセンタリングシャフト230が挿入され、図示されないナットをセンタリングシャフト230の雄ねじと螺合させることにより軟部組織用オウル400が軸方向に固定される。これにより、軟部組織用オウル400がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能、すなわち貫入部420がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能となる。センタリングシャフト230の軸から軟部組織用先鋭部421までの距離は、トランスバースバー130が設けられる位置に応じて決定される。

【0048】
次に、図9を用いて、フックホルダー500について説明する。フックホルダー500は、フックホルダー延伸部510とフックホルダーアーム520とフックホルダーハンドル530とを主に備える。

【0049】
フックホルダー延伸部510は、例えば厚さ5mmの弧状の薄板であって、その一端に孔511を有する。孔511は、センタリングシャフト230と遊嵌可能である。フックホルダー延伸部510の他端は、フックホルダーアーム520に接続される。フックホルダーアーム520は、弧状の薄板であって、その先端にフック把持部522を備える。フックホルダーアーム520の後端にはフックホルダーハンドル530が取り付けられる。フックホルダーハンドル530には、フック操作部531が設けられる。

【0050】
フック把持部522は、可動部523と、固定部524と、長円形断面を有する突起525および突起526とを主に有する。突起525は可動部523から突出し、突起526は、突起525と対向するように固定部から突出する。突起525および突起526の大きさは、フックホルダー用凹部115、125よりもわずかに小さい。可動部523は、突起525と突起526との間隔を変化させるように、突起525および突起526の突出方向に沿って移動可能である。可動部523は、フックホルダーアーム520の内部を通過する図示されないワイヤ等を介してフック操作部531と接続される。

【0051】
フック操作部531は、フックホルダーハンドル530に対して回転可能に設けられる。可動部523が閉じているとき、すなわち突起525と突起526との間隔が最も短いときにフック操作部531を時計回りに回転すると、ワイヤ等が巻き取られ、ワイヤ等に引っ張られた可動部523が突起525と突起526との間隔を広げるように移動する。他方、可動部523が開いているとき、すなわち突起525と突起526との間隔が広がっているときにフック操作部531を反時計回りに回転すると、ワイヤ等が解放され、ワイヤ等からの力を失った可動部523が突起525と突起526との間隔を狭めるように移動する。これにより、フックホルダー500は、フック110、120を把持、あるいは解放することが可能となる。

【0052】
センタリングシャフト230の軸方向長さは、サイザーバー210および220、ならびにフックホルダー500の厚さを合計した長さよりも長い。

【0053】
フックホルダー500を使用するとき、孔511にセンタリングシャフト230が挿入され、図示されないナットをセンタリングシャフト230の雄ねじと螺合させることによりフックホルダー500が軸方向に固定される。これにより、フックホルダー500がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能、すなわちフック把持部522がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能となる。

【0054】
フック把持部522に取り付けられたフックのバーホール111、121からセンタリングシャフト230の軸までの距離は、センタリングシャフト230の軸からロッド用把持端部212、222までの距離、すなわちセンタリングシャフト230の軸とロッド10との位置関係に応じて決定される。

【0055】
次に、図10を用いて、バーホルダー600について説明する。バーホルダー600は、バーホルダー延伸部610とバーホルダーアーム620とバーホルダーハンドル630とを主に備える。

【0056】
バーホルダー延伸部610は、例えば厚さ5mmの弧状の薄板であって、その一端に孔611を有する。孔611は、センタリングシャフト230と遊嵌可能である。バーホルダー延伸部610の他端は、バーホルダーアーム620に接続される。バーホルダーアーム620は、所定の曲率で弧を描く薄板であって、その先端にバー把持部622を備える。バーホルダーアーム620における弧の中心は、孔611の中心と一致する。バーホルダーアーム620の曲率は、トランスバースバー130および貫入部420の曲率と同じである。バーホルダーアーム620の後端にはバーホルダーハンドル630が取り付けられる。バーホルダーハンドル630には、バー操作部631が設けられる。

【0057】
バー把持部622は、可動部623と固定部624とを主に有する。可動部623は、固定部624との間隔を変化させるように移動可能である。可動部623は、バーホルダーアーム620の内部を通過する図示されないワイヤ等を介してバー操作部631と接続される。

【0058】
バー操作部631は、バーホルダーハンドル630に対して回転可能に設けられる。可動部623が閉じているとき、すなわち可動部623と固定部624との間隔が最も短いときにバー操作部631を時計回りに回転すると、ワイヤ等が巻き取られ、ワイヤ等に引っ張られた可動部623が固定部624との間隔を広げるように移動する。他方、可動部623が開いているとき、すなわち可動部623と固定部624との間隔が広がっているときにバー操作部631を反時計回りに回転すると、ワイヤ等が解放され、ワイヤ等からの力を失った可動部623が固定部624との間隔を狭めるように移動する。これにより、バーホルダー600は、トランスバースバー130を把持、あるいは解放することが可能となる。

【0059】
センタリングシャフト230の軸方向長さは、サイザーバー210および220、ならびにバーホルダー600の厚さを合計した長さよりも長く、好ましくは、サイザーバー210および220、フックホルダー500、バーホルダー600、ならびに後述されるナットの厚さを合計した長さ程度である。

【0060】
バーホルダー600を使用するとき、孔611にセンタリングシャフト230が挿入され、図示されないナットをセンタリングシャフト230の雄ねじと螺合させることによりバーホルダー600が軸方向に固定される。これにより、バーホルダー600がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能、すなわちバー把持部622がセンタリングシャフト230の軸を中心として旋回可能となる。

【0061】
バー把持部622からセンタリングシャフト230の軸までの距離は、センタリングシャフト230の軸から椎骨用先鋭部311および椎骨用凹部322までの距離、すなわちサイザー200がロッド10に固定されているときのセンタリングシャフト230の軸と、後述する棘突起31に空けられた孔32(図15参照)との距離と等しくなるように決定される。

【0062】
次に、図11を用いて、セットスクリュードライバ700について説明する。セットスクリュードライバ700は、把持回転部710と、把持固定部720と、保持管730を主に備える。

【0063】
把持回転部710は、T字ハンドル711と、トルク管理機構712と、ドライバシャフト713とを備える。T字ハンドル711は、T字形状であって、人間の手で握りやすい形状を有する。トルク管理機構712は、T字ハンドル711の回転軸に沿ってT字ハンドル711から延びる。トルク管理機構712は、T字ハンドル711からドライバシャフトに伝えられる回転トルクが所望の値を超えないように制御する。ドライバシャフト713は、T字ハンドル711の回転軸に沿ってトルク管理機構712から延びる円筒形の軸であって、先端にドライバ部714を備える。ドライバ部714は、六角柱形状、星形柱形状、または内側面が六角柱もしくは星形柱である円筒形状を有し、セットスクリュー140および150の頭部に設けられた溝または突起と係合可能である。把持固定部720は、略円柱形状を有し、外周面は径方向にわずかに突出する複数の部位を有する。これら複数の部位により、人間の手が把持固定部720を容易に確実に握ることができる。保持管730は、ドライバシャフト713の外直径よりもわずかに長い内直径を有する円筒形状である。保持管730の先端731は、円柱の外周面を2つの平行な面で削除した形状であって、平行に突出する2つの保持部732aおよび732bを有する。ドライバシャフト713を保持管730に挿入したとき、ドライバ部714が保持部732aおよび732bの間から突出する。

【0064】
セットスクリュードライバ700を使用するとき、施術者は、ドライバ部714にセットスクリュー140を取り付け、保持部732aおよび732bの間にフック110を挟んだ後、セットスクリュー140をスクリューホール114にねじ込む。そして、片手で把持固定部720を支持しながら、他方の手でT字ハンドル711を回転させる。これにより、ドライバシャフト713およびドライバ部714が回転する。保持部732aおよび732bの間にフック110が挟まれ、かつ把持固定部720が手で保持されているため、T字ハンドル711を回転させたときに、フック110が共回りせずに、セットスクリュー140がスクリューホール114にねじ込まれていく。所定のトルクに到達したとき、トルク管理機構712が音を発する。これを聞いた施術者は、T字ハンドル711を回転させることを止め、セットスクリュー140の取り付けを完了する。フック120およびセットスクリュー150に対しても同様の操作が行われ、セットスクリュー150がフック120に取り付けられる。

【0065】
次に、図12から19を用いて、トランスバース100をロッド10に取り付ける手段について説明する。ここでは、既にペディクルスクリュー20が椎骨30に挿入され、かつペディクルスクリュー20にロッド10が取り付けられているものとして説明する。

【0066】
まず始めに、図12を参照して、サイザー200をロッド10に取り付ける手段について説明する。施術者は、2本のサイザーバー210、220の一端を把持し、皮膚40および軟部組織41にわずかに空けられた穴42にロッド用把持端部212、222を挿入する。そして、ロッド用把持端部212、222の内周面にロッド10が係合するように、サイザーバー210、220の一端を握ると、ロッド用把持端部212、222の内周面にロッド10が把持されると共に、ロック機構240の働きにより、ロッド用把持端部212、222がロッド10から外れにくくなる。これにより、サイザー200がロッド10に取り付けられる。ロッド用把持端部212、222がロッド10を把持した後、施術者は、スケール部250の目盛りを参照することによって、2本のロッド10の間隔を知ることができる。施術者は、このロッド10の間隔を考慮して、トランスバースバー130の長さを決定する。穴42を利用することにより、切開せず経皮的にサイザー200をロッド10に取り付けることができる。

【0067】
次に図13を参照して、椎骨用オウル300を用いて棘突起31に孔を空ける手段について説明する。

【0068】
施術者は、第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の端部を把持して、穴42に椎骨用先鋭部311および椎骨用凹部322を挿入する。その後、施術者は、中空シャフト330の内周にセンタリングシャフト230を挿入する。そして、センタリングシャフト230にナットを取り付け、椎骨用オウル300がセンタリングシャフト230の軸方向に移動することを防止する。

【0069】
次に、施術者は、第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の端部を握ると、椎骨用先鋭部311と椎骨用凹部322との間隔が近づき、椎骨用先鋭部311と椎骨用凹部322とが棘突起31に衝突する。さらに施術者が第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の端部を握り込むと、椎骨用先鋭部311と椎骨用凹部322とが棘突起31に貫通し、孔32を空ける(図14参照)。センタリングシャフト230の軸から椎骨用先鋭部311の先端までの距離は、椎骨30の棘突起31に空けられる孔の位置に応じて予め決定されているため、施術者は、第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の端部を握るだけで、的確な位置に孔32を容易に空けることができる。

【0070】
椎骨用先鋭部311と椎骨用凹部322とが接触したことを施術者が手の感覚を介して確認すると、施術者は第1の椎骨用オウルバー310および第2の椎骨用オウルバー320の端部を操作して、椎骨用先鋭部311と椎骨用凹部322との間隔を開く。そして、センタリングシャフト230からナットを取り外し、椎骨用オウル300をセンタリングシャフト230から取り外す。これにより、椎骨用オウル300を用いて棘突起31に孔32を空ける手段が終了する。椎骨用オウル300を用いることにより、切開せず経皮的に棘突起31に孔32を空けることができる(図14参照)。

【0071】
次に図14を参照して、軟部組織用オウル400を用いて皮膚40および軟部組織41に孔43を空ける手段について説明する。

【0072】
施術者は、孔411の内周にセンタリングシャフト230を挿入する。そして、センタリングシャフト230にナットを取り付け、軟部組織用オウル400がセンタリングシャフト230の軸方向に移動することを防止する。その後、施術者は、オウルハンドル430を把持して、皮膚40および軟部組織41に軟部組織用先鋭部421を挿入する。そして、穴42に達するまで軟部組織用先鋭部421を挿入した後、オウルハンドル430を操作して、皮膚40および軟部組織41から軟部組織用先鋭部421を引き抜く。

【0073】
前述のように、貫入部420の曲率はトランスバースバー130の曲率と同じであり、センタリングシャフト230の軸から軟部組織用先鋭部421までの距離は、トランスバースバー130が設けられる位置に応じて決定されている。そのため、孔43の曲率は、トランスバースバー130の曲率と同じになり、孔43の位置は、孔43にトランスバースバー130を挿入したときに、トランスバースバー130が設けられる位置に連続して繋がる位置となる。

【0074】
軟部組織用先鋭部421を引き抜いた後、センタリングシャフト230からナットを取り外し、軟部組織用オウル400をセンタリングシャフト230から取り外す。これにより、軟部組織用オウル400を用いて軟部組織40に孔43を空ける手段が終了する。軟部組織用オウル400を用いることにより、切開せず経皮的に軟部組織40に孔43を空けることができる。

【0075】
次に図15を参照して、フックホルダー500を用いてロッド10にフック110を取り付ける手段について説明する。

【0076】
施術者は、フック操作部531を回転させて可動部523を開く。次に、突起525および突起526が2つのフックホルダー用凹部115と各々嵌合するように可動部523と固定部524との間にフック110を置き、フック操作部531を回転させて可動部523を閉じる。これにより、フック把持部522にフック110が固定される。

【0077】
次に、施術者は、フックホルダーハンドル530を把持して、フック把持部522およびフック110を穴42に挿入する。その後、施術者は、孔511の内周にセンタリングシャフト230を挿入する。そして、センタリングシャフト230にナットを取り付け、フックホルダー500がセンタリングシャフト230の軸方向に移動することを防止する。次に施術者は、フックホルダーハンドル530を操作して、フックホルダー500をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させ、フック110をロッド10に取り付ける。前述のように、フック把持部522に取り付けられたフック110のバーホール111からセンタリングシャフト230の軸までの距離は、センタリングシャフト230の軸とロッド10との位置関係に応じて決定されている。そのため、フックホルダー500をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させるだけで、バーホール111にロッド10が進入し、フック110がロッド10に取り付けられる。これにより、フックホルダー500を用いてロッド10にフック110を取り付ける手段が終了する。フックホルダー500を用いることにより、切開せず経皮的に穴42を介してフック110をロッド10に取り付けることができる。

【0078】
次に図16および17を参照して、バーホルダー600を用いて軟部組織41、孔32、およびフック110にトランスバースバー130を貫通させる手段について説明する。

【0079】
施術者は、前述のように、サイザー200のスケール部250を参照して、トランスバースバー130の長さを決定している。決定した長さのトランスバースバー130をバーホルダー600に取り付ける。すなわち、バー操作部631を回転させて可動部623と固定部624との間隔を開く。次に、可動部623と固定部624との間にトランスバースバー130を置き、バー操作部631を回転させて可動部623を閉じる。これにより、バー把持部622にトランスバースバー130が固定される。

【0080】
次に、施術者は、孔611の内周にセンタリングシャフト230を挿入する。そして、センタリングシャフト230にナットを取り付け、バーホルダー600がセンタリングシャフト230の軸方向に移動することを防止する。その後施術者は、バーホルダーハンドル630を把持してバーホルダー600をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させながら、トランスバースバー130を穴43に挿入する。そして、さらにバーホルダー600をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させ、トランスバースバー130を孔32およびバーホール111に進入させる。前述のように、バー把持部622の曲率はトランスバースバー130の曲率と同じであり、バー把持部622からセンタリングシャフト230の軸までの距離は、サイザー200がロッド10に固定されているときのセンタリングシャフト230の軸と孔32との距離と等しくなるように決定されている。そのため、バーホルダー600をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させるだけで、軟部組織41、棘突起31、およびフック110から抵抗を受けることなく、トランスバースバー130が穴43、孔32、およびバーホール111に容易に進入できる(図17参照)。これにより、バーホルダー600を用いて軟部組織41、孔32、およびフック110にトランスバースバー130を貫通させる手段が終了する。バーホルダー600を用いることにより、切開せず経皮的に軟部組織41、孔32、およびフック110にトランスバースバー130を貫通させることができる。

【0081】
次に図11および17を参照して、セットスクリュー140を用いてトランスバースバー130をフック110およびロッド10に仮固定する手段について説明する。

【0082】
施術者は、トランスバースバー130がバーホール111を完全に貫通していることを確認した後、セットスクリュードライバ700にセットスクリュー140を取り付け、穴42に先端731に挿入し、保持部732aおよび732bの間にフック110を挟んだ後、セットスクリュー140をスクリューホール114にねじ込む。そして、片手で把持固定部720を支持しながら、他方の手でT字ハンドル711を回転させる。保持部732aおよび732bの間にフック110が挟まれ、かつ把持固定部720が手で保持されているため、T字ハンドル711を回転させたときに、フック110が共回りせずに、セットスクリュー140がスクリューホール114にねじ込まれていく。ここでは、所定のトルクに到達するまでセットスクリュー140をスクリューホール114にねじ込まず、セットスクリュー140がトランスバースバー130に軽く接する程度までスクリューホール114にねじ込む。これにより、セットスクリュー140を用いてトランスバースバー130をフック110およびロッド10に仮固定する手段が終了する。穴42を利用することにより、切開せず経皮的にセットスクリュー140をスクリューホール114にねじ込むことができる。

【0083】
次に図18を参照して、フックホルダー500を用いてロッド10およびトランスバースバー130にフック120を取り付ける手段について説明する。

【0084】
前述と同様に、施術者は、フック操作部531を操作してフック把持部522にフック120を固定させる。次に施術者は、フックホルダーハンドル530を把持して、フック把持部522およびフック120を穴42に挿入する。その後、前述と同様に、施術者は、フックホルダー500をセンタリングシャフト230に取り付ける。次に施術者は、フックホルダーハンドル530を操作して、フックホルダー500をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させ、フック120をトランスバースバー130およびロッド10に取り付ける。前述のように、フック把持部522に取り付けられたフック120のバーホール121からセンタリングシャフト230の軸までの距離は、センタリングシャフト230の軸とロッド10との位置関係に応じて決定されている。そのため、フックホルダー500をセンタリングシャフト230の軸周りに旋回させるだけで、バーホール121にロッド10が進入し、フック120がロッド10に取り付けられる。

【0085】
次に施術者は、トランスバースバー130がバーホール121を完全に貫通していることを確認した後、前述と同様の手段により、セットスクリュー140がトランスバースバー130に軽く接する程度まで、セットスクリュードライバ700でセットスクリュー150をスクリューホール124にねじ込む。これにより、フックホルダー500を用いてロッド10にフック120を取り付ける手段が終了する。フックホルダー500を用いることにより、切開せず経皮的に穴42を介してフック120をロッド10およびトランスバースバー130に取り付けることができる。

【0086】
次に図11および19を参照して、セットスクリュー140、150を最終締めする手段について説明する。

【0087】
施術者は、保持部732aおよび732bの間にフック110を挟んだ後、セットスクリュードライバ700のドライバ部714にセットスクリュー140を嵌合させ、片手で把持固定部720を支持しながら、他方の手でT字ハンドル711を回転させる。保持部732aおよび732bの間にフック110が挟まれ、かつ把持固定部720が手で保持されているため、T字ハンドル711を回転させたときに、フック110が共回りせずに、セットスクリュー140がスクリューホール114にねじ込まれていく。所定のトルクに到達したとき、トルク管理機構712が音を発する。これを聞いた施術者は、T字ハンドル711を回転させることを止める。このとき、セットスクリュー140は、トランスバースバー130を押圧し、これにより、トランスバースバー130は長手方向に拘束される。バーホール111の一部はロッド開口部113に接しているため、押圧されたトランスバースバー130はロッド10に接触し、ロッド10をロッド開口部113に押しつける。そして突起127がロッド10に係合して、ロッド10の長手方向および周方向にフック110が拘束される。これにより、セットスクリュー140が最終締めされる。さらに同様の手法でセットスクリュー150を最終締めする。これにより、セットスクリュー140、150を最終締めする手段が終了する。トルク管理機構712を使用することにより、椎骨を破損すること無く、かつセットスクリュー140が緩むこと無く、トランスバース100を確実にロッド10に固定できる。

【0088】
本実施形態によれば、低侵襲手術において経皮的にトランスバース100を設置できる。

【0089】
トランスバースバー130が、棘突起31に設けられた孔32の内部を貫通するため、トランスバース100が椎骨30の突出方向に固定される。骨粗鬆症の患者は骨が脆いため、椎骨にペディクルスクリューを取り付ける場合、ねじが効かずに椎骨からペディクルスクリューが抜け出てくる恐れがある。しかしながら本実施形態ではトランスバース100が椎骨30の突出方向に固定されるため、椎骨30の突出方向への力、すなわち椎骨30から抜け出る力がペディクルスクリュー20に働いたとしても、ペディクルスクリュー20が椎骨30から抜け出ることがない。

【0090】
なお、椎骨用オウル300を用いて棘突起31に孔を空ける手段において、穴42に椎骨用先鋭部311および椎骨用凹部322を挿入する前に、中空シャフト330の内周にセンタリングシャフト230を挿入してもよい。

【0091】
同様に、軟部組織用オウル400を用いて皮膚40および軟部組織41に孔43を空ける手段において、孔411の内周にセンタリングシャフト230を挿入する前に、皮膚40および軟部組織41に軟部組織用先鋭部421を多少挿入してもよい。

【0092】
また、フックホルダー500を用いてロッド10にフック110を取り付ける手段において、フック把持部522およびフック110を穴42に挿入する前に、孔511の内周にセンタリングシャフト230を挿入して固定してもよい。

【0093】
また、バーホルダー600を用いて軟部組織41、孔32、およびフック110にトランスバースバー130を貫通させる手段において、孔611の内周にセンタリングシャフト230を挿入して固定する前に、トランスバースバー130を穴43に多少挿入してもよい。

【0094】
また、フックホルダー500を用いてロッド10およびトランスバースバー130にフック120を取り付ける手段において、フック把持部522およびフック120を穴42に挿入する前に、フックホルダー500をセンタリングシャフト230に取り付けてもよい。

【0095】
なお、所定の曲率は、前述の値に限定されない。トランスバースバーの長さは、前述の値に限定されず、長さの種類も6種類に限定されない。

【0096】
なお、孔241の端部が示すスケール部250の目盛りの値は、2本のロッド10の間隔でなく、2本のロッド10の軸間距離、2本のロッド10の外側の距離、または使用すべきトランスバースバー130の長さであってもよい。

【0097】
なお、ロック機構240は、孔241に限定されず、孔221とセンタリングシャフト230との間に設けられた摩擦抵抗など、サイザーバー210をサイザーバー220に対して機械的に固定するロック機構240であってもよい。

【0098】
なお、軟部組織用オウル400は常に用いられなくてもよい。軟部組織43が厚く、穴42からトランスバースバー130を容易に挿入できない場合にのみ用いられて、軟部組織40に孔を空けてもよい。

【0099】
なお、図中に示したトランスバース100の大きさを表す数字は例示であって、本発明によるトランスバース100の大きさは、これらの値に限定されない。

【0100】
なお、本明細書および図中に示した各部材の大きさを表す数字は例示であって、これらの値に限定されない。

【0101】
ここに付随する図面を参照して本発明の実施形態が説明されたが、記載された発明の範囲と精神から逸脱することなく、変形が各部の構造と関係に施されることは、当業者にとって自明である。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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