TOP > 国内特許検索 > 干渉型測距計および完全再帰反射体 > 明細書

明細書 :干渉型測距計および完全再帰反射体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6684623号 (P6684623)
公開番号 特開2016-188860 (P2016-188860A)
登録日 令和2年4月1日(2020.4.1)
発行日 令和2年4月22日(2020.4.22)
公開日 平成28年11月4日(2016.11.4)
発明の名称または考案の名称 干渉型測距計および完全再帰反射体
国際特許分類 G01B   9/02        (2006.01)
G01B  11/00        (2006.01)
G01C   3/06        (2006.01)
FI G01B 9/02
G01B 11/00 G
G01C 3/06 120Q
請求項の数または発明の数 8
全頁数 22
出願番号 特願2016-062591 (P2016-062591)
出願日 平成28年3月25日(2016.3.25)
優先権出願番号 2015066416
優先日 平成27年3月27日(2015.3.27)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成31年3月18日(2019.3.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
発明者または考案者 【氏名】佐藤 修一
個別代理人の代理人 【識別番号】100135828、【弁理士】、【氏名又は名称】飯島 康弘
審査官 【審査官】齋藤 卓司
参考文献・文献 特開平02-115701(JP,A)
中国特許出願公開第103076090(CN,A)
特開2012-132881(JP,A)
調査した分野 G01B 9/02
G01B 11/00
G01C 3/06
特許請求の範囲 【請求項1】
干渉可能な光を射出する光源と、
当該光源から射出され、第1の光軸に沿って進む前記干渉可能な光が入射され、当該入射された干渉可能な光を前記第1の光軸と同じ光軸に沿って進む第1の分岐光と、第2の
光軸に沿って進む第2の分岐光とに分岐する光分岐手段と、
前記第2の光軸の線上に位置し、前記光分岐手段と所定間隔を隔てて配置され、前記第2の分岐光が入射する参照体反射鏡と、
被測定対象を含み、前記被測定対象と対向する位置に配設された光路補償反射鏡とを含み、往復光路が完全に一致する光路を提供する、完全再帰反射体と
を有し、
前記完全再帰反射体からの第1の反射光が、前記光分岐手段に入射されて、前記参照体反射鏡からの第2の反射光と干渉するように構成されており、
前記完全再帰反射体は、
前記被測定対象として、前記第1の光軸と同じ光軸の線上に位置し、前記第1の分岐光が入射される位置に配設された反射鏡と、
前記光分岐手段と、前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設された偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記第1の分岐光が入射される前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、直交する2枚の反射板から構成された再帰反射体と、
前記被測定対象としての前記反射鏡に入射された前記第1の分岐光が反射される方向の前方に位置し、前記第1の光軸と同じ光軸と垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡と、
前記偏光ビームスプリッタと前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記偏光ビームスプリッタからの出射光を偏光する第1の偏光子と、
前記光路補償反射鏡と前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記光路補償反射鏡からの反射光を偏光する第2の偏光子と、
を有し、
前記光分岐手段から前記偏光ビームスプリッタへ入射して前記第1の光軸に交差する方向に反射された光が存在したとしても当該光は検出されない
干渉型測距計。
【請求項2】
干渉可能な光を射出する光源と、
当該光源から射出され、第1の光軸に沿って進む前記干渉可能な光が入射され、当該入射された干渉可能な光を前記第1の光軸と同じ光軸に沿って進む第1の分岐光と、第2の
光軸に沿って進む第2の分岐光とに分岐する光分岐手段と、
前記第2の光軸の線上に位置し、前記光分岐手段と所定間隔を隔てて配置され、前記第2の分岐光が入射する参照体反射鏡と、
被測定対象を含み、前記被測定対象と対向する位置に配設された光路補償反射鏡とを含み、往復光路が完全に一致する光路を提供する、完全再帰反射体と
を有し、
前記完全再帰反射体からの第1の反射光が、前記光分岐手段に入射されて、前記参照体反射鏡からの第2の反射光と干渉するように構成されており、
前記完全再帰反射体は、
前記被測定対象として、前記第1の光軸と同じ光軸の線上に位置し、前記第1の分岐光が入射される位置に配設された、平面鏡からなる反射鏡と、
前記光分岐手段と、前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設された偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記第1の分岐光が入射される前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、直交する2枚の反射板から構成された再帰反射体と、
前記被測定対象としての前記反射鏡に入射された前記第1の分岐光が反射される方向の前方に位置し、前記第1の光軸と同じ光軸と垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡と、
前記偏光ビームスプリッタと前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記偏光ビームスプリッタからの出射光を偏光する第1の偏光子と、
前記光路補償反射鏡と前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記光路補償反射鏡からの反射光を偏光する第2の偏光子と、
を有する、
渉型測距計。
【請求項3】
干渉可能な光を射出する光源と、
当該光源から射出され、第1の光軸に沿って進む前記干渉可能な光が入射され、当該入射された干渉可能な光を前記第1の光軸と同じ光軸に沿って進む第1の分岐光と、第2の
光軸に沿って進む第2の分岐光とに分岐する光分岐手段と、
前記第2の光軸の線上に位置し、前記光分岐手段と所定間隔を隔てて配置され、前記第2の分岐光が入射する参照体反射鏡と、
被測定対象を含み、前記被測定対象と対向する位置に配設された光路補償反射鏡とを含み、往復光路が完全に一致する光路を提供する、完全再帰反射体と
を有し、
前記完全再帰反射体からの第1の反射光が、前記光分岐手段に入射されて、前記参照体反射鏡からの第2の反射光と干渉するように構成されており、
前記完全再帰反射体は、
前記被測定対象として、前記第1の光軸と同じ光軸の線上に位置し、前記第1の分岐光が入射される位置に配設された反射鏡と、
前記光分岐手段と、前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設された偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記第1の分岐光が入射される前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、コーナーキューブリフレクタで構成された再帰反射体と、
前記被測定対象としての前記反射鏡に入射された前記第1の分岐光が反射される方向の前方に位置し、前記第1の光軸と同じ光軸と垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡と、
前記偏光ビームスプリッタと前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記偏光ビームスプリッタからの出射光を偏光する第1の偏光子と、
前記光路補償反射鏡と前記被測定対象としての前記反射鏡との間に配設され、前記光路補償反射鏡からの反射光を偏光する第2の偏光子と、
前記コーナーキューブリフレクタで構成された再帰反射体の出射光が前記偏光ビームスプリッタに向かう光路に配設され、楕円偏光および斜め偏光を直線偏光に修正する、第3の偏光子および第4の偏光子と
を有する、
渉型測距計。
【請求項4】
当該干渉型測距計は、前記光分岐手段を挟んで、前記参照体反射鏡と対向する側に配設され、前記光分岐手段からの干渉光を受光する、光検出器をさらに有する、
請求項1~のいずれかに記載の干渉型測距計。
【請求項5】
当該干渉型測距計は、前記光検出器で検出した検出信号に対応する電気信号を入力し、当該入力した信号から前記被測定対象までの距離を演算する演算器をさらに有する、
請求項に記載の干渉型測距計。
【請求項6】
前記光源は、干渉可能な単色なレーザー光を射出するレーザー光源を含み、
前記光分岐手段は、ビームスプリッタを含む、
請求項1~のいずれかに記載の干渉型測距計。
【請求項7】
第1の光学素子と、当該第1の光学素子からの第1の光が入射する第1の光軸と同じ光軸の線上に位置し前記第1の光が入射される位置に配設された反射鏡を有する第2の光学素子との間に配設され、往路と復路が一致する光を提供する完全再帰反射体であって、
前記第2の光学素子の前記反射鏡としての平面鏡と、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に配設される偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記第1の光学素子から前記第1の光が入射される前記第2の光学素子との間に配設され、直交する2枚の反射板から構成された再帰反射体と、
前記第2の光学素子に入射された前記第1の光が反射される方向の前方に位置し、前記第1の光軸と同じ光軸と垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡と、
前記偏光ビームスプリッタと前記第2の光学素子との間に配設され、前記偏光ビームスプリッタからの出射光を偏光する第1の偏光子と、
前記光路補償反射鏡と前記第2の光学素子との間に配設され、前記光路補償反射鏡からの反射光を偏光する第2の偏光子と、
を有する、
完全再帰反射体。
【請求項8】
第1の光学素子と、当該第1の光学素子からの第1の光が入射する第1の光軸と同じ光軸の線上に位置し前記第1の光が入射される位置に配設された反射鏡を有する第2の光学素子との間に配設され、往路と復路が一致する光を提供する完全再帰反射体であって、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に配設される偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと、前記第1の光学素子から前記第1の光が入射される前記第2の光学素子との間に配設され、コーナーキューブリフレクタで構成された再帰反射体と、
前記第2の光学素子に入射された前記第1の光が反射される方向の前方に位置し、前記第1の光軸と同じ光軸と垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡と、
前記偏光ビームスプリッタと前記第2の光学素子との間に配設され、前記偏光ビームスプリッタからの出射光を偏光する第1の偏光子と、
前記光路補償反射鏡と前記第2の光学素子との間に配設され、前記光路補償反射鏡からの反射光を偏光する第2の偏光子と、
前記コーナーキューブリフレクタで構成された再帰反射体の出射光が前記偏光ビームスプリッタに向かう光路に配設され、楕円偏光および斜め直線偏光を直線偏光に修正する、第3の偏光子および第4の偏光子と
を有する、
完全再帰反射体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は干渉型測距計および完全再帰反射体に関する。
本発明は特に、被測定体などの光学素子の精密なアライメント(姿勢決め、または、位置決め)を必要としない干渉型測距計、好ましくは、レーザー干渉型測距計に関する。
本発明はより特定的には、被測定体を含み、往復光路が完全に一致する光線を提供する完全再帰反射体を構成し、その完全再帰反射体を用いて干渉型測距計を構成する光学系のミスアライメントに依存しない干渉型測距計に関する。
【背景技術】
【0002】
測距装置として、たとえば、特許文献1(米国特許第4,509,858号明細書)、特許文献2(特開昭62-177403号公報)の第1図および第2図に図解されている、または、非特許文献1に記載されている二光線干渉計の1つであるマイケルソン干渉計が知られている。
【0003】
このようなマイケルソン干渉計を、たとえば、図1に図解した干渉計を参照して述べる。
図1に図解した干渉計は、光源としてレーザー光源100を用い、ビームスプリッタ(BS)120でレーザー光源100から射出されたレーザー光線Lを光路A、Bを進む光線に分岐し、光路B線上の固定した場所に位置する参照体としての第2の反射鏡131の位置を基準にして、主光路Mの延長上にある光路Aの線上に位置し、被測定体としての第1の反射鏡141の位置または変位を、第2の反射鏡(参照体)131からBS120へ入射する第2の戻り光と、被測定体(第1の反射鏡)141からBS120へ戻る第1の戻り光との干渉光を、たとえば、光の強度として光検出器150で検出する。
好ましくは、干渉計に、または、干渉計の外部に、光検出器150からの電気信号に基づいて被測定体としての第1の反射鏡141の距離を演算する演算器(図示せず)が設けられる。
【0004】
干渉計が理想的な場合、光路Aと光路Bとの光学的距離の差に応じて、光検出器150で観測される干渉光Lmの光強度は、図1に例示したように、明暗に変化する。
最も明るくなった時の光強度に対する電圧をVmaxとし、最も暗くなった時との光強度に対する電圧をVminとすると、光のコントラスト(明瞭度)Cは下記式1で定義できる。
【0005】
C=(Vmax-Vmin)/(Vmax+Vmin) …(1)
【0006】
干渉計が理想的な場合、コントラストCは1(100%)である。
たとえば、マイケルソン干渉計を構成する光学素子、特に、被測定体を含めた光学素子のアライメントを充分精度よく行えば、レーザー光の量子雑音の感度で精密に、被測定体の位置または変位を特定することが可能である。
【0007】
他方、レーザー干渉型測距計を構成する光学系が非対称性などにより干渉効率が低下するとコントラストCは低下する。
そのような場合としては、たとえば、被測定体(たとえば、図1における第1の反射体141)のアライメントを精密に行うことが出来ない場合、あるいは、被測定体のアライメントを精密に行った後、振動、経年変化などにより精密な被測定体のアライメントを維持できない場合など、いわゆる、ミスアライメント(アライメントのずれ)が起こる場合がある。
このようなミスアライメントが起こった場合、ミスアライメントした被測定体(たとえば、図1における第1の反射鏡141)からビームスプリッタ(BS)(たとえば、図1におけるBS120)への第1の戻り光は、参照体(たとえば、図1における第2の反射鏡131)からBS120への第2の戻り光とは理想的には干渉しない。その結果、干渉効率が低下して、感度が低下し(コントラストCが低下し)、さらには干渉信号を得ることもできないことも起こりうる。
【0008】
特許文献7(特表2005-525548号公報)、および、特許文献8(特表2007-526450号公報)は、平面ミラー干渉計におけるビーム・ミスアライメントを補償する方法を開示する。
【0009】
他方、新規な光学素子を用い、レーザー干渉型測距計の構成を改善する提案も多々存在する。
たとえば、特許文献3(特開平9-126712号公報)は、ダブルパス測長機におけるアライメント作業を改善し、測定精度を向上させるため、被測定体(たとえば、図1における反射体141)としての平面反射鏡に代えてコーナーキューブリフレクタ(または、コーナープリズムとも言う)を用いたレーザー干渉型測距計を開示する。
【0010】
コーナーキューブリフレクタは、直交3方向の隅部(角部)が90度の角度になっていて、入射光の角度が如何なる方向であってもその反射光を入射光と平行にして射出するプリズムである。
なお、図解の制約により、コーナーキューブリフレクタを3次元では図解できず、コーナーキューブリフレクタを、便宜的に、2回反射するように図解している。
【0011】
また、たとえば、特許文献4(特開2012-13427号公報)、特許文献5(特開2013-3124号公報)は、追尾式レーザー干渉計において、移動方向と直交する方向におけるずれ量との測定に係る測定時間を短縮する発明を開示する。
【0012】
さらに、特許文献6(特開平7-260417号公報)も可動再帰反射装置を用いたレーザー干渉型測距計を開示する。
【先行技術文献】
【0013】

【特許文献1】米国特許第4,509,858明細書
【特許文献2】特開昭62-177403号公報
【特許文献3】特開平9-126712号公報
【特許文献4】特開2012-13427号公報
【特許文献5】特開2013-3124号公報
【特許文献6】特開平7-260417号公報
【特許文献7】特表2005-525548号公報
【特許文献8】特表2007-526450号公報
【0014】

【非特許文献1】Mark A. Zumberge,et.al,Resolving quadrature fringes in real time, APPLIED OPITICS,1 Febreary 2004/Vol.43,No.4,pp.771-775,
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
たとえば、特許文献3に開示されているように、コーナーキューブリフレクタを用いると被測定体への入射光と反射光(戻り光)との平行性が保証されるので、参照光と測定光の可干渉性はある程度保証される。
【0016】
しかしながら、特許文献3に開示されているコーナーキューブリフレクタを用いた従来技術は、被測定体への入射光と反射光との平行性は理想的には完全に保証するものの、被測定体への入射光と反射光との両者の空間的な距離は原理的に固定することができず、どのような位置関係で入射光がコーナーキューブリフレクタに入射したかによって入射光と反射光の位置関係が変化する。
すなわち、被測定体への入射光と反射光の平行移動まで含めた広い意味でのミスアライメントによる干渉効率の低下および欠損は、コーナーキューブリフレクタを用いるだけでは完全に克服することはできず、精度の高い位置および/または変位の測定が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、上記課題を克服して、構造が簡単でありながら、被測定体が変位、回転などしても、精度の高い位置、および/または、変位の測定を可能にする、レーザー干渉型測距計を提供することにある。
【0018】
また本発明の目的は、上記干渉型測距計などに適用可能な、精度の高く、調整不要な完全再帰反射体を提供することにある。
【0019】
本発明は、再帰反射体と、当該再帰反射体と対向する位置に配設された光路補償反射鏡とを有する完全再帰反射体をレーザー干渉型測距計に設けたことを特徴とする。
当該完全再帰反射体により、被測定体のアライメントの良否に係わらず、往復光路が完全に一致する光線を提供することができる。
【0020】
第1形態の完全再帰反射体および干渉型測距計
第1形態の本発明によれば、
a.干渉可能な光を射出する光源(たとえば、レーザー光源)と、
b.第1の光軸(たとえば、主光路)に沿って進む当該光源から射出された干渉可能な光が入射され、当該入射された干渉可能な光を第1の光軸と同じ光軸(たとえば、第1の光路A)に沿って進む第1の分岐光と、第2の光軸(たとえば、第2の光路B)に沿って進む第2の分岐光とに分岐する光分岐手段(たとえば、ビームスプリッタ)と、
c.第2の光軸(たとえば、第2の光路)の線上に光分岐手段と所定間隔を隔てて配置され、参照体として機能する参照体反射鏡(たとえば、第1の平板状反射鏡)と、
d.被測定体に設けられた再帰反射体、当該再帰反射体に対向する位置に配設された光路補償反射鏡を含み、往復光路が完全に一致する光線を提供する完全再帰反射体と
を有し、
参照体反射鏡からの第2の反射光と、完全再帰反射体からの第1の反射光とが、光分岐手段に入射されて、その光分岐手段で干渉するように構成されている、干渉型測距計が提供される。
【0021】
第1形態の完全再帰反射体は、(a)第1の光軸と同じ光軸(光路A)の線上に位置する被測定体上で、第1の分岐光が入射される位置に配設された再帰反射体と、(b)再帰反射体に入射された第1の分岐光が反射される方向の前方に位置し、第1の光軸と同じ光軸(光路A)に対して垂直な反射面を持つ光路補償反射鏡とを有する。
【0022】
本発明の第1形態の干渉型測距計において、再帰反射体への入射光である第1の干渉可能な光(たとえば、L1i)は、再帰反射体によって反射されて光路補償反射鏡に入射し、光路補償反射鏡はこれを垂直反射する。その結果、往復光が完全に同じ光路(または光軸)を辿る。
このように、光路(光軸)中に挟む再帰反射体のアライメントに依存せず、反射光は光源の射出光軸(たとえば、主光路M、第1光軸)に沿って光源に戻る。
【0023】
このメカニズムおよび機能を有する完全再帰反射体を、たとえば、レーザー干渉型測距計に適用した結果、被測定体としての再帰反射体がどのように、変位・回転などの種々の動きをしても、反射光の光軸(または、光路A(または、第2光軸))は、不変に保たれる。なお,光路Cなどは平行移動する。その結果、レーザー干渉型測距計における、再帰反射体からの第1の反射光(たとえば、L1r)と、参照体反射鏡(たとえば、反射鏡31)からの第2の反射光(たとえば、L2r)との可干渉性が理想的に保証されて良好なコントラストCを得ることができる。
その結果、本発明の干渉型測距計は、アライメントフリーな干渉計測を可能とする。
このように、本発明によれば、被測定体としての再帰反射体のアライメントを精密に行うこと、または、被測定体(たとえば、再帰反射体)のアライメントを制御することなく、自動的に初期調整時の干渉効率を維持することができる。
【0024】
本発明によれば、アライメント調整が難しい被測定体、時間変動する(経時変化する)被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うこと可能となる。
さらに、被測定体として、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計にも適用可能であり、レーザー光を照射して距離測定するレーザー測距儀として活用することができる。
【0025】
第2形態の完全再帰反射体および干渉型測距計
本発明による第2形態の完全再帰反射体は、たとえば、空間的制約のため、第1形態の再帰反射体の配設位置に再帰反射体が配設できない場合があり、下記の構成をとる。
(a)第1の光軸と同じ光軸(光路A)の線上に位置し、第1の分岐光が入射される被測定体上に配設された反射鏡と、(b)光分岐手段と反射鏡との間に配設された偏光ビームスプリッタ(PBS)と、(c)PBSと、第1の分岐光が入射される被測定体に配設された反射鏡との間に配設された再帰反射体と、(d)反射鏡と対向する位置に配設された光路補償反射鏡と、(e)PBSと反射鏡との間に配設された第1の偏光子(たとえば、1/4波長板)と、光路補償反射鏡と反射鏡とを結ぶ光路上でPBSと反射鏡との間に配設される第2の偏光子(たとえば、1/4波長板)とを有する。
【0026】
本発明の第2形態の完全再帰反射体は、第1形態の完全再帰反射体と同様、光路補償反射鏡と再帰反射体とを有し、光路(光軸)中に挟む被測定体としての反射体のアライメントに依存せず、反射光は光源の射出光軸(たとえば、主光路M、第1光軸)に沿って光源に戻る。
このメカニズムおよび機能を有する完全再帰反射体を、たとえば、レーザー干渉型測距計に適用した結果、被測定体としての反射体がどのように、変位・回転などの種々の動きをしても、反射光の光軸(たとえば、光路A(または、第2光軸))は、不変に保たれる。なお,光路Cなどは平行移動する。その結果、レーザー干渉型測距計における、再帰反射体からの第1の反射光(L1r)と参照体反射鏡からの第2の反射光(L2r)との可干渉性が常に保証される。
第2形態の完全再帰反射体を有する本発明の干渉型測距計は、アライメントフリーな干渉計測を可能とする。
このように、第2形態の完全再帰反射体を適用すると、上記第1形態のレーザー干渉型測距計と同様、被測定体としての反射体のアライメントを精密に行うこと、または、被測定体のアライメントを制御することなく、自動的に初期調整時の干渉効率を維持することができる。
【0027】
本発明の第2形態のレーザー干渉型測距計によれば、上記第1形態のレーザー干渉型測距計と同様、アライメント調整が難しい被測定体、時間変動する(経時変化する)被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うことも可能となる。
さらに、被測定体として、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計にも適用可能であり、レーザー光を照射して距離を測定するレーザー測距儀として活用することができる。
【0028】
第3形態の完全再帰反射体および干渉型測距計
本発明による完全再帰反射体の第3形態は、第2形態の干渉型測距計と同様、空間的制約のため第1形態の再帰反射体の配設位置に再帰反射体が配設できない場合の改善策を講じたので、さらに、第2形態における完全再帰反射体を構成する再帰反射体としてコーナーキューブリフレクタを用いた場合の完全再帰反射体である。
なお、再帰反射体としてコーナーキューブリフレクタを用いた場合、出射光が楕円偏光および斜め直線偏光成分を含むので、これを補償して(光のPBSへの入射面に対して水平または垂直な)直線偏光とするため、たとえば、1/4波長板を用いた第3の偏光子、および、たとえば、1/2波長板を用いた第4の偏光子を付加している。
【0029】
第3形態の完全再帰反射体は、下記の構成をとる。
(a)第1の光軸と同じ光軸(光路A)の線上に位置し、第1の分岐光が入射される被測定体上に配設された反射鏡と、(b)光分岐手段と反射鏡との間に配設された偏光ビームスプリッタ(PBS)と、(c)PBSと、第1の分岐光が入射される被測定体に配設された反射鏡との間に配設された、コーナーキューブリフレクタの再帰反射体と、(d)反射鏡と対向する位置に配設された光路補償反射鏡と、(e)PBSと反射鏡との間に配設された第1の偏光子(たとえば、1/4波長板)と、光路補償反射鏡と反射鏡とを結ぶ光路上でPBSと反射鏡との間に配設される第2の偏光子(たとえば、1/4波長板)と、(f)コーナーキューブリフレクタの再帰反射体の出射光が偏光ビームスプリッタ(PBS)に向かう光路に配設された、第3の偏光子(たとえば、1/4波長板)、および、第4の偏光子(たとえば、1/2波長板)とを有する。
【0030】
本発明の第3形態の完全再帰反射体は、再帰反射体としてコーナーキューブリフレクタを用いても、第2形態の完全再帰反射体と同様、光路補償反射鏡と再帰反射体とを有し、光路(光軸)中に挟む被測定体としての反射体のアライメントに依存せず、反射光は光源の射出光軸(たとえば、主光路M、第1光軸)に沿って光源に戻る。
このメカニズムおよび機能を有する完全再帰反射体を、たとえば、レーザー干渉型測距計に適用した結果、被測定体としての反射体がどのように、変位・回転などの種々の動きをしても、反射光の光軸(たとえば、光路A(または、第2光軸))は、不変に保たれる。なお,光路Cなどは平行移動する。その結果、レーザー干渉型測距計における、再帰反射体からの第1の反射光(L1r)と参照体反射鏡からの第2の反射光(L2r)との可干渉性が常に保証される。
第3形態の完全再帰反射体を有する本発明の干渉型測距計は、アライメントフリーな干渉計測を可能とする。
このように、第3形態の完全再帰反射体を適用すると、上記第2形態のレーザー干渉型測距計と同様、被測定体としての反射体のアライメントを精密に行うこと、または、被測定体のアライメントを制御することなく、自動的に初期調整時の干渉効率を維持することができる。
【0031】
本発明の第3形態のレーザー干渉型測距計によれば、上記第2形態のレーザー干渉型測距計と同様、アライメント調整が難しい被測定体、時間変動する(経時変化する)被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うことも可能となる。
さらに、被測定体として、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計にも適用可能であり、レーザー光を照射して距離を測定するレーザー測距儀として活用することができる。
【0032】
好ましくは、本発明の干渉型測距計は、前記光分岐手段を挟んで、前記第2の反射鏡と対向する側に配設され、前記光分岐手段からの干渉光を受光する光検出器をさらに有する。
【0033】
また好ましくは、当該干渉型測距計は、光検出器で検出した信号に対応する電気信号を入力し、当該入力した信号から前記被測定体までの距離を演算する演算器をさらに有する。
【0034】
また好ましくは、前記光源は、干渉可能な単色なレーザー光を射出するレーザー光源を含み、前記光分岐手段はビームスプリッタを含む。
【0035】
このように、本発明によれば、アライメント調整が難しい被測定体、時間変動する被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うことも可能となる。
さらに、被測定体として、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計にも適用可能であり、レーザー光を照射して距離測定するレーザー測距儀として活用することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、構造が簡単でありながら、被測定体が変位、回転などしても、精度の高い位置および/または変位の測定を可能にする、レーザー干渉型測距計を提供することができる。
【0037】
また本発明によれば、たとえば、干渉型測距計などに適用可能な、高精度で、調整が不要な干渉型測距計完全再帰反射体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】レーザー干渉型測距計の基本構成図である。
【図2】本発明の実施の形態のレーザー干渉型測距計の構成図である。
【図3】図2に図解したレーザー干渉型測距計における再帰反射体のアライメントを示す図である。
【図4】第1実施の形態の実験結果を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施の形態のレーザー干渉型測距計の構成図である。
【図6】図6(A)、(B)は図5に図解した第2実施の形態のレーザー干渉型測距計の部分拡大図である。
【図7】本発明の第3実施の形態のレーザー干渉型測距計の構成図である。
【図8】本発明の1実施の形態としてのユニット化した完全再帰反射体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
干渉型測距計
添付した図2~図7を参照して本発明の干渉型測距計の実施の形態を述べる。

【0040】
第1実施の形態
図2は本発明の干渉型測距計の第1実施の形態のレーザー干渉型測距計の構成図である。
第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、干渉可能な光を射出する光源、好ましくは、干渉可能なレーザー光を射出するレーザー光源10を有する。
レーザー干渉型測距計1はさらに、レーザー光源10から射出されたレーザー光が進行する方向の光路(これを主光路M、または、第1光軸という)の線上に位置するビームスプリッタ(BS)20と、参照体反射鏡31と、被測定体に配設された再帰反射体(レトロリフレクタ)60と、光路補償反射鏡41とを有する。
参照体反射鏡31および光路補償反射鏡41は、好ましくは、図示しない反射鏡支持部に設けられている。
なお、参照体反射鏡31は、距離測定の基準位置を規定するため、被測定体に配置された再帰反射体60と異なる方向に配設された、たとえば、平板状反射鏡で構成されている。
また、光路補償反射鏡41は、被測定体に配置された再帰反射体60のミスアライメントに基づく光路のずれを補償するため、再帰反射体60に正対した位置に配設される、たとえば、平板状反射鏡で構成されている。
レーザー干渉型測距計1はさらに光検出器50と演算器80とを有することができる。

【0041】
再帰反射体60は、たとえば、直交する2枚の鏡で構成されたもの(たとえば、図2における第1、第2の反射板60a、60b)、または、コーナーキューブリフレクタを用いることができる。
被測定体としてコーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体60を配設することは、たとえば、特許文献3に図解した構成に類似する。しかしながら、本実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、特許文献3に開示されているレーザー干渉型測距計とは異なり、被測定体としての再帰反射体60(コーナーキューブリフレクタ)と協働する光路補償反射鏡41を設けたことにより、往復光路が完全に一致する光線を提供する、完全再帰反射体40を構成している。その詳細な説明は後述する。

【0042】
参照体反射鏡31は、距離測定の基準となるものであり、光路B(または、第2光軸)の線上において、ビームスプリッタ(BS)20と所定間隔隔てた位置に配設されている。

【0043】
主光路M(第1光軸)と同じ方向の光路A(第2光軸)の線上には被測定体上に再帰反射体60が配設されている。
さらに、光路A(第2光軸)と平行する再帰反射体内の光路C(第4光軸)の、再帰反射体60の反射光L3iが進む前方の位置に、光路補償反射鏡41が配設されている。たとえば、平面鏡で構成されている光路補償反射鏡41の反射面は、光路A(第2光軸)または光路C(第4光軸)と垂直である。

【0044】
再帰反射体60は、直交する2枚の鏡で構成されたもの、すなわち、図2における第1、第2の反射板60a、60bで構成されたものを用いることができる。

【0045】
または、後述する第2および第3実施の形態における偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いず、楕円偏光および斜め直線偏光の影響を受けない本実施の形態においては、再帰反射体60としてコーナーキューブリフレクタを用いることができる。
コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体60は、コーナー(角部)が90度で直交する3つの辺(面)からなり、たとえば、1つの辺(面)に入射した光がその辺と対向する第2の辺(面)に向けて反射され、そこ(第2の辺(面))で反射して、第3の辺に向けて反射され、第3の辺から入射光と平行する光を出射して、光路補償反射鏡41に入射するという特性を持つ。
なお、図解の制約により、コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体60を3次元では図解できず、2次元でしか図解できないので、コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体60を、便宜的に、2回反射するように図解している。

【0046】
なお、ここで述べる実施の形態においては、 再帰反射体60は、直交する2枚の鏡で構成されたもの、すなわち、図2における第1、第2の反射板60a、60bで構成されたものを用いた場合について述べる。

【0047】
図3は被測定体としての再帰反射体60のアライメントのずれ(ミスアライメント)を説明するため、図2の干渉型測距計の構成および光線軌跡を概略的に示した図である。再帰反射体60が入射光に対して正対している時の再帰反射体60を符号60Aで示し、ミスアライメントの場合の再帰反射体60を符号60Bで示している。
本発明のレーザー干渉型測距計は、そのような再帰反射体60のミスアライメントに起因する光路のずれを補償する光路補償反射鏡41を設けており、そのようなミスアライメントがある場合でも正確な距離測定を可能とする。

【0048】
図2に図解したレーザー干渉型測距計1の光線軌跡について述べる。
レーザー光源10から射出された干渉可能なレーザー光Lは、主光路M(第1光軸)に沿って進み、二光線束分岐手段としてのビームスプリッタ(BS)20に入射する。
BS20に入射光したレーザー光Lは、BS20において下記2つの光線に分岐されて出力される。
入射した光を異なる2方向の分岐光として射出するBS20による2方向の分岐光は、マイケルソン干渉計において、必ずしも、水平方向と垂直方向とに直交している必要はないが、図解の例示においては、2方向の分岐光が直交している場合を例示する。

【0049】
第1の分岐光線L1i
主光路Mの延長線上に位置する光路Aに沿って被測定体としての再帰反射体60に入射する第1の分岐光L1i

【0050】
第2の分岐光L2i
主光路Mおよび光路Aと分岐する方向の光路Bの前方に位置する参照体反射鏡31に入射する第2の分岐光L2i

【0051】
参照体反射鏡31に入射した第2の分岐光L2iは、参照体反射鏡31で反射され、第2の反射光(第2の戻り光)L2rとして、BS20に入射する。

【0052】
再帰反射体60の第1の面60aに入射した第1の分岐光L1iは、その面60aで反射されて面60aと対向する第2の面60bに入射する。第2面60bに入射した光はそこで反射されて、第3の光L3iとして光路補償反射鏡41に入射する。
光路補償反射鏡41に入射した第3の光L3iは、そこで反射されて第3の反射光L3rとして、再帰反射体60の第2の面60bに入射する。
再帰反射体60の第2の60bに入射した第3の反射光L3rは、その面60bで反射して第1の面60aに入射し、その面で反射されて光路Aに沿ってBS20に入射する。

【0053】
BS20、再帰反射体60および光路補償反射鏡41による光学系において、BS20、再帰反射体60、光路補償反射鏡41に向かう往路光と、光路補償反射鏡41により反射されて、再帰反射体60、BS20に戻る戻り光とは、同じ光路、すなわち、光路Aとこの光路Aと平行する光路Cを通る。
このように、BS20には、光路Bに沿って入射する参照体反射鏡31からの第2の反射光(第2の戻り光)L2rと、光路Aおよび光路Cに沿って進行する(伝播する)、再帰反射体60と光路補償反射鏡41に入射されて戻る第1の反射光(第1の戻り光)L1rとが入射する。
これらの光は干渉可能な光であるから、第1の反射光L1rと第2の反射光L2rとは干渉する。

【0054】
測定される干渉光L3の波形の例を図2に図解した。
光検出器50は、検出した電圧から光強度を検出して、干渉光の強度に応じた電気信号を出力する。
干渉光L3は、光路Aと光路Bとの光学的距離の差に応じて、光強度明暗に変化する。たとえば、検出器50で検出した、最も明るくなった時の光強度に対する電圧をVmaxとし、最も暗くなった時との光強度に対する電圧をVminとする。

【0055】
演算器80は、演算処理機能を有する装置、たとえば、コンピュータを内蔵しており、式1を参照して、光検出器50から出力された光のコントラスト(明瞭度)Cを示す信号から再帰反射体60の距離などを演算する。

【0056】
第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1において上述したように、(1)被測定体に配設された再帰反射体60と光路補償反射鏡41とを組み合わせ、(2)光路Aと光路Cとの往復光路構成とすることにより、往復光路が完全に一致する、「完全再帰反射体」40を実現している。
すなわち、被測定体に配設された再帰反射体60への入射光である第1の分岐光L1iは、再帰反射体60によって反射されて光路Cを進むが、この反射光を光路補償反射鏡41によって垂直反射させる。その結果、光路補償反射鏡41からの戻り光が完全に同じ光路C及び光路A(または第1光軸)を辿るため、最終的には第1の反射光L1rは、第1の分岐光l1iと同じ光路を戻り、BS20に入射して、BS20により反射される。

【0057】
この完全再帰反射体40のメカニズムおよび機能をレーザー干渉型測距計、たとえば、レーザー干渉型測距計に適用した本実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、被測定体に配設された再帰反射体60がどのように、変位・回転などの種々の動きをしても(たとえば、被測定体がミスアライメントしていても)、光路補償反射鏡41からの光軸(光路A)は不変に保たれる。その結果、レーザー干渉型測距計1における、再帰反射体60からの第1の反射光L1rと参照体反射鏡31からの第2の反射光L2rとの可干渉性が常に保証される。

【0058】
このように、本発明の第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、往復光路が完全に一致する光線を提供する「完全再帰反射体」を構成しているので、再帰反射体60がどのように動いてもアライメントフリーな干渉計測を可能とする。
また、被測定体(再帰反射体60)のアライメントを精密に行うこと、または、被測定体のアライメントを精密に制御することなく、自動的に初期調整時の干渉効率を維持することができる。
他方、アライメント調整が難しい被測定体(たとえば、再帰反射体60)、時間変動する被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うことも可能となる。

【0059】
図4は第1実施の形態としてのレーザー干渉型測距計1の実験結果を示すグラフである。横軸は被測定体のミスアライメント(単位、ラジアン)を示し、縦軸はコントラストC(明瞭度)を示す。
曲線CV1は、図1に図解した従来技術としてのレーザー干渉型測距計による結果を示す曲線である。曲線CV2は、図2に図解したレーザー干渉型測距計による結果を示す曲線である。

【0060】
従来技術のレーザー干渉型測距計に基づく曲線CV1は、ミスアライメントが増加するに伴い、コントラストCが急激に低下することを示している。
他方、本実施の形態のレーザー干渉型測距計による結果を示す曲線CV2は、原理的には、コントラストCはどこまでも低下しない。ただし、この例では、ミスアライメントが大きくなることでビームの移動量が光学素子の大きさを超えてしまったことによってコントラストの低下が起こっている。換言すれば、ミスアライメントはコントラストCを低下させることを示している。
このように、図2に図解したレーザー干渉型測距計1において、再帰反射体60と協働する光路補償反射鏡41を用いて、往復光路が完全に一致する光線を提供する、完全再帰反射体を構成した光学機構40を適用することによる効果が実証された。

【0061】
第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、被測定体として再帰反射体60、および、光路補償反射鏡41で構成する「完全再帰反射体」40を用いて、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計に適用可能であり、レーザー光を照射して距離測定するレーザー測距儀として活用することができる。

【0062】
第1実施の形態のレーザー干渉型測距計は、上述したように、再帰反射体60と協働する光路補償反射鏡41を追加配設するという簡単な構造で、上述した顕著な効果を奏することができた。

【0063】
第2実施の形態
図5および図6(A)、(B)を参照して第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1について述べる。
図2および図3を参照して述べた第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、被測定体に再帰反射体60を配設可能な場合について述べた。図5、図6(A)、(B)を参照して述べる第2実施の形態は、被測定体に上記再帰反射体60を取り付けることが難しい場合でも適用可能なレーザー干渉型測距計について述べる。
図5は第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1の全体構成図である。図6(A)、(B)は図5に図解したレーザー干渉型測距計の部分拡大図であり、図6(A)は測定対象としての反射鏡42のアライメントがずれていない場合を示し、図6(B)は測定対象としての反射鏡42が破線で示したように、アライメントがずれた場合を示している。

【0064】
図5、図6(A)、(B)に図解した第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1において、レーザー光源10、ビームスプリッタ(BS)20、参照体反射鏡31の配設位置、機能および構成は、図2に図解した第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1と同じである。したがって、これらについての記述は割愛する。

【0065】
図5、図6(A)、(B)に図解した第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1において、第1実施の形態において被測定体として再帰反射体60が配設されていた位置に反射鏡42が配設されており、この反射鏡42は被測定体(距離測定対象)として機能する。 第1実施の形態のレーザー干渉型測距計1と同様、被測定体としての反射鏡42の前方に(図5において反射鏡42の左側に)、図2、図3に図解したと同様の光路補償反射鏡41が配置されている。すなわち、第1実施の形態と同様、光路補償反射鏡41が反射鏡42に対向する位置に配設されている。
図5に図解した第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1においては、再帰反射体43は、図5の図解において、光路Aの上方に配設されている。
第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1においても、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同様、被測定体上に配設された反射鏡42を含み、光路補償反射鏡41、再帰反射体43を有する構成が、往復光路が完全に一致する光線を提供する、完全再帰反射体40Aを構成している。

【0066】
上記光学系に所望の光を提供するため、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1においては、偏光ビームスプリッタ(PBS)47、および、それぞれ、たとえば、1/4波長板を用いた第1、第2の偏光子45、46が配設されている。
PBS47は偏光選択性機能を持つ。すなわち、PBS47は、たとえば、P偏光は通過させ、S偏光は反射させる。
第2実施の形態においては、PBS47を用いているため、コーナーキューブリフレクタを用いると、楕円偏光および斜め偏光の影響で効率が低下する。そのため再帰反射体43としては、直交する2枚の反射板を使用する。
偏光子45、46は、PBS47の上記透過/反射機能を活用するため、45度位相差のある光として出力する。たとえば、入射光がP偏光の場合出射光はS偏光となり、その逆、すなわち、入射光がS偏光の場合出射光はP偏光となる。
このように、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計においては、BS20と被測定体に配設された反射鏡42の間の光路AにPBS47を配置し、PBS47の配設に対応して、反射鏡42とPBS47との間の光路Aに第1の偏光子45、および、反射鏡42とPBS47との間の光路Cに第2の偏光子46が配設されている。

【0067】
図5、図6(A)、(B)に図解したレーザー干渉型測距計における光線追跡を述べる。
なお、レーザー光源10、ビームスプリッタ(BS)20から参照体反射鏡31、ビームスプリッタ(BS)20から光検出器50への光線追跡は、第1実施の形態と同じであるので、その記述は省略する。

【0068】
反射鏡のアライメントのずれがない場合の光線追跡
図5、および、反射鏡42のアライメントのずれがない場合を図解した図6(A)を参照して、光線追跡を行う。
(往路)
BS20で分岐されてPBS47に入射した、たとえば、P偏光P1は、PBS47を透過してP偏光P2として、たとえば、1/4波長板を用いた偏光子45に入射される。偏光子45の射出光が反射鏡42に入射され、反射鏡42で反射して、再び、偏光子45に入射される。
偏光子45からS偏光S1が射出されてPBS47に入射するが、PBS47はS偏光S1を反射する。
PBS47で反射されたS偏光S2は、再帰反射体(レトロリフレクタ)43に入射される。再帰反射体43からは、S偏光S2と平行なS偏光S3が射出されて、PBS47に入射する。
PBS47は入射されたS偏光S3を反射する。反射されたS偏光S4は、たとえば、1/4波長板を用いた偏光子46に入射する。偏光子46から射出された光は反射鏡42に入射する。
P偏光P3はPBSを透過して光路補償反射鏡41に入射される。

【0069】
(復路)
光路補償反射鏡41に入射したP偏光P3はP偏光P4として反射されてPBS47に入射する。
PBS47はP偏光P4を透過させ、透過したP偏光P4は偏光子46に入射する。
偏光子46から射出された光は反射鏡42に入射し、そこで反射して偏光子46に入射し、偏光子46はS偏光S5として射出する。
S偏光S5はPBS47に入射され、PBS47はS偏光S5を反射する。
PBS47で反射されたS偏光S5は、S偏光S6として再帰反射体43に入射し、再帰反射体43からS偏光S6に平行なS偏光S7が射出される。
S偏光S7は、PBS47で反射されて、反射鏡42を経由してビームスプリッタ(BS)20に向かって戻る。

【0070】
BS20において干渉光L3が生成され、その干渉光L3が検出器50で検出され、演算器80で検出信号によりコントラストCを演算することは、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同じである。
このように、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計において、図2の再帰反射体(レトロリフレクタ)60の位置に空間的余裕がない場合、図2の再帰反射体60の位置に反射鏡42を配設し、再帰反射体43をずらした位置に配設することにより、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同様の測定を行うことができる。

【0071】
反射鏡42のアライメントのずれがある場合の光線追跡
図5、および、反射鏡42のアライメントのずれがある場合を図解した図6(B)を参照して光線追跡を行う。
(往路)
被測定体が破線で示したように変位した場合、アライメントのずれにより、偏光子45から入射した光が、破線で示したように、反射鏡42により反射されて偏光子45を経由してPBS47に入射する。
偏光子45からPBS47にS偏光S1aが入射するので、PBS47はS偏光S1aを再帰反射体43に向けてS偏光S2aとして反射する。
再帰反射体43は、入射したS偏光S2aと平行なS偏光S3aを射出する。
S偏光S3aはPBS47に入射するが、PBS47で反射されて偏光子46に入射する。
偏光子46に入射したS偏光S4aは、反射鏡42で反射されて偏光子46に戻り、偏光子46からP偏光P3aとしてPBS47に入射する。
PBS47は、P偏光P3aを透過させて光路補償反射鏡41に入射させる。

【0072】
(復路)
光路補償反射鏡41に入射したP偏光P3aはP偏光P4aとして反射してPBS47に入射する。
PBS47はP偏光P4aを透過させ、透過したP偏光P4aは偏光子46に入射する。偏光子46から射出された光は反射鏡42に入射し、そこで反射して偏光子46に入射する。偏光子46はS偏光S5aを射出する。
S偏光S5aはPBS47に入射され、PBS47はS偏光S5aを反射する。
PBS47で反射されたS偏光S5aは、S偏光S6aとして再帰反射体43に入射し、再帰反射体43からS偏光S6aに平行なS偏光S7aが射出される。
S偏光S7aは、PBS47に反射されて、反射鏡42を経由してビームスプリッタ(BS)20に向かって戻る。

【0073】
この場合でも、再帰反射体43に入射した光と射出した光とは平行している。
また、図6(B)における光路補償反射鏡41と反射鏡42との間の、P偏光P3aが通る光路は、図6(A)における平板状反射鏡41と反射鏡42との間の、P偏光P3が通る光路と平行している。
BS20において干渉光L3が生成され、検出器50で検出されることは、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同じである。
このように、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計において、反射鏡42にアライメントのずれが起きても、反射鏡42にずれがない場合と同様、また、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同様の測定を行うことができる。

【0074】
このように、本発明の第2形態の完全再帰反射体は、第1形態の完全再帰反射体と同様、光路補償反射鏡と再帰反射体とを有し、光路(光軸)中に挟む被測定体としての反射体のアライメントに依存せず、反射光は光源の射出光軸(たとえば、主光路M、第1光軸)に沿って光源に戻る。
この完全再帰反射体40Aのメカニズムおよび機能を、たとえば、レーザー干渉型測距計に適用した結果、被測定体としての反射体がどのように、変位・回転などの種々の動きをしても、反射光の光軸(たとえば、光路A(または、第2光軸))は、不変に保たれる。なお,光路Cなどは平行移動する。その結果、レーザー干渉型測距計における、再帰反射体からの第1の反射光(L1r)と参照体反射鏡(31)からの第2の反射光(L2r)との可干渉性が常に保証される。 第2形態の完全再帰反射体を有する本発明の干渉型測距計は、アライメントフリーな干渉計測を可能とする。
第2形態の完全再帰反射体40Aを適用すると、上記第1形態のレーザー干渉型測距計と同様、被測定体としての反射体のアライメントを精密に行うこと、または、被測定体のアライメントを制御することなく、自動的に初期調整時の干渉効率を維持することができる。

【0075】
本発明の第2形態のレーザー干渉型測距計1によれば、上記第1形態のレーザー干渉型測距計1と同様、アライメント調整が難しい被測定体、時間変動する(経時変化する)被測定体のリアルタイムでの位置・変位特定を、光の量子雑音のレベルで精密に行うことも可能となる。
さらに、被測定体として、通常の平面鏡を用いる形式の干渉計にも適用可能であり、レーザー光を照射して距離測定するレーザー測距儀として活用することができる。

【0076】
第2実施の形態においても、反射鏡42に対向して光路補償反射鏡41が配設されている。すなわち、光路補償反射鏡41と再帰反射体43とを用いることにより、たとえば、反射鏡42のアライメントが破線で図解したようにずれた場合でも、ミスアライメントの影響は受けない。

【0077】
第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1においても、光路補償反射鏡と再帰反射体とを用いて構成される、往復光路が完全に一致する光線を提供する、完全再帰反射体40Aを適用することにより、第1実施の形態のレーザー干渉型測距計と同様の効果を奏することができた。
特に、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1は、測定対象の位置に再帰反射体60の配設が困難な場合に適用することができる。

【0078】
第3実施の形態
図7を参照して、本発明のレーザー干渉型測距計1の第3実施の形態を述べる。
図5、および図6(A)、(B)を参照して述べる第2実施の形態は、被測定体に完全再帰反射体40を用いた第1実施の形態における再帰反射体60を取り付けることが難しい場合でも適用可能なレーザー干渉型測距計について述べた。それに関しては、図7を参照して述べる第3実施の形態のレーザー干渉型測距計1も、第2実施の形態と同様である。
ただし、第2実施の形態のレーザー干渉型測距計1においては再帰反射体43が直交する2枚の鏡で構成された場合について述べたが、図7を参照して述べる第3実施の形態のレーザー干渉型測距計1において、再帰反射体43Bとしてコーナーキューブリフレクタを用いている。
再帰反射体としてコーナーキューブリフレクタを用いた第3実施の形態における再帰反射体43Bは、コーナー(角部)が90度で直交する3つの辺(面)からなり、たとえば、1つの辺(面)に入射した光がその辺と対向する第2の辺に向けて反射され、そこ(第2の辺(面))で反射して第3の辺に向けて反射され、第3の辺から入射光と平行する光を出射する。

【0079】
再帰反射体43Bの第3の辺から出射された光は、第2実施の形態と同様、偏光ビームスプリッタ(PBS)47に入射される。
PBS47は、偏光選択性機能を持ち、たとえば、P偏光は通過させ、S偏光は反射させる。

【0080】
ところで、コーナーキューブリフレクタを用いた第3実施の形態における再帰反射体43Bから出射され偏光ビームスプリッタ(PBS)47に向かう光は、コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体43Bにおいて楕円偏光および斜め直線偏光している。
仮に、楕円偏光および斜め直線偏光した光がPBS47に入射されると、PBS47において正確に、P偏光成分を光路補償反射鏡41に向けて通過させ、S偏光成分を反射させることができない。
そこで、図7に図解した干渉型測距計においては、再帰反射体43BからPBS47に向かう光路に、たとえば、1/4波長板の第3の偏光子61、および、たとえば、1/2波長板の第4の偏光子62を設けて、楕円偏光および斜め直線偏光している再帰反射体43Bからの光を直線偏光に修正して、PBS47に入射させている。
その結果、PBS47は、P偏光は通過させ、S偏光は反射させることができる。

【0081】
その他は、第2実施の形態と同様である。すなわち、第3の偏光子61、および、第4の偏光子62で直線偏光に修正された光は、図6(A)、(B)を参照して述べた光線軌跡と同様の光線軌跡となる。

【0082】
レーザー干渉型測距計1の構成
図7を参照して図解したレーザー干渉型測距計1は、レーザー光源10、ビームスプリッタ(BS)20、参照体反射鏡31および反射鏡42を有する。
図7に図解したレーザー干渉型測距計1は、BS20と反射鏡42との間に、下記構成の完全再帰反射体40Bを有する。
完全再帰反射体40Bは、光路補償反射鏡41と、反射鏡42と、コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体43Bと、たとえば、1/4波長板を用いた第1の偏光子45、たとえば、1/4波長板を用いた第2の偏光子46と、偏光ビームスプリッタ(PBS)47と、たとえば、1/4波長板の第3の偏光子61と、たとえば、1/2波長板の第4の偏光子62とを有して、往復光路が完全に一致する光線を提供する。
第3実施の形態においては、コーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体43Bであっても、第3の偏光子61と、第4の偏光子62を設けることにより、往復光路が完全に一致する光線を提供する。

【0083】
完全再帰反射体
図8は、上記完全再帰反射体をユニットとして構成した概略構造の斜視図である。
往復光路が完全に一致する光線を提供する完全再帰反射体40Cは、図7の図解のように、ビームスプリッタ(BS)20と、反射鏡42との間に配設される。
完全再帰反射体40Cは、BS20からの射出光を受ける偏光ビームスプリッタ(PBS)47と、反射鏡42と対向する光路補償反射鏡41と、PBS47と反射鏡42との光路に配設された第1偏光子45と、PBS47を挟んで光路補償反射鏡41と反射鏡42との間の光路に配設された第2偏光子46と、PBS47からの光を受け入れPBS47に光を出射するように配設されたコーナーキューブリフレクタを用いた再帰反射体43Bと、再帰反射体43BとPBS47との間の再帰反射体43Bからの出射光の光路に配設された第3および第4偏光子61、62を有し、これらをユニット化して、たとえば、光学素子を樹脂で固めてブロックとして固定する。
この完全再帰反射体40Cは、往路と復路とが完全に一致する光線を提供する。
なお、完全再帰反射体に、反射鏡42を含めても良いし、含めないでもよい。

【0084】
このように、ユニット化して、たとえば、各光要素を位置決めした後、たとえば、樹脂などで固めて光学要素をブロックとして固定した完全再帰反射体40Cを、たとえば、干渉型測距計における、ビームスプリッタ(BS)20と反射鏡42との間に配設することにより、完全再帰反射体を容易に構成することができる。
また、このように、ユニット化してブロックとして光学系が固定した完全再帰反射体40Cは、完全再帰反射体40Cを構成する上記光学素子の相互は固定されており、振動などがあってもずれがなく、位置が安定している。

【0085】
この完全再帰反射体40Cは、往路と復路とが完全に一致する光線を提供する、上記例示したレーザー干渉型測距計のほかの用途にも適用可能である。

【0086】
すなわち、上記例示においては、(1)干渉可能な光を射出する光源として、レーザー光源10、(2)二光線束分岐手段として、ビームスプリッタ20を用いた場合を例示したが、上記同様の作用効果を奏する他の光学素子を使用することができる。

【0087】
本発明の実施の形態に際しては、上述した実施の形態に限定されず、種々の変形態様をとることができる。
また、上記実施の形態は、本発明のレーザー干渉型測距計を構成する主要な光学素子のみを示したが、干渉型測距計として補助的に追加配置する光学素子、たとえば、波形整形素子などを適宜設けることができる。
【符号の説明】
【0088】
1…レーザー干渉型測距計
10…レーザー光源
20…ビームスプリッタ(BS)
31…参照体反射鏡
40、40A、40B、40C…完全再帰反射体(光学機構)
41…光路補償反射鏡
42…反射鏡
43、43B、再帰反射体
60…再帰反射体(レトロリフレクタ)
45、46…第1、第2の偏光子
47…偏光ビームスプリッタ(PBS)
50…光検出器、
61、62…第3、第4の偏光子
80…演算器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7