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明細書 :見守りシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-107234 (P2019-107234A)
公開日 令和元年7月4日(2019.7.4)
発明の名称または考案の名称 見守りシステム
国際特許分類 A61B   5/00        (2006.01)
A61B   5/01        (2006.01)
G08B  21/02        (2006.01)
FI A61B 5/00 102C
A61B 5/00 101E
G08B 21/02
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 22
出願番号 特願2017-242079 (P2017-242079)
出願日 平成29年12月18日(2017.12.18)
発明者または考案者 【氏名】梅谷 智弘
【氏名】石井 真由子
【氏名】田村 祐一
【氏名】才脇 直樹
【氏名】横山 清子
出願人 【識別番号】397022911
【氏名又は名称】学校法人甲南学園
【識別番号】505195384
【氏名又は名称】国立大学法人奈良女子大学
【識別番号】506218664
【氏名又は名称】公立大学法人名古屋市立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100104433、【弁理士】、【氏名又は名称】宮園 博一
【識別番号】100155608、【弁理士】、【氏名又は名称】大日方 崇
審査請求 未請求
テーマコード 4C117
5C086
Fターム 4C117XA03
4C117XB04
4C117XB11
4C117XB18
4C117XC02
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE52
4C117XJ45
5C086AA22
5C086AA49
5C086CA01
5C086CB01
5C086CB07
5C086EA45
5C086FA07
5C086FA11
5C086FA18
要約 【課題】外乱となる室内環境の変化に対して頑健な見守りシステムを提供することである。
【解決手段】この見守りシステム100は、就寝者の就寝状態を見守る見守りシステムであって、寝具5における第1測定点に配置され、少なくとも第1測定点6における温度を含む第1情報を取得する第1測定部1と、寝具5とは離間して配置され、少なくとも室内環境の温度を含む第2情報を取得する第2測定部2と、第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出する状態検出部3とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
就寝者の就寝状態を見守る見守りシステムであって、
寝具における第1測定点に配置され、少なくとも前記第1測定点における温度を含む第1情報を取得する第1測定部と、
前記寝具とは離間して配置され、少なくとも室内環境の温度を含む第2情報を取得する第2測定部と、
前記第1情報と前記第2情報との比較結果に基づいて、前記寝具内における就寝者の就寝状態を検出する状態検出部とを備える、見守りシステム。
【請求項2】
前記第1測定部は、前記第1情報として、前記第1測定点の温度および湿度を取得するように構成されており、
前記第2測定部は、前記第2情報として、室内環境の温度および湿度を取得するように構成されており、
前記状態検出部は、温度と、温度および湿度に基づいて取得された水蒸気量とを含む前記第1情報と前記第2情報との比較結果に基づいて、前記寝具内における就寝者の就寝状態を検出するように構成されている、請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記第1測定点は、前記寝具の複数か所に設定されており、
前記状態検出部は、前記寝具内の複数の前記第1測定点における前記比較結果の分布に基づいて、就寝者の前記寝具内における位置を検出するように構成されている、請求項1または2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記状態検出部は、前記寝具における就寝者の位置と前記寝具の端部との相対位置に基づいて、就寝者の前記寝具からの離脱の予兆を取得するように構成されている、請求項3に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記状態検出部が就寝者の前記寝具からの離脱の予兆を取得した場合に、就寝者の離脱の予兆を報知する報知部をさらに備える、請求項4に記載の見守りシステム。
【請求項6】
複数の第2測定点の加速度を測定する第3測定部をさらに備え、
前記第2測定点は、前記寝具のうち、掛け寝具に複数設定され、
前記状態検出部は、取得された複数の前記第2測定点の加速度に基づいて、前記掛け寝具が就寝者を覆っているかめくれているかを検出するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の見守りシステム。
【請求項7】
前記状態検出部は、前記第2測定点毎の重力ベクトルの向きに基づいて、前記掛け寝具が就寝者を覆っているかめくれているかを検出するように構成されている、請求項6に記載の見守りシステム。
【請求項8】
前記第1測定部と前記第3測定部とは、一体形成されている、請求項6または7に記載の見守りシステム。
【請求項9】
前記第1測定点は、少なくとも、前記掛け寝具において、前記掛け寝具の短手方向の略中心に設定される、請求項6~8のいずれか1項に記載の見守りシステム。
【請求項10】
前記第1測定点は、前記掛け寝具の短手方向の複数位置に設定される、請求項6~9のいずれか1項に記載の見守りシステム。
【請求項11】
前記比較結果は、前記第1情報と前記第2情報との差分値を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の見守りシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、見守りシステムに関し、特に、就寝者の就寝状態を検出する見守りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、就寝者の就寝状態を検出する見守りシステムが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1に開示されている見守りシステムは、寝具内の温度を計測する温度センサと、寝具内の湿度を計測する湿度センサと、就寝者の体動による振動を検出する振動センサとを備えている。上記特許文献1に開示されている見守りシステムは、温度センサおよび湿度センサによって検出された寝具内の温度および湿度に基づいて、寝具内の環境変化量を取得するとともに、取得した環境変化量と、振動センサの取得結果とに基づいて、就寝者の体動量を検出するように構成されている。上記特許文献1に開示されている見守りシステムは、取得した就寝者の体動量に基づいて、就寝者の睡眠状態を検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2010-273831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている見守りシステムでは、温度センサおよび湿度センサを寝具内にのみ設けているため、たとえば、扉が開かれることによる室外の空気が流入した場合などには、室内環境が変化した場合の寝具内の測定結果に基づく環境変化量の精度が低下するなど、外乱となる室内環境の変化の影響を受けやすく、頑健なシステムを構成することが難しいという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、外乱となる室内環境の変化に対して頑健な見守りシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における見守りシステムは、就寝者の就寝状態を見守る見守りシステムであって、寝具における第1測定点に配置され、少なくとも第1測定点における温度を含む第1情報を取得する第1測定部と、寝具とは離間して配置され、少なくとも室内環境の温度を含む第2情報を取得する第2測定部と、第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具内における就寝者の就寝状態を検出する状態検出部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による見守りシステムでは、上記のように、第1測定部によって取得された第1情報と、第2測定部によって取得された第2情報との比較結果に基づいて、寝具内における就寝者の就寝状態を検出する状態検出部を備える。これにより、第1測定点の第1情報と、寝具とは離間した室内環境の第2情報との比較結果を取得することにより、寝具内における就寝者の就寝状態を検出することができる。その結果、たとえば、扉が開かれることにより室外の空気が流入するなど、室内環境が変化することによって寝具内の第1情報が変化した場合でも、第1情報と第2情報を比較することにより、第1情報における室内環境に起因する影響を除くことが可能となるので、外乱となる室内環境の変化に対して頑健なシステムとすることができる。
【0009】
上記一の局面による見守りシステムにおいて、好ましくは、第1測定部は、第1情報として、第1測定点の温度および湿度を取得するように構成されており、第2測定部は、第2情報として、室内環境の温度および湿度を取得するように構成されており、状態検出部は、温度と、温度および湿度に基づいて取得された水蒸気量とを含む第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具内における就寝者の就寝状態を検出するように構成されている。このように構成すれば、寝具内の温度および水蒸気量と室内環境における温度および水蒸気量との比較結果に基づいて、就寝者の就寝状態を検出することができる。その結果、たとえば、室内温度が低く就寝者が寒さを感じる場合に、寝具内に発熱体を入れるなどした場合でも、温度および水蒸気量のそれぞれの比較結果を用いることが可能となるので、就寝者の発熱による温度の上昇および発汗等による水蒸気量の上昇と、発熱体による温度の上昇とを区別することが可能になり、就寝者の就寝状態を正確に検出することができる。
【0010】
上記一の局面による見守りシステムにおいて、好ましくは、第1測定点は、寝具の複数か所に設定されており、状態検出部は、寝具内の複数の第1測定点における比較結果の分布に基づいて、就寝者の寝具内における位置を検出するように構成されている。このように構成すれば、寝具内における第1測定点の数を増加させることにより、寝具内の温度の比較結果の分布を取得することが可能となるので、第1測定点が1つの場合と比較して、より詳細に就寝者の就寝状態を検出することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、状態検出部は、寝具における就寝者の位置と寝具の端部との相対位置に基づいて、就寝者の寝具からの離脱の予兆を取得するように構成されている。このように構成すれば、就寝者の寝具からの離脱の予兆を取得することが可能となるので、たとえば、寝具の周囲に離床センサなどを配置することにより、離脱が起きたことを事後的に検出する場合と異なり、就寝者が寝具から離脱する前に看護師等が対処することができる。なお、離脱とは、たとえば、就寝者のベッドからの転落や就寝者が寝具から起き上がって徘徊することなどを含む概念である。
【0012】
上記就寝者の寝具からの離脱の予兆を取得する構成において、好ましくは、状態検出部が就寝者の寝具からの離脱の予兆を取得した場合に、就寝者の離脱の予兆を報知する報知部をさらに備える。このように構成すれば、就寝者が寝具から離脱する前に、看護師等が就寝者の離脱(ベッドからの転落や寝具から起き上がって徘徊することなど)の予兆を把握することができる。その結果、就寝者が寝具(ベッド)から転落することを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による見守りシステムにおいて、好ましくは、複数の第2測定点の加速度を測定する第3測定部をさらに備え、第2測定点は、寝具のうち、掛け寝具に複数設定され、状態検出部は、取得された複数の第2測定点の加速度に基づいて、掛け寝具が就寝者を覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。このように構成すれば、寝具内の温度の比較結果の分布と、掛け寝具の状態とによって、就寝者の就寝状態を検出することができる。その結果、寝具内の温度の比較結果の分布のみで就寝者の就寝状態を検出する場合と比較して、より詳細に就寝者の就寝状態を検出することができる。また、たとえば、第1測定点と第2測定点とを異なる位置に設定した場合、掛け寝具内の温度および湿度の測定に適した位置に第1測定部を配置することができるとともに、掛け寝具のめくれを検出するのに適した位置に第3測定部を配置することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、状態検出部は、第2測定点毎の重力ベクトルの向きに基づいて、掛け寝具が就寝者を覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。このように構成すれば、第2測定点毎の重力ベクトルの向きに基づいて掛け寝具の状態を検出することが可能となり、掛け寝具の状態が変化する前後の静止状態における重力ベクトルの方向を取得することにより、掛け寝具の状態を検出することができる。したがって、就寝者の体動に伴い急速に変化する加速度の向きの変化を直接検出し、掛け寝具の状態が変化する経過を短い時間で連続的に取得する場合と比較して、測定間隔を長くすることができる。その結果、測定間隔を短くする場合と比較して、処理するデータ量を低減することが可能となるので、状態検出部の計算コストが増大することを抑制することができる。
【0015】
上記複数の第2測定点の加速度を測定する第3測定部をさらに備える構成において、好ましくは、第1測定部と第3測定部とは、一体形成されている。このように構成すれば、第1測定部と第3測定部とを別体で構成する場合と比較して、見守りシステムの構成を簡素化することができる。
【0016】
上記複数の第2測定点の加速度を測定する第3測定部をさらに備える構成において、好ましくは、第1測定点は、少なくとも、掛け寝具において、掛け寝具の短手方向の略中心に設定される。このように構成すれば、就寝者の体軸上に第1測定点を設定することできる。その結果、就寝者の体温が高い体軸上の温度を測定することが可能となるので、寝具内における就寝者の位置が変化することに起因する寝具内の温度分布の変化を容易に取得することができる。これにより、寝具内における就寝者の位置を容易に検出することができる。なお、体軸とは、就寝者の短手方向の中心を通るとともに、就寝者の長手方向に延びる線のことである。
【0017】
上記複数の第2測定点の加速度を測定する第3測定部をさらに備える構成において、好ましくは、第1測定点は、掛け寝具の短手方向の複数位置に設定される。ここで、寝具からの離脱(ベッドからの転落や寝具から起き上がって徘徊することなど)は、一般に、寝具の長手方向からよりも寝具の短手方向から発生する場合が多い。したがって、上記のように構成すれば、掛け寝具の短手方向の温度変化をより詳細に取得することができる。その結果、寝具内の短手方向における就寝者の位置をより詳細に取得することが可能となるので、就寝者の寝具からの離脱の予兆を、より詳細に取得することができる。
【0018】
上記一の局面による見守りシステムにおいて、好ましくは、比較結果は、第1情報と第2情報との差分値を含む。このように構成すれば、第1情報と第2情報との差分値を取得することにより、室内環境の変化に起因する寝具内の測定結果に基づく比較結果の精度が低下することを抑制することが可能となるので、寝具内における就寝者の就寝状態の検出の精度を向上させることができる。その結果、見守りシステムを、外乱となる環境変化に対して頑健なシステムとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、外乱となる室内環境の変化に対して頑健な見守りシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による見守りシステムの全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による見守りシステムの全体構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による見守りシステムの第1測定部の設置場所を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態による見守りシステムが行う就寝者の就寝状態検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例による温度の変化を示すグラフ(A)および温度に関する比較結果を示すグラフ(B)である。
【図6】本発明の第1実施例による水蒸気量の変化を示すグラフ(A)および水蒸気量に関する比較結果を示すグラフ(B)である。
【図7】本発明の第2実施形態による見守りシステムの全体構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態による状態検出部が寝具の状態を検出する処理を説明するための模式図である。
【図9】本発明の第2実施形態による見守りシステムが行う就寝者の就寝状態検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例による加速度の変化を示すグラフである。
【図11】本発明の第1実施形態の第1変形例による見守りシステムの全体構成を示した斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態の第2変形例による第1測定部の配置を示す模式図(A)~(C)である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例による見守りシステムの全体構成を示したブロック図である。
【図14】本発明の第2実施形態の変形例による第1測定部および第2測定部の配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

【0022】
[第1実施形態]
まず、図1~図4を参照して、本発明の第1実施形態による見守りシステム100の構成、および、見守りシステム100が就寝者Tを見守る構成について説明する。

【0023】
(見守りシステムの構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による見守りシステム100の構成について説明する。

【0024】
図1に示すように、見守りシステム100は、室内R1における就寝者Tの就寝状態を見守る見守りシステムであって、第1測定部1と、第2測定部2と、状態検出部3とを備える。また、見守りシステム100は、室内R1とは異なる室内R2に設置される報知部4を備える。また、図1に示す例では、寝具5は、掛け寝具5aと、敷き寝具5bとを含む。見守りシステム100は、たとえば、医療や介護福祉関係、保育などの分野において、患者や乳幼児などの就寝状態の見守りに用いられる。

【0025】
第1測定部1は、寝具5における第1測定点6に配置され、少なくとも第1測定点6における温度を含む第1情報を取得するように構成されている。第1測定部1は、第1測定点6の雰囲気の温度を取得するように構成されている。図1に示す例では、第1測定部1と状態検出部3とは、第1測定部1と状態検出部3とのそれぞれに含まれる通信部(図示せず)を介して、無線通信によって接続されている。第1測定部1の詳細な構成および第1測定部1が第1情報を取得する詳細な構成については後述する。

【0026】
第2測定部2は、寝具5とは離間して配置され、少なくとも室内環境の温度を含む第2情報を取得するように構成されている。第2測定部2は、室内R1における寝具5以外の室内環境の温度を取得するように構成されている。第2測定部2と、状態検出部3とは、有線によって接続されている。第2測定部2の詳細な構成および第2測定部2が第2情報を取得する詳細な構成については後述する。

【0027】
状態検出部3は、制御部30と、記憶部31とを含む。状態検出部3は、第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出するように構成されている。状態検出部3は、第1情報および第2情報を処理するコンピュータである。なお、図1に示す例では、状態検出部3は室内R1に配置されているが、室内R1以外の場所に配置されていてもよい。

【0028】
制御部30は、第1測定部1および第2測定部2が取得した第1情報および第2情報に基づいて、比較結果を取得するように構成されている。制御部30は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などを含む。

【0029】
記憶部31は、第1測定部1および第2測定部2が取得した第1情報および第2情報を記憶するように構成されている。また、記憶部31は、制御部30が取得した比較結果を記憶するように構成されている。また、記憶部31は、制御部30が比較結果を取得する際に使用するプログラムなどが記憶されている。記憶部31は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性のメモリなどを含む。

【0030】
報知部4は、状態検出部3が就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得した場合に、就寝者Tの離脱の予兆を報知するように構成されている。報知部4は、音、光、画面表示、通信、およびこれらの組み合わせにより、就寝者Tの離脱の予兆を報知するように構成されている。報知部4は、たとえば、スピーカ、インジケータランプ、ディスプレイ、通信モジュールなどを含む。

【0031】
図2に示すように、第1測定部1は、温度センサ10と、湿度センサ11とを含む。第1測定部1は、第1情報として、第1測定点6の温度および湿度を取得するように構成されている。第2測定部2は、温度センサ20と、湿度センサ21とを含む。第2測定部2は、第2情報として、室内環境の温度および湿度を取得するように構成されている。第1測定部1に含まれる湿度センサ11および第2測定部2に含まれる湿度センサ21が、相対湿度を測定する場合、状態検出部3は、第1測定部1および第2測定部2で取得された温度と湿度とに基づいて、寝具5内の水蒸気量および室内環境の水蒸気量を取得するように構成されている。また、状態検出部3は、温度と、温度および湿度に基づいて取得された水蒸気量とをそれぞれ含む第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出するように構成されている。また、状態検出部3は、取得した第1情報と第2情報とに基づいて、比較結果を取得するように構成されている。

【0032】
なお、第1測定部1に含まれる湿度センサ11および第2測定部2に含まれる湿度センサ21が、絶対湿度(第1測定点6および室内環境における水蒸気量)を測定する場合は、第1測定部1および第2測定部2によって測定さられた湿度(絶対湿度)に基づいて、比較結果を取得すればよい。また、第2測定部2に気圧センサをさらに含んでもよい。水蒸気量の取得の際に、大気圧を一定値としてもよいが、気圧センサの測定値を用いることにより、測定結果の精度を向上させることができる。また、図2では、便宜上、第1測定部1と状態検出部3とを線で結んでいるが、これは通信上の接続を意味しており、有線で接続されている訳ではない。

【0033】
(第1測定部の配置場所)
次に、図3を参照して、第1実施形態による第1測定部1の寝具5における配置場所について説明する。なお、本明細書において、寝具5の長手方向をY方向とし、就寝者Tが寝具5に入った際の頭部側をY2方向、足部側をY1方向とする。また、寝具5の短手方向をX方向とし、就寝者Tが仰向けの状態で寝具5に入った際の右側をX2方向、左側をX1方向とする。

【0034】
図3は、寝具5を鉛直上方向から見た模式図である。図3では、掛け寝具5aの表面側に配置されている第1測定部1(第1測定部1b)を実線で示している。また、掛け寝具5aの裏面側に位置する第1測定部1(第1測定部1aおよび第1測定部1c)は、破線で示している。また、就寝者Tのうち、掛け寝具5aの裏面側に位置する部分を破線で示している。また、図3に示す線分Taは、就寝者Tの体軸Taを示している。なお、就寝者Tの体軸Taとは、就寝者Tの短手方向(X方向)の中心を通るとともに、就寝者Tの長手方向(Y方向)に延びる線のことである。

【0035】
第1実施形態では、図3に示すように、第1測定点6は、寝具5の複数か所に設定されている。具体的には、第1測定点6は、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の略中心に設定される。これにより、就寝者Tの体軸Ta上に第1測定点6を設定することが可能となる。また、第1測定点6は、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の複数位置に配置される。第1実施形態では、掛け寝具5aの略中心(就寝者Tの体軸Ta上)に第1測定点6bを設定する例を示している。また、図3では、第1測定点6を掛け寝具5aの短手方向(X方向)に複数設定する例を示している。具体的には、図3では、第1測定点6a、第1測定点6b、第1測定点6cをX1方向からX2方向に並べて設定する例を示している。また、第1実施形態では、各第1測定点6は、互いに異なる位置となるように設定される。

【0036】
図3では、第1測定部1a、第1測定部1b、第1測定部1cがX1方向からX2方向に並べて配置され、各第1測定点6における第1情報を取得する例を示している。すなわち、第1測定部1aは、第1測定点6aにおける第1情報を取得する。また、第1測定部1bは、第1測定点6bにおける第1情報を取得する。第1測定部1cは、第1測定点6cにおける第1情報を取得する。また、第1測定部1aおよび第1測定部1cは、掛け寝具5aの裏面側に配置され、第1測定部1bは、掛け寝具5aの表面側に配置されている例を示している。

【0037】
(比較結果の取得)
第1実施形態では、状態検出部3は、各第1測定部1が取得した温度および湿度を含む第1情報と、第2測定部2が取得した温度および湿度を含む第2情報を、所定の測定間隔で取得するように構成されている。所定の測定間隔は、たとえば、約1秒以上約60秒以下の範囲の測定間隔である。所定の測定間隔は、好ましくは、約5秒以上約30秒以下の範囲の測定間隔である。所定の測定間隔は、より好ましくは、約10秒である。所定の測定間隔を、10秒程度の長い測定間隔に設定することにより、状態検出部3における処理の負荷を効果的に低減できる。一方、寝具5内における就寝者Tの動きはゆっくりとしたものであるので、10秒程度の長い測定間隔であっても、状態検出部3は、就寝者Tの寝具5内における動きを十分に検出することができる。

【0038】
また、状態検出部3が取得する比較結果は、第1情報と第2情報との差分値を含む。具体的には、状態検出部3は、各第1測定部1によって取得された温度と、第2測定部2で取得された温度との差分値を取得することにより、各第1測定点6における温度に関する比較結果を取得するように構成されている。また、状態検出部3は、各第1測定部1によって取得された温度と湿度とに基づいて各第1測定点6における水蒸気量を取得するように構成されている。状態検出部3は、第2測定部2で取得された温度と湿度とに基づいて、室内環境の水蒸気量を取得するように構成されている。状態検出部3は、取得した各第1測定点6における水蒸気量と、室内環境の水蒸気量との差分値を取得することにより、各第1測定点6における水蒸気に関する比較結果を取得するように構成されている。

【0039】
(就寝者の離脱の検出)
第1実施形態では、状態検出部3は、寝具5内の複数の第1測定点6における比較結果の分布に基づいて、就寝者Tが寝具5から離脱したことを検出する。後述する第1実施例により、寝具5内の複数の第1測定点6における比較結果の分布に基づいて、就寝者Tが寝具5から離脱したことを検出することが可能であることが確認された。なお、就寝者Tの寝具5からの離脱とは、たとえば、就寝者Tのベッドからの転落や就寝者Tが寝具5から起き上がって徘徊することなどを含む概念である。

【0040】
(就寝者の位置の検出)
また、第1実施形態では、状態検出部3は、就寝者Tが寝具5から離脱したことの検出以外に、複数の第1測定点6における比較結果を取得することにより、寝具5内における就寝者Tの位置を検出することができる。第1実施形態では、状態検出部3は、寝具5内の複数の第1測定点6における比較結果の分布に基づいて、就寝者Tの寝具5内における位置を検出するように構成されている。具体的には、状態検出部3は、各第1測定点6における温度および水蒸気量の比較結果の分布に基づいて、就寝者Tの寝具5内における位置を検出するように構成されている。抹消よりも体軸Taに近い方が、発熱による温度の上昇、発汗等による水蒸気量の上昇が大きいため、比較結果に応じて、就寝者Tの寝具5内における位置がわかる。たとえば、第1測定点6aにおける温度および水蒸気量の比較結果が増加し、第1測定点6cにおける温度および水蒸気量の比較結果が減少していた場合、就寝者Tは、第1測定点6aの近傍に位置していることがわかる。したがって、就寝者Tの寝具5内における位置の変化を検出することにより、寝具5内における、就寝者Tの移動を検出することができる。

【0041】
上記のように、寝具5内における就寝者Tの位置を検出することが可能であるので、状態検出部3は、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得することができる。具体的には、状態検出部3は、寝具5における就寝者Tの位置と寝具5の端部との相対位置に基づいて、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得するように構成されている。たとえば、図12(B)に示すように、各第1測定部1を掛け寝具5a上において、等間隔で一様に配置した場合、状態検出部3は、掛け寝具5aの短手方向の端部における比較結果に基づいて、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得することができる。すなわち、掛け寝具5aの端部における温度や水蒸気量のなどが上昇した場合、就寝者Tが掛け寝具5aの端部に近づいていることがわかるので、状態検出部3は、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得することができる。また、状態検出部3は、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得した場合に、報知部4を介して、就寝者Tの離脱の予兆を報知するように構成されている。

【0042】
(見守りシステムの処理)
次に、図4を参照して、第1実施形態による見守りシステム100における就寝者Tを見守る処理について説明する。見守りシステム100は、就寝者Tが寝具5に入った時点から、就寝者Tの就寝状態の見守りを開始する。

【0043】
ステップS1において、状態検出部3(制御部30)は、データの取得タイミングか否かの判定を行う。具体的には、状態検出部3は、前回データを取得してから所定の測定間隔分、時間が経過しているか否かの判定を行う。データの取得タイミングである場合は、処理はステップS2へ進む。データの取得タイミングでない場合は、状態検出部3は、取得タイミングになるまで、ステップS1の処理を繰り返す。なお、データとは、第1情報および第2情報のことである。

【0044】
ステップS2において、状態検出部3は、各第1測定部1および第2測定部2からデータを取得する。また、状態検出部3は、各第1測定点6および室内環境の温度および湿度から、水蒸気量を取得する。その後、ステップS3において、状態検出部3は、各第1測定点6における温度および水蒸気量の比較結果を取得する。その後、処理はステップS4へ進む。

【0045】
ステップS4において、状態検出部3は、各第1測定点6における比較結果の分布に基づいて、寝具5内における位置を検出する。その後、ステップS5において、状態検出部3は、報知条件を満たしているか否かを判定する。報知条件を満たしている場合、処理はステップS6へ進む。報知条件を満たしていない場合、処理はステップS7へ進む。なお、状態検出部3は、就寝者Tが寝具5から離脱していることを検出した場合や、離脱の予兆を検出した場合に、報知条件を満たしていると判定するように構成されている。

【0046】
ステップS6において、状態検出部3は、報知部4を介して、看護師等に、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を報知する。その後、処理はステップS7へ進む。

【0047】
ステップS7において、状態検出部3は、見守りを終了するか否かの判定を行う。状態検出部3は、たとえば、あらかじめ設定された終了時刻に到達した場合や、看護師等の入力操作によって見守りを終了する指示を受け付けた場合に、見守り処理を終了する。見守り処理を終了しない場合は、処理はステップS1に戻り、見守りシステム100は、就寝者Tの見守りを継続する。

【0048】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

【0049】
第1実施形態では、上記のように、見守りシステム100は、就寝者Tの就寝状態を見守る見守りシステムであって、寝具5における第1測定点6に配置され、少なくとも第1測定点6における温度を含む第1情報を取得する第1測定部1と、寝具5とは離間して配置され、少なくとも室内環境の温度を含む第2情報を取得する第2測定部2と、第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出する状態検出部3とを備える。これにより、第1測定点6の第1情報と、寝具5とは離間した室内環境の第2情報との比較結果を取得することにより、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出することができる。その結果、寝具5内の第1情報と、室内環境の第2情報とに基づいて比較結果を取得することが可能となるので、たとえば、扉が開かれることにより室外の空気が流入するなど、室内環境が変化することによって寝具5内の第1情報が変化した場合でも、第1情報と第2情報を比較することにより、第1情報における室内環境に起因する影響を除くことが可能となるので、外乱となる室内環境の変化に対して頑健なシステムとすることができる。

【0050】
ところで、第1実施形態では、上記のように、第1情報と第2情報との比較結果に基づいて就寝者Tの就寝状態を検出することができるので、たとえば、カメラなどにより就寝者Tの就寝状態を検出する場合と比較して、就寝者Tが監視されている印象などの心理的圧迫感を覚えることを抑制することができる。

【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、第1測定部1は、第1情報として、第1測定点6の温度および湿度を取得するように構成されており、第2測定部2は、第2情報として、室内環境の温度および湿度を取得するように構成されており、状態検出部3は、温度と、温度および湿度に基づいて取得された水蒸気量とを含む第1情報と第2情報との比較結果に基づいて、寝具5内における就寝者Tの就寝状態を検出するように構成されている。これにより、寝具5内の温度および水蒸気量と、室内環境における温度および水蒸気量との比較結果に基づいて、就寝者Tの就寝状態を検出することができる。その結果、たとえば、室内温度が低く就寝者Tが寒さを感じる場合に、寝具5内に発熱体を入れるなどした場合でも、温度および水蒸気量のそれぞれの比較結果を用いることが可能となるので、就寝者Tの発熱による温度の上昇および発汗等による水蒸気量の上昇と、発熱体による温度の上昇とを区別することが可能になり、就寝者Tの就寝状態を正確に検出することができる。

【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、第1測定点6は、寝具5の複数か所に設定されており、状態検出部3は、寝具5内の複数の第1測定点6における比較結果の分布に基づいて、就寝者Tの寝具5内における位置を検出するように構成されている。これにより、寝具5内における第1測定点6の数を増加させることにより、寝具5内の温度の比較結果の分布を取得することが可能となるので、第1測定点6が1つの場合と比較して、より詳細に就寝者Tの就寝状態を検出することができる。

【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、寝具5における就寝者Tの位置と寝具5の端部との相対位置に基づいて、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得するように構成されている。これにより、就寝者Tの寝具5からの離脱(ベッドからの転落や寝具5から起き上がって徘徊することなど)の予兆を取得することが可能となるので、たとえば、寝具5の周囲に離床センサなどを配置することにより、離脱が起きたことを事後的に検出する場合と異なり、就寝者Tが寝具5から離脱する前に看護師等が対処することができる。

【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、状態検出部3が就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を取得した場合に、就寝者Tの離脱の予兆を報知する報知部4をさらに備える。これにより、就寝者Tが寝具5から離脱する前に、看護師等が就寝者Tの離脱(ベッドからの転落や寝具5から起き上がって徘徊することなど)の予兆を把握することができる。その結果、就寝者Tが寝具5(ベッド)から転落することを抑制することができる。

【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、第1測定点6は、少なくとも、掛け寝具5aにおいて、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の略中心に設定される。これにより、就寝者Tの体軸Ta上に第1測定点6を設定することできる。その結果、就寝者Tの体温が高い体軸Ta上の温度を測定することが可能となるので、寝具5内における就寝者Tの位置が変化することに起因する寝具5内の温度分布の変化を容易に取得することができる。これにより、寝具5内における就寝者Tの位置を容易に検出することができる。

【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、第1測定点6は、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の複数位置に設定される。ここで、寝具5からの離脱(ベッドからの転落や寝具5から起き上がって徘徊することなど)は、一般に、寝具5の長手方向(Y方向)からよりも寝具5の短手方向(X方向)から発生する場合が多い。したがって、第1測定点6を、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の複数位置に設定することにより、掛け寝具5aの短手方向(X方向)の温度変化をより詳細に取得することができる。その結果、寝具5内の短手方向(X方向)における就寝者Tの位置をより詳細に取得することが可能となるので、就寝者Tの寝具5からの離脱の予兆を、より詳細に取得することができる。

【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、比較結果は、第1情報と第2情報との差分値を含む。これにより、第1情報と第2情報との差分値を取得することにより、室内環境の変化に起因する寝具5内の測定結果に基づく比較結果の精度が低下することを抑制することが可能となるので、寝具5内における就寝者Tの就寝状態の検出の精度を向上させることができる。その結果、見守りシステム100を、外乱となる環境変化に対して頑健なシステムとすることができる。

【0058】
[第1実施例]
次に、図5および図6を参照して、第1実施例による就寝者Tが寝具5から離脱したことを検出した実験について説明する。

【0059】
第1実施例では、見守り(実験)開始後、所定の時間が経過した後に、就寝者Tを寝具5から離脱させ、その際の各第1測定点6における温度の比較結果および水蒸気量の比較結果の推移を取得することにより、就寝者Tが寝具5から離脱した場合の比較結果の変化を確認した。具体的には、第1実施例では、掛け寝具5aの表面側の2か所と、掛け寝具5aの裏面側の1か所とに第1測定部1を配置して第1情報を取得した。また、第1実施例では、寝具5と離間した位置に第2測定部2を配置して、第2情報を取得した。なお、第1実施形態では、実験開始後30分の時点において、部屋のドアを開いた。また、実験開始後60分の時点において、就寝者Tを寝具5から離脱させた。

【0060】
図5(A)は、温度の測定結果を示すグラフ40である。図5(A)に示すグラフ40は、第1測定点6aにおける温度の測定結果40a(一点鎖線)と、第1測定点6bにおける温度の測定結果40b(破線)と、第1測定点6cにおける温度の測定結果40c(二点鎖線)と、室内環境の温度の測定結果40d(実線)とを示している。また、図5(A)に示す線分40eは、就寝者Tが寝具5から離脱した時間を示している。また、図5(A)のグラフ40の縦軸は温度(℃)であり、横軸は経過時間(分)である。

【0061】
図5(B)は、温度の比較結果を示すグラフ41である。図5(B)に示すグラフ41は、第1測定点6aにおける比較結果(一点鎖線)と、第1測定部1bにおける比較結果(破線)と、第1測定部1cにおける比較結果とを示している。また、図5(B)に示す線分41dは、就寝者Tが寝具5から離脱した時間を示している。また、図5(B)のグラフ41の縦軸は温度差(℃)であり、横軸は経過時間(分)である。

【0062】
図5(A)に示すように、第1実施例では、各測定結果において、実験開始後60分の時点で就寝者Tが寝具5から離脱した後に、第1測定部1aおよび第1測定部1cで測定した温度が低下し、室内環境の温度に近づくという結果が得られた。また、第1測定部1bにおいても、就寝者Tが寝具5から離脱した後に、温度が低下する結果が得られた。なお、第1測定部1bにおける温度の低下は、第1測定部1aおよび第1測定部1cに比べて緩やかであるという結果が得られた。また、各測定結果において、実験開始後30分の時点で寝具5および室内環境の温度が低下する結果が得られた。

【0063】
また、図5(B)に示すように、各第1測定点6における比較結果は、就寝者Tが寝具5から離脱するまでは、おおむね増加傾向にあり、就寝者Tが寝具5から離脱したあとは、減少傾向にあるという結果が得られた。また、比較結果のグラフ41においても、第1測定部1bの比較結果の低下は、第1測定部1aおよび第1測定部1cの比較結果の低下よりも緩やかとなる結果が得られた。

【0064】
第1実施例では、実験開始後30分の時点で扉を開いたため、寝具5および室内環境の温度が低下したと考えられる。第1測定部1のみでは、就寝者Tの離脱による寝具5の温度の低下か、室内環境の温度の低下に伴う寝具5の温度の低下かを区別することが難しい。しかし、図5(B)のグラフ41において、実験開始後30分経過後の差分値が増大していることから、就寝者Tの離脱による温度変化でないことがわかる。第1実施例では、第2測定部2によって室内環境の温度も測定しているため、室内環境の温度の低下に伴う寝具5の温度の低下と、就寝者Tの離脱に伴う温度の低下とを区別することができる。

【0065】
また、第1測定部1bにおける温度の低下が、第1測定部1aおよび第1測定部1cに比べて緩やかであるという結果は、第1測定部1bが寝具5の表面側に配置されているため、第1測定部1aおよび第1測定部1cと比べて、就寝者Tの離脱による温度変化の影響が少なかったためであると考えられる。

【0066】
図6(A)は、水蒸気量の取得結果を示すグラフ42である。図6(A)に示すグラフ42は、第1測定点6aにおける水蒸気量の取得結果42a(一点鎖線)と、第1測定点6bにおける水蒸気量の取得結果42b(破線)と、第1測定部1cにおける水蒸気量の取得結果42c(二点鎖線)と、室内環境の水蒸気量の取得結果42d(実線)とを示している。また、図6(A)に示す線分42eは、就寝者Tが寝具5から離脱した時間を示している。また、図6(A)のグラフ42の縦軸は水蒸気量(g/m3)であり、横軸は経過時間(分)である。

【0067】
図6(B)は、水蒸気量の比較結果を示すグラフ43である。図6(B)に示すグラフ43は、第1測定点6aにおける水蒸気量の比較結果43a(一点鎖線)と、第1測定点6bにおける水蒸気量の比較結果43b(破線)と、第1測定部1cにおける水蒸気量の比較結果43cとを示している。また、図6(B)に示す線分43dは、就寝者Tが寝具5から離脱した時間を示している。また、図6(B)のグラフ43の縦軸は水蒸気量差(g/m3)であり、横軸は経過時間(分)である。

【0068】
水蒸気量の取得結果および比較結果においても、温度の測定結果および比較結果と同様の傾向がみられた。したがって、第1実施例では、温度の比較結果および水蒸気量の比較結果に基づいて、就寝者Tの寝具5からの離脱を確認することができるという結果が得られた。また、扉を開けた際における温度変化の推移から、比較結果を用いることにより、外乱となる室内環境の変化に頑健であることも示された。

【0069】
これらより、温度の比較結果および水蒸気量の比較結果の両方を総合的に考慮することで、寝具5から就寝者Tが離脱したことを検出する際の精度を向上させることができると考えられる。

【0070】
[第2実施形態]
次に、図7~図9を参照して、本発明の第2実施形態による見守りシステム200(図7参照)の構成について説明する。第1測定点6における温度および湿度を測定する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、複数の第2測定点7の加速度を測定する第3測定部8をさらに備える。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。

【0071】
図7に示すように、第2実施形態による見守りシステム200は、複数の第2測定点7の加速度を測定する第3測定部8をさらに備える。第3測定部8は、加速度センサ80を含む。また、第2実施形態では、第1測定部1と第3測定部8とは、一体形成されている。この場合、第1測定点6と第2測定点7とは、同じ位置となる。

【0072】
第2実施形態では、状態検出部3は、得された複数の第2測定点7の加速度に基づいて、掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。具体的には、状態検出部3は、第2測定点7毎の重力ベクトルの向きに基づいて、掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。すなわち、第3測定部8は、測定する加速度の向きを検出することが可能であり、配置する向きによって測定結果の符号が変化する加速度センサ80を備えている。

【0073】
第2実施形態では、図8に示すように、第2測定点7は、寝具5の複数か所に設定されている。具体的には、第2測定点7は、掛け寝具5aのX1方向からX2方向に向けて、第2測定点7a、第2測定点7b、および第2測定点7cを設定される。また、第2実施形態では、第3測定部8a、第3測定部8b、および第3測定部8cをそれぞれ配置し、各第2測定点7における加速度を取得するように構成されている。

【0074】
第2実施形態では、図8に示すように、掛け寝具5aの一部がめくれた場合、掛け寝具5aの裏面側に配置されている第3測定部8cが掛け寝具5aの表面側に移動する。状態検出部3は、掛け寝具5aの同一面側に配置されていた第3測定部8において測定された加速度を比較することにより、掛け寝具5aがめくれているか否かを検出するように構成されている。具体的には、状態検出部3は、隣接する第3測定部8aおよび第3測定部8cが測定した加速度を取得し、互いの加速度の符号を比較することにより、掛け寝具5aの状態を検出するように構成されている。取得した加速度の符号が互いに異なっていれば、掛け寝具5aがめくれていることがわかる。

【0075】
(見守りシステムの処理)
次に、図9を参照して、第2実施形態による見守りシステム200が就寝者Tを見守る処理について説明する。

【0076】
ステップS1において、状態検出部3は、データの取得タイミングか否かの判定を行う。データの取得タイミングであった場合に、処理はステップS8へ進む。なお、ステップS1、ステップS4、ステップS6、およびステップS7の処理は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。

【0077】
ステップS8において、状態検出部3は、各第1測定点6の温度および湿度を取得する。また、状態検出部3は、各第2測定点7における加速度を取得する。また、状態検出部3は、室内環境の温度および湿度を取得する。その後、処理はステップS9へ進む。

【0078】
ステップS9にいて、状態検出部3は、各第1測定点6における温度および水蒸気量の比較結果を取得する。また、状態検出部3は、寝具5が就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出する。その後、処理は、ステップS4を経て、ステップS10へと進む。

【0079】
ステップS10において、状態検出部3は、報知条件を満たしているか否かを判定する。報知条件を満たしている場合、処理はステップS6へ進む。報知条件を満たしていない場合、処理はステップS7へ進む。なお、状態検出部3は、就寝者Tが寝具5から離脱していることを検出した場合や、離脱の予兆を検出した場合に、報知条件を満たしていると判定するように構成されている。また、状態検出部3は、掛け寝具5aがめくれていることを検出した場合にも、報知条件を満たしていると判定するように構成されている。

【0080】
その後、処理はステップS6、ステップS7へと進み、ステップS7において見守りを終了する場合は、処理を終了する。ステップS7において見守りを終了しない場合は、処理はステップS1に戻り、見守りシステム200は、就寝者Tの見守りを継続する。

【0081】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。

【0082】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

【0083】
第2実施形態では、上記のように、複数の第2測定点7の加速度を測定する第3測定部8をさらに備え、第2測定点7は、寝具5のうち、掛け寝具5aに複数設定され、状態検出部3は、取得された複数の第2測定点7の加速度に基づいて、掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。これにより、寝具5内の温度の比較結果の分布と、掛け寝具5aの状態とによって、就寝者Tの就寝状態を検出することができる。その結果、寝具5内の温度の比較結果の分布のみで就寝者Tの就寝状態を検出する場合と比較して、より詳細に就寝者Tの就寝状態を検出することができる。また、掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出することが可能となるので、掛け寝具5aがめくれていることにより、就寝者Tの急な冷却による体調不良などを予防することが可能となる。

【0084】
また、第2実施形態では、上記のように、状態検出部3は、第2測定点7毎の重力ベクトルの向きに基づいて、掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを検出するように構成されている。これにより、第2測定点7毎の重力ベクトルの向きに基づいて掛け寝具5aの状態を検出することが可能となり、掛け寝具5aの状態が変化する前後の静止状態における重力ベクトルの方向を取得することにより、掛け寝具5aの状態を検出することができる。したがって、就寝者Tの体動に伴い急速に変化する加速度の変化を直接検出し、掛け寝具5aの状態が変化する経過を短い時間で連続的に取得する場合と比較して、測定間隔を長くすることができる。その結果、測定間隔を短くする場合と比較して、処理するデータ量を低減することが可能となるので、状態検出部3の計算コストが増大することを抑制することができる。

【0085】
また、第2実施形態では、上記のように、第1測定部1と第3測定部8とは、一体形成されている。これにより、第1測定部1と第3測定部8とを別体で構成する場合と比較して、見守りシステム200の構成を簡素化することができる。

【0086】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。

【0087】
[第2実施例]
次に、図10を参照して、第2実施例による掛け寝具5aが就寝者Tを覆っているかめくれているかを取得した実験について説明する。

【0088】
第2実施例では、実験開始後、5分経過した時点で、第2測定点7aが設定されている付近の寝具5をめくった。

【0089】
図10に示すグラフ44は、各第3測定部8によって取得された加速度の測定結果を示している。グラフ44は、第3測定部8aが計測した加速度の測定結果44a(一点鎖線)と、第3測定部8bが計測した加速度の測定結果44b(破線)と、第3測定部8cが計測した加速度の測定結果44c(二点鎖線)とを示している。なお、グラフ44の縦軸は、鉛直方向の加速度(m/s2)であり、横軸は、経過時間(分)である。また、グラフ44における線分44dは、掛け寝具5aをめくった時間を表している。

【0090】
図10に示すように、第3測定部8aおよび第3測定部8cは、掛け寝具5aの裏面側に配置されているため、測定した加速度の符号はマイナスである。一方、第3測定部8bは、掛け寝具5aの表面側に配置されているため、測定した加速度の符号はプラスである。なお、第2実施例では、各第3測定部8は同一の加速度センサ80を用いており、掛け寝具5aの表面側に配置した場合に測定結果の符号がプラスとなる向きに各第3測定部8を配置した。

【0091】
第2実施例では、グラフ44に示すように、実験開始後、5分経過した時点で、第3測定部8aによって測定された加速度の符号が、マイナスからプラスに変化した。これは、掛け寝具5aがめくられたことにより、第3測定部8aは、掛け寝具5aの裏面側から表面側に移動したためであると考えられる。第2測定点7a付近の掛け寝具5aをめくることにより、第3測定部8aおよび第3測定部8cにおいて測定された加速度の符号が互いに異なっているという結果を得ることができたので、第3測定部8の測定結果によって掛け寝具5aのめくれを検出することが可能でことを確認することができた。

【0092】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。

【0093】
たとえば、上記第1実施形態では、各第1測定部1と状態検出部3とを無線通信で接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示すように、各第1測定部1と状態検出部3とは、有線で接続されていてもよい。しかし、各第1測定部1と状態検出部3とを有線で接続した場合、掛け寝具5aの裏面側を配線が通るため、配線が就寝者Tに接触することにより、就寝者Tに不快感を与える可能性がある。そのため、各第1測定部1と状態検出部3とは、無線通信で接続することが好ましい。

【0094】
また、上記第1および第2実施形態では、各第1測定部1(各第3測定部8)を寝具5の短手方向(X方向)に3個配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12(A)に示すように、就寝者Tの体軸Ta上に複数の第1測定部1(第3測定部8)を配置する構成でもよい。また、図12(B)に示すように、第1測定部1(各第3測定部8)を掛け寝具5a上において、等間隔で一様に配置する構成でもよい。また、図12(C)に示すように、第1測定部1を、掛け寝具5aと敷き寝具5bとに配置する構成でもよい。なお、図12(C)に示す例では、敷き寝具5bに配置された第1測定部1に対してハッチングを付して図示している。

【0095】
また、上記第1および第2実施形態では、各第1測定部1(第3測定部8)を掛け寝具5aの表面側と裏面側とに配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。掛け寝具5aの表面側のみ、または、掛け寝具5aの裏面側のみに各第1測定部1(第3測定部8)を配置する構成でもよい。

【0096】
また、上記第2実施形態では、状態検出部3は、隣接する第3測定部8が取得した加速度の符号を比較することにより掛け寝具5aの状態を検出する構成の例を示したが、本発明これに限られない。たとえば、状態検出部3は、隣接する第3測定部8が測定した加速度ベクトルをそれぞれ正規化し、正規化されたそれぞれの加速度ベクトルの内積を取得することにより、掛け寝具5aの状態を検出するように構成されていてもよい。

【0097】
また、上記第2実施形態では、第1測定部1と第3測定部8とが一体形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図13に示すように、第1測定部1と第3測定部8とを別体で構成してもよい。第1測定部1と第3測定部8とを別体で構成する場合、図14に示すように、各第1測定部1を就寝者Tの体軸Ta近傍に配置するとともに、各第3測定部8を掛け寝具5aの4隅の近傍に配置するように構成されていてもよい。このように構成すれば、掛け寝具5a内の温度および湿度の測定に適した位置に第1測定部1を配置することができるとともに、掛け寝具5aのめくれを検出するのに適した位置に第3測定部8を配置することができる。

【0098】
また、上記第1および第2実施形態では、第1測定部1は、第1測定点6の温度および湿度を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1測定部1は、第1測定点6の湿度を取得せずに、温度のみを取得する構成でもよい。しかし、第1測定部1が温度と湿度とを取得する構成の方が、寝具5内における就寝者Tの位置を検出する精度が向上するので、第1測定部1は、温度と湿度とを取得する構成の方が好ましい。

【0099】
また、上記第1および第2実施形態では、第1測定部1(第3測定部8)および第2測定部2と、状態検出部3とを同一の室内R1に配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第1測定部1(第3測定部8)および第2測定部2と、状態検出部3とを異なる場所に配置してもよい。その場合、たとえば、第1情報(第3情報)および第2情報を取得し、ネットワークを介して状態検出部3に送信する情報取得送信部などを、第1測定部1(第3測定部8)および第2測定部2と同一の室内R1に配置すればよい。

【0100】
また、上記第1および第2実施形態では、第2測定部2と状態検出部3とを有線で接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2測定部2も第1測定部1と同様に、状態検出部3と無線通信により接続する構成でもよい。

【0101】
また、上記第1および第2実施形態では、第1測定部1を複数設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1測定部1を1つ設ける構成でもよい。しかし、第1測定部1が1つしかない場合、就寝者Tの寝具5内における詳細な位置の変化などを検出することが難しくなるため、第1測定部1を複数備える構成の方がよい。

【0102】
また、上記第1および第2実施形態では、状態検出部3は、比較結果として第1情報と第2情報との差分値を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1情報と第2情報との比を取得することにより、比較結果を取得してもよい。室内環境の変化に伴う影響を抑制することが可能であれば、比較結果はどのように取得されてもよい。

【0103】
また、上記第1実施形態では、状態検出部3は、温度の比較結果および水蒸気量の比較結果に基づいて、就寝者Tの寝具5内における位置を検出する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、状態検出部3は、第1情報と第2情報とを組み合わせ、閾値や回帰モデル、機械学習による推定などにより、就寝者Tの寝具5内における位置を検出するように構成されていてもよい。

【0104】
また、上記第1および第2実施形態では、温度、湿度、および加速度を計測する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、掛け寝具5aに磁気センサをさらに備える構成でもよい。このように構成すれば、磁気センサによって、掛け寝具5aの向きを取得することが可能になるので、掛け寝具5aの状態をより詳細に検出することができる。
【符号の説明】
【0105】
1、1a、1b、1c 第1測定部
2 第2測定部
3 状態検出部
4 報知部
5 寝具
5a 掛け寝具
5b 敷き寝具
6、6a、6b、6c 第1測定点
7、7a、7b、7c 第2測定点
8、8a、8b、8c 第3測定部
100、200 見守りシステム
T 就寝者
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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