TOP > 国内特許検索 > 新生児感染症または周産期感染症の診断技術 > 明細書

明細書 :新生児感染症または周産期感染症の診断技術

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-004880 (P2019-004880A)
公開日 平成31年1月17日(2019.1.17)
発明の名称または考案の名称 新生児感染症または周産期感染症の診断技術
国際特許分類 C12Q   1/6876      (2018.01)
G01N  33/50        (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C12Q 1/6876 Z
G01N 33/50 J
G01N 33/53 M
G01N 33/53 D
C12N 15/09 Z
請求項の数または発明の数 16
出願形態 OL
全頁数 29
出願番号 特願2018-122126 (P2018-122126)
出願日 平成30年6月27日(2018.6.27)
優先権出願番号 2017126646
優先日 平成29年6月28日(2017.6.28)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】仲 哲治
【氏名】藤本 穣
【氏名】世良田 聡
出願人 【識別番号】504174180
【氏名又は名称】国立大学法人高知大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100078282、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 秀策
【識別番号】100113413、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 夏樹
【識別番号】100118371、【弁理士】、【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
【識別番号】100181674、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 貴敏
【識別番号】100181641、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 大輔
【識別番号】230113332、【弁護士】、【氏名又は名称】山本 健策
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
4B063
Fターム 2G045AA25
2G045CA25
2G045DA14
2G045DA36
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ02
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
要約 【課題】本発明は、新生児感染症または周産期感染症を診断する方法、診断薬、システムおよびキットを提供する。
【解決手段】詳細には、本発明は、新生児敗血症をはじめとする新生児感染症または周産期感染症の早期発見を可能にする新規バイオマーカーであるロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)を使用して、被検体が新生児感染症または周産期感染症であるかどうかを診断する方法、キット、検査もしくは診断剤および検査もしくは診断システムを提供する。また、新生児感染症または周産期感染症を有する被検体における薬剤投与終了時の判断や投与薬剤や治療方針の変更の判断時における指標としての用途も提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段を含む、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項2】
LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段が、前記LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に特異的に結合する核酸、タンパク質、または抗体もしくはその結合性断片ならびにNMR、質量分析、オートラジオグラフィー、クロマトグラフィー、サザンブロット、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、LTIA、ELISA、RA、ECLIAおよび電気泳動を実施する装置からなる群より選択される、請求項1に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項3】
前記LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する試薬または手段が、
(i)LRG遺伝子の転写産物またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する核酸プローブまたは核酸プライマー、または
(ii)LRGタンパク質またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する抗体またはその結合性断片
を含む、請求項1に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項4】
前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後4週の胎児もしくは新生児またはその母体、あるいはその両者の感染症である、請求項1~3のいずれか一項に記載の検査剤診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項5】
前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後7日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、請求項4に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項6】
前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後2日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、請求項4に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項7】
前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後1日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、請求項4に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項8】
前記LRG遺伝子産物またはその分解産物は、前記新生児またはその母体の体液中に存在する、請求項4~7のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項9】
前記体液は、前記母体の血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液、ならびに前記新生児の臍帯血、血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液からなる群より選択される、請求項8に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項10】
前記体液が、前記母体の血液もしくは前記臍帯血、またはその両者を含む、請求項9に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項11】
前記新生児感染症または周産期感染症は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、臍帯炎、新生児結膜炎、新生児細菌性髄膜炎、先天性および周産期サイトメガロウイルス感染症、新生児B型肝炎ウイルス感染症、新生児C型肝炎ウイルス感染症、ヒトT細胞白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症、B群溶連菌感染症、新生児肺炎、先天性風疹、新生児単純ヘルペスウイルス感染症、新生児敗血症、先天梅毒、新生児の院内感染症、周産期の結核、先天性トキソプラズマ症、水痘、HIVおよび新生児リステリア症からなる群より選択される少なくとも一つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項12】
前記新生児感染症または周産期感染症は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、新生児敗血症または新生児肺炎を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項13】
前記検査または診断は、新生児感染症または周産期感染症を、早期産、胎児発育不全(FGR)、妊娠高血圧症候群、および胎児機能不全(NRFS)からなる群より選択される少なくとも1つの疾患と区別するものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
【請求項14】
LRG遺伝子産物またはその分解産物の新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための指標としての使用。
【請求項15】
被験体におけるLRG遺伝子産物またはその分解産物を測定する工程を含む、該被験体の新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための方法。
【請求項16】
LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段の新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新生児感染症または周産期感染症を診断する技術に関する。より詳しくは、ロイシンリッチα2グリコプロテイン(leucine rich alpha 2 glycoprotein: LRG)(以下、LRGともいう)を新生児感染症または周産期感染症の指標(バイオマーカー)として使用して、検査または診断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
新生児感染症または周産期感染症は、広義に新生児期または周産期の胎児または新生児および/またはその母体(妊産婦)が感染する疾患であり、早期の処置をしなければ、母子を問わず、重篤な疾患になることがあるが、生理的変化によりCRPなど既存のマーカーでの評価が困難であり、治療の遅延ならびに効果判定に苦慮することがあり、現在のところ、これを早期に診断または検出する技術はない(非特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Nishikawa T et al.,The Journal of Immunology, 2008, 180: 3492-3501.
【非特許文献2】Wasunna, A., et al., 1990. C-reactive protein and bacterial infection in pretern infants. Eur. J. Pediatr. 149; 424-427
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、新生児肺炎、新生児敗血症、絨毛膜羊膜炎をはじめとする「新生児感染症または周産期感染症」(対象には新生児、胎児および母体を含む。)の早期発見および早期治療を可能にする新規バイオマーカーならびに新規バイオマーカーを使用して、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断する方法、キット、検査剤、診断剤および検査もしくは診断システムを提供する。妊産婦および新生児期の感染は、生理的変化によりCRPなど既存のマーカーでの評価が困難であり、治療の遅延ならびに効果判定に苦慮することがあったが、本発明はこの課題を解決した。
【0005】
より具体的に述べると以下の通りである。本発明者らは、上記の目的を達成すべく、新生児感染症または周産期感染症を有するまたは有さない新生児の臍帯血中のLRG濃度を測定し、その値を比較した。その結果、新生児感染症または周産期感染症においては、新生児感染症または周産期感染症を有さない場合と比較して、LRG濃度が高値であった。この結果は、新生児感染症または周産期感染症にLRGが関連することを示すものである。具体的には、周産期管理を行った妊産婦から採取した血液および新生児の臍帯血において、血清中LRGをELISA法にて測定し、生理学的変動および感染症合併時の変化について検討した(なお、本研究は各機関における倫理委員会の承認を得て施行した)。実施例に示されるように、非感染妊産婦の血清中LRGは、全妊娠期間を通して非妊娠女性(約10.0μg/ml)よりも高値(15.18±5.0μg/ml)を示し、妊娠高血圧腎症や子宮内胎児発育遅延をはじめとした産科合併症の影響は認めなかった。また、母体血清中LRGは子宮内感染合併症例では有意に上昇し、周産期の妊産婦における体液(例えば血清)中のLRGが子宮内感染症などの妊婦の周産期感染症におけるマーカーとなることが実証された。新生児の非感染例の臍帯血血清中LRGは、3.47±0.72μg/mlであった。感染を伴った新生児症例では、臍帯血血清中CRPは有意な上昇を認めなかったが(p=0.06)、LRGでは有意な上昇が認められた(p<0.01)。妊産婦および新生児期早期の感染症において血清中LRGは有効なマーカーとして機能する能力が示された。
【0006】
本発明において開示された結果により、新生児感染症または周産期感染症のバイオマーカーとしてのLRGの使用の有効性が明らかになったため、その使用により新生児感染症または周産期感染症を検査または診断する方法、キット、検査剤、診断剤および検査もしくは診断システムを提供することができる。
【0007】
このように、本発明は、LRGの新規用途に関するものである。詳細には、LRGの周産期・新生児期の新生児感染症のバイオマーカーとしての新規用途に関する発明である。LRGは従来知られた遺伝子、タンパク質であるが、周産期、新生児期の新生児感染症および周産期感染症のマーカーとしての使用は知られていない。炎症マーカーとしては成人における臨床検査に用いられるCRPやプロカルシトニンが知られているが、周産期や新生児期にはこれらの遺伝子は発現していないか発現しても不十分であり、マーカーとして利用できるものではなかった(非特許文献1~2)。一般に、非妊娠成人や小児と、妊産婦および新生児とは肝臓における代謝機構が異なることから、通常の成人や小児においてマーカーとして使用できるものであっても妊産婦や新生児は別の挙動を示すことが通常であり、そのままマーカーとして使用できるものではない。そのため、現在でも、特に周産期から早期新生児において利用できる新生児感染症および周産期感染症の有効なマーカーは存在していない。
【0008】
本発明はそのような状況の中、LRGが予想外にも周産期感染症および新生児感染症の早期(例えば、臍帯血での検出が可能)の検出が可能であることを見出し、従来技術に比べて顕著な効果を奏するものである。
【0009】
本発明はまた、臍帯炎が認められたベビーの臍帯血でLRGは優位に上昇していることも見出した。また、他の産科的合併症では必ずしもLRGが上昇しないことも見出した。したがって、本発明のLRGはCRPよりも臍帯炎マーカーとして有用である。
【0010】
したがって、本件発明は以下を提供する。
(1) LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段を含む、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(2) LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段が、前記LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に特異的に結合する核酸、タンパク質、または抗体もしくはその結合性断片ならびにNMR、質量分析、オートラジオグラフィー、クロマトグラフィー、サザンブロット、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、LTIA、ELISA、RA、ECLIAおよび電気泳動を実施する装置からなる群より選択される、項目1に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(3) 前記LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段が、
(i)LRG遺伝子の転写産物またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する核酸プローブまたは核酸プライマー、または
(ii)LRGタンパク質またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する抗体またはその結合性断片を含む、項目1または2に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(4) 前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後4週の胎児もしくは新生児またはその母体、あるいはその両者の感染症である、項目1~3のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(5) 前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後7日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、項目1~4のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(6) 前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後2日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、項目1~5のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(7) 前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後1日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である、項目1~6のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(8) 前記LRG遺伝子産物またはその分解産物は、前記新生児またはその母体の体液中に存在する、項目1~7のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(9) 前記体液は、前記母体の血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液、ならびに前記新生児の臍帯血、血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液からなる群より選択される、項目8に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(10) 前記体液が、前記母体の血液もしくは前記臍帯血、またはその両者を含む、項目8または9に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(11) 前記新生児感染症または周産期感染症は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、臍帯炎、新生児結膜炎、新生児細菌性髄膜炎、先天性および周産期サイトメガロウイルス感染症、新生児B型肝炎ウイルス感染症、新生児C型肝炎ウイルス感染症、ヒトT細胞白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症、B群溶連菌感染症、新生児肺炎、先天性風疹、新生児単純ヘルペスウイルス感染症、新生児敗血症、先天梅毒、新生児の院内感染症、周産期の結核、先天性トキソプラズマ症、水痘、HIVおよび新生児リステリア症からなる群より選択される少なくとも一つを含む、項目1~10のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(12) 前記新生児感染症または周産期感染症は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、新生児敗血症または新生児肺炎を含む、項目1~11のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(13) 前記検査または診断は、新生児感染症または周産期感染症を、早期産、胎児発育不全(FGR),妊娠高血圧症候群、および胎児機能不全(NRFS)からなる群より選択される少なくとも1つの疾患と区別するものである、項目1~12のいずれか一項に記載の検査剤、診断剤または検査もしくは診断のためのキットもしくはシステム。
(14) LRG遺伝子産物またはその分解産物の新生児感染症または周産期感染症を検査剤、診断するための指標としての使用。
(14A) 項目1~13のいずれか一項に記載の1つまたは複数の特徴をさらに備える、項目14に記載の使用。
(15) 被験体におけるLRG遺伝子産物またはその分解産物を測定する工程を含む、該被験体の新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための方法。
(15A) 項目1~13のいずれか一項に記載の1つまたは複数の特徴をさらに備える、項目15に記載の方法。
(16) LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段の新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための使用。
(16A) 項目1~13のいずれか一項に記載の1つまたは複数の特徴をさらに備える、項目16に記載の使用。
【0011】
本発明はまた、本発明は新生児感染症または周産期感染症を検査または診断する方法であって、以下の工程:
a)試料中のLRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する工程、
b)該LRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを所定値と比較する工程であって、該レベルが該所定値より高い場合、新生児感染症または周産期感染症であると判断する工程を含む、方法を提供する。この方法は、項目1~13のいずれか一項に記載の1つまたは複数の特徴をさらに備え得る。
【0012】
本発明において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、LRGの新生児感染症または周産期感染症(新生児、胎児および母体(妊産婦)を含む)のバイオマーカーとしての有効性が明らかとなったので、例えば、臍帯血中のLRGタンパク質を検出または測定することにより、新生児感染症または周産期感染症(新生児、胎児および母体(妊産婦)を含む)を検査または診断することができる。また、被検体における薬剤投与終了時の判断や投与薬剤や治療方針の変更などに対して、最も効果的な方法を選択することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、感染群と非感染群との間で、CRPタンパク質およびLRGタンパク質の濃度を比較した図である。
【図2】図2は、臍帯血中のCRPタンパク質およびLRGタンパク質のROC曲線を示した図である。
【図3】図3は、CAM合併症有する妊産婦(CAM(+))と有さない妊産婦(CAM(-))との間の血清LRGタンパク質濃度の比較図である。
【図4】図4は、臍帯炎の有無と臍帯血LRGを調査した実施例に関する説明図である。母体感染がある場合に、臍帯炎がない場合新生児に感染はなく、臍帯炎ありの場合、新生児に感染があると判定される。
【図5】図5は、臍帯炎が認められたベビーの臍帯血LRGはCRPよりも優位に上昇し、臍帯炎マーカーとして有用であることを示す図である。妊婦から出生した新生児を対象として、臍帯血中のLRGとCRPの測定を行った。絨毛膜羊膜炎の母体から出生した新生児について、胎児感染の有無を病理組織学的な臍帯炎の有無により判定し、2群に分けた。母子ともに感染を認めないケースを対照群とした。絨毛膜羊膜炎の母体から出生した新生児のうち、臍帯炎を認めた群のみで有意にLRGが上昇した。CRPでも同様に、臍帯炎を認めた群で有意な上昇が見られたが、明確な上昇がみられた症例はわずかであった。
【図6】図6は、LRGはCRPよりも臍帯炎マーカーとして有用であることを示す。1特異性と感受性とのROC曲線を作成したところ、LRGがCRPよりはるかにROC値が良好であった。
【図7】図7は、産科的合併症とLRGの関係を調査した結果を示す。他の産科的合併症では必ずしもLRGが上昇しないことが見いだされた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。本明細書において、数値の前の「約」とは、後に続く数値の±10%を意味する。

【0016】
本発明は、LRGタンパク質が新生児敗血症をはじめとする新生児感染症または周産期感染症(新生児、胎児および母体(妊産婦)を含む)に少なくとも部分的には関連していることへの発見に基づく。当該知見は、LRGを新生児感染症または周産期感染症マーカーとして使用できるだけでなく、薬剤投与終了時の判断や投与薬剤や治療方針の変更などに対して、最も効果的な方法を選択することもできる。即ち、新生児感染症または周産期感染症の早期発見および早期治療の提供において有用である。

【0017】
(定義)
以下、本明細書で使用される用語の定義を提供する。

【0018】
本明細書において、「ロイシンリッチα2グリコプロテイン(leucine rich alpha 2 glycoprotein: LRG)」とは、約50kDaの糖タンパク質であり、健常人血清では約3.0μg/mL濃度含まれていることが知られている。また、LRGは好中球から分泌されることが報告されている(J Leukoc Biol.2002 72(3):478-85.)。また、LRGは顆粒球で発現することも報告されているが、LRGの発現はIL-6の刺激により誘導されるものではない。かかるLRGは、ベーチェット病、キャッスルマン氏病又は関節リウマチ等の自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎のバイオマーカーとなりうることが、本発明者らにより報告されている(Ann Rheum Dis Published Online First:22 October 2009. doi:10.1136/ard.2009.118919;Serada S,Naka T et al“Serum leucine-rich alpha-2 glycoprotein is a disease activity biomarker in ulcerative colitis”Inflamm Bowel Dis 2012 Nov;18(11):2169-79. doi: 10.1002/ibd.22936. Epub 2012 Feb 28)。

【0019】
LRGは、塩基配列がGenBank Accession No.NM_052972.2等で示され、アミノ酸配列がGenBank Accession No.NP_443204.1などで示される。LRGは、タンパク質を構成するアミノ酸配列が、上記で特定されるアミノ酸配列であってもよいし、当該アミノ酸配列とは1~複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加、導入されていても良い。さらには、LRGタンパク質全体であってもよいし、部分タンパク質であってもよい。以下、本明細書において「LRGタンパク質」とは、上述のように、GenBank Accession No.NP_443204.1で特定されるアミノ酸配列、又は前記特定されるアミノ酸配列から1~複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加、導入されているアミノ酸配列から構成されるタンパク質や、LRGの部分タンパク質も含む意味で用いられる。

【0020】
また、本発明の検査方法において検出または測定されるLRG遺伝子の転写産物は、上記LRGをコードする塩基配列と同一または実質的に同一な塩基配列を含有するDNAなどが挙げられる。LRGをコードする塩基配列と実質的に同一なDNAとしては、例えば、該塩基配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、特に好ましくは約80%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが挙げられる。本明細書における塩基配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=-3)にて計算することができる。

【0021】
本明細書において使用される場合、「新生児期」および「早期新生児期」は、世界保健機関が定義しているように、それぞれ、生後28日未満および日齢7日未満を意味する。「周産期」は、世界保健機関(ICD-10)で定義されるように、妊娠22週から生後満7日未満を意味する。

【0022】
本明細書において使用される場合、「新生児感染症」または「周産期感染症」は、まとめて言及する場合、新生児期または周産期において胎児または新生児および母体(妊産婦)が感染している疾患をいう。新生児感染症または周産期感染症としては、例えば、子宮頚管を経て、または経胎盤的に感染する疾患が含まれ、母体の感染症も含まれる。胎児の感染症と母体の感染症を別々に言及する場合は、本明細書ではそれぞれ「胎児周産期感染症」および「妊産婦周産期感染症」と称する。経胎盤的に起こる感染症には、胎児付属物である絨毛膜や羊膜に細菌感染が及んで生じる絨毛膜羊膜炎(CAM)などがあり、これは早産の原因となり、超低体重児が生まれる原因となる感染症であることが知られている。これらの感染症としては、例えば、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、臍帯炎、新生児結膜炎、新生児細菌性髄膜炎、先天性および周産期サイトメガロウイルス感染症、新生児B型肝炎ウイルス感染症、新生児C型肝炎ウイルス感染症、ヒトT細胞白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症、B群溶連菌感染症、新生児肺炎、先天性風疹、新生児単純ヘルペスウイルス感染症、新生児敗血症、先天梅毒、新生児の院内感染症、周産期の結核、先天性トキソプラズマ症、水痘、HIVおよび新生児リステリア症などが挙げられる。好ましくは、新生児感染症または周産期感染症は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、新生児敗血症または新生児肺炎を含む。

【0023】
1つの実施形態において、本発明で行われる検査または診断は、新生児感染症または周産期感染症を、早期産、胎児発育不全(FGR),妊娠高血圧症候群、胎児機能不全(NRFS)を含む他の疾患のうち少なくとも1つの、少なくとも2つ、少なくとも3つ、あるいは4つすべての疾患と区別し得る。早期産、胎児発育不全(FGR),妊娠高血圧症候群、胎児機能不全(NRFS)などの、他の産科的合併症から区別し得ることは予想できない効果である。

【0024】
一局面において、新生児感染症または周産期感染症は、ヒトの場合、妊娠22週~生後4週(28日)の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。別の局面において、新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後7日、好ましくは6日まで、5日まで、4日まで、3日までの胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。好ましい局面において、新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後2日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。より好ましい局面において、前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後1日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。さらに好ましくは、前記新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後すぐ(1~6時間程度)の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。これらの期間は、ヒト以外の動物種では変動し得る。当業者には、その換算は容易であり、適宜換算することができる。

【0025】
本明細書において使用される場合、「感染症治療剤」としては例えば、セフトリアキソン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、アシクロビル、ビダラビン、イドクスウリジン、ポビドンヨード、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ペニシリン、スピラマイシン、ピリメタミン、スルファジアジン、アシクロビル、トリフルリジン、イドクスウリジン、アンピシリン、リファンピシン、メロペネム、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ゲンタマイシン、セフォタキシム、アムホテリシンB、エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミドおよびアミカシン等が挙げられる。

【0026】
本発明の方法が適用できる生体は、特に制限されないが、例えば、新生児感染症または周産期感染症に罹患しているおそれがある生体、もしくは罹患していることが疑われる生体、あるいは現に新生児感染症または周産期感染症に罹患している生体であって、例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ等が挙げられる。好ましくは、ヒトである。なお、ヒト以外の場合、当業者であれば新生児感染症または周産期感染症となる時期は、ヒトのものに基づいて適宜換算することができる。

【0027】
本発明の検査または診断方法において用いられる生体検体としては、検査または診断対象である上記生体(母体、胎児または新生児)から分離されるものであって、検出または測定する対象であるLRG遺伝子産物(例、RNA、タンパク質、その分解産物など)を含有し得る細胞、細胞を含有する組織、血液(血清、血漿等)、尿、髄液、体腔穿刺液(胸水、腹水)またはリンパ液等であれば特に制限されない。例えば、侵襲性が低く、倫理的に許容される場合は、脳、髄膜、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、脂肪組織、骨格筋、リンパ節、血液(血清、血漿等)、尿、髄液、体腔穿刺液(胸水、腹水)またはリンパ液などの体液や身体の一部を用いることもできるが、好ましくは肺、髄膜、リンパ節、血液(血清、血漿等)、尿、髄液、体腔穿刺液(胸水、腹水)またはリンパ液、より好ましくは血液(血清、血漿等)またはリンパ液、特に好ましくは血清である。生体検体が血清の場合、LRGの検出を容易にするために、予め発現量の高い血清タンパク質、例えばアルブミン、免疫グロブリンG(IgG)、トランスフェリン、免疫グロブリンA(IgA)、ハプトグロビン、α1アンチトリプシン、フィブリノゲン、α2マクログロブリン、免疫グロブリンM(IgM)、α1-酸性糖タンパク質、補体C3、アポリポタンパク質AI、アポリポタンパク質AII、トランスサイレチンなどを除去するための前処理を行っても良い。

【0028】
本明細書において使用される場合、「体液」は、生体が何らかの形で体内に有する液体をいう。体液としては、例えば、母体から採取した血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液、あるいは新生児の臍帯血、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液などが挙げられる。

【0029】
本明細書において「試料」とは、被験体等から得られた任意の物質をいい、例えば、核酸(例えば、RNA)、細胞、組織、器官等が含まれる。当業者は本明細書の記載をもとに適宜好ましい試料を選択することができる。

【0030】
本明細書において「手段」とは、ある目的を達成する任意の道具となり得るものをいう。

【0031】
本明細書において「診断」とは、被験体における疾患、障害、状態などに関連する種々のパラメータを同定し、そのような疾患、障害、状態の現状または未来を判定することをいう。本発明の方法、装置、システムを用いることによって、体内の状態を調べることができ、そのような情報を用いて、被験体における疾患、障害、状態、投与すべき処置または予防のための処方物または方法などの種々のパラメータを選定することができる。本明細書において、狭義には、「診断」は、現状を診断することをいうが、広義には「早期診断」、「予測診断」、「事前診断」等を含む。本発明の診断方法は、原則として、身体から出たものを利用することができ、医師などの医療従事者の手を離れて実施することができることから、産業上有用である。本明細書において、医師などの医療従事者の手を離れて実施することができることを明確にするために、特に「予測診断、事前診断もしくは診断」を「支援」すると称することがある。

【0032】
本発明の診断薬等の医薬等としての処方手順は、当該分野において公知であり、例えば、日本薬局方、米国薬局方、他の国の薬局方などに記載されている。従って、当業者は、本明細書の記載があれば、過度な実験を行うことなく、使用すべき量を決定することができる。

【0033】
生体から分離した生体検体におけるLRGの検出または定量は、該生体検体からRNA(例:全RNA、mRNA)画分を調製し、該画分中に含まれるLRG遺伝子の転写産物またはその逆転写産物を検出または定量することにより調べることができる。

【0034】
(LRGの検出・検査)
従って、一実施態様において、本発明の検査方法は、LRG遺伝子の転写産物またはその逆転写産物を特異的に検出し得る核酸プローブまたは核酸プライマーを用いて測定することを特徴とする。

【0035】
RNA画分の調製は、グアニジン-CsCl超遠心法、AGPC法など公知の手法を用いて行うことができるが、市販のRNA抽出用キット(例:RNeasy Mini Kit;QIAGEN製等)を用いて、微量生体検体から迅速且つ簡便に高純度の全RNAを調製することができる。RNA画分中のLRG遺伝子の転写産物を検出する手段としては、例えば、ハイブリダイゼーション(ノーザンブロット、ドットブロット、DNAチップ解析等)を用いる方法、あるいはPCR(RT-PCR、競合PCR、リアルタイムPCR等)を用いる方法などが挙げられる。微量生体検体から迅速且つ簡便に定量性よくLRG遺伝子の発現変動を検出できる点で競合PCRやリアルタイムPCRなどの定量的PCR法が好ましい。

【0036】
ノーザンブロットまたはドットブロットハイブリダイゼーションによる場合、LRG遺伝子の検出は、例えば、LRGの転写産物を特異的に検出し得る核酸プローブを用いて行うことができる。そのような核酸プローブは、前述の公知のLRGヌクレオチド配列に含まれる、約15塩基以上、好ましくは約18~約500塩基、より好ましくは約18~約200塩基、いっそう好ましくは約18~約50塩基の連続したヌクレオチド配列またはその相補配列を含むポリヌクレオチドである。該核酸はDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。好ましくはDNAが挙げられる。また、プローブとして用いられる核酸は、二本鎖であっても一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、アンチセンス鎖を用いることができる。

【0037】
また、本発明の検査方法に用いられる核酸プローブは、前述の公知のLRGについて示されるヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)第2版(J.Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Lab.Press,1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。ストリンジェントな条件としては、例えば、6×SSC(sodium chloride/sodium citrate)中45℃でのハイブリダイゼーション反応の後、0.2×SSC/0.1%SDS中65℃での一回以上の洗浄などが挙げられる。当業者は、ハイブリダイゼーション溶液の塩濃度、ハイブリダゼーション反応の温度、プローブ濃度、プローブの長さ、ミスマッチの数、ハイブリダイゼーション反応の時間、洗浄液の塩濃度、洗浄の温度等を適宜変更することにより、所望のストリンジェンシーに容易に調節することができる。

【0038】
LRG遺伝子の発現を検出し得るプローブとして機能する核酸は、該遺伝子の転写産物の一部もしくは全部を増幅し得る後述するプライマーセットを用い、生体(例:ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット等)のあらゆる細胞[例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、線維細胞、筋細胞、脂肪細胞、血液細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞もしくは間質細胞、または、倫理的に許される限りにおいて、これら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など]もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織[例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、脂肪組織、骨格筋など]由来のcDNAもしくはゲノムDNAを鋳型としてPCR法によって所望の長さの核酸を増幅するか、前記した細胞・組織由来のcDNAもしくはゲノムDNAライブラリーから、コロニーもしくはプラークハイブリダイゼーション等により上記LRG遺伝子もしくはcDNAをクローニングし、必要に応じて制限酵素等を用いて適当な長さの断片とすることにより取得することができる。ハイブリダイゼーションは、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)第2版(前述)に記載の方法などに従って行なうことができる。あるいは、該核酸は、公知のLRGについて示される塩基配列情報に基づいて、該塩基配列および/またはその相補鎖配列の一部もしくは全部を市販のDNA/RNA自動合成機等を用いて化学的に合成することによっても得ることができる。

【0039】
該核酸は、標的核酸の検出・定量を可能とするために、標識剤により標識されていることが好ましい。標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔32P〕、〔H〕、〔14C〕などが用いられる。酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、プローブと標識剤との結合にビオチン-(ストレプト)アビジンを用いることもできる。

【0040】
ノーザンハイブリダイゼーションによる場合は、上記のようにして調製したRNA画分をゲル電気泳動にて分離した後、ニトロセルロース、ナイロン、ポリビニリデンジフロリド等のメンブレンに転写し、上記のようにして調製された標識プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液中、特異的にハイブリダイゼーションさせた後、適当な方法でメンブレンに結合した標識量をバンド毎に測定することにより、LRG遺伝子の発現量を測定することができる。ドットブロットの場合も、RNA画分をスポットしたメンブレンを同様にハイブリダイゼーション反応に付し、スポットの標識量を測定することにより、LRG遺伝子の発現量を測定することができる。

【0041】
別の好ましい実施態様によれば、LRG遺伝子の発現を測定する方法として定量的PCR法が用いられる。定量的PCRとしては、例えば、競合PCRやリアルタイムPCRなどがある。

【0042】
PCRにおいてプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドのセットとしては、例えば、LRG遺伝子の転写産物を特異的に検出し得る核酸プライマーを挙げることができる。1つの好ましい態様においては、本発明の検査方法に用いられる核酸プライマーとしては、例えば、公知のLRGについて示されるヌクレオチド配列に含まれる、約15塩基以上、好ましくは約15~約50塩基、より好ましくは約15~約30塩基、いっそう好ましくは約15~約25塩基の連続したヌクレオチド配列の長さを有し、約100bp~数kbpのDNA断片を増幅するようにデザインされたポリヌクレオチド(センス鎖)配列に相補的なポリヌクレオチド、及び前記のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド(アンチセンス鎖)にハイブリダイズし得るポリヌクレオチドのオリゴヌクレオチドのセットが挙げられる。

【0043】
あるいは、生体から分離した生体検体におけるLRGタンパク質の検出または定量は、該生体検体からタンパク質画分を調製し、該画分中に含まれる該遺伝子の翻訳産物(即ち、LRG)を検出または定量することにより調べることができる。LRGタンパク質の検出または定量は、LRGタンパク質を特異的に認識する抗体を用いて、免疫学的測定法(例:ELISA、FIA、RIA、ウェスタンブロット等)によって行うこともできる。

【0044】
従って、一実施態様において、本発明の検査方法は、LRG遺伝子の翻訳産物を特異的に検出し得る抗体を用いて測定することを特徴とする。

【0045】
LRGを特異的に認識する抗体は、LRGポリペプチドやその抗原性を有する部分ペプチド、具体的には、前述の公知のLRGに示されるペプチド配列の全部またはエピトープに当たる部分を有する部分ペプチドを免疫原として用い、既存の一般的な製造方法によって製造することができる。本明細書において、抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、およびこれらの結合性断片が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体又はこれらの結合性断片である。結合性断片とは、特異的結合活性を有する前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab’)、Fab’、Fab、Fv、sFv、dsFv、sdAb等が挙げられる(Exp.Opin.Ther.Patents,Vol.6,No.5,p.441-456,1996)。抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgG又はIgMであり、精製の容易性等を考慮するとより好ましくはIgGである。

【0046】
LRGのタンパク質量の測定方法としては、具体的には、例えば、(i)本発明の検出用抗体と、試料液および標識化されたLRGタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化されたタンパク質を検出することにより試料液中のLRGタンパク質を定量する方法や、(ii)試料液と、担体上に不溶化した本発明の検出用抗体および標識化された別の本発明の検出用抗体とを、同時あるいは連続的に反応させた後、不溶化担体上の標識剤の量(活性)を測定することにより、試料液中のLRGタンパク質を定量する方法等が挙げられる。

【0047】
LRGのタンパク質量の測定方法としては、具体的には、例えば、(i)本発明の検出用抗体と、試料液および標識化されたLRGタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化されたタンパク質を検出することにより試料液中のLRGタンパク質を定量する方法や、(ii)試料液と、担体上に不溶化した本発明の検出用抗体および標識化された別の本発明の検出用抗体とを、同時あるいは連続的に反応させた後、不溶化担体上の標識剤の量(活性)を測定することにより、試料液中のLRGタンパク質を定量する方法等が挙げられる。

【0048】
LRGのタンパク質発現レベルの検出および定量は、LRGタンパク質を認識する抗体を用いたウェスタンブロット法等の公知方法に従って定量できる。ウェスタンブロット法は、一次抗体としてLRGタンパク質を認識する抗体を用いた後、二次抗体として125Iなどの放射性同位元素、蛍光物質、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)等の酵素等で標識した一次抗体に結合する抗体を用いて標識し、これら標識物質由来のシグナルを放射線測定器(BAI-1800II:富士フイルム社製など)、蛍光検出器などで測定することによって実施できる。また、一次抗体としてLRGタンパク質を認識する抗体を用いた後、ECL Plus Western Blotting Detection System(GE Lifesciences社製)を利用して該プロトコールに従って検出し、マルチバイオメージャーSTORM860(GE Lifesciences社製)で測定することもできる。

【0049】
上記の抗体は、その形態に特に制限はなく、LRGタンパク質を免疫原とするポリクローナル抗体であっても、またモノクローナル抗体であってもよく、さらにはLRGタンパク質を構成するアミノ酸配列のうち少なくとも連続する、通常8アミノ酸、好ましくは15アミノ酸、より好ましくは20アミノ酸からなるポリペプチドに対して抗原結合性を有する抗体を用いることもできる。

【0050】
これらの抗体の製造方法は、すでに周知であり、本発明の抗体もこれらの常法に従って製造することができる(Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.12~11.13)。

【0051】
上記(ii)の定量法においては、2種の抗体はLRGタンパク質の異なる部分を認識するものであることが望ましい。例えば、一方の抗体がLRGタンパク質のN端部を認識する抗体であれば、他方の抗体として該タンパク質のC端部と反応するものを用いることができる。

【0052】
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン-(ストレプト)アビジン系を用いることもできる。

【0053】
本発明の検出用抗体を用いるLRGの定量法は、特に制限されるべきものではなく、試料液中の抗原量に対応した、抗体、抗原もしくは抗体-抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられる。感度、特異性の点で、例えば、後述するサンドイッチ法を用いるのが好ましい。

【0054】
抗原あるいは抗体の不溶化にあたっては、物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化・固定化するのに用いられる化学結合を用いてもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。

【0055】
サンドイッチ法においては不溶化した本発明の検出用抗体に試料液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明の検出用抗体を反応させた(2次反応)後、不溶化担体上の標識剤の量もしくは活性を測定することにより、試料液中のLRGタンパク質を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序で行っても、また、同時に行ってもよいし、時間をずらして行ってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相化抗体あるいは標識化抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。

【0056】
本発明の検出用抗体は、サンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどにも用いることができる。

【0057】
競合法では、試料液中のLRGタンパク質と標識したLRGタンパク質とを抗体に対して競合的に反応させた後、反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定することにより、試料液中のLRGタンパク質を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、ポリエチレングリコールや前記抗体(1次抗体)に対する2次抗体などを用いてB/F分離を行う液相法、および、1次抗体として固相化抗体を用いるか(直接法)、あるいは1次抗体は可溶性のものを用い、2次抗体として固相化抗体を用いる(間接法)固相化法とが用いられる。

【0058】
イムノメトリック法では、試料液中のLRGタンパク質と固相化したLRGタンパク質とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後、固相と液相を分離するか、あるいは試料液中のLRGタンパク質と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化したLRGタンパク質を加えて未反応の標識化抗体を固相に結合させた後、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し試料液中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。試料液中のLRGタンパク質の量がわずかであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。

【0059】
個々の免疫学的測定法を本発明の検査方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてLRGの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。例えば、入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol.70(Immunochemical Techniques(PartA))、同書Vol.73(Immunochemical Techniques(PartB))、同書Vol.74(Immunochemical Techniques(PartC))、同書Vol.84(Immunochemical Techniques(PartD:Selected Immunoassays))、同書Vol.92(Immunochemical Techniques(PartE:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、同書Vol.121(Immunochemical Techniques(PartI:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。

【0060】
また、別の局面では、LRGタンパク質の検出は、ハイスループットなタンパク質の発現・定量解析が可能なiTRAQTM試薬(ABI社)及び質量分析計の組み合わせによりプロテオーム解析を用いて測定することを特徴とする。

【0061】
(好ましい実施形態)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。

【0062】
なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

【0063】
一局面において、本発明は、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断する方法であって、以下の工程:a)試料中のLRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する工程、b)該LRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを所定値と比較する工程であって、該レベルが該所定値より高い場合、新生児感染症または周産期感染症であると判断する工程を含む、方法を提供する。別の局面において、本発明の方法は、被検体が新生児感染症または周産期感染症であるかどうかを診断する方法であって、a)被検体から得た試料中のLRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する工程、b)該LRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを所定値と比較する工程であって、該レベルが該所定値より高い場合、該被検体が新生児感染症または周産期感染症であると判断する工程、を含む、方法であってもよい。本発明の一局面において、一定濃度以上のLRG遺伝子産物またはその分解産物が存在しないと、これらに反応しない検出また測定する手段を用いることで、LRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを所定値と比較することなしに新生児感染症または周産期感染症であると判断することができる。他の局面において、本発明の方法は、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段として、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する触媒、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する核酸、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合するタンパク質またはLRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する粒子のうちの少なくとも1種を使用してもよい。

【0064】
本発明は、感染症を有する被検体に感染症治療薬を投与したときの治療効果を判断するための方法であって、a)被検体から得た試料中のLRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する工程、b)現在のLRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを、以前に同一の被検体において測定したレベルおよび所定値と比較する工程であって、該現在のレベルが該以前に測定したレベルと同じかまたは高い場合、該感染治療薬の投与を中止し、該以前に測定したレベルより低くかつ該所定値より高い場合、投与期間を延長し、該所定値より低い場合、投与を終了すると判断する工程、を含む、方法を提供する。本発明の一局面において、現在のLRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルが以前に測定したレベルとほぼ同一である場合、投与を中止せず、延長することもできる。別の局面において、現在のLRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルが所定値より低い場合、投与を延長することもできる。

【0065】
LRG遺伝子産物またはその分解産物がLRGタンパク質である場合、5.0μg/mlを比較するための所定の値として使用してもよい(約5.0μg/ml以下とするか、または約5.0μg/ml未満としてよい。)が、適宜変更することができる。例えば、母体の場合は、約15μg/mL、約20μg/mLなどの数値を用いることができる。非感染妊婦でもある程度LRGは通常成人よりも高くなる傾向にあるが、感染症の妊婦は非感染妊婦に比べて有意にLRGが高い値を示すことが実証されている。妊産婦では、特に後期(周産期を含む)になると代謝が大幅に変動することが知られており、例えば、CRPなども大きく変動するとされており、厳密な診断を行うに堪えうる有意義なバイオマーカーが存在しないとされている。したがって、新生児や胎児のみならず、妊産婦にとっても自身の感染症のマーカーが提供されることが極めて有用である。妊娠女性において感染症ありという有力根拠になり、実施例でも示されているように、CRPなどの既存のマーカーでは妊娠女性では有意差が出ないことから、妊娠女性に対しても、有力な検査剤および診断剤を提供する。

【0066】
本発明の一局面において、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段を含む、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するための検査剤、診断剤、検査キット、診断キット、検査システムまたくは診断システムが提供される。一部の局面において、本発明の検査剤もしくは診断剤、検査キットもしくは診断キットまたは検査システムもしくは診断システムは、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段として、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に特異的に結合する核酸、タンパク質または抗体もしくはその結合性断片ならびにNMR、質量分析、PCR、オートラジオグラフィー、サザンブロット、ノーザンブロット、クロマトグラフィー、電気泳動、顕微鏡および次世代シーケンシングを実施する装置のうちの少なくとも1種を含んでもよい。具体的には、ELISA、LTIA、FIA、RIA、CIA、二次元電気泳動、ウェスタンブロットなどが挙げられる。

【0067】
別の局面において、本発明は、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段を含む、新生児感染症または周産期感染症を検査または診断するためのキットを提供する。

【0068】
1つの好ましい実施形態では、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出または測定する試薬または手段が、(i)LRG遺伝子の転写産物またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する核酸プローブまたは核酸プライマー、または(ii)LRGタンパク質またはその前駆体もしくは分解産物に特異的に結合する抗体またはその結合性断片(例えば、抗原結合性断片)を含み得る。

【0069】
1つの実施形態では、新生児感染症または周産期感染症は、妊娠22週~生後4週の胎児もしくは新生児またはその母体、あるいはその両者の感染症であり、好ましくは、妊娠22週~生後7日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症であり、さらに好ましくは、妊娠22週~生後2日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症であり、さらに好ましくは、妊娠22週~生後1日の胎児もしくは新生児またはその母体の感染症である。

【0070】
LRG遺伝子産物またはその分解産物は、前記新生児またはその母体の体液中に存在するものである。このような体液中の存在物は、その後の処理が簡便であるため、好ましくあり得る。体液は、前記母体の血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液、ならびに前記新生児の臍帯血、血液、リンパ液、組織液、体腔液、脳脊髄液、関節液、眼房水、消化液、汗、涙、鼻水、尿、糞便および膣液であり得る。特に、血液、尿、汗などが好ましい。さらに好ましくは血液が好ましい。血液としては、母体の血液もしくは前記臍帯血、またはその両者を含み得る。

【0071】
本発明が対象としうる疾患または障害としては、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、臍帯炎、新生児結膜炎、新生児細菌性髄膜炎、先天性および周産期サイトメガロウイルス感染症、新生児B型肝炎ウイルス感染症、新生児C型肝炎ウイルス感染症、ヒトT細胞白血病ウイルス感染症、クラミジア感染症、B群溶連菌感染症、新生児肺炎、先天性風疹、新生児単純ヘルペスウイルス感染症、新生児敗血症、先天梅毒、新生児の院内感染症、周産期の結核、先天性トキソプラズマ症、水痘、HIVまたは新生児リステリア症などの新生児感染症または周産期感染症を挙げることができるがこれらに限定されない。好ましくは、これらの疾患または障害は、子宮内感染症、絨毛膜羊膜炎、新生児敗血症または新生児肺炎を含み得る。

【0072】
好ましい実施形態では、本発明の検査または診断は、新生児感染症または周産期感染症を、早期産、胎児発育不全(FGR)、妊娠高血圧症候群、胎児機能不全(NRFS)などの疾患のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、あるいは4つすべての疾患と区別するためのものである。

【0073】
本明細書において「キット」とは、通常2つ以上の区画に分けて、提供されるべき部分(例えば、試薬、プライマー、薬剤、標識、説明書など)が提供されるユニットをいう。安定性等のため、混合されて提供されるべきでなく、使用直前に混合して使用することが好ましいような組成物の提供を目的とするときに、このキットの形態は好ましい。そのようなキットは、好ましくは、提供される部分(例えば、薬剤をどのように使用するか、あるいは、試薬をどのように処理すべきかを記載する指示書または説明書を備えていることが有利である。本明細書においてキットが試薬キットとして使用される場合、キットには、通常、薬剤、抗体等の使い方などを記載した指示書などが含まれる。

【0074】
本明細書において「指示書」は、本発明を使用する方法を使用者に対する説明を記載したものである。この指示書は、本発明の逆転写テンプレートスイッチングPCRおよび試薬の使用方法を指示する文言が記載されている。また、指示書には、使用方法(スクリーニング方法)を指示する文言が記載されていてもよい。この指示書は、本発明が実施される国の監督官庁が規定した様式に従って作成され、その監督官庁により承認を受けた旨が明記される。指示書は、いわゆる添付文書(package insert)であり、紙媒体で提供されてもよく、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ、電子メール)のような形態でも提供され得る。

【0075】
他の局面において、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段は、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する触媒、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する核酸、LRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合するタンパク質またはLRG遺伝子産物もしくはその分解産物に結合する粒子のうちの少なくとも1種を含んでもよい。具体的には、例えば、酵素、ホルモン、コロイド、抗体またはその結合性断片、核酸プライマー、核酸プローブ、受容体などが挙げられる。さらに別の局面において、本発明のキットは、(i)LRG遺伝子の転写産物またはその前駆体もしくは分解産物を特異的に検出し得る核酸プローブまたは核酸プライマー、または(ii)LRGタンパク質またはその前駆体もしくは分解産物を特異的に検出し得る抗体、を含む、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定することが可能である、被検体が新生児感染症または周産期感染症であるかどうかを診断するための剤、キットもしくはシステム、または感染症に対する治療の効果を評価するための剤、キットもしくはシステムであってもよい。一局面において、本発明の剤、キットもしくはシステムを使用することで、新生児または周産期の感染症治療の効果を判断することができ、それによって感染症治療の継続もしくは終了または感染症治療の種類を選択することもできる。

【0076】
他の局面において、本発明のキットは、LRG遺伝子産物またはその分解産物のレベルを測定可能であってもよい。さらなる局面において、本発明のキットは、新生児感染症または周産期感染症であるかどうかの判断または治療効果の評価のために、レベル測定を必要としないキットであってもよい。一部の局面において、本発明のキットは、濃度調節可能なLRG遺伝子産物またはその分解産物を含んでもよい。

【0077】
別の局面において、本発明のキットは、LRG遺伝子産物またはその分解産物を特異的に検出し得る抗体、プライマーまたはプローブを検出する抗体、プライマーまたはプローブをさらに含み得る。このような抗体、プライマーまたはプローブは、標識されていてもよい。本発明のキットとしては、例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)キット、ラテックス免疫比濁法キット、リアルタイムPCR検出用キット、高速マルチプレックス数PCR検出キット、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)キット、粒子凝集イムノアッセイ法(LTIA)キットまたはin situハイブリダイゼーション用キットが挙げられる。

【0078】
さらに別の局面において、本発明のキットは、LRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段として、LRG遺伝子の転写産物またはその前駆体もしくは分解産物を異的に検出し得る核酸プローブもしくは核酸プライマーまたはLRGタンパク質あるいはその前駆体もしくは分解産物を特異的に検出し得る抗体を含んでもよい。検査また診断剤の一例として、抗体、プライマーまたはプローブなどのLRG遺伝子産物またはその分解産物を検出また測定する試薬または手段を結合させた物質を含んでもよい。かかる物質としては、例えば、ラテックス、金属コロイド、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックスまたは磁性体等が挙げられる。

【0079】
ELISA法では、例えばサンドイッチ法を用いることができる。固相担体に抗LRG抗体を固定し、適宜処理した生体試料を添加して反応させた後、さらに酵素で標識した別のエピトープを認識する抗LRG抗体を添加して反応させる。洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定することにより、LRG濃度を求めることができる。また、固相担体に固定した抗LRG抗体と生体試料中のLRGを反応させた後、非標識LRG抗体(一次抗体)を添加し、この非標識抗体に対する抗体(二次抗体)を酵素標識してさらに添加してもよい。

【0080】
酵素基質は、酵素がパーオキシダーゼの場合、3,3’-diaminobenzidine(DAB)、3,3’5,5’-tetramethylbenzidine(TMB)、o-phenylenediamine(OPD)等を用いることができ、アルカリホスファターゼの場合、p-nitropheny phosphate(NPP)等を用いることができる。

【0081】
また、上記イムノアッセイの中で、高感度にタンパク質を測定する方法として、ECLIA法も好ましい。ECLIA法ではマイクロビーズに抗LRG抗体を固定し、適宜処理した生体試料を添加して反応させた後、電気化学発光物質を標識した別のエピトープを認識する抗LRG抗体を添加して反応させる。マイクロビーズを洗浄後、電極上にマイクロビーズを捕捉し、電気エネルギーを加えて発光させ、発光量を測定することにより、LRG濃度を求めることができる。

【0082】
また、上記イムノアッセイの中で、微量のタンパク質を簡便に検出できる方法として凝集法も好ましい。凝集法としては、例えば、抗体にラテックス粒子を結合させたラテックス凝集法が挙げられる。

【0083】
ラテックス粒子に抗LRG抗体を結合させて生体試料に混合すると、LRGが存在すれば、抗体結合ラテックス粒子が凝集する。そこで、試料に近赤外光を照射して、吸光度の測定(比濁法)または散乱光の測定(比朧法)により凝集塊を定量し、LRGの濃度を求めることができる。

【0084】
粒子凝集イムノアッセイ法(LTIA法)もまた好ましい。LTIA法の概要は以下のとおりである。
試料中に存在するLRGを検出するための測定用試薬(キット)のA~Dの4態様として、それぞれ少なくとも以下の要素:
A.(a)第1のモノクローナル抗体を固定化したラテックス粒子及び(b)第2のモノクローナル抗体を固定化したラテックス粒子
B.(a)第1のモノクローナル抗体を固定化したラテックス粒子及び(b)第2のモノクローナル抗体
C.(a)第1のモノクローナル抗体及び(b)第2のモノクローナル抗体を固定化したラテックス粒子
D.(a)第1のモノクローナル抗体及び第2のモノクローナル抗体の両抗体を固定化したラテックス粒子
をあげることができる。

【0085】
これらの測定用試薬(キット)はLTIA法に好適に使用できる。A~Dに使用されるラテックス粒子は、感度向上などの所望の性能を得るため、粒子径や種類を適宜選択することができる。ラテックス粒子としては、抗原あるいは抗体の担持に適したものであれば良い。例えば、ポリスチレン、スチレン-スルホン酸(塩)共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、アクリルニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。ラテックス粒子の形状は特に限定されないが、その平均粒子径は、ラテックス粒子表面の抗体又は抗原と測定対象物との凝集反応の結果生じる凝集体が、肉眼又は光学的に検出できるに十分な大きさを有することが好ましい。好ましい平均粒子径としては約0.02~約1.6μmであり、特に約0.03~約0.5μmが好ましい。また、金属コロイド、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックス又は磁性体等の材質よりなる粒子をラテックス粒子に代えて使用することもできる。

【0086】
例えば、臨床検査で使用されるLTIA法の試薬は、通常、第一試液、第二試液の形態で提供され、順次被検試料と混合して使用される。上記A~Dの各態様における、(a)、(b)は、その両方又は一方を、第一試液あるいは第二試液に含有させることができる。これらの含有のさせかたは、臨床検査における測定機器の仕様や測定試薬の設計(性能や使い易さなど)を考慮し、適宜選択しうる。一般にはAの態様の(a)、(b)の両方を第二試液に含有させることが好適であるが、Aの態様の(a)を第一試液、(b)を第二試液に含有させることなども好適に使用しうる。

【0087】
また、上記イムノアッセイの中で、ベットサイドなどで簡便に測定できる方法としてイムノクロマトグラフ法が挙げられる。

【0088】
標識イムノアッセイ法であるイムノクロマトグラフ法も用いることができる。

【0089】
一般的なイムノクロマトグラフ法では、メンブレンなどのシート状の固相支持体上、長さ方向に対して、端から順番に「1.被検試料供給部位」、「2.第1のモノクローナル抗体を含む標識試薬(第1のモノクローナル抗体は金コロイド粒子などの標識物質で標識されている)を、メンブレン上において展開可能に保持した標識試薬部位」、「3.標識物質で標識された第1のモノクローナル抗体とLRGの免疫複合体を捕捉するための第2のモノクローナル抗体を固定化した捕捉試薬部位」を被検試料溶液が毛細管現象により連続的に移動するよう構成されている。

【0090】
具体的には、まず、LRGを含む被検試料を被検試料供給部位に所定量添加すると、試料が固相支持体を展開移動する過程で標識試薬部位に侵入し、LRGが標識試薬(第1のモノクローナル抗体を含む)と結合しLRG-標識試薬の免疫複合体が形成される。LRG-標識試薬複合体はそのままメンブレン上を展開移動し、メンブレン上の第2のモノクローナル抗体を含む捕捉試薬部位に侵入すると、固相支持体上に固定化された捕捉試薬に捕捉され、捕捉試薬(第2のモノクローナル抗体)-LRG-標識試薬(第1のモノクローナル抗体)の免疫複合体が捕捉試薬位置に形成される。そして、標識試薬を任意の方法(可視可能な金コロイド粒子の場合はその凝集像、酵素の場合は基質を添加することによる発色反応)で検出することで、被分析物質の存在を判定することができる。

【0091】
なお、理解を容易にするため、「1.被検試料供給部位」と「2.第1のモノクローナル抗体を含む標識試薬(第1のモノクローナル抗体は金コロイド粒子などの標識物質で標識されている)を、メンブレン上において展開可能に保持した標識試薬部位」を、独立して被検試料の移動方向順に記載したが、上から「1」、「2」の順で積み上げられた構造など、当業者に周知の態様・構成が採用されうることを当業者は当然に理解することができる。

【0092】
本発明において、LRGの検出または定量は、LRGを特異的に検出可能なキットを用いることができる。当該キットとしては、例えば、市販のキットを挙げることができ、当該キットの製品説明書に従ってLRGの検出または定量に用いることができる。そのようなキットとして、これに限定されるものではないが、Human LRG Assay Kit(IBL社)等を挙げることができる。

【0093】
(一般技術)
本明細書において用いられる分子生物学的手法、生化学的手法、微生物学的手法は、当該分野において周知であり慣用されるものであり、すでに引用されたものも含め、例えば、Sambrook J. et al.(1989). Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harborおよびその3rd Ed.(2001); Ausubel, F.M.(1987).Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience; Ausubel, F.M.(1989). Short Protocols inMolecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience; Innis,M.A.(1990).PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press; Ausubel,F.M.(1992).Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates; Ausubel,F.M. (1995).Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates; Innis,M.A. et al.(1995).PCR Strategies, Academic Press; Ausubel, F.M.(1999).Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium ofMethods from Current Protocols in Molecular Biology,Wiley,and annual updates; Sninsky, J.J. et al.(1999). PCR Applications: Protocols for Functional Genomics, Academic Press、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載されており、これらは本明細書において関連する部分(全部であり得る)が参考として援用される。

【0094】
本明細書において「または」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「もしくは」も同様である。本明細書において「2つの値の範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。

【0095】
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。

【0096】
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0097】
以下に実施例を記載する。必要な場合、大阪大学において規定される基準を遵守し、臨床研究が関係する場合はヘルシンキ宣言およびICH-GCPに準拠して行った。試薬類は具体的には実施例中に記載した製品を使用したが、他メーカーの同等品でも代用可能である。
【実施例】
【0098】
(実施例1 臍帯血LRGと臍帯炎の関係)
大阪大学医学部附属病院産婦人科にて出生した新生児のうち、絨毛膜羊膜炎(CAM)を認めた妊婦から生まれ、出生後に肺炎および敗血症などの感染症と診断された新生児8名(感染群)を被検体とした。コントロールとして、母親に絨毛膜羊膜炎を認めず、出生後に感染を認めなかった新生児7名(非感染群)を被検体とした。感染群および非感染群の新生児から臍帯血検体および出生当日(day 0)および出生翌日(day 1)の採血検体を得た。得られた検体から血清を分離し、血清中のCRPタンパク質濃度を院内臨床検査部門および外部検査機関SRLで測定した。2群間の比較はt検定にて行い、p<0.05のときに有意差ありとした。血清中のLRG濃度は、2種類の抗ヒトLRGラビットモノクローナル抗体(huLRB0091およびrbLRB0048)を用いるサンドイッチELISA法で測定した。使用した2種の抗体は、精製組換えヒトLRGタンパク質で免疫したウサギから得たLRG特異的抗体の可変領域の遺伝子をクローニングして、挿入した発現ベクターを用いて作製した。【0099】
臍帯血中のCRPタンパク質を測定し、比較した結果、感染群の新生児7名のうち4名(57%)において、CRP陰性(CRP<0.2)であり、感染群と非感染群との間にCRPタンパク質濃度の有意な差が見られないことがわかった(p=0.06)(図1)。これにより、新生児感染症または周産期感染症を診断するために、臍帯血中のCRPタンパク質の濃度のみを使用することは有用ではなく、別の手段が必要であることが分かった。
【実施例】
【0100】
次いで、CRP同様に、臍帯血中のLRGタンパク質を測定し、比較した結果、感染群のLRGタンパク質濃度は、非感染群と比較して、有意に高いことが分かった(p<0.01)(図1)。また新生児の非感染例の臍帯血血清中LRGタンパク質濃度は、3.47±0.72μg/mlであった。これにより、侵襲的な新生児採血を行うことなく、臍帯血中のLRGタンパク質の濃度のみに基づいて、新生児感染症または周産期感染症を首尾よく診断可能であることが分かった。
【実施例】
【0101】
(実施例2 ROC曲線)
さらに、上記の測定で得られたデータを用いて、ROC曲線解析を行い、CRPタンパク質およびLRGタンパク質の最適なカットオフ値を判定した。ROC曲線はエクセル統計2012(株式会社 社会情報サービス)を使用して作成し、分析した。ROC曲線解析において、左上隅から最も近い点をカットオフ値として使用した。その結果、CRPタンパク質は、0.12mg/dlが最適なカットオフ値であり、そのとき感度および特異度がそれぞれ71.4%および57.1%となり、曲線下面積(AUC)が0.6327となることが分かった。一方で、LRGタンパク質は、5.0μg/mlが最適なカットオフ値であり(なお、感染なしの臍帯血LRGの最大値は4.9であった。)、そのとき、感度および特異度が100%となり、AUCが1.000となることが分かった。これによって、出生後の感染症の診断において、臍帯血CRPタンパク質よりも臍帯血LRGタンパク質に基づく方が、有効であることが分かった(図2)。
【実施例】
【0102】
(実施例3 LRG mRNA濃度)
実施例1において得た感染群および非感染群の臍帯血検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。
【実施例】
【0103】
(実施例4 妊産婦におけるマーカーの有用性)
本実施例では、妊産婦におけるマーカーの有用性を確認する実施例を行った。
【実施例】
【0104】
大阪大学医学部附属病院において周産期管理を行ったCAM合併症を有する妊産婦(n=9)およびCAM合併症を有さない妊産婦(n=10)から採取した血液、健常人血液(n=6)において、血清中LRGタンパク質濃度をELISA法にて測定した。測定法は実施例1などに準じて同様の手法を用いた。
【実施例】
【0105】
なお、本実施例は各機関における倫理委員会の承認を得て施行した。
【実施例】
【0106】
(結果)
この結果、CAM合併症を有する母体血清中LRGタンパク質濃度(26.8±13.1μg/ml)は、CAM合併症を有さない場合(11.4±2.0μg/ml)より有意に高かった(p=0.017)(図3)。
【実施例】
【0107】
これにより、妊産婦のCAM合併症の診断においても、母体血清中のLRGタンパク質濃度に基づいて首尾よく判断可能であることがわかった。
【実施例】
【0108】
(実施例5 尿検体 LRGタンパク質濃度)
出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た尿検体中のLRGタンパク質濃度を実施例1と同一の方法で測定する。感染群と非感染群の検体中のLRGタンパク質濃度を比較すると、感染群のLRGタンパク質濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た尿検体中のLRGタンパク質濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0109】
(実施例6 尿検体 LRG mRNA濃度)
実施例5で得る尿検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た尿検体中のLRG mRNA濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0110】
(実施例7 唾液検体 LRGタンパク質濃度)
出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た唾液検体中のLRGタンパク質濃度を実施例1と同一の方法で測定する。感染群と非感染群の検体中のLRGタンパク質濃度を比較すると、感染群のLRGタンパク質濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た唾液検体中のLRGタンパク質濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0111】
(実施例8 唾液検体 LRG mRNA濃度)
実施例7で得る唾液検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た唾液検体中のLRG mRNA濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0112】
(実施例9 糞便検体 LRGタンパク質濃度)
出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た糞便検体中のLRGタンパク質濃度を実施例1と同一の方法で測定する。感染群と非感染群の検体中のLRGタンパク質濃度を比較すると、感染群のLRGタンパク質濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た糞便検体中のLRGタンパク質濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0113】
(実施例10 糞便検体 LRG mRNA濃度)
実施例9で得る糞便検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た糞便検体中のLRG mRNA濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0114】
(実施例11 汗検体 LRGタンパク質濃度)
出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た汗検体中のLRGタンパク質濃度を実施例1と同一の方法で測定する。感染群と非感染群の検体中のLRGタンパク質濃度を比較すると、感染群のLRGタンパク質濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た汗検体中のLRGタンパク質濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0115】
(実施例12 汗検体 LRG mRNA濃度)
実施例11で得る汗検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児、または周産期管理を行った妊婦から得た汗検体中のLRG mRNA濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0116】
(実施例13 新生児から得た血液 LRGタンパク質濃度)
出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児から得た血液体中のLRGタンパク質濃度を実施例1と同一の方法で測定する。感染群と非感染群の検体中のLRGタンパク質濃度を比較すると、感染群のLRGタンパク質濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児から得た血液検体中のLRGタンパク質濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0117】
(実施例14 新生児から得た血液 LRG mRNA濃度)
実施例13で得る血液検体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出する。得られるトータルRNAを、ReverTraAce(登録商標)(東洋紡)を用いて逆転写してcDNAを作製し、LRGそれぞれに特異的に結合するプライマーおよびSYBR(登録商標) Green Iを用いてqRT-PCRを行い、検体中のLRG mRNA量を定量する。感染群と非感染群のLRG mRNA濃度を比較すると、感染群のLRG mRNA濃度が、非感染群より有意に高いことが分かる。これにより、出生当日、出生後12時間、出生後1日、出生後36時間、出生後2日、出生後3日、出生後4日、出生後5日、出生後6日、出生後7日等の新生児から得た血液検体中のLRG mRNA濃度に基づいて、新生児感染症または周産期感染症を判断可能であることが分かる。
【実施例】
【0118】
(実施例15 臍帯炎が認められたベビーの臍帯血LRGは優位に上昇している)
本実施例では、臍帯炎の有無と臍帯血LRGの関係を調べた。臍帯炎(=胎児感染)の有無を病理学的に事後診断することによって、臍帯炎のあるなしと新生児の感染の有無を調査した。図4に概略を示す。
【実施例】
【0119】
(方法および材料)
大阪大学医学部附属病院および鹿児島市立病院にて経過を診ていた妊婦から出生した新生児を対象として、臍帯血中のLRGとCRPの測定を行った。測定法は、実施例1に準じた。
【実施例】
【0120】
絨毛膜羊膜炎の母体から出生した新生児について、胎児感染の有無を病理組織学的な臍帯炎の有無により判定し、2群に分けた。母子ともに感染を認めないケースを対照群とした。
【実施例】
【0121】
(結果)
結果を図5に示す。図5に示すように、絨毛膜羊膜炎の母体から出生した新生児のうち、臍帯炎を認めた群のみで有意にLRGが上昇した。CRPでも同様に、臍帯炎を認めた群で有意な上昇が見られたが、明確な上昇がみられた症例はわずかであった。
【実施例】
【0122】
(実施例16 ROC曲線)
次に、本実施例では、LRGはCRPよりも臍帯炎マーカーとして有用であることを示す実験を行った。
【実施例】
【0123】
(材料および方法)
ROC曲線は、実施例2(必要に応じて実施例1)に記載の方法に準じて実施した。
【実施例】
【0124】
(結果)
結果を図6に示す。図6に示すように、絨毛膜羊膜炎の母体から出生した新生児の臍帯炎に関して、LRGとCRPの診断能をROC解析にて比較した。LRGのほうがCRPよりも明らかに診断能が良好であった。
【実施例】
【0125】
(実施例17 産科的合併症とLRG)
本実施例では、産科的合併症とLRGとの関係を調べた。
【実施例】
【0126】
(方法および材料)
本実施例では、図5に示す対照群の詳細を示す。この群は、産科的合併症を認めない正常例に加えて、感染によらず児に低体重を来たす産科的合併症として、早期産、胎児発育不全(FGR),妊娠高血圧症候群、胎児機能不全(NRFS)を含んだ。
【実施例】
【0127】
これは図5の対照群と同じ集団で、大阪大学医学部附属病院および鹿児島市立病院にて経過を診ていた妊婦から出生した新生児を対象に、臍帯血中のLRGを同様の手法で測定した(合計50例)。換言すると、この測定結果は、母子ともに感染所見を認めなかった群(対照群)の内訳を示したことになる。
【実施例】
【0128】
(結果)
結果を図7に示す。図7に示すように、対照群の中のいずれの群でも有意なLRGの上昇を認めなかった。これらの結果から、新生児が低体重となるさまざまな産科的合併症のうち、胎児(新生児)自身が感染症を起こしているケースをLRGで検出できることを示すことができた。これにより、抗生物質などで新生児に適切な治療を行うことができるようになったといえる。
【実施例】
【0129】
(注釈)
本発明を好ましい態様を強調して説明してきたが、好ましい態様が変更され得ることは当業者にとって自明であろう。本発明は、本発明が本明細書に詳細に記載された以外の方法で実施され得ることを意図する。したがって、本発明は添付の「請求の範囲」の精神および範囲に包含されるすべての変更を含むものである。
【実施例】
【0130】
ここで述べられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。本出願は、日本国特許出願2017-126646に対して優先権主張するものであり、同出願に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明により、これまでとは異なる新生児感染症または周産期感染症のバイオマーカーとしてのLRGの使用、ならびにLRGを使用する被検体が新生児感染症または周産期感染症であるかどうかを検査または診断する方法、キット、検査もしくは診断剤および検査もしくは診断システムが提供される。LRGをバイオマーカーとして使用することにより、現在まで困難であった新生児感染症または周産期感染症の早期発見および早期治療が可能となる。さらに、このバイオマーカーを使用することで、新生児感染症または周産期感染症を有する被検体に対する治療の効果を判断でき、それによって治療方針の選択も可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6