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明細書 :角度検出システム、位置検出システム、角度検出方法および位置検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-027820 (P2019-027820A)
公開日 平成31年2月21日(2019.2.21)
発明の名称または考案の名称 角度検出システム、位置検出システム、角度検出方法および位置検出方法
国際特許分類 G01S  11/12        (2006.01)
FI G01S 11/12
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2017-144241 (P2017-144241)
出願日 平成29年7月26日(2017.7.26)
発明者または考案者 【氏名】善甫 啓一
【氏名】水谷 孝一
【氏名】若槻 尚斗
出願人 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100169764、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 雄一郎
審査請求 未請求
要約 【課題】より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出できるようにする。
【解決手段】角度検出システムが、赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲 【請求項1】
赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、
前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、
前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、
を備える角度検出システム。
【請求項2】
前記赤外線が示す、当該赤外線を発光した赤外線発信機の識別情報を検出する識別情報検出部と、
前記識別情報検出部が検出した識別情報が予め登録されている識別情報と合致した場合、当該識別情報を検出された赤外線に基づいて前記入射角を検出する処理を前記角度検出部に行わせる処理タイミング制御部と、
を備える請求項1に記載の角度検出システム。
【請求項3】
前記センサは、前記受光面における赤外線の輝度に応じた信号値の前記センサ信号を出力し、
前記識別情報検出部は、前記センサ信号に基づいて前記識別情報を検出する、
請求項2に記載の角度検出システム。
【請求項4】
前記センサは、位置検出素子を用いて構成され、
前記角度検出部は、前記センサの2つの端子の電流値の差を前記センサの2つの端子の合計値で除算した値に基づいて前記輝度重心位置を特定し、特定した輝度重心位置に基づいて前記入射角を検出する、
請求項1から3の何れか一項に記載の角度検出システム。
【請求項5】
赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、
前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、
前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、
複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出する位置検出部と、
を備える位置検出システム。
【請求項6】
赤外線発信機の識別情報を含む赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、
前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、
前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、
複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出する位置検出部と、
識別情報を検出する識別情報検出部と、
を備え、
前記位置検出部は、前記識別情報にて区別される特定の赤外線発信機の位置を検出する、
位置検出システム。
【請求項7】
赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させ、
前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力し、
前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する
ことを含む角度検出方法。
【請求項8】
赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させ、
前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力し、
前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出し、
複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出する
ことを含む位置検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、角度検出システム、位置検出システム、角度検出方法および位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内測位に関して幾つかの技術が提案されている。
例えば、非特許文献1には、赤外線をフォトダイオードで受光して、赤外線発信源の方向を検出する技術が記載されている。
この技術では、複数のフォトダイオードを一定間隔で配置し、フォトダイオードの並びの前にスリットを配置する。スリットの長さ及びフォトダイオードの間隔を予め調整して、2つのフォトダイオードの中心間の間隔と、スリットの長さを同じにしておく。
そして、赤外線が照射されているフォトダイオードの出力電流に基づいて、赤外線が当っている部分の端部とフォトダイオードの中心とのずれを算出し、算出したずれに基づいて赤外線発信源の方向を検出する。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Noriyuki Sakai、外3名、"Linear Positioning System based on IR Beacon and Angular Detection Photodiode Array"、Proceedings of International Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation 2016、(スペイン)、2016年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載の技術では、赤外線が当っている部分の端部とフォトダイオードの中心とのずれを算出する際、スリットの長さ、及び、フォトダイオード間の間隔を用いて計算を行う。
より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができれば、より好ましい。
【0005】
本発明は、より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができる角度検出システム、位置検出システム、角度検出方法および位置検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、角度検出システムは、赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、を備える。
【0007】
前記赤外線が示す、当該赤外線を発光した赤外線発信機の識別情報を検出する識別情報検出部と、前記識別情報検出部が検出した識別情報が予め登録されている識別情報と合致した場合、当該識別情報を検出された赤外線に基づいて前記入射角を検出する処理を前記角度検出部に行わせる処理タイミング制御部と、を備えるようにしてもよい。
【0008】
前記センサは、前記受光面における赤外線の輝度に応じた信号値の前記センサ信号を出力し、前記識別情報検出部は、前記センサ信号に基づいて前記識別情報を検出するようにしてもよい。
【0009】
前記センサは、位置検出素子を用いて構成され、前記角度検出部は、前記センサの2つの端子の電流値の差を前記センサの2つの端子の合計値で除算した値に基づいて前記輝度重心位置を特定し、特定した輝度重心位置に基づいて前記入射角を検出するようにしてもよい。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、位置検出システムは、赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出する位置検出部と、を備える。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、位置検出システムは、赤外線発信機の識別情報を含む赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる分布形成部と、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力するセンサと、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出する角度検出部と、複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出する位置検出部と、識別情報を検出する識別情報検出部と、を備え、前記位置検出部は、前記識別情報にて区別される特定の発信機の位置を検出する。
【0012】
本発明の第4の態様によれば、角度検出方法は、赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させ、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力し、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出することを含む。
【0013】
本発明の第5の態様によれば、位置検出方法は、赤外線を受けて前記赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させ、前記受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を前記端子から出力し、前記センサ信号に基づいて前記入射角を検出し、複数の位置の前記受光面についてそれぞれ検出された前記入射角に基づいて、前記赤外線を発光した赤外線発信機の位置を検出することを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る位置検出システムの装置構成を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態に係る赤外線受信機の機能構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態に係る位置検出装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態に係る分布形成部による赤外線の分布形成の説明図である。
【図5】同実施形態における、赤外線の受光面への入射角と、輝度重心位置との関係の説明図である。
【図6】同実施形態に係る角度検出システムの装置構成を示す概略構成図である。
【図7】同実施形態に係る角度検出装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る位置検出システムの装置構成を示す概略構成図である。図1に示すように、位置検出システム10は、赤外線発信機100と、赤外線受信機200と、位置検出装置400とを備える。

【0017】
位置検出システム10は、赤外線発信機100からの赤外線に基づいて赤外線発信機100の位置を検出する。
赤外線発信機100は、例えば赤外線発光ダイオード(Infrared Light Emitting Diode、IR LED)などの赤外線光源を有し、赤外線発信機100自らを識別するための識別情報を赤外線にて発信する。以下では、赤外線発信機100を識別するための識別情報を赤外線発信機100のID(Identifier)と称する。

【0018】
赤外線受信機200は、赤外線発信機100からの赤外線を受光し、赤外線受信機200が赤外線を受光する受光面への赤外線の入射角に応じた信号、かつ、受光強度に応じた信号を、位置検出装置400へ送信する。
位置検出装置400は、赤外線受信機200からの信号に基づいて赤外線受信機200から見た赤外線発信機100の方向を検出する。さらに、位置検出装置400は、複数の赤外線受信機200の各々から見た赤外線発信機100の方向を検出し、検出結果に基づいて三角測量にて赤外線発信機100の位置を検出する。
位置検出装置400は、例えばパソコン(Personal Computer、PC)又はマイコン(Microcomputer)などのコンピュータを用いて構成される。

【0019】
赤外線受信機200と位置検出装置400とが通信を行う方式は、特定の方式に限定されない。例えば、赤外線受信機200の各々と位置検出装置400とが専用の通信経路で接続されていてもよい。あるいは、赤外線受信機200と位置検出装置400とが、位置検出システム10専用の通信ネットワークを介して通信接続するようにしてもよいし、インターネットなど汎用の通信ネットワークを介して通信接続するようにしてもよい。
また、赤外線受信機200と位置検出装置400とが無線通信を行うようにしてもよいし、有線にて通信を行うようにしてもよい。赤外線受信機200と位置検出装置400とが無線通信を行うようにすれば、配線が不要となる点で赤外線受信機200の配置が容易になる。

【0020】
図2は、赤外線受信機200の機能構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、赤外線受信機200は、分布形成部210と、センサ220と、受信機側通信部230とを備える。
分布形成部210は、赤外線発信機100からの赤外線を受けて赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる。ここでの受光面は、上述した赤外線受信機200の受光面であり、具体的には、センサ220が赤外線を受光する受光面である。ここでの入射角は、センサ220の受光面に対する入射角である。
分布形成部210として、センサ220の受光面と並行に配置されたスリットを用いることができる。この場合、センサ220の受光面に対する入射角は、分布形成部210が形成する面に対する入射角と等しい。

【0021】
分布形成部210として、上記のようなスリットに限らず、受光面に赤外線の入射角に応じた輝度分布を形成可能ないろいろなものを用いることができる。例えば、分布形成部210がレンズ、プリズム又は鏡を用いて構成され、赤外線発信機100からの赤外線を屈折又は反射させて、入射角に応じた機動分布を形成するようにしてもよい。

【0022】
さらに例えば、分布形成部210が凸レンズを備えるようにしてもよい。この場合、凸レンズの中心を通った赤外線は直進し、直進以外の部分を通った赤外線は、直進する赤外線に近づくように屈折する。赤外線受信機200から見た赤外線発信機100の方向に応じて凸レンズの中心を通った赤外線が受光面に当たる位置が異なるため、受光面に赤外線の入射角に応じた輝度分布が形成される。

【0023】
センサ220は、センサ220自らの受光面における赤外線の輝度重心位置と、センサ220自らの端子との距離に応じたセンサ信号を端子から出力する。また、センサ220は、受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号を出力する。具体的にはセンサ220は、位置検出素子(Position Sensitive Detector;PSD)を用いて構成される。
センサ220として一次元の位置検出素子を用いるようにしてもよいし、二次元の位置検出素子を用いるようにしてもよい。
また、受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号を出力するセンサとして、位置検出素子を用いるようにしてもよいし、位置検出素子とは別のセンサを設けるようにしてもよい。受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号は、赤外線発信機100のIDを検出するために用いられる。

【0024】
受信機側通信部230は、位置検出装置400と通信を行う。特に受信機側通信部230は、位置検出素子の端子から流れる電流の大きさを示す信号を位置検出装置400へ送信する。例えば、受信機側通信部230が、位置検出素子の端子から流れる電流の大きさをサンプリングしたデジタル信号を位置検出装置400へ送信するようにしてもよい。あるいは、受信機側通信部230が、位置検出素子の端子から流れる電流をそのまま、あるいはアンプで増幅して、位置検出装置400へ出力するようにしてもよい。
受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号を出力するセンサが位置検出素子とは別に設けられている場合、受信機側通信部230は、このセンサの信号値を示す信号も位置検出装置400へ送信する。

【0025】
図3は、位置検出装置400の機能構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、位置検出装置400は、演算装置側通信部410と、表示部420と、記憶部480と、制御部490とを備える。制御部490は、識別情報検出部491と、処理タイミング制御部492と、角度検出部493と、位置検出部494とを備える。

【0026】
演算装置側通信部410は、赤外線受信機200の各々と通信を行う。特に、演算装置側通信部410は、赤外線受信機200の受信機側通信部230が送信する信号を受信する。上記のようにこの信号は、位置検出素子の端子から流れる電流の大きさを示す信号である。また、受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号を出力するセンサが位置検出素子とは別に設けられている場合、演算装置側通信部410は、このセンサの信号値を示す信号も受信する。

【0027】
表示部420は、液晶パネル又はLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を有し、各種画像を表示する。特に、表示部420は、赤外線発信機100の検出結果を表示する。具体的には、表示部420は、角度検出部493が検出する入射角、及び、位置検出部494が検出する赤外線発信機100の位置(座標値)のうち何れか一方又は両方を表示する。表示部420が、赤外線発信機100の検出結果をグラフィック表示(図式的に表示)するようにしてもよいし、数値で表示するようにしてもよい。

【0028】
但し、位置検出装置400が赤外線発信機100の検出結果を出力する方法は、表示部420に表示する方法に限らない。例えば、演算装置側通信部410が、角度検出部493が検出する入射角、及び、位置検出部494が検出する赤外線発信機100の位置(座標値)のうち何れか一方又は両方を示すデータを位置検出システム10の外部の装置へ送信するようにしてもよい。この場合、位置検出装置400が表示部420を備えていない構成としてもよい。

【0029】
記憶部480は、位置検出装置400が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種データを記憶する。特に、記憶部480は、赤外線発信機100のIDを予め記憶しておく。記憶部480が記憶しているIDは、赤外線受信機200が赤外線発信機100からの赤外線を受信しているか否かを判定するために、識別情報検出部491が検出したIDと照合される。
また、記憶部480が、演算装置側通信部410が赤外線受信機200から受信した信号を一時的に記憶するようにしてもよい。

【0030】
制御部490は、位置検出装置400の各部を制御して各種処理を実行する。制御部490は、位置検出装置400が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部480からプログラムを読み出して実行することで構成される。
識別情報検出部491は、赤外線発信機100からの赤外線が示す、当該赤外線を発光した赤外線発信機100のIDを検出する。具体的には、上記のように赤外線発信機100が、赤外線発信機100自らのIDを赤外線にて送信する。このIDは、赤外線受信機200のセンサ220が赤外線を受光して出力するセンサ信号にて示される。そこで、識別情報検出部491は、このセンサ信号から赤外線発信機100のIDを読み出す。

【0031】
上述したように、赤外線発信機100のIDを示すためのセンサ信号は、位置検出素子のセンサ信号であってもよいし、位置検出素子のセンサ信号とは別のセンサ信号であってもよい。赤外線発信機100のIDを示すためのセンサ信号として、位置検出素子のセンサ信号が用いられる場合、識別情報検出部491は、位置検出素子のセンサ信号に基づいて赤外線発信機100のIDを検出する。

【0032】
処理タイミング制御部492は、識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDと、記憶部480に予め登録されている赤外線発信機100のIDとを照合する。識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDと、記憶部480に予め登録されている赤外線発信機100のIDとが合致した場合、処理タイミング制御部492は、当該IDを検出された赤外線に基づいて赤外線の受光面への入射角を検出する処理を角度検出部493に行わせる。

【0033】
処理タイミング制御部492が、識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDと、記憶部480に予め登録されている赤外線発信機100のIDとを照合することで、赤外線受信機200が受光した赤外線が赤外線発信機100からの赤外線か否かを判定することができる。この判定により、角度検出部493及び位置検出部494が処理を行うタイミングを限定することができ、この点で負荷を低減させることができる。また、この判定により、赤外線発信機100からの赤外線以外の赤外線に基づいて、赤外線の入射角及び赤外線発信機100の位置を誤検出する可能性を低減させることができる。

【0034】
角度検出部493は、赤外線受信機200からのセンサ信号に基づいて、赤外線発信機100からの赤外線の受光面への入射角を検出する。
位置検出部494は、複数の位置の受光面についてそれぞれ検出された入射角に基づいて、赤外線を発光した赤外線発信機100の位置を検出する。
具体的には、位置検出部494は、複数の赤外線受信機200における赤外線発信機100からの赤外線の受光面への入射角に基づいて、三角測量にて赤外線発信機100の座標を算出する。

【0035】
図4は、分布形成部210による赤外線の分布形成の説明図である。
図4の例では、分布形成部210はスリットにて構成されており、分布形成部210に設けられた穴の部分でのみ、赤外線発信機100からの赤外線を通過させる。
また、センサ220は、センサ本体221の両端に第一端子222と第二端子223とが設けられて構成されている。

【0036】
分布形成部210とセンサ220の受光面F1との間には距離Dの隙間があるため、分布形成部210を通過した赤外線が受光面F1に当たる位置は、受光面F1から見た赤外線発信機100の方向によって異なる。図4の例では、受光面F1のうち領域A11に赤外線が当たっている。
受光面F1から見た赤外線発信機100の方向は、赤外線発信機100からの赤外線の受光面F1への入射角で示される。また、受光面F1のうちの一部に赤外線が当たることで受光面F1に赤外線の輝度分布が形成される。図4の例では、線L11で示される輝度分布が生じている。
このように、分布形成部210は、受光面F1への赤外線の入射角に応じた分布で赤外線を受光面F1に到達させる。

【0037】
センサ本体221の受光面F1に赤外線が当たると、当たった位置に電位が生じて電流が流れる。センサ本体221の抵抗により、第一端子222を流れる電流と第二端子223を流れる電流とが異なる。受光面F1に赤外線の輝度分布が生じている場合、第一端子222及び第二端子223に、輝度重心位置に応じた電流が流れる。第一端子222に流れる電流をIとし、第二端子223に流れる電流をIとすると、式(1)の関係が成り立つ。

【0038】
【数1】
JP2019027820A_000003t.gif

【0039】
ここで、xは、輝度重心位置を示す。受光面F1の長手方向には、受光面F1の中心を原点oとしてx座標が設定されており、xは、輝度重心のx座標値を示す。第一端子222はx座標の正(+)側に設けられ、第二端子223はx座標の負(-)側に設けられている。
Lは、受光面F1の中心から受光面F1の長手方向端部までの距離を示す。従って、受光面F1の長手方向の長さは2Lである。
角度検出部493は、第一端子222、第二端子223それぞれにおける電流測定値を式(1)に代入して輝度重心のx座標値xを算出する。

【0040】
角度検出部493は、算出した輝度重心のx座標値xからさらに、赤外線の受光面F1への入射角θを算出する。
図5は、赤外線の受光面F1への入射角と、輝度重心位置との関係の説明図である。
図5の線L21は、赤外線発信機100の光源と、点P21と、輝度重心位置とを通る。

【0041】
ここで、点P21は、分布形成部210上で受光面F1の中心(原点o)に対応する点である。具体的には、点P21は、受光面F1の中心を通る受光面F1の垂線と分布形成部210が形成する面との交点である。このように、角度検出部493は、赤外線発信機100の光源と、分布形成部210上で受光面F1の中心に対応する点とを通る線の延長上に輝度重心が位置すると仮定して入射角を算出する。
図5の場合、輝度重心のx座標値xと赤外線の入射角θとの関係は、式(2)のように示される。

【0042】
【数2】
JP2019027820A_000004t.gif

【0043】
角度検出部493は、算出した輝度重心のx座標値xを式(2)に代入して赤外線の入射角θを算出する。
このように、角度検出部493は、位置検出素子の2つの端子の電流値の差を、これら2つの端子の合計値で除算した値に基づいて受光面における赤外線の輝度重心位置を特定する。そして、角度検出部493は、特定した輝度重心位置に基づいて赤外線の受光面への入射角を検出する。

【0044】
以上では、赤外線発信機100の位置を検出する場合について説明したが、赤外線の入射角を検出すれば足りる場合は、位置検出部は不要である。この場合の構成について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、角度検出システムの装置構成を示す概略構成図である。図6に示すように、角度検出システム11は、赤外線発信機100と、赤外線受信機200と、角度検出装置401とを備える。
図6の各部のうち、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(100、200)を付して説明を省略する。角度検出システム11は、位置検出装置400に代えて角度検出装置401を備える点以外は、位置検出システム10と同様である。

【0045】
図7は、角度検出装置401の機能構成を示す概略ブロック図である。図7に示すように、角度検出装置401は、演算装置側通信部410と、表示部420と、記憶部480と、制御部490とを備える。制御部490は、識別情報検出部491と、処理タイミング制御部492と、角度検出部493とを備える。
図7の各部のうち、図3の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(410、420、480、490~493)を付して説明を省略する。
角度検出装置401は、位置検出部494を備えていない点以外は、位置検出装置400と同様である。
かかる構成にて、角度検出装置401は、位置検出装置400の場合と同様に、赤外線発信機100からの赤外線の受光面への入射角を検出することができる。

【0046】
以上のように、分布形成部210は、赤外線発信機100からの赤外線を受けて赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる。センサ220は、受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を端子から出力する。角度検出部493は、センサ220が端子から出力するセンサ信号に基づいて、赤外線発信機100からの赤外線の受光面への入射角を検出する。

【0047】
このように、角度検出部493が、赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号に基づいて入射角を検出することで、式(1)及び式(2)のように比較的簡単な式に基づいて入射角を検出できることが期待される。特に、角度検出部493が、赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号に基づいて入射角を検出することで、複数のフォトダイオードを並べて配置する場合のフォトダイオード間の間隔といった要素が式に含まれないことが期待され、この点で、より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができる。

【0048】
また、位置検出システム10、角度検出システム11のいずれも、精密装置等を必要とせず安価に製造可能である。特に、計測対象に付与される赤外線発信機100は、例えば赤外線LEDと、赤外線LEDを所定の識別情報に従って発光させる回路との組み合わせなど簡単な構成とすることができ、安価に製造できる。従って、計測対象の数が多い場合など必要な赤外線発信機100の数が多い場合でも、製造コストが安くて済む。

【0049】
また、識別情報検出部491は、赤外線発信機100からの赤外線が示す、当該赤外線を発光した赤外線発信機100のIDを検出する。処理タイミング制御部492は、識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDが、予め記憶部480に登録されている赤外線発信機100のIDと合致した場合、当該IDを検出された赤外線に基づいて入射角を検出する処理を角度検出部493に行わせる。

【0050】
処理タイミング制御部492が、識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDと、記憶部480に予め登録されている赤外線発信機100のIDとを照合することで、赤外線受信機200が受光した赤外線が赤外線発信機100からの赤外線か否かを判定することができる。この判定により、角度検出部493及び位置検出部494が処理を行うタイミングを限定することができ、この点で負荷を低減させることができる。また、この判定により、赤外線発信機100からの赤外線以外の赤外線に基づいて、赤外線の入射角及び赤外線発信機100の位置を誤検出する可能性を低減させることができる。

【0051】
また、センサ220は、受光面における赤外線の輝度に応じた信号値のセンサ信号として、位置検出素子のセンサ信号を出力する。識別情報検出部491は、位置検出素子のセンサ信号に基づいて赤外線発信機100のIDを検出する。このように、識別情報検出部491が、位置検出素子のセンサ信号に基づいて赤外線発信機100のIDを検出することで、赤外線発信機100のID検出用に別途信号を送信する必要がない。この点で、赤外線受信機200と位置検出装置400又は角度検出装置401との通信量が少なくて済む。また、赤外線受信機200及び位置検出装置400又は角度検出装置401における通信の負荷が小さくて済む。

【0052】
あるいは、赤外線受信機200毎に識別情報検出部491を設けるようにしてもよい。そして、受信機側通信部230が、識別情報検出部491が検出した赤外線発信機100のIDが、赤外線受信機200が予め記憶している赤外線発信機100のIDと合致した場合のみ、位置検出装置400又は角度検出装置401へ信号を送信するようにしてもよい。
これにより、赤外線受信機200と位置検出装置400又は角度検出装置401との通信量が少なくて済む。また、赤外線受信機200及び位置検出装置400又は角度検出装置401における通信の負荷が小さくて済む。

【0053】
また、センサ220は、位置検出素子を用いて構成される。角度検出部493は、上述した式(1)のように、位置検出素子の2つの端子の電流値の差を、これら2つの端子の合計値で除算した値に基づいて輝度重心位置を特定し、特定した輝度重心位置に基づいて入射角を検出する。
これにより、角度検出部493は、式(1)及び式(2)のように比較的簡単な式に基づいて入射角を検出できる。特に、複数のフォトダイオードを並べて配置する場合のフォトダイオード間の間隔といった要素が式に含まれない。この点で、角度検出部493は、より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができる。

【0054】
また、位置検出部494は、複数の位置の受光面についてそれぞれ検出された入射角に基づいて、赤外線を発光した赤外線発信機100の位置を検出する。
このように、位置検出装置400では、三角測量によって入射角から赤外線発信機100の位置を検出することができる。

【0055】
また、分布形成部210は、赤外線発信機100の識別情報を含む赤外線を受けて赤外線の入射角に応じた輝度分布で赤外線を受光面に到達させる。センサ220は、受光面における赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号を端子から出力する。角度検出部493は、センサ220が端子から出力するセンサ信号に基づいて、赤外線発信機100からの赤外線の受光面への入射角を検出する。位置検出部494は、複数の位置の受光面についてそれぞれ検出された入射角に基づいて、赤外線を発光した赤外線発信機100の位置を検出する。識別情報検出部491は、識別情報を検出する。位置検出部494は、識別情報にて区別される特定の赤外線発信機100の位置を検出する。
このように、位置検出部294が、特定の赤外線発信機100の位置を選択的に検出することで、位置検出部294の位置が軽くて済む。
また、上述したように、角度検出部493が、赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号に基づいて入射角を検出することで、式(1)及び式(2)のように比較的簡単な式に基づいて入射角を検出できることが期待される。特に、角度検出部493が、赤外線の輝度重心位置と端子との距離に応じたセンサ信号に基づいて入射角を検出することで、複数のフォトダイオードを並べて配置する場合のフォトダイオード間の間隔といった要素が式に含まれないことが期待され、この点で、より簡単な計算で赤外線発信源の方向を検出することができる。

【0056】
なお、受信機200の配置には自由度がある。
受信機200を、例えば天井に設置するなど、赤外線を遮蔽する物が比較的少ない位置に設置すれば、1つの受信機200で比較的広い領域をカバーでき、この点で受信機200の数が少なくて済む。
一方、天井など赤外線を遮蔽する物が比較的少ない位置に受信機200を設置することが困難である場合、遮蔽物で区切られた区域ごとに複数の受信機200を設置するなど、受信機200の数を増やすことで対応可能である。

【0057】
また、一次元の位置検出素子を備えた2つの受信機200を、位置検出素子の長手方向を直交させて配置するなど、位置検出素子の長手方向が異なる方向になるように配置することで、角度検出部493が、赤外線の入射角を二次元的に検出することができる。
このような受信機200の組合せを異なる位置に2組配置することで、角度検出部493は、異なる位置それぞれについて赤外線の入射角を二次元的に検出することができる。

【0058】
位置検出部494がこの入射角を用いて送信機100の位置を検出することで、送信機100の三次元座標を検出できる。
あるいは、送信機100がカートに設置されて床面から一定の高さに保たれる場合など、送信機100が所定の平面内で移動する場合、角度検出部493が一箇所で赤外線の入射角を二次元的に検出すれば、位置検出部494は、送信機100の三次元座標を検出できる。
一次元の位置検出素子の長手方向が異なる方向になるように配置された1つの受信機200に代えて、二次元の位置検出素子を1つ備えた受信機200を用いても、同様に入射角及び送信機100の位置を検出し得る。

【0059】
なお、制御部490の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。

【0060】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10 位置検出システム
11 角度検出システム
100 赤外線発信機
200 赤外線受信機
210 分布形成部
220 センサ
221 センサ本体
222 第一端子
223 第二端子
230 受信機側通信部
300 通信ネットワーク
400 位置検出装置
401 角度検出装置
410 演算装置側通信部
420 表示部
480 記憶部
490 制御部
491 識別情報検出部
492 処理タイミング制御部
493 角度検出部
494 位置検出部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6