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明細書 :フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体及び医薬組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-023447 (P2020-023447A)
公開日 令和2年2月13日(2020.2.13)
発明の名称または考案の名称 フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体及び医薬組成物
国際特許分類 C07D 471/04        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61K  31/4155      (2006.01)
FI C07D 471/04 102
C07D 471/04 CSP
A61P 35/00
A61K 31/4155
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2018-147801 (P2018-147801)
出願日 平成30年8月6日(2018.8.6)
発明者または考案者 【氏名】白澤 専二
【氏名】角田 俊之
【氏名】大嶋 孝志
【氏名】矢崎 亮
出願人 【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100145403、【弁理士】、【氏名又は名称】山尾 憲人
【識別番号】100122297、【弁理士】、【氏名又は名称】西下 正石
【識別番号】100145104、【弁理士】、【氏名又は名称】膝舘 祥治
審査請求 未請求
テーマコード 4C065
4C086
Fターム 4C065AA05
4C065AA18
4C065BB04
4C065CC09
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH06
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP02
4C065PP09
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
要約 【課題】低毒性で、変異KRAS関連シグナルを制御可能な化合物の提供。
【解決手段】式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体。[R及びRは特定の置換基;RはH又はC1から6のアルキル基;Lは連結基;m及びnは0から4の整数を表す]
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【選択図】図6
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体。
【化1】
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(式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。HAは酸を表す。)
【請求項2】
前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、炭素数1から6のアルキルカルボニル基、カルバモイル基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルカルバモイル基、炭素数1から6のアシルアミノ基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルキルオキシ基、アミノ基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルアミノ基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体。
【請求項3】
Arは、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、ピロリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリル基、イソキノリル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、及びフタルイミド基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体。
【請求項4】
前記連結基は、炭素数1から3のアルキレン基、酸素原子、イミノ基、硫黄原子、及びカルボニル基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体。
【請求項5】
下記式(Ib)で表される抗腫瘍性化合物。
【化2】
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(式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。pは0又は1を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。)
【請求項6】
前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、炭素数1から6のアルキルカルボニル基、カルバモイル基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルカルバモイル基、炭素数1から6のアシルアミノ基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルキルオキシ基、アミノ基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルアミノ基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の抗腫瘍性化合物。
【請求項7】
Arは、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、ピロリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリル基、イソキノリル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、及びフタルイミド基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5又は請求項6に記載の抗腫瘍性化合物。
【請求項8】
前記連結基は、炭素数1から3のアルキレン基、酸素原子、イミノ基、硫黄原子、及びカルボニル基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の抗腫瘍性化合物。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の抗腫瘍性化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項10】
変異KRAS又は変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍の処置に用いられる請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の医薬組成物を、対象に投与することを含む、腫瘍の処置方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体及び医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
KRAS遺伝子の変異は、全癌の30%近くに認められるといわれている。KRASタンパク質はGTPアーゼであり、多くのシグナル伝達経路において上流に位置する。KRAS自体に変異が認められなくても、その下流の分子の変異を有する癌はさらに多く、変異KRAS関連シグナルの制御が、癌の制御に重要である。例えば、KRASの上流であるEGFRを標的とする分子標的薬が知られているが、KRASに変異がある場合には、その効果は失われる。また、KRASの下流であるBRAFを標的とする場合には薬剤抵抗性の獲得が問題となる。変異KRASタンパク質に結合する化合物として、置換キナゾリン化合物、縮合三環系化合物等が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特表2018-513853号公報
【特許文献2】特表2018-511631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低毒性で、変異KRAS関連シグナルを制御可能な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであり、本発明は以下の態様を包含する。第1態様は、下記式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体である。
【0006】
【化1】
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【0007】
式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。HAは酸を表す。
【0008】
第2態様は、下記式(Ib)で表される抗腫瘍性化合物である。
【0009】
【化2】
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【0010】
式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。pは0又は1を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。
【0011】
第3態様は、前記抗腫瘍性化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0012】
第4態様は、前記医薬組成物を、対象に投与することを含む、腫瘍の処置方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低毒性で、変異KRAS関連シグナルを制御可能な化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体のヒト大腸癌細胞株に対する増殖抑制効果を示す図である。
【図2】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体の各種細胞株に対する増殖抑制効果を示す図である。
【図3】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体のベムラフェニブ耐性株に対する増殖抑制効果を示す図である。
【図4】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体の野生型KRAS保有細胞と変異型KRAS保有細胞に対する作用を示す図である。
【図5A】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体の野生型KRAS保有細胞に対する作用を示す図である。
【図5B】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体の変異型KRAS保有細胞に対する作用を示す図である。
【図6】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体のヌードマウスの腫瘍に対する作用を示す図である。
【図7A】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体を投与した腫瘍移植ヌードマウスにおける血液中の白血球数を示す図である。
【図7B】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体を投与した腫瘍移植ヌードマウスにおける血液中の赤血球数を示す図である。
【図7C】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体を投与した腫瘍移植ヌードマウスにおける血液のヘモグロビン値を示す図である。
【図7D】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体を投与した腫瘍移植ヌードマウスにおける血液のヘマトクリット値を示す図である。
【図7E】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体を投与した腫瘍移植ヌードマウスにおける血液中の血小板数を示す図である。
【図8】フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体のヒト大腸癌細胞株に対する増殖抑制効果を示す図である。
【図9】フェニルテトラヒドロピリドインドールのヒト大腸癌細胞株に対する増殖抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体等を例示するものであって、本発明は、以下に示すフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体等に限定されない。

【0016】
フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体
フェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体は下記式(Ia)で表される酸付加塩である。式中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。HAは酸を表す。

【0017】
【化3】
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【0018】
又はRで表される置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、炭素数1から6のアルキルカルボニル基、カルバモイル基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルカルバモイル基、炭素数1から6のアシルアミノ基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルキルオキシ基、アミノ基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルアミノ基、カルボキシ基、スルホ基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。R又はRで表される置換基は、可能な場合には、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等の置換基を更に有していてもよい。

【0019】
Arにおけるアリール基は、例えば、炭素数6から10の芳香族炭化水素基であり、脂肪族の縮合環構造を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

【0020】
Arにおける含窒素複素環基は、芳香族複素環基であっても、脂肪族複素環基であってもよく、また縮合環構造を更に有していてもよい。含窒素複素環基の具体例としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、ピロリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリル基、イソキノリル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロイソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、フタルイミド基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

【0021】
Arで表されるアリール基又は含窒素複素環基は、置換基を有していてもよい。Arにおける置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、炭素数1から6のアルキルカルボニル基、カルバモイル基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルカルバモイル基、炭素数1から6のアシルアミノ基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルキルオキシ基、アミノ基、炭素数1から6のモノ又はジアルキルアミノ基、カルボキシ基、スルホ基等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。Arにおける置換基は、可能な場合には、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等の置換基を更に有していてもよい。

【0022】
Lは2価の連結基を表す。連結基としては、炭素数1から3のアルキレン基、酸素原子、イミノ基(-NH-)、硫黄原子、及びカルボニル基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される2価の基を挙げることができる。連結基として具体的には、炭素数1から3のアルキレン基、酸素原子、イミノ基、硫黄原子、炭素数1から3のアルキレンオキシ基、炭素数1から3のアルキレンスルファニル基、エステル基、アミド基、ウレイド基等を挙げることができる。

【0023】
HAで表される酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、α-ケトグルタル酸、グルコン酸、カプリル酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸;スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸などが挙げられる。

【0024】
式(Ia)で表される化合物の具体例を、HAを省略して、以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。

【0025】
【化4】
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【0026】
【化5】
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【0027】
【化6】
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【0028】
式(Ia)等で表される化合物は、その構造式中に1個または複数個の不斉炭素原子または不斉中心を含む場合があり、2種以上の光学異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の光学異性体、及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。また、式(Ia)等で表される化合物は、その構造式中に、二重結合に由来する2種以上の幾何異性体、互変異性体が存在する場合もあるが、各々の幾何異性体、互変異性体が任意の割合で含まれる混合物をも全て包含する。さらに、式(Ia)等で表される化合物の各種の結晶多型、水和物、溶媒和物等をも包含する。

【0029】
式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体は、正常細胞に対する細胞毒性が抑制され、変異KRAS関連シグナルを制御可能である。ここで変異KRAS関連シグナルを制御するとは、変異KRASに由来する細胞増殖の抑制、変異KRASを保有する細胞におけるアポトーシスの誘導、BRAF、PTEN、CTNNB1等の変異KRAS関連シグナリングパスウェイに位置する遺伝子の変異に由来する細胞増殖の抑制、変異KRAS関連シグナリングパスウェイに位置する遺伝子の変異した細胞におけるアポトーシスの誘導等を意味する。

【0030】
式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体は、例えば、以下のような合成スキームに従って、式Aで表されるアルデヒド化合物と、式Bで表されるインドール誘導体とを縮合、閉環、次いで酸付加することで合成することができる。

【0031】
【化7】
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【0032】
また、式Aで表されるアルデヒド誘導体は、例えば、以下のような合成スキームに準じて合成することができる。
【化8】
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【0033】
【化9】
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【0034】
抗腫瘍性化合物
抗腫瘍性化合物は、下記式(Ib)で表される。抗腫瘍性化合物は抗腫瘍性の医薬組成物の有効成分として用いられる。

【0035】
【化10】
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【0036】
式(Ib)中、R及びRはそれぞれ独立して置換基を表す。Rは水素原子又は炭素数1から6のアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ独立して0から4の整数を表す。pは0又は1を表す。Lは連結基を表す。Arは置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。式(Ib)におけるR、R、R、m、n、L及びArは、式(Ia)におけるそれらと同義である。式(Ib)で表される抗腫瘍性化合物の具体例としては、上述の式(Ia)で表されるフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体と同様の化合物を例示することができる。

【0037】
医薬組成物
医薬組成物は、式(Ib)で表される抗腫瘍性のフェニルテトラヒドロピリドインドール誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含み、腫瘍の処置に用いられる。

【0038】
医薬組成物が用いられる腫瘍としては、変異KRASに由来する腫瘍、変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍等を挙げることができる。腫瘍として具体的には、直接変異KRASの変異が関連する膵癌、肺癌、結腸直腸癌、及び変異KRAS関連シグナルに関連するメラノーマ、乳癌、各種薬剤耐性癌等を挙げることができる。また、腫瘍の処置とは、腫瘍について施される何らかの処置であればよく、例えば、腫瘍の治療、改善、進行の抑制(悪化の防止)、予防、腫瘍に起因する症状の緩和等が挙げられる。

【0039】
医薬組成物は、式(Ib)で表される抗腫瘍性化合物又はその薬学的に許容される塩の少なくとも1種と、薬学的に許容される担体と、必要に応じて、他の抗癌剤とを用いて、従来法に従って調製することができる。

【0040】
医薬組成物は、その剤形により非経口または経口投与することができる。非経口投与される剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、点眼剤、経鼻剤、経肺剤などが挙げられる。また、経口投与される剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの固体製剤、液体状製剤もしくは半液体状製剤が挙げられる。

【0041】
医薬組成物は、式(Ib)で表される抗腫瘍性化合物自体を有効成分として含んでいてもよく、その薬学的に許容される塩を有効成分として含んでいてもよい。薬学的に許容される塩として具体的には例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α-ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられる。有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の塩が挙げられる。

【0042】
薬学的に許容される担体としては、医薬品の製剤に慣用されている担体であれば、いずれも使用することができる。担体としては、例えば、固形製剤における賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤またはpH調整剤、無痛化剤などが挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、清涼化剤または矯味矯臭剤、消泡剤、粘稠剤等の添加物を含んでいてもよい。

【0043】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、トウモロコシデンプン、デキストリン、微結晶セルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴムなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアゴムなどが挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。

【0044】
液状製剤における溶剤としては、例えば、精製水、エタノール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤またはpH調整剤としては、例えば、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられる。

【0045】
保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などが挙げられる。着色剤としては、例えば、食用色素(例:食用赤色2号若しくは3号、食用黄色4号若しくは5号等)、β-カロテンなどが挙げられる。甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテームなどが挙げられる。清涼化剤または矯味矯臭剤としては、例えばl-メントールまたはハッカ水などが挙げられる。消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンまたはシリコン消泡剤などが挙げられる。粘稠剤としては、例えばキサンタンガム、トラガント、メチルセルロースまたはデキストリンなどが挙げられる。

【0046】
医薬組成物は、必要に応じて、他の抗癌剤を含有していてもよく、他の抗癌剤と併用してもよい。他の抗癌剤としては、例えば、代謝拮抗剤、分子標的薬、アルキル化剤、植物アルカロイド剤、抗癌性抗生物質、プラチナ製剤、ホルモン剤、生物学的応答調節剤、免疫チェックポイント阻害剤などが挙げられる。

【0047】
抗癌剤のうち、例えば、代謝拮抗剤としてはゲムシタビン、シタラビン、エノシタビン、テガフール、カルモフールなどが挙げられる。分子標的薬としてはイマチニブ、ゲフィチニブ、スニチニブ、セツキシマブなどが挙げられる。アルキル化剤としてはイホスファミド、シクロホスファミド、ダカルバシンなどが挙げられる。植物アルカロイド剤としてはドセタキセル、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチンなどが挙げられる。抗癌性抗生物質としてはピラルビビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ペプロマイシンなどが挙げられる。プラチナ製剤としてはシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンなどが挙げられる。ホルモン剤としてはエキセメスタン、タモキシフェン、プレドニゾロンなどが挙げられる。生物学的応答調節剤としてはインターフェロン、インターロイキンなどが挙げられる。免疫チェックポイント阻害剤としては、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブなどがあげられる。

【0048】
医薬組成物における有効成分の含量は、剤形、投与量等により異なるが、例えば、組成物全体の0.1重量%以上20重量%以下、又は0.1重量%以上10重量%以下である。また、医薬組成物の投与用量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により適宜選択される。投与用量は、例えば、成人の癌患者に経口投与する場合、有効成分として、1日あたり、通常約0.1mg以上500mg以下、又は約0.5mg以上100mg以下であり、1回又は数回に分けて投与することができる。

【0049】
腫瘍の処置方法
腫瘍の処置方法は、有効量の前記医薬組成物を、対象に投与することを含み、変異KRAS又は変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍を処置する方法である。医薬組成物の詳細および投与方法は既述の通りである。処置の対象は、例えば、哺乳動物であり、哺乳動物はヒトを含む。また、処置の対象は、非ヒト動物であってもよい。

【0050】
本発明は、別の態様として、変異KRAS又は変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍の処置に用いられる医薬組成物の製造における式(Ia)又は式(Ib)で表される化合物の使用、変異KRAS又は変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍の処置における式(Ia)又は式(Ib)で表される化合物の使用、変異KRAS又は変異KRAS関連シグナルに由来する腫瘍の処置に使用される式(Ia)又は式(Ib)で表される化合物を包含する。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
(実施例1)
試験化合物の活性評価には、ヒト大腸癌細胞株HCT116に対して片アレルのみのゲノム編集を行い、変異KRASのみを欠失させて樹立した大腸癌細胞株であるHKe3細胞に、野生型KRAS(wtKRAS)を再発現させたHKe3-wtKRAS、及び変異KRAS(G13D;mtKRAS)を再発現させたHKe3-mtKRASを用いた(例えば、S. Shirasawa et al. Science, 260, 1993、T. Tsunoda et al. Anticancer Res.35(8), 2015参照)。HKe3細胞、及びHKe3-wtKRAS細胞は、大腸クリプト様の正常形態を示し、細胞塊(スフェロイド)として3次元浮遊培養することで、癌微小環境が再現される状態で試験化合物の細胞増殖抑制活性を評価することができると考えられる。HKe3-mtKRAS細胞は、細胞極性と内腔のアポトーシスが阻害されており、細胞塊として3次元培養することで、試験化合物の細胞増殖抑制活性を評価することができる。
【実施例】
【0053】
試験化合物として、下式で表される化合物8(以下では、STAR2ともいう。なお、STAR2は、国立研究開発法人理化学研究所ライブラリに収載の化合物であり、ナミキ商事より入手した。)と、アントラサイクリン系の抗腫瘍性抗生物質であるドキソルビシン(Doxorubicine)を用いた。なお、コントロール(control)には溶媒(DMSO)のみを用いた。HKe3-wtKRASを2000cell/well、HKe3-mtKRASを500cell/wellずつ、丸底非接着性96ウェルディッシュに播種した。培地にはDMEM(high glucose)+10%FBSを用い、37℃、5%CO濃度のインキュベーター内で培養を行った。試験化合物は、培養開始時(Day0)に16.6μM又は50.0μMで単回投与した。培養3日目及び6日目に1ウェルにひとつ形成された細胞隗の画像をIn cell analyzer(GEヘルスケア社製)で取得し、断面積の増減にて細胞増殖抑制活性を評価した。培養6日目の細胞塊の状態を図1に示す。
【実施例】
【0054】
【化11】
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【実施例】
【0055】
図1に示すように、試験化合物STAR2は、野生型KRAS発現細胞の細胞増殖には影響を与えなかったが、濃度依存的に変異KRAS発現細胞の細胞増殖を強く抑制した。一方、ドキソルビシンには、変異KRAS発現細胞に対する細胞増殖抑制は認められなかった。
【実施例】
【0056】
(実施例2)
細胞株として、変異KRAS発現細胞であるヒト大腸癌細胞株HCT116、Calu-6、SW620;変異KRAS関連シグナルに関与するBRAF遺伝子に変異を有するヒトメラノーマ細胞株SK-MEL28、ヒト乳癌細胞株MDA-231;変異KRAS関連シグナルに関与するPTEN遺伝子に変異を有するヒト前立腺癌細胞株LNCaP;変異KRAS関連シグナルに関与するCTNNB1遺伝子に変異を有するヒト子宮頸癌細胞株HeLa、ヒト肝癌細胞株HepG2を用いたことと、試験化合物としてSTAR2のみを用い、投与濃度を5μM、15μM又は45μMとしたこと以外は実施例1と同様にして、試験化合物STAR2の活性を評価した。培養6日目の細胞塊の状態を図2に示す。
【実施例】
【0057】
図2に示すように、試験化合物STAR2は、変異KRAS発現細胞、及び変異KRAS関連シグナルに関与する遺伝子に変異を有する細胞に対して、濃度依存的に細胞増殖抑制を示した。
【実施例】
【0058】
(実施例3)
患者由来のメラノーマ細胞(BRAFV600E変異)を親株として、BRAFV600E阻害剤であるベムラフェニブ耐性株を樹立した。親株とベムラフェニブ耐性株とを用いたこと以外は実施例2と同様にして、試験化合物STAR2の活性を評価した。培養6日目の細胞塊の状態を図3に示す。
【実施例】
【0059】
図3に示すように、試験化合物STAR2は、臨床検体由来のメラノーマ及びベムラフェニブ耐性株に対して、濃度依存的に細胞増殖抑制を示した。
【実施例】
【0060】
(実施例4)
試験化合物として、STAR2と、代謝拮抗剤であるゲムシタビン(Gemcitabine)とを用い、培養開始時に加えて、培養開始後3日から4日おきに試験化合物を培地交換時に投与して24日間培養したことと、投与量を0.02μM、0.1μM、0.5μM又は2.5μMにしたこと以外は実施例1と同様にして、試験化合物の活性を評価した。培養21日目の細胞塊の状態を図4に示す。
【実施例】
【0061】
図4に示すように、ゲムシタビンは、正常細胞モデルである野生型KRAS保有細胞と、癌モデルである変異型KRAS保有細胞の両方に対して、STAR2よりも強い細胞増殖抑制活性を同様に示した。一方、STAR2は変異型KRAS保有細胞に対して、細胞増殖抑制活性を示したが、野生型KRAS保有細胞に対しては細胞増殖に影響を与えなかった。また、STAR2に対する薬剤抵抗性の発現は認められなかった。
【実施例】
【0062】
(実施例5)
試験化合物としてSTAR2のみを用いたことと、培養開始時に加えて、培養開始後3から4日おきに試験化合物を長期複数回投与して24日間培養したことと、投与量を2.5μM、5μM、10μM又は50μMにしたことと、培養3日目、10日目、17日目及び24日目に細胞塊の断面積計測を実施したこと以外は実施例1と同様にして、試験化合物の活性を評価した。細胞塊の断面積の変化を、培養3日目の断面積に対する相対値として求めた。野生型KRAS保有細胞の結果を図5Aに、変異型KRAS保有細胞の結果を図5Bにそれぞれ示す。
【実施例】
【0063】
図5に示すように、野生型KRAS保有細胞では、10μMまで細胞増殖抑制効果が認められなかった。変異型KRAS保有細胞に対する50%増殖阻害濃度(GI50)は、3.96μMであった。また24日間の培養期間中にSTAR2に対する薬剤耐性の発現は認められなかった。
【実施例】
【0064】
(実施例6)
4週齢メスのヌードマウスの皮下に、マトリゲル(BD baiosience社製、BD matrigel matrix)に懸濁した1.5×110個のヒト大腸癌HCT116細胞を接種した。通常飼育条件で飼育し、腫瘍の長径が5mmを越えた時点を初日(D0)として、試験化合物STAR2を、10mg/kg、40mg/kg又80mg/kgの投与量で、腹腔内に1日1回投与しながら飼育を継続した。なおコントロール(control)には、溶媒であるDMSOを投与した。腫瘍体積の変化を図6に示す。
【実施例】
【0065】
図6に示すように、STAR2はヌードマウスにおける腫瘍の増殖を、投与量依存的に抑制した。GI50は7.7mg/kgであった。また、投与量が80mg/kgの場合でも毒性の発現は認められなかった。
また、4週間継続投与した場合でも毒性の発現は認められず、また、試験化合物STAR2を飲水投与した場合でも毒性の発現は認められなかった。
【実施例】
【0066】
(実施例7)
実施例6における投与量が40mg/kgのヌードマウスについて、継続飼育8日目に採血し、各種の血液学的検査を実施した。図7Aに白血球数(WBC)、図7Bに赤血球数、図7Cにヘモグロビン値(HGB)、図7Dにヘマトクリット値(HCT)、図7Eに血小板数(PLT)の結果をそれぞれ示す。
【実施例】
【0067】
図7Aから図7Eに示すように、各種の血液学的検査には、コントロール(cont)と比較して、STAR2の投与による異常は認められなかった。
【実施例】
【0068】
(実施例8)
試験化合物として、化合物8(STAR2)、化合物8の塩酸塩(以下、KMA008ともいう)及び下記式で表される化合物26の塩酸塩(以下、KMA100ともいう)を用いたこと以外は、以外は実施例1と同様にして、試験化合物の活性を評価した。培養6日目の細胞塊の断面積を、コントロール(投与量0μM)の断面積に対する相対値として求めた。結果を図8に示す。
【実施例】
【0069】
【化12】
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【実施例】
【0070】
HKe3-mtKRASに対して、STAR2の酸付加塩であるKMA008はSTAR2と同等の増殖抑制効果を示し、酸の付加による負の影響はないことが示唆された。また、KMA100はHKe3-mtKRASに対する増殖抑制効果はSTAR2より弱く、HKe3-wtKRAS細胞の増殖も抑制した。
【実施例】
【0071】
(実施例9)
試験化合物として、下記式で表される化合物C1の塩酸塩(以下、KMA003ともいう)を用いたこと以外は、以外は実施例1と同様にして、試験化合物の活性を評価した。培養6日目の細胞塊の断面積を、コントロール(投与量0μM)の断面積に対する相対値として求めた。結果を図9に示す。
【実施例】
【0072】
【化13】
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【実施例】
【0073】
KMA003は、HKe3-mtKRASに特異的な増殖抑制効果を示した。KMA003のGI50は、STAR2のGI50が15μMであるのに対し、約2倍の30μMであった。このことは、KMA003が式(1b)で表される抗腫瘍性化合物の骨格として必要最低限の基盤となる骨格であることを示していると考えられる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5A】
4
【図5B】
5
【図6】
6
【図7A】
7
【図7B】
8
【図7C】
9
【図7D】
10
【図7E】
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【図8】
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【図9】
13