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明細書 :電池、及び、電子機器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-120684 (P2017-120684A)
公開日 平成29年7月6日(2017.7.6)
発明の名称または考案の名称 電池、及び、電子機器
国際特許分類 H01M   6/34        (2006.01)
A61K  49/00        (2006.01)
H01M   2/10        (2006.01)
H01M   2/02        (2006.01)
H01M   2/36        (2006.01)
F16K   7/16        (2006.01)
FI H01M 6/34 A
A61K 49/00 A
H01M 2/10 U
H01M 2/02 Z
H01M 2/36 101N
F16K 7/16 C
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 56
出願番号 特願2015-255668 (P2015-255668)
出願日 平成27年12月28日(2015.12.28)
発明者または考案者 【氏名】吉田 慎哉
【氏名】中村 力
【氏名】兵藤 宏
【氏名】本間 格
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100092978、【弁理士】、【氏名又は名称】真田 有
審査請求 未請求
テーマコード 4C085
5H011
5H023
5H025
5H040
Fターム 4C085HH20
4C085KA26
4C085LL05
5H011AA04
5H011BB01
5H023AA07
5H023AS05
5H023DD04
5H025AA14
5H025CC01
5H025CC16
5H025CC23
5H025CC26
5H040AA36
5H040AS18
5H040AY04
要約 【課題】発電量の低下を抑制すること。
【解決手段】電池は、内部に空間SP1を有するとともに、外部と上記空間SP1とを連通する通路を有する本体2と、上記空間SP1に接する一対の電極213,214と、pHに応じて上記通路を遮断する弁215,216,217と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
電池であって、
内部に空間を有するとともに、外部と前記空間とを連通する通路を有する本体と、
前記空間に接する一対の電極と、
pHに応じて前記通路を遮断する弁と、
を備える、電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池であって、
前記弁は、
弁座と、
pHに応じて溶解する支持体と、
前記弁座へ付勢されるとともに、前記弁座から離れた位置にて前記支持体により支持され、且つ、前記支持体の溶解に伴って前記弁座に接することにより前記通路を遮断する弁体と、
を含む、電池。
【請求項3】
請求項1に記載の電池であって、
前記弁は、
弁座と、
pHに応じて体積が変化する体積変化体と、
前記体積変化体に接した状態にて前記本体により支持されるとともに、前記体積変化体の体積の変化に伴って前記弁座に接することにより前記通路を遮断する弁体と、
を含む、電池。
【請求項4】
請求項1に記載の電池であって、
前記弁は、前記通路に位置するとともに、pHに応じて体積が増加することにより前記通路を遮断する体積変化体を含む、電池。
【請求項5】
請求項4に記載の電池であって、
前記本体の少なくとも一部は、当該本体の少なくとも一部を介して前記体積変化体に光が照射されるように光を透過する材料からなる、電池。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電池であって、
前記弁は、前記空間の外部におけるpHが所定の閾値よりも高い場合に前記通路を遮断する、電池。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電池であって、
前記弁は、前記空間の外部におけるpHが所定の閾値よりも低い場合に、前記通路を介して前記空間に液体が導入された後に前記通路を遮断する、電池。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電池であって、
前記本体の少なくとも一部を被覆するとともに、pHに応じて溶解する膜を備える、電池。
【請求項9】
電力を生成する電池と、前記生成された電力を用いて動作する回路と、を備える電子機器であって、
前記電池は、
内部に空間を有するとともに、外部と前記空間とを連通する通路を有する本体と、
前記空間に接する一対の電極と、
pHに応じて前記通路を遮断する弁と、
を備える、電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器であって、
前記電池は、第1の層に位置し、
前記回路は、前記第1の層と異なる第2の層に位置する、電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器であって、
第1の電池としての前記電池と異なる第2の電池を備え、
前記第2の電池は、前記第2の層に対して前記第1の層と反対側にて、前記第1の層及び前記第2の層と異なる第3の層に位置する、電子機器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電池、及び、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体の消化管に導入され、消化管内の液体が電解質として機能することにより、電力を生成する電池が知られている。例えば、特許文献1に記載の電池は、液体が導入される空間と、当該空間と電池の外部とを連通する通路と、を有する。また、電解質として機能する液体として胃液が用いられる。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特表2010-508293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、消化管における胃よりも下流側においては、胃液と異なる物質(例えば、胃液よりも高いpHを有する液体(例えば、膵液、胆汁、又は、腸液等)、又は、固体(例えば、食物、又は、便等))が存在する。
【0005】
このため、消化管における胃よりも下流側において、胃液と異なる物質が電池の内部の空間に導入されることがある。例えば、胃液よりも高いpHを有する液体が、電池の内部の空間に導入されることにより、当該空間における液体のpHが胃液よりも高くなることがある。また、例えば、固体が電池の内部の空間に導入されることにより、当該固体が電極に付着することがある。この結果、消化管における胃よりも下流側において、電池が生成する電力の量(換言すると、発電量)が低下しやすい、という課題があった。
なお、この課題は、電解質として機能する液体が胃液と異なる液体である場合も同様に生じることがある。
【0006】
本発明の目的の一つは、発電量の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、電池は、
内部に空間を有するとともに、外部と上記空間とを連通する通路を有する本体と、
上記空間に接する一対の電極と、
pHに応じて上記通路を遮断する弁と、
を備える。
【0008】
他の一つの側面では、電子機器は、電力を生成する電池と、上記生成された電力を用いて動作する回路と、を備える。
更に、上記電池は、
内部に空間を有するとともに、外部と上記空間とを連通する通路を有する本体と、
上記空間に接する一対の電極と、
pHに応じて上記通路を遮断する弁と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
発電量の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の電子機器の斜視図である。
【図2】第1実施形態の電子機器の断面図である。
【図3】第1実施形態の弁体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図4】第1実施形態の本体の頂面図である。
【図5】第1実施形態の弁体が拡大された電子機器の、支持体が溶解した場合における部分断面図である。
【図6】第1実施形態の第1変形例の電子機器の断面図である。
【図7】第2実施形態の弁体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図8】第2実施形態の弁体が拡大された本体の部分頂面図である。
【図9】第2実施形態の弁体が拡大された電子機器の、支持体が溶解した場合における部分断面図である。
【図10】第3実施形態の弁体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図11】第3実施形態の弁体が拡大された本体の部分頂面図である。
【図12】第3実施形態の弁体が拡大された電子機器の、支持体が溶解した場合における部分断面図である。
【図13】第4実施形態の弁体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図14】第4実施形態の弁体が拡大された本体の部分頂面図である。
【図15】第4実施形態の弁体が拡大された電子機器の、体積変化体が収縮した場合における部分断面図である。
【図16】第5実施形態の電子機器の断面図である。
【図17】第5実施形態の電子機器の断面図である。
【図18】第5実施形態の第2の構成体の頂面図である。
【図19】第5実施形態の電子機器の、支持体が溶解した場合における断面図である。
【図20】第6実施形態の電子機器の断面図である。
【図21】第6実施形態の第2の構成体の頂面図である。
【図22】第6実施形態の電子機器の、体積変化体が膨張した場合における断面図である。
【図23】第7実施形態の電子機器の断面図である。
【図24】第7実施形態の第2の構成体の頂面図である。
【図25】第7実施形態の電子機器の、体積変化体が膨張した場合における断面図である。
【図26】第8実施形態の体積変化体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図27】第8実施形態の体積変化体が拡大された本体の部分頂面図である。
【図28】第8実施形態の体積変化体が拡大された電子機器の、体積変化体が膨張した場合における部分断面図である。
【図29】第9実施形態の本体の頂面図である。
【図30】第9実施形態の電子機器の断面図である。
【図31】第9実施形態の電極が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図32】第9実施形態の体積変化体が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図33】第9実施形態の貫通孔部が拡大された電子機器の部分断面図である。
【図34】第9実施形態の第1変形例の本体の頂面図である。
【図35】第9実施形態の第1変形例の電子機器の断面図である。
【図36】第9実施形態の第1変形例の電子機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の、電池、及び、電子機器、に関する各実施形態について図1乃至図36を参照しながら説明する。

【0012】
<第1実施形態>
(構成)
図1に表されるように、第1実施形態の電子機器1は、円柱形状を有する。なお、電子機器1は、円柱形状と異なる形状(例えば、球形、円盤形、レンズ形、又は、底面が円形と異なる形状(例えば、楕円形、又は、多角形等)の柱体形等の形状)を有していてもよい。また、電子機器1は、角丸形状を有してよい。

【0013】
本例では、電子機器1は、飲み込み型のセンサである。なお、電子機器1は、カプセル剤又は錠剤等の製剤に取り付けられてもよい。また、電子機器1は、カプセル剤又は錠剤等の製剤の少なくとも一部を構成してもよい。

【0014】
例えば、電子機器1の、中心軸に沿った方向における長さ(換言すると、電子機器1の高さ)は、1mm乃至20mmの長さである。また、例えば、電子機器1の底面の直径は、1mm乃至20mmの長さである。

【0015】
図1乃至図5に表されるように、X軸、Y軸及びZ軸を有する右手系の直交座標系を用いて電子機器1について説明を加える。なお、後述する図6乃至図36においても、図1乃至図5と同一の直交座標系が用いられる。
Z軸は、電子機器1の高さ方向(換言すると、電子機器1の中心軸)に沿って延びる。X軸及びY軸のそれぞれは、電子機器1の底面に平行な方向に沿って延びる。

【0016】
図2は、図1におけるII-II線により表される、電子機器1の中心軸を通り且つY軸に直交する平面による電子機器1の断面を表す。Y軸に直交する平面は、ZX平面と表されてもよい。図2に表されるように、電子機器1は、本体2と、膜3と、を備える。

【0017】
本例では、本体2は、シリコン(Si)からなる。なお、本体2の少なくとも一部は、ガラスからなっていてもよい。
本例では、本体2は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、本体2の底面は、正方形状を有する。なお、本体2の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0018】
膜3は、本体2を被覆する。膜3は、電子機器1の表面を構成する。膜3は、pHに応じて溶解する材料からなる。本例では、膜3は、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより溶解する材料からなる。例えば、膜3は、胃液に接することにより溶解する材料(換言すると、胃溶性材料)からなる。なお、膜3の少なくとも一部は、糖衣を構成してもよい。この場合、糖衣は、ショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、又は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートが主成分であってよい。

【0019】
例えば、胃溶性材料は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等の胃溶性ポリビニル誘導体、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、及び、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体等の少なくとも1つが主成分である。

【0020】
なお、電子機器1は、Z軸に直交する平面(換言すると、XY平面)における、本体2と膜3との間に、図示されないパディング部材を備えていてもよい。この場合、パディング部材は、樹脂からなっていてよい。

【0021】
図2に表されるように、本体2は、本体2の内部にて第1の空間SP1を形成する第1の空間形成部21と、本体2の内部にて第2の空間SP2を形成する第2の空間形成部22と、を有する。本例では、本体2のうちの第1の空間形成部21が位置する部分は、第1の層を構成する。また、本例では、本体2のうちの第2の空間形成部22が位置する部分は、第1の層と異なる第2の層を構成する。

【0022】
第1の空間SP1及び第2の空間SP2のそれぞれは、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第1の空間SP1及び第2の空間SP2のそれぞれの底面は、正方形状を有する。なお、第1の空間SP1及び第2の空間SP2のそれぞれの底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、第1の空間SP1の底面は、第2の空間SP2の底面と同じ形状を有する。なお、第1の空間SP1の底面は、第2の空間SP2の底面と異なる形状を有していてもよい。

【0023】
本例では、第1の空間SP1の中心軸は、第2の空間SP2の中心軸と一致する。更に、第1の空間SP1は、第2の空間SP2よりもZ軸の正方向側に位置する。

【0024】
なお、電子機器1は、第1の空間SP1に多孔質材料からなる保持部材を備えていてもよい。この場合、多孔質材料は、親水性を有することが好適である。

【0025】
更に、図2乃至図4に表されるように、本体2は、通路形成部211と、複数(本例では、8個)の貫通孔部212と、を有する。更に、電子機器1は、第1の電極213と、第2の電極214と、弁座215と、複数(本例では、2個)の支持体216と、弁体217と、を有する。本例では、電子機器1のうちの、本体2、膜3、第1の電極213、第2の電極214、弁座215、複数の支持体216、及び、弁体217は、電池に対応する。本例では、第1の電極213及び第2の電極214は、一対の電極と表されてもよい。

【0026】
図3は、図2における弁体217が拡大された、図4におけるIII-III線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。図4は、Z軸の負方向へ向かって本体2を見た図(換言すると、本体2の頂面を見た図)である。

【0027】
通路形成部211は、本体2のうちの、第1の空間形成部21のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。換言すると、通路形成部211により形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2の外部と、を連通する。本例では、通路形成部211により形成される孔は、通路に対応する。

【0028】
本例では、通路形成部211により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、通路形成部211により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、通路形成部211により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0029】
例えば、通路形成部211により形成される孔の底面の長辺の長さは、200μm乃至20mmの長さである。例えば、通路形成部211により形成される孔の底面の短辺の長さは、100μm乃至10mmの長さである。

【0030】
本例では、通路形成部211は、第1の空間形成部21のうちのX軸の負方向側の端部に位置する。通路形成部211により形成される孔の底面における長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0031】
本例では、通路形成部211及び第1の空間形成部21は、親水性を有する膜により被覆される。例えば、親水性を有する膜は、二酸化ケイ素からなる。

【0032】
各貫通孔部212は、本体2のうちの、第1の空間形成部21のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。換言すると、各貫通孔部212により形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2の外部と、を連通する。

【0033】
本例では、各貫通孔部212により形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、各貫通孔部212により形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、各貫通孔部212により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0034】
本例では、各貫通孔部212により形成される孔の底面の面積は、通路形成部211により形成される孔の底面の面積よりも小さい。例えば、各貫通孔部212により形成される孔の底面の直径は、2μm乃至200μmの長さである。

【0035】
本例では、各貫通孔部212は、第1の空間形成部21のうちのX軸の正方向側の端部に位置する。複数の貫通孔部212は、Y軸に沿って等間隔にて位置する。なお、貫通孔部212の数は、8個と異なる数でもよい。

【0036】
本例では、各貫通孔部212は、撥水性を有する膜により被覆される。例えば、撥水性を有する膜は、フッ化炭素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレンが主成分である樹脂)からなる。

【0037】
本例では、第1の電極213は、マグネシウムからなる。なお、第1の電極213は、マグネシウムと異なる材料(例えば、亜鉛、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第1の電極213は、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0038】
第1の電極213は、XY平面に平行な平板状である。例えば、第1の電極213の厚さは、100nm乃至2mmの厚さである。本例では、第1の電極213は、長方形状を有する。なお、第1の電極213は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第1の電極213は、第1の空間形成部21のうちのZ軸の負方向側の端面に接する。

【0039】
本例では、第1の電極213の面積は、第1の空間形成部21のうちのZ軸の負方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。本例では、第1の電極213の長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0040】
本例では、第2の電極214は、プラチナからなる。なお、第2の電極214は、プラチナと異なる材料(例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第2の電極214は、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0041】
第2の電極214は、XY平面に平行な平板状である。例えば、第2の電極214の厚さは、10nm乃至2mmの厚さである。本例では、第2の電極214は、長方形状を有する。なお、第2の電極214は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第2の電極214は、第1の空間形成部21のうちのZ軸の負方向側の端面に接する。

【0042】
本例では、第2の電極214の面積は、第1の空間形成部21のうちのZ軸の負方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。本例では、第2の電極214の長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0043】
本例では、第1の電極213は、第1の空間形成部21のZ軸の負方向側の端面のうちの、X軸方向における中央よりもX軸の負方向側に位置する。また、本例では、第2の電極214は、第1の空間形成部21のZ軸の負方向側の端面のうちの、X軸方向における中央よりもX軸の正方向側に位置する。換言すると、第1の電極213と第2の電極214とは、互いに離れている。

【0044】
本例では、第1の電極213及び第2の電極214の材料は、第1の空間SP1に胃液が導入された場合に、胃液が電解質として機能することにより電力が生成されるように設定される。

【0045】
本例では、弁座215は、金属からなる。なお、弁座215は、金属と異なる材料(例えば、ポリイミドが主成分である樹脂等)からなっていてもよい。
弁座215は、XY平面に平行な平板状である。例えば、弁座215の厚さは、10nm乃至10μmの厚さである。弁座215は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。

【0046】
弁座215は、所定の幅を有するとともに、通路形成部211のうちの、Z軸の正方向側の端辺に沿って延びる。なお、通路形成部211のうちの、Z軸の正方向側の端辺は、通路形成部211により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の外縁と表されてもよい。また、通路形成部211のうちの、Z軸の正方向側の端辺は、本体2の表面のうちのZ軸の正方向側の端面における、通路形成部211により形成される孔の開口の外縁と表されてもよい。
換言すると、弁座215は、XY平面における形状が、通路形成部211により形成される孔のXY平面における形状と一致し、且つ、Z軸方向にて貫通する孔を有する。

【0047】
各支持体216は、pHに応じて溶解する材料からなる。本例では、各支持体216は、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより溶解する材料からなる。例えば、各支持体216は、胃液に接することにより溶解する材料(換言すると、胃溶性材料)からなる。

【0048】
各支持体216は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、各支持体216の底面は、長方形状を有する。なお、各支持体216の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0049】
例えば、各支持体216のZ軸方向における長さ(換言すると、支持体216の高さ)は、10μm乃至1mmの長さである。本例では、各支持体216の高さは、弁座215の厚さよりも大きい。
各支持体216は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。本例では、各支持体216の長辺及び短辺は、X軸及びY軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0050】
各支持体216は、通路形成部211よりも、X軸の正方向側に位置する。2個の支持体216は、通路形成部211よりもY軸の正方向側、及び、通路形成部211よりもY軸の負方向側、にそれぞれ位置する。換言すると、2個の支持体216は、互いに離れている。

【0051】
なお、各支持体216の位置及び大きさは、図4に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。例えば、各支持体216は、弁座215の外周の所定の領域に位置していてよい。
なお、支持体216の数は、2個と異なる数でもよい。

【0052】
本例では、各支持体216は、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各支持体216の溶解が完了するように構成される。

【0053】
弁体217は、シリコン(Si)からなる。なお、弁体217は、シリコンと異なる材料(例えば、金属、又は、樹脂等)からなっていてもよい。
弁体217は、弾性変形されていない状態において、XY平面に平行な平板状である。例えば、弁体217の厚さは、100nm乃至200μmの厚さである。

【0054】
本例では、弁体217は、弾性変形されていない状態において、長方形状を有する。なお、弁体217は、弾性変形されていない状態において、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、弁体217の長辺及び短辺は、弁体217が弾性変形されていない状態において、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0055】
X軸方向において、弁体217は、弁座215よりもX軸の負方向側から、弁座215よりもX軸の正方向側(本例では、支持体216よりもX軸の正方向側)まで延びている。

【0056】
Y軸方向において、弁体217は、弁座215よりもY軸の負方向側から、弁座215よりもY軸の正方向側まで延びている。本例では、Y軸方向において、弁体217は、2個の支持体216のうちのY軸の負方向側の支持体216よりもY軸の負方向側から、2個の支持体216のうちのY軸の正方向側の支持体216よりもY軸の正方向側まで延びている。

【0057】
換言すると、Z軸の負方向へ向かって本体2を見た場合において、弁体217は、通路形成部211により形成される孔、弁座215、及び、支持体216を被覆する。

【0058】
弁体217のうちの弁座215よりもX軸の負方向側の部分は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。本例では、弁体217のうちの弁座215よりもX軸の負方向側の部分は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。

【0059】
図2及び図3に表されるように、弁体217は、弁体217のうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、弁体217のうちのX軸の正方向側の端に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、弾性変形されることによって湾曲された状態にて、支持体216に支持される。

【0060】
換言すると、図3に表されるように、弁体217には、弾性変形に伴って生じた復元力F1が働いている。本例では、復元力F1は、弁体217を、湾曲されていない状態(換言すると、XY平面に平行な状態)に復元する力である、と捉えられてよい。また、本例では、復元力F1は、弁体217のうちのX軸の正方向側の端を、Z軸の負方向へ変位させる力である、と捉えられてよい。

【0061】
このようにして、弁体217は、弁座215へ付勢されるとともに、弁座215から離れた位置にて支持体216により支持される。

【0062】
図5に表されるように、支持体216が溶解した場合、弁体217は、復元力F1によって、XY平面に平行な状態に復元される。これにより、弁体217は、弁座215に接する。本例では、弁体217は、弁座215に押圧される。この結果、弁体217は、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。通路の遮断は、通路の閉鎖と表されてもよい。

【0063】
本例では、弁座215、支持体216、及び、弁体217は、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。本例では、弁は、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0064】
加えて、図2に表されるように、電子機器1は、第1の貫通孔部221と、第2の貫通孔部222と、第1の端子223と、第2の端子224と、第1の導体225と、第2の導体226と、回路227と、を有する。

【0065】
第1の貫通孔部221は、本体2のうちの、第1の空間形成部21のZ軸の負方向側の端面を形成するとともに第2の空間形成部22のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0066】
本例では、第1の貫通孔部221により形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、第1の貫通孔部221により形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第1の貫通孔部221により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0067】
XY平面における第1の貫通孔部221の外縁は、XY平面における第1の電極213の外縁の内側に位置する。本例では、第1の貫通孔部221は、XY平面における第1の電極213の中央部に位置する。

【0068】
第2の貫通孔部222は、本体2のうちの、第1の空間形成部21のZ軸の負方向側の端面を形成するとともに第2の空間形成部22のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0069】
本例では、第2の貫通孔部222により形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、第2の貫通孔部222により形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第2の貫通孔部222により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0070】
XY平面における第2の貫通孔部222の外縁は、XY平面における第2の電極214の外縁の内側に位置する。本例では、第2の貫通孔部222は、XY平面における第2の電極214の中央部に位置する。

【0071】
本例では、第1の端子223は、金属からなる。第1の端子223は、XY平面に平行な平板状である。第1の端子223は、第2の空間形成部22のうちのZ軸の正方向側の端面に接する。

【0072】
XY平面における第1の端子223の外縁は、XY平面における第1の貫通孔部221の外縁の外側に位置する。本例では、第1の端子223は、第1の貫通孔部221が、XY平面における第1の端子223の中央部に位置するように位置する。

【0073】
本例では、第2の端子224は、金属からなる。第2の端子224は、XY平面に平行な平板状である。第2の端子224は、第2の空間形成部22のうちのZ軸の正方向側の端面に接する。

【0074】
XY平面における第2の端子224の外縁は、XY平面における第2の貫通孔部222の外縁の外側に位置する。本例では、第2の端子224は、第2の貫通孔部222が、XY平面における第2の端子224の中央部に位置するように位置する。

【0075】
本例では、第1の導体225は、金属からなる。第1の導体225は、第1の貫通孔部221により形成される孔に充填されることにより、第1の電極213と第1の端子223とを接続する。

【0076】
本例では、第2の導体226は、金属からなる。第2の導体226は、第2の貫通孔部222により形成される孔に充填されることにより、第2の電極214と第2の端子224とを接続する。

【0077】
回路227は、第1の端子223及び第2の端子224に接続される。回路227は、第1の空間SP1に電解質として機能する液体が導入された場合に、第1の電極213と第2の電極214との間に生じる電位の差を用いて動作する。本例では、第1の電極213と第2の電極214との間に電位の差が生じることは、電力が生成されることに対応する。

【0078】
例えば、回路227は、検出回路、及び、通信回路の少なくとも1つを含む。
検出回路は、物理量を検出する。例えば、物理量は、温度、pH、又は、対象物の濃度等である。例えば、対象物は、消化液(例えば、胃液、腸液、又は、膵液等)、血液、常在菌、又は、感染性物質(例えば、細菌、又は、ウイルス等)である。対象物の濃度が所定の閾値以上であることは、対象物が存在していることに対応すると捉えられてよい。

【0079】
通信回路は、電子機器1の外部の装置と無線により通信する。例えば、回路227が、検出回路及び通信回路を含む場合、通信回路は、検出回路により検出された物理量を表す信号を送信する。

【0080】
(動作)
次に、電子機器1の動作について説明する。
先ず、電子機器1は、生体(例えば、人体)の口に導入される。そして、電子機器1は、生体によって飲み込まれることにより、食道に到達する。唾液によって膜3が溶解しないので、口及び食道において、液体は、第1の空間SP1に導入されない。

【0081】
その後、電子機器1は、胃に到達する。これにより、電子機器1の外部におけるpHは、上記閾値よりも低くなる。従って、膜3は溶解する。これにより、胃液は、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に導入される。第1の空間SP1に存在していた気体は、貫通孔部212を介して排出される。

【0082】
この結果、第1の空間SP1に導入された胃液が電解質として機能することにより、電子機器1の電池は、電力を生成する。回路227は、生成された電力を用いて動作する。

【0083】
第1の空間SP1に胃液が導入された後に、各支持体216は、溶解を完了する。
これにより、弁体217は、復元力によって、XY平面に平行な状態に復元される。この結果、弁体217は、弁座215に押圧される。従って、弁体217は、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0084】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0085】
その後、電子機器1は、腸に到達する。第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路が遮断されているので、消化管における胃よりも下流側において、胃液と異なる物質が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、消化管における胃よりも下流側において、発電量が低下することを抑制できる。
その後、電子機器1は、生体から排出される。

【0086】
以上、説明したように、第1実施形態の電子機器1は、内部に第1の空間SP1を有するとともに、外部と第1の空間SP1とを連通する通路を有する本体2と、第1の空間SP1に接する一対の電極213,214と、pHに応じて当該通路を遮断する弁と、を備える。

【0087】
これによれば、電子機器1が生体の消化管に導入された場合、消化管内の液体が、通路を介して、第1の空間SP1に導入される。第1の空間SP1に導入された液体が電解質として機能することにより、電子機器1の電池は、電力を生成する。弁は、pHに応じて当該通路を遮断する。従って、電解質として機能する液体と異なる物質(例えば、電解質として機能する液体と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0088】
更に、第1実施形態の電子機器1において、弁は、弁座215と、pHに応じて溶解する支持体216と、弁座215へ付勢されるとともに、弁座215から離れた位置にて支持体216により支持され、且つ、支持体216の溶解に伴って弁座215に接することにより上記通路を遮断する弁体217と、を含む。

【0089】
これによれば、pHの変化に伴って支持体216が溶解する。これにより、弁体217が弁座215に接する。この結果、通路を遮断できる。

【0090】
更に、第1実施形態の電子機器1において、弁は、第1の空間SP1の外部におけるpHが所定の閾値よりも低い場合に、通路を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に当該通路を遮断する。

【0091】
ところで、電子機器1が胃に導入されたとき、第1の空間SP1の外部におけるpHは、上記閾値よりも低くなる。この場合、胃液が、通路を介して、第1の空間SP1に導入される。第1の空間SP1に導入された胃液が電解質として機能することにより、電子機器1の電池は、電力を生成する。その後、弁は、通路を遮断する。従って、消化管における胃よりも下流側において、胃液と異なる物質が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、消化管における胃よりも下流側において、発電量が低下することを抑制できる。

【0092】
更に、第1実施形態の電子機器1は、本体2を被覆するとともに、pHに応じて溶解する膜3を備える。

【0093】
これによれば、電解質として用いられる液体と異なるpHを有する液体(例えば、電子機器1とともに消化管に導入される水等の液体、又は、唾液等)が、電解質として用いられる液体(本例では、胃液)よりも先に、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。これにより、電解質として用いられる液体を第1の空間SP1に確実に導入できる。この結果、電池は、確実に電力を生成できる。

【0094】
更に、第1実施形態の電子機器1において、電池は、第1の層に位置し、回路227は、第1の層と異なる第2の層に位置する。

【0095】
これによれば、電池と回路227とが同一の層に位置する場合よりも、電極213,214の面積を大きくすることができる。これにより、発電量を増加できる。

【0096】
なお、膜3は、本体2の一部のみを被覆してもよい。この場合、膜3は、弁体217と本体2との間の隙間を塞ぐように本体2の一部を被覆してよい。また、この場合、膜3は、貫通孔部212を塞ぐように本体2の一部を被覆してよい。

【0097】
また、電子機器1は、膜3を備えなくてもよい。この場合、電子機器1は、電子機器1とともに消化管に導入される液体(例えば、電子機器1とともに飲まれた液体)を電解質として用いてよい。この場合、各支持体216は、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、各支持体216の溶解が迅速に完了するように構成されてよい。

【0098】
なお、各支持体216は、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより溶解する材料からなっていてもよい。この場合、例えば、各支持体216は、膵液に接することにより溶解する材料からなっていてもよい。また、この場合、例えば、各支持体216は、腸液に接することにより溶解する材料(換言すると、腸溶性材料)からなっていてもよい。

【0099】
例えば、腸溶性材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、スチレン-無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体、及び、カルボキシメチルエチルセルロース等の少なくとも1つが主成分である。

【0100】
例えば、電子機器1が、十二指腸又は小腸に到達した場合、電子機器1の外部におけるpHは、上記閾値よりも高くなる。従って、この場合、電子機器1が十二指腸又は小腸に到達した場合、各支持体216は、溶解を完了する。これにより、弁体217は、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0101】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の電子機器について説明する。第1実施形態の第1変形例の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、複数の電池を備える点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第1変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0102】
図6に表されるように、第1実施形態の第1変形例の電子機器1Aは、第1実施形態の本体2に代えて、本体2Aを備える。

【0103】
本体2Aは、第1の空間形成部21及び第2の空間形成部22に加えて、本体2Aの内部にて第3の空間SP3を形成する第3の空間形成部21Aを有する。本例では、本体2Aのうちの第3の空間形成部21Aが位置する部分は、第3の層を構成する。換言すると、第3の層は、第2の層に対して第1の層と反対側に位置するとともに、第1の層及び第2の層と異なる層である。

【0104】
第3の空間SP3は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第3の空間SP3の底面は、正方形状を有する。なお、第3の空間SP3の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、第3の空間SP3の底面は、第1の空間SP1の底面と同じ形状を有する。なお、第3の空間SP3の底面は、第1の空間SP1の底面と異なる形状を有していてもよい。

【0105】
本例では、第3の空間SP3の中心軸は、第1の空間SP1の中心軸、及び、第2の空間SP2の中心軸と一致する。更に、第3の空間SP3は、第2の空間SP2よりもZ軸の負方向側に位置する。

【0106】
なお、電子機器1Aは、第3の空間SP3に多孔質材料からなる保持部材を備えていてもよい。この場合、多孔質材料は、親水性を有することが好適である。

【0107】
本体2Aは、本体2が備える構成に加えて、通路形成部211Aと、複数(本例では、8個)の貫通孔部212Aと、を有する。更に、電子機器1Aは、電子機器1が備える構成に加えて、第3の電極213Aと、第4の電極214Aと、弁座215Aと、複数(本例では、2個)の支持体216Aと、弁体217Aと、第3の貫通孔部221Aと、第4の貫通孔部222Aと、第3の端子223Aと、第4の端子224Aと、第3の導体225Aと、第4の導体226Aと、を有する。

【0108】
本例では、電子機器1Aのうちの、本体2A、膜3、第1の電極213、第2の電極214、弁座215、複数の支持体216、及び、弁体217は、第1の電池に対応する。本例では、電子機器1Aのうちの、本体2A、膜3、第3の電極213A、第4の電極214A、弁座215A、複数の支持体216A、及び、弁体217Aは、第2の電池に対応する。本例では、第3の電極213A及び第4の電極214Aは、一対の電極と表されてもよい。

【0109】
第2の電池は、本体2AのZ軸方向における中央を通るXY平面(換言すると、基準面)に対して、面対称に位置する点を除いて、第1の電池と同様に構成される。
更に、第3の貫通孔部221A、第4の貫通孔部222A、第3の端子223A、第4の端子224A、第3の導体225A、及び、第4の導体226Aは、基準面に対して、面対称に位置する点を除いて、第1の貫通孔部221、第2の貫通孔部222、第1の端子223、第2の端子224、第1の導体225、及び、第2の導体226とそれぞれ同様に構成される。

【0110】
本例では、回路227は、第1の端子223及び第2の端子224に接続されるとともに、第3の端子223A及び第4の端子224Aに接続される。回路227は、第1の空間SP1に電解質として機能する液体が導入された場合に、第1の電極213と第2の電極214との間に生じる電位の差と、第3の空間SP3に電解質として機能する液体が導入された場合に、第3の電極213Aと第4の電極214Aとの間に生じる電位の差と、の両方を用いて動作する。本例では、回路227には、第1の端子223及び第2の端子224と、第3の端子223A及び第4の端子224Aと、が直列に接続される。

【0111】
以上、説明したように、第1実施形態の第1変形例の電子機器1Aによれば、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。
更に、第1実施形態の第1変形例の電子機器1Aは、第1の電池と、第2の電池と、を備える。加えて、第2の電池は、第2の層に対して第1の層と反対側にて、第1の層及び第2の層と異なる第3の層に位置する。

【0112】
これによれば、第2の電池が、第1の電池又は回路227と同一の層に位置する場合よりも、電極213,214,213A,214Aの面積を大きくすることができる。これにより、発電量を増加できる。

【0113】
更に、電子機器1Aによれば、第1の電池及び第2の電池は、互いに異なる空間にて電解質を有する。従って、第1の電池及び第2の電池を直列に接続することができる。この結果、回路227に供給される電圧を増加できる。

【0114】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の電子機器について説明する。第2実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、弁体及び支持体が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0115】
図7乃至図9に表されるように、第2実施形態の電子機器1は、第1実施形態の複数の支持体216及び弁体217に代えて、複数(本例では、2個)の支持体216B及び弁体217Bを備える。

【0116】
図7は、弁体217Bが拡大された、図8におけるVII-VII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。図8は、Z軸の負方向へ向かって本体2を見るとともに、弁体217Bの近傍の領域が拡大された図である。図9は、支持体216Bが溶解した場合の、弁体217Bが拡大された、図8におけるVII-VII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。

【0117】
弁体217Bは、弾性変形されていない状態において、XY平面に平行な平板状である。例えば、弁体217Bの厚さは、100nm乃至200μmの厚さである。

【0118】
本例では、弁体217Bは、弾性変形されていない状態において、長方形状を有する。なお、弁体217Bは、弾性変形されていない状態において、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、弁体217Bの長辺及び短辺は、弁体217Bが弾性変形されていない状態において、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0119】
図8に表されるように、X軸方向において、弁体217Bは、弁座215よりもX軸の負方向側から、弁座215よりもX軸の正方向側まで延びている。Y軸方向において、弁体217Bは、弁座215よりもY軸の負方向側から、弁座215よりもY軸の正方向側まで延びている。
換言すると、Z軸の負方向へ向かって本体2を見た場合において、弁体217Bは、通路形成部211により形成される孔、及び、弁座215を被覆する。

【0120】
弁体217BのうちのX軸方向における両端部は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。本例では、弁体217BのうちのX軸方向における両端部は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。

【0121】
各支持体216Bは、pHに応じて溶解する材料からなる。本例では、各支持体216Bは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより溶解する材料からなる。例えば、各支持体216Bは、胃溶性材料からなる。なお、各支持体216Bは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより溶解する材料からなっていてもよい。この場合、例えば、各支持体216Bは、腸溶性材料からなっていてもよい。

【0122】
各支持体216Bは、板状である。例えば、各支持体216Bの厚さは、10nm乃至200μmの厚さである。
図8に表されるように、X軸方向において、各支持体216Bは、弁体217Bのうちの本体2の表面に固定されている部分から、弁体217BのうちのX軸方向における中央部(本例では、通路形成部211の近傍)まで延びている。Y軸方向において、各支持体216Bは、弁体217BのうちのY軸の負方向側の端辺から、弁体217BのうちのY軸の正方向側の端辺まで延びている。

【0123】
各支持体216Bは、当該支持体216Bの表面のうちの、Z軸の負方向側の端面の全体が、弁体217Bの表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接した状態にて、弁体217Bに固定される。

【0124】
図7に表されるように、2個の支持体216BのうちのX軸の負方向側の支持体216Bは、支持体216Bのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、支持体216BのうちのX軸の正方向側の端に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。2個の支持体216BのうちのX軸の正方向側の支持体216Bは、支持体216Bのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、支持体216BのうちのX軸の負方向側の端に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。

【0125】
換言すると、各支持体216Bは、X軸方向における、ある位置の部分が、弁体217BのうちのX軸方向における中央部に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。

【0126】
これにより、弁体217Bは、弁体217Bのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、弁体217BのうちのX軸方向における中央部に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、弾性変形されることによって湾曲された状態にて、各支持体216Bに支持される。

【0127】
換言すると、図7に表されるように、弁体217Bには、弾性変形に伴って生じた復元力F2が働いている。本例では、復元力F2は、弁体217Bを、湾曲されていない状態(換言すると、XY平面に平行な状態)に復元する力である、と捉えられてよい。また、本例では、復元力F2は、弁体217Bのうちの中央部を、Z軸の負方向へ変位させる力である、と捉えられてよい。

【0128】
このようにして、弁体217Bは、弁座215へ付勢されるとともに、弁座215から離れた位置にて支持体216Bにより支持される。

【0129】
図9に表されるように、支持体216Bが溶解した場合、弁体217Bは、復元力F2によって、XY平面に平行な状態に復元される。これにより、弁体217Bは、弁座215に接する。本例では、弁体217Bは、弁座215に押圧される。この結果、弁体217Bは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0130】
なお、各支持体216Bの位置及び大きさは、図8に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、支持体216Bの数は、2個と異なる数でもよい。

【0131】
本例では、各支持体216Bは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各支持体216Bの溶解が完了するように構成される。

【0132】
第2実施形態の電子機器1は、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第2実施形態の電子機器1によっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0133】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の電子機器について説明する。第3実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、弁体及び支持体が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0134】
図10乃至図12に表されるように、第3実施形態の電子機器1は、第1実施形態の複数の支持体216及び弁体217に代えて、複数(本例では、4個)の支持体216C及び弁体217Cを備える。

【0135】
図10は、弁体217Cが拡大された、図11におけるXII-XII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。図11は、Z軸の負方向へ向かって本体2を見るとともに、弁体217Cの近傍の領域が拡大された図である。図12は、支持体216Cが溶解した場合の、弁体217Cが拡大された、図11におけるXII-XII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。

【0136】
弁体217Cは、基部217C1と、複数(本例では、4個)の脚部217C2と、を備える。
基部217C1は、XY平面に平行な平板状である。例えば、基部217C1の厚さは、2μm乃至200μmの厚さである。

【0137】
本例では、基部217C1は、長方形状を有する。なお、基部217C1は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、基部217C1の長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0138】
図11に表されるように、X軸方向において、基部217C1は、弁座215よりもX軸の負方向側から、弁座215よりもX軸の正方向側まで延びている。Y軸方向において、基部217C1は、弁座215よりもY軸の負方向側から、弁座215よりもY軸の正方向側まで延びている。
換言すると、Z軸の負方向へ向かって本体2を見た場合において、基部217C1は、通路形成部211により形成される孔、及び、弁座215を被覆する。

【0139】
各脚部217C2は、板状である。本例では、各脚部217C2の厚さは、基部217C1の厚さと同じである。なお、各脚部217C2の厚さは、基部217C1の厚さと異なっていてもよい。

【0140】
4個の脚部217C2は、基部217C1の4個の端辺からそれぞれ延びている。本例では、各脚部217C2の幅は、基部217C1の4個の端辺のうちの、当該脚部217C2の基端が接する端辺の長さよりも短い。本例では、各脚部217C2の基端は、基部217C1の4個の端辺のうちの、当該基端が接する端辺の中央部に位置する。

【0141】
各脚部217C2は、屈曲している。各脚部217C2の先端は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。本例では、各脚部217C2の先端は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。
このようにして、複数の脚部217C2は、基部217C1を支持する。

【0142】
各脚部217C2のうちの、当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間の部分は、当該脚部217C2が弾性変形されていない状態において、当該基端に近づくほど、Z軸の負方向側に位置するように、湾曲している。本例では、各脚部217C2は、弾性変形されていない状態において、基端のZ軸方向における位置が、弁座215と略同じ位置(例えば、弁座215よりも僅かにZ軸の負方向側の位置)に位置する。

【0143】
各支持体216Cは、pHに応じて溶解する材料からなる。本例では、各支持体216Cは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより溶解する材料からなる。例えば、各支持体216Cは、胃溶性材料からなる。なお、各支持体216Cは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより溶解する材料からなっていてもよい。この場合、例えば、各支持体216Cは、腸溶性材料からなっていてもよい。

【0144】
各支持体216Cは、XY平面に平行な平板状である。例えば、各支持体216Cの厚さは、10nm乃至200μmの厚さである。
図11に表されるように、各支持体216Cは、脚部217C2と同じ幅を有する。各支持体216Cは、脚部217C2のうちの当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間に位置する。

【0145】
各支持体216Cは、当該支持体216Cの表面のうちの、Z軸の正方向側の端面の全体が、脚部217C2の表面のうちの、Z軸の負方向側の端面に接した状態にて、脚部217C2に固定される。

【0146】
このようにして、各脚部217C2の基端は、Z軸方向において、当該脚部217C2が屈曲している部分と略同じ位置に位置する。従って、各脚部217C2のうちの、当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間の部分が、弾性変形されることによって湾曲されていない状態にて、弁体217Cの基部217C1は、各支持体216Cに支持される。

【0147】
換言すると、図10に表されるように、各脚部217C2のうちの、当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間の部分には、弾性変形に伴って生じた復元力F3が働いている。本例では、復元力F3は、各脚部217C2のうちの、当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間の部分を、湾曲された状態(換言すると、基端のZ軸方向における位置が、弁座215と略同じ位置である状態)に復元する力である、と捉えられてよい。また、本例では、復元力F3は、基部217C1を、Z軸の負方向へ変位させる力である、と捉えられてよい。

【0148】
このようにして、弁体217Cの基部217C1は、弁座215へ付勢されるとともに、弁座215から離れた位置にて支持体216Cにより支持される。

【0149】
図12に表されるように、支持体216Cが溶解した場合、各脚部217C2のうちの、当該脚部217C2が屈曲している部分と、当該脚部217C2の基端と、の間の部分は、復元力F3によって、湾曲された状態(換言すると、基端のZ軸方向における位置が、弁座215と略同じ位置である状態)に復元される。これにより、弁体217Cの基部217C1は、弁座215に接する。本例では、弁体217Cの基部217C1は、弁座215に押圧される。この結果、弁体217Cは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0150】
なお、各支持体216Cの位置及び大きさは、図11に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、支持体216Cの数は、4個と異なる数でもよい。

【0151】
本例では、各支持体216Cは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各支持体216Cの溶解が完了するように構成される。

【0152】
第3実施形態の電子機器1は、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第3実施形態の電子機器1によっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0153】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の電子機器について説明する。第4実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、pHに応じて溶解する支持体に代えて、pHに応じて体積が変化する体積変化体を用いる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第4実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0154】
図13乃至図15に表されるように、第4実施形態の電子機器1は、第1実施形態の複数の支持体216及び弁体217に代えて、弁体217D及び複数(本例では、4個)の体積変化体218Dを備える。

【0155】
図13は、弁体217Dが拡大された、図14におけるXIII-XIII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。図14は、Z軸の負方向へ向かって本体2を見るとともに、弁体217Dの近傍の領域が拡大された図である。図15は、体積変化体218Dが収縮した場合の、弁体217Dが拡大された、図14におけるXIII-XIII線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。

【0156】
弁体217Dは、XY平面に平行な平板状である。例えば、弁体217Dの厚さは、2μm乃至200μmの厚さである。
本例では、弁体217Dは、長方形状を有する。なお、弁体217Dは、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、弁体217Dの長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0157】
図14に表されるように、X軸方向において、弁体217Dは、弁座215よりもX軸の負方向側から、弁座215よりもX軸の正方向側まで延びている。Y軸方向において、弁体217Dは、弁座215よりもY軸の負方向側から、弁座215よりもY軸の正方向側まで延びている。
換言すると、Z軸の負方向へ向かって本体2を見た場合において、弁体217Dは、通路形成部211により形成される孔、及び、弁座215を被覆する。

【0158】
各体積変化体218Dは、pHに応じて体積が変化する材料からなる。本例では、各体積変化体218Dは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が減少する(換言すると、収縮する)材料からなる。なお、各体積変化体218Dは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより収縮する材料からなっていてもよい。本例では、各体積変化体218Dは、pH応答性ゲルからなる。

【0159】
例えば、pH応答性ゲルは、高分子鎖中にカルボキシル基等の酸性官能基を有するアニオンゲル、高分子鎖中に塩基性官能基を有するカチオンゲル、又は、高分子鎖中に酸性官能基及び塩基性官能基の両方を有する両性ゲルの少なくとも1つが主成分である。例えば、pH応答性ゲルは、アクリルアミド-アクリル酸共重合体である。

【0160】
各体積変化体218Dは、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、各体積変化体218Dの底面は、長方形状を有する。なお、各体積変化体218Dの底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0161】
例えば、各体積変化体218DのZ軸方向における長さ(換言すると、体積変化体218Dの高さ)は、10μm乃至1mmの長さである。本例では、各体積変化体218Dの高さは、弁座215の厚さよりも大きい。
本例では、各体積変化体218DのZ軸方向における長さは、収縮が完了した状態において、弁座215の厚さ以下である。

【0162】
各体積変化体218Dの、Z軸の負方向側の端面は、本体2の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。更に、各体積変化体218Dの、Z軸の正方向側の端面は、弁体217Dの表面のうちの、Z軸の負方向側の端面に固定される。

【0163】
図14に表されるように、各体積変化体218Dは、XY平面において、弁座215の外縁と、弁体217Dの外縁と、の間に位置する。本例では、4個の体積変化体218Dは、弁座215の外周のうちの、弁体217Dの4個の隅部にそれぞれ位置する。換言すると、4個の体積変化体218Dは、互いに離れている。

【0164】
このようにして、弁体217Dは、体積変化体218Dに接した状態にて本体2により支持される。

【0165】
図15に表されるように、体積変化体218Dが収縮した場合、弁体217Dは、体積変化体218Dが弁体217DをZ軸の負方向へ引っ張ることにより弁座215に接する。本例では、弁体217Dは、弁座215に押圧される。この結果、弁体217Dは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0166】
本例では、各体積変化体218Dは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各体積変化体218Dの収縮が完了するように構成される。

【0167】
本例では、弁座215、弁体217D、及び、体積変化体218Dは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0168】
なお、各体積変化体218Dの位置及び大きさは、図14に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。例えば、各体積変化体218Dは、弁座215の外周の所定の領域に位置していてよい。
なお、体積変化体218Dの数は、4個と異なる数でもよい。

【0169】
第4実施形態の電子機器1において、各体積変化体218Dは、第1の空間SP1に胃液が導入された後に、収縮を完了する。これにより、弁体217Dは、体積変化体218Dが弁体217DをZ軸の負方向へ引っ張ることにより弁座215に押圧される。従って、弁体217Dは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0170】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0171】
以上説明したように、第4実施形態の電子機器1は、弁の機構が相違する点を除いて、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第4実施形態の電子機器1によっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0172】
更に、第4実施形態の電子機器1において、弁は、弁座215と、pHに応じて体積が変化する体積変化体218Dと、体積変化体218Dに接した状態にて本体2により支持されるとともに、体積変化体218Dの体積の変化に伴って弁座215に接することにより通路を遮断する弁体217Dと、を含む。

【0173】
これによれば、pHの変化に伴って体積変化体218Dの体積が変化する。これにより、弁体217Dが弁座215に接する。この結果、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断できる。

【0174】
なお、本体2の少なくとも一部は、当該本体2の少なくとも一部を介して体積変化体218Dに光が照射されるように光を透過する材料からなっていてもよい。例えば、光を透過する材料は、ガラスである。この場合、ガラスからなる部材とシリコン(Si)からなる部材とは、陽極接合により接合されてよい。

【0175】
これによれば、本体2のうちの、光を透過する材料からなる部分を介して光を照射することにより、体積変化体218Dを形成することができる。この結果、体積変化体218Dが内部に位置する電子機器1を容易に製造できる。

【0176】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の電子機器について説明する。第5実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、本体及び弁体が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第5実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0177】
図16に表されるように、第5実施形態の電子機器1Eは、第1実施形態の本体2に代えて、本体2Eを備える。なお、図16、及び、後述する図17乃至図19において、膜3は、図示が省略されている。
本例では、本体2Eは、シリコン(Si)からなる。なお、本体2Eの少なくとも一部は、ガラスからなっていてもよい。本例では、本体2Eは、第1の構成体2E1と、第2の構成体2E2と、第3の構成体2E3と、第4の構成体2E4と、を備える。

【0178】
各構成体2E1~2E4は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、各構成体2E1~2E4の底面は、正方形状を有する。なお、各構成体2E1~2E4の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0179】
第2の構成体2E2、第3の構成体2E3、及び、第4の構成体2E4の底面は、同一の形状を有する。第1の構成体2E1の底面の外縁は、第2の構成体2E2の底面の外縁の内側に位置する。4個の構成体2E1~2E4の中心軸は、互いに一致する。

【0180】
第1の構成体2E1、第2の構成体2E2、第3の構成体2E3、及び、第4の構成体2E4は、積み重ねられている。第1の構成体2E1のZ軸の負方向側の端面は、第2の構成体2E2のZ軸の正方向側の端面に接する。第2の構成体2E2のZ軸の負方向側の端面は、第3の構成体2E3のZ軸の正方向側の端面に接する。第3の構成体2E3のZ軸の負方向側の端面は、第4の構成体2E4のZ軸の正方向側の端面に接する。

【0181】
第1の構成体2E1は、凹部21E1を有する。凹部21E1は、第1の構成体2E1のZ軸の負方向側の端面にて第2の構成体2E2と接する空間を形成する。換言すると、凹部21E1は、第1の構成体2E1のZ軸の負方向側の端面にて開口する。

【0182】
凹部21E1により形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、凹部21E1により形成される空間の底面は、正方形状を有する。なお、凹部21E1により形成される空間の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0183】
第2の構成体2E2は、貫通孔部21E2を有する。貫通孔部21E2は、Z軸方向にて第2の構成体2E2を貫通する孔を形成する。

【0184】
貫通孔部21E2により形成される孔は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、貫通孔部21E2により形成される孔の底面は、正方形状を有する。なお、貫通孔部21E2により形成される孔の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0185】
本例では、貫通孔部21E2により形成される孔の底面は、凹部21E1により形成される空間の底面と同じ形状を有する。本例では、貫通孔部21E2により形成される孔の中心軸は、凹部21E1により形成される空間の中心軸と一致する。

【0186】
第3の構成体2E3は、凹部21E3を有する。凹部21E3は、第3の構成体2E3のZ軸の正方向側の端面にて第2の構成体2E2と接する空間を形成する。換言すると、凹部21E3は、第3の構成体2E3のZ軸の正方向側の端面にて開口する。凹部21E3は、第3の構成体2E3のうちのXY平面における端部(換言すると、第3の構成体2E3のうちのXY平面における中央部以外の部分)に位置する。

【0187】
凹部21E3により形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、凹部21E3により形成される空間の底面は、中央部にて長方形状が取り除かれた正方形状を有する。なお、凹部21E3により形成される空間の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。
本例では、凹部21E3により形成される空間の中心軸は、貫通孔部21E2により形成される孔の中心軸と一致する。

【0188】
貫通孔部21E2により形成される孔は、凹部21E1により形成される空間、及び、凹部21E3により形成される空間のそれぞれと連接する。本例では、凹部21E1により形成される空間、貫通孔部21E2により形成される孔、及び、凹部21E3により形成される空間は、本体2Eの内部に形成される第1の空間SP1を構成する。

【0189】
第4の構成体2E4は、凹部22Eを有する。凹部22Eは、第4の構成体2E4のZ軸の正方向側の端面にて第3の構成体2E3と接する空間を形成する。換言すると、凹部22Eは、第4の構成体2E4のZ軸の正方向側の端面にて開口する。凹部22Eは、第4の構成体2E4のうちのXY平面における端部(換言すると、第4の構成体2E4のうちのXY平面における中央部以外の部分)に位置する。

【0190】
凹部22Eにより形成される空間は、第3の構成体2E3のZ軸の負方向側の端面と接する。本例では、第3の構成体2E3のZ軸の負方向側の端面、及び、凹部22Eにより形成される空間は、本体2Eの内部に形成される第2の空間SP2を構成する。

【0191】
本例では、第1の構成体2E1、第2の構成体2E2、及び、第3の構成体2E3は、第1の層を構成する。また、本例では、第4の構成体2E4は、第1の層と異なる第2の層を構成する。

【0192】
なお、電子機器1Eは、第1の空間SP1に多孔質材料からなる保持部材を備えていてもよい。この場合、多孔質材料は、親水性を有することが好適である。

【0193】
図16及び図17に表されるように、第3の構成体2E3は、第1の通路形成部211E1を有する。図17は、図16におけるXVII-XVII線により表される平面による電子機器1Eの断面を表す。第4の構成体2E4は、第2の通路形成部211E2を有する。第2の構成体2E2は、複数(本例では、16個)の貫通孔部212Eを有する。

【0194】
第1の通路形成部211E1は、第3の構成体2E3のうちのXY平面における中央部を、Z軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる錐体の一部を構成する形状を有する孔を形成する。

【0195】
本例では、第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第1の通路形成部211E1により形成される孔は、柱体形状を有してもよい。

【0196】
例えば、第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面の長辺の長さは、200μm乃至20mmの長さである。例えば、第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面の短辺の長さは、100μm乃至10mmの長さである。
第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面における長辺及び短辺は、Y軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる。

【0197】
第2の通路形成部211E2は、第4の構成体2E4のうちのXY平面における中央部を、Z軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0198】
本例では、第2の通路形成部211E2により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、第2の通路形成部211E2により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第2の通路形成部211E2により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0199】
本例では、第2の通路形成部211E2により形成される孔の底面は、第1の通路形成部211E1により形成される孔のZ軸の負方向側の底面と同じ形状を有する。第2の通路形成部211E2により形成される孔の中心軸は、第1の通路形成部211E1により形成される孔の中心軸と一致する。

【0200】
本例では、第1の通路形成部211E1により形成される孔、及び、第2の通路形成部211E2により形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2Eの外部と、を連通する。本例では、第1の通路形成部211E1により形成される孔、及び、第2の通路形成部211E2により形成される孔は、通路に対応する。

【0201】
本例では、第1の通路形成部211E1、第2の通路形成部211E2、凹部21E1、貫通孔部21E2、及び、凹部21E3は、親水性を有する膜により被覆される。例えば、親水性を有する膜は、二酸化ケイ素からなる。

【0202】
図16及び図18に表されるように、各貫通孔部212Eは、第2の構成体2E2をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。図18は、Z軸の負方向に向かって第2の構成体2E2を見た図である。

【0203】
本例では、各貫通孔部212Eにより形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、各貫通孔部212Eにより形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、各貫通孔部212Eにより形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0204】
本例では、各貫通孔部212Eにより形成される孔の底面の面積は、第1の通路形成部211E1により形成される孔の底面の面積よりも小さい。例えば、各貫通孔部212Eにより形成される孔の底面の直径は、2μm乃至200μmの長さである。

【0205】
図16に表されるように、各貫通孔部212Eは、第1の構成体2E1のXY平面における外縁よりも外側に位置する。本例では、図18に表されるように、各貫通孔部212Eは、第2の構成体2E2のうちのX軸方向における両端部に位置する。複数の貫通孔部212Eは、Y軸に沿って等間隔にて位置する。

【0206】
このようにして、各貫通孔部212Eにより形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2Eの外部と、を連通する。
なお、貫通孔部212Eの数は、8個と異なる数でもよい。

【0207】
本例では、各貫通孔部212Eは、撥水性を有する膜により被覆される。例えば、撥水性を有する膜は、フッ化炭素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレンが主成分である樹脂)からなる。

【0208】
更に、電子機器1Eは、第1実施形態の、第1の電極213、第2の電極214、弁座215、複数の支持体216、及び、弁体217に代えて、第1の電極213E、第2の電極214E、弁座215E、複数(本例では、2個)の支持体216E、及び、弁体217E、を有する。

【0209】
本例では、電子機器1Eのうちの、本体2E、膜3、第1の電極213E、第2の電極214E、弁座215E、複数の支持体216E、及び、弁体217Eは、電池に対応する。本例では、第1の電極213E及び第2の電極214Eは、一対の電極と表されてもよい。

【0210】
本例では、第1の電極213Eは、マグネシウムからなる。なお、第1の電極213Eは、マグネシウムと異なる材料(例えば、亜鉛、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第1の電極213Eは、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0211】
第1の電極213Eは、XY平面に平行な平板状である。例えば、第1の電極213Eの厚さは、100nm乃至2mmの厚さである。本例では、第1の電極213Eは、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。第1の電極213Eは、X軸の正方向側の長辺にて凹部を有する。なお、第1の電極213Eは、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第1の電極213Eは、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面に接する。

【0212】
本例では、第1の電極213Eの面積は、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。

【0213】
本例では、第2の電極214Eは、プラチナからなる。なお、第2の電極214Eは、プラチナと異なる材料(例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第2の電極214Eは、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0214】
第2の電極214Eは、XY平面に平行な平板状である。例えば、第2の電極214Eの厚さは、10nm乃至2mmの厚さである。本例では、第2の電極214Eは、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。第2の電極214Eは、X軸の負方向側の長辺にて凹部を有する。なお、第2の電極214Eは、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第2の電極214Eは、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面に接する。

【0215】
本例では、第2の電極214Eの面積は、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。

【0216】
本例では、第1の電極213Eは、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面のうちの、X軸方向における中央よりもX軸の負方向側に位置する。また、本例では、第2の電極214Eは、凹部21E3のうちのZ軸の負方向側の端面のうちの、X軸方向における中央よりもX軸の正方向側に位置する。換言すると、第1の電極213Eと第2の電極214Eとは、互いに離れている。

【0217】
本例では、第1の電極213E及び第2の電極214Eの材料は、第1の空間SP1に胃液が導入された場合に、胃液が電解質として機能することにより電力が生成されるように設定される。

【0218】
本例では、弁座215Eは、金属からなる。なお、弁座215Eは、金属と異なる材料(例えば、ポリイミドが主成分である樹脂等)からなっていてもよい。
弁座215Eは、XY平面に平行な平板状である。例えば、弁座215Eの厚さは、10nm乃至10μmの厚さである。弁座215Eは、第3の構成体2E3の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接する。

【0219】
弁座215Eは、所定の幅を有するとともに、第1の通路形成部211E1のうちの、Z軸の正方向側の端辺に沿って延びる。なお、第1の通路形成部211E1のうちの、Z軸の正方向側の端辺は、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の外縁と表されてもよい。また、第1の通路形成部211E1のうちの、Z軸の正方向側の端辺は、第3の構成体2E3の表面のうちのZ軸の正方向側の端面における、第1の通路形成部211E1により形成される孔の開口の外縁と表されてもよい。

【0220】
換言すると、弁座215Eは、XY平面における形状が、第1の通路形成部211E1により形成される孔のZ軸の正方向側の端面の形状と一致し、且つ、Z軸方向にて貫通する孔を有する。

【0221】
図18に表されるように、弁体217Eは、貫通孔部21E2のうちのX軸の負方向側の端面から、貫通孔部21E2のうちのX軸の正方向側の端面まで延びている。弁体217EのY軸方向における長さは、貫通孔部21E2のX軸方向における端面の、Y軸方向における長さよりも短く、且つ、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、Y軸方向における長さよりも長い。

【0222】
図16、図18及び図19に表されるように、弁体217Eは、基部217E1と、複数(本例では、2個)の腕部217E2と、を備える。図19は、支持体216Eが溶解した場合の、図18におけるXVI-XVI線により表される平面による電子機器1Eの断面図である。

【0223】
基部217E1は、弁体217EのうちのX軸方向における中央部を構成する。基部217E1のZ軸方向における長さ(換言すると、基部217E1の厚さ)は、第2の構成体2E2のZ軸方向における長さ(換言すると、第2の構成体2E2の厚さ)と等しい。基部217E1のX軸方向における長さは、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、X軸方向における長さよりも僅かに長い。

【0224】
換言すると、Z軸の負方向へ向かって第2の構成体2E2を見た場合において、弁体217Eの基部217E1は、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面を被覆するとともに、弁座215Eの少なくとも一部を被覆する。

【0225】
2個の腕部217E2は、弁体217EのうちのX軸方向における両端部(換言すると、弁体217Eのうちの基部217E1以外の部分)をそれぞれ構成する。換言すると、2個の腕部217E2は、基部217E1を支持する。

【0226】
各腕部217E2のZ軸方向における長さ(換言すると、腕部217E2の厚さ)は、第2の構成体2E2の厚さよりも短い。各腕部217E2は、第2の構成体2E2のZ軸の正方向側の端面の一部を構成する。

【0227】
図19に表されるように、各腕部217E2は、弾性変形されていない状態において、XY平面に平行な平板状である。

【0228】
各支持体216Eは、pHに応じて溶解する材料からなる。本例では、各支持体216Eは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより溶解する材料からなる。例えば、各支持体216Eは、胃溶性材料からなる。なお、各支持体216Eは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより溶解する材料からなっていてもよい。この場合、例えば、各支持体216Eは、腸溶性材料からなっていてもよい。

【0229】
各支持体216Eは、板状である。例えば、各支持体216Eの厚さは、10nm乃至200μmの厚さである。

【0230】
図16及び図18に表されるように、各支持体216Eは、当該支持体216Eの表面のうちの、Z軸の負方向側の端面の全体が、弁体217Eの表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接した状態にて、弁体217Eに固定される。本例では、2個の支持体216Eは、2個の腕部217E2にそれぞれ固定される。

【0231】
X軸方向において、各支持体216Eは、腕部217E2のうちのX軸の負方向側の端辺の近傍から、腕部217E2のうちのX軸の正方向側の端辺の近傍まで延びている。Y軸方向において、各支持体216Eは、弁体217EのうちのY軸の負方向側の端辺から、弁体217EのうちのY軸の正方向側の端辺まで延びている。

【0232】
図16に表されるように、2個の支持体216EのうちのX軸の負方向側の支持体216Eは、支持体216Eのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、支持体216EのうちのX軸の正方向側の端に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。2個の支持体216EのうちのX軸の正方向側の支持体216Eは、支持体216Eのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、支持体216EのうちのX軸の負方向側の端に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。

【0233】
換言すると、各支持体216Eは、X軸方向における、ある位置の部分が、弁体217EのうちのX軸方向における中央部(換言すると、基部217E1)に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、湾曲された形状を有する。

【0234】
これにより、弁体217Eは、弁体217Eのうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、弁体217EのうちのX軸方向における中央部に近づくほど、Z軸の正方向側に位置するように、弾性変形されることによって湾曲された状態にて、各支持体216Eに支持される。

【0235】
換言すると、図16に表されるように、腕部217E2には、弾性変形に伴って生じた復元力F4が働いている。本例では、復元力F4は、腕部217E2を、湾曲されていない状態(換言すると、XY平面に平行な状態)に復元する力である、と捉えられてよい。また、本例では、復元力F4は、弁体217Eのうちの中央部(換言すると、基部217E1)を、Z軸の負方向へ変位させる力である、と捉えられてよい。

【0236】
このようにして、弁体217Eの基部217E1は、弁座215Eへ付勢されるとともに、弁座215Eから離れた位置にて支持体216Eにより支持される。

【0237】
図19に表されるように、支持体216Eが溶解した場合、腕部217E2は、復元力F4によって、XY平面に平行な状態に復元される。これにより、弁体217Eの基部217E1は、弁座215Eに接する。本例では、弁体217Eの基部217E1は、弁座215Eに押圧される。この結果、弁体217Eは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断する。

【0238】
なお、各支持体216Eの位置及び大きさは、図18に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、支持体216Eの数は、2個と異なる数でもよい。

【0239】
本例では、各支持体216Eは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、第1の通路形成部211E1により形成される孔、及び、第2の通路形成部211E2により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各支持体216Eの溶解が完了するように構成される。

【0240】
更に、電子機器1Eは、第1実施形態の、第1の貫通孔部221、第2の貫通孔部222、第1の端子223、第2の端子224、第1の導体225、第2の導体226、及び、回路227とそれぞれ同様に構成される、第1の貫通孔部221E、第2の貫通孔部222E、第1の端子223E、第2の端子224E、第1の導体225E、第2の導体226E、及び、回路227Eを有する。

【0241】
第5実施形態の電子機器1Eは、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第5実施形態の電子機器1Eによっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0242】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態の電子機器について説明する。第6実施形態の電子機器は、第5実施形態の電子機器に対して、pHに応じて溶解する支持体に代えて、pHに応じて体積が変化する体積変化体を用いる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第6実施形態の説明において、第5実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0243】
図20乃至図22に表されるように、第6実施形態の電子機器1Eは、第5実施形態の複数の支持体216E及び弁体217Eに代えて、弁体217F及び体積変化体218Fを備える。

【0244】
図20は、図21におけるXX-XX線により表される平面による電子機器1Eの断面図である。図21は、Z軸の負方向に向かって第2の構成体2E2を見た図である。図22は、体積変化体218Fが膨張した場合の、図21におけるXX-XX線により表される平面による電子機器1Eの断面図である。

【0245】
本例では、弁座215Eは、第3の構成体2E3のZ軸の正方向側の端面(換言すると、第2の構成体2E2のZ軸の負方向側の端面)よりも、Z軸の負方向側に位置する。従って、本例では、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面も、第3の構成体2E3のZ軸の正方向側の端面よりも、Z軸の負方向側に位置する。

【0246】
図21に表されるように、弁体217Fは、貫通孔部21E2のうちのX軸の負方向側の端面から、貫通孔部21E2のうちのX軸の正方向側の端面まで延びている。弁体217FのY軸方向における長さは、貫通孔部21E2のX軸方向における端面の、Y軸方向における長さよりも短く、且つ、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、Y軸方向における長さよりも長い。

【0247】
図20及び図21に表されるように、弁体217Fは、基部217F1と、複数(本例では、2個)の腕部217F2と、を備える。

【0248】
基部217F1は、弁体217FのうちのX軸方向における中央部を構成する。基部217F1のZ軸方向における長さ(換言すると、基部217F1の厚さ)は、第2の構成体2E2のZ軸方向における長さ(換言すると、第2の構成体2E2の厚さ)と等しい。基部217F1のX軸方向における長さは、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、X軸方向における長さよりも僅かに長い。

【0249】
換言すると、Z軸の負方向へ向かって第2の構成体2E2を見た場合において、弁体217Fの基部217F1は、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面を被覆するとともに、弁座215Eの少なくとも一部を被覆する。

【0250】
2個の腕部217F2は、弁体217FのうちのX軸方向における両端部(換言すると、弁体217Fのうちの基部217F1以外の部分)をそれぞれ構成する。換言すると、2個の腕部217F2は、基部217F1を支持する。

【0251】
図20に表されるように、各腕部217F2のZ軸方向における長さ(換言すると、腕部217F2の厚さ)は、第2の構成体2E2の厚さよりも短い。各腕部217F2のZ軸方向における位置は、第2の構成体2E2のZ軸方向における中央部である。
各腕部217F2は、体積変化体218Fが膨張していない状態において、XY平面に平行な平板状である。

【0252】
体積変化体218Fは、pHに応じて体積が変化する材料からなる。本例では、体積変化体218Fは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が増加する(換言すると、膨張する)材料からなる。なお、体積変化体218Fは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより膨張する材料からなっていてもよい。本例では、体積変化体218Fは、pH応答性ゲルからなる。本例では、膨張は、膨潤と表されてもよい。

【0253】
例えば、pH応答性ゲルは、高分子鎖中にカルボキシル基等の酸性官能基を有するアニオンゲル、高分子鎖中に塩基性官能基を有するカチオンゲル、又は、高分子鎖中に酸性官能基及び塩基性官能基の両方を有する両性ゲルの少なくとも1つが主成分である。例えば、pH応答性ゲルは、アクリルアミド-アクリル酸共重合体である。

【0254】
体積変化体218Fは、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、体積変化体218Fの底面は、長方形状を有する。なお、体積変化体218Fの底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0255】
本例では、体積変化体218FのZ軸方向における長さ(換言すると、体積変化体218Fの高さ)は、凹部21E1のZ軸の正方向側の端面と、第2の構成体2E2のZ軸の正方向側の端面と、の間の距離(換言すると、第1の距離)に等しい。

【0256】
本例では、体積変化体218FのZ軸方向における長さは、体積変化体218Fの膨張が完了した状態において、第1の距離と第2の距離との和以上である。第2の距離は、第2の構成体2E2のZ軸の負方向側の端面と、弁座215EのZ軸の正方向側の端面と、の間の距離である。

【0257】
体積変化体218Fの、Z軸の負方向側の端面は、基部217F1の表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。更に、体積変化体218Fの、Z軸の正方向側の端面は、凹部21E1のうちの、Z軸の正方向側の端面に固定される。

【0258】
図21に表されるように、体積変化体218Fは、XY平面において、基部217F1の外縁の内側に位置する。
このようにして、弁体217Fは、体積変化体218Fに接した状態にて本体2Eにより支持される。

【0259】
図22に表されるように、体積変化体218Fが膨張した場合、弁体217Fの基部217F1は、体積変化体218Fが基部217F1をZ軸の負方向へ押すことにより弁座215Eに接する。本例では、弁体217Fの基部217F1は、弁座215Eに押圧される。この結果、弁体217Fは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断する。

【0260】
本例では、体積変化体218Fは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、第1の通路形成部211E1により形成される孔、及び、第2の通路形成部211E2により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、体積変化体218Fの膨張が完了するように構成される。

【0261】
本例では、弁座215E、弁体217F、及び、体積変化体218Fは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0262】
なお、体積変化体218Fの位置及び大きさは、図21に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、体積変化体218Fの数は、2個以上でもよい。

【0263】
第6実施形態の電子機器1Eにおいて、体積変化体218Fは、第1の空間SP1に胃液が導入された後に、膨張を完了する。これにより、弁体217Fの基部217F1は、体積変化体218Fが基部217F1をZ軸の負方向へ押すことにより弁座215Eに押圧される。従って、弁体217Fは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断する。

【0264】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0265】
以上説明したように、第6実施形態の電子機器1Eは、弁の機構が相違する点を除いて、第5実施形態の電子機器1Eと同様に動作する。従って、第6実施形態の電子機器1Eによっても、第5実施形態の電子機器1Eと同様の作用及び効果が奏される。

【0266】
更に、第6実施形態の電子機器1Eにおいて、弁は、弁座215Eと、pHに応じて体積が変化する体積変化体218Fと、体積変化体218Fに接した状態にて本体2Eにより支持されるとともに、体積変化体218Fの体積の変化に伴って弁座215Eに接することにより通路を遮断する弁体217Fと、を含む。

【0267】
これによれば、pHの変化に伴って体積変化体218Fの体積が変化する。これにより、弁体217Fが弁座215Eに接する。この結果、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断できる。

【0268】
なお、本体2Eの少なくとも一部は、当該本体2Eの少なくとも一部を介して体積変化体218Fに光が照射されるように光を透過する材料からなっていてもよい。例えば、第1の構成体2E1は、光を透過する材料からなっていてよい。例えば、光を透過する材料は、ガラスである。この場合、ガラスからなる部材とシリコン(Si)からなる部材とは、陽極接合により接合されてよい。

【0269】
これによれば、本体2Eのうちの、光を透過する材料からなる部分を介して光を照射することにより、体積変化体218Fを形成することができる。この結果、体積変化体218Fが内部に位置する電子機器1Eを容易に製造できる。

【0270】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態の電子機器について説明する。第7実施形態の電子機器は、第5実施形態の電子機器に対して、pHに応じて溶解する支持体に代えて、pHに応じて体積が変化する体積変化体を用いる点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第7実施形態の説明において、第5実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0271】
図23乃至図25に表されるように、第7実施形態の電子機器1Eは、第5実施形態の複数の支持体216E及び弁体217Eに代えて、弁体217G及び複数(本例では、2個)の体積変化体218Gを備える。

【0272】
図23は、図24におけるXXIII-XXIII線により表される平面による電子機器1Eの断面図である。図24は、Z軸の負方向に向かって第2の構成体2E2を見た図である。図25は、体積変化体218Gが膨張した場合の、図24におけるXXIII-XXIII線により表される平面による電子機器1Eの断面図である。

【0273】
図24に表されるように、弁体217Gは、貫通孔部21E2のうちのX軸の負方向側の端面から、貫通孔部21E2のうちのX軸の正方向側の端面まで延びている。弁体217GのY軸方向における長さは、貫通孔部21E2のX軸方向における端面の、Y軸方向における長さよりも短く、且つ、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、Y軸方向における長さよりも長い。

【0274】
図23及び図24に表されるように、弁体217Gは、基部217G1と、複数(本例では、2個)の腕部217G2と、を備える。

【0275】
基部217G1は、弁体217GのうちのX軸方向における中央部を構成する。基部217G1のZ軸方向における長さ(換言すると、基部217G1の厚さ)は、第2の構成体2E2のZ軸方向における長さ(換言すると、第2の構成体2E2の厚さ)よりも短い。本例では、基部217G1の厚さは、第2の構成体2E2の厚さの略半分である。

【0276】
基部217G1のX軸方向における長さは、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面の、X軸方向における長さよりも僅かに長い。
換言すると、Z軸の負方向へ向かって第2の構成体2E2を見た場合において、弁体217Gの基部217G1は、第1の通路形成部211E1により形成される孔のうちの、Z軸の正方向側の端面を被覆するとともに、弁座215Eの少なくとも一部を被覆する。
基部217G1は、第2の構成体2E2のZ軸の正方向側の端面の一部を構成する。

【0277】
2個の腕部217G2は、弁体217GのうちのX軸方向における両端部(換言すると、弁体217Gのうちの基部217G1以外の部分)をそれぞれ構成する。換言すると、2個の腕部217G2は、基部217G1を支持する。

【0278】
図23に表されるように、各腕部217G2のZ軸方向における長さ(換言すると、腕部217G2の厚さ)は、基部217G1のZ軸方向における長さ(換言すると、基部217G1の厚さ)よりも短い。各腕部217G2は、第2の構成体2E2のZ軸の正方向側の端面の一部を構成する。

【0279】
各腕部217G2は、体積変化体218Gが膨張していない状態において、XY平面に平行な平板状である。従って、基部217G1のZ軸の負方向側の端面は、体積変化体218Gが膨張していない状態において、弁座215Eと離れている。

【0280】
各体積変化体218Gは、pHに応じて体積が変化する材料からなる。本例では、各体積変化体218Gは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が増加する(換言すると、膨張する)材料からなる。なお、各体積変化体218Gは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより膨張する材料からなっていてもよい。本例では、各体積変化体218Gは、pH応答性ゲルからなる。本例では、膨張は、膨潤と表されてもよい。

【0281】
例えば、pH応答性ゲルは、高分子鎖中にカルボキシル基等の酸性官能基を有するアニオンゲル、高分子鎖中に塩基性官能基を有するカチオンゲル、又は、高分子鎖中に酸性官能基及び塩基性官能基の両方を有する両性ゲルの少なくとも1つが主成分である。例えば、pH応答性ゲルは、アクリルアミド-アクリル酸共重合体である。

【0282】
図23及び図24に表されるように、各体積変化体218Gは、XY平面に平行な平板状である。各体積変化体218Gは、当該体積変化体218Gの表面のうちの、Z軸の負方向側の端面の全体が、弁体217Gの表面のうちの、Z軸の正方向側の端面に接した状態にて、弁体217Gに固定される。本例では、2個の体積変化体218Gは、2個の腕部217G2にそれぞれ固定される。

【0283】
X軸方向において、各体積変化体218Gは、腕部217G2のうちのX軸の負方向側の端辺の近傍から、腕部217G2のうちのX軸の正方向側の端辺の近傍まで延びている。Y軸方向において、各体積変化体218Gは、弁体217GのうちのY軸の負方向側の端辺から、弁体217GのうちのY軸の正方向側の端辺まで延びている。
このようにして、弁体217Gは、体積変化体218Gに接した状態にて本体2Eにより支持される。

【0284】
図25に表されるように、体積変化体218Gが膨張した場合、各体積変化体218Gが腕部217G2をX軸方向にて引き伸ばすことにより、各腕部217G2は、腕部217G2のうちの、X軸方向における、ある位置の部分が、基部217G1に近づくほど、Z軸の負方向側に位置するように、湾曲する。これにより、弁体217Gの基部217G1は、弁座215Eに接する。本例では、弁体217Gの基部217G1は、弁座215Eに押圧される。この結果、弁体217Gは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断する。

【0285】
本例では、体積変化体218Gは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、第1の通路形成部211E1により形成される孔、及び、第2の通路形成部211E2により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、体積変化体218Gの膨張が完了するように構成される。

【0286】
本例では、弁座215E、弁体217G、及び、体積変化体218Gは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0287】
なお、体積変化体218Gの位置及び大きさは、図24に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、体積変化体218Gの数は、2個以上でもよい。

【0288】
第7実施形態の電子機器1Eにおいて、体積変化体218Gは、第1の空間SP1に胃液が導入された後に、膨張を完了する。これにより、腕部217G2は、湾曲する。この結果、弁体217Gの基部217G1は、弁座215Eに押圧される。従って、弁体217Gは、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断する。

【0289】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0290】
以上説明したように、第7実施形態の電子機器1Eは、弁の機構が相違する点を除いて、第5実施形態の電子機器1Eと同様に動作する。従って、第7実施形態の電子機器1Eによっても、第5実施形態の電子機器1Eと同様の作用及び効果が奏される。

【0291】
更に、第7実施形態の電子機器1Eにおいて、弁は、弁座215Eと、pHに応じて体積が変化する体積変化体218Gと、体積変化体218Gに接した状態にて本体2Eにより支持されるとともに、体積変化体218Gの体積の変化に伴って弁座215Eに接することにより通路を遮断する弁体217Gと、を含む。

【0292】
これによれば、pHの変化に伴って体積変化体218Gの体積が変化する。これにより、弁体217Gが弁座215Eに接する。この結果、第1の空間SP1と本体2Eの外部とを連通する通路を遮断できる。

【0293】
なお、本体2Eの少なくとも一部は、当該本体2Eの少なくとも一部を介して体積変化体218Gに光が照射されるように光を透過する材料からなっていてもよい。例えば、第1の構成体2E1は、光を透過する材料からなっていてよい。例えば、光を透過する材料は、ガラスである。この場合、ガラスからなる部材とシリコン(Si)からなる部材とは、陽極接合により接合されてよい。

【0294】
これによれば、本体2Eのうちの、光を透過する材料からなる部分を介して光を照射することにより、体積変化体218Gを形成することができる。この結果、体積変化体218Gが内部に位置する電子機器1Eを容易に製造できる。

【0295】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態の電子機器について説明する。第8実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、弁が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第8実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0296】
図26乃至図28に表されるように、第8実施形態の電子機器1は、第1実施形態の弁座215、複数の支持体216及び弁体217に代えて、体積変化体219Hを備える。

【0297】
図26は、体積変化体219Hが拡大された、図27におけるXXVI-XXVI線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。図27は、Z軸の負方向へ向かって本体2を見るとともに、体積変化体219Hの近傍の領域が拡大された図である。図28は、体積変化体219Hが膨張した場合の、体積変化体219Hが拡大された、図27におけるXXVI-XXVI線により表される平面による電子機器1の部分断面図である。

【0298】
体積変化体219Hは、pHに応じて体積が変化する材料からなる。本例では、体積変化体219Hは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が増加する(換言すると、膨張する)材料からなる。なお、体積変化体219Hは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより膨張する材料からなっていてもよい。本例では、体積変化体219Hは、pH応答性ゲルからなる。本例では、膨張は、膨潤と表されてもよい。

【0299】
例えば、pH応答性ゲルは、高分子鎖中にカルボキシル基等の酸性官能基を有するアニオンゲル、高分子鎖中に塩基性官能基を有するカチオンゲル、又は、高分子鎖中に酸性官能基及び塩基性官能基の両方を有する両性ゲルの少なくとも1つが主成分である。例えば、pH応答性ゲルは、アクリルアミド-アクリル酸共重合体である。

【0300】
体積変化体219Hは、通路形成部211により形成される孔と同じ形状を有する。体積変化体219Hは、通路形成部211に接する。本例では、体積変化体219Hは、通路形成部211に固定される。従って、本例では、体積変化体219Hは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路に位置する。

【0301】
体積変化体219Hは、貫通孔部219H1を有する。貫通孔部219H1は、体積変化体219HをZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。換言すると、貫通孔部219H1により形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2の外部と、を連通する。

【0302】
本例では、貫通孔部219H1により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、貫通孔部219H1により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。
また、体積変化体219Hは、貫通孔部219H1を複数有していてもよい。

【0303】
図28に表されるように、体積変化体219Hが膨張した場合、貫通孔部219H1により形成される孔は閉塞される。従って、体積変化体219Hは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0304】
本例では、体積変化体219Hは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、通路形成部211により形成される孔を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、体積変化体219Hの膨張が完了するように構成される。

【0305】
本例では、体積変化体219Hは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0306】
第8実施形態の電子機器1において、体積変化体219Hは、第1の空間SP1に胃液が導入された後に、膨張を完了する。これにより、貫通孔部219H1により形成される孔は閉塞される。従って、体積変化体219Hは、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断する。

【0307】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0308】
以上説明したように、第8実施形態の電子機器1は、弁の機構が相違する点を除いて、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第8実施形態の電子機器1によっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0309】
更に、第8実施形態の電子機器1において、弁は、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路に位置するとともに、pHに応じて体積が増加することにより当該通路を遮断する体積変化体219Hを含む。

【0310】
これによれば、通路におけるpHの変化に伴って体積変化体219Hの体積が変化する。これにより、体積変化体219Hが通路を閉塞する。この結果、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通する通路を遮断できる。

【0311】
なお、体積変化体219Hは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が減少する(換言すると、収縮する)材料からなっていてもよい。この場合、体積変化体219Hは、体積変化体219Hが収縮していない状態において、通路を閉塞し、体積変化体219Hが収縮した状態において、第1の空間SP1と本体2の外部とを連通させることが好適である。

【0312】
なお、本体2の少なくとも一部は、当該本体2の少なくとも一部を介して体積変化体219Hに光が照射されるように光を透過する材料からなっていてもよい。例えば、光を透過する材料は、ガラスである。この場合、ガラスからなる部材とシリコン(Si)からなる部材とは、陽極接合により接合されてよい。

【0313】
これによれば、本体2のうちの、光を透過する材料からなる部分を介して光を照射することにより、体積変化体219Hを形成することができる。この結果、体積変化体219Hが内部に位置する電子機器1を容易に製造できる。

【0314】
<第9実施形態>
次に、第9実施形態の電子機器について説明する。第9実施形態の電子機器は、第1実施形態の電子機器に対して、本体及び弁が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第9実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0315】
図29乃至図33に表されるように、第9実施形態の電子機器1Jは、第1実施形態の本体2に代えて、本体2Jを備える。なお、図29乃至図33において、膜3は、図示が省略されている。

【0316】
図30は、図29におけるXXX-XXX線により表される平面による電子機器1Jの断面図である。図31は、図29におけるXXXI-XXXI線により表される平面による電子機器1Jの部分断面図である。図32は、図29におけるXXXII-XXXII線により表される平面による電子機器1Jの部分断面図である。図33は、図29におけるXXXIII-XXXIII線により表される平面による電子機器1Jの部分断面図である。

【0317】
本例では、本体2Jは、シリコン(Si)からなる。なお、本体2Jの少なくとも一部は、ガラスからなっていてもよい。本例では、図30に表されるように、本体2Jは、第1の構成体2J1と、第2の構成体2J2と、第3の構成体2J3と、を備える。

【0318】
各構成体2J1~2J3は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、各構成体2J1~2J3の底面は、正方形状を有する。なお、各構成体2J1~2J3の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第1の構成体2J1、第2の構成体2J2、及び、第3の構成体2J3の底面は、同一の形状を有する。3個の構成体2J1~2J3の中心軸は、互いに一致する。

【0319】
第1の構成体2J1、第2の構成体2J2、及び、第3の構成体2J3は、積み重ねられている。第1の構成体2J1のZ軸の負方向側の端面は、第2の構成体2J2のZ軸の正方向側の端面に接する。第2の構成体2J2のZ軸の負方向側の端面は、第3の構成体2J3のZ軸の正方向側の端面に接する。

【0320】
第1の構成体2J1は、第1の凹部21Jと、第2の凹部211J1と、第3の凹部211J2と、貫通孔部211J3と、を有する。

【0321】
第1の凹部21J、第2の凹部211J1、及び、第3の凹部211J2のそれぞれは、第1の構成体2J1のZ軸の負方向側の端面にて第2の構成体2J2と接する空間を形成する。換言すると、第1の凹部21J、第2の凹部211J1、及び、第3の凹部211J2のそれぞれは、第1の構成体2J1のZ軸の負方向側の端面にて開口する。
第1の凹部21J、第2の凹部211J1、及び、第3の凹部211J2のそれぞれにより形成される空間は、第2の構成体2J2のZ軸の正方向側の端面と接する。

【0322】
第1の凹部21Jにより形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第1の凹部21Jにより形成される空間の底面は、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第1の凹部21Jにより形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0323】
本例では、第1の凹部21Jにより形成される空間は、X軸方向において、第1の構成体2J1のX軸の負方向側の端部から、第1の構成体2J1のX軸方向における中央部まで延びている。本例では、第1の凹部21Jにより形成される空間は、Y軸方向において、第1の構成体2J1のY軸の負方向側の端部から、第1の構成体2J1のY軸の正方向側の端部まで延びている。

【0324】
第2の凹部211J1により形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第2の凹部211J1により形成される空間の底面は、長辺及び短辺がX軸及びY軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第2の凹部211J1により形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0325】
第2の凹部211J1により形成される空間の底面の短辺は、第1の凹部21Jにより形成される空間の底面の長辺よりも短い。本例では、第2の凹部211J1は、第1の構成体2J1のY軸方向における中央部に位置する。

【0326】
第2の凹部211J1のX軸の負方向側の端は、第1の凹部21JのX軸の正方向側の端面に接続される。換言すると、第2の凹部211J1により形成される空間は、第1の凹部21Jにより形成される空間と連接する。

【0327】
第3の凹部211J2により形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第3の凹部211J2により形成される空間の底面は、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第3の凹部211J2により形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0328】
第3の凹部211J2により形成される空間の底面の長辺は、第2の凹部211J1により形成される空間の底面の短辺よりも長い。本例では、第3の凹部211J2により形成される空間の底面の長辺は、第1の凹部21Jにより形成される空間の底面の長辺よりも短い。本例では、第3の凹部211J2は、第1の構成体2J1のY軸方向における中央部であり、且つ、第1の構成体2J1のX軸の正方向側の端部である領域に位置する。

【0329】
第2の凹部211J1のX軸の正方向側の端は、第3の凹部211J2のX軸の負方向側の端面に接続される。換言すると、第2の凹部211J1により形成される空間は、第3の凹部211J2により形成される空間と連接する。

【0330】
図29及び図33に表されるように、貫通孔部211J3は、第1の構成体2J1のうちの、第3の凹部211J2のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0331】
本例では、貫通孔部211J3により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、貫通孔部211J3により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、貫通孔部211J3により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。
本例では、貫通孔部211J3により形成される孔のXY平面における外縁は、第3の凹部211J2により形成される空間のXY平面における外縁の内側に位置する。

【0332】
本例では、第2の構成体2J2のZ軸の正方向側の端面、及び、第1の凹部21Jにより形成される空間は、本体2Jの内部に形成される第1の空間SP1を構成する。
本例では、第2の構成体2J2のZ軸の正方向側の端面、第2の凹部211J1、第3の凹部211J2、及び、貫通孔部211J3により形成される空間及び孔は、第1の空間SP1と、本体2Jの外部と、を連通する通路を構成する。

【0333】
第3の構成体2J3は、凹部22Jを有する。凹部22Jは、第3の構成体2J3のZ軸の正方向側の端面にて第2の構成体2J2と接する空間を形成する。換言すると、凹部22Jは、第3の構成体2J3のZ軸の正方向側の端面にて開口する。

【0334】
凹部22Jにより形成される空間は、第2の構成体2J2のZ軸の負方向側の端面と接する。本例では、第2の構成体2J2のZ軸の負方向側の端面、及び、凹部22Jにより形成される空間は、本体2Jの内部に形成される第2の空間SP2を構成する。

【0335】
本例では、第1の構成体2J1は、第1の層を構成する。また、本例では、第3の構成体2J3は、第1の層と異なる第2の層を構成する。

【0336】
なお、電子機器1Jは、第1の空間SP1に多孔質材料からなる保持部材を備えていてもよい。この場合、多孔質材料は、親水性を有することが好適である。

【0337】
本例では、第1の凹部21J、第2の凹部211J1、第3の凹部211J2、及び、貫通孔部211J3は、親水性を有する膜により被覆される。例えば、親水性を有する膜は、二酸化ケイ素からなる。

【0338】
図29及び図31に表されるように、第1の構成体2J1は、複数(本例では、8個)の貫通孔部212Jを有する。
各貫通孔部212Jは、第1の構成体2J1のうちの、第1の凹部21JのZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0339】
本例では、各貫通孔部212Jにより形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、各貫通孔部212Jにより形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、各貫通孔部212Jにより形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0340】
本例では、各貫通孔部212Jにより形成される孔の底面の面積は、貫通孔部211J3により形成される孔の底面の面積よりも小さい。例えば、各貫通孔部212Jにより形成される孔の底面の直径は、2μm乃至200μmの長さである。

【0341】
図29に表されるように、各貫通孔部212Jは、第1の構成体2J1のうちのX軸の負方向側の端部に位置する。複数の貫通孔部212Jは、Y軸に沿って等間隔にて位置する。

【0342】
このようにして、各貫通孔部212Jにより形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2Jの外部と、を連通する。なお、貫通孔部212Jの数は、8個と異なる数でもよい。

【0343】
本例では、各貫通孔部212Jは、撥水性を有する膜により被覆される。例えば、撥水性を有する膜は、フッ化炭素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレンが主成分である樹脂)からなる。

【0344】
更に、電子機器1Jは、第1実施形態の、第1の電極213、第2の電極214、弁座215、複数の支持体216、及び、弁体217に代えて、第1の電極213J、第2の電極214J、及び、複数(本例では、2個)の体積変化体219J、を有する。

【0345】
本例では、電子機器1Jのうちの、本体2J、膜3、第1の電極213J、第2の電極214J、及び、体積変化体219Jは、電池に対応する。本例では、第1の電極213J及び第2の電極214Jは、一対の電極と表されてもよい。

【0346】
本例では、第1の電極213Jは、マグネシウムからなる。なお、第1の電極213Jは、マグネシウムと異なる材料(例えば、亜鉛、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第1の電極213Jは、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0347】
第1の電極213Jは、XY平面に平行な平板状である。例えば、第1の電極213Jの厚さは、100nm乃至2mmの厚さである。本例では、第1の電極213Jは、正方形状を有する。なお、第1の電極213Jは、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0348】
第1の電極213Jは、第2の構成体2J2のうちのZ軸の正方向側の端面に接する。
本例では、第1の電極213Jの面積は、第1の凹部21JのうちのZ軸の正方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。

【0349】
本例では、第2の電極214Jは、プラチナからなる。なお、第2の電極214Jは、プラチナと異なる材料(例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)、又は、合金等)からなっていてもよい。また、第2の電極214Jは、複数の互いに異なる材料によりそれぞれ構成された複数の層が積み重ねられた積層膜であってもよい。

【0350】
第2の電極214Jは、XY平面に平行な平板状である。例えば、第2の電極214Jの厚さは、10nm乃至2mmの厚さである。本例では、第2の電極214Jは、正方形状を有する。なお、第2の電極214Jは、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0351】
第2の電極214Jは、第2の構成体2J2のうちのZ軸の正方向側の端面に接する。
本例では、第2の電極214Jの面積は、第1の凹部21JのうちのZ軸の正方向側の端面の面積の半分よりも僅かに小さい。

【0352】
本例では、第1の電極213Jは、第1の構成体2J1のY軸方向における中央よりもY軸の正方向側に位置する。また、本例では、第2の電極214Jは、第1の構成体2J1のY軸方向における中央よりもY軸の負方向側に位置する。換言すると、第1の電極213Jと第2の電極214Jとは、互いに離れている。

【0353】
本例では、第1の電極213J及び第2の電極214Jの材料は、第1の空間SP1に胃液が導入された場合に、胃液が電解質として機能することにより電力が生成されるように設定される。

【0354】
各体積変化体219Jは、pHに応じて体積が変化する材料からなる。本例では、各体積変化体219Jは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が増加する(換言すると、膨張する)材料からなる。なお、各体積変化体219Jは、pHが所定の閾値(例えば、4)よりも高い液体に接することにより膨張する材料からなっていてもよい。本例では、各体積変化体219Jは、pH応答性ゲルからなる。本例では、膨張は、膨潤と表されてもよい。

【0355】
例えば、pH応答性ゲルは、高分子鎖中にカルボキシル基等の酸性官能基を有するアニオンゲル、高分子鎖中に塩基性官能基を有するカチオンゲル、又は、高分子鎖中に酸性官能基及び塩基性官能基の両方を有する両性ゲルの少なくとも1つが主成分である。例えば、pH応答性ゲルは、アクリルアミド-アクリル酸共重合体である。

【0356】
図29及び図32に表されるように、各体積変化体219Jは、ZX平面に平行な平板状である。本例では、各体積変化体219Jは、長方形状を有する。なお、各体積変化体219Jは、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0357】
本例では、各体積変化体219Jの短辺の長さは、第2の凹部211J1のうちのY軸方向における端面のZ軸方向における長さと等しい。本例では、各体積変化体219Jの長辺の長さは、第2の凹部211J1のうちのY軸方向における端面のX軸方向における長さよりも僅かに短い。各体積変化体219Jの厚さは、第2の凹部211J1のうちのY軸方向における端面間の距離の半分よりも短い。

【0358】
2個の体積変化体219Jは、第2の凹部211J1のうちのY軸方向における両端面にそれぞれ接する。本例では、2個の体積変化体219Jは、第2の凹部211J1のうちのY軸方向における両端面にそれぞれ固定される。従って、本例では、体積変化体219Jは、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路に位置する。

【0359】
このようにして、本例では、2個の体積変化体219Jは、互いに離れている。換言すると、2個の体積変化体219Jの間の空間は、第1の空間SP1と、本体2Jの外部と、を連通する。

【0360】
各体積変化体219Jが膨張した場合、2個の体積変化体219Jが互いに接することにより、2個の体積変化体219Jの間の空間は閉塞される。従って、2個の体積変化体219Jは、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路を遮断する。

【0361】
本例では、各体積変化体219Jは、第1の空間SP1の外部におけるpHが上記閾値よりも低い場合に、第2の凹部211J1、第3の凹部211J2、及び、貫通孔部211J3により形成される通路を介して第1の空間SP1に液体が導入された後に、各体積変化体219Jの膨張が完了するように構成される。

【0362】
本例では、体積変化体219Jは、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0363】
なお、各体積変化体219Jの位置及び大きさは、図29に表される位置及び大きさとそれぞれ異なっていてもよい。また、体積変化体219Jの数は、2個と異なる数でもよい。

【0364】
更に、電子機器1Jは、第1実施形態の、第1の貫通孔部221、第2の貫通孔部222、第1の端子223、第2の端子224、第1の導体225、第2の導体226、及び、回路227とそれぞれ同様に構成される、第1の貫通孔部221J、第2の貫通孔部222J、第1の端子223J、第2の端子224J、第1の導体225J、第2の導体226J、及び、回路227Jを有する。

【0365】
第9実施形態の電子機器1Jにおいて、各体積変化体219Jは、第1の空間SP1に胃液が導入された後に、膨張を完了する。これにより、2個の体積変化体219Jの間の空間は閉塞される。従って、体積変化体219Jは、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路を遮断する。

【0366】
これにより、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを抑制できる。この結果、発電量が低下することを抑制できる。

【0367】
以上説明したように、第9実施形態の電子機器1Jは、弁の機構が相違する点を除いて、第1実施形態の電子機器1と同様に動作する。従って、第9実施形態の電子機器1Jによっても、第1実施形態の電子機器1と同様の作用及び効果が奏される。

【0368】
更に、第9実施形態の電子機器1Jにおいて、弁は、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路に位置するとともに、pHに応じて体積が増加することにより当該通路を遮断する体積変化体219Jを含む。

【0369】
これによれば、通路におけるpHの変化に伴って体積変化体219Jの体積が変化する。これにより、体積変化体219Jが通路を閉塞する。この結果、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通する通路を遮断できる。

【0370】
なお、体積変化体219Jは、pHが所定の閾値(例えば、5)よりも低い液体に接することにより体積が減少する(換言すると、収縮する)材料からなっていてもよい。この場合、体積変化体219Jは、体積変化体219Jが収縮していない状態において、通路を閉塞し、体積変化体219Jが収縮した状態において、第1の空間SP1と本体2Jの外部とを連通させることが好適である。

【0371】
なお、本体2Jの少なくとも一部は、当該本体2Jの少なくとも一部を介して体積変化体219Jに光が照射されるように光を透過する材料からなっていてもよい。例えば、第2の構成体2J2は、光を透過する材料からなっていてよい。例えば、光を透過する材料は、ガラスである。この場合、ガラスからなる部材とシリコン(Si)からなる部材とは、陽極接合により接合されてよい。

【0372】
これによれば、本体2Jのうちの、光を透過する材料からなる部分を介して光を照射することにより、体積変化体219Jを形成することができる。この結果、体積変化体219Jが内部に位置する電子機器1Jを容易に製造できる。

【0373】
<第9実施形態の第1変形例>
次に、第9実施形態の第1変形例の電子機器について説明する。第9実施形態の第1変形例の電子機器は、第9実施形態の電子機器に対して、本体及び弁の数が相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第9実施形態の第1変形例の説明において、第9実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

【0374】
図34乃至図36に表されるように、第9実施形態の第1変形例の電子機器1Kは、第9実施形態の本体2Jに代えて、本体2Kを備える。なお、図34乃至図36において、膜3は、図示が省略されている。

【0375】
図35は、図34におけるXXXV-XXXV線により表される平面による電子機器1Kの断面図である。図36は、図34におけるXXXVI-XXXVI線により表される平面による電子機器1Kの部分断面図である。

【0376】
本例では、本体2Kは、シリコン(Si)からなる。なお、本体2Kの少なくとも一部は、ガラスからなっていてもよい。本例では、図35及び図36に表されるように、本体2Kは、第1の構成体2K1と、第2の構成体2K2と、を備える。

【0377】
各構成体2K1~2K2は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、各構成体2K1~2K2の底面は、正方形状を有する。なお、各構成体2K1~2K2の底面は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。
第1の構成体2K1、及び、第2の構成体2K2の底面は、同一の形状を有する。2個の構成体2K1~2K2の中心軸は、互いに一致する。

【0378】
第1の構成体2K1、及び、第2の構成体2K2は、積み重ねられている。第1の構成体2K1のZ軸の負方向側の端面は、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面に接する。

【0379】
第1の構成体2K1は、第1の凹部21Kと、第2の凹部211K1と、第3の凹部211K2と、第1の貫通孔部211K3と、第4の凹部211K4と、第5の凹部211K5と、第6の凹部228K1と、第7の凹部228K2と、第2の貫通孔部228K3と、第3の貫通孔部228K4と、を有する。

【0380】
各凹部21K,211K1,211K2,211K4,211K5,228K1,228K2は、第1の構成体2K1のZ軸の負方向側の端面にて第2の構成体2K2と接する空間を形成する。換言すると、各凹部21K,211K1,211K2,211K4,211K5,228K1,228K2は、第1の構成体2K1のZ軸の負方向側の端面にて開口する。
各凹部21K,211K1,211K2,211K4,211K5,228K1,228K2により形成される空間は、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面と接する。

【0381】
第1の凹部21Kにより形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第1の凹部21Kにより形成される空間の底面は、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第1の凹部21Kにより形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0382】
本例では、第1の凹部21Kにより形成される空間のXY平面における位置は、第1の構成体2K1のXY平面における中央部である。

【0383】
第2の凹部211K1及び第4の凹部211K4のそれぞれにより形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第2の凹部211K1及び第4の凹部211K4のそれぞれにより形成される空間の底面は、長辺及び短辺がX軸及びY軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第2の凹部211K1及び第4の凹部211K4のそれぞれにより形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0384】
第2の凹部211K1及び第4の凹部211K4のそれぞれにより形成される空間の底面の短辺は、第1の凹部21Kにより形成される空間の底面の長辺よりも短い。本例では、第2の凹部211K1及び第4の凹部211K4のそれぞれは、第1の構成体2K1のY軸方向における中央部に位置する。

【0385】
第2の凹部211K1のX軸の負方向側の端は、第1の凹部21KのX軸の正方向側の端面に接続される。換言すると、第2の凹部211K1により形成される空間は、第1の凹部21Kにより形成される空間と連接する。
第4の凹部211K4のX軸の正方向側の端は、第1の凹部21KのX軸の負方向側の端面に接続される。換言すると、第4の凹部211K4により形成される空間は、第1の凹部21Kにより形成される空間と連接する。

【0386】
第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれにより形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれにより形成される空間の底面は、長辺及び短辺がY軸及びX軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれにより形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0387】
第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれにより形成される空間の底面の長辺は、第2の凹部211K1又は第4の凹部211K4により形成される空間の底面の短辺よりも長い。本例では、第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれにより形成される空間の底面の長辺は、第1の凹部21Kにより形成される空間の底面の長辺よりも短い。本例では、第3の凹部211K2及び第5の凹部211K5のそれぞれは、第1の構成体2K1のY軸方向における中央部であり、且つ、第1の構成体2K1のX軸方向における端部である領域に位置する

【0388】
第2の凹部211K1のX軸の正方向側の端は、第3の凹部211K2のX軸の負方向側の端面に接続される。換言すると、第2の凹部211K1により形成される空間は、第3の凹部211K2により形成される空間と連接する。
第4の凹部211K4のX軸の負方向側の端は、第5の凹部211K5のX軸の正方向側の端面に接続される。換言すると、第4の凹部211K4により形成される空間は、第5の凹部211K5により形成される空間と連接する。

【0389】
第6の凹部228K1及び第7の凹部228K2のそれぞれにより形成される空間は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、第6の凹部228K1及び第7の凹部228K2のそれぞれにより形成される空間の底面は、長辺及び短辺がX軸及びY軸に沿ってそれぞれ延びる長方形状を有する。なお、第6の凹部228K1及び第7の凹部228K2のそれぞれにより形成される空間の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。

【0390】
第6の凹部228K1及び第7の凹部228K2のそれぞれにより形成される空間の底面の長辺は、第1の凹部21Kにより形成される空間の底面の短辺よりも僅かに短い。本例では、第6の凹部228K1及び第7の凹部228K2のそれぞれは、第1の構成体2K1のX軸方向における中央部であり、且つ、第1の構成体2K1のY軸方向における端部である領域に位置する。

【0391】
図34及び図35に表されるように、第1の貫通孔部211K3は、第1の構成体2K1のうちの、第3の凹部211K2のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0392】
本例では、第1の貫通孔部211K3により形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、第1の貫通孔部211K3により形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第1の貫通孔部211K3により形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。
本例では、第1の貫通孔部211K3により形成される孔のXY平面における外縁は、第3の凹部211K2により形成される空間のXY平面における外縁の内側に位置する。

【0393】
図34及び図36に表されるように、第2の貫通孔部228K3は、第1の構成体2K1のうちの、第6の凹部228K1のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。また、第3の貫通孔部228K4は、第1の構成体2K1のうちの、第7の凹部228K2のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0394】
本例では、第2の貫通孔部228K3及び第3の貫通孔部228K4のそれぞれにより形成される孔の底面は、長方形状を有する。なお、第2の貫通孔部228K3及び第3の貫通孔部228K4のそれぞれにより形成される孔の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、第2の貫通孔部228K3及び第3の貫通孔部228K4のそれぞれにより形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0395】
本例では、第2の貫通孔部228K3により形成される孔のXY平面における外縁は、第6の凹部228K1により形成される空間のXY平面における外縁の内側に位置する。
また、本例では、第3の貫通孔部228K4により形成される孔のXY平面における外縁は、第7の凹部228K2により形成される空間のXY平面における外縁の内側に位置する。

【0396】
本例では、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面、及び、第1の凹部21Kにより形成される空間は、本体2Kの内部に形成される第1の空間SP1を構成する。
本例では、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面、第2の凹部211K1、第3の凹部211K2、及び、第1の貫通孔部211K3により形成される空間及び孔は、第1の空間SP1と、本体2Kの外部と、を連通する通路を構成する。

【0397】
なお、電子機器1Kは、第1の空間SP1に多孔質材料からなる保持部材を備えていてもよい。この場合、多孔質材料は、親水性を有することが好適である。

【0398】
本例では、第1の凹部21K、第2の凹部211K1、第3の凹部211K2、及び、第1の貫通孔部211K3は、親水性を有する膜により被覆される。例えば、親水性を有する膜は、二酸化ケイ素からなる。

【0399】
図34及び図35に表されるように、第1の構成体2K1は、複数(本例では、3個)の貫通孔部212Kを有する。
各貫通孔部212Kは、第1の構成体2K1のうちの、第5の凹部211K5のZ軸の正方向側の端面を形成する壁をZ軸方向にて貫通するとともに、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する孔を形成する。

【0400】
本例では、各貫通孔部212Kにより形成される孔の底面は、円形状を有する。なお、各貫通孔部212Kにより形成される孔の底面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。なお、各貫通孔部212Kにより形成される孔は、錐体の一部を構成する形状を有してもよい。

【0401】
本例では、各貫通孔部212Kにより形成される孔の底面の面積は、第1の貫通孔部211K3により形成される孔の底面の面積よりも小さい。例えば、各貫通孔部212Kにより形成される孔の底面の直径は、2μm乃至200μmの長さである。
図34に表されるように、複数の貫通孔部212Kは、Y軸に沿って等間隔にて位置する。

【0402】
このようにして、各貫通孔部212Kにより形成される孔は、第1の空間SP1と、本体2Kの外部と、を連通する。なお、貫通孔部212Kの数は、3個と異なる数でもよい。

【0403】
本例では、各貫通孔部212Kは、撥水性を有する膜により被覆される。例えば、撥水性を有する膜は、フッ化炭素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレンが主成分である樹脂)からなる。

【0404】
更に、電子機器1Kは、第9実施形態の、第1の電極213J、第2の電極214J、及び、複数の体積変化体219Jに代えて、第1の電極213K、第2の電極214K、及び、複数(本例では、4個)の体積変化体219K1,219K2、を有する。
第1の電極213K、及び、第2の電極214Kは、第1の電極213J、及び、第2の電極214Jとそれぞれ同様に構成される。

【0405】
体積変化体219K1,219K2は、第4の凹部211K4にも設けられる点を除いて、体積変化体219Jと同様に構成される。
2個の体積変化体219K1は、体積変化体219Jと同様に、第2の凹部211K1に設けられる。更に、2個の体積変化体219K2は、第4の凹部211K4に設けられる。

【0406】
これにより、本例では、第1の貫通孔部211K3により形成される孔を介して第1の空間SP1と本体2Kの外部とを連通する通路に加えて、貫通孔部212Kにより形成される孔を介して第1の空間SP1と本体2Kの外部とを連通する通路もpHに応じて遮断される。従って、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを防止できる確率を高めることができる。

【0407】
本例では、体積変化体219K1,219K2は、第1の空間SP1と本体2Kの外部とを連通する通路を、pHに応じて遮断する弁に対応する。

【0408】
更に、電子機器1Kは、第9実施形態の、第1の貫通孔部221J、第2の貫通孔部222J、第1の端子223J、第2の端子224J、第1の導体225J、第2の導体226J、及び、回路227Jに代えて、第1の端子223K、第2の端子224K、第1の導体225K、及び、第2の導体226Kを有する。

【0409】
図34及び図36に表されるように、第1の端子223Kは、第6の凹部228K1により形成される空間にて、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面に接する。第1の端子223KのXY平面における外縁は、第2の貫通孔部228K3のXY平面における外縁と一致する。第1の導体225Kは、第1の電極213Kと第1の端子223Kとを接続する。

【0410】
第2の端子224Kは、第7の凹部228K2により形成される空間にて、第2の構成体2K2のZ軸の正方向側の端面に接する。第2の端子224KのXY平面における外縁は、第3の貫通孔部228K4のXY平面における外縁と一致する。第2の導体226Kは、第2の電極214Kと第2の端子224Kとを接続する。

【0411】
更に、電子機器1Kは、図示されない回路を備え、当該回路が、第2の貫通孔部228K3を介して第1の端子223Kに接続されるとともに、第3の貫通孔部228K4を介して第2の端子224Kに接続される。

【0412】
以上説明したように、第9実施形態の第1変形例の電子機器1Kは、第9実施形態の電子機器1Jと同様に動作する。従って、第9実施形態の第1変形例の電子機器1Kによっても、第9実施形態の電子機器1Jと同様の作用及び効果が奏される。

【0413】
更に、第9実施形態の第1変形例の電子機器1Kによれば、第1の貫通孔部211K3により形成される孔を介して第1の空間SP1と本体2Kの外部とを連通する通路に加えて、貫通孔部212Kにより形成される孔を介して第1の空間SP1と本体2Kの外部とを連通する通路も、pHに応じて遮断される。従って、胃液と異なる物質(例えば、胃液と異なるpHを有する液体、又は、固体等)が、第1の空間SP1に導入されることを防止できる確率を高めることができる。

【0414】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【符号の説明】
【0415】
1,1A,1E,1J,1K 電子機器
2,2A,2E,2J,2K 本体
2E1,2J1,2K1 第1の構成体
2E2,2J2,2K2 第2の構成体
2E3,2J3 第3の構成体
2E4 第4の構成体
21 第1の空間形成部
21A 第3の空間形成部
21E1,21E3 凹部
21E2 貫通孔部
21J,21K 第1の凹部
211,211A 通路形成部
211E1 第1の通路形成部
211E2 第2の通路形成部
211J1 第2の凹部
211J2 第3の凹部
211J3 貫通孔部
211K1 第2の凹部
211K2 第3の凹部
211K3 第1の貫通孔部
211K4 第4の凹部
211K5 第5の凹部
212,212A,212E,212J,212K 貫通孔部
213,213E,213J,213K 第1の電極
214,214E,214J,214K 第2の電極
213A 第3の電極
214A 第4の電極
215,215A,215E 弁座
216,216A~216C,216E 支持体
217,217A~217G 弁体
217C1,217E1~217G1 基部
217C2,217E2~217G2 腕部
218D,218F,218G,219H,219J,219K1,219K2 体積変化体
219H1 貫通孔部
22 第2の空間形成部
22E,22J 凹部
221,221E,221J 第1の貫通孔部
221A 第3の貫通孔部
222,222E,222J 第2の貫通孔部
222A 第4の貫通孔部
223,223E,223J,223K 第1の端子
223A 第3の端子
224,224E,224J,224K 第2の端子
224A 第4の端子
225,225E,225J,225K 第1の導体
225A 第3の導体
226,226E,226J,226K 第2の導体
226A 第4の導体
227,227E,227J 回路
228K1 第6の凹部
228K2 第7の凹部
228K3 第2の貫通孔部
228K4 第3の貫通孔部
3 膜
F1~F4 復元力
SP1 第1の空間
SP2 第2の空間
SP3 第3の空間
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
21
【図23】
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【図24】
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【図25】
24
【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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