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明細書 :O/W型エマルション及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-026708 (P2019-026708A)
公開日 平成31年2月21日(2019.2.21)
発明の名称または考案の名称 O/W型エマルション及びその製造方法
国際特許分類 C08J   3/03        (2006.01)
C08L   1/08        (2006.01)
C08L  95/00        (2006.01)
C08L  91/00        (2006.01)
C08L  71/08        (2006.01)
FI C08J 3/03 CEP
C08L 1/08
C08L 95/00
C08L 91/00
C08L 71/08
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2017-146656 (P2017-146656)
出願日 平成29年7月28日(2017.7.28)
発明者または考案者 【氏名】田嶋 和夫
【氏名】今井 洋子
【氏名】宮坂 佳那
出願人 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
【識別番号】100131705、【弁理士】、【氏名又は名称】新山 雄一
審査請求 未請求
テーマコード 4F070
4J002
Fターム 4F070AA02
4F070AA63
4F070AC32
4F070AE14
4F070CA03
4F070CB01
4F070CB12
4J002AB021
4J002AB022
4J002AE051
4J002AG001
4J002CH011
4J002CH012
4J002EA016
4J002FB261
4J002FB266
4J002FD311
4J002FD312
4J002GB00
4J002HA07
要約 【課題】室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を含みながらも、室温で流動性のあるエマルションを提供すること。
【解決手段】本発明に係るO/W型エマルションの製造方法は、25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体の油剤と、水と、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体とを、油剤の融点又は軟化点以上の温度で混合してエマルションを得る工程と、エマルションを流動状態に維持しながら油剤の融点又は軟化点以下に冷却する工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体である油相と、水相と、水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体と、を含み、前記重縮合ポリマーの粒子及び/又は前記閉鎖小胞体が前記油相及び前記水相の界面に介在するO/W型エマルション。
【請求項2】
O/W型エマルションの25℃における粘度が、400000mPa・s以下である、請求項1に記載のO/W型エマルション。
【請求項3】
25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体の油剤を、前記油剤の融点又は軟化点以上の温度で加熱する工程と、
前記油剤と、水と、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体とを、混合してエマルションを得る工程と、
前記エマルションを流動状態に維持しながら前記油剤の融点又は軟化点以下に冷却する工程とを含むO/W型エマルションの製造方法。



発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、O/W型エマルション及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
室温で高粘度の液体、半固体又は固体である油剤を含み、室温で流動性のあるエマルションとして提供することができれば、産業界において多様な需要が見込まれる。
【0003】
例えば、特許文献1には、室温で固体の油剤であるアスファルトを乳化するために、特定の化学構造を有するカチオン性界面活性剤を乳化剤として用いる技術が報告されている。しかしながら、このような乳化剤を用いたとしても、そもそも乳化が困難である。また、このような方法では高温で乳化しているが、室温状態まで冷却した場合、乳化が崩壊する。さらに、高温においてもエマルションの粘度は高く、流動性が低いことが多い。このように、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を含みながらも、室温で流動性のあるエマルションはこれまで得られていない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2001-329176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を含みながらも、室温で流動性のあるエマルションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、以上の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、水酸基を有する重縮合ポリマー粒子又は両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体が、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を乳化させることができること、そして、そのようなエマルションは、原料組成物を油剤の融点又は軟化点以上の温度で乳化させた後、流動状態に維持しながら室温まで冷却することによって得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0007】
(1)25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体である油相と、水相と、水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体と、を含み、前記重縮合ポリマーの粒子及び/又は前記閉鎖小胞体が前記油相及び前記水相の界面に介在するO/W型エマルション。
【0008】
(2)O/W型エマルションの25℃における粘度が、400000mPa・s以下である、(1)に記載のO/W型エマルション。
【0009】
(3)25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体の油剤を、前記油剤の融点又は軟化点以上の温度で加熱する工程と、前記油剤と、水と、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体とを、混合してエマルションを得る工程と、前記エマルションを流動状態に維持しながら前記油剤の融点又は軟化点以下に冷却する工程とを含むO/W型エマルションの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を含みながらも、室温で流動性のあるエマルションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例8において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【図2】比較例1において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【図3】実施例14において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【図4】比較例2において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【図5】実施例16において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【図6】比較例3において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

【0013】
本発明に係るO/W型エマルションは、25℃における粘度が3000mPa・s以上の液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体である油剤である油相と、水相と、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体と、を含む、そして、このO/W型エマルションは、重縮合ポリマー粒子及び/又は閉鎖小胞体が油相及び水相の界面に介在する。

【0014】
<重縮合ポリマー粒子、閉鎖小胞体>
重縮合ポリマー粒子及び閉鎖小胞体は、油剤を含む油相と水相の界面に介在し、ファンデルワールス力を介して乳化状態を構成することから、油相と水相の組成にかかわらず、良好な乳化状態を実現できることは既知である。今回、本発明者らによって、このような乳化方法では、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤であっても安定的に乳化させることができ、また、流動性の高いエマルションが得られることが分かった。

【0015】
水酸基を有する重縮合ポリマーは、天然高分子又は合成高分子のいずれであってもよく、乳化剤の用途に応じて適宜選択されてよい。ただし、安全性に優れ、一般的に安価である点で、天然高分子が好ましく、乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。なお、粒子とは、重縮合ポリマーが単粒子化したもの、又はその単粒子同士が連なったもののいずれも包含する一方、単粒子化される前の凝集体(網目構造を有する)は包含しない。

【0016】
糖ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、シロキクラゲ多糖体等の天然高分子及びそれらの誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、カチオン化セルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が挙げられる。

【0017】
閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質としては、特に限定されないが、下記の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体、もしくは一般式2で表されるジアルキルアンモニウム誘導体、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、又はテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体が挙げられる。

【0018】
一般式1
【化1】
JP2019026708A_000003t.gif

【0019】
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3~100である。

【0020】
一般式2
【化2】
JP2019026708A_000004t.gif

【0021】
式中、R1及びR2は、各々独立して炭素数8~22のアルキル基又はアルケニル基であり、R3及びR4は、各々独立して水素又は炭素数1~4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br又はIである。

【0022】
両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等、特に疎水基と親水基とがエステル結合したものを採用してもよい。

【0023】
リン脂質としては、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2-Dilauroyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2-Dimyristoyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-choline)が採用可能である。

【0024】
一般式3
【化3】
JP2019026708A_000005t.gif

【0025】
また、下記の一般式4で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2-Dilauroyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2-Dimyristoyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phospho-rac-1-glycerol)のNa塩又はNH塩を採用してもよい。

【0026】
一般式4
【化4】
JP2019026708A_000006t.gif

【0027】
更に、リン脂質として卵黄レシチン又は大豆レシチン等のレシチンを採用してもよい。

【0028】
重縮合ポリマー粒子及び閉鎖小胞体の総量としては、特に限定されないが、O/W型エマルションの総量に対し、0.001質量%以上であることが好ましく、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましく、0.01質量%以上であることが特に好ましい。一方で、重縮合ポリマー粒子及び閉鎖小胞体の総量としては、O/W型エマルションの総量に対し、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下であってよい。

【0029】
重縮合ポリマー粒子及び閉鎖小胞体の粒径は、エマルション形成前では平均粒子径8nm~800nm程度であるが、O/W型エマルション構造においては平均粒子径8nm~500nm程度である。なお、両親媒性物質の閉鎖小胞体及び水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子は、一方のみが含まれても、双方が含まれてもよい。双方が含まれる場合には、例えば、別々に乳化したエマルションを混合してよい。なお、本発明において「平均粒子径」とは、粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)を用いて動的光散乱法により測定し、Contin解析により求めた値である。

【0030】
<油剤及び油相>
油剤は、O/Wエマルションの油相を主として構成するものである。このような油剤は、25℃における粘度が3000mPa・s以上の液体であるか、25℃において半固体であるか、25℃において固体である。なお、本発明において、「25℃における粘度」とは、芝浦システム株式会社製、B型粘度計 VSA1型を用いて、25℃、1minの条件で測定した値をいう。上述したように、本発明では、このような粘度の高い油剤や半固形、固形の油剤を含むにもかかわらず、低粘度のO/W型エマルションを提供することができる。また、本発明において、「半固体」とは、固体とは異なってある程度の流動性は有するが、極めて粘稠で粘度の測定が常温では困難なものをいう。

【0031】
油剤の粘度としては、特に限定されず、例えば5000mPa・s以上、7000mPa・s以上、10000mPa・s以上であってよい。一方で、油剤の粘度としては、粘度の上限は、融点・軟化点以上で機械による剪断が可能であればよく、特に限定されない。例えば500000mPa・s以下、400000mPa・s以下、300000mPa・s以下であってよい。

【0032】
油剤としては、具体的には、炭化水素、ロウ、硬化油、高級脂肪酸、植物油、動物油、高級脂肪酸エステル、シリコーン、架橋型シリコーン、ポリフェノール、天然樹脂、合成樹脂、潤滑油、油溶性ビタミン等が挙げられる。より具体的には、ワセリン、オクタデカン、ノナデカン、アスファルト、C重油、コールタール、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスミツロウ、ヒマワリワックス、ウルシロウ、ミツロウ、水添ナタネ油、パーム油、パームステアリン、水添パーム油、パーム核油、水添ダイズ油、ココナッツ油、ヤシ油、馬油、シアバター、ココアバター、マンゴーバター、ムルムルバター、ナツメグバター、ラード、牛脂、ステアリン酸メチルエステル、ジメチルシリコーン、ステアロキシ変性オルガノポリシロキサン、アスファルト、シリコーン油、等が挙げられる。

【0033】
油剤の総量は、用途において適宜設計することができるが、通常O/W型エマルションの総量に対し0.01質量%~80質量%の量であってよい。また、0.02質量%以上、0.05質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、12質量%以上、15質量%以上であってよい。一方で、油剤の総量は、O/W型エマルションに対し例えば60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、50質量%未満、45質量%以下、40質量%以下であってよい。

【0034】
O/W型エマルションにおける油相の平均粒子径としては、特に限定されず、例えば10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上であってよい。一方で、平均粒子径としては、例えば200μm以下、100μm以下、50μm以下、30μm以下、20μm以下であってよい。

【0035】
なお、油相は、O/W型エマルションの用途に応じて、油剤以外の後述する任意成分を含んでいてもよい。

【0036】
<水相>
水相は、O/W型エマルション構造において、油剤を分散する媒体である。

【0037】
水相の含有量は、特に限定されないが、皮膚外用剤に対し20質量%~99.99質量%の量であってよく、25質量%~98.5質量%であることが好ましく、30質量%~98質量%の量であることがより好ましい。

【0038】
なお、水相は、O/W型エマルションの用途に応じて、水以外の後述する任意成分を含んでいてもよい。

【0039】
<任意成分>
本発明のO/W型エマルションには、本発明の効果を増強又は補強、他の効果を付与する目的で、上記必須成分以外の任意成分を含むことができる。このような任意成分としては、多価アルコール及び/又はグリコールエーテル類、界面活性剤、液状油、防腐成分その他の添加剤等が挙げられる。

【0040】
なお、これらの任意成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、その配合量は当業者に公知の範囲から適宜選択することができる。また、以下の複数の成分に該当するものは、本発明において、その該当する各種の成分としての作用を奏する。

【0041】
上述した任意成分は、その親水性・親油性の程度により、水相又は油相に分配される。そして、油剤以外の油相に含まれる成分の含有量は、特に限定されないが、O/W型エマルションに対し50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。また、水以外の水相に含まれる成分の含油量は、特に限定されないが、皮膚外用剤に対し50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。

【0042】
本発明のO/W型エマルションの25℃における粘度は、400000mPa・s以下であることが好ましく、200000mPa・s以下であることがより好ましく、5000mPa・s以下であることがさらに好ましく、3000mPa・s以下であることが好ましい。一方、粘度は、例えば、10mPa・s以上、20mPa・s以上、50mPa・s以上であってよく、100mPa・s以上、200mPa・s以上であってもよい。

【0043】
本発明のO/W型エマルションは、舗装材、燃料、調理油、化粧品、医薬品、菓子、飲料、塗料、インキ、接着剤、充填剤、剥離剤、潤滑剤等、多様な分野への応用が見込まれる。

【0044】
以上のようなO/W型エマルションによれば、室温で高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を含み、室温で乳化状態を維持することができる。そして、このようなO/W型エマルションは室温でも流動性が高い。

【0045】
<製造方法>
本発明に係るO/W型エマルションの製造方法は、25℃における粘度が3000mPa・s以上である液体及び/又は25℃において半固体及び/又は25℃において固体の油剤を、その油剤の融点又は軟化点以上の温度で加熱する工程と、そのようにして得た油剤と、水と、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子及び/又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体とを、混合してエマルションを得る工程と、エマルションを流動状態に維持しながら油剤の融点又は軟化点以下に冷却する工程とを含む。

【0046】
具体的に、先ず、水酸基を有する重縮合ポリマーの単粒子又は閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体が分散した水に、融点又は軟化点以上に加熱して溶融させた油剤を含む油分を滴下して撹拌混合する。これにより、高温のエマルションが生成する。次いで、この高温のエマルションを融点又は軟化点以下まで冷却する。この冷却の際に、エマルションを撹拌する必要がある。これにより、均一なエマルションを得ることができる。その一方で、冷却の際に高温のエマルションを撹拌しない場合、エマルション滴が凝集し、均一なO/W型エマルションを得ることができない。

【0047】
なお、本発明において、「流動状態に維持しながら融点又は軟化点以下まで冷却する」とは、基本的に融点又は軟化点以下まで連続的に流動状態に維持することをいうが、上述した油剤の凝集が起こらない程度に断続的に流動状態に維持することも含む包括的な概念である。具体的に、流動状態を維持する方法としては、特に限定されず、例えば撹拌をすることが挙げられる。

【0048】
重縮合ポリマーの単粒子及び閉鎖小胞体の分散した水の製造方法は、例えば特許3855203号において従来公知であるため省略する。なお、各成分の配合量や任意成分については上述したとおりである。

【0049】
油剤の加熱温度としては、油剤の融点又は軟化点以上であれば特に限定されないが、例えば融点又は軟化点に対して5℃以上、10℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上高いことが好ましい。加熱温度が、油剤の融点又は軟化点に対して所要の温度以上高温であることにより、油剤を十分に溶融させることができ、均一なエマルションを得ることができる。

【0050】
なお、混合時の水(水相)の温度は特に限定されず、油剤の加熱温度と同一にすることも、それ以上又はそれ以下とすることもできる。ただし、連続的に添加した油滴同士が合一する前に乳化させ固化させる必要がある。また、混合時の水(水相)の温度は常圧における水の沸点(100℃)を超えてもよい。このような場合、水と油剤の混合の際及びその後の撹拌の際に、それらの混合物に高圧を印加し、水の沸騰を防止してもよい。

【0051】
冷却方法としては、特に限定されず、例えば水冷、氷冷、放冷等が挙げられる。

【0052】
冷却を終了する温度としては、融点又は軟化点以下であれば特に限定されないが、例えば室温(5~30℃)以下であってよい。

【0053】
冷却の際の降温速度としては、特に限定されないが、例えば1℃/min以上であることが好ましく、5℃/min以上であることがより好ましく、10℃/min以上であることがさらに好ましく、20℃/min以上であることが特に好ましい。これはエマルション化した際の油相の表面が速く固化する方が、分散する油相同士の合体が起きにくくなると考えられるからである。

【0054】
冷却の際の撹拌方法としては、エマルション全体が撹拌されるのであれば特に限定されず、例えばスターラー、プロペラ攪拌機、ホモミキサー、振とう機等を用いることができる。

【0055】
スターラー(例えば、マグネチックスターラーやメカニカルスターラー等)を使用する場合の回転数としては、特に限定されず、例えば10rpm以上であることが好ましく、50rpm以上であることがより好ましく、100rpm以上であることがさらに好ましく、200rpm以上であることが特に好ましい。また、回転数としては、10000rpm以下、5000rpm以下、3000rpm以下、1000rpm以下であってよい。

【0056】
このような方法によれば、室温において高粘度の液体、半固体又は固体の油剤を、室温でO/W型エマルション構造として均一且つ安定に分散させることができる。そして、このようなO/W型エマルションは、室温において流動性が高い。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
<ワセリンのO/W型エマルション化>
油剤の例として、融点38~60℃のワセリンを選択し、そのエマルション化を試みた。
【実施例】
【0059】
[実施例1]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液5gにイオン交換水を40g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン5gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン10質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.05質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて100rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0060】
[実施例2]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液5gにイオン交換水を30g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン15gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン30質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.05質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0061】
[実施例3]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液5gにイオン交換水を20g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン25gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン50質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.05質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0062】
[実施例4]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液10gにイオン交換水を35g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン5gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン10質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.10質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて100rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0063】
[実施例5]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液10gにイオン交換水を25g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン15gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン30質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.10質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0064】
[実施例6]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液10gにイオン交換水を15g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン25gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン50質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.10質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0065】
[実施例7]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液25gにイオン交換水を20g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン5gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン10質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて100rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0066】
[実施例8]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液25gにイオン交換水を10g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン15gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン30質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、マグネチックスターラーを用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0067】
[実施例9]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液25gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン25gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン50質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0068】
[実施例10]
ヒドロキシルエチルセルロースの2.5質量%分散液25gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン25gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン50質量%、ヒドロキシエチルセルロース1.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0069】
[実施例11]
ポリオキシエチレン硬化効果ヒマシ油(HCO-10)の6質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン50質量%、ポリオキシエチレン硬化効果ヒマシ油3質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0070】
[比較例1]
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5質量%分散液25gにイオン交換水を10g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて90℃で加熱撹拌しながら、90℃で加熱した白色ワセリン15gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、白色ワセリン30質量%、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、撹拌せずに室温まで冷却した。得られた液体は、上層に白色の塊が生成した。
【実施例】
【0071】
実施例8及び比較例1において得られた試料について、それぞれ光学顕微鏡にて観察を行った。図1は、実施例8において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。また、図2は、比較例1において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。図1から分かるように、実施例8においては、油相であるワセリンが均一に分散したエマルションが形成された。これに対し、図2から分かるように、比較例1においては、油相であるワセリンが二次凝集し、塊が確認された。以上のように、高温で得られたエマルションを室温まで冷却するに際し、そのエマルションを撹拌することで、室温において均一なエマルションが得られることが分かった。
【実施例】
【0072】
<アスファルトのO/W型エマルション化>
油剤の例として、軟化点44~52℃の軟質アスファルト及び軟化点70~90℃の硬質アスファルトを選択し、そのエマルション化を試みた。
【実施例】
【0073】
[実施例12]
カチオン化セルロースの1.0質量%分散液50gにイオン交換水を10g加えて調製した分散液を、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、100℃で加熱した軟質アスファルト40gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、軟質アスファルト40質量%、カチオン化セルロース0.5質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、黒色のエマルションであった。
【実施例】
【0074】
[実施例13]
ヒドロキシエチルセルロースの0.5質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、100℃で加熱した軟質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、軟質アスファルト50質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、黒色のエマルションであった。
【実施例】
【0075】
[実施例14]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-100)の4.0質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、100℃で加熱した軟質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、軟質アスファルト50質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、黒色のエマルションであった。
【実施例】
【0076】
[実施例15]
ヒドロキシエチルセルロースの0.5質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、120℃で加熱した硬質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、硬質アスファルト50質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.25質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、黒色のエマルションであった。
【実施例】
【0077】
[実施例16]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-100)の4.0質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、120℃で加熱した硬質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、硬質アスファルト50質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて500rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、黒色のエマルションであった。
【実施例】
【0078】
[比較例2]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-100)の4.0質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、100℃で加熱した軟質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、軟質アスファルト50質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、撹拌せずに室温まで冷却した。得られた液体は、下層に黒色の塊が生成した。
【実施例】
【0079】
[比較例3]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-100)の4.0質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びオイルバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、120℃で加熱した硬質アスファルト50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、硬質アスファルト50質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後オイルバスから取り出し、撹拌せずに室温まで冷却した。得られた液体は、下層に黒色の塊が生成した。
【実施例】
【0080】
実施例14及び比較例2において得られた試料について、それぞれ光学顕微鏡にて観察を行った。図3は、実施例14において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。また、図4は、比較例2において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。図3から分かるように、実施例14においては、油相である軟質アスファルトが均一に分散したエマルションが形成された。これに対し、図4から分かるように、比較例2においては、油相である軟質アスファルトが二次凝集し、塊が確認された。
【実施例】
【0081】
実施例16及び比較例3において得られた試料について、それぞれ光学顕微鏡にて観察を行った。図5は、実施例16において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。また、図6は、比較例3において得られた試料の光学顕微鏡写真図である。図5から分かるように、実施例16においては、油相である硬質アスファルトが均一に分散したエマルションが形成された。これに対し、図6から分かるように、比較例3においては、油相である硬質アスファルトが二次凝集し、塊が確認された。
【実施例】
【0082】
以上のように、ワセリンと同様に、軟質アスファルト及び硬質アスファルトについても、エマルション化できることが分かった。
【実施例】
【0083】
<その他各種油剤のO/W型エマルション化>
油剤の例として、融点51~65℃のパームステアリン、融点38℃の低融点水添ナタネ油、融点68℃の高融点水添ナタネ油、流動温度75℃,4000mPa・sのジメチルシリコーン油(10000mPa・s)、融点68℃の固形パラフィンを選択し、そのエマルション化を試みた。
【実施例】
【0084】
[実施例17]
ジステアリン酸ポリグリセリルの2.0質量%分散液55gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて70℃で加熱撹拌しながら、80℃で加熱したパームステアリン45gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、パームステアリン45質量%、ジステアリンポリグリセリル1.1質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0085】
[実施例18]
ジステアリン酸ポリグリセリルの2.0質量%分散液60gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて60℃で加熱撹拌しながら、70℃で加熱した低融点水添ナタネ油40gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、低融点水添ナタネ油40質量%、ジステアリン酸ポリグリセリル1.2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0086】
[実施例19]
ジステアリン酸ポリグリセリルの2.0質量%分散液60gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて70℃で加熱撹拌しながら、80℃で加熱した高融点水添ナタネ油40gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、高融点水添ナタネ油40質量%、ジステアリン酸ポリグリセリル1.2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0087】
[実施例20]
ジステアリン酸ポリグリセリルの2.0質量%分散液60gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて60℃で加熱撹拌しながら、70℃で加熱したカカオバター40gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、カカオバター40質量%、ジステアリン酸ポリグリセリル1.2質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、淡黄色のエマルションであった。
【実施例】
【0088】
[実施例21]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-10)の10質量%分散液50gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて75℃で加熱撹拌しながら、75℃で加熱したジメチルシリコーン油50gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、ジメチルシリコーン油50質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0089】
[実施例22]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO-10)の4.0質量%分散液60gを、卓上ホモミキサー及びウォーターバスを用いて80℃で加熱撹拌しながら、80℃で加熱した固形パラフィン40gを滴下した(混合後の液体の総量に対し、固形パラフィン40質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2.4質量%)。全量滴下後、8000rpmで撹拌しながら、さらに5分間加熱を維持した。その後ウォーターバスから取り出し、プロペラ攪拌機を用いて300rpmで撹拌しながら室温まで冷却した。得られた液体は、白色のエマルションであった。
【実施例】
【0090】
以上のように、本発明では、25℃における粘度が3000mPa・s以上の液体、25℃において半固体又は25℃において固体である油相を、その種類にかかわらず、エマルション化できることが分かった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5