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明細書 :コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする癌関連線維芽細胞抑制剤および癌治療用医薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-038751 (P2019-038751A)
公開日 平成31年3月14日(2019.3.14)
発明の名称または考案の名称 コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする癌関連線維芽細胞抑制剤および癌治療用医薬
国際特許分類 A61K  31/4745      (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61K  31/7068      (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI A61K 31/4745
A61K 45/00
A61K 31/7068
A61P 35/00
A61P 43/00 111
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2017-159685 (P2017-159685)
出願日 平成29年8月22日(2017.8.22)
発明者または考案者 【氏名】調 憲
【氏名】新木 健一郎
【氏名】石井 範洋
【氏名】梅澤 一夫
出願人 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
【識別番号】506111240
【氏名又は名称】学校法人 愛知医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100126505、【弁理士】、【氏名又は名称】佐貫 伸一
【識別番号】100100549、【弁理士】、【氏名又は名称】川口 嘉之
審査請求 未請求
テーマコード 4C084
4C086
Fターム 4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB262
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086EA17
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC41
要約 【課題】新規な作用機序で優れた治療効果を発揮することのできる癌治療用医薬を提供すること。
【解決手段】コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする癌関連線維芽細胞抑制剤を用い、癌の治療を行う。好ましくは、コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩と抗癌剤を用いて癌の治療を行う。
【選択図】図7
特許請求の範囲 【請求項1】
コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、癌関連線維芽細胞抑制剤。
【請求項2】
癌関連線維芽細胞が関与する癌の治療に使用するための請求項1に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
【請求項3】
癌関連線維芽細胞が関与する癌が膵臓癌、胆管癌またはスキルス胃癌である、請求項2に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
【請求項4】
抗癌剤とともに投与される、請求項2または3に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
【請求項5】
抗癌剤がGemcitabineである、請求項4に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
【請求項6】
コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩および抗癌剤を含む、癌治療用医薬。
【請求項7】
癌が膵臓癌、胆管癌またはスキルス胃癌である、請求項6に記載の癌治療用医薬。
【請求項8】
抗癌剤がGemcitabineである、請求項6または7に記載の癌治療用医薬。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は医薬に関し、より詳細には癌治療用医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
膵臓癌は日本で年間約3万8千人が罹患し、癌死亡原因では肺癌、大腸癌、胃癌に次いで4番目に多い(2014 年人口動態統計)。膵癌の死亡数は発生数とほぼ同じであり、膵癌全体の5年生存率は10%未満と他の消化器癌と比較して非常に予後不良である。治療には手術や化学療法等、集学的治療が行われているが、従来の治療法では治療効果は十分とはいえず、さらなる治療成績の向上には新規治療薬や既存治療の底上げが必要である。
【0003】
一方、熱帯植物より抽出されたコノフィリンという化合物が抗腫瘍剤に対する腫瘍細胞の感受性増強剤として使用できることが知られている(特許文献1)。特許文献1では、コノフィリンがアポトーシス抑制因子ARMERの機能を阻害することで、癌細胞の抗腫瘍剤に対する感受性が向上するという作用機序が示されている。しかしながら、特許文献1では、ラット好塩基球性白血病細胞株RBL-2Hを用いたインビトロの系において、コノフィリンを添加するとブレフェルジンAに対するRBL-2Hの感受性が増強することが示されているのみで、インビボでのコノフィリンの効果は示されていない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2008-110972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な作用機序で優れた治療効果を発揮することのできる癌治療用医薬を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
近年、癌の微小環境において癌の進展には癌細胞と間質の相互作用が重要であるとされ、間質の構成要素である癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblast:CAF)が注目されている。 (Junttila MR, de Sauvage FJ. Influence of tumour micro-environment heterogeneity on therapeutic response. Nature. 2013 Sep 19;501(7467):346-54) 特に膵癌は豊富な線維性間質を伴う特徴的な微小環境を形成し、癌細胞とCAFの相互作用が重要な役割を担っていることが示唆される。
そこで、本発明者らはCAFを制御することが膵癌の治療成績の改善に寄与する可能性があると考え、CAFを制御できる薬剤を探索した結果、コノフィリンを用いることにより、CAFで促進される膵癌細胞の増殖や浸潤が抑制されることがわかり、さらに、インビボのCAFの関与する腫瘍モデルにおいて、コノフィリンを投与することにより、CAFを抑制し、抗癌剤の癌治療効果を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は以下を提供する。
[1]コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、癌関連線維芽細胞抑制剤。
[2]癌関連線維芽細胞が関与する癌の治療に使用するための[1]に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
[3]癌関連線維芽細胞が関与する癌が膵臓癌、胆管癌またはスキルス胃癌である、[2
]に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
[4]抗癌剤とともに投与される、[2]または[3]に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
[5]抗癌剤がGemcitabineである、[4]に記載の癌関連線維芽細胞抑制剤。
[6]コノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩および抗癌剤を含む、癌治療用医薬。
[7]癌が膵臓癌、胆管癌またはスキルス胃癌である、[6]に記載の癌治療用医薬。
[8]抗癌剤がGemcitabineである、[6]または[7]に記載の癌治療用医薬。
【発明の効果】
【0008】
コノフィリンは膵癌などの癌の増殖・進展に重要なCAFの増殖、浸潤およびIL-6、IL-8、CCL2、CXCL12、Angiogeninなどのサイトカイン産生を抑制できるため、CAFが関与する癌の進行を抑制することができ、抗癌剤の治療抵抗性改善効果や抗癌剤治療の予後改善効果などが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】種々の濃度のコノフィリンを添加して培養されたCAFから抽出されたタンパク質を用いたウエスタンブロットによるCollagen Iの発現解析結果を示す図(写真)
【図2】種々の濃度のコノフィリンを添加して培養されたCAFの増殖率を示すグラフ。
【図3】コノフィリン無添加またはコノフィリン添加で培養されたCAFの培養上清における各種サイトカインの濃度を示すグラフ。
【図4】コノフィリンまたはコノフィリン添加で培養されたCAFの培養上清を添加して培養された膵癌細胞株(SUIT-2)の増殖率を示すグラフ。
【図5】コノフィリン無添加またはコノフィリン添加で培養されたCAFの培養上清を添加して培養された癌細胞株を用いた癌細胞浸潤アッセイの結果を示すグラフ。
【図6】種々の濃度のGemcitabine(GEM)を含む培地、コノフィリン無添加CAF培養上清およびGEMを添加した培地、またはコノフィリン添加CAF培養上清およびGEMを添加した培地で培養された癌細胞株の生存率を示すグラフ。
【図7】膵癌細胞とCAFを同時に接種するマウス皮下腫瘍モデルを用いてControl(無治療)、コノフィリン(CnP)単独治療、GEM単独治療、CnP+GEM治療の4群に分けて治療を行ったときの腫瘍サイズの経時変化を示す図(一部写真)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の癌関連線維芽細胞抑制剤はコノフィリンまたはその薬理学的に許容される塩を含む。癌関連線維芽細胞を抑制するとは、癌関連線維芽細胞の増殖抑制および癌関連線維芽細胞の機能抑制を含む。癌関連線維芽細胞の機能抑制とは、癌関連線維芽細胞におけるコラーゲン産生の抑制や癌関連線維芽細胞から分泌される癌細胞の増殖を促進するサイトカインの産生抑制を含む。

【0011】
コノフィリンは以下の化学構造式で表される化合物である。
【化1】
JP2019038751A_000003t.gif

【0012】
コノフィリンの薬理学的に許容される塩としては、塩酸塩、硫酸塩を挙げることができるが、以下、本明細書では、「コノフィリン」という用語は、その薬理学的に許容される塩を含むものとする。

【0013】
本発明の癌関連線維芽細胞抑制剤は、精製したコノフィリンを含有しても、コノフィリンを含有する植物やその乾燥物、またはその植物の抽出液や抽出物を含有してもよい。例えば、コノフィリンは、キョウチクトウ科の植物であるErvatamia microphyllaの葉に多量に含まれているので(Umezawa,K.らAnticancer Res.14:2413-2418(1994))、その葉やその乾燥物、またはその植物の抽出液や抽出物を用いることができる。

【0014】
コノフィリンを含有する植物の乾燥物は、コノフィリンを含有する植物を、そのままでまたは粉砕した後、自然乾燥、凍結乾燥、温風乾燥などの方法によって乾燥することにより得ることができ、さらに乾燥物を粉砕し、粉末状にしてもよい。

【0015】
コノフィリンを含有する植物の抽出液は、コノフィリンを含有する植物またはその乾燥物に溶媒を加え、コノフィリンを溶媒中に溶出させることにより得ることができる。溶媒としては、例えば、水、アルコール、酢酸エチル、クロロホルム、または2種以上の混合溶媒を用いることができるが、水、エタノール、またはこれらの混合物を用いることが安全性の面から好ましい。なお、溶媒中への有効成分の溶出において、撹拌、粉砕、加熱などによって、コノフィリンの溶出量の増加及びコノフィリンの溶出時間の短縮を図ることができる。このようにして得られた抽出液は、葉の残渣を除去せず、薬剤の有効成分としてそのまま用いていることもできるが、抽出液中の葉の残渣を濾過法または遠心分離法により除去した抽出液を用いてもよい。また、公知の方法によって、抽出液から溶媒を除去することにより、固形物である抽出物を得ることもできる。

【0016】
なお、コノフィリンは、特開平7-233071号公報、国際公開第04/099215号パンフレットなどに記載の方法に準じて製造することができるが、上述の抽出液や、抽出物の溶液を液体クロマトグラフィーなどにより分離精製することにより製造することもできる。

【0017】
コノフィリンを含む薬剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などとして、
ヒトなどの哺乳動物に経口投与してもよいし、注射剤、坐剤などの製剤として、腹腔内や静脈内への注射により非経口投与することもできる。製剤中のコノフィリンの含有率は、1~90重量%の間で変動させることができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの形態をとる場合には、有効成分を5~80重量%含有させるのが好ましい。シロップ剤などの液剤の場合には、有効成分を1~30重量%含有させるのが好ましい。さらに、非経口投与する注射剤の場合には、有効成分を1~10重量%含有させるのが好ましい。コノフィリンの製剤化は、賦形剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトールなどの糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシなどのデンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機物、結晶セルロースなど)、結合剤(デンプンのり液、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油)、崩壊剤(デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、CMC・Na、CMC・Ca、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど)、矯味矯臭剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、芳香性精油類など)、溶剤(注射用水、滅菌精製水、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油など)、安定剤(窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、EDTA、チオグリコール酸などのキレート剤、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元物質など)、保存剤(パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、塩化ベンザルコニウムなど)、界面活性剤(水素添加ヒマシ油、ポリソルベート80、20など)、緩衝剤(クエン酸、酢酸、リン酸のナトリウム塩、ホウ酸など)、希釈剤などの製剤添加物を用いて、公知の方法で行われる。

【0018】
治療対象の哺乳動物としては特に限定されず、例えば、ほ乳類であってもよく、ヒトであってもよいが、ヒト以外のマウス、ラット、牛、ブタ、犬、猫、マーモセットなどの脊椎動物であってもよい。

【0019】
例えば、コノフィリンをヒトに投与する場合には、1日あたり約0.1~10mg/kg(体重)の投与量で、1回または数回に分けて投与するとよいが、その投与量や投与回数は、症状、年齢、投与方法などにより適宜変更しうる。

【0020】
本発明の癌関連線維芽細胞抑制剤は、癌関連線維芽細胞の増殖および機能を抑制することで治療することができる疾患の治療剤として使用することができる。例えば、癌関連線維芽細胞は癌に関与することが知られているため、本発明の癌関連線維芽細胞抑制剤は癌関連線維芽細胞が関与する癌の治療用医薬として使用することができる。癌関連線維芽細胞が関与する癌としては、例えば、膵癌、スキルス胃癌、胆管癌などが挙げられる。

【0021】
癌関連線維芽細胞抑制剤は単独で投与されてもよいが、抗癌剤と組み合わせて投与されることが好ましい。ここで、組み合わせて投与するとは、必ずしも同時投与である必要はなく、癌関連線維芽細胞抑制剤を先に投与した後に抗癌剤を投与してもよいし、抗癌剤を先に投与した後に癌関連線維芽細胞抑制剤を投与してもよい。
コノフィリンにより癌関連線維芽細胞が抑制されるので、抗癌剤に対する癌細胞の抵抗性が解除されて抗癌剤の効果が向上し、抗癌剤単独では効果の少ない癌においても効果を発揮することができる。

【0022】
抗癌剤としては特に限定はされないが、例えば、Gemcitabine、5-FU、Paclitaxelなどが挙げられる。
抗癌剤の投与量は、抗癌剤の種類に応じた投与量とすることができ、症状、年齢、投与方法などにより適宜変更しうる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の態様には限定されない。
【実施例】
【0024】
<コノフィリンによる癌関連線維芽細胞抑制効果>
培養ディッシュで培養された癌関連線維芽細胞(CAF)(hPSC 5: RKEN BRC)にコノフィリン(CnP)を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0または1.5μg/mL添加して48時間培養した。培養終了後、細胞からタンパク質を抽出し、ウエスタンブロットで調べたところ、CnPによりコラーゲンIの産生が抑制されていることが分かった(図1)。
また、同様にして、0.1、0.2、0.3、0.4または0.5μg/mLのコノフィリンを添加してCAFを48時間培養して培養後の細胞数を調べた。その結果、CnPは濃度依存性にCAFの増殖抑制効果を有していた(図2)。
【実施例】
【0025】
CnP(0.3μg/mL)投与前後でのCAF培養上清内の変化をCytokine・Chemokine array(R&D systems)にて網羅的に解析を行ったところ、IL-6、IL-8、CCL2、CXCL12、AngiogeninといったCAFが産生する複数のサイトカインをCnPは抑制していた (図3)。
【実施例】
【0026】
<癌関連線維芽細胞による癌細胞の増殖・浸潤促進効果のCnP処理による抑制>
CAFは癌の浸潤・増殖を促進することが知られている。このCAFの癌浸潤増殖効果に対するCnPの影響を調べるため、CnP(0.1または0.3μg/mL)を添加して48時間培養したCAFの上清(Conditioned Media : CM)を用いて膵癌細胞株(SUIT-2)を48時間培養した。その結果、CnP処理したCAFの培養上清を用いて膵癌細胞株を培養することで膵癌細胞株の増殖能が抑制されることがわかった(図4)。
【実施例】
【0027】
また、(Corning BioCoat マトリゲル インベージョンチャンバー)を用いて癌細胞浸潤アッセイを行ったところ、CnP(0.3μg/mL)で処理したCAFの培養上清を添加して培養した時は、膵癌細胞株の浸潤能も抑制されることが分かった(図5)。
【実施例】
【0028】
<抗癌剤の癌細胞増殖抑制能に対するCnPの影響>
次に、CAFによる抗癌剤Gemcitabine(GEM)の癌細胞増殖抑制能に対するコノフィリンの影響を調べた。膵癌細胞株(SUIT-2)を種々の濃度のGEMを含む培地、CAF培養上清およびGEMを添加した培地、またはCnP(0.3μg/mL)を添加してCAFを培養して得られた培養上清およびGEMを添加した培地で培養し、48時間後の細胞数を調べた。その結果、GEMは濃度依存的に癌細胞の増殖を抑制するが、CAF培養上清を添加して培養するとGEMの増殖抑制効果は減弱し、CAFによる抗癌剤抵抗性が見られた。一方、CnPを添加してCAFを培養して得られたCAF培養上清ではCAFによる抗癌剤抵抗性は減少しており、CnPがCAFの機能抑制を介して抗癌剤の効果を向上させることが分かった(図6)。
【実施例】
【0029】
次に、インビボのモデルでCnPの効果を調べた。
膵癌細胞(3×106細胞)とCAF(1×106細胞)を同時に接種するマウス皮下腫瘍モデルを用いて、Control(無治療:no treat)、CnP単独治療、GEM単独治療、CnP+GEM治療の4群に分けて治療を行った。なお、CnPは1.0μg/体重(g)を隔日投与で皮下注射し、GEMは50mg/体重(kg)を4日毎に腹腔内投与で使用した。その結果、図7に示すように、ControlおよびCnP単独治療では腫瘍抑制効果は見られず、GEM単独治療では腫瘍の縮小が認められたが、CnP+GEM治療ではGEM単独治療と比較して顕著な腫瘍縮小効果が見られた。このことから、インビボにおいても、CnPはCAFの抑制を介して抗癌剤の効果を向上させることが分かった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6