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Specification :(In Japanese)高分子多孔質材料及びその製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)公開特許公報(A)
Publication number P2019-044147A
Date of publication of application Mar 22, 2019
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)高分子多孔質材料及びその製造方法
IPC (International Patent Classification) C08G  85/00        (2006.01)
C08J   9/28        (2006.01)
FI (File Index) C08G 85/00
C08J 9/28 CEY
C08J 9/28 CEZ
Number of claims or invention 4
Filing form OL
Total pages 21
Application Number P2018-089905
Date of filing May 8, 2018
Application number of the priority 2017169751
Priority date Sep 4, 2017
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】永 直文
【氏名】中野 環
Applicant (In Japanese)【識別番号】599016431
【氏名又は名称】学校法人 芝浦工業大学
Representative (In Japanese)【識別番号】110001885、【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 4F074
4J031
F-term 4F074AA48
4F074AA75
4F074AA76
4F074AA98
4F074CB34
4F074CB47
4F074DA32
4F074DA33
4J031CA12
4J031CA37
4J031CB09
4J031CC09
Abstract (In Japanese)【課題】添加剤を用いることなく製造でき力学的性能に優れる高分子多孔質材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)成分(セグメント)と、前記ジョイント分子(A)成分と付加反応により結合した1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)成分(セグメント)と、を含む高分子網目構造を有す高分子多孔質材料。好ましくは、ジョイント分子(A)及びリンカー分子(B)がそれぞれ独立して有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種である。
【選択図】なし
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)成分と、
前記ジョイント分子(A)成分と付加反応により結合した、1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)成分と、
を含む高分子網目構造を有すること、
を特徴とする高分子多孔質材料。
【請求項2】
前記ジョイント分子(A)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であり、
前記リンカー分子(B)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であること、
を特徴とする請求項1に記載の高分子多孔質材料。
【請求項3】
溶媒内において、1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)と、前記ジョイント分子(A)と付加反応可能であり、かつ、1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)と、を、付加反応させることにより、
付加反応により結合した前記ジョイント分子(A)成分と前記リンカー分子(B)成分とを含む高分子網目構造を有する高分子多孔質材料を得ること、
を特徴とする高分子多孔質材料の製造方法。
【請求項4】
前記ジョイント分子(A)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であり、
前記リンカー分子(B)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であること、
を特徴とする請求項3に記載の高分子多孔質材料の製造方法。








Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、簡略なプロセスで製造可能で、力学特性に優れる高分子多孔質材料及びその製造方法に関する。より詳細には、溶媒中で多官能ジョイント分子と多官能リンカー分子との付加反応により得られる高分子網目構造を有する高分子多孔質材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子多孔質材料は、例えば断熱材、梱包材及び緩衝材等に幅広く用いられており、そのほとんどが樹脂中に気体を分散させて得られる発泡プラスチックである。主な発泡プラスチックとしては、例えば発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン及び発泡ポリプロピレン等が挙げられる。
【0003】
このような高分子多孔質材料としては、近年、構造部位と空間部位がそれぞれ連続した構造を有する高分子モノリスが開発されている。この高分子モノリスは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分離媒体や触媒担体に有用であることが期待されており、実用化も検討されている。
【0004】
この高分子モノリスの製造方法としては、例えば特許文献1(特開2011-46856号公報)に開示されているように、あらかじめ合成した高分子鎖を架橋しながら製造する方法や、例えば特許文献2(特開2010-111791号公報)に開示されているように、多官能モノマーを重合しながら製造する方法がある。
【0005】
これらの製造方法においては、高分子網目構造が形成される過程で、相分離構造が形成され、高分子鎖の架橋又は多官能モノマーの重合により、この相分離構造が固定化されて多孔質体が形成される。そして、相分離構造の形成には、界面活性剤、ポロゲン(pore generator)又は相分離剤等の添加剤が用いられる。
【0006】
なお、上記のポロゲンや相分離剤としては、反応に関与しない有機溶剤と高分子の混合系が用いられ、また、主な高分子としてはポリエチレンオキシド、ポリジメチルシロキサン及びポリスチレン等が挙げられる。
【0007】
しかしながら、高分子モノリスの製造過程においては、最終的に上記の添加剤を除去する必要がある。なぜなら、不純物の除去が不十分で最終生成物である高分子モノリスに不純物として残存すると、例えば力学特性、分離特性、多孔質性等の高分子モノリス由来の性能の低下を招くおそれがあるためである。特に、高分子系の添加剤の場合、乾燥では除去が困難であり、十分な除去には入念な洗浄が必要となり、工程が煩雑となる。
【0008】
なお、例えば特許文献3(特開2011-516862号公報)において、高分子量体のポロゲンを用いない高分子モノリスの製造も検討されているが、特殊な化学構造のモノマーの使用や、極低温などの限定された条件下で反応を行う必要があり、広範に適用される製造方法ではない。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2011-46856号公報
【特許文献2】特開2010-111791号公報
【特許文献3】特開2011-516862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、種々の溶媒中で特定の多官能ジョイント分子とリンカー分子との付加反応によって高分子網目構造を形成することができ、効率的にゲル(ジョイント‐リンカー型ゲル)が得られること、更に、当該ゲルを走査型顕微光散乱装置で解析したところ、極めて均一なサイズの網目が形成され、かつ、リンカー分子の分子鎖長により網目サイズの精密な制御が可能であることを見出している。一連の検討の中で、特定の溶媒中で、特定の多官能ジョイント分子とリンカー分子との付加反応により、添加剤を用いることなく高分子多孔質材料が形成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、本発明は、
1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)成分(セグメント)と、
前記ジョイント分子(A)成分と付加反応により結合した1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)成分(セグメント)と、
を含む高分子網目構造を有すること、
を特徴とする高分子多孔質材料、
を提供する。
【0012】
このような構成を有する本発明の高分子多孔質材料は、添加剤を用いることなく付加反応によってジョイント分子(A)成分とリンカー分子(B)成分とが高分子網目構造を形成しているため、当該添加剤に起因する性能の低下を伴わず、有益である。
【0013】
上記の本発明の多孔質材料においては、
前記ジョイント分子(A)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であり、
前記リンカー分子(B)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であること、
が好ましい。
【0014】
このような構成を有する本発明の高分子多孔質材料は、分子レベルでの3次元網目構造の設計が可能であり、均質な網目構造を形成するというメリットがある。
【0015】
また、本発明は、上記の本発明の多孔質材料の製造方法にも関し、
溶媒内において、1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)と、前記ジョイント分子(A)と付加反応可能であり、かつ、1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)と、を、付加反応させることにより、
付加反応により結合した前記ジョイント分子(A)成分と前記リンカー分子(B)成分とを含む高分子網目構造を有する高分子多孔質材料を得ること、
を特徴とする高分子多孔質材料の製造方法、
を提供する。
【0016】
このような構成を有する本発明の多孔質材料の製造方法によれば、簡単なプロセスで、添加剤を用いることなく付加反応によって、ジョイント分子(A)成分とリンカー分子(B)成分とが高分子網目構造を形成している多孔質材料を製造できるため、当該添加剤に起因する性能の低下を伴わない多孔質材料を確実に得ることができ、有益である。
【0017】
また、上記の本発明の多孔質材料の製造方法においては、
前記ジョイント分子(A)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であり、
前記リンカー分子(B)が有する官能基が、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基のうちの少なくとも1種であること、
が好ましい。
【0018】
このような構成を有する本発明の多孔質材料の製造方法においては、付加反応により確実にジョイント分子(A)とリンカー分子(B)とを結合させることができ、上記のメリットを有する多孔質材料をより確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡略なプロセスでの製造が可能で、力学特性に優れる高分子多孔質材料及びその製造方法、更には当該高分子多孔質材料を用いた各種の製品(例えば断熱材、梱包材、緩衝材、分離材、吸着材、貯蔵材、触媒担体及び電解質等)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1で作製した多孔質材料(モノマー濃度:15重量%、TAEA-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】実施例2で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、TAEA-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図3】実施例3で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、TAEA-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図4】実施例4で作製した多孔質材料(モノマー濃度:30重量%、3T-NK1000)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図5】実施例5で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、PEI300-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図6】実施例6で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、PEI300-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図7】実施例7で作製した多孔質材料(モノマー濃度:30重量%、PEI300-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図8】実施例8で作製した多孔質材料(モノマー濃度:30重量%、PEI600-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図9】実施例9で作製した多孔質材料(モノマー濃度:30重量%、PEI600-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】実施例10で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、ジエチレントリアミン-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図11】実施例11で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、ジエチレントリアミン-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図12】実施例12で作製した多孔質材料(モノマー濃度:30重量%、ジエチレントリアミン-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図13】実施例13で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、トリメチロールプロパンプロキシラートトリアクリレート-ヘキサメチレンジアミン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図14】実施例14で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、トリメチロールプロパンプロキシラートトリアクリレート-ヘキサメチレンジアミン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図15】実施例15で作製した多孔質材料(モノマー濃度:10重量%、FAM-402-ヘキサメチレンジアミン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図16】実施例16で作製した多孔質材料(モノマー濃度:10重量%、FAM-301-ヘキサメチレンジアミン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図17】実施例17で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、FAM-402-1,10-デカンジチオール)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図18】実施例18で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、FAM-301-1,10-デカンジチオール)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図19】実施例19で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、カレンズNT MR1-ヘキサメチレンジイソシアネート)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図20】実施例20で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、カレンズPT PE1-ヘキサメチレンジイソシアネート)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図21】実施例21で作製した多孔質材料(モノマー濃度:25重量%、デュラネートTKA-100-1,4-ベンゼンジチオール)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図22】実施例23で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、トリメチロールプロパンタリアセトアセテート-1,4-ビス(アクリロキシ)ブタン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図23】実施例24で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、トリメチロールプロパンタリアセトアセテート-NK200)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図24】実施例25で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、トリメチロールプロパントリアクリレート‐1,10-デカンジチオール)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図25】実施例26で作製した多孔質材料(モノマー濃度:20重量%、ペンタエリスリトールテトラクリレート‐1,10-デカンジチオール)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図26】実施例27で作製した多孔質材料(モノマー濃度:17重量%、1,3,5,7-テトラビニル‐1,3,5,7‐テトラメチルシクロテトラシロキサン‐9,9-ジヘキシル‐2,7-ジブロモフルオレン)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の詳細について説明する。本発明に係る高分子多孔質材料は、1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)と、1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子(B)との付加反応によって合成される高分子網目構造によって形成されていることを特徴としている。

【0022】
1.ジョイント分子(A)
上記1分子内に3個以上の官能基を有するジョイント分子(A)としては、
式(1):X[(Yi)i]n
で表される中心構造に反応性官能基が直接若しくは接合基を介して結合した化合物、又は、
式(2):X[(ZiYi)i]n
で表されるように、反応性官能基を分子内に含む(Yi)iで表される分岐構造が直接若しくは接合基Ziを介して結合する化合物が挙げられる。

【0023】
上記式(1)及び式(2)におけるXとしては、N、C、Si、O、B、Mg、Al、P、S、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Sn、Ba、Hf、W等の原子、これらのアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ化合物、シラン化合物、シロキシ化合物及びこれらの誘導体、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、インダセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ペンタセニル等の芳香族基、及びこれらの誘導体である構造が好ましい。

【0024】
また、上記式(1)及び式(2)におけるYiとしては、(CRi1Ri2)、(SiRi1Ri2)、(C6Ri1Ri2Ri3Ri4)又は(NRi1)の繰り返し単位が好ましい。

【0025】
上記式(1)及び式(2)における接合基Ziとしては、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、アミド結合、チオウレタン結合、アセタール結合、ジスルフィド結合、トリアジン、N、C、Si、Oが好ましい。

【0026】
また、上記式(1)及び式(2)におけるiは、中心構造Xからi番目の繰り返し単位を表し、i番目の繰り返し単位中に結合した置換基Ri1~Ri4は、各々独立に、水素、炭素数1~10のアルキニル基及びその誘導体、炭素数1~10のアルケニル基及びその誘導体、炭素数1~10のアルキル基及びその誘導体、炭素数6~50の芳香族化合物及びその誘導体からなる群から選ばれる基を表す。また、上記iは、好ましくは、1~50の整数であり、特に好ましくは、1~20の整数である。

【0027】
上記式(1)及び式(2)中のnは、中心構造Xに結合した分岐構造(Yi)i又は(ZiYi)iの数を表し、好ましくは、1~50の整数である。特に好ましくは、3~20の整数である。

【0028】
ジョイント分子(A)に含まれる反応性官能基としては特に限定されるものではないが、アミノ基、イミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチル、アセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基等が挙げられる。なかでも、アミノ基、イミノ基及びチオール基、アクリレート基、アクリルアミド基、アセチルアセトン基及びビニル基が、より確実に付加反応に寄与するという観点から、好ましい。

【0029】
本発明においては、いずれの構造の上記ジョイント分子(A)においても、1分子内に3個以上の官能基を有する多官能性化合物であることが肝要である。官能基が1分子内に3個未満の化合物では、目的とする高分子多孔質材料を得ることができない。

【0030】
上記式(1)及び式(2)中の分岐構造(Yi)i又は(ZiYi)i内の反応性官能基の結合位置は特に限定されるものではないが、反応性を考慮した場合、末端又はその近辺が好ましい。

【0031】
上記のような式(1)又は式(2)を満たす構造であれば、複数種の化合物を混合して使用することも可能である。

【0032】
2.リンカー分子(B)
上記の1分子内に2個以上の官能基を有するリンカー分子としては、
式(3):「(Yi)i」及び
式(4):[(ZiYi)i」
で表される構造を有する化合物が挙げられる。

【0033】
上記式(3)及び式(4)中のYiとしては、(CRi1Ri2)、(SiRi1Ri2)、(C6Ri1Ri2Ri3Ri4)又は(NRi1)の繰り返し単位が好ましい。

【0034】
また、上記式(3)及び式(4)中のiは、中心構造Xからi番目の繰り返し単位を表し、i番目の繰り返し単位中に結合した置換基Ri1~Ri4は各々独立に水素、炭素数1~10のアルキニル基及びその誘導体、炭素数1~10のアルケニル基及びその誘導体、炭素数1~10のアルキル基及びその誘導体、炭素数6~50の芳香族化合物及びその誘導体からなる群から選ばれる基を表す。また、上記iは、好ましくは、1~50の整数である。特に好ましくは、1~20の整数である。

【0035】
上記式(3)及び式(4)中の接合基Ziとしては、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、アミド結合、チオウレタン結合、アセタール結合、ジスルフィド結合、トリアジン、N、C、Si、Oが好ましい。

【0036】
ここで、本発明においては、リンカー分子としての役割をより確実に果たし、耐脆弱性及び多孔性に優れる高分子多孔質材料がより確実に得られるという観点から、ZiYiがエチレングリコールユニット(CH2-CH2-O)又はプロピレングリコールユニット(CH2-CH2(CH3)-O-)であること(即ち、リンカー分子はポリエチレングリコール(PEG)鎖を有する化合物であること)が好ましい。この点、従来技術では、PEGをいわゆる相分離剤として加えて多孔質ポリマーを合成しており、このPEGを洗浄除去する必要があるところ、本発明では、モノマーそのものがPEG構造を有するため、そのような洗浄除去の必要がない。

【0037】
ジョイント分子(B)に含まれる反応性官能基としては特に限定されるものではないが、アミノ基、アクリレート基、メタクリレート基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アジド基、シロール基、アルデヒド基、ケトン基、アセチルアセトン基、アクリルアミド基、イソシアネート基、ハロゲン化アリール基及びハロゲン化アルケニル基などが挙げられる。

【0038】
また、上記式(3)及び式(4)中のリンカー内の反応性官能基の結合位置は特に限定されるものではないが、反応性を考慮した場合、両末端又はその近辺が好ましい。

【0039】
いずれの構造の上記リンカー分子(B)であっても、1分子内に2個以上の官能基を有する多官能性モノマーであることが肝要である。官能基が1分子内に1個の化合物では、目的とする高分子多孔質材料を得ることができない。また、上記式(3)又は(4)を満たす構造であれば、複数種の化合物を混合して使用することも可能である。

【0040】
3.付加反応
本発明に係る多孔質材料は、上記ジョイント分子(A)と上記リンカー分子(B)とを付加反応させて製造される。この製造時における反応溶液中のモノマー濃度(即ち、反応溶液中のジョイント分子(A)とリンカー分子(B)の合計重量分率)は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されるものではないが、網目構造の均一性を考慮した場合、好ましくは0.1~100重量%、特に好ましくは1~50重量%の範囲である。

【0041】
当該高分子多孔質材料の高分子網目構造を形成するジョイント分子(A)とリンカー分子(B)との付加反応には、種々の反応を用いることができる。好ましくは、反応時に分子の脱離が無い反応、例えばチオール‐エン反応、マイケル付加反応、ヒドロシリル化反応、アジド‐アルキン反応、ヘック反応やイソシアネート、エポキシ、チオール、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、(メタ)アクリレート間の種々の重付加反応である。

【0042】
本発明の高分子多孔質材料の合成には、反応系に相分離構造を誘発するために溶媒を用いる。かかる溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、いずれの化合物も用いることができるが、ジョイント分子とリンカー分子の付加反応を阻害しない化合物が好ましい。

【0043】
かかる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1、4-ジオキサン、ジモチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン等の炭化水素系溶媒や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、複数種の溶媒を混合して使用することも可能である。なかでも、アルコール化合物を用いるのが好ましい。また、溶媒の沸点が比較的高く、乾燥が困難な場合には、反応後に低沸点溶媒による置換を行ってもよい。

【0044】
ジョイント分子(A)とリンカー分子(B)の付加反応において、ジョイント分子(A)の反応性官能基のモル数MAと、リンカー分子(B)の反応性官能基のモル数MBの比MA/MBは、好ましくは0.1~10、さらに好ましくは0.5~2である。

【0045】
上記ジョイント分子(A)とリンカー分子(B)の付加反応には種々の触媒、開始剤を用いることができる。具体的には、酸、塩基触媒のほか、ラジカル開始剤、遷移金属触媒が挙げられる。この場合、使用する触媒、開始剤の添加量は特に制限されるものではないが、効率的な高分子網目構造の形成、製造コストを考慮した場合、好ましくは0.001g/L~10g/L、特に好ましくは0.01g/L~1g/Lの範囲である。

【0046】
反応温度は、通常-30℃~300℃までにわたって実施することができるが、好ましくは0~200℃、より好ましくは20~150℃である。反応時間は一般的に使用するジョイント分子(A)、リンカー分子(B)、触媒の種類や濃度、溶媒の種類により適宜決定されるが、1分から240時間の範囲を取り得る。

【0047】
本発明の高分子多孔質材料には、本発明の効果が阻害されない範囲において、必要に応じて、例えば酸化防止剤及び分散剤等の添加剤を配合してもよい。添加は、上記の付加反応による合成時に行えばよい。

【0048】
以上、本発明の高分子多孔質材料及びその製造方法について説明したが、以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【実施例】
【0049】
[評価方法]
実施例においては、多孔質材料の評価は以下の方法にて行った。
(1)走査型電子顕微鏡(SEM)観察
日本分光社製のJSM-7400F、JSM-7610F、JSM-7100Fを使用して多孔質材料の構造を観察した。
(2)力学特性(ヤング率)解析
ORIENTEC社製テンシロン万能試験機RTE-1210を用い、10mm×10mm×10mmの多孔質材料の試験片を0.5mm/minで圧縮し、そのヤング率を測定した。
【実施例】
【0050】
<実施例1>
Tris(2-aminoethyl)amine-Poly(ethyleneglycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13 mmのアンプル管内に、ジョイント分子のTris(2-aminoethyl)amine59.0μL(0.39mmol)、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.35g(1.2mmol)、溶媒のエタノール3.06mL(2.4g)を導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が15重量%の均一な反応溶液を調製した。アンプル管を溶封した後、室温で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、40℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図1)。また、圧縮試験におけるヤング率は18kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0051】
<実施例2>
反応溶液のモノマー濃度を20重量%にした以外は、実施例1と同様にして、ネットワークポリマーを合成し、アンプル管から取り出し、室温で風乾した後、40℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図2)。また、圧縮試験におけるヤング率は22kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0052】
<実施例3>
反応溶液のモノマー濃度を25重量%にした以外は、実施例1と同様にして、ネットワークポリマーを合成し、アンプル管から取り出し、室温で風乾した後、40℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図3)。また、圧縮試験におけるヤング率は42kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0053】
<実施例4>
1,3,4-Tris(3-mercaptobutyloxethyl)-1,3,5-triazine-2,4,6-(1H,3H,5H)-trione-Poly(ethyleneglycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子の1,3,4-Tris(3-mercaptobutyloxethyl)-1,3,5-triazine-2,4,6-(1H,3H,5H)-trione(3T、昭和電工製のカレンズMT NR1)43.2mg、(0.38mmol)、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK1000)126.4mg(0.57mmol)、溶媒のエタノール0.4mL(0.32g)と開始剤のベンゾフェノンのエタノール溶液(0.3mM)0.1mL(0.079g)を導入し窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が30重量%の均一な反応溶液を調製した。
アンプル管を溶封した後、室温で0.5時間紫外線(365nm,16mW/cm2)を照射しネットワークポリマーを合成した。ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、40℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図4)。また、圧縮試験におけるヤング率は1.2kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0054】
<実施例5>
ポリエチレンイミン-Poly(ethylene glycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13 mmのアンプル管内に、ジョイント分子のポリエチレンイミン(純正化学PEI300)0.051g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.37g、溶媒のエタノール2.1mLを導入し窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が20重量%の均一な反応溶液を調製した。アンプル管を溶封した後、室温で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、100℃で1.2時間乾燥、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図5)。また、圧縮試験におけるヤング率は8.2kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0055】
<実施例6>
ジョイント分子のポリエチレンイミン(純正化学PEI300)0.064g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(NK200)0.47g、溶媒のエタノール2.0mLを導入した以外は、実施例5と同様にしてポリマーを合成し、アンプル管から取り出し、室温で風乾した後、100℃で1.2時間乾燥、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図6)。また、圧縮試験におけるヤング率は35.2kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0056】
<実施例7>
ジョイント分子のポリエチレンイミン(純正化学PEI300)0.079g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(NK200)0.56g、溶媒のエタノール1.9mLを導入した以外は、実施例5と同様にしてポリマーを合成し、アンプル管から取り出し、室温で風乾した後、100℃で1.2時間乾燥、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図7)。また、圧縮試験におけるヤング率は64.1kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0057】
<実施例8>
ポリエチレンイミン‐Poly(ethylene glycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のポリエチレンイミン(純正化学PEI600)0.098g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.81g、溶媒のエタノール2.7mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が30重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、20℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で4時間乾燥、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図8)。また、圧縮試験におけるヤング率は35.9kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0058】
<実施例9>
ジョイント分子のポリエチレンイミン(純正化学PEI1800)0.081g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.83g、溶媒のエタノール2.7mLを導入してモノマー濃度が30重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例8と同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図9)。また、圧縮試験におけるヤング率は10.1kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0059】
<実施例10>
ジエチレントリアミン‐Poly(ethylene glycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のジエチレントリアミン0.69g、リンカー分子のPoly(ethylene glycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.52g、溶媒のエタノール3.0mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、20℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で4時間乾燥、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図10)。また、圧縮試験におけるヤング率は2.2kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0060】
<実施例11>
ジョイント分子のジエチレントリアミン0.88g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.65g、溶媒のエタノール2.8mLを導入してモノマー濃度が25重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例10と同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図11)。また、圧縮試験におけるヤング率は19.1kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0061】
<実施例12>
ジョイント分子のジエチレントリアミン0.11g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.80g、溶媒のエタノール2.7mLを導入してモノマー濃度が30重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例10と同様にしてポリマーを合成し。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図12)。また、圧縮試験におけるヤング率は331kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0062】
<実施例13>
トリメチロールプロパンプロキシラートトリアクリレート‐ヘキサメチレンジアミンを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のトリメチロールプロパンプロキシラートトリアクリレート0.70g、リンカー分子のヘキサメチレンジアミン0.095g、溶媒のジメチルスルホキシド2.9mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、40℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、アセトン、ヘキサンで洗浄した。室温で風乾した後、40℃で3時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図13)。また、圧縮試験におけるヤング率は30.8kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0063】
<実施例14>
ジョイント分子のトリメチロールプロパンプロキシラートトリアクリレート0.70g、リンカー分子のヘキサメチレンジアミン0.095g、溶媒のジメチルスルホキシド2.9mLを導入してモノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製し、50℃で反応した以外は、実施例13と同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図14)。また、圧縮試験におけるヤング率は42.9kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0064】
<実施例15>
N,N’,N’’,N’’’-テトラアクリロイルトリエチレンアミン-ヘキサメチレンジアミンを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のN,N’,N’’,N’’’-テトラアクリロイルトリエチレンアミン(富士フイルム製のFAM-402)0.18g、リンカー分子のヘキサメチレンジアミン0.12g、溶媒の水2.7mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が10重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、25℃で3時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図15)。また、圧縮試験におけるヤング率は2.15MPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0065】
<実施例16>
N,N’,N’’-トリアクリロイルトリエチレンアミン-ヘキサメチレンジアミンを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子のN,N’,N’’-トリアクリロイルトリエチレンアミン(富士フイルム製のFAM-301)0.18g、リンカー分子のヘキサメチレンジアミン0.12g、溶媒の水2.7mLを導入してモノマー濃度が10重量%の均一な溶液を調製し、25℃で1時間反応した以外は、実施例15と同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図16)。また、圧縮試験におけるヤング率は0.10MPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0066】
<実施例17>
N,N’,N’’,N’’’-テトラアクリロイルトリエチレンアミン-1,10-デカンジチオールを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のN,N’,N’’,N’’’‐テトラアクリロイルトリエチレンアミン(富士フイルム製のFAM-402)0.23g、リンカー分子の1,10-デカンジチオール0.26g、溶媒のメタノール2.5mL、開始剤の2-ヒドロキシ‐4‘-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン0.057gを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、室温で365nmの紫外線(1300μW/cm2)を10分間照射した後、3時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図17)。また、圧縮試験におけるヤング率は3.1MPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0067】
<実施例18>
N,N’,N’’-トリアクリロイルトリエチレンアミン-1,10-デカンジチオールを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子のN,N’,N’’-トリアクリロイルトリエチレンアミン(富士フイルム製のFAM-301)0.28g、リンカー分子の1,10-デカンジチオール0.33g、溶媒のメタノール3.0mL、開始剤の2-ヒドロキシ-4‘-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン0.071gを導入してモノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例17と同様にしてポリマーを合成した。
得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図18)。また、圧縮試験におけるヤング率は3.6MPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0068】
<実施例19>
1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン‐ヘキサメチレンジイソシアネートを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子の1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(昭和電工製のカレンズ MT NR1)0.45g、リンカー分子のヘキサメチレンジイソシアネート0.19mL、溶媒のトルエン2.2mL、触媒のトリエチルアミン1.0μLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が25重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、室温で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図19)。また、圧縮試験におけるヤング率は878kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0069】
<実施例20>
ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)-ヘキサメチレンジイソシアネートを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子のペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)(昭和電工製のカレンズ PT PE1)0.40g、リンカー分子のヘキサメチレンジイソシアネート0.23mL、溶媒のトルエン2.2mL、触媒のトリエチルアミン1.0μLを導入してモノマー濃度が25重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例19と同様にしてポリマーを合成した。
得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図20)。また、圧縮試験におけるヤング率は731kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0070】
<実施例21>
1,3,5‐トリス(6‐イソシアナトヘキシル)‐1,3,5‐トリアジン‐2,4,6(1H,3H,5H)‐トリオン‐1,4-ベンゼンジチオールを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子の1,3,5‐トリス(6‐イソシアナトヘキシル)‐1,3,5‐トリアジン‐2,4,6(1H,3H,5H)‐トリオン(旭化成ケミカルズ製 デュラネートTKA-100)0.51g、リンカー分子の1,4-ベンゼンジチオール0.22g、溶媒のトルエン2.5mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、モノマー濃度が25重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、室温で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で風乾した後、30℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図21)。また、圧縮試験におけるヤング率は512kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0071】
<実施例22>
3官能ジョイント分子トリメチロールプロパントリアセトアセテートの合成
2-エチル‐2-ヒドロキシメチル‐1,3-プロパンジオール(関東化学)9.50g、tert-ブチル‐アセトアセテート(東京化成)34.2g、キシレン20.0mLを窒素置換した200mL三口フラスコに入れ150℃で24時間加熱還流した。その後、ロータリーエバポレーターで溶媒のキシレンと副生成物のtert-ブチルアルコールを除去し、目的のトリメチロールプロパントリアセトアセテートを得た。
【実施例】
【0072】
<実施例23>
トリメチロールプロパントリアセトアセテート‐1,4-ビス(アクリロキシ)ブタンを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のトリメチロールプロパントリアセトアセテートを0.32g、リンカー分子の1,4-ビス(アクリロキシ)ブタンを0.40g、溶媒のエタノールを2.5mL導入し窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、触媒の1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンを135μL導入し、モノマー濃度が20重量%の均一な反応溶液を調製した。アンプル管を溶封した後、20℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で24時間風乾した後、25℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図22)。圧縮試験におけるヤング率は10.1kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0073】
<実施例24>
トリメチロールプロパントリアセトアセテート‐Poly(ethyleneglycol)diacrylateを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13 mmのアンプル管内に、ジョイント分子のトリメチロールプロパントリアセトアセテート0.25g、リンカー分子のPoly(ethyleneglycol)diacrylate(新中村化学製のNK200)0.48g、溶媒のエタノールを3.2mL導入し窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、触媒の1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンを104μL導入し、モノマー濃度が20重量%の均一な反応溶液を調製した。アンプル管を溶封した後、20℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、室温で24時間風乾した後、25℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図23)。圧縮試験におけるヤング率は5.1kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0074】
<実施例25>
トリメチロールプロパントリアクリレート‐1,10-デカンジチオールを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子のトリメチロールプロパントリアクリレート0.27g、リンカー分子の1,10-デカンジチオール196μL、溶媒のジメチルスルホキシド2.0mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、触媒のトリエチルアミンを3.6μL導入し、モノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、室温で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、エタノールで洗浄した。100℃で1時間乾燥した後、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図24)。また、圧縮試験におけるヤング率は31.7kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0075】
<実施例26>
ペンタエリスリトールテトラクリレート‐1,10-デカンジチオールを用いた高分子多孔質材料の合成
ジョイント分子のペンタエリスリトールテトラクリレート0.25g、リンカー分子のリンカー分子の1,10-デカンジチオール309μL、溶媒のジメチルスルホキシド2.0mL、触媒のトリエチルアミン3.9μLを導入してモノマー濃度が20重量%の均一な溶液を調製した以外は、実施例25と同様にしてポリマーを合成した。
得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図25)。また、圧縮試験におけるヤング率は60.4kPaであり、圧縮による破断は起こらなかった。
【実施例】
【0076】
<実施例27>
1,3,5,7-テトラビニル‐1,3,5,7‐テトラメチルシクロテトラシロキサン‐9,9-ジヘキシル‐2,7-ジブロモフルオレンを用いた高分子多孔質材料の合成
内径13mmのアンプル管内に、ジョイント分子の1,3,5,7-テトラビニル‐1,3,5,7‐テトラメチルシクロテトラシロキサン0.11g、リンカー分子の9,9-ジヘキシル‐2,7-ジブロモフルオレン0.31g、溶媒のジメチルホルムアミド2.0mLを導入し、窒素置換した後、ボルテックスミキサーで撹拌し、触媒成分の酢酸パラジウム5.6mg、トリ‐o-トリルホスフィン0.038g、トリエチルアミンを0.22mL導入し、モノマー濃度が17重量%の均一な溶液を調製した。アンプル管を溶融した後、100℃で24時間反応しポリマーを合成した。
ポリマーをアンプル管から取り出し、エタノールで洗浄した。室温で風乾した後、60℃で4時間減圧乾燥した。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多孔質体であることが確認された(図26)。
【表1】
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【実施例】
【0077】
表1から、添加剤を用いることなく力学的性能に優れる高分子多孔質材料が得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の高分子多孔質材料の用途としては、特に制限されるものではなく、様々なものが考えられる。具体的には、断熱材、梱包材、緩衝材、分離材、吸着材、貯蔵材、触媒担体、電解質に用いることができる。これらの製品への加工方法は特に制限されるものではなく、種々の方法を用いることができる。具体的には、製品の形状の型の中で製造する方法や、高分子多孔質材料を別途合成した後、切断、剪裁する方法などが挙げられる。また、必要に応じて、種々の材料と併用することも可能である。






Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
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(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
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(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図15】
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(In Japanese)【図22】
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(In Japanese)【図26】
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